JP2729419B2 - 加熱冷却装置 - Google Patents

加熱冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱と冷却を繰り返し
て行う熱交換装置に関する。具体的には、各種重合反応
や縮合反応を行う反応釜の加熱冷却、あるいは食品や繊
維や医療品の加熱冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の反応釜の加熱及び冷却装置とし
て、例えば特開平1−315336号公報に示されたも
のがある。これは、エゼクタとポンプを組合せた組合せ
ポンプと、反応釜の加熱及び冷却用流体室に加熱用蒸気
と組合せポンプの吐出水の一部とを切替え供給できる切
替え弁手段と、エゼクタ内を通過する流体の温度を制御
する温度制御部とから成り、反応釜の加熱及び冷却用流
体室に、加熱用の蒸気と、冷却用の組合せポンプからの
吐出水を交互に供給して、反応釜を加熱あるいは冷却す
るものであり、加熱から冷却へ、あるいは冷却から加熱
へと切替える場合に、流体室に供給する流体の温度を徐
々に変化させることにより、蒸気の急凝縮を防止し、ハ
ンマ―現象による振動や衝撃が発生せず、装置の損傷や
短寿命化を防止することができるものである。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記従来のもので
は、加熱から冷却へ、あるいは、冷却から加熱への温度
変化を緩慢なものにすることにより、加熱・冷却の切り
替えに時間を要し、被加熱・冷却物の温度に対して時間
遅れを生じてしまう問題があった。
【0004】各種反応釜や食品や医療品においては高い
温度精度が要求され、加熱・冷却の時間遅れは、被加熱
・冷却物の熱損傷や組成の変成につながるために確実に
防止しなければならない。
【0005】従って本発明の技術的課題は、蒸気の急凝
縮による振動や衝撃が生じることなく、且つ、加熱冷却
の時間遅れも生じることのない加熱冷却装置を得ること
である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明の加熱冷却装置の構
成は次の通りである。エゼクタとポンプを組合せた組合
せポンプと、加熱冷却用の熱交換室とから成り、上記エ
ゼクタと熱交換室を連通し、熱交換室内に加熱用の流体
と冷却用の流体を供給することのできる流体供給通路と
から成るものにおいて、エゼクタとポンプを複数個設け
て、1つのエゼクタに対して他のエゼクタを下方に配置
し、該下方のエゼクタに所望の水頭圧がかかるようにし
たものである。
【0007】
【作用】所望の水頭圧が作用する下方のエゼクタと、上
方のエゼクタに、水頭圧に相当する圧力差に応じた飽和
温度となるような流体を循環させる。これにより複数の
エゼクタには温度の異なる流体が循環すると共に、下方
のエゼクタには、圧力が高い分だけ水頭圧が作用するこ
とにより、全てのエゼクタを同時に駆動することができ
る。加熱する場合は、流体供給通路から加熱用の流体を
熱交換室に供給すると共に、水頭圧が作用する下方のエ
ゼクタを駆動する。これにより、熱交換室で被加熱物を
加熱した流体は下方のエゼクタに吸引され、被加熱物を
連続的に加熱する。加熱から冷却に切り替える場合、加
熱用流体の供給を止め、下方のエゼクタを循環している
比較的高温の循環水を熱交換室に供給した後、上方に位
置する比較的低温の水が循環しているエゼクタを駆動す
ると共に、冷却用流体を熱交換室に供給する。これによ
り、高温の加熱用流体から比較的高温の下方のエゼクタ
を循環している循環水、そして低温の冷却用流体と切り
替えることができる。冷却から加熱へ切り替える場合は
同様に、冷却用流体の供給を止め、比較的高温の下方の
エゼクタを循環している循環水を熱交換室に供給した
後、高温の加熱用流体を供給することにより、温度変化
を三段階で切り替えることができ、急激な温度変化をな
くすと共に、速やかに流体の温度を切り替えることもで
きる。
【0008】
【実施例】図示の実施例を詳細に説明する。本実施例に
おいては、加熱冷却装置として反応釜を用いた例を示
す。反応釜1と、組合せポンプ2,3と、加熱用流体供
給通路4と、冷却用流体供給通路5とで加熱冷却装置を
構成する。反応釜1は、原料入口6、製品出口7、撹拌
器8、及び、熱交換室としてのジャケット部9を有して
おり、ジャケット部9には流体供給口10,11と流体
排出口12を設ける。
【0009】組合せポンプ2,3は、それぞれ、ポンプ
20,21がタンク22,23に吸込側を接続され吐出
側をエゼクタ24,25のノズル26,27に接続し、
エゼクタ24,25のディフュ―ザ28,29がタンク
22,23の上部空間に接続された構成のものであり、
エゼクタ24,25と反応釜1の流体排出口12とがス
チ―ムトラップ50と弁52を介して接続されていると
共に、エゼクタ25をエゼクタ24の下方に配置する。
両エゼクタ24,25の間の距離は、例えばエゼクタ2
4を循環する水の温度を30度とし、エゼクタ25を循
環する水の温度を70度の設定とした場合、約3メ―ト
ルとれば良い。この組合せポンプ2,3は、ポンプ2
0,21の作動によりタンク22,23内の水をエゼク
タ24,25に供給して吸引作用させ、タンク22,2
3に戻すようになっている。
【0010】加熱用流体供給通路4に設けた調節弁30
は、蒸気源からの高圧蒸気を所望圧力即ち所望温度に調
節するものであり、組合せポンプ2,3の吐出水通路に
設けた弁31,32は、組合せポンプ2,3の吐出水の
一部を流体供給口10を経てジャケット部9に供給ある
いは停止するものである。
【0011】冷却用流体供給通路5は、弁33を介して
ジャケット部9に冷却水を供給すると共に、タンク2
2,23内の水温を制御するように設けたものであり、
タンク22,23内に冷却水を供給することによって制
御するようになっている。タンク22,23に設けた温
度センサ―35,36により、水温を検出する。
【0012】組合せポンプ2,3の一部に弁37,38
を取付け、循環水の一部を系外に排出する。
【0013】反応釜1で加熱をする場合は、まず調節弁
30を開弁しジャケット部9に加熱用流体としての蒸気
を供給すると共に、ポンプ21を駆動してエゼクタ25
にタンク23内の水を循環させる。ポンプ20は駆動し
ないと共に、弁39を閉弁しておく。反応釜1を加熱し
て復水化したドレンは、流体排出口12からスチ―ムト
ラップ50あるいは弁52を経てエゼクタ25に吸引さ
れタンク23に至る。
【0014】加熱から冷却に切り替える場合は、調節弁
30を閉じて蒸気の供給を止め、エゼクタ25を循環し
ている比較的高温の流体を弁32,53を介してジャケ
ット部9に供給した後、弁39を開弁してポンプ20を
駆動しエゼクタ24にタンク22内の比較的低温の流体
を循環させると共に、弁33を開弁して冷却用流体を供
給して被冷却物を冷却する。従って、蒸気を急凝縮せし
めることがなく、ハンマ―現象により装置を損傷したり
短寿命化せしめることはないと共に、速やかにジャケッ
ト部9に供給する流体の温度を切り替えることができ
る。この場合、エゼクタ24を通過する流体の温度を3
0度とすると、エゼクタ24部では絶対圧で約0.04
キロ・パ―・スクゥエアセンチの減圧状態となり、ひい
てはジャケット部9内も減圧状態となって、反応釜1を
冷却水の蒸発潜熱による気化冷却することができる。ま
た、加熱時においても、エゼクタ25で減圧状態とする
ことにより、100度以下の温度の蒸気で加熱すること
もできる。
【0015】
【発明の効果】本発明は次の様な効果を奏する。加熱か
ら冷却あるいは冷却から加熱へ切替える場合、流体の温
度を三段階的に変化させることができ、蒸気の急凝縮を
防止して装置の損傷や短寿命化を防止できると共に、速
やかに流体温度を切り替えることができ、被加熱冷却物
の温度に対して時間遅れを生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱冷却装置の実施例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 反応釜 2,3 組合せポンプ 4 加熱用流体供給通路 5 冷却用流体供給通路 9 ジャケット部 10,11 流体供給口 20,21 ポンプ 22,23 タンク 24,25 エゼクタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エゼクタとポンプを組合せた組合せポン
    プと、加熱冷却用の熱交換室とから成り、上記エゼクタ
    と熱交換室を連通し、熱交換室内に加熱用の流体と冷却
    用の流体を供給することのできる流体供給通路とから成
    るものにおいて、エゼクタとポンプを複数個設けて、1
    つのエゼクタに対して他のエゼクタを下方に配置し、該
    下方のエゼクタに所望の水頭圧がかかるようにした加熱
    冷却装置。
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