JP2732599B2 - 水質処理装置 - Google Patents

水質処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、受水槽、例えば給水タンク、蓄熱槽、高地
水槽等における赤錆、水垢付着を解消することができる
水質処理装置に関する。
(従来の技術) 静電気水質処理装置は、高圧の直流電流により、静電
場を作り、そこを通過する水を弱アルカリ性に変え、又
水中の金属イオンが、水がイオン解離してできた水酸イ
オンと反応し、親和物となり管壁に固着せず水圧で流さ
れ、管外に流出するようにした機構を有するもので、従
来から知られている(特公昭56-3794号公報)。しか
し、この静電気水質処理装置を用いるだけでは、水中に
溶存する水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、塩素ガス等の
溶存ガスを抜気できないために、この溶存ガスに起因し
て錆が発生するという不都合があった。
この不都合を解消するために、静電気水質処理装置と
抜気装置とを直列に配列し、静電気水質処理された水を
抜気装置に通して溶存ガス(気体)を分離除去する装置
が提案されている(実開昭62-170196号公報)。この装
置によれば、静電気水質処理装置と抜気装置とが直列に
配列されているために個々の装置の調整を行うことが難
しく、故障時の補修にも手間がかかり、かつ抜気手段と
してブロアーを使うために抜気又は排気能力が弱く充分
な抜気又は排気が出来ず、さらにゴミ、スケール等の水
に必然的に混入する固形物又は沈澱物を排出する機構が
ないために水中の固形物又は沈澱物は排出されることが
なく種々のトラブルの原因となっているという問題を抱
えていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記した問題を解決すべく研究を行った結
果発明されたもので、静電気水質処理装置と気水分離装
置とを並列に取付けることによって、個々の装置の調整
を行うことを容易とし、かつ故障時の補修も簡単に行う
ことができ、さらに抜気能力の向上及び抜気の調整を自
在に行うことを可能とし、かつさらに水中の固形物又は
沈澱物の除去も簡単に行うことができるようにした水質
処理装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の水質処理装置で
は、受水槽に接続する静電気水質処理装置と、該静電気
水質処理装置と並列的に該受水槽に接続する該気水分離
装置とを有し、該受水槽から該静電気水質処理装置及び
該気水分離装置にそれぞれ被処理水が供給され、該静電
気水質処理装置及び該気水分離装置それぞれの処理水
が、該受水槽に排出されるようにしたものである。
該気水分離装置が、中空缶体と、受水槽から供給され
る水を該中空缶体内に噴霧する噴霧手段と、該中空缶体
内で分離された気体を外部に排出する排気手段と、該中
空缶体内で気体を分離した水を受水槽に排出する排水手
段とを有している。
該排気手段が真空ポンプとしておけば、排気ガス量に
応じて気水分離装置の中空缶体の圧力を調整して排気量
を自在に調整することができる。
該気水分離装置の中空缶体の中央部分に多孔部材を設
置し、噴霧された水が多孔部材に当たって気水分離が一
層行われるようにするのが好ましい。
また、本発明の気水分離装置は、中空缶体と、供給さ
れる水を該中空缶体内に噴霧する噴霧手段と、該中空缶
体内で分離された気体を外部に排出する排気手段と、該
中空缶体の中央部分に設置され噴霧された水と衝突して
気水分離効果を高める多孔部材と、気体を分離した水を
排出するため該中空缶体の中央部分に設けられた排水手
段と、沈澱物を排出するため該中空缶体の底部に設けら
れた沈澱物排出手段とを有するように構成することによ
って、沈澱物の排出を簡単に行うことができるようにな
る。
該中空缶体の多孔部材の下方に第二多孔部材を設け、
かつ該第二多孔部材の下方で中空缶体の底部の上方に第
三多孔部材を設けておけば、水の流れの調節ができ、か
つ底部の沈澱物の浮遊が抑制される。
受水槽に接続する静電気水質処理装置と、該静電気水
質処理装置から排出される水が供給されるように該静電
気水質処理装置に気水分離装置を接続すると、従来の直
列に接続した構成となるが、この場合でも気水分離装置
として沈澱物除去機構を備えたものを用いれば、沈澱物
が完全に除去されるために従来の装置とは区別しうる優
秀な作用効果を達成できるものである。
(実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図において、2は本発明に係る水質処理装置で、
静電気水質処理装置4を有ししいる。6は受水槽、例え
ば給水タンク、蓄熱槽、高地水槽等で、給水管8及び排
水管10によって該静電気水質処理装置4と接続してい
る。給水管8によって該静電気水質処理装置4に供給さ
れる水は、該静電気水質処理装置4において静電気水質
処理、即ち高圧の直流電流により、静電場を作り、そこ
を通過する水を弱アルカリ性に変え、又水中の金属イオ
ンが、水がイオン解離してできた水酸イオンと反応し、
親和物となり管壁に固着しない状態となって、排水管10
を介して再び受水槽6に戻る。なお、同図において、P1
は給水管10に設けられたポンプ、V1,V2,V3はバルブ及び
12は電源盤である。
同じく第1図において、14は気水分離装置で、中空缶
体16を有し、上記静電気水質処理装置4と並列の状態
に、給水管18及び排水管20を介して受水槽6に接続され
ている。該給水管18の先端部には噴霧手段、例えばノズ
ル22が取付けられており、供給された水が中空缶体16内
に噴霧されるようになっている。24は該中空缶体16の中
央部分に設けられた多孔部材、例えばパンチングプレー
トで、噴霧された水と衝突して水中の溶存ガスの分離を
一層助長する作用を行う。26は、排気又は抜気手段で、
真空ポンプが用いられる。この排気手段26は、中空缶体
16内で水から分離した気体を排気又は抜気除去するもの
である。28は真空圧調整弁で、中空缶体16の真空圧を調
整する作用を行う。中空缶体16内の真空圧は、分離され
たガス量に応じて調整されるが、通常は200mm/H2O〜100
0mm/H2Oの範囲に設定される。200mm/H2O以下では排気又
は抜気されるガス量が少なく、また1000mm/H2O以上では
水分までも吸い上げられてしまうおそれがある。この真
空ポンプの代わりに抜気ブロアーの使用も可能である
が、抜気力が弱くかつ上記したような真空圧の調整がで
きないという不利益がある。なお、P2は給水管18に設け
られたポンプ、V4,V5はバルブ及び30は真空メーターで
ある。
このような構成とすることによって、受水槽6内の水
は、静電気水質処理を受けて弱アルカリ性になり、又水
中の金属イオンが、水がイオン解離してできた水酸イオ
ンと反応し、親和物となり管壁に固着しない状態となる
とともに、水中に溶存する水素ガス、酸素ガス、炭酸ガ
ス、塩素ガス等は気水分離装置によって外部に排気され
る。したがって、水の腐食性はなくなり、管内の錆の発
生はなく、かつ古い錆も取り去られることとなるから、
赤水が発生することもなくなる。さらに、静電気水質処
理装置4と気水分離装置14とを並列に取付けてあるか
ら、個々の装置の調整を行うことが容易となり、かつ故
障時の補修も簡単に行うことができる。
上記した気水分離装置14の構成では、水中に必然的に
混入するゴミ、スケール等の固形物又は沈澱物の除去を
行うことができないが、第2図に示したような気水分離
装置14aの構成とすれば、固形物又は沈澱物除去を簡単
に行うことができる。第2図において、第1図と同一又
は類似部材は同一符号で示す。気水分離装置14aは、中
空缶体16と、供給される水を該中空缶体内に噴霧する噴
霧手段22と、該中空缶体16内で分離された気体を外部に
排出する排気手段26と、該中空缶体の中央部分に設置さ
れ噴霧された水と衝突して気水分離効果を高める多孔部
材24とを有する点では、第1図の気水分離装置14と同じ
構成であるが、気体を分離した水を排出するため該中空
缶体の中央部分に排水管20aが設けられ、かつ固形物又
は沈澱物を排出するため該中空缶体16の底部に沈澱物排
出管32が設けられている点で相違する。
このように構成することによって、水中の固形物又は
沈澱物は沈澱物排出管32から排出され、受水槽6に戻る
水は中空缶体16中の上澄み水となるのでそれだけ清浄化
された状態となるものである。
また、該中空缶体16の多孔部材24の下方に第二多孔部
材34を設け、かつ該第二多孔部材34の下方で中空缶体16
の底部の上方に第三多孔部材36を設けておくのがよい。
該第二多孔部材34は、該排水管20aの中空缶体16に設
けられた排水口20bの少し上方にかつ先端方向が下方に
傾斜するようにその基端が取付けられ、かつその先端は
自由端となっている。したがって、第2図に示されるご
とく、該第二多孔部材34は中空缶体16の排水口20bから
排水される水の水面の少し上方からやゝ水面に没した状
態に位置することとなる。この状態で、上方から水が落
下してくると、水は直接水面に衝突することはなく一旦
第二多孔部材34に衝突してから水面に落ちるから水中に
存在していまだ水面の近くに浮遊している固形物等のお
どり現象が抑止され、これらの固形物等が排水口20bか
ら排出されて受水槽6に戻ることが防止される。これと
ともに、該第二多孔部材34面に落下した水は該多孔部材
34の傾斜に沿って流れが調節されて静かに水面に誘導さ
れることとなる。
該第三多孔部材36は、中空缶体16の底部の少し上方に
やゝ傾斜して設けられており、底部近傍の固形物又は沈
澱物が再度浮遊する現象を抑制することができる。この
第二及び第三の多孔部材34及び36の設置により、固形物
又は沈澱物の除去を極めて良好に行うことができる。V6
はバルブである。
なお、固形物又は沈澱物の除去処理として、気水分離
装置14aの中空缶体16を利用した場合を示したが、第1
図の気水分離装置14の排出管20に、第2図の気水分離装
置14aの沈澱物除去機構の部分、即ちその下半分と同様
の構成を有する沈澱物除去用の槽又は缶体(図示せず)
を接続するようにして固形物又は沈澱物の除去を行うこ
ともできる。
さらに、第3図に示す如く、沈澱物除去機能を具備し
た気水分離装置14aを静電気水質処理装置4に直列的に
接続すれば、即ち静電気水質処理装置4で処理した水を
気水分離装置14aに導くように構成すれば、前述した従
来型装置において、沈澱物を良好に除去でき、かつ完璧
な水質処理装置が行えるようになる。
本発明の水質処理装置では、受水槽6からポンプによ
ってくみあげた水の水質処理、即ち静電気水質処理及び
/又は気水分離処理、所望により固形物又は沈澱物の除
去処理、を行った後、再び受水槽6に戻す構成としてあ
るから、受水槽6内の水は何回も繰り返して水質処理を
受けることができる。したがって、各装置、即ち静電気
水質処理装置4、気水分離装置14,14a及び沈澱物除去装
置、は一回の水質処理を連続的に行う場合に比べて、は
るかに小型でも充分な水質の処理効果を達成することが
でき、かつ水質の浄化の程度についてもある意味では極
限まで到達させることができるという、従来にない効果
を達成することができるものである。
(発明の効果) 以上述べた如く、本発明によれば、静電気水質処理装
置と気水分離装置とを並列に取付けることによって、個
々の装置の調整を行うことを容易とし、かつ故障時の補
修も簡単に行うことができ、さらに抜気能力の向上及び
抜気の調整を自在に行うことを可能とし、かつさらに水
中の固形物又は沈澱物の除去も簡単に行うことができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略説明図、第2図は
気水分離装置の一例を示す概略説明図及び第3図は本発
明の他の実施例を示す概略説明図である。 2……水質処理装置、4……静電気水質処理装置、6…
…受水槽、14,14a……気水分離装置、16……中空缶体、
22……噴霧手段、24……多孔部材、26……排気手段、32
……沈澱物排出管、34……第二多孔部材、36……第三多
孔部材。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受水槽に接続する静電気水質処理装置と、
    該静電気水質処理装置と並列的に該受水槽に接続する該
    気水分離装置とを有し、該受水槽から該静電気水質処理
    装置及び該気水分離装置にそれぞれ被処理水が供給さ
    れ、該静電気水質処理装置及び該気水分離装置それぞれ
    の処理水が、該受水槽に排出されるようにしたことを特
    徴とする水質処理装置。
  2. 【請求項2】該気水分離装置が、中空缶体と、受水槽か
    ら供給される水を該中空缶体内に噴霧する噴霧手段と、
    該中空缶体内で分離された気体を外部に排出する排気手
    段と、該中空缶体内で気体を分離した水を受水槽に排出
    する排水手段とを有することを特徴とする請求項(1)
    記載の水質処理装置。
  3. 【請求項3】該排気手段が真空ポンプであることを特徴
    とする請求項(2)記載の水質処理装置。
  4. 【請求項4】該気水分離装置の中空缶体の中央部分に多
    孔部材を設置し、噴霧された水が多孔部材に当たって気
    水分離が一層行われるようにしたことを特徴とする請求
    項(2)又は(3)記載の水質処理装置。
  5. 【請求項5】中空缶体と、供給される水を該中空缶体内
    に噴霧する噴霧手段と、該中空缶体内で分離された気体
    を外部に排出する排気手段と、該中空缶体の中央部分に
    設置され噴霧された水と衝突して気水分離効果を高める
    多孔部材と、気体を分離した水を排出するため該中空缶
    体の中央部分に設けられた排水手段と、沈殿物を排出す
    るため該中空缶体の底部に設けられた沈殿物排出手段と
    を有することを特徴とする気水分離装置。
  6. 【請求項6】該中空缶体の多孔部材の下方に第二多孔部
    材を設け、かつ該第二多孔部材の下方で中空缶体の底部
    の上方に第三多孔部材を設けたことを特徴とする請求項
    (5)記載の気水分離装置。
  7. 【請求項7】受水槽に接続する静電気水質処理装置と、
    該静電気水質処理装置から排出される水が供給されるよ
    うに該静電気水質処理装置に接続された請求項(5)又
    は(6)記載の気水分離装置とを有し、該気水分離装置
    で気体を分離した水を受水槽に排出するようにしたこと
    を特徴とする水質処理装置。
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