JP2729856B2 - カテーテルガイドワイヤーの芯材及びカテーテルガイドワイヤー - Google Patents
カテーテルガイドワイヤーの芯材及びカテーテルガイドワイヤーInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は医科用器具であるカテーテルガイドワイヤー
の芯材およびカテーテルガイドワイヤーに関する。
の芯材およびカテーテルガイドワイヤーに関する。
［従来の技術］ 一般にカテーテルガイドワイヤーは，血管部から穿刺
した，セルディンガー針より血管内に導入された後，セ
ルディンガー針をガイドワイヤーから取外し，主体の脈
管，特に血管内の目的部位までカテーテルに先行してカ
テーテルを案内するために用いられる医科用器具であ
る。
した，セルディンガー針より血管内に導入された後，セ
ルディンガー針をガイドワイヤーから取外し，主体の脈
管，特に血管内の目的部位までカテーテルに先行してカ
テーテルを案内するために用いられる医科用器具であ
る。
このため，カテーテルガイドワイヤーの芯材は，複雑
な形状を呈する先端部と線状形状を呈する基質部とから
形成され，また生体温度（37℃）において，血管への
導入，移動時に発生する捻りを含む変形応力の荷重・除
去に伴う可逆的なエネルギーの吸収・放出及び可逆的な
形状の変形・回復が可能な弾性特性を有することが必要
とされる。
な形状を呈する先端部と線状形状を呈する基質部とから
形成され，また生体温度（37℃）において，血管への
導入，移動時に発生する捻りを含む変形応力の荷重・除
去に伴う可逆的なエネルギーの吸収・放出及び可逆的な
形状の変形・回復が可能な弾性特性を有することが必要
とされる。
これらの特性を保持させる芯材として，従来はコイル
状のステンレス鋼線，またはピアノ線からなるもの，若
しくはモノフィラメント状のプラスチック製のものが用
いられていた。更に，最近では,TiNiの合金の超弾性機
能を利用したものが広く用いられるようになって来てい
る。（特開昭60−63066号公報）。
状のステンレス鋼線，またはピアノ線からなるもの，若
しくはモノフィラメント状のプラスチック製のものが用
いられていた。更に，最近では,TiNiの合金の超弾性機
能を利用したものが広く用いられるようになって来てい
る。（特開昭60−63066号公報）。
TiNiおよびTiNiX（Ｘ＝Fe,Cu,Cr,V,…）合金は，熱弾
性型マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状
記憶効果を示すことは知られている。また，同様の原理
によりゴムの様な挙動を示す超弾性も併せて示すことも
よく知られている。
性型マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状
記憶効果を示すことは知られている。また，同様の原理
によりゴムの様な挙動を示す超弾性も併せて示すことも
よく知られている。
更に本発明者らは,TiNi合金がＣの添加によっても，
本質的なTiNi合金のもつ特性を損わず，かえって形状記
憶特性特に可逆形状記憶効果の改善に役立つことができ
ることが見出される。（東北大選研彙報S.57.6,第38
巻，及び特開昭63−11636号公報） ［発明が解決しようとする課題］ しかし,TiNi合金をガイドワイヤーの芯材に用いるこ
とは，優れた復元性に富む柔軟性を示す反面，従来のス
テンレス鋼線等に比べると剛性感に欠ける難点があっ
た。このため血管の収縮等の力に抗してガイドワイヤー
を体内の所望の部位に導くことが困難な場合もあり，用
途上の制約を余儀なくされていた。
本質的なTiNi合金のもつ特性を損わず，かえって形状記
憶特性特に可逆形状記憶効果の改善に役立つことができ
ることが見出される。（東北大選研彙報S.57.6,第38
巻，及び特開昭63−11636号公報） ［発明が解決しようとする課題］ しかし,TiNi合金をガイドワイヤーの芯材に用いるこ
とは，優れた復元性に富む柔軟性を示す反面，従来のス
テンレス鋼線等に比べると剛性感に欠ける難点があっ
た。このため血管の収縮等の力に抗してガイドワイヤー
を体内の所望の部位に導くことが困難な場合もあり，用
途上の制約を余儀なくされていた。
そこで，本発明の技術的課題は，少なくとも生体温度
（37℃）で先端部に従来のTiNi合金線同様の弾性を保
持させ，且つ基質部には十分な剛性を持たせたカテーテ
ルガイドワイヤーの芯材及びそれを備えたカテーテルガ
イドワイヤーを提供することにある。
（37℃）で先端部に従来のTiNi合金線同様の弾性を保
持させ，且つ基質部には十分な剛性を持たせたカテーテ
ルガイドワイヤーの芯材及びそれを備えたカテーテルガ
イドワイヤーを提供することにある。
［課題を解決するための手段］ 本発明によれば，互いに一体に構成された先端部と基
質部とを有するカテーテルガイドワイヤーの芯材におい
て，前記基質部は,0.25〜5.0at％のＣと，このＣ及びNi
との合量が50.0at％以上となるNiと，残部が実質的にTi
とからなる組成を有する合金からなり，且つ時効処理さ
れており，該時効処理を200〜600℃及び0.5〜100分間の
範囲で，所望の剛性を得るために，選択した温度と時間
で行って所望の剛性と超弾性を付与されていることを特
徴とするカテーテルガイドワイヤーの芯材が得られる。
質部とを有するカテーテルガイドワイヤーの芯材におい
て，前記基質部は,0.25〜5.0at％のＣと，このＣ及びNi
との合量が50.0at％以上となるNiと，残部が実質的にTi
とからなる組成を有する合金からなり，且つ時効処理さ
れており，該時効処理を200〜600℃及び0.5〜100分間の
範囲で，所望の剛性を得るために，選択した温度と時間
で行って所望の剛性と超弾性を付与されていることを特
徴とするカテーテルガイドワイヤーの芯材が得られる。
また，本発明によれば，互いに一体に構成された先端
部と基質部とを有するカテーテルガイドワイヤーの芯材
において，加工硬化されたＣを含むTiNi形状記憶合金線
で形成され，前記基質部を構成する部位が400℃未満の
温度で１〜30分間の熱処理により捻り伝達性が付与さ
れ，前記先端部を構成する部位が400〜550℃の温度で１
〜120分間の熱処理によって柔軟性を付与されているこ
とを特徴とするカテーテルガイドワイヤーの芯材が得ら
れる。
部と基質部とを有するカテーテルガイドワイヤーの芯材
において，加工硬化されたＣを含むTiNi形状記憶合金線
で形成され，前記基質部を構成する部位が400℃未満の
温度で１〜30分間の熱処理により捻り伝達性が付与さ
れ，前記先端部を構成する部位が400〜550℃の温度で１
〜120分間の熱処理によって柔軟性を付与されているこ
とを特徴とするカテーテルガイドワイヤーの芯材が得ら
れる。
さらに，本発明によれば，前記したいずれかのカテー
テルガイドワイヤーの芯材に合成樹脂を被覆してなるこ
とを特徴とするカテーテルガイドワイヤーが得られる。
テルガイドワイヤーの芯材に合成樹脂を被覆してなるこ
とを特徴とするカテーテルガイドワイヤーが得られる。
一般的に,TiNi合金にＣを添加すると，マトリックス
中のＣと反応して，主としてTiCを生成させ，合金の変
態温度を低下させることが知られている。しかし本発明
は，単にＣ添加が合金の変態温度を低下させるだけでは
なく，加工によってファイバー化されたTiCが機械的性
質の改善に結びついていることによって達成されている
ものと思われる。また,TiNi合金で少なくとも37℃に於
ける超弾性を得るためには600℃以下の時効温度によっ
て中間相が現われる必要がある。ここで，時効処理と
は，時効処理前と異なる金属相を析出させる熱処理を呼
ぶ。また，通常,TiNi合金の場合，低温から温度を上げ
ると，低温相である単斜晶構造から，高温相であるB2構
造に変化する。しかし，本発明のように，時効処理によ
って異相を析出させると，単斜晶構造からB2構造に変化
するまでの間に中間相である斜方晶構造が現われる。溶
体化処理後の時効に依る場合には,Ni濃度は少なくとも5
0.0at％必要である。また加工硬化後の時効による場合
には,Ni濃度は49.0at％以上で良い。更に500℃程度の比
較的良好な超弾性を得易い時効処理では,Niは少なくと
も50.2at％が必要となる。本発明に用いたＣ添加TiNi系
合金についても，少なくともTiNi合金同様の条件は必要
である。しかし,C添加による変態温度低下効果によっ
て,Ni＋Ｃの総量は50.0at％以上であれば良好な超弾性
に得られる。これらの効果を発揮させるために必要なＣ
添加量は0.5〜5.0at％である。すなわち0.5at％未満で
は添加効果は薄く,5.0at％を越えると，加工上の問題が
大きくなる。また，時効温度および時間を基質部が400
℃未満で１〜30分としたのは，時効温度が高くなると剛
性は低下傾向を示し，本発明の目的を満足しないためで
ある。時効時間は必ずしも１〜30分間に固定する必要は
なく,200℃であれば100分,600℃であれば0.5分でも可能
であるが，実用的には，前記時効条件が妥当である。ま
た先端部の柔軟性についても実用的な範囲としたのであ
って，必ずしもこの条件を満足しなくとも良い。すなわ
ち350℃で200時間，あるいは600℃で２分間程度でも柔
軟性は得られる。
中のＣと反応して，主としてTiCを生成させ，合金の変
態温度を低下させることが知られている。しかし本発明
は，単にＣ添加が合金の変態温度を低下させるだけでは
なく，加工によってファイバー化されたTiCが機械的性
質の改善に結びついていることによって達成されている
ものと思われる。また,TiNi合金で少なくとも37℃に於
ける超弾性を得るためには600℃以下の時効温度によっ
て中間相が現われる必要がある。ここで，時効処理と
は，時効処理前と異なる金属相を析出させる熱処理を呼
ぶ。また，通常,TiNi合金の場合，低温から温度を上げ
ると，低温相である単斜晶構造から，高温相であるB2構
造に変化する。しかし，本発明のように，時効処理によ
って異相を析出させると，単斜晶構造からB2構造に変化
するまでの間に中間相である斜方晶構造が現われる。溶
体化処理後の時効に依る場合には,Ni濃度は少なくとも5
0.0at％必要である。また加工硬化後の時効による場合
には,Ni濃度は49.0at％以上で良い。更に500℃程度の比
較的良好な超弾性を得易い時効処理では,Niは少なくと
も50.2at％が必要となる。本発明に用いたＣ添加TiNi系
合金についても，少なくともTiNi合金同様の条件は必要
である。しかし,C添加による変態温度低下効果によっ
て,Ni＋Ｃの総量は50.0at％以上であれば良好な超弾性
に得られる。これらの効果を発揮させるために必要なＣ
添加量は0.5〜5.0at％である。すなわち0.5at％未満で
は添加効果は薄く,5.0at％を越えると，加工上の問題が
大きくなる。また，時効温度および時間を基質部が400
℃未満で１〜30分としたのは，時効温度が高くなると剛
性は低下傾向を示し，本発明の目的を満足しないためで
ある。時効時間は必ずしも１〜30分間に固定する必要は
なく,200℃であれば100分,600℃であれば0.5分でも可能
であるが，実用的には，前記時効条件が妥当である。ま
た先端部の柔軟性についても実用的な範囲としたのであ
って，必ずしもこの条件を満足しなくとも良い。すなわ
ち350℃で200時間，あるいは600℃で２分間程度でも柔
軟性は得られる。
［実施例］ 以下に本発明の実施例を図面を参照して説明する。
溶解法によって得た,TiNi系合金を熱間，冷間加工に
よって0.7minまで加工し,950℃×10minの溶体化処理後
（以下同様）直径0.50mmまで冷間加工した。得られた線
材の一部を300℃×5minおよび500℃×30minの熱処理後,
37℃における弾性特性を３％引張り下での引張り試験に
よって測定した。
よって0.7minまで加工し,950℃×10minの溶体化処理後
（以下同様）直径0.50mmまで冷間加工した。得られた線
材の一部を300℃×5minおよび500℃×30minの熱処理後,
37℃における弾性特性を３％引張り下での引張り試験に
よって測定した。
第１図はTi50−x/2Ni50−x/2Cx,Ti49−x/2Ni51−x/2C
x（ｘ＝0,1,2,3）の式で現されるTiNi系合金の２％伸び
での応力値とＣ添加量の関係を示す図である。図中曲線
はTi50-xNi50-xCxの300℃×5minの時効処理材の応力
値，曲線は500℃×30min時効処理材の応力値を示し，
曲線はTi49Ni51-xCxの300℃×5minの時効処理材の応
力値，曲線は500℃×30minの時効処理材の応力値をそ
れぞれ示しているが，いづれかの系についても,C添加量
と伴に応力値は増加傾向を示す。特に,300℃×5minの低
温時効処理曲線及びにおいて，その効果は顕著に見
られる。
x（ｘ＝0,1,2,3）の式で現されるTiNi系合金の２％伸び
での応力値とＣ添加量の関係を示す図である。図中曲線
はTi50-xNi50-xCxの300℃×5minの時効処理材の応力
値，曲線は500℃×30min時効処理材の応力値を示し，
曲線はTi49Ni51-xCxの300℃×5minの時効処理材の応
力値，曲線は500℃×30minの時効処理材の応力値をそ
れぞれ示しているが，いづれかの系についても,C添加量
と伴に応力値は増加傾向を示す。特に,300℃×5minの低
温時効処理曲線及びにおいて，その効果は顕著に見
られる。
このことにより,TiNi合金にＣを添加すると，低温時
効によって顕著な応力増加すなわち剛性感の改善が可能
となり，且つ500℃程度の時効によって従来レベル同等
以上の剛性を持つことが可能であることがわかった。ま
た，第２図は，本発明の実施例合金の一つであるTi49Ni
50.5Ｃ0.5合金線の500℃で10分,30分,100分および150分
時効した試料の37℃における応力ひずみ曲線を示す。Ｃ
添加合金においても良好な超弾性特性は得られ，且つ，
時効時間の調整によって，その柔軟性は任意にコントロ
ールできることがわかった。
効によって顕著な応力増加すなわち剛性感の改善が可能
となり，且つ500℃程度の時効によって従来レベル同等
以上の剛性を持つことが可能であることがわかった。ま
た，第２図は，本発明の実施例合金の一つであるTi49Ni
50.5Ｃ0.5合金線の500℃で10分,30分,100分および150分
時効した試料の37℃における応力ひずみ曲線を示す。Ｃ
添加合金においても良好な超弾性特性は得られ，且つ，
時効時間の調整によって，その柔軟性は任意にコントロ
ールできることがわかった。
また，別な方法として，基質部のみを前記低温時効し
たＣ添加TiNi合金線とし，先端部にTiNi系超弾性処理合
金線を用い，接合等によって一体化することも可能であ
ることが判明した。
たＣ添加TiNi合金線とし，先端部にTiNi系超弾性処理合
金線を用い，接合等によって一体化することも可能であ
ることが判明した。
つぎに，ガイドワイヤーの実施例に関して述べる。
合成樹脂被膜４は，第３図に示すように，先端部を含
めてほぼ均一の外径を有している。特に，この合成樹脂
被膜４は，ほぼ均一の外径となっている。合成樹脂被膜
４としては，ポリエチレン，ポリ塩化ビニル，ポリエス
テル，ポリプロピレン，ポリアミド，ポリウレタン，ポ
リスチレン，フッ素樹脂，シンコンゴムもしくは各々エ
ラストマーおよび複合材料等が好適に使用される。そし
て，合成樹脂被膜４は，内芯２の湾曲の妨げにならない
程度に柔軟であり，外表面は凹凸のない滑らかな表面と
なっていることが好ましい。また，合成樹脂被膜４に
は，ヘパロン，ウロキナーゼ等の抗凝固剤もしくはシリ
コーンゴム，ウレタンとシリコーンのブロック共重合体
（登録商標アブコサン），ヒドロキシエチルメタクリレ
ート−スチレン共重合体等の抗血栓材料をコーティング
してもよい。また，合成樹脂被膜４をフッ素樹脂等の低
摩擦表面を有する樹脂により形成すること，また合成樹
脂被膜４の外表面にシリコーンオイル等潤滑液塗布によ
って，ガイドワイヤー１の摩擦性を低下させてもよい。
さらに，合成樹脂被膜４を形成する合成樹脂中に,Ba,W,
Bi,Pb等の金属単体もしくは化合物による微粉末状のＸ
線造影性物質を混入することが好ましく，このようにす
ることにより血管内に導入中のガイドワイヤー１の全体
の位置確認が更に容易となる。合成樹脂被膜４は，上述
のように，ほぼ均一の外径を有している。ほぼ均一と
は，完全に均一なものに限らず若干先端部が細径となっ
ていてもよい。このように，先端部までをほぼ均一とす
ることにより，ガイドワイヤーの先端が血管内壁に与え
る虞れのある損傷を少なくすることができる。
めてほぼ均一の外径を有している。特に，この合成樹脂
被膜４は，ほぼ均一の外径となっている。合成樹脂被膜
４としては，ポリエチレン，ポリ塩化ビニル，ポリエス
テル，ポリプロピレン，ポリアミド，ポリウレタン，ポ
リスチレン，フッ素樹脂，シンコンゴムもしくは各々エ
ラストマーおよび複合材料等が好適に使用される。そし
て，合成樹脂被膜４は，内芯２の湾曲の妨げにならない
程度に柔軟であり，外表面は凹凸のない滑らかな表面と
なっていることが好ましい。また，合成樹脂被膜４に
は，ヘパロン，ウロキナーゼ等の抗凝固剤もしくはシリ
コーンゴム，ウレタンとシリコーンのブロック共重合体
（登録商標アブコサン），ヒドロキシエチルメタクリレ
ート−スチレン共重合体等の抗血栓材料をコーティング
してもよい。また，合成樹脂被膜４をフッ素樹脂等の低
摩擦表面を有する樹脂により形成すること，また合成樹
脂被膜４の外表面にシリコーンオイル等潤滑液塗布によ
って，ガイドワイヤー１の摩擦性を低下させてもよい。
さらに，合成樹脂被膜４を形成する合成樹脂中に,Ba,W,
Bi,Pb等の金属単体もしくは化合物による微粉末状のＸ
線造影性物質を混入することが好ましく，このようにす
ることにより血管内に導入中のガイドワイヤー１の全体
の位置確認が更に容易となる。合成樹脂被膜４は，上述
のように，ほぼ均一の外径を有している。ほぼ均一と
は，完全に均一なものに限らず若干先端部が細径となっ
ていてもよい。このように，先端部までをほぼ均一とす
ることにより，ガイドワイヤーの先端が血管内壁に与え
る虞れのある損傷を少なくすることができる。
合成樹脂被膜の外径は,0.25〜1.04mm,好ましくは0.30
〜0.64mm,芯材２の本体部2a上での肉厚は,0.03〜0.30m
m,好ましくは0.05〜0.20mmである。
〜0.64mm,芯材２の本体部2a上での肉厚は,0.03〜0.30m
m,好ましくは0.05〜0.20mmである。
また，合成樹脂被膜４は，合成樹脂により，内芯２に
対し，密着状態に被着され，内芯２の先端部および基端
部においても，固着されていることが好ましい。また，
合成樹脂被膜４を中空管で形成し，内芯２の先端部およ
び基端部または，内芯の適当な部分で，内芯２と接着も
しくは溶融成形により固定してもよい。そして，ガイド
ワイヤー１の先端（合成樹脂被膜４の先端）は，血管壁
の損傷の防止，さらにガイドワイヤー１の操作性向上の
ために，第３図に示すように半球状等の曲面となってい
ることが好ましい。
対し，密着状態に被着され，内芯２の先端部および基端
部においても，固着されていることが好ましい。また，
合成樹脂被膜４を中空管で形成し，内芯２の先端部およ
び基端部または，内芯の適当な部分で，内芯２と接着も
しくは溶融成形により固定してもよい。そして，ガイド
ワイヤー１の先端（合成樹脂被膜４の先端）は，血管壁
の損傷の防止，さらにガイドワイヤー１の操作性向上の
ために，第３図に示すように半球状等の曲面となってい
ることが好ましい。
さらに，合成樹脂被膜４の表面に潤滑性物質が固定さ
れていることが好ましい。潤滑性物質とは，湿潤時に潤
滑性を有する物質をいう。具体的には，水溶性高分子物
質またはその誘導体がある。
れていることが好ましい。潤滑性物質とは，湿潤時に潤
滑性を有する物質をいう。具体的には，水溶性高分子物
質またはその誘導体がある。
即ち，本実施例のガイドワイヤーの芯材２として，全
長が1800mm,先端の直径が0.06mm,後端の直径が0.25mm
で，先端から120mmが先端に向かってテーパー状に縮径
しているものを作成した。
長が1800mm,先端の直径が0.06mm,後端の直径が0.25mm
で，先端から120mmが先端に向かってテーパー状に縮径
しているものを作成した。
さらに芯材全体の外面に，タングステン微粉末（粒径
約３〜４μｍ）を45重量％含有するポリウレタンを全体
外径がほぼ均一になるように被覆し，合成樹脂被膜を形
成させた。そして，テトラヒドロフランに5.0重量％と
なるように無水マレイン酸エチルエステル共重合体を溶
解した溶液を上記のポリウレタンにより形成された合成
樹脂被膜の表面に塗布し，無水マレイン酸エチルエステ
ル共重合体を固定し，潤滑性表面を形成させた。
約３〜４μｍ）を45重量％含有するポリウレタンを全体
外径がほぼ均一になるように被覆し，合成樹脂被膜を形
成させた。そして，テトラヒドロフランに5.0重量％と
なるように無水マレイン酸エチルエステル共重合体を溶
解した溶液を上記のポリウレタンにより形成された合成
樹脂被膜の表面に塗布し，無水マレイン酸エチルエステ
ル共重合体を固定し，潤滑性表面を形成させた。
このガイドワイヤーは，全体の長さが約1800mm,全体
の直径が0.36mmである。
の直径が0.36mmである。
［発明の効果］ 以上本発明によれば，基質部の捻り伝達性を高め，且
つ，先端部の柔軟性を持つカテーテルガイドワイヤーの
芯材及びそれを備えたカテーテルガイドワイヤーを提供
することができる。
つ，先端部の柔軟性を持つカテーテルガイドワイヤーの
芯材及びそれを備えたカテーテルガイドワイヤーを提供
することができる。
第１図は,Ti50−x/2Ni50−x/2Cx,Ti49−x/2Ni50−x/2Cx
（ｘ＝０〜３）の形式で表わされる合金線のＣ添加量と
応力の関係を示している。 第２図は,Ti49Ni50.5Ｃ0.5合金線の500℃で10分,30分,1
00分および150分処理した試料の応力−ひずみ曲線を示
す図である。 第３図は本発明に係る合成樹脂で被覆されたカテーテル
ガイドワイヤーの側面図である。 図中,1……ガイドワイヤー,2……内芯,2a……内芯本体
部,4……合成樹脂。
（ｘ＝０〜３）の形式で表わされる合金線のＣ添加量と
応力の関係を示している。 第２図は,Ti49Ni50.5Ｃ0.5合金線の500℃で10分,30分,1
00分および150分処理した試料の応力−ひずみ曲線を示
す図である。 第３図は本発明に係る合成樹脂で被覆されたカテーテル
ガイドワイヤーの側面図である。 図中,1……ガイドワイヤー,2……内芯,2a……内芯本体
部,4……合成樹脂。
フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼荒 秀男 宮城県仙台市太白区郡山６丁目７番１号 株式会社トーキン内 (72)発明者 久呉 ▲高▼博 静岡県富士宮市舞々木町150番地 テル モ株式会社内 (72)発明者 宮野 保男 静岡県富士宮市舞々木町150番地 テル モ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−106173（ＪＰ，Ａ) 米国特許4925445（ＵＳ，Ａ) 形状記憶合金、（1984）、産業図書株 式会社、舟久保 他、Ｐ．74〜81
Claims (3)
- 【請求項１】互いに一体に構成された先端部と基質部と
を有するカテーテルガイドワイヤーの芯材において，前
記基質部は,0.25〜5.0at％のＣと，このＣ及びNiとの合
量が50.0at％以上となるNiと，残部が実質的にTiとから
なる組成を有する合金からなり，且つ時効処理されてお
り，該時効処理を200〜600℃及び0.5〜100分間の範囲
で，所望の剛性を得るために，選択した温度と時間で行
って所望の剛性と超弾性を付与されていることを特徴と
するカテーテルガイドワイヤーの芯材。 - 【請求項２】互いに一体に構成された先端部と基質部と
を有するカテーテルガイドワイヤーの芯材において，加
工硬化されたＣを含むTiNi形状記憶合金線で形成され，
前記基質部を構成する部位が400℃未満の温度で１〜30
分間の熱処理により捻り伝達性が付与され，前記先端部
を構成する部位が400〜550℃の温度で１〜120分間の熱
処理によって柔軟性を付与されていることを特徴とする
カテーテルガイドワイヤーの芯材。 - 【請求項３】請求項１又は２記載のカテーテルガイドワ
イヤーの芯材に合成樹脂を被覆してなることを特徴とす
るカテーテルガイドワイヤー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2315997A JP2729856B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | カテーテルガイドワイヤーの芯材及びカテーテルガイドワイヤー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2315997A JP2729856B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | カテーテルガイドワイヤーの芯材及びカテーテルガイドワイヤー |
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Family
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Family Applications (1)
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1990
- 1990-11-22 JP JP2315997A patent/JP2729856B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4925445A (en) | 1983-09-16 | 1990-05-15 | Fuji Terumo Co., Ltd. | Guide wire for catheter |
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 形状記憶合金、（１９８４）、産業図書株式会社、舟久保 他、Ｐ．７４〜８１ |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04187159A (ja) | 1992-07-03 |
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