JP2732756B2 - 複合床材 - Google Patents

複合床材

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JP2732756B2
JP2732756B2 JP4166224A JP16622492A JP2732756B2 JP 2732756 B2 JP2732756 B2 JP 2732756B2 JP 4166224 A JP4166224 A JP 4166224A JP 16622492 A JP16622492 A JP 16622492A JP 2732756 B2 JP2732756 B2 JP 2732756B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種建築物の内装、外
装に用いる複合床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物に於ては、高級化、快適
化、清潔化が求められてきた。このため、表面仕上材と
して、清掃する事により美しさを保ち易く、高級感を出
せる無機質系仕上材が多用される様になった。ところが
無機質系仕上材は一般に脆性材料であり、曲げ強度が弱
く、かつ衝撃に弱く破損し易いという欠点を有する。特
に、厚さ10mm以下の薄物に於ては、運搬や施工時に破
損する場合が非常に多いため、その対策が切望されてい
た。特にこの傾向は、多結晶構造である天然石材の場合
に顕著に現われていた。
【0003】又、一方では、施工工事を行う職人が老齢
化し、若年層では極端に職人が不足してきている。即
ち、若年層では、長年費やして会得する必要のある施工
ノウハウを身につけようとする人は激減しており、この
傾向は今後も同様であろうと予測できる。つまり、今後
はより少数の職人が短時間に大面積の施工をできるよう
な材料を提供しなければならないし、施工ノウハウを持
たない人が容易にしかも安全に施工し得る材料を提供し
なければならない。又、無機仕上材のもう一つの欠点と
して、材質自体が固く、従来の方法では衝撃緩和を行う
事が出来なかった為に、特に幼児、老人、障害者等の場
合に、転倒によるケガが発生しやすい。また店舗等で
は、立ち仕事となるので、店員等が非常に疲れ易いとい
う欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的は以下の通り
である。歩行者が衝突、転倒したときの安全性を高くす
る事。店員、作業者、歩行者が疲れにくい事。耐曲げ
性、耐衝撃性に優れており、運搬等による破損を少なく
できる事。施工性が良く、誰でも美しい仕上げが出来る
事。万一の破損等に対し、部分的な補修が可能な事。仕
上材の上に雨水等が溜まらず流下する事。低コストであ
る事。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機高分子材
料からなる下地材と、無機質系仕上材との組み合わせか
らなる複合床材であって、前記下地材が、枠部と、この
枠部に囲まれた板状の仕上材支持部と、前記枠部から突
出した嵌合用突起と、この嵌合用突起に対して嵌め合わ
せ可能な嵌合用凹部とを備え、前記仕上材支持部に貫通
孔が設けられ、更に前記下地材に脚部が設けられてお
り、この脚部によって既設床面と前記仕上材支持部とを
離間できるように構成されており、この脚部に細長い変
形可能な位置極め用材を挿通するための貫通孔が、前記
脚部に水平方向に向って形成されており、前記仕上材が
前記仕上材支持部上に支持されかつ前記枠部の内側に固
定されている、複合床材に係るものである。本発明にか
かる脚部の貫通孔には、以下の作用がある。施工時に、
細長い位置極め用材を、複数の下地材の貫通孔に挿通
し、仕置極め用材の一端を固定する。そして仕置極め用
材の他端を引っ張ると、位置極め用材の方向に複数個の
下地材を一列に並べることができる。この際、各下地材
の枠も自動的に位置合わせされ、直線状の目地が形成さ
れる。これにより、施工に不慣れな人が施工しても、美
しい仕上りが得られる。また、位置極め用材は、下地材
を設置するときの墨線にあたり、施工の基準線として使
用すると便利である。
【0006】
【実施例】本発明の複合床材は、有機高分子材料からな
る下地材と、無機質系仕上材との組み合わせからなる。
【0007】仕上材を構成する無機質材料とは、天然
石、陶器、磁器、ガラス、その他のセラミックス、人工
石を言う。必ずしも仕上材の構成成分全てが無機質材料
でなくても良い。つまり、視覚、触覚で無機質仕上材と
判断できる、即ち少なくとも表面が無機質の仕上材を対
象とする。天然石とは、火成岩、変成岩、堆積岩に大別
される。火成岩は、岩石の生成条件により更に火山岩、
半深成岩、深成岩に分れる。これ等は更に化学成分によ
って、火山岩は流絞岩、安山岩、玄武岩に分れ、半深成
岩は斑岩、ふん岩、輝緑岩に分れ、深成岩としては花コ
ウ岩、内緑岩、ハンレイ岩、カンラン岩が挙げられる。
変成岩としては大別して熱変成、熱水変成、広域変成の
型がある。これ等の代表例としては、緑泥石化岩、珪化
岩、大理石、千枚岩、片岩、片麻岩が挙げられる。堆積
岩は大別して砕屑岩、生化学的堆積岩、火山砕屑岩があ
り、それ等の代表例として、礫岩、砂岩、粘土岩、泥
岩、頁岩、凝灰岩、砂質凝灰岩が挙げられる。人工石と
しては、天然石の砕石及び/又は水酸化アルミニウム等
の充填剤を、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂等のポ
リマーで成型した物や、ガラス質を高温にて熔融固化さ
せて得た物等が例示される。
【0008】上に例示したような無機質系仕上材には、
前述したような種々の問題があった。本発明者は上記課
題を解決する手段として、下地材に衝撃緩和効果を持た
せる事により、衝突、転倒による安全性を高め、疲労防
止を行ない、併せて無機質系仕上材の運搬時などの破損
を激減させうる事を見出した。一方で、施工面に於て
も、下地材を容易に接続し延長させることができ、枠部
により目地通りの良い、部材同士の平滑性に優れた無機
質仕上げが容易にできる事が判った。又、万一仕上材が
破損した時に於ても、容易に仕上材の取替えが可能とな
り、美しい内外装面を保つことが出来た。
【0009】図1は、本発明の実施例で用いる下地材を
示す平面図、図2は図1のII−II線断面図である。本例
の下地材においては、枠3A,3B,3C,3Dによっ
て3列×3列の仕上材支持部が形成されている。即ち、
相対的に幅の広い直線状の枠3Bが縦二列、横二列配列
され、枠3B同士がほぼ直交している。即ち、枠3Bに
よって「井」の字状の枠が形成されている。図1、図2
において右端には真っ直ぐな枠3Aが設けられ、左端に
は枠3Cが設けられている。図1において上端と下端と
には枠3Dが設けられている。枠3A,3B,3C,3
Dの内側に、それぞれ平板状の仕上材保持部4が設けら
れている。本例では、各仕上材保持部4の中央付近に円
形貫通孔6Bが設けられ、円形貫通孔6Bの周囲に四個
の円形貫通孔6Aが配置されている。
【0010】図1において右側の3箇所の仕上材支持部
4では、その右端に平面長方形の嵌合用凹部5Aがそれ
ぞれ設けられており、各嵌合用凹部5Aの3辺は仕上材
支持部4に囲まれ、1辺は枠3Aに囲まれている。図1
において下側の3箇所の仕上材支持部4では、その端部
に平面長方形の嵌合用凹部5Bがそれぞれ設けられてお
り、各嵌合用凹部5Bの3辺は仕上材支持部4に囲ま
れ、1辺は枠3Dに囲まれている。
【0011】図1において左側の枠3Cの外方に、平面
長方形の嵌合用突起1Aが3箇所に設けられ、嵌合用突
起1Aと枠3Cとの間には、平面長方形の凹部2が設け
られている。図1において上側の枠3Dの外方に、平面
長方形の嵌合用突起1Bが3箇所に設けられ、嵌合用突
起1Bと枠3Dとの間には、平面長方形の凹部2が設け
られている。
【0012】下地材の下側面には、所定箇所に脚部7が
設けられている。本例では、脚部7の断面形状は台形で
あり、既設床面に近づくのにつれて脚部7が徐々に細く
なっている。
【0013】施工現場においては、既設床10の表面
に、図3に示すように下地材を敷設する。この際、脚部
7の平坦な底面7aが既設床10に当接し、仕上材支持
部4と既設床面とが脚部7によって離間される。そし
て、下地材の嵌合用凹部5Aに対し、隣り合った下地材
の嵌合用突起1Aを下側から挿入し、仕上材支持部4と
枠3Aとの間に嵌合用突起1Aを挟む。枠3Aと3Cと
を当接させ、凹部2に枠3Aを収容し、固定する。これ
により、嵌合用突起1Aと嵌合用凹部5Aとは嵌め合わ
され、隣接した下地材が互いに結合される。このように
して、3個の嵌合用突起1Aと3個の嵌合用凹部5Aと
を互いに同時に嵌め合わせる。また、これと同様にし
て、3個の嵌合用突起1Bと3個の嵌合用凹部5Bとを
互いに同時に嵌め合わせる。平面的にみて例えば略正方
形の無機質系仕上材11を、各仕上材支持部4上に載置
し、枠3A,3B,3C,3Dの内側に仕上材11を保
持する。無機質系仕上材11の各側面が枠3A,3B,
3C又は3Dに当接し、これにより仕上材11が平面的
に位置極めされ、固定される。
【0014】この結果、一個の下地材にそれぞれ3列×
3列の仕上材11が支持され、固定される。各仕上材1
1の四周を囲むように、枠3A,3B,3C,3Dが目
地を構成する。こうした下地材を多数連結することによ
り、フロアーを構成する。
【0015】本実施例の複合床材によれば、下地材が有
機高分子材料からなり、無機質系仕上材11が直接に既
設床10に当接せず、かつ仕上材11同士も当接してい
ない。この下地材の緩衝作用により、歩行者が転倒した
ときの衝撃が著しく少なくなり、かつ歩行者、作業者が
疲れにくく、運搬の際にも無機質系仕上材11が破損し
にくい。
【0016】また、下地材同士を順次に嵌め合わせるだ
けでフロアーを構成できるので、従来法と異なり、熟練
工でなくとも容易に、短時間に無機質系仕上材11を敷
設することができる。また、枠3A,3B,3C,3D
が目地となるので、目地通りを揃えることも容易であ
る。また、一部の仕上材11が破損したら、破損した仕
上材11のみを取り外し、交換するだけで、補修が終
る。従って、従来のような面倒な部分補修作業は全く不
要である。
【0017】また、仕上材支持部4に貫通孔6A,6B
が設けられていることから、例えば屋外施設など、雨水
や流水の影響を受け易いフロアーにおいても、円形貫通
孔6A,6Bを通して下地材の下側に水を流下させるこ
とができる。この結果、仕上材11の上に水が溜まら
ず、歩行者が滑りにくい。なお、仕上材支持部4を薄く
し、円形貫通孔6A,6Bを大きくすれば、衝撃緩和効
果が生じるが、逆に仕上材11に損傷を与え易くなる。
このため、仕上材支持部4はある程度厚くし、貫通孔6
A,6Bも排水に充分な程度の大きさにし、仕上材11
にダメージを与えにくい寸法にする方がよい。
【0018】本実施例では、更に、脚部7によって下地
材全体を支持していることから、衝撃緩和効果がある。
脚部7において適切な衝撃緩和効果を発揮させるために
は、脚部7にかかる荷重と、水平方向の断面積と、材質
との関係を考慮する。既設床10が通常の躯体コンクリ
ートであれば、脚部7を硬質ゴムで形成しても既設床1
0の損傷は起らない。しかし、既設床10の表面に、例
えば塩化ビニル樹脂製の防水シートが貼られている場合
など、既設床10の表面が傷付き易い場合は、ゴムや発
泡体のような柔軟な材料によって脚部7を形成すること
が好ましい。また、この場合は、図4に示すように、脚
部17の底面を曲面17aとして形成することも有効で
ある。
【0019】また、本実施例では、脚部7によって既設
床10と仕上材支持部4とを離間している。空気は断熱
性が非常に優れているので、既設床10と仕上材11と
の間で断熱効果が高い。
【0020】特に図1に示すように、枠部3A,3B,
3C,3Dは目地模様を構成する。そこで、多数の下地
材を敷設したとき、枠3Aと3Cとが連続して一列の目
地を構成し、二つの枠3Dが連続して一列の目地を構成
する。従って、各目地の幅を同じにするためには、枠3
Dの幅を枠3Bの幅の1/2とすることが好ましいし、
枠3Aと枠3Cとの幅の総和を枠3Bの幅と同じにする
ことが好ましい。枠3A,3B,3C,3Dの高さは、
仕上材11の厚さの1〜1/2倍に設定することが好ま
しい。
【0021】仕上材11を枠の内側に固定する際、仕上
材11を仕上材支持部4に接着、粘着させることが好ま
しい。こうした接着剤としては、硬化後に剛性が出るタ
イプのものと、硬化後に弾性が出るタイプのものとがあ
る。仕上材支持部4の材料が剛性を有している場合は、
ゴム弾性を有する接着剤層を形成すれば、仕上材11が
衝撃を受けたときに、この接着剤層内で剪断応力を受け
ることができる。従って、仕上材11の損傷を少なくで
きる。一方、仕上材支持部4が、柔軟性の高い材料で形
成されている場合には、上記の剪断応力の大部分を仕上
材支持部4で受けることができるので、剛性のある接着
剤層を形成してよく、この場合は仕上材支持部4を補強
する効果がある。また、仕上材11と仕上材支持部4と
の接触部分の全面に亘って接着剤層を形成する必要はな
く、いわゆるダンゴ貼りによって部分的に接着してもよ
い。
【0022】図4に示すように、枠3Bの下側に溝8を
形成することができる。こうした溝8には、以下の作用
がある。まず、既設床面に不陸があるときには、仕上材
支持部4に歪みが生ずることになるが、溝8を設けるこ
とによって、溝8の周辺が変形し易くなり、溝8の周辺
で不陸をかなり吸収できる。従って、下地材が一層施工
し易くなり、仕上げ状態が美しくなる。また、歩行者な
どが転倒すると、仕上材11に急に衝撃が加わる。この
とき、溝8の周辺が変形し、緩衝する作用がある。
【0023】ただ、下地材を構成する材質によっては、
溝8を設けるとその周辺が疲労し易いので、繰り返し圧
縮試験等を実施する必要がある。また、溝8の周辺の形
状が複雑になるので、金型費が増加し、不良品が発生し
易くなる。
【0024】図1〜図3、図5、図6に示すように、脚
部7に、水平方向に延びる貫通孔9を形成する。そし
て、施工時に、細長い位置極め用材を、複数の下地材の
貫通孔9に挿通し、仕置極め用材の一端を固定する。そ
して仕置極め用材の他端を引っ張ると、位置極め用材の
方向に複数個の下地材を一列に並べることができる。こ
の際、各下地材の枠も自動的に位置合わせされ、直線状
の目地が形成される。これにより、施工に不慣れな人が
施工しても、美しい仕上りが得られる。また、位置極め
用材は、下地材を設置するときの墨線にあたり、施工の
基準線として使用すると便利である。
【0025】細長い変形可能な位置極め用材としては、
糸状物、紐状物、針金状物などがある。また、各下地材
について、位置極め用材を1本挿通させてもよく、複数
本挿通させてもよい。また、製品の段階で、複数個の下
地材の貫通孔9に予め位置極め用材を挿通させ、複数個
の下地材を予めつなぎ合わせておいてもよい。なお、脚
部7の貫通孔9の直径を大きくしたり、形状を変えるこ
とによって、貫通孔9の周辺に衝撃緩和効果を持たせる
こともできる。
【0026】図5に一部を示すような複合床材を用いる
こともできる。本実施例では、枠3Bの上端部に細長い
小突起12を形成し、この小突起12を仕上材11の側
面に当接させ、小突起12によって仕上材11を押え
る。仕上材11と枠3Bとの間には隙間を設けておく。
こうした構成であれば、仕上材11に横方向へと衝撃が
加わったとき、小突起12がいち早く変形し、衝撃を吸
収する。
【0027】また、本実施例では、枠3Bの下方に溝8
を設ける。更に、仕上材支持部14に径の小さな貫通孔
6Cを多数設けておき、仕上材11と仕上材支持部14
との間に接着剤層13Aを設ける。しかも、施工時にお
いては、流動性の接着剤が貫通孔6C内を流下し、貫通
孔6Cの下端開口に盛り上る。そして、貫通孔6C内に
は硬化接着剤13Bが充填され、貫通孔6Cの下端開口
には硬化接着剤13Cが球状に盛り上る。
【0028】こうした構造を採用すれば、接着剤を塗布
して仕上材11を固定する段階で、硬化前の接着剤と仕
上材支持部14、接着剤と仕上材11との界面で、隙間
の空気が多数の貫通孔6Cを通って逃げ易くなる。従っ
て、上記の接着界面において隙間や空気溜まりができに
くくなり、有効接着面積が増大し、施工に習熟していな
い作業者が施工しても、熟練者と同程度の接着性能が得
られる。なお、すべての貫通孔6Cに硬化接着剤を充填
すると、排水の機能が失なわれるので、貫通孔6Cのう
ち一部のものには接着剤を充填しないようにする。
【0029】図6はそれぞれ脚部27Aのみを拡大して
示す断面図である。脚部27Aのうち、基部27aと下
端部27bとで材料を異ならせる。この際、好ましく
は、基部27aの材料の硬度よりも、下端部27bの材
料の硬度の方を低くする。このようにすると、ある荷重
域迄は変位しにくいが、一定荷重を越えると変位が大き
くなり、衝撃緩和効果が高くなるので、転倒や衝突時の
安全性を高める効果が発揮できる。脚部27Aにおいて
は、基部27aに貫通孔9を設けてある。
【0030】下地材を構成する有機高分子材料として
は、材質面では、ゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が
好適である。ゴムの具体例としては、天然ゴムと合成ゴ
ムがある。合成ゴムは、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴ
ム、熱可塑性ゴム、液状ゴムに大別でき、いずれも本発
明では単独又は併用して用いる事ができる。天然ゴムと
は、植物から採取されるゴム炭化水素を主成分とする物
質を言い、通常は濃縮ラテックス又は生ゴムの形で市販
されており、イソプレンがシス1,4結合したものであ
る。ジエン系ゴムとしては、ブタジエン、スチレン−ブ
タジエン、クロロプレン、ブタジエン−アクリロニトリ
ル等があり、非ジエン系ゴムとしては、イソブチレンイ
ソプレン、エチレンプロピレン、クロルスルフォン化ポ
リエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリ
ン、有機ケイ素化合物系、含フッソ化合物系、ウレタン
系、ビニル系等が例示される。熱可塑性ゴムは熱可塑性
エラストマーとも言われ、スチレン系、オレフィン系、
ポリエステル系、ウレタン系、ポリアミド系、1−2ポ
リブタジエン系等が例示できる。液状ゴム系としては、
多硫化ゴム系、有機ケイ素化合物系、ウレタン系、ブタ
ジエン系、クロロプレン系、イソプレン系等が例示でき
る。ゴム系は、一般にゴム単独で用いるよりも、可塑
剤、充填剤等や練り加工機の条件設定によりムーニー粘
度の調整や、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等の添加
により最適な加硫条件設定や設計物性を満足する処方を
組む事ができる。
【0031】熱可塑性樹脂系とは、加熱する事により軟
化して可塑性を示し、冷却すると固化するプラスチック
を総称して言う。その具体例を挙げると、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ポリスチレン、ABS、アクリル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アセタール、ポ
リカーボネート、繊維素プラスチック、フッソ樹脂等が
ある。成形サイクルは一般に、後述する熱硬化性樹脂よ
りも短く、大量生産に適しているし、又、成形時等に発
生するスクラップ等の再利用が出来る点でコスト面でメ
リットが生じる。又、無機質系仕上材の曲げ強度の補強
にも適したものになり易い反面、下地材での不陸吸収や
衝撃緩和を行う上で、形状面での工夫をした方が良い点
と、接着剤や脚部等に衝撃緩和効果や不陸吸収性能を発
揮させる組合せを検討する事が望ましい。
【0032】熱硬化性樹脂系とは、熱や触媒や架橋剤に
より硬化し不溶不融性の物質になる樹脂を言い、本発明
では、必ずしも熱や触媒がなくても架橋剤で化学反応を
行い硬化する樹脂も含めた。それ等の具体例として、フ
ェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂等
がある。これ等は比較的低分子量の物が多く、硬化物の
剛性が比較的高いものが多い。その為に無機質系仕上材
の破損防止上は有利となるが、衝撃緩和の観点では、枠
部下面の溝や脚部や下地材の厚み等の形状の検討や、接
着剤や脚部の材質面での検討が望ましい。前記ポリマー
は、熱可塑性樹脂や熱可塑性ゴムのように架橋剤を必要
としない物も多数あるが、その他のゴム系や熱硬化性樹
脂では一般に架橋剤が用いられる。架橋剤とポリマーの
反応基の組合せ例を表1に示す。表1の組合せにより、
触媒、熱を考慮して最適なポリマーと架橋剤の組合せと
反応条件を設定する事及び可塑剤、充填剤、老化防止剤
その他の添加剤を必要に応じて使用する事により、本発
明に適した下地材が得られる。
【0033】
【表1】
【0034】又、下地材はその材質のみにより衝撃緩和
効果を有するのではなく、材質とその形状により総合的
に効果が生じるものである。つまり、仕上材支持部の厚
みと穴部のバランス、枠材下部の溝の形状、脚部の材
質、硬度及びその組合せ、下地材に対しての断面積、配
設個数等により異ってくる為に、コスト、想定荷重等に
より個々の材質によって決定する必要がある。
【0035】次に、具体的な実験結果について述べる。 (試料の作製)。 参考例1,2、実施例1では、下地材の材質をエポキシ
樹脂とした。参考例1,2、実施例1で用いる配合物の
組成を、表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】参考例1,2、実施例1において、下地材
の枠3A,3B,3C,3D、仕上材支持部4、円形貫
通孔6A,6B、嵌合用突起1A,1B、嵌合用凹部5
A,5Bについては、図1〜図3に示す形状を採用し
た。参考例1では、図6の脚部27Aに貫通孔を設けず
に用いた。基部27aはエポキシ樹脂で形成し、下端部
27bは発泡ポリエチレンで形成した。参考例2では、
参考例1と同じ脚部を採用し、溝8を設けた。実施例1
では、図6の脚部27Aを採用し、溝8を設けた。
【0038】参考例1,2、実施例1において、無機質
系仕上材として、厚さ8mmの大理石板を使用した。比較
例1においては、厚さ8mmの大理石板を、躯体コンクリ
ートへとセメントで直接に貼り付けた。比較例2では、
厚さ8mmの大理石板を、躯体コンクリートへとモルタル
団子で直接に貼り付けた。
【0039】(試験方法)。 圧縮特性: JIS−K−6301に準じ、直径50mm
の木製円柱により加圧速度10mm/分にて圧縮し、応力
(5kg/cm2 又は10kg/cm2 )と変位(mm)との関係
を求めた。 衝撃安全性,耐疲れ性: JIS−A−6519の附属
書1及び2により測定した。衝撃安全性は床の硬さGに
よって評価し、耐疲れ性は緩衝効果値Uによって評価し
た。
【0040】排水性: 施工テストを行った後に、ジョ
ーロで20Lの水をフロアーに散水し、散水後の水の流
下し易さ及びフロアー上の水溜まりの有無を目視で判定
した。水溜まりが生じるときは「×」、水溜まりは生じ
ないが流下が遅いときは「△」、散水が流下して水溜ま
りが生じないときは「○」とした。 断熱性: 施工テストを行った後に、フロアーの表面に
赤外線ランプを連続5時間照射し、無機質系仕上材の上
側表面温度、下地材の下側表面温度、コンクリート駆体
の表面温度をそれぞれ熱電対によって測定した。この結
果、無機質系仕上材の上側表面温度と駆体の表面温度と
の温度差が10℃以上のときは「○」とし、10℃未満
のときは「×」とした。
【0041】運送破損率: 参考例、実施例、比較例の
床材を各々10枚パッキンケースに入れ、約2700km
の距離をトラック運送便にて運搬し、開梱して無機質系
仕上材の破損率を調べた。この際の運送ルートは、福山
→大阪→東京→名古屋→福岡→福山のルートとした。 施工時間: 参考例、実施例、比較例の床材について、
施工経験のない20歳台の人を3人選定し、それぞれ3
人別々に施工させた。施工面積は各人当り5m2 とし、
施工に要した時間を3人の平均で示した。これらの実験
結果について、表3にまとめて示す。
【0042】
【表3】
【0043】参考例1は、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂
で下地材と脚部の一部とを形成し、脚部の一部を発泡ポ
リエチレンで形成した例である。圧縮特性も、10kg/
cm2 の荷重に対しても仕上材の損傷もなく、充分荷重に
耐え得る床である事を示している。転倒時の安全性、耐
疲れ性も良好であり、排水性、断熱性、運送破損率も良
好である。施工性も良く、素人でも充分施工できる。参
考例2は、参考例1において枠部の下に溝8を設けた例
を示す。衝撃安全性、耐疲れ性の改善は、枠部下面の溝
8の効果と言える。又、施工時間が若干早くなったの
は、溝8の存在によって、コンクリート駆体表面の不陸
を吸収し易くなったからである。
【0044】実施例1は、参考例2において、更に脚部
に荷重方向と直角方向に貫通孔9を設けた場合を示して
いる。この場合、衝撃安全性、耐疲れ性が参考例2より
も更に改良できている。又、大きく改良できている項目
として施工性が挙げられる。これは、貫通孔9に糸を通
し、複数個の下地材を同時に一直線に並べる事ができ、
目地通りに細かな配慮が不要になったからである。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合床材
は、脚部に、水平方向に延びる貫通孔を有し、この脚部
の貫通孔には、施工時に、細長い位置極め用材を挿通
し、仕置極め用材の一端を固定することができる。この
仕置極め用材の他端を引っ張ると、位置極め用材の方向
に複数個の下地材を一列に並べることができる。本発明
の複合床材によれば、施工の際、各下地材の枠も自動的
に位置合わせされ、直線状の目地が形成される。これに
より、施工に不慣れな人が施工しても、美しい仕上りが
得られる。また、位置極め用材は、下地材を設置すると
きの墨線にあたり、施工の基準線として使用すると便利
である。また、本発明の複合床材によれば、下地材が有
機高分子材料からなり、無機質系仕上材が直接に既設床
に当接せず、かつ下地材同士も当接していない。この下
地材の緩衝作用により、歩行者が転倒したときの衝撃が
著しく少なくなり、かつ歩行者、作業者が疲れにくく、
運搬の際にも無機質系仕上材が破損しにくい。
【0046】また、下地材同士を順に嵌め合わせるだけ
でフロアーを構成できるので、従来法と異なり、熟練工
でなくとも容易に、短時間に無機質系仕上材を敷設する
ことができる。また、枠が目地となるので、目地通りを
揃えることも容易である。また、一部の仕上材が破損し
たら、破損した仕上材のみを取り外し、交換するだけ
で、補修が終る。従って、従来のような面倒な補修作業
は全く不要である。
【0047】また、仕上材支持部に貫通孔が設けられて
いることから、例えば屋外施設など、雨水や流水の影響
を受け易いフロアーにおいても、貫通孔を通して下地材
の下側に水を流下させることができる。この結果、無機
質系仕上材の上に水が溜まらず、歩行者が滑りにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る仕上材を示す平面図であ
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の仕上材に無機質系仕上材11を設置した
状態を示す部分断面図である。
【図4】溝8の周辺を示す要部断面図である。
【図5】貫通孔9の周辺を示す要部断面図である。
【図6】脚部27Aのみを示す断面図である。
【符号の説明】
1A,1B 嵌合用突起 3A,3B,3C,3D 枠 4,14 仕上材支持部 5A,5B 嵌合用凹部 6A,6B,6C 貫通孔 7,17,27A 脚部 8 溝 9 貫通孔 11 無機質系仕上材 13A,13B,13C 硬化した接着剤

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子材料からなる下地材と、無機
    質系仕上材との組み合わせからなる複合床材であって、 前記下地材が、枠部と、この枠部に囲まれた板状の仕上
    材支持部と、前記枠部から突出した嵌合用突起と、この
    嵌合用突起に対して嵌め合わせ可能な嵌合用凹部とを備
    え、前記仕上材支持部に貫通孔が設けられ、更に前記下
    地材に脚部が設けられており、この脚部によって既設床
    面と前記仕上材支持部とを離間できるように構成されて
    おり、この脚部に細長い変形可能な位置極め用材を挿通
    するための貫通孔が、前記脚部に水平方向に向って形成
    されており、前記仕上材が前記仕上材支持部上に支持さ
    れかつ前記枠部の内側に固定されている、複合床材。
  2. 【請求項2】 前記脚部の少なくとも一部が、有機高分
    子材料からなる発泡体によって構成されている、請求項
    1記載の複合床材。
  3. 【請求項3】 既設床に向って開口する溝が前記枠部の
    下方に設けられており、前記溝が前記仕上材支持部の厚
    み以下の深さを有している、請求項1又は2記載の複合
    床材。
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