JP2732282B2 - 過給機付v型エンジンの吸気装置 - Google Patents

過給機付v型エンジンの吸気装置

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JP2732282B2 JP4939389A JP4939389A JP2732282B2 JP 2732282 B2 JP2732282 B2 JP 2732282B2 JP 4939389 A JP4939389 A JP 4939389A JP 4939389 A JP4939389 A JP 4939389A JP 2732282 B2 JP2732282 B2 JP 2732282B2
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稔益 田中
一彦 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、左右バンク間に機械式過給機を搭載した過
給機付V型エンジンの吸気装置に関する。
(従来技術) V型エンジンに機械式過給機を搭載する場合に、Vバ
ンク間の空間を有効に活用するため過給機をこのバンク
間空間に配設するという考え方は、例えば実開昭61−53
30号公報、実開昭61−1624号公報記載に記載されている
ように従来から知られている。
ところが、このようにV型エンジンに機械式過給機を
搭載する場合に、過給機の容量が大きくなると、これを
左右バンクの間に自由に配設することは難しくなる。例
えば、いわゆるリショルム式の過給機の容量を大きくし
た場合、雌雄ロータを横に並べた形ではVバンク間に配
設できなくなるので、ロータを縦に並べた格好で配置せ
ざるを得なくなる。しかし、このようなリショルム式の
過給機では、吐出空気は二つのロータの間に位置するケ
ーシング側壁から抜かなくてはならないので、上記のよ
うに過給機を縦置きとした場合には吐出通路のレイアウ
トが難しく、また、インタークーラを経てサージタンク
に至る吸気系が全体として長くなり、また吸気抵抗も大
きくなるという問題が生ずる。また、側方に出した吐出
通路を限られたスペースで上方に立ち上げなくてはなら
ないのは、特に、過給機を高回転で駆動する場合など、
吸気抵抗の増大が顕著となる。
(発明の目的) 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、
V型エンジンの左右バンク間に機械式過給機を配置した
ものにおいて、機械式過給機の吐出口からインタークー
ラを経て左右バンクの吸気通路に至る吸気系をコンパク
トで吸気抵抗の小さいものとすることを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、V型に形成された左右バンクの間に機械式
過給機を搭載し車両に縦置きに配置される過給機付V型
エンジンの吸気装置であって、機械式過給機の下流側の
吸気通路に接続されるインタークーラを、エンジンの前
方で、その吐出口がエンジンセンター付近に位置するよ
う一方に片寄らせて配置するとともに、両バンクの吸気
集合部上流の吸気通路を両バンクの直前方で合流させて
インタークーラの吐出口に接続したものである。
機械式過給機としてはリショルム式の過給機を用いる
ことができ、その場合、好ましくは雌雄ロータが左右バ
ンク間で上下に並ぶようこの機械式過給機を配置すると
ともに、その吐出通路をエンジン長手方向に対し略直角
に出してインタークーラの吸入口まで延設する。
また、機械式過給機の吐出通路は、吸気集合部とエン
ジン本体との間を通して側方に出すようにするとよい。
(作用) インタークーラが、エンジン前方においてエンジンセ
ンター付近に吐出口が位置するよう一方に片寄って配置
されていることにより、エンジンの左右バンク間に搭載
された機械式過給機からの吐出通路は、側方に出して滑
らかにインタークーラの吸入口につなぐコンパクトなレ
イアウトが可能となる。また、両バンクの吸気集合部上
流の吸気通路が両バンクの直前方で合流して、エンジン
センター付近に位置するインタークーラ吐出口に接続さ
れていることにより、インタークーラから左右吸気集合
部に至る吸気通路は短くなり、コンパクトで吸気抵抗の
小さなものとなる。また、インタークーラから左右バン
クに至る吸気系が均等化され分配性が向上する。
リショルム式の過給機の場合、その雌雄ロータが上下
に並ぶよう過給機をバンク間で縦に配置することで、大
容量の過給機が搭載可能となり、しかも、その吐出通路
をエンジン長手方向に対し略直角に、例えば横方向に出
して、インタークーラの吸入口まで延ばすことで、コン
パクトな吸気系が得られる。
また、径方向に取り出す機械式過給機の吐出通路を吸
気集合部とエンジン本体との間を通してエンジン側方に
出すことで、片寄って配置されたインタークーラに至る
過給機の吐出通路のレイアウトが容易となる。
(実施例) 以下、実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの実施例のに係るV型エンジンの正面図、
第2図は同平面図である。このエンジン1はV型6気筒
であって、左右バンクの各三つの気筒はエンジン長手方
向に互いに所定量オフセットして配列されている。そし
て、左右バンク2,3間の空間4には、4葉の雄ロータと
6個の溝を持つ雌ロータとを組み合わせてなるいわゆる
リショルム式のスクリュー型過給機5が、その雌雄ロー
タが上下に並ぶ形でエンジン長手方向に配置されてい
る。
左右バンク2,3の吸気ポート6,7は、各バンク2,3の内
側にあって上方に立ち上がり、接続管8,9を介し吸気集
合管10a,10bの分岐管部11a,11bに接続されている。吸気
集合管10a,10bはバンク間の左右上方をエンジン長手方
向に延び、その各分岐管部11a,11bは上記接続管8.9とと
もに左バンク2,3の各気筒に対応する独立吸気通路12a,1
2bを構成している。そして、これら独立吸気通路12a,12
bには、接続管8,9のエンジン側取付端近傍に、吸気ポー
ト6,7に向けて燃料噴射用のインジェクタ14が配設され
ている。
過給機5は、吸気集合管10a,10bの下方で、左右の接
続管8,9およびインジェクタ14,14の間に位置し、その上
部から左右バンク2,3の独立吸気通路12a,12b間に延びる
取付アーム15,16によってエンジン1側に支持固定され
ている。また、過給機5の底部中央は潤滑用オイルの通
路を兼ねるチューブラピン17によってエンジン1側に連
結されている。過給機5のフロント側端部には電磁クラ
ッチ18を介して駆動プーリ19が連結され、この駆動プー
リ19とエンジン1のフロント側左側方に設けられた従動
プーリ20の大径部との間、従動プーリ20の小径部とクラ
ンクプーリ21との間に、それぞれベルト22,23が張設さ
れている。なお、クランクプーリ21にはまた、エアコン
用の駆動プーリ24,パワステ用の駆動プーリ25およびオ
ルタネータ用の駆動プーリ26との間に、第1図に示すよ
うにアイドラ27を介しベルト28が張設されている。
過給機5はリヤ側端に入口部29を有し、この入口部29
には、エアクリーナ30に接続された吸気管31が連結され
ている。そして、この吸気管31の途中にスロットルボデ
ィー32が介設されている。また、過給機5は、左バンク
2側の側壁部に吐出口部33を有している。この吐出口部
33は、左側バンク2の独立吸気通路12a,12a間に位置
し、吐出通路34を構成する管35が、左側吸気集合管10a
の吸気集合部13aとエンジン1本体の間を通ってエンジ
ン長手方向に対し直角に左バンク2上方へ抜けている。
エンジン1前方にはインタークーラ36が配設されてい
る。インタークーラ36は、エンジンセンターに対して左
側に片寄らせた配置とされ、その吸入口37は左側方に位
置し、吐出口38はエンジンセンター付近に位置する。過
給機5の吐出管35は左バンク2の上方でフロント側に曲
析し、エンジン1の左前方においてインタークーラ36の
上記吸入口37を構成する管部36aに連結されている。
左右の吸気集合管10a,10bは、吸気集合部13a,13bの上
流が両バンク2,3直前方のエンジンセンター付近で合流
し、その合流通路10cは過給機5の電磁クラッチ18およ
び駆動プーリ19の上方を前方に延びてインタークーラ36
の吐出口38に接続されている。
左右吸気集合管10a,10bに至る吸気通路がこのように
合流してエンジンセンター付近でインタークーラ36の吐
出口38に接続されていることで、インタークーラ36から
左右バンク2,3の各気筒に至る吸気通路が短くしかも均
一な長さのものとなり、したがって、吸気抵抗が小さく
なり、また、左右分配性も向上する。また、それに加え
て、過給機5の吐出通路を構成する管35が上記のように
左バンク2の独立吸気通路12a,12a間でエンジン1本体
と吸気集合部13aとの間からエンジン長手方向に直角に
側方へ出されて、片寄らせて配置したインタークーラに
接続されたことで、吸気系が全体としてコンパクトで吸
気抵抗の小さいものとなっている。
左右吸気集合管10a,10bの下流側は連通路10dによって
接続されている。それにより、吸気系の共鳴の同調点は
エンジン高回転側に移行し、高回転域における充填効率
が向上する。また、この連通路10dと過給機5上流とを
つなぐバイパス通路39が設けられ、このバイパス通路39
には、電磁クラッチ18が切られ過給機5が不作動とされ
るエンジン低負荷域において該通路を開くよう圧力応動
式の開閉弁40が介設されている。過給機5不作動時にお
いては、この開閉弁40が開き、過給機5を介さずに吸気
が行われる。
なお、上記実施例においては機械式過給機としてリシ
ョルム式の過給機を用いたものについて説明したが、本
発明はルーツ式その他の機械式過給機を搭載したV型エ
ンジンに対しても適用することができる。
(発明の効果) 本発明は以上のように構成されているので、V型エン
ジンの左右バンク間に配置する機械式過給機の吐出口か
らインタークーラを経て左右バンクの吸気通路に至る吸
気系をコンパクトで吸気抵抗の小さなものとすることが
でき、また、左右バンクへ吸気の均等な分配を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の正面図、第2図は同平面図
である。 1:エンジン、2,3:バンク、5:過給機、10a,10b:吸気集合
管、12a,12b:独立吸気通路、13a,13b:吸気集合部、34:
吐出通路(過給機)、36:インタークーラ、37:吸入口
(インタークーラ)、38:吐出口(インタークーラ)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V型に形成された左右バンクの間に機械式
    過給機を搭載し車両に縦置きに配置される過給機付V型
    エンジンにおいて、前記機械式過給機の下流側の吸気通
    路に接続されるインタークーラを、当該エンジンの前方
    で、その吐出口がエンジンセンター付近に位置するよう
    一方に片寄らせて配置するとともに、両バンクの吸気集
    合部上流の吸気通路を両バンクの直前方で合流させて前
    記インタークーラの吐出口に接続したことを特徴とする
    過給機付V型エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】機械式過給機としてリショルム式の過給機
    を用い、その雌雄ロータが左右バンク間で上下に並ぶよ
    う該機械式過給機を配置するとともに、該機械式過給機
    の吐出通路をエンジン長手方向に対し略直角に出してイ
    ンタークーラの吸入口まで延設したことを特徴とする請
    求項1記載の過給機付V型エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】機械式過給機の吐出通路を、吸気集合部と
    エンジン本体との間を通して側方に出したことを特徴と
    する請求項2記載の過給機付V型エンジンの吸気装置。
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