JP2729944B2 - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御装置

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JP2729944B2 JP61132707A JP13270786A JP2729944B2 JP 2729944 B2 JP2729944 B2 JP 2729944B2 JP 61132707 A JP61132707 A JP 61132707A JP 13270786 A JP13270786 A JP 13270786A JP 2729944 B2 JP2729944 B2 JP 2729944B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、スロットル開度、車速等の変速制御情報に
基づき無段変速機を動作させて変速動作を行う車両用無
段変速機の変速制御装置に関する。 〔従来の技術〕 車両用無段変速機としてトロイダル形無段変速機等を
適用した場合には、例えば本出願人が先に出願した特開
昭61−74953号で提案したように、スロットル開度検出
値,車速検出値等の変速制御情報により、変速位置変換
テーブルを参照して変速データを選定し、これに基づい
てトロイダル形無段変速機の駆動モータを駆動して変速
制御を行うようにしたものがある。この場合、車両を走
行状態から停車状態とするときには、停車後の発進に備
えてトロイダル形無段変速機を制御原点(最大減速位
置)に変速させるようにしている。ここで、トロイダル
形無段変速機の制御原点への復帰は、そのプリセスカム
に近接配置した制御原点検出器で制御原点に到達したか
否かを検出し、その検出信号が例えば論理値“1"となっ
たときに制御原点に到達したものとして、そのときの駆
動モータの位置を制御原点として修正することにより、
制御原点の位置合わせを行うようにしている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記従来の車両用無段変速機の変速制
御装置にあっては、応答性や走行フィーリングの向上を
図るために、制御系のゲインを高めると共に、車両が停
車状態に移行する際の復帰速度を早くすると、下記のよ
うな未解決の問題点があった。 すなわち、トロイダル形無段変速機の制御原点への復
帰を早めるために、無段変速機の油圧一機械系(油圧シ
リンダ,トラニオン,プリセスカム等)の変速追従速度
に対して変速指示を行うスプール弁を駆動する駆動モー
タ(パルスモータ)の駆動速度を早くする。駆動モータ
は元々変速速度が早く、それ以上に変速速度を早くし過
ぎると、スプールが動いて油がシリンダ室に一杯流れ、
トリニオンが最大減速位置を通り越してしまう、つまり
制御原点検出信号が出力されてしまう。この状態ではト
ラニオン動作量が原点復帰量を越えていることになる
が、更に設定されたトラニオン動作量に一致するように
トラニオンは傾転し続け、その途中で機械的ストッパに
当接することにより傾転が阻止される。したがって、プ
リセスカムを介した機械的フィードバック系が働かなく
なるので、トラニオンはその中立位置から上下方向にず
れた位置のままの状態で原点復帰が終了することにな
り、次回の発進時の変速制御に誤差が生じる。 また、全体の制御系のゲインを高くすると、原点復帰
時のトラニオン及びパワーローラの慣性によるオーバー
シュートが生じ、このオーバーシュートによって制御原
点検出器がオン状態になると、その時点で原点復帰を終
了したものとして処理され、駆動モータの駆動が停止さ
れることになり、オーバーシュートが収斂した状態で
は、未だ制御原点に到達していない増速側位置にある状
態で変速停止されることになる。 本発明は上記従来例の問題点に鑑みなされたものであ
り、トラニオンの位置ずれを自動的に修正すると共に、
原点未復帰状態を自動的に解消することにより、上記従
来装置の課題を解決することを目的としている。 〔課題を解決するための手段〕 上記問題点を解決するために、本発明は、スロットル
開度、車速等を検出する変速制御情報検出手段からの変
速制御情報に基づいて、変速動作量選定手段で選定され
た変速量で変速制御手段を介して無段変速機をオープン
ループ制御する車両用無段変速機の変速制御装置におい
て、前記無段変速機の制御原点復帰時期を検出する原点
復帰時期検出手段と、前記無段変速機が制御原点に到達
したことを検出する制御原点検出器と、前記変速動作量
選定手段で前記制御原点が選定されている状態で、前記
無段変速機が前記制御原点に正確に位置するか否かを確
認して前記制御原点に修正する制御原点修正手段と、前
記原点復帰時期検出手段で前記制御原点復帰時期が検出
された場合は、前記無段変速機の変速速度を通常の変速
速度範囲の最高速度に選定し、前記制御原点修正手段に
よる原点修正状態の場合は、通常の変速速度範囲の最低
速度近傍の速度に選定する変速速度選定手段とを具備
し、車両が走行状態から停車状態に移行する際の前記制
御原点復帰時期を前記原点復帰時期検出手段で検出し、
前記制御原点復帰時期が検出されたときには前記変速速
度選定手段で選定された前記最高速度で、前記変速制御
手段を介して前記無段変速機を制御原点位置まで、前記
制御原点検出器の検出信号が得られるまで変動動作さ
せ、前記原点復帰動作が終了した時点で前記制御原点に
未到達の場合には、前記制御原点修正手段によって前記
無段変速機を前記制御原点側に動作させる動作量を選定
すると共に、前記変速速度手段で選定された前記最低速
度近傍の速度で前記無段変速機を前記制御原点に復帰さ
せ、前記車両が停車状態となったときに、前記制御原点
検出器を介して前記制御原点修正手段によって前記無段
変速機が前記制御原点に復帰しているか否かを確認し、
停車状態における前記無段変速機の変速位置を常に前記
制御原点位置とするようにしたことを特徴とする。 〔作用〕 本発明は第1図に示すように、スロットル開度、車速
等の変速制御情報を変速制御情報検出手段40によって検
出し、変速制御情報に基づいて変速動作量選定手段23で
選定された変速量で、変速制御手段27を介して無段変速
機Tをオープンループ制御している。そして、車両が走
行状態から停車状態に移行する際の制御原点復帰時期を
原点復帰時期検出手段24で検出し、制御原点復帰時期が
検出されたときには変速速度選定手段25で通常の変速速
度範囲の最高速度を選定し、これに応じて変速制御手段
27で無段変速機Tを制御原点位置に制御原点検出器19D
の検出信号が得られるまで高速に変速動作させる。そし
て、上記原点復帰動作が終了した時点で制御原点に未到
達の場合には、制御原点修正手段26によって無段変速機
Tを制御原点側に動作させる動作量を選定すると共に、
変速速度選定手段25で通常の変速速度範囲の最低速度近
傍の変速速度を選定し、これに応じて変速制御手段27で
無段変速機Tを比較的低速で制御原点に復帰させる。ま
た、車両が停車状態になると、無段変速機Tが実際に制
御原点に復帰しているか否かを制御原点検出器19Dを介
して制御原点修正手段26によって確認することにより、
停車状態における無段変速機Tの変速位置を常に制御原
点位置となるように調整する。 〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて説明
する。 第2図において、Tは無段変速機としてのトロイダル
形無段変速機、Cは制御装置であり、トロイダル形無段
変速機Tは、ハウジング1内に入力ディスク2及び出力
ディスク3が同軸的に対向して回転自在に保持されてい
る。入力ディスク2及び出力ディスク3は互いに同一形
状を有して線対称的に配置され、それらの対向面が協働
して軸方向断面でみて半円形となるようにトロイダル面
に形成されている。そして、入力ディスク2及び出力デ
ィスク3のトロイダル面で形成されるトロイダルキャビ
ティ内に一対のパワーローラ4,5が傾転自在に配設さ
れ、これらパワーローラ4,5が両ディスク2,3に転接され
ている。この場合、パワーローラ4,5はトラニオン6,7に
回転可能に保持され、且つ入力ディスク2及び出力ディ
スク3のトロイダル面の中心となるピボット軸Oを中心
として傾転自在に支承されている。 そして、入力ディスク2及び出力ディスク3とパワー
ローラ4,5との接触面にはトラクション係数の大きい粘
性材が介在され、入力ディスク2に入力される回転力を
パワーローラ4,5を介して出力ディスク3に伝達し、そ
の伝達比(変速比)の変更が、トラニオン6,7をピボッ
ト軸O−O方向に微小距離移動させてパワーローラ4,5
の傾転角θを変更することによって行われる。この場合
のトラニオン6,7の移動は、トラニオン6.7の両端に夫々
設けた油圧シリンダ9a〜9dと、これら油圧シリンダ9a〜
9dへの油圧供給を制御するスプール制御弁10と、トラニ
オン6に一体に形成されたプリセスカム11とによって構
成される移動機構によって制御される。スプール制御弁
10は、流体供給管10aが接続された入側ポート、分配管1
0b及び10cが接続された出側ポート及び流体排出管10dが
接続された排出ポートを有する弁本体10eと、この弁本
体10e内に上下方向に摺動自在のスプール10fとを有し、
弁本体10eが無段変速機Tのハウジング1に外側面に植
設された支柱10gに復帰スプリング10hで上方に付勢され
て、支柱と並行なネジ等の伝達手段13を回転させること
により上下方向に摺動可能に配設されている。 また、スプール10fは、プリセスカム11のカム面に係
合ローラ10iを介して係合され、トラニオン6の回動に
応じて上下動される。そして、トラニオン6、プリセス
カム11及びスプール10fで機械的フィードバック手段を
構成している。さらに、分配管10cは油圧シリンダ9a及
び9dに、分配管10bは油圧シリンダ9b及び9cに夫々接続
されている。そして、スプール制御弁10が、その弁本体
10eをパルスモータ(ステップモータ)12に回転力を直
線方向駆動力に変換する伝達手段13を介して連結され、
パルスモータ12の回転に応じて弁本体10eを復帰スプリ
ング10hの弾性力に抗して上下動させることにより制御
される。 なお、14は出力ディスク3の回転数を検出して、車速
に対応した検出信号Vを出力する例えばタコジェネレー
タで構成される車速検出器である。また、15はスロット
ル開度に応じた検出信号Uを出力する例えばポテンショ
メータで構成されるスロットル開度検出器、16は制御状
態を検出して検出信号Bを出力する制動状態検出手段と
してのブレーキスイッチ、17はパワフルモード、エコノ
ミーモード等を選択したモード選択信号Mを出力するモ
ード選択スイッチ、18はシフト機構でのシフト位置を検
出して検出信号Sを出力するシフト位置検出器、19Aは
プリセスカム11に近接配置されたパワーローラ4の増速
側限界位置を検出して検出信号ALを出力する増速側限界
検出器、19Dは同様にプリセスカム11に近接配置された
パワーローラ4の制御原点を検出して検出信号BLを出力
する制御原点検出器である。ここで、ブレーキスイッチ
16はブレーキペダル(図示せず)に関連して取付けら
れ、ブレーキペダルを踏込まない非制動状態では論理値
“0"、ブレーキペダルを踏込んだ制動状態では論理値
“1"の制動検出信号Bを出力する。 制御装置Cは、少なくとも変速比選定の基準となる変
速制御情報としてのアナログ信号の検出信号V及びUが
供給される入力増幅器22と、変速動作量選定手段23と、
キックダウン状態、原点復帰状態等の通常走行状態以外
の大動作量状態を検出して原点復帰時期とする原点復帰
時期検出手段24と、この原点復帰時期検出手段24の検出
結果及び後述する制御原点修正手段26の修正状態に応じ
て変速速度を選定する変速速度選定手段25と、車両が停
車中にトロイダル形無段変速機Tが制御原点位置にある
か否かを確認する共に、変速位置を制御原点に修正する
制御原点修正手段26と、変速動作量選定主段23又は制御
原点修正手段26で選定される動作量及び変速速度選定手
段25の選定値に基づいて、トロイダル形無段変速機Tを
変速動作させる変速制御手段27とを備えている。 制御装置Cの具体的構成は第3図に示すように、入力
増幅器22と、変速動作量選定手段23、原点復帰時期検出
手段24、変速速度選定手段25、制御原点修正手段26及び
変速制御手段27を構成するマイクロコンピュータ(MP
U)28と、パルスモータ12を駆動するパルス分配回路29
とから構成されている。 入力増幅器22には、変速比選定の基準となるスロット
ル開度検出器15からのスロットル開度検出信号U及びト
ロイダル形無段変速機Tの車速検出器14の検出信号Vが
変速制御情報として供給され、これら検出信号V及びU
を所定値に増幅して増幅信号OAを出力し、マイクロコン
ピュータ28に入力する。 マイクロコンピュータ28は、例えばインタフェース回
路30、演算処理装置(CPU)31及び記憶装置32を少なく
とも有して構成され、インタフェース回路30に供給され
る入力信号に基づき所定の演算処理を実行して、常時所
定時間毎にキックダウン状態及び原点復帰時期を監視
し、これらの状態となったときにその状態に応じた変速
速度を選択し、この変速速度でパルス分配回路29及びパ
ルスモータ12を介してトロイダル形無段変速機Tの変速
制御を行う。 インタフェース回路30は、A/D変換及びD/A変換の機能
を有し、その入力側にブレーキスイッチ16からの制動検
出信号B、モード選択スイッチ17からの選択信号M、シ
フト位置検出器18からのシフト位置検出信号S、入力増
幅器22の出力信号OA、パワーローラ4,5の増速側限界位
置及び減速側限界位置を夫々検出する増速側限界検出器
19A及び制御原点検出器19Dの検出信号AL及びBLが供給さ
れ、且つパルスモータ12を駆動するパルス分配回路29に
駆動制御信号CSを供給している。また、表示装置DPに対
して必要な情報を送って表示する。 演算処理装置31は、インタフェース回路30に供給され
る入力信号に基づき予め記憶装置32に記憶された所定の
処理プログラムに従って演算処理を実行し、最終的にト
ロイダル形無段変速機Tのトラニオン6,7を駆動するパ
ルスモータ12の駆動制御信号CSをパルス分配回路29に出
力する。記憶装置32は、演算処理装置31の演算処理に必
要な処理プログラムを記憶していると共に、演算処理装
置31の処理過程で必要とする各種定数及び後述する変速
制御情報/変速動作量変換テーブルを記憶しており、ま
た、演算処理装置31の処理過程での処理結果を逐次記憶
する。記憶装置32内の32aは動作パルスカウンタであ
る。 次に、演算処理装置31の処理手順を第4図乃至第6図
について説明する。 先ず電源を投入すると第4図(A),(B)に示すメ
インルーチンが実行され、これと同時に所定時間(数10
msec)毎に第6図に示すタイマ割込処理が実行される。 メインルーチンの説明に先立ちタイマ割込処理につい
て説明する。このタイマ割込処理は、トロイダル形無段
変速機Tのキックダウン状態、制御原点(最大減速位
置)への復帰状態及び各検出器の異常状態を検出するた
めのものであり、第6図に示す如く、ステップS38aで各
検出器14〜18,19A,19Dの検出信号をサンプリングで読込
み、次いでステップS38bで各検出信号が異常であるか否
かを判定する。このとき、いずれかの検出信号の異常を
検出したときには、ステップS38cに移行して警報(アラ
ーム)を出力する。この場合の警報としては、検出器の
異常を表示装置DPに表示するか又はブザーで警報音を発
生させる。 一方、上記ステップS38bの判定結果で各検出器が正常
状態であるときには、ステップS38dに移行して、スロッ
トル開度検出器15の検出信号Uの変化量ΔUが所定の設
定値ΔUs以上であるか否かを判定する。このとき、ΔU
≧ΔUsであるときにはキックダウン状態であると判断し
てステップS38eに移行し、キックダウン指令をセットし
てからステップS38fに移行し、ΔU<ΔUsであるときに
はキックダウン状態ではないものと判断してそのままス
テップS38fに移行する。ステップS38fでは、発進時の負
荷に対処するために制御原点に復帰させる時期か否かを
判定する。この判定は、車両が走行状態から停車状態に
移行する直前であるか否かを車速検出信号Vによって判
断するか、又はクラッチを断状態に制御する指令信号が
入力されたか否かによって判断し、最大減速位置に復帰
させる状態となったときにはステップS38gに移行して、
原点復帰指令をセットしてからタイマ割込処理を終了し
てメインルーチンに復帰し、原点復帰状態でないときに
はそのままメインルーチンに復帰する。 また、メインルーチンでの処理は第4図(A),
(B)に示す如く、先ず初期化を行い(ステップS1)、
次いでステップS2で入力増幅器22からの出力信号OA、シ
フト位置検出信号S及びパワフルモード、エコノミーモ
ード等の選択信号Mを変速制御情報として読み込む。そ
して、ステップS3に移行して、上記入力された変速制御
情報に基づいて所定の変速比に制御する変速動作量を算
出するために、記憶装置32に予め記憶されている所定の
変速制御情報/変速動作量変換テーブルを選択し、且つ
選択された変換テーブルを参照して目標変速位置Lnを算
出し、目標変速位置Lnと記憶装置32の現在位置記憶領域
に記憶されている現在変速位置Pとを減算して総変速量
LTを算出する(ステップS4)。 次いで、トロイダル形無段変速機Tの入力ディスク2
に接続されたエンジンが回転中あるか否かを判定する
(ステップS5)。この判定は、エンジンに燃料を噴射す
る燃料噴射パルス信号又はタコメータへの回転出力をパ
ルスジェネレータで検出してパルス信号があるか否かを
判断することにより行い、エンジンが停止中であるとき
にはそのまま前記ステップS2に戻り、エンジンが回転中
であるときにはステップS6に移行する。 このステップS6では、第5図に示す自動原点修正サブ
ルーチン処理を行う。すなわち、先ず第5図でセルフチ
ェックを行うか否かを判定する(ステップS6a)。この
判定は、シフト機構でニュートラル状態を選択する“N"
レンジが選択されており、且つ“N"レンジが選択された
最初の時点であるか否かを判断することにより行い、セ
ルフチェックを行うときにはステップS6bに移行する。
このステップS6bでは、制御原点検出器19Dの検出信号BL
が論理値“1"、つまりトロイダル形無段変速機Tが制御
原点位置にあるか否かを判定し、制御原点位置にあると
きにはステップS6cに移行して、トロイダル形無段変速
機Tの制御原点検出器19Dの検出信号BLが論理値“0"と
なる位置まで増速側に変速させる僅かなインチングステ
ップ量+SPAIを選択し、次いで原点修正指令をセット状
態としてから(ステップS6d)前記メインルーチンに戻
る。また、制御原点位置にないときにはステップS6eに
移行して、僅かにトロイダル形無段変速機Tを減速側に
変速させるインチングステップ量−SPDIを選択してから
前記ステップS6dに移行する。 一方、上記ステップS6aの判定結果がセルフチェック
を行わないときには、第6図のタイマ割込処理において
原点復帰指令がセットされているか否かを判定し(ステ
ップS6f)、原点復帰指令がリセット状態であるときに
はそのままメインルーチンに復帰し、原点復帰指令がセ
ットされているときにはステップS6gに移行する。この
ステップS6gでは、一度原点復帰処理を行った後にトロ
イダル形無段変速機Tが制御原点に達していない再原点
調整状態であるか否かを判定する。この判定は、例えば
最初に原点復帰処理を行ったときにフラグをセットする
ことにより、このフラグのセット状態を判定して再原点
調整か否かを判断することにより行う。この場合に再原
点調整状態でないときには、制御原点に達しているか否
かを判定するが(ステップS6h)、この判定は制御原点
検出信号BLが論理値“1"であるか否かにより行い、制御
原点検出信号BLが論理値“0"であるときには制御原点未
到達と判断してステップS6iに移行し、ステップ量STを
メインルーチンのステップS4で選定した総変速量LTに設
定してからメインルーチンに復帰し、制御原点検出信号
BLが論理値“1"であるときには制御原点に到達している
ものと判断してステップS6jに移行し、ステップ量STを
零に選定してからメインルーチンに復帰する。 一方、ステップS6gの判定結果が再原点調整状態であ
るときには、ステップ量STを予め設定された再調整量−
Prに選定して(ステップS6k)から前記ステップS6dに移
行する。 第5図のサブルーチンからメインルーチンに復帰する
とステップS7に移行し、ステップS3で算出した目標変速
位置Lnが前回の処理における目標変速位置と等しいか否
かを判定する。そして、目標変速位置Lnが前回の動作量
と等しいときにはステップS12に移行し、そうでないと
きにはステップS8に移行する。このステップS8では、前
記第6図のタイマ割込処理によってキックダウン指令が
セットされているか否かを判定し、キックダウン指令が
リセット状態であるときには、前記サブルーチンの処理
によって原点修正指令がセットされているか否かを判定
し(ステップS9)、原点修正指令がリセット状態である
ときには、同様に第6図のタイマ割込処理によって原点
復帰指令がリセットされているか否かを判定する(ステ
ップS10)。そして、原点復帰指令がリセット状態であ
るときには、ステップS4で算出した総変速量LTに基づい
てトロイダル形無段変速機Tを通常の変速動作させるに
要する変速時間tを算出すると共に、この変速時間tの
逆数(=1/t)を演算してパルスモータ12の回転速度を
算出する(ステップS11)。ここで、変速時間tは、総
変速量LTに基づきt=Ck/LTの演算を行うことにより算
出し、総変速量LTと変速時間tとの関係が双曲線特性と
なるように選定される。ここに、Ckはスロットル開度検
出値Uに応じて選定される定数であり、例えばスロット
ル開度Uが30%,60%,100%に反比例した3種類の定
数、例えばそれぞれ定数3.33、1.67、1.00が選定されて
いる。したがって、変速時間tは総変速量LTが大きい程
徐々に短くなり、総変速量LTが小さくなる程急激に長く
なったり、総変速量LTに応じて無段階に算出されるの
で、低車速時で総変速量LTが大きい場合には、変速時間
tを短くして追従遅れのないようにし、また中,高車速
では車速Vの変化量ΔVが小さく総変速量LTも小さくな
るので、長い変速時間tを算出してできるだけパルスモ
ータ12を連続的に駆動し、変速ショックを抑制する。さ
らに、スロットル開度が大きい程車速の変化量ΔVが大
きいので、同一変速量に対してはスロットル開度が大き
い程変速時間tを短くして変速動作に対する応答性を向
上させる。その後、総変速量LT及び車両の走行状態に基
づいてパルスモータ12の増速側又は減速側におけるパル
スモータ12の動作量を表すステップ量STを算出して(ス
テップS12)からステップS17に移行する。ここで、ステ
ップ量STは、車両の発進時のように低スロットル開度で
は低車速加速状態のときに大きな値に選定し、他の状態
では変速ショックを生じない程度に小さな値(数パルス
程度)に選定する。 一方、上記ステップS8の判定結果でキックダウン指令
がセット状態であるときには、ステップS11で選択する
変速速度のいずれよりも早い制御系の出し得る最高速度
に対応する最高パルス間隔PWUMを選択し(ステップS1
3)、次いでキックダウン指令をリセット状態として
(ステップS14)からステップS12に移行し、同様に、ス
テップS10の判定結果で原点復帰指令がセット状態であ
るときには、キックダウン時の制御系の最高速度の2/3
程度のステップS11で算出する通常の変速速度範囲の最
高速度を選択して(ステップS15)からステップS12に移
行し、さらにステップS9の判定結果で原点修正指令がセ
ット状態であるときには、ステップS11で選択する通常
の変速速度範囲の最低速度に近い低速度を選択して(ス
テップS16)から前記ステップS12に移行する。 ステップS17ではステップ量STが零であるか否かを判
定し、零であるときにはステップS2に戻り、零以外の値
であるときにはステップS18に移行する。このステップS
18では、パルスモータ12の現在変速位置Pを記憶装置32
から読み出し、これに前記ステップ量STを加算して変速
目標位置Poを算出し、これを記憶装置32の目標値記憶領
域に記憶し、且つステップ量STに基づきパルスモータ12
の動作パルス数を算出し、これを記憶装置32の所定記憶
領域に一時記憶する。さらに、記憶装置32の所定記憶領
域に形成された動作パルスカウンタ32aに動作パルス数
をロードし、次いでパルス分配回路29内の分配カウンタ
を駆動制御信号CSとしてリセットする。 次いで、ブレーキスイッチ16からの制動検出信号Bを
読込み、これが論理値“1"であるか否かによって制動状
態であるか否かを判定する(ステップS19)。その判定
結果が制動状態でないときには直接ステップS21に移行
し、制動状態であるときにはステップS18で算出したパ
ルスモータ12の変速目標位置Poが増速側であるか否かを
判定する(ステップS20)。このとき、パルスモータ12
の変速目標位置Poが増速側であるときには前記ステップ
S2に戻り、減速側であるときにはに前記ステップS18で
算出した動作パルスをパルス分配回路29に出力して、パ
ルスモータ12の駆動を開始させる(ステップS21)。 次いで、キックダウン指令がセット状態であるか否か
を判定する(ステップS22)。この判定は、パルスモー
タ12の動作中にはステップS2に戻ることがなく、キック
ダウン処理を行うことができないので、キックダウン処
理を強制的に行うためのものであり、キックダウン指令
がセット状態であるときにはパルスモータ12を非常停止
させると共に、この非常停止によって目標値に達しない
ことになるので、それまでのパルスモータ12の移動量に
応じて現在変速位置Pを補正する(ステップS23)。ま
た、ステップS22の判定結果でキックダウン指令がリセ
ット状態であるときには、原点修正指令がセット状態で
あるか否かを判定し(ステップS24)、セット状態にあ
るときには直接後述するステップS26に移行し、リセッ
ト状態であるときには原点復帰指令がセット状態である
か否かを判定し(ステップS25)、これがセット状態で
あるときには前記ステップS23に移行し、リセット状態
であるときにはトラニオン6,7の動作方向を判定する
(ステップS26)。そして、この動作方向が増速方向で
あるときには増速側限界検出器19Aからの検出信号ALを
読み込み、これが論理値“1"であるか否かを判定するこ
とにより、パワーローラ4,5が増速側の限界位置に達し
たか否かを判定し(ステップS27)、限界位置に達する
以前であるときには前記動作パルスカウンタ32aを“1"
だけカウントダウンし、且つ動作パルスカウンタ32aの
計数値が零であるか否かを判定することによりパルスモ
ータ12の動作が完了したか否かを判定する(ステップS2
8)。このとき、パルスモータ12の動作が未完了である
ときには前記ステップS22に戻って、前記ステップS11,S
13,S15又はS16で選定された変速速度となるように次の
駆動制御パルスCSを出力し、パルスモータ12の動作が完
了したときには現在変速位置を更新して(ステップS3
2)からステップS2に戻る。 また、ステップS26の判定結果がトラニオン6,7を減速
方向に動作させるものであるときには、制御原点検出器
19Dの検出信号BLを読み込み、トラニオン6,7が減速側の
限界位置に達したか否かを判定し(ステップS29)、限
界位置に達する以前であるときには前記ステップS28に
移行し、限界位置に達したときにはパルスモータ12を非
常停止させて(ステップS30)、原点復帰指令及び原点
修正指令をリセット状態とする(ステップS31)。さら
に、ステップS27の判定結果が限界位置に達したもので
あるときには、前記ステップS30に移行する。 ここで、S2〜S4,S11,S12,S17及びS18の処理が変速動
作量選定手段23及び変速速度選定手段25に対応し、ステ
ップS38a〜S38gの処理及びステップS7,S10の処理が原点
復帰時期検出手段24に対応し、ステップS13,S15,S16の
処理が変速速度選定手段25に対応し、ステップS6a〜S6k
の処理が制御原点修正手段26に対応し、ステップS19〜S
32の処理が変速制御手段27に対応している。 次に上記実施例の具体的動作について説明する。今、
車両が停止状態にあり、イグニションスイッチがオフ状
態にあるものとすると、この状態では制御装置Cの演算
処理装置31で第4図乃至第6図の処理は実行されず、ト
ロイダル形無段変速機Tは制御原点(最大減速位置)に
保持されている。 この停止状態でイグニションスイッチをオン状態に切
り換えると、演算処理装置31で第4図(A),(B)の
処理が実行され、まず初期化が行われるが(ステップS
1)、このときシフト機構がニュートラルレンジ“N"に
シフトされており、そのことを表すシフト位置検出信号
Sがシフト位置検出器18から出力されているものとする
と、この状態ではエンジンがアイドリング状態にあり、
且つクラッチがオフ状態で無段変速機Tの入力ディスク
2にエンジン回転力が伝達されておらず、制御装置Cの
演算処理装置31では、第4図(A),(B)の処理にお
いて車速が零なので目標値を零とし(ステップS3)、そ
の後ステップS4〜S12,S17を経てステップS2に戻り、パ
ルスモータ12に駆動パルスが駆動制御信号CSとして出力
されないので、無段変速機Tは最大減速位置に保持され
る。 また、第6図のタイマ割込処理が所定時間(数十mse
c)毎に実行されるが、停車状態においては、スロット
ル開度の変化量ΔUが小さいかほぼ零であり、且つ変速
位置が制御原点位置にあるので、キックダウン指令及び
原点復帰指令は共にリセット状態にある。この状態から
ドライブレンジ“D"を選択すると共に、アクセルペダル
を踏み込み、且つクラッチを半クラッチ状態として車両
を通常の緩発進状態とすると、シフト位置検出信号S
と、パワフルモード又はエコノミーモードの選択信号M
と、アクセルペダルの踏み込みによるスロットル開度の
検出信号Uと、無段変速機Tの出力ディスク3の回転数
検出である車速信号Vとを読み込み、これらを変速制御
情報として記憶装置32に一時記憶する(ステップS2)。
次いで、記憶装置32に記憶された変速制御情報に基づい
て所定の変速制御情報/換速動作量変換テーブルを選択
し、且つ選択した変換テーブルを参照してトラニオン6,
7を移動させてパワーローラ4,5の傾転角θを制御する目
標変速位置Lnを算出する(ステップS3)。 そして、目標変速位置Lnから現在変速位置Pを減算し
て総変速量LT(=Ln−P)を算出し(ステップS4)、ア
クセルペダルを踏み込んで加速状態にあるのでステップ
S5〜S10を経てステップS11に移行し、車両が緩発進状態
であるのでハイギャードな制御を必要とし、早くオーバ
ドライブに変速する必要があり、総変速量LTに応じた比
較的短い変速時間tが算出され、これに応じて高変速速
度が算出され、これを変速速度記憶領域に記憶する(ス
テップS11)。次いで、前記算出された総変速量LT及び
変速制御情報に基づいてパルスモータ12の1動作当たり
のステップ量STを算出し(ステップS12)、さらにステ
ップ量STが零であるか否かを判定し(ステップS17)、
加速状態であるのでステップ量STが加速状態に応じた値
に選定されており、このステップ量STと現在変速位置P
との和から変速目標位置Poを算出し、これを一旦記憶装
置32に目標変速位置情報として記憶すると共に、前記ス
テップ量STに基づきパルスモータ12に出力するパルス数
を算出し、これを記憶装置32内の動作パルスカウンタ32
aにプリセットすると共に、パルス分配回路29内のカウ
ンタをリセットする(ステップS18)。 次いで、ブレーキペダルから踏み込まれている制動状
態か否かを判定するが(ステップS19)、本例は発進状
態であり、ブレーキペダルが踏み込まれていない非制動
状態であるので、パルスモータ12を動作させるように駆
動制御信号CSをパルス分配回路29に出力する(ステップ
S21)。 さらに、ステップS22,S24,S25を経てステップS26に移
行し、パワーローラ4,5の傾転方向、即ち無段変速機T
が増速側であるか減速側であるかを判定するが、本例は
増速側であるので、増速側限界位置に達したか否かを判
定し(ステップS27)、増速側限界作動位置以前である
ので、カウンタ32aを“1"だけカウントダウンしてから
パルスモータ12の動作が終了か否かを、動作パルスカウ
ンタ32aの計数内容が零であるか否かを判定することに
より判定し(ステップS28)、このとき動作パルスカウ
ンタ32aはセットされたばかりであるので前記ステップS
22に戻り、前記ステップS11で算出された高変速速度と
なるように上記動作を繰り返す。その結果、短いパルス
間隔でパルスモータ12が駆動されるので、パルスモータ
12の回転速度が早くなる。そして、動作パルスカウンタ
32aの計数値が零となると、ステップS28でパルスモータ
12の動作が終了したものと判定して、変速目標位置Poを
現在変速位置Pとして更新して(ステップS32)からス
テップS2に戻る。 このように、パルスモータ12が駆動制御信号CSによっ
て所定量回動されると、その回動に応じてスプール制御
弁10が復帰スプリング10hに抗して下降され、その移動
に応じて流体供給管10aと分配管10bとが連通され、これ
により油圧シリンダ9b及び9cに作動油が供給されてトラ
ニオン6,7が所定量夫々上下に移動する。このトラニオ
ン6,7の移動により、パワーローラ4,5が増速側に傾転を
開始する。このパワーローラ4,5の傾転に伴いトラニオ
ン6,7も回動するので、プリセスカム11が回動して制御
弁ローラ10iが下降し、これに応じてスプール10fが下降
する。そして、パワーローラ4,5が所定傾転角θ位置に
回動すると、スプール10fによって分配管10b及び10cと
流体供給管10aとが遮断状態となり、トラニオン6,7の移
動が停止される。しかしながら、トラニオン6,7の移動
位置は中立位置よりずれた位置となるので、パワーロー
ラ4,5はさらに増速方向に傾転することになり、この状
態となるとスプール10fがさらに下降するので、流体供
給管10aと分配管10cとが連通して油圧シリンダ9a及び9d
に作動流体が供給されることになり、トラニオン6,7が
夫々前と逆方向に上下する。そして、トラニオン6,7が
所定中立位置に復帰すると、パワーローラ4,5の傾転が
停止され、結局トラニオン6、プリセスカム11及びスプ
ール10fで機械的フィードバック系が形成されているの
で、パワーローラ4,5の傾転角θが弁本体10eで選択され
た動作位置に応じて制御される。 また、スロットル開度を大きくして車両を急発進させ
る場合には、ローギャードな制御でエンジンを高回転ま
で回す必要があるので、そのときの高速とスロットル開
度とに応じて比較的小さな値の目標変速位置Lnが選定さ
れ(ステップS3)、総変速量LTも小さな値となるので、
総変速量LTに応じた長い変速時間tが算出されてパルス
モータ12を低速度で駆動する変速速度を選定する。した
がって、ステップS18以降の変速制御処理において、パ
ルスモータ12を駆動する駆動制御信号CSのパルス間隔が
前記緩発進状態に比較して長くなり、比較的遅い変速動
作を行う。 さらに、前記発進状態から比較的高速の巡行走行状態
に以降すると、そのときの目標変速位置Lnの値は比較的
小さくなり、総変速量LTも小さくなるので、ステップS1
1で総変速量LTに応じた変速時間tを算出し、この変速
時間tの逆数を演算してパルスモータ12を低速で駆動す
る変速速度を算出し、ステップS12で比較少ないステッ
プ量STを選定する。このため、ステップS18以降の変速
制御処理において、パルスモータ12を駆動する駆動制御
信号CSのパルス間隔が長くなり、比較的緩慢な変速動
作、即ちパルスモータ12がほぼ連続的に低速駆動され
て、パワーローラ4,5を所定量傾転させる。したがっ
て、この場合は、応答性を多少犠牲にしてエンジン回転
数変動及びトルク変動を抑制して乗心地を確保する。 また、前記巡行走行状態からアクセルペダルの踏込み
を解除すると共に、ブレーキペダルを踏込んで制動状態
に移行すると、これに応じてブレーキスイッチ16の制動
検出信号Bが論理値“1"となるので、ステップS19から
ステップS20に移行し、そのときにステップS11で算出し
たパルスモータ動作量が増速側であるときには、ステッ
プS21〜S32の変速制御処理を行うことなく直接ステップ
S2に戻る。 このように、車両が走行中にブレーキペダルを踏み込
んで制動状態に移行すると、パルスモータ12の増速側へ
の駆動が禁止される。したがって、今第7図の符号aで
示すように、無段変速機Tのパワーローラ4,5が夫々入
力ディスク2及び出力ディスク3の中間位置に転接して
いる自動変速機のほぼ3速に対応する変速位置にあるも
のとすると、ブレーキペダルの踏込みによって増速側へ
の変速動作が禁止されることにより、実線図示のように
変速比が固定された状態となり、このためエンジンブレ
ーキが作用することとなり、これとブレーキの作動によ
って車速が低下し、これに応じてエンジン回転数が減少
する。 一方、前記制動状態にあって変速比が固定されている
状態にある第7図の符号cで示す時点で、ブレーキペダ
ルの踏込みを解除すると共に、アクセルペダルを再度踏
込んで緩加速状態に移行するとスロットル開度が大きく
なるので、その加速状態に応じてステップS3で算出され
る目標変速位置Lnが小さくなり、ステップS4で算出され
る総変速量LTが減速側となってステップS12で算出され
るステップ量STがマイナスとなり、しかもブレーキスイ
ッチ16の制動検出信号Bが論理値“0"となるので、ステ
ップS19からステップS21に移行して、パルスモータ12を
減速側に駆動してパワーローラ4,5を減速側に傾転さ
せ、駆動トルクを大きくして加速状態に移行し、その後
車速の増加と共にパワーローラ4,5を増速側に傾転させ
る。 この制動状態から加速状態に移行する際には、その加
速状態に応じてステップS3で選択されるパルスモータ12
の動作量が減速側となり、即ちパワーローラ4,5の増速
側への傾転が禁止されているので、加速状態に移行する
ためのキックダウン量が少なくなり、この分応答性を向
上させることができる。 また、ドライブレンジ“D"を選択している状態で、ア
クセルペダルを踏み込んで急加速を行うキックダウン状
態とすると、第6図のタイマ割込処理が実行された時点
で、ステップS38aで読み込んだスロットル開度検出信号
Uの値と前回のタイマ処理時のスロットル開度検出信号
Uの値との差値ΔUが所定設定値以上となるので、ステ
ップS38aからステップS38eに移行して、キックダウン指
令をセット状態としてから割込処理を終了する。 このように、第6図のタイマ割込処理でキックダウン
指令がセット状態となると、そのときに第4図(A),
(B)のメインルーチンのステップS22,S24〜S28の処理
を行っていてパルスモータ12が動作中であるときには、
パルスモータ12の動作が終了した時点でステップS22に
移行するので、このステップS22からステップS23に移行
し、パルスモータ13を非常停止させると共に、パルスモ
ータ12の動作分に応じた値に現在変速位置に補正してか
らステップS32に移行して、補正した現在変速位置を変
速現在位置として更新してからステップS2に戻る。した
がって、キックダウン状態となったときに、パルスモー
タ12が駆動状態にあるときには、その駆動が強制的に終
了されるので、続くキックダウン処理を行う場合の応答
性を格段に向上させることができる。 しかも、このキックダウン状態となると、メインルー
チンのステップS3で、キックダウン時の目標変速位置Ln
が選定され、さらにステップS8からステップS13に移行
して、制御系の最高速度でなるキックダウン速度に応じ
た極く短いパルス間隔PWUHが選択され、且つステップ量
STとして総変速量LTが選定されるので、ステップS18以
降の変速制御処理において、パルスモータ12が高速回転
されて目標変速位置への変速動作を迅速に行うことがで
きる。 同様に、ブレーキペダルを踏み込んで車両を走行状態
から停止状態に移行させる際には、第6図のタイマ割込
処理が実行されたときにそのステップS38fからステップ
S38gに移行するので、原点復帰指令がセット状態とな
り、前記キックダウン状態と同様に第4図(A),
(B)のメインルーチンにおいて、パルスモータ12が動
作中であるときにはステップS25からステップS23に移行
して、パルスモータ12を非常停止させてからステップS2
に戻る。そして、ステップS3で最大減速位置に復帰する
目標変速位置Ln(=0)が選定され、さらにステップS6
で第5図のサブルーチンが実行されて、ステップS6aか
らステップS6g,S6hを経てステップS6iに移行し、制御原
点検出器19Dから論理値“0"の検出信号BLが出力されて
いるのでリターンしてステップS7に移行し、前記ステッ
プS4で選定した総変速量LTをステップ量STとしてメイン
ルーチンに復帰する。ステップS15で通常の変速速度範
囲の最大速度でなる原点復帰速度が選択されるので、ス
テップS18以降の変速制御処理においてパルスモータ12
の動作範囲内で最大減速位置側に高速駆動され、トロイ
ダル形無段変速機Tのパワーローラ4,5が制御原点位置
に達すると、制御原点検出器19Dから論理値“1"の検出
信号BLが出力される。これによって、ステップS29から
ステップS30に移行してパルスモータ12を非常停止さ
せ、ステップS31で原点復帰指令をリセット状態として
からてからステップS32に移行して、制御原点位置を現
在変速位置に更新してからステップS2に戻る。 ところで、上記原点復帰処理において、ステップS22,
S24〜S26,S29,S28のパルスモータ駆動処理を終了したに
も拘らず、トロイダル形無段変速機Tのパワーローラ4,
5が制御原点位置まで復帰せず、制御原点検出器19Dがオ
フ状態を維持しているときには、パルスモータ12の動作
が終了した時点で、ステップS28からステップS32に移行
してからステップS2に復帰し、この際ステップS30,S31
に移行することがないので原点復帰指令はセット状態を
維持する。したがって、ステップS2からステップS3〜S5
を経てステップS6に移行したときに第5図のサブルーチ
ンが実行され、ステップS6aからステップS6fを経てステ
ップS6gに移行し、このステップS6gでトロイダル形無段
変速機Tが制御原点に復帰しない再原点復帰状態である
のでステップS6kに移行して、ステップ量STを減速側の
所定値でなる再戻し量Prに設定し、且つステップS6dに
移行して、原点修正指令をセット状態としてからメイン
ルーチンのステップS7に復帰する。 このように原点修正指令がセット状態となると、メイ
ンルーチンのステップS9からステップS16に移行して、
パルスモータ12を低速でインチング動作させる長いパル
ス間隔PWIが選択され、次いでステップS18以降の変速制
御処理に移行する。 この変速制御処理においては、原点修正指令がセット
状態であることによりステップS24から直接ステップS26
に移行し、このステップS26からステップS29に移行し、
トロイダル形無段変速機Tの変速位置が制御原点に達す
るまでの間はステップS29からステップS28に移行してパ
ルスモータ12を制御原点側に駆動し、トロイダル形無段
変速機Tの変速位置が制御原点に到達するとステップS2
9からステップS30に移行してパルスモータ12を非常停止
させ、次いでステップS31に移行して原点修正指令及び
原点復帰指令をリセット状態とする。 このように、最初の原点復帰処理においてトロイダル
形無段変速機Tが制御原点位置に達しないときには、再
度パルスモータ12を制御原点側にインチング動作させる
ので、トロイダル形無段変速機Tの変速位置を確実に制
御原点位置に調整することができる。 また、車両の停車状態において、トロイダル形無段変
速機Tの入力ディスク2が回転可能なアウトプットクラ
ッチ方式又は複数のクラッチを使用したインプットクラ
ッチ方式を採用している場合には、停車状態で入力ディ
スク2が回転して変速動作が可能となるので車両が停車
状態となって、シフト機構をニュートラルレンジ“N"に
シフトさせると、第5図のサブルーチンでステップS6a
からステップS6bに移行して制御原点検出器19Dからの検
出信号BLが論理値“1"であるか否かを判定する。このと
き、前記原点復帰処理でトロイダル形無段変速機Tが制
御原点に達しているときにはステップS6cに移行して、
パルスモータ12を制御原点検出器19Dがオフ状態となっ
てその検出信号が論理値“0"となる位置まで僅かに動作
させるインチングステップ量+PAIを選択してからステ
ップS6dに移行して、原点復帰指令をセット状態として
からメインルーチンに復帰する。したがって、メインル
ーチンにおいて、ステップS16でインチングステップ速
度でなる原点修正速度に対応した長いパルス間隔PWIが
選択されると共に、ステップS6からステップS7を経てス
テップS27に移行して、パルスモータ12を増速側に僅か
に動作させる。 その後、ステップS2に戻り、ステップS6のサブルーチ
ンでステップS6aからステップ6bに移行し、制御原点検
出器19Dがオフ状態であり、その検出信号BLが論理値
“0"であるのでステップS6eに移行して、ステップ量ST
として前記インチングステップ量+PAIと等しい減速側
のインチングステップ量−PDIを選択し、次いでステッ
プS6dに移行して原点修正指令をセット状態としてから
メインルーチンに復帰する。したがって、メインルーチ
ンのステップS22,S24,S26,S29の原点修正処理を行い、
制御原点検出器19Dがオン状態となってその検出信号BL
が論理値“1"となると、ステップS29からステップS30に
移行してパルスモータ12を非常停止させ、次いでステッ
プS31に移行して原点修正指令をリセット状態としてか
らステップS32に移行し、制御原点を現在位置としてか
らステップS2に戻る。 また、車両が停車状態となってシフト機構がニュート
ラルレンジ“N"にシフトされた状態となると、トロイダ
ル形無段変速機Tが制御原点にない場合には、ステップ
S6bからステップS6eに移行するので、ステップ量STとし
て減速側のインチングステップ量−PDIが選定され、こ
れに応じてバルスモータ12が制御原点側にインチング動
作されるので、トロイダル形無段変速機Tの変速位置を
確実に制御原点に復帰させることができる。 このように、車両が停止状態で入力ディスク2が回転
可能な方式を採用している場合には車両が停車状態とな
り、且つシフト機構SMがニュートラルレンジ“N"にシフ
トされた状態で、一度だけステップS6b〜S6eの制御原点
修正処理が行われるので、車両が停車状態となる毎にト
ロイダル形無段変速機Tが制御原点に確実に保持される
ことになり、制御原点復帰精度を向上させることができ
る。 なお、上記実施例においては、制御原点検出器19Dと
してリミットスイッチを適用した場合について説明した
がこれに限定されるものではなく、光学的,磁気的な位
置検出器を適用することもできる。また、上記各実施例
においては、トロイダル形無段変速機Tのパワーローラ
4,5の傾転をスプール弁及びパルスモータを利用して行
う場合について説明したが、パルスモータに代えて直流
モータを適用することもでき、この場合は直流モータの
回転速度をタコジェネレータ等の速度検出器で検出し、
これと回転速度指令値とを比較して回転速度を動作量に
応じて制御するようにすればよく、さらに、スプール弁
に代えてネジを適用し、これをパルスモータ又は直流モ
ータで回転駆動してトラニオン6,7を移動させるように
してもよい。 さらに、上記実施例においては、本発明をトロイダル
形無段変速機に適用した場合について説明したがこれに
限定されるものではなく、一対のプーリ間に張設したベ
ルトの転接位置を変更することにより、変速比を無段階
に制御可能な無段変速機等の他の無段変速機の変速比を
オープンループで制御する場合にも同様に適用し得るも
のである。 〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、無段変速機の変速比を
制御装置でオープンループ制御する場合の原点復帰動作
を、変速速度選定手段によって最初の原点復帰時には無
段変速機の動作を高速度に選定し、この最初の原点復帰
処理によって原点に到達していない場合には、無段変速
機の動作を低速度に選定するようにしている。このた
め、駆動モータの駆動速度が無段変速機の油圧一機械制
御系の変速追従速度より早い場合や制御系のゲインを高
めた場合でも、制御原点復帰処理による制御原点に対す
る位置決め精度を向上させることができる。しかも、制
御原点修正手段によって停車時に少なくとも一度制御原
点にあるか否かを確認するようにしているので、制御原
点に対する位置決め精度をより向上させることができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の概要を示す基本構成図、第2図はこの
発明の第1の実施例を示す概略構成図、第3図はこの発
明に適用し得る制御装置の一例を示すブロック図、第4
図(A),(B)は演算処理装置のメインルーチンの処
理手順を示すフローチャート、第5図は自動原点修正を
サブルーチン処理の処理手順を示すフローチャート、第
6図はタイマ割込処理の処理手順を示すフローチャー
ト、第7図はこの発明の動作の説明に供する変速位置を
バラメータとして車速とエンジン回転数との関係を示す
グラフである。 1……ハウジング、2……入力ディスク、3……出力デ
ィスク、4,5……パワーローラ、6,7……トラニオン、T
……トロイダル形無段変速機、C……制御装置、10……
スプール制御弁、12……パルスモータ、14……車速検出
器、15……スロットル開度検出器、18……シフト位置検
出器、22……入力増幅器、23……変速動作量選定手段、
24……原点復帰時期検出手段、25……変速速度選定手
段、26……制御原点修正手段、27……変速制御手段、28
……マイクロコンピュータ、29……パルス分配回路、30
……インタフェース回路、31……演算処理装置、32……
記憶装置。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.スロットル開度、車速等を検出する変速制御情報検
    出手段からの変速制御情報に基づいて、変速動作量選定
    手段で選定された変速量で変速制御手段を介して無段変
    速機をオープンループ制御する車両用無段変速機の変速
    制御装置において、前記無段変速機の制御原点復帰時期
    を検出する原点復帰時期検出手段と、前記無段変速機が
    制御原点に到達したことを検出する制御原点検出器と、
    前記変速動作量選定手段で前記制御原点が選定されてい
    る状態で、前記無段変速機が前記制御原点に正確に位置
    するか否かを確認して前記制御原点に修正する制御原点
    修正手段と、前記原点復帰時期検出手段で前記制御原点
    復帰時期が検出された場合は、前記無段変速機の変速速
    度を通常の変速速度範囲の最高速度に選定し、前記制御
    原点修正手段による原点修正状態の場合は、通常の変速
    速度範囲の最低速度近傍の速度に選定する変速速度選定
    手段とを具備し、車両が走行状態から停車状態に移行す
    る際の前記制御原点復帰時期を前記原点復帰時期検出手
    段で検出し、前記制御原点復帰時期が検出されたときに
    は前記変速速度選定手段で選定された前記最高速度で、
    前記変速制御手段を介して前記無段変速機を制御原点位
    置まで、前記制御原点検出器の検出信号が得られるまで
    変動動作させ、前記原点復帰動作が終了した時点で前記
    制御原点に未到達の場合には、前記制御原点修正手段に
    よって前記無段変速機を前記制御原点側に動作させる動
    作量を選定すると共に、前記変速速度手段で選定された
    前記最低速度近傍の速度で前記無段変速機を前記制御原
    点に復帰させ、前記車両が停車状態となったときに、前
    記制御原点検出器を介して前記制御原点修正手段によっ
    て前記無段変速機が前記制御原点に復帰しているか否か
    を確認し、停車状態における前記無段変速機の変速位置
    を常に前記制御原点位置とするようにしたことを特徴と
    する車両用無段変速機の変速制御装置。 2.前記無段変速機がトロイダル形無段変速機である特
    許請求の範囲第1項に記載の車両用無段変速機の変速制
    御装置。
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