JP2730281B2 - β▲下2▼−マイクログロブリンの吸着剤 - Google Patents

β▲下2▼−マイクログロブリンの吸着剤

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JP2730281B2
JP2730281B2 JP2232541A JP23254190A JP2730281B2 JP 2730281 B2 JP2730281 B2 JP 2730281B2 JP 2232541 A JP2232541 A JP 2232541A JP 23254190 A JP23254190 A JP 23254190A JP 2730281 B2 JP2730281 B2 JP 2730281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液や血漿等の体液に過剰に含まれるβ2
−マイクログロブリンを除去するための吸着剤に関す
る。
〔従来の技術及びその問題点〕
人工透析患者が年々増加している中で、長期にわたっ
て人工透析を受けている患者の間に、手間根症候群と呼
ばれる疾患が多発している。この疾患においては、患部
にアミロイド物質であるβ−フィブリル状の物質の沈着
がみられるが、この原因物質としてβ2−マイクログロ
ブリンが注目されている。
そこで、このβ2−マイクログロブリンを血液等の体
液から除去する方法が各種提案されてきた。
これらの方法には、β2−マイクログロブリンのみを
選択的に分離する膜を体液と接触させる方法がある。
又、その他の除去方法としては、抗β2−マイクログ
ロブリン抗体をリガンドとして担体に吸着した吸着剤や
PMMA微粒体、或いはHEMAコーティング活性炭に吸着させ
る方法等が報告された。
しかし、これらの膜や、微粒体、活性炭等の吸着剤
は、β2−マイクログロブリンの吸着速度が、患者の体
内での産出量にくらべ少ないという問題があった。又、
吸着選択性も低く、アルブミン等の有用蛋白まで吸着す
るという問題があった。更に、リガンドを担体に固定し
た吸着剤においては、体液と接触させた時にリガンドが
遊離し、患者が重篤な免疫反応を起こすことがある等、
安全面でも問題があった。
〔本発明の解決すべき課題〕
本発明は、吸着選択性、吸着速度に優れ、安全性も高
いβ2−マイクログロブリンの吸着剤を提供することを
目的とする。
〔課題解決のための技術的手段〕
本発明の、β2−マイクログロブリンの吸着剤は、ア
ガロースのような水酸基を有する高分子化合物に、2個
以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
を結合させたものである。
水酸基を有する高分子化合物は、アガロース、セルロ
ース、デキストランである。これらは単独でも2種以上
の混合物としても用いられる。又、これらの化合物の架
橋物も好ましい。
これらの化合物の形状は、粒子状、繊維状、膜状、中
空糸状、チューブラー状、等、特に制限はない。しか
し、イソシアネート化合物との反応に好都合な点、及び
イソシアネート化合物と反応させて得られる吸着剤の取
扱が容易な点で、粒子状や繊維状のものが好ましい。
粒子状の場合は、得られる吸着剤をカラムに充填した
際に目詰まりしにくく且つβ2−マイクログロブリンの
吸着速度が高い点から、直径20〜5000μm、より好まし
くは20〜1000μmの球状が好ましい。
本発明で用いられるイソシアネート化合物は、分子中
に2個以上のイソシアネート基を有するものであればよ
い。このようなイソシアネート化合物の例としては、例
えば、 式、OCN-R-NCO (Rは炭素数1〜12の脂肪族鎖、又は端子数6〜15の芳
香族鎖を表す)で示される二官能性イソシアネートの
他、三官能性以上の多官能性イソシアネートが挙げられ
る。
二官能性イソシアネートとしては、具体的にはヘキサ
メチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、0−トリジンイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ
る。
又、三官能性イソシアネートとしては、例えばトリフ
ェニルメタン4,4′,4″,トリイソシアネート、1,3,5−
トリイソシアナート−2−メチルベンゼン、1,3,6−ヘ
キサメチレントリイソシアナート、1,3,5−トリス(6
−ヒドロキシヘキシル)トリイソシアナート等が挙げら
れる。
これらの化合物の内、ヘキサメチレンジイソシアネー
トが、得られる吸着剤の吸着活性が特に高い点で最も好
ましい。
本発明の吸着剤は、例えば次のようにして製造するこ
とができる。
水酸基を有する高分子化合物は、乾燥状態のものを使
用することがこのましい。もし、これらの化合物が水分
を含有する場合は、通常の手段により乾燥するか、又は
無水有機溶媒で置換処理を繰り返せばよい。置換に用い
る有機溶媒は、イソシアネート化合物との反応に用いる
溶媒と同一の物であればよく、例えば、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
イソシアネート化合物との反応は次のようにして行
う。即ち、水酸基を有するアガロース等の高分子化合物
を上記の有機溶媒に懸濁させ、イソシアネート化合物を
加え、10〜200℃、好ましくは30℃〜110℃で攪拌して反
応させる。水酸基を有する高分子化合物とイソシアネー
ト化合物の割合は特に制限はないが、当該高分子化合物
中の水酸基(−OH)とイソシアネート基(−NCO)との
割合が、−NCO/−OH>1となるようにすることが好まし
い。反応は全て反応系に水が入らない条件で行う。指定
時間攪拌し水酸基とイソシアネート基とが反応した後、
得られた吸着剤を有機溶媒で反応物を繰り返し洗浄し、
未反応のイソシアネート化合物や副生成物を除去する。
次いで、この吸着剤を吸引濾過し水で繰り返し洗浄し
て、有機溶媒を除去する。この吸着剤は通常注射用蒸留
水中で無菌状態で保存する。
本発明の吸着剤を患者の体液と接触させてβ2−マイ
クログロブリンを除去する方法の内、最も簡便なものと
しては、例えば患者の血液を体外に導出して血液バッグ
に貯め、これに吸着剤を混合してβ2−マイクログロブ
リンを吸着除去した後、血液をフィルターに通して吸着
剤を除去し、患者の体内に戻す方法がある。この方法は
複雑な装置を必要としない点で好ましい。他の方法に
は、吸着剤をカラムに充填し、体外循環装置にこのカラ
ムを組み込み、オンラインでβ2−マイクログロブリン
の吸着除去を行う等の方法がある。この方法においては
全血を直接灌流してもよく、血漿を血液から分離して血
漿のみをカラムに通してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
吸着剤の製造 架橋アガロース〔商品名セファロースCL-4B(ファル
マシア製)〕を蒸留水で繰り返し洗浄し、吸引濾過して
水を充分絞り切った。
このウェット状の架橋アガロース10.0g(絶乾状態で
0.77g)を脱水したジメチルスルホキシド(DMSO)50ml
中に加え、常温で2時間攪拌した。水分の入らない系で
DMSOを除去した後、新たに脱水DMSO30mlを加え、常温で
1時間攪拌した。以下同様に30ml(12.5時間)、30ml
(3時間)の操作を繰り返し、最後にDMSO20mlを加え
た。このときの系内のDMSO中の水分量をカールフィッシ
ャー法で分析すると約10ppmであった。
この系にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)1.
0gを脱水DMSO10mlに加えた溶液を仕込み、100℃で2時
間攪拌して反応を行った。反応溶液を除去後、新たなDM
SO25mlを仕込み、常温で1.5時間攪拌して洗浄を行っ
た。以後、同様に25ml(1.5時間)、20ml(1.5時間)、
20ml(1.5時間)、20ml(11.5時間)、20ml(2.5時間9
の条件で順次洗浄した。最後の洗浄液20ml中のイソシア
ネート基を滴定分析したがイソシアネート基は検出され
なかった。その後、水30mlを加えて反応を停止した。反
応物を吸引濾過し、DMSO20ml中で室温で一夜攪拌したの
ち、再び濾取し、大多量の水で繰り返し洗浄し、吸着剤
を得た。吸着剤の形状はビーズ状であり、粒径は20〜10
0μm、平均粒径は60μmであった。この吸着剤を吸引
濾過後、注射用蒸留水に浸漬した。
吸着試験は、吸引濾過により水を絞り切った吸着剤を
用いて行った。
実施例1 上記の方法で調整した吸着剤0.5ml(乾燥重量0.1g)
と、長期透析患者のβ2−マイクログロブリン高値血漿
1.5mlを、バイブレーターで混合した後、37℃で120分間
インキュベートした。この間、30分毎に振盪した。
その後、遠心分離(3000rpm、15分)操作により、上
澄を採取し、RIA法でβ2−マイクログロブリンを定量
し、更にアルブミンについても定量した。その結果を表
1及び表2に示す。
実施例2 実施例1で用いたのと同様の吸着剤について、Recirc
ulation adsorption testを行った。テストは実際の1/4
0のスケールで、長期透析患者のβ2−マイクログロブリ
ン高値血漿について行った。流量Qa=0.5ml/min、cabi
nへは80ml入れた。カラムは、内径10mmのものを用い、
カラム内に7.5mlの吸着剤を充填した。テスト前はβ2
マイクログロブリンの濃度は35mg/lあったが、120分経
過後15mg/lまで低下し、絶対量で1600μgのβ2−マイ
クログロブリンを吸着したことが判った。以下、表3に
結果を示す。
比較例1〜3 セファロースCL-4B(ファルマシア製)(比較例1及
び2)、及びポリメチルメタクリレート(比較例3)に
ついても、長期透析患者のβ2−マイクログロブリン高
値血漿1.5mlにつき、吸着テストを行った。その結果を
第3表及び第4表に示す。
〔本発明の効果〕 本発明の吸着剤は、従来の吸着剤と比較しβ2−マイ
クログロブリンの吸着性能に優れる。又、リガンドを用
いていないので、使用中にリガンドが遊離することがな
く、安全性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−114661(JP,A) 特開 平1−181874(JP,A) 特開 昭63−11167(JP,A) 特開 昭63−186660(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アガロース、セルロース、デキストランか
    ら選ばれる水酸基を有する高分子化合物に、2個以上の
    イソシアネート基を有するイソシアネート化合物を結合
    させた、β2−マイクログロブリンの吸着剤。
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JPS63186660A (ja) * 1986-09-24 1988-08-02 宇部興産株式会社 体液浄化剤
JPH0753177B2 (ja) * 1988-01-12 1995-06-07 宇部興産株式会社 β2―ミクログロブリンの吸着除去方法

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