JP2731125B2 - オゾンの除去方法 - Google Patents

オゾンの除去方法

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JP2731125B2 JP7085521A JP8552195A JP2731125B2 JP 2731125 B2 JP2731125 B2 JP 2731125B2 JP 7085521 A JP7085521 A JP 7085521A JP 8552195 A JP8552195 A JP 8552195A JP 2731125 B2 JP2731125 B2 JP 2731125B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オゾン殺菌処理装置や
汚水等のオゾン処理設備、オゾン漂白処理設備、オゾン
酸化処理設備等から放出される余剰オゾンを、簡単な設
備で効率よく除去することのできる方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】周知の通りオゾンは、優れた酸化作用と
それに伴う漂白作用や殺菌作用等を有しているところか
ら、殺菌処理、漂白処理、消毒等に使用される他、オゾ
ン含有空気によって空気中の微細な塵埃が負イオンに帯
電する作用を活用し、正イオンに帯電させた金網等の電
極板に塵埃を吸着・捕集する方法にも用いられている。
【0003】更に、下水・屎尿処理場排気やトイレの脱
臭、冷蔵庫の脱臭・殺菌、クリーンルームの殺菌、工場
の脱臭・殺菌、半導体製造設備や病院の脱臭・殺菌、食
品貯蔵庫の滅菌、空気清浄器(室内用や自動車用など)
の脱臭・殺菌に用いられる他、食品原材料の熟成促進や
植物の成長促進等にも幅広く用いられている。
【0004】これらの用途では、オゾン濃度の高い方が
有効であるので、通常は環境基準値の0.1ppm
(0.2mg/m3 )よりも高い濃度で使用される。オ
ゾンは空気中で自然分解して酸素になるが、オゾンの酸
化作用を受けるべき不純物や水分が少なければ、オゾン
が半減するまでに数十分を要するので、大抵の場合は残
存オゾンを除去するための装置が必要となる。
【0005】ところで、オゾンは空気中よりも水中の方
が分解し易く、これは、オゾンによる殺菌・脱臭・脱色
等が空気中よりも水中の方が進行し易いことによっても
裏付けられる。そのため、オゾン水は上水道の殺菌、プ
ールの浄化、クーリングタワーの浄化、高架水槽の浄
化、井戸水の殺菌、超純水の製造、酒・ビール・ジュー
スなど用水の滅菌・脱色、養魚場水の殺菌・脱臭、水族
館水槽の透明度維持、河川等の浄化、下水の高度処理、
工場廃水のCOD低減・脱色、染色廃水の脱色、パルプ
の漂白、発電所冷却水配管や工場導水管の殺藻・殺貝、
食品の殺菌・消毒・鮮度維持・脱色、衛生器具の殺菌等
に広く用いられている。
【0006】空気または酸素中で発生させたオゾンを水
に溶解させるには、空気側のオゾンを高濃度・高圧にす
る必要があり、水溶解後の空気中に残存するオゾンの処
理も必要となる。
【0007】そこで、上記の様なオゾン処理設備から排
出される残存オゾンの除去法としては様々の方法が提案
されているが、現在実用化されている代表的な方法は、
活性炭を用いて吸着除去する方法、およびオゾン分解触
媒を用いて分解除去する方法である。ところが前者の活
性炭吸着除去法では、活性炭とオゾンの反応が起こって
活性炭が早期に酸化消耗するため、活性炭を頻繁に再生
もしくは交換しなければならず、また処理条件によって
は発火を起こす危険も生じてくる。また後者のオゾン分
解除去法では、小容量であっても効率よくオゾン除去が
行なえるという利点を有している反面、分解触媒が非常
に高価であるという欠点がある。更に活性炭にしてもま
た触媒にしても、それらの効果を有効に発揮させるには
被処理ガスの湿度を80%程度以下に維持しなければな
らず、しかも被処理ガス中の塵埃や不純物によって目詰
まりを起こしたり活性低下を起こし易い。
【0008】廃棄物処理や汚泥処理にオゾンを利用する
オゾン処理設備に利用される他の余剰オゾン除去処理法
として、オゾン含有排ガスをアルカリ水溶液に通し、あ
るいは該水溶液が散布されている部屋にオゾン含有排ガ
スを通すことにより、オゾンをアルカリ水溶液に吸収さ
せて除去する方法も実用化されているが、この方法で
は、排ガス中のオゾンのせいぜい50%程度が吸収除去
されるに過ぎない。
【0009】また、アルカリ洗浄塔で除去しきれないオ
ゾンを除去するため、前述の如く活性炭吸着法やオゾン
脱臭触媒法等を併設して除去する方法もあるが、いずれ
も高活性を持続するには被処理ガスの湿度を80%程度
以下に保つことが必要であり、活性持続のために行なわ
れる事前アルカリ洗浄法では該湿度が高くなって逆効果
を招き、また除湿・乾燥装置などの並設は設備費や運転
経費の増大を招くので好ましくない。
【0010】更に、チオ硫酸ソーダ水溶液を洗浄液とし
て用いて残存オゾンを分解処理する方法も知られている
が、この方法には、チオ硫酸ソーダの分解により硫化物
が発生するという問題があり、結局のところ、事前に除
湿処理を必要とする吸着もしくは分解塔によるオゾン除
去が不可欠となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、オゾ
ン含有排ガスからオゾンを比較的簡単な方法で効率よく
除去することのできる方法を提供しようとするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るオゾン除去法の構成は、オゾン含
有ガスを、硫化ナトリウムおよび/または硫化カリウム
が溶解されたアルカリ水溶液に接触させてオゾンを吸収
除去する方法であって、アルカリ水溶液中の硫化物濃度
を硫化ナトリウム換算濃度で100〜300ppmに維
持するところに要旨を有するものである。
【0013】尚上記方法を実施するに当たり、アルカリ
水溶液を構成するアルカリ成分としては、オゾン除去効
率や取扱い性、コスト等を総合的に考えて炭酸ソーダが
最も有効であり、またアルカリ水溶液中に金属塩として
亜鉛塩を含有せしめ、アルカリ水溶液中の該亜鉛塩の含
有量を、液中の懸濁物や沈殿を含めて、該アルカリ水溶
液中および懸濁物や沈殿として吸収蓄積される硫化物に
対し当量比で3倍以上に維持すれば、オゾンの除去と該
オゾン除去時に生成することのある硫黄化合物の除去を
一層効率よく実施することができる。
【0014】
【作用】本発明者らは、後記図1〜3に示す様な二重洗
浄タイプのオゾン処理装置を使用し、洗浄液として炭酸
ソーダ水溶液またはこれに種々の物質を添加した洗浄液
を用いた場合について、オゾンの除去効率、更には該オ
ゾン除去工程で排出ガス中に含まれてくる硫化水素の除
去効率等について検討を行った。その結果、炭酸ソーダ
等のアルカリ水溶液ではオゾンの吸収除去が不充分であ
るが、下記の様な驚くべき事実が明らかにされた。
【0015】アルカリ水溶液に硫化水素および/また
は金属硫化物を溶解させた洗浄液を用いてオゾン含有ガ
スを処理すると、オゾンを極めて効率よく吸収除去でき
ること。 アルカリ水溶液中に溶解させる硫化水素および/また
は金属硫化物の濃度を100〜300ppmに維持して
やれば、オゾンを99.9%以上(0.002ppm以
下まで)除去できること。 オゾン含有ガスと硫化水素含有ガスを別々の洗浄塔へ
導入して洗浄することとし、硫化水素が溶存するアルカ
リ洗浄液でオゾン含有ガスを洗浄すると、オゾンを9
9.9%以上(0.002ppm以下まで)除去できる
こと。
【0016】上記〜のオゾン除去法を実施する場
合、オゾン除去排ガス中には硫化水素が混入してくるこ
とがあるが、該硫化水素は、硫化水素と反応して金属硫
化物の沈殿を生成する金属塩、好ましくは亜鉛塩を含有
するアルカリ水溶液と接触させると、硫化水素含有ガス
中の硫化水素を金属硫化物の沈殿として効率よく除去で
きること。
【0017】上記試験に使用した図1〜3の構成につい
て説明する。図1は、上記オゾン除去試験および実施例
で用いた装置の該略図であり、図中1はオゾン発生装置
であって、乾燥空気に無声放電を施し、この時の電圧を
調節することによってオゾン発生量をコントロールする
機能を備えており、電動ファン2によってオゾン処理装
置へ送給される空気の中に、オゾンを任意の量で混入で
きる様にしている。該電動ファン2はターボ型構造のも
ので、風量を任意にインバータ制御できる様に構成され
ている。4はアルカリ洗浄液を循環させるための電動ポ
ンプであり、バルブ5、流量計6、圧力計7、スプレー
ノズル8等と共に洗浄液の循環路を構成しており、バル
ブ5と流量計6により洗浄液の循環量を任意に調節でき
る構成とされている。9は洗浄塔本体であり、その上部
には風量計測管10が接続されてその内部に風速センサ
ーが配置されると共に、該洗浄塔本体9の内部には、図
4に示す如く合成樹脂製の立体編物とメッシュワイヤを
組み合わせたツインウエーブ構造の気液接触促進用充填
材11とミストセパレータ12が配設されている。この
装置を用いてオゾン除去を行なうに当たっては、後で詳
述する如く洗浄液として硫化水素および/または金属硫
化物が溶解されたアルカリ水溶液が用いられる。
【0018】図2は、他のオゾン除去試験および実施例
で使用した2重洗浄塔オゾン除去装置を示す概略説明図
であり、9は2重洗浄塔であって透明の硬質塩化ビニル
樹脂で作製されており、下部洗浄塔9aと上部洗浄塔9
bおよびミストセパレータ12を有している。下部洗浄
塔9aと上部洗浄塔9bに配置される気液接触促進用充
填材11a,11bは、前述の如くツイウエーブ構造体
で構成されている。13は、上部洗浄塔9bで使用され
た洗浄液の一部を下部洗浄塔9aへ降下させるための多
孔板であり、多数の孔が設けられている。そして、電動
ポンプ4、バルブ5、流量計6、スプレーノズル8、洗
浄液貯槽14の間で洗浄液循環ラインが構成されてお
り、洗浄液の一部はバイパス15に接続したチューブ
(図示せず)を経て直接洗浄液貯槽14へ戻る循環ライ
ンを構成している。該正規の循環量とバイパス循環量の
比率は、前記多孔板13に形成される孔の数や大きさ、
更にはバルブ操作によって任意に調節できる様に構成さ
れている。この様な装置を用いてオゾン除去を行なう際
には、洗浄液として硫化水素および/または金属硫化物
が溶解されたアルカリ水溶液が使用される。
【0019】16はファン架台、17は下部電動ファ
ン、18は上部電動ファンであり、また19は下部ファ
ン用ダンパ、20は上部ファン用ダンパで、これらのダ
ンパで風量を調節することによって、任意の風量での試
験ができる様になっている。21aは、風速計測とガス
分析用を兼ねた排気管であり、ダクト22aから吸引さ
れる空気には、オゾン発生装置から送られてくるオゾン
が供給された後下部洗浄塔9aに入り、下部充填材11
aを上昇する際に洗浄液と接触した後、該排気管21a
から処理ガスとして排出される。また、ダクト22bか
ら電動ファン18によって吸引される空気は、上部洗浄
塔9bへ入って洗浄された後、風速計測とガス分析用を
兼ねた排気管21bを通して排出される構成となってい
る。
【0020】23はオゾナイザー架台、24はセラミッ
クス製のオゾナイザーであり、エアポンプ25によって
吸入され乾燥剤充填管26を通過した空気に無声放電を
施すことにより、オゾンを発生させる。27はオゾナイ
ザー電源であり、ボルトスライダー28で入口電圧を調
節することによって、オゾン発生量をコントロールでき
る様に構成されており、発生したオゾンを任意の流量で
上部電動ファン18の入口側へ供給できる。
【0021】図3は、他のオゾン除去試験および実施例
で使用した2塔直列型オゾン除去装置を示す概略説明図
であり、9a,9bは洗浄塔であって、夫々には前述の
様なツインエーブ構造の気液接触促進用充填材11a,
11bが配置されると共に、上方にミストセパレータ1
2a,12bが設けられ、夫々図1に示したのと同様
に、電動ポンプ4a,4b(バルブ5a,5b、流量計
6a,6b、圧力計7a,7bは省略している)、スプ
レーノズル8a,8bによって洗浄液の循環路を構成し
ており、図1と同様にバルブと流量計により洗浄液の循
環量を任意に調節できる構成とされている。この装置を
用いてオゾン除去を行なうに当たっては、洗浄塔9a,
9bの夫々にアルカリ水溶液を仕込んで循環させつつ、
洗浄塔9aでは金属硫化物のアルカリ水溶液を貯槽14
aからポンプPaによって供給し、洗浄塔9bでは、硫
化水素と反応して硫化物の沈殿を生成する金属塩のアル
カリ水溶液を貯槽14bからポンプPbによって供給す
る。
【0022】まず、上記図2に示した様な2重洗浄塔オ
ゾン除去装置を使用し、洗浄液として炭酸ソーダ5%水
溶液を用いると共に、該水溶液への硫化ナトリウム(N
2S・9H2 O)の添加量を種々変更した場合につい
て、オゾン除去試験を行なったところ、下記表1に示す
様な結果が得られた。
【0023】
【表1】
【0024】表1からも明らかである様に、炭酸ソーダ
の単独水溶液からなる洗浄液を使用した場合は、出口オ
ゾン濃度を1ppm以下にまで低減することはできな
い。ところが、該洗浄液内に硫化ナトリウムを適量含有
させるとオゾン除去率は飛躍的に向上し、殊に200p
pm以上、より好ましくは250ppm以上の硫化ナト
リウムを溶解させたアルカリ洗浄液を使用すると、90
%以上、あるいは95%以上といった高レベルのオゾン
除去率が得られると共に、出口オゾン濃度を0.05p
pm以下にまで低減し得ることが分かる。またこうした
オゾン除去効率は、充填材部分での気液接触時間を長め
に設定することによって一層高められることが分かる。
【0025】また本発明者らが別途確認したところによ
ると、硫化ナトリウムとして最も一般的なNa2 S・x
2 O(6水塩、9水塩)を使用した場合はもとより、
無水物を使用した場合、あるいは多硫化ナトリウム(N
25 など)や水硫化ナトリウム(NaSH・2H2
O)等を使用した場合でも同様のオゾン除去効果を得る
ことができることが確認された。
【0026】更には、アルカリ水溶液に硫化水素を吹き
込んで硫化ナトリウムを生成させた洗浄液を使用した場
合でも、全く同様の効果を得ることができる。こうした
事実から考えると、例えば硫化水素等の硫化物含有排ガ
スをアルカリ洗浄液で処理することによって硫化物を吸
収せしめ、該硫化物を硫化ナトリウムとして吸収したア
ルカリ洗浄液を用いてオゾンの吸収除去を行なう方法も
有効であると考えられる。
【0027】そこで、前記図2に示す2重洗浄塔オゾン
除去装置を使用し、洗浄液として炭酸ソーダ5%水溶液
を用い、ダクト22aから吸引される空気にオゾンを混
入させると共に、ダクト22bから吸引される空気には
硫化水素を混入させ、洗浄塔9a,9b内を循環するア
ルカリ洗浄液に硫化水素を吸収させると共に、該硫化水
素を吸収したアルカリ洗浄液にオゾンを吸収させる方法
を試みた。
【0028】結果は図5に示す通りであり、処理の初期
ではアルカリ洗浄液に硫化水素が実質的に吸収されてお
らず、該洗浄液中の硫化ナトリウム濃度が低いためオゾ
ン除去は殆んど行なわれないが、処理時間が経過し洗浄
液に硫化水素が吸収されて該洗浄液中の硫化ナトリウム
濃度が高まってくるにつれて、オゾン除去率は比例的に
上昇し、硫化水素がほぼ飽和濃度である硫化ナトリウム
換算濃度で200ppmに到達した時点以降、100%
に近いオゾン除去率が得られることが確認された。この
ことから、オゾン吸収のために用いられるアルカリ洗浄
液としては、例えば汚泥処理設備や廃棄物処理設備等か
ら排出される主たる悪臭成分である硫化水素の除去に用
いた硫化物吸収済のアルカリ洗浄液も、オゾン処理に有
効に活用できることが理解される。
【0029】また図6は、上記オゾン除去実験におい
て、アルカリ洗浄塔へ供給するオゾンと硫化水素の比率
を種々変更した場合のオゾン除去率を調べた結果を示し
たグラフであり、このグラフから、オゾンを効率よく除
去するにはオゾンに対し当量比で5倍モル程度以上の硫
化水素を供給すべきであることが分かる。
【0030】上記実験からも明らかである様に、アルカ
リ洗浄液中に適量の硫化水素あるいは硫化ナトリウム等
が溶解した洗浄液を使用すると、空気中のオゾンを効率
よく吸収除去することができるが、反面、オゾン除去効
率を高めるには洗浄液中に相当量(硫化ナトリウム換算
で200ppm程度)の硫化物を溶解させておく必要が
あり、しかもオゾン除去排ガス中には相当量の硫化水素
ガスが混入してくる。これは、オゾン除去工程で下記の
反応が起こるためと考えられる。 O3 + Na2 S → Na2 SO33 + Na2 SO3 → Na2 SO4 + O2 ↑ Na2 S + 2H2 O → 2NaOH + H2 S↑
【0031】そこで、該オゾン除去排ガス中に混入して
くる硫化水素についても、これを効率よく除去すべく研
究を進めた結果、以下に詳述する如く、該オゾン除去排
ガスを、硫化水素と反応して金属硫化物の沈殿を生成す
る金属塩を含有するアルカリ水溶液(例えば炭酸ソーダ
水溶液)と接触させてやれば、オゾン除去排ガス中の硫
化水素を金属硫化物の沈殿として効率よく除去し得るこ
とが確認された。
【0032】一般的にいって、通常のアルカリ水溶液を
用いた洗浄法では、排ガス中の硫化水素を効率よく除去
することは容易でない。これは、次の様に考えられる。
即ち硫化水素は、アルカリ水溶液中でS2-の形で溶解す
るので、アルカリ水溶液中ではNa2 Sが生成するが、
この反応は可逆反応であるから、気相/液相間でのヘン
リー則で定まる硫化水素濃度比と液中でのNa2 Sの溶
解度との関係で平衡しているに過ぎず、気相中の硫化水
素濃度が低くなれば、液中に蓄積されるNa2Sが硫化
水素に戻るので、炭酸ソーダ水溶液を使用した洗浄塔で
硫化水素を完全に除去することはできない。従って、硫
化水素を完全に除去し続けるには、炭酸ソーダ水溶液中
に何らかの物質を添加し、溶解した硫化水素をNa2
以外の可逆でない物質に変換する必要がある。そのため
の手段として、硫化物を金属塩として沈殿除去する方法
が考えられる。
【0033】溶解度の小さい金属硫化物は種々存在する
が、コスト面を考慮して実用的なものは、鉛と亜鉛にほ
ぼ限定される。但し、いずれも炭酸ソーダ等のアルカリ
水溶液中では非常に溶解度の小さい炭酸鉛や炭酸亜鉛と
して沈殿してしまうので、例えば塩化鉛や塩化亜鉛の形
で炭酸ソーダ水溶液に添加しても、イオンの形で存在す
るのはごく微量であり、気液接触時間の短い洗浄塔で効
率よく金属硫化物を生成させることは非常に困難である
と考えられる。
【0034】但し、鉛と亜鉛の硫化物の溶解度を比較す
ると、100gの水(15℃)に対する炭酸亜鉛の溶解
度は0.001gであるのに対して、100gの水(1
8℃)に対する硫化亜鉛の溶解度は0.00069gで
あって、炭酸亜鉛よりも硫化亜鉛の溶解度の方がかなり
小さいので、炭酸ソーダ水溶液への硫化水素の吸収速度
に対し洗浄液貯留槽での硫化亜鉛の生成に必要な滞留時
間を十分に取れば、CO3 2- に対してS2-は極く微量で
且つ炭酸ソーダ水溶液に添加した亜鉛化合物の殆んどが
固体の炭酸亜鉛の形で炭酸ソーダ水溶液中で懸濁してい
ても、 ZnCO3 →Zn2++CO3 2- , Zn2++S2-→ZnS↓ の反応が進み、洗浄液に溶解した硫化水素が硫化亜鉛と
して固定される可能性がないとは言えない。
【0035】そこで、塩化亜鉛を溶解させた炭酸ソーダ
水溶液を用いてオゾン除去排ガスの洗浄を行なったとこ
ろ、該オゾン除去排ガス中の硫化水素を炭酸亜鉛と硫化
亜鉛の混合物よりなる沈殿として効率よく除去できるこ
と、そして、該排ガス中の硫化水素を吸収して洗浄液中
に蓄積される硫化亜鉛に対して、洗浄液中に溶解状態お
よび懸濁状態もしくは沈殿として存在する塩化亜鉛の量
を当量比で3倍以上に維持してやれば、炭酸ソーダ水溶
液を洗浄液とする洗浄塔を用いた場合でも、硫化水素を
完全に除去できることが実証された。これは、硫化亜鉛
の生成反応によって消費される溶解状態の塩化亜鉛が、
アルカリ洗浄液中に懸濁状態もしくは沈殿として存在す
る塩化亜鉛によって直ちに補給され、硫化水素の吸収に
効率よく作用するためと考えられる。しかも、この処理
工程で生成する炭酸亜鉛と硫化亜鉛の混合物よりなる沈
殿は、塩酸に溶解し濾過・中和することによって、アル
カリ洗浄液への添加剤となる塩化亜鉛水溶液として再使
用することができる。
【0036】他方、塩化亜鉛の代わりに鉛塩を使用し、
洗浄液中で硫化水素を硫化鉛として固定する方法では、
100gの水(20℃)に対する炭酸鉛の溶解度が0.
00011gであるのに対し、100gの水(18℃)
に対する硫化鉛の溶解度は0.00009gであるか
ら、洗浄液中での硫化鉛生成率に対する鉛化合物添加量
を亜鉛化合物の場合より増やすことにより、可能と思わ
れる。
【0037】しかし、排水中の鉛イオン量に対する環境
基準は亜鉛イオン量に対する値よりはるかに厳しいの
で、鉛塩を使用した場合は洗浄液使用後の廃液処理に細
心の注意が必要となる。これに対し亜鉛イオンを含む廃
水の処理は、炭酸ソーダ添加による炭酸亜鉛としての沈
澱除去法が一般的であり、従って上記処理を行なう場合
の洗浄液の処理では、亜鉛イオンの沈澱操作済のものと
して、沈澱を分離し液を中和するのみで放流が可能であ
るので、極めて実用的といえる。尚、洗浄液中に懸濁し
ている炭酸亜鉛/硫化亜鉛混合物は一昼夜程度静置する
と容易に沈澱し、上澄みは完全な透明液となる。
【0038】従って、この方法を採用して洗浄塔を長期
間運転する場合は、洗浄液の循環ライン乃至貯液部に沈
澱分離個所を設けておき、洗浄液に連続的または間欠的
に添加する亜鉛化合物(塩化亜鉛等)と当量の沈澱を連
続的または間欠的にラインから抜き出す方法を採用すれ
ばよい。上記のオゾン除去と、該オゾン除去工程で生じ
てくる硫化水素の除去を組み合わせた装置について、図
3を参照しつつ詳述する。
【0039】即ち図3に示す如く、前段のオゾン吸収塔
9aでは、洗浄液として硫化ナトリウムを溶解した炭酸
ソーダ水溶液を使用し、後段の硫化水素吸収塔9bで
は、洗浄液として塩化亜鉛を溶解した炭酸ソーダ水溶液
を使用し、オゾン含有量が1ppmの排気を20m3
minの流量で流しつつ、オゾン除去と生成する硫化水
素の除去を行なった。尚夫々の吸収塔9a,9bでは、
気液接触促進用として、前述の様なツインウエーブ充填
材を使用した。その結果、前段の洗浄塔9aでは、炭酸
ソーダ水溶液に硫化ナトリウムの5%水溶液を2.0g
/minの速度で定量供給することによって、被処理ガ
ス中のオゾンをほぼ完全(0.03ppm以下)に除去
することができ、該オゾン除去排ガス中には硫化水素が
0.03〜0.5ppm混入してくることが確認され
た。
【0040】該オゾン除去工程でオゾンと硫化ナトリウ
ムとの間で生じる反応は前記化学式で示した通りであ
り、洗浄液中には亜硫酸ナトリウムと硫酸ナトリウムが
極く少量ずつ溶解蓄積されるが、本発明者らが確認した
ところによると、洗浄液の総量が1m3 である時の該蓄
積量は3年間の連続運転で亜硫酸ナトリウム換算濃度で
約1.7%程度に過ぎないので、洗浄液は3年に1回程
度中和廃棄しあるいは交換すればよい。尚、被処理ガス
の流量やオゾン濃度が変化する場合は、それらの濃度を
経時的に計測し、洗浄液中の硫化ナトリウム濃度が16
0ppm程度以下にならない様に、硫化ナトリウム水溶
液供給ポンプに連動させて制御するのが最も好ましい
が、この他、定期的な計測結果に基づいてやや過剰気味
の硫化ナトリウム水溶液を供給して上記硫化ナトリウム
濃度を維持することによっても、安定したオゾン除去率
を持続することが可能である。
【0041】しかして、前段での洗浄液中の硫化ナトリ
ウム濃度が高まると、オゾン除去工程での硫化水素生成
反応が進み易くなるので、後段の硫化水素吸収塔9bへ
供給すべき塩化亜鉛の必要量は増大するが、それ以外の
不都合を生じることはなく、前段洗浄液中の硫化ナトリ
ウム濃度はほぼ一定範囲に持続される。また、上記反応
および供給される硫化ナトリウム水溶液により、計算上
の洗浄液(水)は増加することになるが、通常処理すべ
き排気の湿度は100%ではなく、オゾン吸収塔9a内
では洗浄液の水が蒸発側となって逆に水分量は減少する
傾向があるので、例えばボールタップ等を設けて給水す
る必要がある場合の方が多い。
【0042】上記の様にオゾン吸収塔9aでオゾンが除
去され、硫化水素ガスの混入したオゾン除去排ガスは、
引き続いて硫化水素吸収塔9bにおいて、塩化亜鉛の溶
解された炭酸ソーダ水溶液で洗浄されることによって、
該排ガス中の硫化水素もほぼ完全(0.01ppm以
下)に吸収除去されるが、上記硫化水素混入量に対応す
る10%塩化亜鉛水溶液の供給量は約0.6g/min
程度と非常に少ないので、例えば1か月毎に塩化亜鉛1
0%水溶液を25kg程度洗浄液に追加することによっ
て、ほぼ完全な硫化水素除去率を確保することができ
る。
【0043】また、該硫化水素吸収塔9bにおける洗浄
液中の硫化亜鉛濃度は、洗浄液総量が500リットルの
場合1年間の連続運転で約4.3%となり、そのままで
は大部分が懸濁物として洗浄液中に浮遊して洗浄液循環
ラインを閉塞させる恐れがあるので、該循環ライン内の
適所に硫化亜鉛の沈殿・堆積部を形成し、堆積した硫化
亜鉛を定期的に系外へ排出するか、あるいは半年〜1年
程度の周期で洗浄液を交換することが望ましい。また図
3には記載していないが、硫化水素吸収塔9bに別途洗
浄液貯槽を設けて循環させて洗浄液の総量を増加させれ
ば、洗浄液の交換期間を延長させることができる。
【0044】硫化水素吸収塔9bで循環される洗浄液を
交換する場合は、別に準備した貯槽に洗浄液を移し替
え、一昼夜程度静置して硫化亜鉛と炭酸亜鉛を沈降分離
した後、上澄み液を硫酸や塩酸等の酸で中和してから放
流すればよく、また沈殿は硫化水素ガス吸収装置を備え
た槽内で塩酸等で中和した後、濃縮して塩化亜鉛の結晶
として再生することも可能である。
【0045】更に、オゾン吸収塔9aの洗浄液と硫化水
素吸収塔9bの洗浄液とを同時に交換する場合は、両塔
9a,9bおよびファンFを稼働しつつオゾン吸収塔9
aの硫化ナトリウム水溶液供給ラインから酸を供給し、
洗浄液中の全ての硫化ナトリウムを硫化水素として排出
し、これを硫化水素吸収塔9bで処理する方法を採用す
れば、中和後のオゾン吸収塔9aの洗浄液はそのまま放
流することができる。その後に、硫化水素吸収塔9bの
洗浄液を前述の様な方法によって処理すればよい。
【0046】上記処理を行なう際に消費される薬剤の年
間必要量は、硫化ナトリウムが35kg程度、塩化亜鉛
は30kg程度であり、洗浄液交換時の炭酸ソーダや中
和用に用いられる酸を加えても、年間の消費薬剤に要す
る費用は数万円程度であり、従来のオゾン分解触媒法に
比べて大幅な経費削減が可能となる。ちなみに現在実用
化されているオゾン分解触媒法では、オゾンの耐用年数
を数年とした場合でもその年間コストは数十万円であ
り、更に触媒劣化を抑制するために必須とされる被処理
ガスの乾燥設備(ヒーター等)の設置コストやランニン
グコストを加えたトータルコストは更に高くなってく
る。従って、極く小規模の残存オゾン処理装置として
は、設備のコンパクト性や運転・操業の簡便性等の点で
触媒分解法の方が好まれる場合もあるが、例えば10m
3 /minを超える中規模ないし大規模な残存オゾンの
処理を行なう実用規模の設備としては、本発明の方法は
非常に有利な方法といえる。
【0047】上記一連の試験結果および実施例での炭酸
ソーダ水溶液の濃度は、いずれも5%で行なったもので
あるが、別の実験では炭酸ソーダ濃度1〜6%の範囲で
ほぼ同等の効果が認められ、概して高濃度の方がオゾン
及び硫化水素のいずれについても除去性能が良くなるこ
とを確認している。
【0048】また上記試験および実施例では、アルカリ
として炭酸ソーダを使用した。これは、被処理ガスの大
部分は空気であり、苛性ソーダを使用すると空気中の二
酸化炭素を吸収して短期間のうちに炭酸ソーダに変質す
るため、安定した処理効果を得るには常に多量の苛性ソ
ーダを追加しなければならないのに対し、炭酸ソーダで
はこの様な変質が起こらず、安定した処理効果が持続さ
れ易いという理由に基づくものであるが、二酸化炭素に
よる変質の問題がなければ、苛性ソーダ水溶液の方が除
去性能は優れているので、アルカリとして苛性ソーダを
使用し、実質は苛性ソーダ・炭酸ソーダ混合液として使
用することもできる。
【0049】また、炭酸水素ナトリウムや苛性カリ等の
他の無機アルカリ水溶液、更にはアミンやフェノール等
の有機アルカリ水溶液を洗浄液として用いることも可能
であるが、これらアルカリ薬剤の中でも炭酸ソーダは、
安価で且つ取扱いや保管が容易であるといった利点を有
しており、最も好ましいアルカリ薬剤として推奨され
る。しかも、通常のアルカリ洗浄液で用いれらるアルカ
リ薬剤としては苛性ソーダが最も汎用されているが、炭
酸ソーダであれば、取扱いの危険も非常に少なく安全性
も高められるという利点も享受できる。
【0050】オゾン吸収塔9aでアルカリ水溶液に添加
される金属硫化物として、上記試験および実施例では硫
化ナトリウム(硫化ナトリウム)を使用したが、該硫化
ナトリウムとしては無水物の他Na2 O・xH2 O(6
水塩や9水塩など)を使用することが可能であり、更に
は多硫化ナトリウム(Na25 )、硫化水素ナトリウ
ム(NaSH・2H2 O等も同様に使用することがで
き、更にはナトリウム塩以外の金属硫化物、例えばカリ
ウム硫化物等を使用することも可能であるが、コストや
アルカリ水溶液への溶解性等を総合的に考えて最も好ま
しいのはナトリウム硫化物である。
【0051】また硫化水素吸収塔9bのアルカリ洗浄液
に添加する亜鉛塩として、上記試験および実施例では塩
化亜鉛を使用したが、これ以外にも硫酸亜鉛や臭化亜鉛
等の如く硫化水素と反応して水溶性の硫化亜鉛を生成す
る亜鉛塩でも同等の効果が得られることは明らかであ
り、また炭酸亜鉛を懸濁状態で添加することも可能であ
る。
【0052】洗浄塔の形式・構造については、上記試験
および実施例のいずれも、本願出願人の開発した図4に
示した様なツインウエーブ型充填材を気液接触促進用と
して使用した洗浄塔により実施したが、気液接触時間を
適宜選択すれば、他の例えば粒状の充填材やラシヒリン
グや鞍型充填材等を用いた充填塔や棚段塔等、種々の気
液接触装置でも同等の成果が得られることは明らかであ
り、本発明ではそれらの使用を除外するものではない。
【0053】以上の様に本発明方法によれば、オゾン含
有ガスからオゾンの除去を効率よく遂行できると共に、
該オゾン除去工程で生じてくる硫化水素についても効率
よく除去することができ、優れたガス清浄化効果を得る
ことが可能となる。
【0054】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】実施例1 図1に示す装置を使用し、アルカリ洗浄液として炭酸ソ
ーダ3%水溶液を使用し、これを18リットル/min
で循環させると共に、被処理ガスとしてオゾンと硫化水
素の混入量を種々変更した空気を風量3.7m3 /mi
nで吹込み、洗浄塔9で炭酸ソーダ水溶液に硫化水素を
吸収せしめると共に、硫化水素の吸収された炭酸ソーダ
水溶液によってオゾンの吸収を行ない、該洗浄塔9から
排出される処理済みガスのオゾンおよび硫化水素の濃度
を測定することによって、オゾン除去率と硫化水素除去
率を調べた。
【0056】結果は表2に示す通りであり、洗浄塔9へ
供給される空気中に1ppm程度以上の硫化水素を混入
させてこれを炭酸ソーダ水溶液に吸収させた洗浄液を使
用すると、洗浄塔9でのオゾン除去率を98%程度以上
に高め得ることが確認できる。
【0057】
【表2】
【0058】実施例2 図2に示した2重洗浄塔オゾン除去装置を使用し、アル
カリ洗浄液として炭酸ソーダ5%水溶液を150リット
ル調整して20リットル/min流量で循環させると共
に、下部洗浄塔9aには風量0.40〜0.69m3
minでオゾンを0〜5.5ppm吹込み、一方上部洗
浄塔9bには、上部ファン18の上流側から風量3.3
〜3.4m3 /minで硫化水素を0〜13.9ppm
吹込み、オゾンおよび硫化水素の除去率を調べた。
【0059】結果は図5に示した通りである。上部洗浄
塔9bで炭酸ソーダ水溶液に吸収された硫化水素が硫化
ナトリウムとして均一に溶解しているものとして、各運
転時間における洗浄液中の硫化水素濃度を計算すると、
その値にほぼ比例して下部洗浄塔9bへ導入したオゾン
の除去率は高まり、該洗浄液中の硫化ナトリウム濃度が
160ppm以上になると、下部洗浄塔9a出口部のオ
ゾン濃度は0.002ppm以下となり、99.9%以
上のオゾン除去率が得られる。また、洗浄液中の硫化ナ
トリウム濃度が130ppm以上になると、下部洗浄塔
9a出口側で硫化水素が検出される様になるので、この
方法でオゾンを70%以上除去するには、オゾン除去後
の該処理ガス中に混入してくる硫化水素を除去するため
の装置を、該オゾン除去装置の下流側へ付設すべきであ
ることが分かる。
【0060】実施例3 図2に示した様な2重洗浄オゾン除去装置(但し、オゾ
ン供給管は上部ファン18の上流側に接続した)を使用
し、アルカリ洗浄液として炭酸ソーダ5%水溶液を15
0リットル調整して20リットル/min流量で循環さ
せると共に、上部洗浄塔9bにオゾン含有空気を導入し
て運転を開始し、アルカリ洗浄液中に硫化ナトリウム5
%水溶液を、前記表1に示した濃度になる様に適宜追加
供給しつつ運転を継続し、洗浄液中の硫化ナトリウム濃
度とオゾン除去率の関係を調べた。
【0061】結果は前記表1に示した通りであり、アル
カリ洗浄液中の硫化ナトリウム濃度を200ppm以上
に保持すると共に、洗浄塔における充填材部分での気液
接触時間を十分に長く取ってやれば、95%以上、若し
くは98%以上のオゾン除去率を確保し得ることが分か
る。
【0062】実施例4 図3に示した様な2塔直列型のオゾン除去装置を使用
し、オゾン0.7〜1.3ppmを含有する排気を風量
20m3 /minで処理した。この時、前段の洗浄塔9
aでは、硫化ナトリウム250ppmを溶解した炭酸ソ
ーダ5%水溶液を400リットル/minで循環させ、
後段の洗浄塔9bでは、塩化亜鉛0.1%を添加した炭
酸ソーダ5%水溶液を40リットル/minで循環させ
ながら運転を開始し、且つ前段の洗浄液には、定量ポン
プで硫化ナトリウム5%水溶液を1.7g/min供給
し、後段の洗浄液には毎日1回塩化亜鉛10%水溶液を
500g添加することによって、該洗浄液中の塩化亜鉛
量を、該洗浄液中に蓄積される硫化ナトリウムに対し当
量比で3倍以上となる様に維持した。その結果、ファン
F出口からの排気中のオゾン濃度は0.02ppm以下
に、また硫化水素濃度は0.01ppm以下に夫々低減
されることが確認された。
【0063】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、オ
ゾン含有排ガスからオゾンを経済的安価にしかも効率よ
く除去し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる最も簡単なオゾン除去装置
を示す説明図である。
【図2】本発明で用いられる2重塔型のオゾン除去装置
を示す説明図である。
【図3】本発明により、オゾン除去と共に硫化水素除去
を達成することのできる2塔直列型浄化装置を示す説明
図である。
【図4】本発明でも有利に使用される気液接触用充填材
を示す模式図である。
【図5】洗浄液中の硫化ナトリウム濃度とオゾン除去率
等の関係を調べた結果を示すグラフである。
【図6】洗浄液に吸収させる硫化水素に対する排ガス中
のオゾンの比率とオゾン除去率の関係を示す実験結果の
グラフである。
【符号の説明】
4,4a,4b 洗浄液循環ポンプ 6,6a,6b 流量計 7,7a,7b 圧力計 8,8a,8b スプレーノズル 9,9a,9b 洗浄塔 11,11a,11b 気液接触用充填材 12,12a,12b ミストセパレータ 14,14a,14b 洗浄液貯槽 24 オゾナイザー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン含有ガスを、硫化ナトリウムおよ
    び/または硫化カリウムが溶解されたアルカリ水溶液に
    接触させてオゾンを吸収除去する方法であって、アルカ
    リ水溶液中の硫化物濃度を硫化ナトリウム換算濃度で1
    00〜300ppmに維持することを特徴とするオゾン
    の除去方法。
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