JP2729064B2 - 板材の切断方法及び装置 - Google Patents

板材の切断方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この出願の発明は、走行自在の回転鋸を用いて、往路
及び復路の両方において、木板、合板等の板材を切断す
る板材の切断方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、銅板に比し軟質の木板、合板、合成樹脂等の板
材を一定幅に小割り切断する動力式切断装置の一形式
に、回転する鋸を水平方向に往復動自在とするとともに
垂直方向に昇降自在とした構成を有するものがある。こ
の形式の切断装置では、回転鋸は、低い非切断レベルの
初期位置から板材に係合する高い切断レベルに上昇し、
次いで切断レベルで往路を水平方向に移動しながら板材
を切断し、往路の終端で板材との係合が外れる非切断レ
ベルに下降して、該非切断レベルで復路を水平方向に移
動して、前記初期位置に戻り、回転鋸が復路を移動する
際に、板材が所定寸法送り込まれる構成となっている。
従って、従来の回転鋸は、板材を切断するのは往路のみ
であって、復路においては板材を切断することなく初期
位置に戻るだけで何ら仕事をしないため、切断装置の能
率が悪かった。
〔発明が解決しようとする課題〕
この出願の発明は、上記のような従来装置の欠点を改
善すべくなされたもので、回転鋸が往路のみでなく復路
においても板材を切断するようにした板材の切断方法及
び装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
この出願の板材の切断方法の発明は、一方向に回転す
る回転鋸を、切断テーブルを配置し、且つ垂直方向に昇
降自在並びに水平方向の往路及び復路を走行自在に設
け、次のイ)乃至ト)の工程を行なうことにより板材の
切断する方法。
イ)回転鋸を、低い非切断レベルの初期位置から、高い
切断レベルに上昇させる、 ロ)回転鋸を、高い切断レベルに維持して往路を走行さ
せ、板材を切断せしめる、 ハ)回転鋸を、往路の終端において走行を停止させると
ともに非切断レベルに下降させる、 ニ)板材を所定寸法だけ切断テーブル上に送り込み、 ホ)回転鋸を、切断レベルに維持して復路を走行させ、
板材を切断せしめる、 ヘ)回転鋸を、復路の終端において走行を停止させると
ともに非切断レベルに下降させて、前記イ)の初期位置
に戻らせる、 ト)回転鋸の往路及び復路走行の際に、管状部材からな
る好ましくは集じん機能を有する板押え装置により板材
を押圧することを要旨とし、本発明の板材の切断装置
は、回転鋸の厚さより若干大きい間隙を有する切断テー
ブルと、前記間隙に対応する間隙を有し、前記切断テー
ブルの上方に配置された管状の板押え装置と、該板押え
装置を上下動する手段と、前記切断テーブルの下方に配
置されて該テーブルの間隙に平行な往路及び復路を走行
し得る台車と、該台車上に設けられた一方向に回転する
回転鋸と、該回転鋸を、板材を切断する切断レベルに上
昇したり、板材を切断しない非切断レベルに下降する手
段と、回転鋸を、往路及び復路において高い切断レベル
で走行させ、往路及び復路の終端において一旦低い非切
断レベルに下降させた後切断レベルへ上昇させる制御手
段とからなる板材切断装置を要旨とするものである。
〔作 用〕
本発明は、上記のような構成を有するから、回転鋸が
往路において板材を切断した後に、回転鋸を一旦低い非
切断レベルに下降させ、板材を切断テーブル上に所定量
送り込んだ後に、回転鋸を、再び高い切断レベルに上昇
させ、その切断レベルで復路を走行させて板材を切断せ
しめることができ、回転鋸が切断作動をすることなく復
路を走行するという従来の問題を解決し、切断作業の能
率を向上することができる。
〔実施例〕
以下、この出願の発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
1はベース2上に適宜本数立設された支柱である。支
柱1上には、切断テーブル3が水平に載置されている。
切断テーブル3は、後述の回転鋸の厚さより若干大きな
間隙G1を有する(第4図)。該間隙G1は、切断テーブル
3を構成する第1テーブル部材3A及び第2テーブル部材
3Bを互いに所定間隔をもって配置することにより形成さ
れる。第2テーブル部材3Bの側方にはローラコンベアの
ローラ4が多数配設され、ローラ4の間の適所にはベル
トコンベア5が配設され、ベルトコンベア5の端部は、
第2切断テーブル3Bの切欠部3Cに臨み、切断テーブル3B
の表面に出没できるように上下動自在にされている。
切断テーブル3の上部には、管状部材6からなる板押
え装置7が配設されている(第3図)。管状部材6に
は、切断テーブル3の間隙G1に対応する間隙G2が形成さ
れており、また管状部材6の下部にはフエルト等の柔軟
材料からなるパッド部材8が貼着されている(第3
図)。板押え装置7は、切断テーブル3の上方にこれと
平行に延びる支持フレーム9に支持された上下動手段10
により、昇降される。図示実施例において、上下動手段
10は、エアシリンダーとして示されるが、油圧シリンダ
ー、ボール・ネジ等公知の手段を用いることができる。
板押え装置7には集じん用ダクト11(第2図)が連結さ
れている。
切断テーブル3の下方には、前記間隙G1,G2と平行に
レール20が設けられている(第2、3図)。レール20上
には、台車21の車輪22が係合している。台車21上にはモ
ーター23が設けられ、アーム24の一端は、モーター23の
モーター軸25と同軸に、モーター23のボス部等、適宜箇
所に支持されている。アーム24の他端には、円板式の回
転鋸26の鋸軸27が回転自在に支持されている。モーター
軸25及び鋸軸27には、それぞれスプロケット28,29が固
着され、これらのスプロケット28,29にはチェン30が巻
回されている。アーム24には、これを回動するため、エ
アシリンダー31(第2図)が連結されている。上記構成
により、回転鋸26は、モーター23により、スプロケット
28,29、チェン29,30を介して一方向に回転される。また
アーム24をエアシリンダー31の伸縮によって回動するこ
とにより、回転鋸26は、上下動してその一部が間隙G1を
通って切断テーブル3の上面に出没する。
エンドレスロープ32は、駆動ドラム33、遊動ドラム34
に巻回され、その一部が台車21に連結されている(第2
図)。したがって、駆動ドラム33の左右回転よりエンド
レスロープ32が左右動し、それによって台車21は、レー
ル20上を往復動する。
台車21には、ベース2上の適宜箇所から、モーター23
の動力線、制御線、エアーシリンダー31のエアーホー
ス、制御線等(図示せず)が連結される。
また、初期位置から高い切断レベルへ回転鋸を上昇さ
せ、切断レベルで回転鋸を往路を走行させ、往路の終端
で台車21を停止させ、回転鋸を一旦非切断レベルへ下降
させた後再び切断レベルへ上昇させ、切断レベルで回転
鋸を復路を走行させる制御手段によって、台車21及び回
転鋸26は、その作動が制御される。制御手段は、例え
ば、台車21の往路及び復路走行の始端乃至終端並びに回
転鋸の昇降端を検知するリミットスイッチをシーケンス
接続して構成される。
第1,2図に示すように、切断テーブル3の側方に、板
材を載置昇降するテーブルリフター36が設置されてい
る。また切断テーブル3の両端部(第1図の左右端部)
から、該テーブル3の側方に一対のレール37,37が延び
ており、これらのレール37,37上に、テーブルリフター3
6上の板材を所定寸法宛、切断テーブル3上に押出す板
送り装置38が設けられている。該板送り装置38は、図示
しないモーター等で作動される。
図示実施例装置の作動について説明する。
回転鋸26は、初期位置、即ち第2図において水平方向
右端部で低い非切断レベルにあるとする。板送り装置38
は、小割りP1(第3図)が得られるべく所定寸法だけ、
板材Pをテーブルリフター36から切断テーブル3上に送
り込む。次いで板押え装置7は下降して板Pを押圧し、
回転鋸は上昇する。回転鋸26は一方向に回転しながら、
第2図において左方向即ち往路を進む。この際、回転鋸
26の歯は、すくい面が下向きに移動しながら板材に係合
して板材を切断する。小割りP1は板材Pから切り離され
る。
板材Pが切断され、即ち往路の終端に達すると、台車
21は停止し、回転鋸26は低レベルに下降し、板押え装置
7は上昇する。板送り装置38により、前記同様板材Pを
所定寸法だけ送り込み、次いで板押え装置7は下降して
板材Pを押圧する。回転鋸26は上昇し、高レベルにおい
て復路を移動する。この際、回転鋸26は、往路と同一方
向に回転しており、鋸歯のすくい面は上昇しながら板材
に係合して板材を切断する。復路において板材を切断し
終わると、トロリー21は停止し、板押え装置7は上昇
し、回転鋸26は低い非切断レベル、即ち前記初期位置に
戻る。斯くして往路は勿論のこと、復路においても、回
転鋸26は、板材を切断する。板押え装置7は、特に復路
において生ずる鋸屑を良好に集じんする。
なお上記実施例において、回転鋸の上下動手段は、ア
ーム24とエアシリンダー31よりなる構成が例示される
が、その他、モーター23、回転鋸26を共に台車21に対し
て上下動する等、適宜の設計変更がなし得る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、回転鋸が切断作動をすることなく復
路を走行するという従来の問題を解決し、切断作業の能
率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明による板材切断装置の一実施例を示すもの
で、第1図はその平面図、第2図(イ)は第1図のA−
A断面図、第2図(ロ)は第2図(イ)の一部拡大断面
図、第3図は第1図のB−B断面図、第4図は第1図の
切断テーブル部の一部拡大平面図である。 3……切断テーブル、G1,G2……間隙、7……板押え装
置、21……台車、26……回転鋸。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向に回転する回転鋸を、切断テーブル
    を配置し、且つ垂直方向に昇降自在並びに水平方向の往
    路及び復路を走行自在に設け、次のイ)乃至ト)の工程
    を行なうことにより板材の切断する方法。 イ)回転鋸を、低い非切断レベルの初期位置から、高い
    切断レベルに上昇させる、 ロ)回転鋸を、高い切断レベルに維持して往路を走行さ
    せ、板材を切断せしめる、 ハ)回転鋸を、往路の終端において走行を停止させると
    ともに非切断レベルに下降させる、 ニ)板材を所定寸法だけ切断テーブル上に送り込み、 ホ)回転鋸を、切断レベルに維持して復路を走行させ、
    板材を切断せしめる、 ヘ)回転鋸を、復路の終端において走行を停止させると
    ともに非切断レベルに下降させて、前記イ)の初期位置
    に戻らせる、 ト)回転鋸の往路及び復路走行の際に、板押え装置によ
    り板材を押圧する。
  2. 【請求項2】回転鋸の厚さより若干大きい間隙を有する
    切断テーブルと、前記間隙に対応する間隙を有し、前記
    切断テーブルの上方に配置された管状の板押え装置と、
    該板押え装置を上下動する手段と、前記切断テーブルの
    下方に配置されて該テーブルの間隙に平行な往路及び復
    路を走行し得る台車と、該台車上に設けられた一方向に
    回転する回転鋸と、該回転鋸を、板材を切断する切断レ
    ベルに上昇したり、板材を切断しない非切断レベルに下
    降する手段と、回転鋸を、往路及び復路において高い切
    断レベルで走行させ、往路及び復路の終端において一旦
    低い非切断レベルに下降させた後切断レベルへ上昇させ
    る制御手段とからなる板材切断装置。
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