JP2732973B2 - 真空バルブの接点材料の製法 - Google Patents

真空バルブの接点材料の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空バルブの接点材料の
製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶浸法による真空バルブの接点材
料の製法は、耐火成分のスケルトンの空隙に、たとえば
CuやAgなどの導電成分を溶かし込むものであり、溶
浸時に用意される導電成分の量は、溶浸材中に巣を残さ
ないため空隙の量より若干多目である。
【0003】また、その具体的な製法は、スケルトンの
上、下または横などに溶浸用の導電成分材料を配し、導
電成分の融点以上にすることで、スケルトン中に導電成
分を溶かし込むものである。
【0004】この際、図5に示すように溶浸材中に巣を
存在させないため、溶かし込む導電成分は、スケルトン
の空隙の量よりも若干多く使用し、加熱により溶浸を行
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、前記従来
の溶浸法でえられた溶浸材中には巣の存在が無く、した
がって同成分を焼結法で製造した材料と比較すると、機
械的強度が高いものとなり、溶着時の引き外し力が高く
なるという問題がある。
【0006】また、特開平1−93018号公報に記載
の真空バルブ用接点材料は、製造時に機械加工(型プレ
ス加工)を施す必要があるため、空隙の均一性(特性の
バラツキ)、コストに問題があり、また、本発明の材料
と比較すると遮断性能が劣るため、同じ性能を出そうと
すると接点ならびにそれを納める真空バルブを大きくせ
ざるをえないという問題がある。
【0007】本発明は、前記のような問題点を解決する
ためになされたもので、溶浸法によって製造した溶着引
き外し力の低い接点材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶浸法による
真空バルブの接点材料の製法であって、Moに対して5
〜30体積%のNbおよび(または)Taを含有し、そ
の体積率が40〜60体積%の耐火成分のスケルトンに
対して、前記スケルトンの空隙量の3〜20体積%の巣
が存在するようにCuおよび(または)Agを溶浸させ
ことにより真空バルブの接点材料造する方法に関
する。
【0009】
【作用】本発明の真空バルブの接点材料の製法による
と、えられた溶浸材中には巣が存在し、機械的強度が巣
が存在しないばあいに比べて低い。したがって、溶着時
の引き外し力が低減する。
【0010】また耐火成分の組成がMoに対して5〜3
0%(体積%、以下同様)のNbおよび(または)Ta
を含有し、その体積率が40〜60%のスケルトンに対
して、スケルトンの空隙量の3〜20%の巣が存在する
ようにCuおよび(または)Agを溶浸させるため、え
られた溶浸材の遮断性能、耐圧性能の劣化をまねくこと
なく溶着引き外し力が低減される。
【0011】
【実施例】
[実施例1]以下、本発明の製法の一実施例を図1に基
づいて説明する。
【0012】図1において、1はトレー、2は耐火成分
のスケルトン、3は溶浸用の導電成分、4は溶浸材、5
は溶浸材中の巣である。
【0013】本発明で用いられる耐火成分のスケルトン
、Moを主成分とし、その他にNbおよび(または)
aを含有し、その体積率は40〜50%程度のもので
ある。
【0014】前記スケルトンの形状は、通常は円板(デ
ィスク)状であるが、溶浸残りの導電成分がないため
(機械加工しやすいため)コンタクトの形状であっても
よい。
【0015】スケルトンの空隙に溶浸する溶浸用の導電
成分の具体例としては、たとえばCu、Ag、CuとA
gの合金などがあげられる。
【0016】導電成分の溶浸は、導電成分を1000〜1250
℃で溶融させ、スケルトンに溶浸することにより行な
う。
【0017】本実施例では、導電成分をスケルトンの上
に置くことにより、前記溶浸を行なっている。このと
き、溶浸用導電成分材料をスケルトンの空隙量より少な
い量とするため溶浸したのちも溶浸材中に巣が存在す
る。
【0018】図2は、Nbを10%含有する体積率50%ス
ケルトンにCuを溶浸したばあいのスケルトン空隙中の
巣の量と溶浸材の引張り強度の関係を示すグラフであ
る。
【0019】図2からわかるように、溶浸材の機械的強
度は、巣の存在量が増加するにしたがい低下する。溶着
時の引き外し力は、材料の機械的強度に依存するため、
巣の存在量の増加とともに低くなる。ただし巣があまり
多く存在すると遮断性能、耐圧性能などの劣化をまねく
おそれがある。
【0020】また、スケルトンの組成が、Moに対して
5〜30%のNbおよび(または)Taを含有し、その体
積率が40〜60%の耐火成分のスケルトンを用いるばあ
い、スケルトンの空隙量の3〜20%の巣が存在するよう
に、Cuおよび(または)Agを溶浸するのが好まし
い。空隙量の20%より多くの巣が存在すると遮断性能お
よび耐圧性能に劣化の傾向がみられ、一方、空隙量の3
%より少ない巣の量であれば、溶着力の低減の効果が顕
著にえられない。したがって、耐火成分のスケルトン空
隙量の3〜20%に巣を存在させることで真空遮断性能、
耐圧性能の劣化をまねくことなく溶着引き外し力の低減
が図れる。
【0021】[実施例2]実施例1では、溶浸用の導電
成分材料をスケルトンの上に配したが、図3または図4
のごとくスケルトンの下や、横に配し、実施例1と同様
に加熱することによっても同様の溶浸材がえられる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶浸材中
に巣を存在させたため機械的強度が低下し、えられた溶
浸材を真空バルブの接点材料として使用した際、溶着引
き外し力を軽減できる効果がある。
【0023】さらに、耐火成分のスケルトンの組成が、
Moに対して5〜30%のNbおよび(または)Taを含
有し、その体積率が40〜60%の耐火成分のスケルトンに
対して、スケルトン中にスケルトン空隙量の3〜20%の
巣を存在するようにCuおよび(または)Agを溶浸し
たばあい、真空バルブの接点材料として使用した際、遮
断性能、耐圧性能の劣化をまねくことなく溶着力の低減
の効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法の一実施例を示す説明図である。
【図2】耐火成分のスケルトン空隙中の巣の量と溶浸材
の引張り強度の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の製法の一実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の製法の一実施例を示す説明図である。
【図5】従来の真空バルブの接点材料の製法を示す説明
図である。
【符号の説明】
2 耐火成分のスケルトン 3 導電成分 4 溶浸材 5 巣

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶浸法による真空バルブの接点材料の製
    法であって、Moに対して5〜30体積%のNbおよび
    (または)Taを含有し、その体積率が40〜60体積
    %の耐火成分のスケルトンに対して、前記スケルトンの
    空隙量の3〜20体積%の巣が存在するようにCuおよ
    び(または)Agを溶浸させることにより真空バルブの
    接点材料造する方法。
JP4002726A 1992-01-10 1992-01-10 真空バルブの接点材料の製法 Expired - Fee Related JP2732973B2 (ja)

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JPS62163229A (ja) * 1986-01-10 1987-07-20 三菱電機株式会社 真空しや断器用接点材料
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