JP2731724B2 - ワーク寸法自動測定システム - Google Patents

ワーク寸法自動測定システム

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和男 首藤
晋 吉岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、様々な形状及び大きさ
のワークの寸法を自動計測するのに好適のワーク寸法自
動測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】搬送ラインを介して搬送される形状の異
なる種々のワークを自動測定するシステムは従来から知
られている(例えば特開昭60−35210号)。この
種のシステムでは、ライン上流に配置された撮像装置で
ワークを撮像し、その撮像結果からワークの形状を判別
し、ライン下流に配置されたメジャリングロボットを判
別形状に対応したプログラムで動作させるようにしてい
る。
【0003】このシステムのように、ワークの寸法測定
を三次元測定機で行う場合、三次元測定機の使用プロー
ブやプローブの移動経路等は、三次元測定機を制御する
ためのパートプログラムによって与えられる。従って、
ワークが同種の形状であっても、その置かれている位置
や、内径、外径、高さ等の寸法値が異なると、それぞれ
の位置及び寸法値に対応したパートプログラムをそれぞ
れ作成し、準備しておかなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の測
定システムでは、予め測定手順を記載したパートプログ
ラムを準備しておく関係上、おおよその寸法値が分かっ
ているワークしか測定することができない。また、測定
すべきワークの種類が多くなると、予め用意しておくパ
ートプログラムの数も増し、記憶すべき情報量が増大す
るという問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、おおよその寸法値が未知のワーク
の測定が可能であると共に、予め用意しておくパートプ
ログラムの数も削減することができるワーク寸法自動測
定システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係るワーク自
動寸法測定システムは、測定対象のワークに関する各種
情報を外部情報として取り込む外部情報取込手段と、こ
の手段によって取り込まれた外部情報に基づいて前記ワ
ークに関する三次元測定機のプローブの移動経路を決定
して三次元測定機を制御する制御手段と、この制御手段
により制御されて前記ワークの寸法を測定する三次元測
定機とを備えたワーク寸法自動測定システムにおいて、
前記外部情報取込手段は、測定対象のワークを撮像して
ワークの画像情報を出力する撮像手段と、この撮像手段
から出力される画像情報に基づいて前記ワークの形状及
び位置を前記外部情報として認識する画像処理手段とを
備えたものであり、前記制御手段は、前記ワークのパタ
ーン種類別に作成され必要な数値部分が変数で置き換え
られたパートプログラムを記憶するパートプログラム記
憶手段と、前記外部情報に基づいて前記パートプログラ
ム記憶手段から前記ワークに対応した1つのパートプロ
グラムを選択する手段と、前記外部情報を変数に対応し
た数値として保持する変数保持手段と、この変数保持手
段に保持された変数に対応した数値を適宜参照しながら
前記選択されたパートプログラムを実行するパートプロ
グラム実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、記憶されるパートプログラム
の中の必要な数値部分が変数で置き換えられると共に、
外部情報として取り込まれたワークの位置、寸法値等の
情報が上記変数に対応した数値として保持され、且つ前
記パートプログラムを実行する際には、パートプログラ
ムの変数部分が変数に対応した数値で置き換えられてパ
ートプログラムが実行される。このため、同種パターン
のワークであれば、ワークの位置や寸法値が異なっても
同一のパートプログラムを使用することができ、記憶し
ておくパートプログラムの数を大幅に削減することがで
きると共に、おおよその寸法値が未知のワークについて
も、外部情報を使用して使用プローブの選択動作を含め
た測定が可能になる。
【0008】なお、三次元測定機による測定の過程で測
定値から前記ワークの位置情報を求めたのち、前記変数
保持手段に保持された前記ワークの位置情報を、この新
たに求められたワークの位置情報で置き換えるようにす
ると、ワーク位置情報の信頼性が高まるので、プローブ
経路をワークに対して更にシビアにすることなどによっ
て以後の測定の効率を高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、添付の図面を参照してこの発明の実施
例に係るワーク寸法自動測定システムについて説明す
る。図1は、このシステムの概略構成を示す斜視図であ
る。公知の特殊空気式の除振装置1の上には除振装置用
特殊架台2が載置され、更にこの特殊架台2の上の一方
の側には三次元測定機3が、また他方の側には第1の照
明装置4がそれぞれ設置されている。三次元測定機3
は、ベースとなる定盤11と、この定盤11の両側端の
Y軸ガイド12に沿ってY軸方向に移動すると共に定盤
11の両側端を連絡するブリッジ形のアーム支持体13
と、このアーム支持体13のX軸ガイド14に沿ってX
軸方向に移動するZ軸ガイド15と、このZ軸ガイド1
5に沿ってZ軸方向に移動するアーム16と、このアー
ム16に支持された測定用のタッチ・シグナル・プロー
ブ17とを備えて構成されている。また、三次元測定機
3には、プローブ交換のためのプローブ自動交換装置1
8が備えられている。
【0010】三次元測定機3の定盤11の上方には、三
次元測定機の測定領域が形成され、第1の照明装置4の
上方には撮像領域が形成される。これら両領域を連絡す
るように、ステージ駆動機構5が設置されている。ステ
ージ駆動機構5は、三次元測定機3の定盤11と第1の
照明装置4とを連絡する2本の並行レール21と、この
並行レール21に案内されて移動するコ字状のスライド
テーブル22と、このスライドテーブル22を駆動する
モータ23及びネジ形の駆動軸24とにより構成されて
いる。スライドテーブル22上には、パレット6が装着
される。このパレット6は、ワーク7を載置するステー
ジを構成するもので、透明なガラス板31と、このガラ
ス板31の周縁部に装着された枠体32とで構成されて
いる。枠体32には、位置決め孔33が形成されてお
り、この孔33とスライドテーブル22に設けた位置決
めボス34とが嵌合されてパレット6がスライドテーブ
ル22に位置決めされる。
【0011】パレット6上に配置されたワーク7の上方
及び側方には、ワーク7を撮像するCCDカメラ8,9
がそれぞれ配置されている。ワーク7対してCCDカメ
ラ9とは反対側には第2の照明装置10が配置されてい
る。照明装置4,10は、それぞれ内部に図示しない光
源を収納したケース41と、このケース41を密閉する
と共に光源からの光を均一化させる半透明板42とによ
り構成されている。
【0012】図2は、このシステムの信号・情報処理系
統を示すブロック図である。CCDカメラ8,9で撮像
された画像情報は、画像処理装置51に供給され、ここ
で画像認識処理によってワーク位置、ワークパターン及
びワーク主要寸法からなる予備情報が求められる。三次
元測定機データ処理装置52は、予備情報から三次元測
定の手順を規定するパートプログラムを選択し、このパ
ートプログラムに必要な変数を与えてコントローラ53
を駆動する。コントローラ53は、ステージ駆動機構5
及び三次元測定機3を駆動する。
【0013】次に、このように構成された本システムの
動作を説明する。図3は、本システムの測定手順を示す
フローチャートである。測定開始状態では、パレット6
がCCD8,9による撮像が可能な撮像領域に配置され
る。この状態で、人手又はロボット等の搬送手段によっ
てワーク7がパレット6上に搬入されると(S1)、C
CDカメラ8,9によってワーク7が撮像される(S
2)。このとき、第1の照明装置4からの照明光は、並
行レール21の間、スライドテーブル22のくり貫き部
分及びパレット6のガラス板31を透過してワーク7を
下側から照明する。CCDカメラ8は、照明装置4とは
反対側の上方からワーク7を撮像するので、ワーク7の
部分は逆光となって図4(a)に示すように、ワークの
部分と背景とのコントラストが強調された明確な画像情
報が得られる。同様に、第2の照明装置10からの照明
光を受光するCCDカメラ9で得られるワーク7の側面
の画像情報も、図4(b)に示すように、ワークの部分
と背景とのコントラストが強調された明確な画像情報と
なる。
【0014】画像情報が画像処理装置51に供給される
と、画像処理装置51では供給された画像情報から予備
情報を算出する(S3)。即ち、図5に示すように、画
像情報は、2値化部61で2値化されたのち、輪郭抽出
部62で2値画像のエッジ部分が抽出される。続いて、
パターンマッチングの処理効率を高めるため、特徴抽出
部63で輪郭情報から特徴部分を抽出し、この特徴部分
と基本パターン記憶部64に格納されているいくつかの
基本パターンとが照合部65で照合される。これによ
り、求められたワークパターンに基づいて、位置算出部
66及び主要寸法算出部67が画像の特徴部分からワー
クの位置及び内径、外形、高さ、幅等の主要寸法を算出
する。求められたワークパターン、ワーク位置及びワー
ク主要寸法からなる予備情報が三次元測定機データ処理
装置52に転送される(S4)。
【0015】三次元測定機データ処理装置52では、先
ず、図6に示すように、パートプログラム選択部71
が、パターン別パートプログラム格納部72に格納され
たパートプログラムのうちの一つを画像処理装置51か
ら与えられたワークパターン情報に基づいて選択する
(S5)。次に、画像処理装置51で求められた画像処
理座標系におけるワーク位置を、座標系修正部73で三
次元測定機座標系におけるワーク位置に変換し(S
6)、変換後のワーク位置と画像処理装置51から与え
られるワーク主要寸法とを変数レジスタ74に格納する
(S7)。続いて、コントローラ53の制御のもとでス
テージ駆動機構5が動作して、スライドテーブル22が
撮像領域から測定領域に予め定められた移動量だけ移動
され、ワーク7が測定領域に搬送される(S8)。
【0016】ワーク7の移動が完了すると、パートプロ
グラム実行部75が起動され、選択されたパートプログ
ラムが実行される。パートプログラムは、プローブの移
動量や選択プローブを特定する情報等が変数として与え
られており、様々な大きさのワークに柔軟に対応できる
ようになっている。図7及び図8は、パートプログラム
の一例を示す図である。ここでV1,V2,V3,…,
U9,U10,L9等は変数であり、これらに対応する
数値は、画像処理装置51から与えられたり、パートプ
ログラム内部の演算によって求められ、変数レジスタ7
4に格納される。この例は、円筒の内径及び外径測定の
例で、例えばV1は円筒の深さ、V2は測定点数、V3
は径、V20は測定すべき断面数、U9はプローブ種類
を示している。
【0017】パートプログラム実行部75は、パートプ
ログラムの実行の過程で、変数レジスタ74の内容を随
時参照し、プローブの移動コマンドと必要な移動量とを
コントローラ53に供給して三次元測定機3のタッチ・
シグナル・プローブ17をパートプログラムに従って移
動させる。これにより、自動測定が実行される(S
9)。また、パートプログラム実行部75は、この測定
の過程で得られた実際の三次元測定値から、ワークの位
置を求め、予め与えられたワーク位置を実際の測定値か
ら求めたワーク位置で置き換える。これにより、以後の
測定は、新たに求められた正確なワーク位置を基準とし
て実行される。
【0018】測定が終了したら、測定データを外部装置
に出力し(S10)、ステージ駆動機構5を起動して、
ワーク7を測定領域から撮像領域に移動させる(S1
1)。測定を終了したワーク7は、人手又はロボット等
の搬送手段によって搬出される(S12)。
【0019】このシステムによれば、ワークの形状が同
種であれば、寸法が異なる複数のワークを同一のパート
プログラムで測定することができるので、準備すべきパ
ートプログラムの数は、ワークのパターンの種類(例え
ば、円筒用、円柱用、つば付き円筒用等)だけあれば足
り、パートプログラム格納部72の容量を小さくするこ
とができる。また、未知の寸法のワークについても、画
像処理装置51からの情報に基づいて測定を行うことが
できる。
【0020】なお、以上の実施例では、CCDカメラ
8,9の位置と三次元測定機3の位置との関係が不変で
あることを前提としたが、CCDカメラ8,9自体の位
置に変動が生じた場合には、画像情報における座標系と
三次元測定領域の座標系との間の関係を正しく決定する
ことができなくなる。そこで、例えば、図9に示すよう
に、パレット6の枠体32に基準マーク部材35を設
け、この基準マーク部材35の位置を基準としたワーク
7の位置をワーク位置として求めることにより、撮像手
段の位置変動に係わらず、ワーク位置を正確に求めるこ
とができる。
【0021】この基準マーク部材35は、ワーク7の三
次元位置及び姿勢を算出するためには、XYZ軸方向に
重ならない少なくとも2箇所に配置する必要がある。こ
の実施例では、枠体32の対角位置に基準マーク部材3
5を設けるようにしている。また、基準マーク部材35
は、そのパターンを容易に認識可能であると共に、その
位置を正確に把握しやすい形状であることが好ましい。
この実施例では、基準マーク部材35の先端に基準球を
形成しているので、パターン認識が容易であり、その中
心位置も求め易いという利点がある。この基準球は、撮
像領域及び測定領域の両領域において、予め定められた
位置に配置されることが予め分かっているので、三次元
測定機3側でも基準球の位置を測定するようにすれば、
両領域の間の座標変換精度を更に高めることもできる。
【0022】また、上記実施例では、画像情報から認識
された形状、位置、寸法等の情報を、三次元測定機に与
える外部情報として使用したが、CADシステムから取
り込まれるCAD情報やキーボード等の人手入力による
情報等を三次元測定機に外部情報として与えるようにし
てもよい。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、記
憶されるパートプログラムの中の必要な数値部分が変数
で置き換えられると共に、外部から与えられるワークの
位置、寸法値等の情報が上記変数に対応した数値として
保持され、且つ前記パートプログラムを実行する際に
は、パートプログラムの変数部分が変数に対応した数値
で置き換えられてパートプログラムが実行されるので、
同種のワークであれば、ワークの位置や寸法値が異なっ
ても同一のパートプログラムを使用することができるよ
うになり、記憶しておくパートプログラムの数を大幅に
削減することができると共に、おおよその寸法値が未知
のワークについても、外部情報を使用して測定すること
が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るワーク寸法自動測定シ
ステムの斜視図である。
【図2】 同システムの信号・情報処理系のブロック図
である。
【図3】 同システムの測定手順を示すフローチャート
である。
【図4】 同システムで得られた画像情報の例を示す図
である。
【図5】 同システムにおける画像処理装置の構成を示
す機能ブロック図である。
【図6】 同システムにおける三次元測定機データ処理
装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】 パートプログラムの一例を示す図である。
【図8】 図7のパートプログラムの続きの部分を示す
図である。
【図9】 同システムにおけるパレットの他の構成例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1…除振装置、2…除振装値用特殊架台、3…三次元測
定機、4…第1の照明装置、5…ステージ駆動機構、6
…パレット、7…ワーク、8,9…CCDカメラ、10
…第2の照明装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸二 神奈川県川崎市高津区坂戸1丁目20番1 号 株式会社ミツトヨ内 (72)発明者 菊池 直也 神奈川県川崎市高津区坂戸1丁目20番1 号 株式会社ミツトヨ内 (56)参考文献 特開 昭60−236011(JP,A) 特開 昭49−46083(JP,A) 特開 昭60−35210(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象のワークに関する各種情報を外
    部情報として取り込む外部情報取込手段と、 この手段によって取り込まれた外部情報に基づいて前記
    ワークに関する三次元測定機のプローブの移動経路を決
    定して三次元測定機を制御する制御手段と、 この制御手段により制御されて前記ワークの寸法を測定
    する三次元測定機とを備えたワーク寸法自動測定システ
    ムにおいて、前記外部情報取込手段は、 測定対象のワークを撮像してワークの画像情報を出力す
    る撮像手段と、 この撮像手段から出力される画像情報に基づいて前記ワ
    ークの形状及び位置を前記外部情報として認識する画像
    処理手段とを備えたものであり、 前記制御手段は、 前記ワークのパターン種類別に作成され必要な数値部分
    が変数で置き換えられたパートプログラムを記憶するパ
    ートプログラム記憶手段と、 前記外部情報に基づいて前記パートプログラム記憶手段
    から前記ワークに対応した1つのパートプログラムを選
    択する手段と、 前記外部情報を変数に対応した数値として保持する変数
    保持手段と、 この変数保持手段に保持された変数に対応した数値を適
    宜参照しながら前記選択されたパートプログラムを実行
    するパートプログラム実行手段とを備えたことを特徴と
    するワーク寸法自動測定システム。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記三次元測定機によ
    る測定の過程で測定値から前記ワークの位置情報を求め
    たのち、前記変数保持手段に保持された前記ワークの位
    置情報を、この新たに求められたワークの位置情報で置
    き換えるものであることを特徴とする請求項1記載のワ
    ーク寸法自動測定システム。
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