JP2728757B2 - 変性多糖支持体の親和性マトリックス - Google Patents

変性多糖支持体の親和性マトリックス

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JP2728757B2
JP2728757B2 JP1502157A JP50215789A JP2728757B2 JP 2728757 B2 JP2728757 B2 JP 2728757B2 JP 1502157 A JP1502157 A JP 1502157A JP 50215789 A JP50215789 A JP 50215789A JP 2728757 B2 JP2728757 B2 JP 2728757B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/38Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving specific interaction not covered by one or more of groups B01D15/265 - B01D15/36
    • B01D15/3804Affinity chromatography

Description

【発明の詳細な説明】 本出願は同時係続中の「変性多糖支持体からなる親和
性マトリックス」と題する1987年12月8日出願の米国特
許出願第130,186号の一部継続出願であり、その米国特
許出願は「変性多糖支持体からなる親和性マトリック
ス」と題する1987年1月27日出願の米国特許出願第013,
512号の一部継続出願であり、その米国特許出願は現在1
987年1月27日に発行された米国特許第4,639,513号であ
る「静脈内注射可能な免疫グロブリンG(IgG)及びそ
の製造方法」と題する1984年10月2日出願の米国特許出
願第656,922号の一部継続出願であり、その米国特許出
願は現在1987年5月5日に発行された米国特許第4,663,
163号である「変性多糖支持体」と題する1984年2月2
日出願の米国特許出願第576,448号の一部継続出願であ
り、その米国特許出願は同時係続中で現在放棄された
「変性多糖支持体」と題する1983年2月14日出願の米国
特許出願第466,114号の一部継続出願であった。
発明の背景 発明の技術分野 本発明は、クロマトグラフィー用支持体の如き担体支
持体、及びその調製方法並びに使用に関する。より詳し
くは本発明は、アフィニティークロマトグラフィーの媒
体用の基質にグラフト重合された高分子担体からなる担
体支持体、及びこれらの支持体から調製されたアフィニ
ティークロマトグラフィー用媒体に関するものである。
本発明はまた、担体支持体に対して試料を半径方向又は
接線方向に流すことを可能ならしめるクロマトグラフィ
ー装置にも関するものである。
背景技術の簡単な説明 何らかの支持されている化学構造に対する生物学的な
巨大分子又は生体高分子の認識部位を利用して、高度の
選択性をもってそれらの分子の効率的な分離を可能なら
しめるアフィニティークロマトグラフィーの技術におい
て、従来技術では種々の化学構造の物質を支持体として
用いてきた。例えば、アガロースゲルや架橋されたアガ
ロースゲルは最も広く利用されてきた支持体物質であ
る。これらの物質は親水性であるため非特異性結合があ
まりないが、しかしその圧縮性の故に、製造時の如き大
規模処理においては担体として余り魅力的ではない。調
節細孔ガラス(CPG)ビーズもまた、アフィニティーク
ロマトグラフィーにおいて使用されてきた。CPGを充填
したカラムを用いれば処理量を多くすることが可能であ
るが、この担体はアガロースゲルのビーズよりも高価で
ある。またセルロース粒子も、合成親和性溶媒用に免疫
化学者によって使用されてきている。しかしながらアガ
ロースゲルと比較すると、セルロース粒子の形成はより
困難であり、従って酵素用の親和性溶媒の調製において
は余り注意を払われていない。しかしセルロースは、全
ての支持体マトリックス中で恐らく最も安価なものであ
る。より使用頻度の少ない二つの支持体マトリックス
は、ポリアクリルアミドゲルのビーズと、デキストラン
とエピクロロヒドリンから作られるゲル濾過材であるSe
phadex という商品名のゲルのビーズである。これらを
用いるための便利な方法が開発されてきてはいるが、こ
れらのビーズは柔らかさの故にカラムへの充填性が劣
り、またそれらの低分子有孔性は溶媒に対し、被配位物
質についてのリガンドの利用可能性を劣ったものにす
る。
Coupekらの米国特許第4,281,233号は、ヒドロキシア
ルキルアクリレート又はメタクリレートと架橋性モノマ
ーのコポリマーからなるアフィニティークロマトグラフ
ィー用担体を示している。このコポリマーは、共有結合
的に結合した単糖又はオリゴ糖を含有している。(オリ
ゴ糖は技術的に、9個までの構成単糖を有するものとし
て定義されている。例えばRoberts,J.D.及びCaserio,M.
C.Basic Principles of Organic Chemistry,1964,p.615
参照。) 生活性物質の担体がまた、Nakashimaらの米国特許第
4,352,884号に開示されている。このNakashimaの担体
は、コポリマーで被覆された基質からなる。この基質は
種々の物質のうちの一つであることができ、その中には
ガラス、シリカ、アルミナの如き無機物質、ポリスチレ
ン、ポリエチレンその他の如き合成高分子、さらにはセ
ルロースのような天然高分子が含まれる。コポリマー
は、ヒドロキシ又はアルコキシアルキルアクリレート又
はメタクリレートといった親水性アクリレート又はメタ
クリレートモノマーと、共重合可能な不飽和カルボン酸
又はアミンから作られる。ベース物質即ち基質は、噴
霧、浸漬、相分離等の如き通常の被覆又は塗着方法によ
り、このコポリマーで被覆される。このコポリマーには
また、グリシジルアクリレート又はメタクリレートの如
き架橋剤が少量含まれてよい。この架橋剤は被覆工程の
後における架橋処理を可能ならしめ、被覆層からの溶出
(恐らくは生活性物質の)を防止を行わしめる。架橋剤
の量は非常に僅かであり、コポリマーの全重量の0.5か
ら1重量%の間の範囲にある。このような量の架橋剤で
は、下側の基質に対するコポリマーの実質的な共有結合
又はグラフト化を生ずるには不十分である。かくしてNa
kashimaのコポリマーは本質的に、下側の基質を単に物
理的に被覆しているにすぎない。しかし物理的な被覆と
いうものには、一連の問題が伴う。担体にはコポリマー
の均一な分配が行われるとは予想できず、多層構造を示
し、官能基の不均一な分布の可能性がある。
別の興味ある文献はKraemerの米国特許第4,070,348号
であり、これは多糖、酵素、ペプチド、ホルモンその他
の生物学的に活性な物質の担体として有用なグリシジル
−又はアミノ−含有アクリレートのコポリマーを示して
いる。Kraemerの最終生成物の構造は、アクリルコポリ
マー鎖であって、酵素、タンパク質などの如き物質でそ
の多数の部位において共有結合的に変性されているもの
である。
従来技術、その利点及び欠点についての以上の考察に
よって次の結論が導かれる。イオン交換クロマトグラフ
ィー及びアフィニティークロマトグラフィーをベースと
した精製の何れにも有用な支持体であって、高度の安定
性と、高度の有孔性と、低い非特異性吸着性と、大きな
流量と、非圧縮性と、調節されたゲル化とを有し、工業
的規模での生物学的分離に有用なものに対するニーズが
存在するということである。前述した従来技術の欠点が
最も重要な影響を及ぼし、このニーズが最も強くなるの
は、特に工業的レベルでの製造においてである。
固定化された微粒子を有する繊維質のマトリックスか
らなる工業的規模での分子分離物質が、本出願人に譲渡
されたCrowderの米国特許第4,384,957号に記載されてい
るが、この参照によってこの特許の内容を本明細書に取
り込むこととする。この特許は微粒子、精製された小さ
な繊維パルプ、及び長くて軟らかい繊維パルプの水性ス
ラリーからシートを湿式配置することにより形成され
た、複合繊維物質を記載している。
繊維質/微粒子のマトリックスを用い、スラリーにカ
チオン性ポリマーを加え、オーブンで乾燥してこのポリ
マーをマトリックスに対して架橋することにより、表面
が陽電荷を有するよう被覆された濾過用マトリックスが
もたらされる。このような電荷を有するマトリックス
は、大量の容積の液体から極く僅かな不純物微粒子を吸
着によって濾過するために用いることができる。(例え
ばOstreicherの米国特許第4,007,113号及び第4,007,114
号、並びに米国特許第4,305,782号及び4,309,247号参
照。これらの内容は全てこの参照によって本明細書に取
り込むこととする。) カチオン性物質を含むスラリーを用いる従来技術の湿
式スラリー工程においては、電荷が不均一に分布した物
質が得られ、多層被覆が一つの個所だけで行われ、表面
上の他の個所は剥き出しであるといったことが避けられ
なかった。除去が必要とされる不純物の量が大容積であ
る液体に比べて相対的に小さく、不均一な電荷分布はフ
ィルタの深さによって補償可能であるという事実の故
に、このような製品も濾過処理については使用可能であ
る。しかしながら、かかる製品はデリケートなイオン交
換工程については簡単に適用できない。そのような工程
の処理能力については、活性部位の数、並びに活性部位
の接近性が重要なものである。イオン交換物質における
化学的官能基は、その表面近くに埋められてはならず、
接近性を得るために、恐らくは分子側鎖の分だけ表面か
ら幾らか移動されていなければならない。これを達成す
るための一つの途は、化学的に変性されたシランによっ
て変性された繊維質マトリックス内に微粒子を取り込む
ことにより行われてきた。これらのシランはDEAE、CMの
如き官能基、或いはアフィニティークロマトグラフィー
部位を担持している。これらは機械的に安定であり、強
く、膨張しない。しかしながらこれらは高価であり、シ
リカヒドロキシ基によりタンパク質に対する非常に強い
非特異性吸着を示す。
概括的に言えば、実験室規模での精製において通常使
用されるアフィニティークロマトグラフィーの支持体
も、また微粒子(或いはイオン交換用の変性微粒子)を
含むクロマトグラフィー又は濾過用の繊維質マトリック
スも、大規模でのデリケートな親和性精製過程にはそれ
ほど有用でないことが示されているのである。
従って、非圧縮性で、調節可能に膨張でき、高い交換
能を有し、高い流量を示し、融通性があり、比較的安価
に製造できる工業的規模でのアフィニティークロマトグ
ラフィー精製工程に有用な支持体、並びにかかる支持体
からなる親和性マトリックス及び装置に対するニーズが
依然として存在し続けている訳である。
発明の概要 従って本発明の目的は、高分子担体と基質との接合体
からなる新規な分子支持体を提供することである。
本発明の別の目的は、アフィニティークロマトグラフ
ィー又は逆相クロマトグラフィーに有用な分子支持体を
提供することである。
本発明のさらに別の目的は、工業的規模でのクロマト
グラフィー操作に有用なクロマトグラフィー用支持体を
提供することである。
本発明のさらに別の目的は、アフィニティークロマト
グラフィー及び逆相クロマトグラフィーの工業的な工程
を提供することである。
本発明の別の目的は、アフィニティークロマトグラフ
ィー及び逆相クロマトグラフィー用の支持体、並びにア
フィニティークロマトグラフィー用媒体の調製方法を提
供することである。
本発明のさらに別の目的は、担体支持体に対する試料
の半径方向又は接線方向の流れを可能ならしめる装置を
提供することである。
本発明のこれらの目的及びさらに他の目的は、以後に
おいてより明らかとなるものであるが、以下のものを提
供することによって達成された。即ち、 1.合成ポリマーに供用結合した多糖と、 2.前記合成ポリマーが、 a)前記多糖に直接又は間接に共有結合することが可能
な化学的な基を有する重合可能な化合物と、 b)親和性リガンド又は生物学的活性分子に対する前記
重合可能な化合物(b)の共有結合を生じさせることの
できる化学的な基を含む一つ又はそれ以上の重合可能な
化合物から作られていること、 からなる変性多糖物質。
本発明のさらなる目的は、上記の変性多糖物質がリガ
ンドのカップリングに適当なようにさらに変性されて予
め活性化された中間化合物を形成してなる、親和性分子
分離前駆体化合物(以下「プレリガンド中間体」とい
う)を提供することにより達成された。
本発明の別の目的は、上述した多糖物質から誘導され
た親和性分子分離物質を提供することによって達成され
たが、この親和性分子分離物質は多糖の基質と、この多
糖基質に共有結合した合成ポリマーと、この合成ポリマ
ーに共有結合的に連結しアフィニティークロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー用のクロマトグラフィー
支持体又は生化学的反応物質に対する試薬として作用す
ることのできる親和性リガンドからなるものである。
本発明のさらに別の目的は、上述の物質を用いた分子
分離プロセス及び/又は生化学反応プロセスを提供する
ことによって達成された。
加えて、本発明のさらなる目的は、試料中の少なくと
も二つの成分をクロマトグラフィー的に分離するための
装置であって、この装置が変性多糖物質に対する試料の
半径方向又は接線方向の流れを許容するように構成され
ているものを提供することによって達成された。
図面の簡単な説明 本発明は以下に与えられる詳細な説明を添付図面と共
に考察して参照することにより理解される。添付図面
中、 第1図は本発明のクロマトグラフィーカラムの一つの
実施例の側部立面の部分断面図、 第2図は第1図の2-2線に沿って取った拡大断面図、 第3図は固体固定相の一部を破断除去して螺旋状に巻
かれたクロマトグラフィー用媒体とそれらの間にあるス
ペーサ手段を示す半径流カートリッジの斜視図、 第4図はクロマトグラフィーカラムがディスク形状で
ある本発明の別の実施例の断面図、 第5図はディスク形状の本発明の実施例の入口ハウジ
ング部材の頂部平面図、 第6図はディスク形状の本発明の実施例の出口ハウジ
ング部材の頂部平面図、 第7図はディスク形状の本発明のカラムの固定相の一
つの実施例の頂部平面図、 第8図はディスク形状の本発明のカラムの固定相の一
つの実施例の頂部立面図、 第9図は周縁端部を超音波熔接するに先立って、分離
媒体の複数の層とこの分離媒体の隣接する層の間に介在
されたスペーサ手段を示す、ディスク形状の本発明のカ
ラムの固定相の一つの実施例の断面図、 第10図はディスク形状の本発明のイオン交換カラムの
好ましい形状の断面図であり、この形状においてはディ
スク形状のハウジングが半径方向外方へと拡大するチャ
ンバを形成しており、スペーサ手段の一部が明確化のた
めに除去されており、 第11図は固体固定相の一部を破断除去して螺旋状に巻
かれたクロマトグラフィー用媒体とスペーサ手段及び不
透過性膜を示す接線流カートリッジの一つの実施例の斜
視図、 第12図は円筒状ハウジング内の接線流カートリッジの
一つの実施例の断面図、 第13図は接線流カートリッジを構成するために用いら
れる一つの方法を示し、 第14図は装置における血液の半径流と接線流の比較を
示す概略的なダイヤグラム、 第15図はクロマトグラフィー用媒体の二つの層を横断
する接線流をもたらす本発明の別の実施例の断面図、 第16図はクロマトグラフィー用媒体の二重層を有する
接線流カートリッジの頂部平面図を示し、 第17図は二重層接線流カートリッジの一つの巻きの断
面図、 第18図は支持体並びにスペーサ及びチャネル手段に対
する試料の流れを示し、 第19図は三つの媒体(A、プロタミンB、及びC)に
ついての表面積に対するヘパリンの除去パーセントのグ
ラフを示し、 第20図は二つの媒体(A及びプロタミン)についての
接触時間に対するヘパリンの除去パーセントのグラフを
示し、 第21図は二つの表面積値についてのリガンド濃度(プ
ロタミン)に対するヘパリン結合量のグラフを示し、 第22図は血液及び生理的食塩水について流量に対する
接線流カートリッジの入口と出口の間の圧力差(Δp)
を表すグラフを示し、 第23図は濾過された血液量に対するヘパリンの除去パ
ーセントのグラフを示し、 第24図は血液及び生理的食塩水について流量に対する
接線流カートリッジの入口と出口の間の圧力差(Δp)
を表すグラフを示し、 第25図は接線流カートリッジを通って濾過された血液
量に対するヘパリンの除去パーセントのグラフを示し、 第26図は種々の流量について、固定化されたプロテイ
ンAを含む接線流カートリッジの入口と出口の間の圧力
差(Δp)を表すグラフを示し、 第27図は固定化されたプロテインAを含む接線流カー
トリッジを通る精製により血漿及び血液から得られたIg
Gのゲル電気泳動を示す。
好ましい実施例の簡単な説明 本発明は、親和性分離を包含する広範囲なクロマトグ
ラフィー的分離を含む各種の用途のための不溶性支持体
として、或いはバイオリアクター用の不溶性支持体とし
て有用な材料の発見及び開発に関している。
この支持体材料は、有機合成ポリマーと多糖との複合
体に基礎を置いている。好ましい実施例において、この
複合体それ自体は生物学的に不活性である。有機合成ポ
リマーは上記多糖に結合することのできる化学的な基を
担持しており、また親和性リガンド又は一般に生物学的
活性分子に対する固着性能を提供することのできる化学
的な基を担持している。
厳密に言えば、多糖に結合したポリマーはコポリマー
又はホモポリマーの何れでもよい。多糖に結合すること
のできる化学的な基が親和性リガンド又は生物学的活性
分子に対する固着ユニットとして有用な化学的な基と同
じであるとき、ポリマーはこの特別な形態においてはホ
モポリマーである。しかしながら別の形態においては、
ポリマーはコポリマーであり、多糖に結合可能な基とさ
らに分子に対する固着用の基として機能することのでき
る異なる基をも含むものである。一つの好ましい実施例
においては、ポリマーはホモポリマーである。
本発明はまた、アフィニティークロマトグラフィー用
又は生体反応性物質を得るために親和性リガンド又は生
体分子を付着させることによって、或いは逆相クロマト
グラフィー用に疎水性置換基を付着させることによっ
て、変性された多糖から誘導される物質にも関する。
本発明はまた、変性又は未変性の微粒子物質を備え
た、変性されていない多糖と上述の物質の混合物、或い
は種々の分離用媒体を与えるためのその混合物にも関す
る。
本発明はまた、支持体に対する試料の半径方向又は接
線方向の流れを行うよう構成された、本発明の変性多糖
物質からなる装置にも関するものである。
材料 明細書及び請求の範囲において使用されている「多
糖」という用語は、一分子当たり数百又は数千もの構成
単糖からなる化合物を含むことを意図している。これら
の構成単糖は、グリコシド結合によって一緒に保持され
ている。その分子量は通常約5000以上であり、数百万ド
ルトンまでの範囲にあることができる。それらは通常天
然に産生するポリマーであり、例えばデンプン、グリコ
ーゲン、セルロース、アラビアゴム、寒天及びキチンな
どの如きである。この多糖は、一つ又はそれ以上の反応
性水酸基を有するべきである。それは直鎖又は分枝鎖で
ありうる。本発明の目的に最も有用な多糖はセルロース
である。
多糖は好ましくは全く保護されておらず、その水酸基
の全てを自由な状態で保持している。例えばアクリル化
又はアミノアクリル化の如きにより、水酸基の幾らかを
ブロックすることは可能である。しかしながら多糖の水
酸基を過剰にブロックすることは好ましくない。なぜな
ら多糖はそれによってその親水性を失うが、この性質は
生体分子との化学的に両立性のある適切な相互作用をも
たらすのに必要だからである。多糖が疎水性になりすぎ
ると、プロテインの如き分子との負の相互作用によっ
て、潜在的な非特異性結合及び変性現象が導かれる。ま
た、多糖の水酸基のマスキングが行われ過ぎると、結果
的に得られる物質のポリマーとの反応性は大きく減退す
る。これら全ての理由から、実質的に全ての水酸基を自
由な状態に保つことが好ましい。しかしながら多糖は、
以下に見るように化学的に活性化されていることができ
る。
セルロースは好ましい多糖である。「セルロース」に
より、木材パルプ、綿、麻、ラミー又はレーヨンの如き
再生された形成の、市販されている形態の便利なセルロ
ースのいずれかを意味することが意図されている。セル
ロースの適当な形を選択することに関しては、重要性は
存在しない。セルロースは、グルコース単位のβ(1>
4)結合からなる天然産生多糖である。天然の状態で
は、セルロースの隣接する鎖は広範囲にわたって水素結
合しており、微結晶領域を形成している。これらの領域
には、より水素結合の少ない非結晶領域が点在してい
る。限定的な酸加水分解を行うことにより、非結晶領域
の優先的な喪失が生じ、所謂微結晶セルロースが得られ
る。本発明において有用なセルロースは、天然状態又は
微結晶状態のセルロースである。また、綿リンターから
導出されるセルロースは木材パルプから得られるセルロ
ースよりも良好であるが、これは後者がリグニンを含む
ためである。
多糖物質にポリマーを付着させるための化学反応は、
通常は微結晶領域では進行が困難であるが、非結晶領域
ではより容易に生ずる。例えばセルロース内への官能基
の置換は、その構造に対する破壊的な影響を有する。反
応が完全に終了するまで実行されると、セルロースマト
リックスは破壊され、最終的に水溶性のポリマーが形成
される。この現象の典型的な例は、従来技術のヒドロキ
シエチルセルロース及びセルロースゴムであり、これら
は水に溶解した後に一般に使用される接着剤及び結合剤
となる。
多糖分子における無水構成単糖の各々は、三つ又はそ
れ以上の反応性水酸基を有する。理論的には、これら三
つ又はそれ以上の全てをポリマーで置換することができ
る。しかしながらそのような反応による生成物は、三つ
又はそれ以上の置換度を有し、イオン交換物質の場合に
は可溶性となってしまう。完全な水溶性が生ずるよりも
下の置換レベルにおいてさえも、かかる多糖の誘導体は
クロマトグラフィー用支持体としては適当でなくなる。
従って、多糖の置換は非結晶領域のより反応性の中心に
限定され、繊維形態において乾燥重量で約1mEQ/gmのレ
ベルを越えて実行されることは滅多にない。この置換レ
ベルにおいては、多糖の構造の天然の構成は僅かに変性
されるのみであり、大きな生体分子が低密度で不均一な
交換部位に対して容易に接近可能である。
こうして本発明の分子支持体の最終的な構造は、多糖
の鎖に沿う多数の部位において合成ポリマーによる共有
結合で変性された多糖鎖からなる。
多糖を変性するポリマーは、ホモポリマー又はコポリ
マーの何れかである。ホモポリマー又はコポリマーとし
てのポリマーの定義は、重合可能な化合物(a)及び
(b)が異なるか否かによる。一つの形態において、コ
ポリマーはランダム共重合体、ブロック共重合体、又は
交互共重合体でありうる。
一つの実施例において、重合可能な化合物(a)(ポ
リマーがコポリマーの場合「コモノマー(a)」とも呼
ぶ)は、共有結合を形成して多糖の水酸基と反応するこ
とができる基を有する。このような重合可能な化合物
は、例えばKraemerらの米国特許第4,070,348号に定義さ
れている。これらの化合物はこの参照によって本明細書
に取り込むこととする。上記の化学的な基は、多糖が分
解又は解重合を開始する温度、例えば0°から120°ま
での温度において、水溶液中で水酸基と反応することが
可能であり、それによって水酸基の酸素原子と共有結合
を形成する。水は常に水酸基に対してかなり過剰に存在
しているものであるから、水と自発的に反応する化学的
な基、例えばイソシアネート基の如きはより適当ではな
い。水溶性は、純水或いは水及び水と混和性のあるアル
コール、ケトン等の如き共溶媒の一つ又はそれ以上との
混合物からなる。
コモノマー(a)のヒドロキシ反応基は好ましくは、
ペプチドの化学で知られている如き活性化カルボキシル
基、或いはハロゲン化アルキル基又はエポキシ化アルキ
ル基の如き0−アルキル化剤である。0−アルキル化コ
モノマーの代表例は、アクリル又はメタクリル無水物、
アクリロイルメタクリロイルN−ヒドロキシスクシンイ
ミド、アクリル酸又はメタクリル酸のω−ヨードアルキ
ルエステルであってアルキル基が一般に2から6個の炭
素原子を含むもの、塩化アリル、クロロメチルスチレ
ン、クロロアセトキシエチルメタクリレート、及びグリ
シジル基を有する化合物である。最後のものは、グリシ
ジルアルコールと不飽和アルコール又は不飽和カルボン
酸のそれぞれとの間に形成されたエーテル又はエステル
である。グリシジルアルコールは脂肪族及び脂環族のア
ルコール及びエーテル化アルコールであって3から18個
の炭素原子を有し、それらの炭素原子がα,β−不飽和
カルボン酸、好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸で
エステル化され、或いはオレフィン的又はアセチレン的
な不飽和アルコールでエーテル化される。典型的な化合
物はグリシジルアクリレート及びメタクリレート、4,5
−エポキシペンチルアクリレート、4−(2,3−エポキ
シプロピル)−N−ブチルメタクリレート、9,10−エポ
キシステアリルアクリレート、4−(2,3−エポキシプ
ロピル)−シクロヘキシルメチルアクリレート、エチレ
ングリコールモノグリシジルエーテルアクリレート、及
びアリルグリシジルエーテルである。
好ましい有機合成ポリマーには、グリシジルアクリレ
ート及びグリシジルメタクリレートのホモポリマーが含
まれる。
活性モノマー単位(a)が水酸基に感応性のものであ
り、提供された多糖と反応しなければ、それらは水の存
在下において変形されて親水性のカルボキシル基、アル
デヒド基又は水酸基となる。活性化された基は従って重
合体物質中において、一般に多糖と結合するのに必要な
よりも多くの数で存在する。
別の実施例においては、重合可能な化合物(a)は多
糖の水酸基と直接に反応するものではないが、架橋化合
物を介して多糖と間接的に共有結合するものであること
ができる。これは、多糖が先ず酸素などにより化学的に
活性化され、重合可能なコモノマー(a)の適当な官能
基と反応することのできる例えばエポキシ基又はビニル
基を有する化合物と反応する場合である。
重合可能なコモノマー(b)は、(b)が(a)と異
なる場合において、担体物質の最終的な用途に応じて色
々である。担体物質の最終的な用途が親和性リガンド用
の支持体としてである場合、コモノマー(b)は親和性
リガンド、即ち「固着」基に対するこのコモノマー
(b)の共有結合を生ずることのできる化学的な基を保
持している。殆どの親和性リガンドはヒドロキシ基、ア
ミノ基、チオール基、カルボキシル基などの求核性部分
を保持しているから、かかる求核性部分と反応すること
のできる何らかの求電子性の基がコモノマー(b)に存
在することができる。そのような求電子性の基には、セ
ルロースの水酸基と反応することができる活性基として
前に述べた基が含まれるが、しかしこれらに限定される
ものではない。それらにはまた、塩化カルボニル、無水
カルボン酸及びカルボン酸アジ化基の如くペプチド結合
の形成のためにペプチド化学で使用される活性化された
カルボキシル基、並びにシッフ(イミン)塩基の形成に
使われるフェニルエステル及びアルデヒドが含まれる。
同様に有用なものとしては、式(1)のヒドロキシル
アミノ誘導体のカルボン酸塩があり、 式中Rはα,β−不飽和の重合可能なラジカルであり、
R'はC1からC6のアルキル又はアルカノイル基、フェニル
基又はヒドロキシフェニル基である。R"は直接的な結合
(−)又はC2からC3のアルキル又はアルカノイル基であ
る。このタイプの典型的な化合物には次のものがある。
活性化されたカルボキシル基を有する他の化合物に
は、塩化アクリロイル及びメタクリロイル、アクリル及
びメタクリル酸無水物、マレイン酸無水物、フェニルア
クリレート及びメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト及びメタクリレート、4−ヨードブチルアクリレート
及びメタクリレート、及び2−イソプロペニル−4,4−
ジメチルオキサゾロン−5がある。最後に示した化合物
は、タンパク質の末端アミノ基と直接に又は変換を介し
て反応することができる。
親和性リガンドと結合するのに有用なコモノマー
(b)における非常に有用な潜在的に求電子性の反応基
は、ハロゲン化シアンの如き試薬で活性化されて求電子
性となることのできる基である。技術的に、ハロゲン化
シアンは1,2−ジオールと反応して以下の式(3)を有
する活性化構造を生ずることが知られている。
この構造は次いで、親和性リガンドの求核性部分と反
応することができる。コモノマー(b)中に存在する好
ましい1,2−ジオールの中には、グルコース、マンノー
ス及びガラクトースの如き単糖類、ラクトース及びマル
トースの如き二糖類、ラフィノースの如き三糖類、或い
は一般にグリコシドを含む各種の糖質が含まれる。この
1,2−ジオールを含む官能基は、エステル化、アミドの
形成、エーテル化その他の如き反応により、重合可能な
コモノマー(b)に付着することができる。これらのう
ち最も好ましいものの中には、グリシジルアクリレート
又はメタクリレートが糖質と反応して、エーテル含有コ
モノマー(b)を生ずることがある。
担体物質の最終的な利用が生物学的分子の担体として
行われる場合には、コモノマー(a)又は(b)につい
て言及した固着用の基のいずれを使用することも可能で
ある。アルデヒドやアミンを含有している他の種類の活
性化基もまた使用することができる。
重合可能なコモノマー(b)は、実質的に一つの種
類、或いは一つ又はそれ以上の種類の混合物であること
ができる。
好ましくは、重合可能な不飽和モノ化合物(b)は、
式(4)の重合可能な化合物であり、 式中、R1は水素又はメチルであり、 AはCO又はSO2であり、 XはOH、OM(Mは金属イオン)、或いはOR2(R2は直
鎖又は分枝鎖のC1からC18アルキル基)、OR3OH(R3は直
鎖又は分枝鎖のC2からC6アルキル又は芳香族基)、ONR4
R5又はON+R4R5R6(R4はR6と同じか又は異なるR5と同じ
か異なるものであり、これらは水素、R2又はR3OHであ
る)である。
AXは式(5)の形であることもでき、 式中Yは−CO2 -、−CH2CO2 -、−SO3 -、−CH2SO3 -、−OP
O3H-、−CH2PO4H-、−CH2N(CH2COO-)2、−CH2−NR4R5
は−CH2−N+R4R5R6、或いは前述したこれらに対応する
遊離の酸、エステル又は部分エステル基である。これら
の式において、基R4、R5;R4、R6;又はR5、R6は窒素原子と
5から7員環の複素環式リングを形成することができ
る。R4、R5及びR6は先に定義したのと同じである。
この物質が親和性リガンド又は生体分子用の足場とし
て使用される場合には、AはCO又はSO2であり、Xは最
も好ましくはO−CH2−CH(OH)−CH2−糖質であり、こ
の場合に「−糖質」は単糖、二糖又は多糖であって親和
性リガンド又は生体分子にある求核性反応基と反応する
ようハロゲン化シアンによって活性化されうる基を有す
るものである。固着物質としてより好ましいコモノマー
(b)は、グリシジルアクリレート又はメタクリレート
とグルコースの反応から得られるコモノマーである。
多糖−変性ポリマーの平均分子量は、その中に存在す
るモノマー混合量の関数である。多糖表面の非結晶領域
全体に渡って共有結合を形成することができるだけの、
十分な数のコモノマー(a)単位を少なくとも有するこ
とが必要とされる。コモノマー(b)単位の数は、少な
すぎてはならない。なぜならそうでなければ、交換能
力、或いは固着/相互作用能力は取るに足らないものだ
からである。コモノマー(b)単位の数は多すぎてもい
けない。なぜならそれは、コモノマー(a)の反応性の
基と多糖の間における反応に多大の困難を生ずるからで
ある。好ましくは、多糖−変性コポリマーは、1から50
0単位の間のコモノマー(a)と、最も好ましくは20か
ら100単位の間のコモノマー(b)を保持するものであ
る。これは約100から100,000の間、好ましくは1,000か
ら10,000の間の分子量に対応する。
所望の場合には、上記した(a)又は(b)によって
示されたコモノマーとは異なる他の中性コモノマー
(c)をポリマーに添加することもできる。このコモノ
マーは、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、アリル
基等の如き中性の化学基を有する重合可能な不飽和化合
物でありうる。コモノマー(c)の中で好ましいもの
は、C1からC6のアルキルアクリレート又はメタクリレー
ト、或いは対応するヒドロキシアルキルアクリレート又
はメタクリレートである。コモノマー(c)の機能は、
ポリマー中における疎水性又は親水性残基の存在量を増
加させて、必要な場合に親水性基と疎水性気の望ましい
バランスをもたらすことである。
コモノマーの全含有量に対するコモノマー(a)の最
小比率は重要である。合成ポリマーは、多糖に対するポ
リマーの実質的な共有結合を可能ならしめるために十分
な量のコモノマー(a)を有するべきである。ポリマー
中に存在するコモノマー(a)の量が少なすぎる場合、
グラフト化は不可能ではないにしても困難である。一般
に、(a)プラス(b)及び(c)(存在する場合に
は)の合計に対してコモノマー(a)の約4-12、好まし
くは5-10重量%が必要である。約0.5から1又は2重量
%の量では、多糖に対して実質的にグラフト化すること
なしに、単にポリマーを架橋させるだけに過ぎない。
ポリマー中におけるコモノマー(a)の量の上限は、
所望とされる剛性、機能性及び親水性の程度に応じて、
99.9重量%までの範囲で変化させることができる。コモ
ノマー(a)よりもコモノマー(b)を優勢にすること
が好ましい。コモノマー(c)は、(a)プラス(b)
プラス(c)の合計の20重量%までの量で存在しうる。
変性用ポリマーに対する多糖の重量比は自由に調節可
能であり、多糖重量部に対してコモノマー0.1から5重
量部の範囲で変化する。
コモノマー(b)がカチオン交換能をもたらすことの
できるイオン化可能な化学基を担持している場合には、
幾らかの程度の架橋が行われない限り、この物質の溶液
中における柔軟性によってミセル型の凝集体の形成に資
する傾向があり、能力がゆっくりと失われることが見出
された。従って、これらの種類の変性多糖については、
重合体架橋を行うことが本発明にとって好ましい態様と
なる。架橋は、例えばモノ−及びポリエチレングリコー
ルジメタクリレート及びジアクリレート(ポリエチレン
グリコール残基は6個までのエチレン基を含む)、エチ
レンジメタクリレート、エチレンジアクリレート、テト
ラメチレンジメタクリレート、テトラエチレンジアクリ
レート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、
メチレンビスアクリルアミド又はビスメタクリルアミド
等の如く、少なくとも二つの重合可能はα,β−炭素二
重結合を有する少量のポリ不飽和コモノマーを重合処方
中に取り込むことによってもたらすことができる。
別の種類の架橋剤が、特にアミノアルキルコモノマー
(b)から作られたコポリマーに適用可能である。アミ
ノアルキル窒素原子上の孤立電子対に存在の故に、窒素
の孤立電子対と反応する二官能性試薬でもって架橋を行
うことが可能である。それらの中には、Hal−CO−(CH2)
n−CO−Halの如きハロゲン化ジアシル、或いはHal−(CH
2)n−Halの如きハロゲン化アルキルがあり、そこにおい
てHalは塩素、臭素又は沃素の如きハロゲン、nは2か
ら12の間の数である。窒素原子と反応することのできる
他の二官能性試薬もまた使用可能である。これらの二官
能性試薬の利点は、それらが同時にコポリマーを架橋す
る一方において、窒素中心に対して陽イオン性電荷をも
与え、それによって物質をイオン化するということにあ
る。
架橋剤の量は、実験によって最もよく求められる。ポ
リマーが長時間にわたって一定値の交換能を維持するの
であれば十分であると考えられるが、最終的な物質にお
いて膨張が防止され、大きすぎる剛性が得られた場合に
は多すぎると考えられる。理想的には、合成ポリマー単
位当たり5から20モルパーセントの範囲の量の架橋剤が
十分なものである。
本出願及び請求の範囲の全体を通して使用されている
「親和性リガンド」という用語は、固定相に固定化され
ることができ、アフィニティークロマトグラフィーによ
り溶質相から相補的に結合する分子を精製するのに使用
される何らかの低分子量又は高分子量の分子を含むこと
を意図している。リガンドは例えば、阻害剤、補因子、
補欠分子族、又は高分子基質などであることができ、こ
れらは全て酵素やホロ酵素を精製するのに有用なもので
ある。他のリガンド/被配位物質の対には、酵素/高分
子阻害剤;一重鎖核酸/相補鎖核酸;ハプテン又は抗原
/抗体;抗体/タンパク質又は多糖;単糖又は多糖/レ
クチン又は受容体;レクチン/糖タンパク質又は受容
体;小さな標的化合物/結合タンパク質;結合タンパク
質/小さな標的化合物がある。抗原/抗体の対がリガン
ド/被配位物質の対として使用される場合には、この技
術は「イムノアフィニティー」クロマトグラフィーとい
う特別な名称を持つ。
本発明の担体に結合することのできる「生物学的活性
分子」には、酵素、酵素基質、阻害剤、ホルモン、抗生
物質、抗体、抗原、ペプチド、糖質、核酸などを含みう
る。これらの分子に対する唯一の条件は、それらが合成
ポリマーの固着用の化学基と共有結合することのできる
反応基を有していることである。
特に興味のあるものは、ヒドロラーゼ、イソメラー
ゼ、プロテアーゼ、アミラーゼなどの如き酵素の固定化
である。これらの固定化された酵素は、その他の点では
技術的によく知られているようにして、生化学的リアク
ターに使用することができる。
逆相クロマトグラフィー又は「疎水性相互作用クロマ
トグラフィー」という用語の使用は、混合物中にある疎
水性成分を吸着するのに用いるクロマトグラフィーを含
むことを意図している。そのような成分には、脂質、細
胞フラグメントなどが含まれる。この実施例において
は、コモノマー(b)(2)は通常、C6からC18の直鎖
又は分枝鎖アルコールのアクリレート又はメタクリレー
トエステル、或いはフェノールやナフトールの如き芳香
族アルコールのアクリレート又はメタクリレートエステ
ルである。
本発明の担体物質はそれ自体で、従来技術の多糖ベー
スの他の担体物質と同じ態様において使用することがで
きる。或いはまた、そして好ましい態様においては、好
ましくは変性の後に繊維状の形となる多糖物質は、アフ
ィニティークロマトグラフィー用の特性、生体反応性又
は逆相用の特性を備えた繊維状シートの如き自己支持性
の繊維マトリックスに形成することができる。この変性
された繊維質多糖繊維状媒体はまた、種々の異なる寸法
の未変性繊維を取り込むことができ、またこれに加え
て、変性又は未変性の微粒子物質を取り込むことができ
る。
繊維状媒体は繊維の有孔性マトリックスからなるもの
であり、そこにおいては本発明の特徴の故に、繊維は分
子反応に有効である。このマトリックスは、各々の成分
に関して実質的に均質である。選択的に、微粒子が存在
しても構わない。そのような微粒子が存在する場合、そ
れも分子の分離又は反応に有効となるように、それを変
性することが好ましい。そのような微粒子は繊維相に、
所望とする分離又は反応を達成するのに有効な量だけ含
有されるべきである。全体的には媒体は実質的に不活性
であり、寸法的に安定である。
使用することのできる好ましい微粒子は、微細に分割
された形態において提供されることが可能でクロマトグ
ラフィー的な官能性を示す、即ち有効な分子分離及び/
又は反応が可能な物質を全て含む。そのような組成物の
混合物もまた利用されうる。そのような微粒子の例は、
シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、珪藻土、パーラ
イト、ひる石の如きクレー、活性炭の如き炭素、他のイ
オン交換樹脂の如き変性ポリマー微粒子、微結晶セルロ
ース、モレキュラーシーブその他があり、それらの表面
は通常の手法により処理されることができる。これらの
物質は、Biosila、Hi-Flosil、Li Chroprep Si、Microp
ak Si、Nucleosil、Partisil、Porasil、Spherosil、Zo
rbaxcil、Corasil、Pallosil、Zipax、Bondapak、LiChr
osorb、Hypersil、Zorbax、Perisorb、Fractosil、Corn
ing Porous Glass、Dowex、Amberlite樹脂などの如き種
々の商品名の下に商業的に入手可能である。
分子の分離に有効な微粒子を記載している文献の例
は、Millerの米国特許第3,669,841号、Kirklandらの米
国特許第3,722,181号、Kirklandらの米国特許第3,795,3
13号、Regnierの米国特許第3,983,299号、Changの米国
特許第4,029,583号、Stehlの米国特許第3,664,967号、K
rekelerの米国特許第4,053,565号およびIherの米国特許
第4,105,426号がある。これらすべての文献の開示の全
部をこの参照によって本明細書中に取り込むこととす
る。
微粒子の粒径は重要なものではないが、しかし処理す
べき試料が物質を通って流れる流量に幾らか影響する。
半径流で処理する用例の場合には、約5ミクロンよりも
大きな均一の粒径が好ましく、約10から100ミクロンが
実用的な作動可能の範囲である。試料がマトリックス物
質を貫通するのではなく横断する接線流の用例の場合に
は、幾らかより小さな粒径を用いることができる。微粒
子の量は、固定相の約80重量%までの範囲で広く変動可
能である。最適な微粒子濃度は、所望とする分子分離に
応じて変化する。
繊維質媒体は、そこに含まれる微粒子を固定化するこ
とができるもの、即ち固定相からの微粒子の実質的な喪
失を防止することのできるものであるべきである。半径
流用に構成された媒体の場合、その媒体は当該媒体を通
って流体が通過することのできる有孔性を持つべきであ
る。しかして本発明の変性セルロース物質が自己結合性
であって余分の繊維又は結合剤が必要でないとしても、
そのような余分の繊維又は結合剤を用いることが可能で
ある。この媒体に使用できる他の繊維には、ポリアクリ
ロニトリル繊維、ナイロン繊維、毛繊維、レーヨン繊維
及びポリ塩化ビニル繊維、木材パルプや綿などの他のセ
ルロース繊維、及び酢酸セルロースなどが含まれる。
本発明の一つの実施例には、二つの種類の異なるセル
ロースからなる繊維質媒体を提供することがあり、その
一つは本発明による変性セルロースであり、他のものは
未変性セルロースである。
前述したセルロースに結合することのできる本発明の
別の実施例は、湿った「形成されたまま」の状態及び最
終的な乾燥状態の何れにおいても十分な構造的一体性を
持つシートを提供するのに役立つと共に、処理の最中の
取り扱いをも可能ならしめ、最終的な目的用途に適合性
を有する未精製の構造繊維である。このような繊維は典
型的には比較的大きく、市販のものの直径は6から60ミ
クロンである。木材パルプもまた使用することができ、
15から25μmの範囲の繊維径と、約0.85から約6.5mmの
繊維長を有する。この未精製の自己結合性構造繊維は、
典型的には+400から+800mlのカナダ規格濾水度を有す
る。これらの長い自己結合性繊維は、繊維媒体の50重量
%よりも多くを構成することができ、好ましくは繊維質
媒体の60-100%、最も好ましくは100%である。選択的
に、+100から−600mlの間のカナダ規格濾水度へと精製
されたセルロースパルプの少量を、通常の寸法を有する
(+400から+800ml)大部分のセルロースパルプに取り
込むことができる。特に、約1から約20%の精製パル
プ、および約50%から約90%の未精製セルロースをマト
リックス中に含むことができる。微粒子もまた添加する
ことができる。
微粒子物質がミリミクロンの大きさである場合、本出
願人の米国特許第4,488,969号に記載された如き陽イオ
ン性樹脂と陰イオン性樹脂の混合物を付加的に使用する
ことが望ましい。或いはまたミリミクロンの大きさの微
粒子に加えて、ポリマー主鎖に沿って酸素原子を有す
る、本出願人の米国特許第4,578,150号及び第4,596,660
号に記載された如き中性有機ポリマー樹脂を含む媒体を
使用することもできる。
本発明においてまた特に興味があるものは、Regnier
の米国特許第3,983,299号、Kirklandらの米国特許第3,7
95,313号、Kirklandらの米国特許第3,722,181号、Mazar
quilらの米国特許第4,034,139号、Talleyらの米国特許
第4,118,316号、Ho Changらの米国特許第4,029,583号又
はRegnierの米国特許第4,108,603号に記載された如き変
性無機支持体物質を担持している変性セルロース繊維質
媒体を使用することである。これらすべての文献の開示
の全部をこの参照によって本明細書中に取り込むことと
する。特に、ケイ質微粒子をシランで誘導することが可
能であり、それに対して種々のイオン交換又は固着用の
基を付着させることが可能である。この実施例において
は次いで、セルロース性繊維及びケイ質微粒子の両者を
変性し、それらの相互作用によって固着及び/又はイオ
ン変換能力の増大がもたらされる。微粒子物質を添加す
ることは、繊維質媒体の剛性及び強度を高めるのに役立
ち、それを工業的用途について、特に高圧に関与するも
のについて容易に利用可能なものとする。
調製方法 本発明のポリマーで変性された多糖物質は、種々の態
様で調製することができる。一般にある態様において、
調製者はまずポリマーを調製し、次いでそれをその反応
性水酸基(利用可能ならば)を介して多糖に縮合させ
る。或いはまた別の態様において、調製者は最初に多糖
を水酸基反応性コモノマー(a)と反応させ、ついでコ
モノマー(b)及び所望に応じて他のコモノマー(例え
ば架橋性コモノマー、疎水性コモノマーなど)と共重合
させる。従ってこれらの反応には二つの種類がある。
1)コモノマー(a)の反応性水酸基に対する多糖の結
合、及び2)重合可能な不飽和化合物の重合である。好
ましい実施例においては、能力の高い吸着官能性を与え
る意図の下に、この反応は共有結合の前に重合化が先行
する状態下で行われる。
さらに多糖に対して合成ポリマーを(間接的に)付着
させる第三の方法として、多糖の事前の化学的活性化が
ある。例えば、過ヨウ化酸塩、過酸化水素、セリウム又
は他の金属性酸化イオンなどの如き酸化剤で多糖を処理
することができる。活性化された多糖をアミノ基を含有
する重合可能なビニルモノマー化合物と反応させ次いで
還元することにより、或いはエポキシ基含有ビニルモノ
マーと反応させることにより、鎖に沿って不飽和官能性
を担持している多糖誘導体が通常もたらされる。これら
の不飽和官能性は次いで、ポリマーを接合させるための
さらなる付着位置として機能することができる。
多糖の化学的活性化の別のタイプのものには、ジエポ
キシド又はエピクロロヒドリンの如き化合物との反応が
含まれ、それによってエポキシ基又は他の基をその鎖に
沿って担持している多糖誘導体がもたらされる。これら
のエポキシ又は他の基は次いで、多糖の鎖における接合
位置として機能する。
コモノマーの重合化は、ラジカル連鎖(フリーラジカ
ル)重合、段階反応重合、イオン重合及び配位重合によ
って行うことができる。特に有用なものは、フリーラジ
カル重合である。
ラジカル重合可能なコモノマーのフリーラジカル付加
重合は、開始、付加及び完了についての周知の段階を用
いてフリーラジカル開始剤でもって実行される。一般的
な手順は、モノマーと反応することのできるラジカルを
生成する物質を利用することである。恐らく全ての重合
開始剤の中で最も簡単なものは、有機過酸化物及びアゾ
化合物である。これらの物質は50から140℃の間の温度
において通常の有機溶媒中で有限の速度で自発的に分解
してフリーラジカルとなる。例えば過酸化ベンゾイルは
60℃において二つのベンゾイルオキシラジカルへと分解
する。他の例はアゾ化合物であるアゾビスイソブチロニ
トリルによって提供されるものであり、これは簡単に利
用可能な温度において同様に分解してラジカルとなる。
必要なエネルギーはまた、紫外線によって開始剤系を
照射することによっても提供されうる。例えば開始は、
開始剤系をベンゾフェノン及びその誘導体、ベンゾイン
アルキルエステル又は誘導体、或いはアセトフェノンの
如き光重合開始剤の存在下に紫外線で照射することによ
って行うことができる。その場合、開始剤分子が照射さ
れたスペクトル領域において吸収を行うことが必要であ
る。このようにして、純粋に熱的な励起が用いられる場
合よりも比較的低い温度において、有限の速度でラジカ
ルを生成することができる。また生体分子反応も重合を
開始させることのできるラジカルを生成しうる。特に重
要なものは酸化還元反応であり、これは水性媒体中で生
じ電子の受け渡し過程を含むものである。例えば鉄(I
I)プラス過酸化水素又は銀(I)、プラスS2O8 2-の系
は、モノマーのラジカル重合を開始させるのに特に重要
なものである。開始温度が低いため、本発明においては
酸化還元開始剤又は光化学的に誘起された開始剤が特に
好ましい。開始剤は、重合反応を開始させるのに十分な
だけの量である。重合は、実質的に全てのモノマー又は
コモノマーがポリマー鎖中に取り込まれるまで行われ
る。このことは、反応混合物に対する簡単な分析テスト
によって容易に確かめられる。好ましくはこの重合化
は、多糖に対するポリマーの共有結合と殆ど同時に、或
いは直前に達成される。結合及び重合化は、同じ水性相
において行われるのが好ましい。
一つの実施例において、モノマー(又はコモノマー
(a))の多糖の水酸基との縮合は、重合化の前又は後
の何れで実行されるにしろ、通常は反応混合物の温度を
調節し又は適当な酸/塩基触媒を添加することによって
行われる。
この過程を実行する最も好ましい方法は、ヒドロキシ
反応性モノマー(又はコモノマー(a))を用いる「一
容器」系にある。全ての所望とするモノマーと多糖は、
例えば水、アルコール、有機物の如き不活性溶媒系中に
添加する。多糖とモノマーは、モノマーの重合を開始さ
せる条件下において処理される。これは例えば、十分に
攪拌した混合物中に過硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナ
トリウムの如き開始剤の水溶液を添加し、約15℃から40
℃で重合を開始することによって達成しうる。或いはま
た、光重合開始剤を添加して光化学的な手段によって開
始を行わせることも可能である。重合完了まで進行せし
めるのに十分な時間にわたって攪拌した後に、縮合を生
ずるのに十分な温度にまでこの反応混合物の温度を高め
ることにより、多糖の水酸基に対する形成されたポリマ
ーの結合が行われる。ポリマー上の結合基がグリシジル
基である場合には、かかる温度は通常80-100℃のあたり
である。反応は次いで第二の温度において、完了まで進
行するか又は所望の能力を持つよう多糖を変性するのに
十分な時間にわたって進行せしめられる。生成物は濾過
され、洗浄及び乾燥されて必要ならばさらなる処理に備
えられる。未反応モノマーは好ましくはアルコールで洗
い去られ、未反応触媒は水性媒体で、そして未反応ポリ
マーはメタノール又はエタノールで除去される。変性多
糖のさらなる反応は、架橋によって行いうる。
変性多糖物質の別のさらなる反応は、親和性リガンド
又は生物学的活性分子をモノマー(又はコモノマー
(b))に足場用の基に対して固着することである。こ
の反応は、通常は水性の適当な溶媒中において固着すべ
き親和性リガンド又は生体分子と変性多糖とを混合し、
それらの間で共有結合が生ずるのに十分な条件と時間の
下において固着を実行することによって容易に達成でき
る。モノマー(又はコモノマー(b))上の多糖の基を
ハロゲン化シアンの如き物質で活性化し、さらにこの活
性化された多糖を親和性リガンド又は生体分子で処理す
ることが必要となる。この実施例においては、親和性リ
ガンド又は生物学的活性分子をモノマー(又はコモノマ
ー(b))に対してまず結合し、次いでその結果得られ
たポリマー又はコポリマーを多糖に結合することが好ま
しい。
親和性リガンド又は生物学的活性分子とポリマーの足
場用の基との間の反応は、通常は0℃から50℃の温度に
おいて実行され、酸又は塩基の如き触媒、又は金属、又
はカルボジイミドの如き他の物質、或いはグルタルアル
デヒドの如き二官能の架橋剤の添加を含むことができ
る。結果として生ずるリガンド又は生物学的活性分子含
有変性多糖は適当な条件下で洗浄され、必要ならばさら
なる処理に備えられる。
親和性マトリックスは、ポリマー担体を基質上にグラ
フト化し、次いで親和性リガンドをこのグラフト化され
た共有結合された合成ポリマーに結合することによって
作られる。この予め結合された構造は、以下ではプレリ
ガンド構造体と呼ぶ。適当な基質としては、これまでに
述べた基質、即ちセルロースの如き多糖が含まれる。こ
こでもセルロースは、使用することが好ましい基質材料
である。
基質にグラフト化されるポリマーは、アミンやチオの
如き各種の官能基の前駆的な基として作用する官能基を
含むことができる。この種の変性は、特定の用途に応ず
る後の誘導のための手段を提供する。典型的なモノマー
には、グリシジルアクリレート及びメタクリレートの如
きエチレン的に不飽和のオキシラン含有モノマー、ヒド
ロキシエチルメタクリレートの如きエチレン的に不飽和
の水酸基含有モノマー、アクリルアミドの如きエチレン
的に不飽和のアミド基含有モノマーが含まれる。グリシ
ジルメタクリレート(GMA)及びグリシジルアクリレー
ト(GA)が好ましいグラフト化モノマーである。
特に半径流用装置に使用された場合に満足できる親和
性マトリックスを調製するためには、グラフトされるポ
リマーの孔径を調節して、リガンド結合の後でさえもリ
ガンドと結合することのできるよう分子が自由に貫通す
るに十分な空間があるようにすることが重要である。し
かしながら、そのような大きな孔径を要求することは多
くの場合、機械的な安定性についての問題を生ずる。親
和性マトリックスとして市販の現在入手可能な製品は、
構造的な剛性をもたらすために注意深く調節された架橋
度に依存している。しかしながら、これらの軽く架橋さ
れた物質は極めて脆く、通常の混合技術の下においてさ
えも劣化することが多い。架橋の度合を増加させること
によって物理的な安定性を増加させることができるとは
いえ、架橋の増大は物質の有孔性を減少させる。
本発明の一つの実施例においては、構造的な剛性と有
孔性に対する要求をバランスさせるというこの問題は、
セルロース又は他の天然ポリマーが三次元の骨格を提供
し、その内部及び周囲にアクリルポリマーの第二のネッ
トワークが形成されるという、二段階の相互貫入ネット
ワークによって解決される。セルロース又は他の天然ポ
リマーの基体が必要な剛性を提供し、かくしてアクリル
ポリマーは単に軽く架橋するだけでよく、この軽く架橋
したポリマーが必要とされる化学的及び有孔特性を備え
るものである。後述する実施例3及び4の重合条件に類
似の条件下において架橋が生ずる。
合成ポリマーは、その分野で通常の何らかの技術を用
いて形成される。懸濁重合が好ましい重合技術であり、
選択的に界面活性剤を使用して、モノマーは反応混合物
の連続的な攪拌によって懸濁され維持される。モノマー
相に溶解するフリーラジカル開始剤が用いられ、触媒の
熱的フラグメンテーションによって重合が行われる。重
合の完了に先立って、カップリング反応を容易にするよ
うに反応条件が変更され、それにより重合生成物の炭化
水素鎖は、それに伴う官能基を付着させたまま、天然ポ
リマーの基体に対してグラフト化される。この重合化の
後者の段階においては、重合化とカップリングが同時に
進行する。
セルロースにグラフトされたGMAは、好ましい親和性
マトリックスの一つを示す。GMAは三つの機能をもたら
すが、それはGMAモノマーのオキシラン基がセルロース
の表面の水酸基との共有結合をもたらすこと、またこれ
と同じオキシラン基が合成ポリマーネットワーク用の架
橋能力をもたらすこと、そして残りのオキシラン基が引
き続いてのリガンド結合のために機能するということで
ある。
以下に記載するのは、GMA−セルロース親和性マトリ
ックスの物理的及び化学的な性質である。
1.機械的剛性 セルロース繊維が固体の支持用部材として良好な構造
的強度をもたらす。これらの繊維はセルロース繊維の多
糖ユニット間の強い水素結合力によってさらに強化さ
れ、高度の結晶構造によってさらなる強度がもたらされ
る。付加的な機械的剛性は、セルロースと合成ポリマー
の間に生ずる架橋によってもたらされる。
2.マクロ細孔性 繊維の直径、長さ、繊維化の程度及び架橋の度合を注
意深く選択することによって、高度に調節されたマクロ
細孔性がもたらされる。
3.親水性 セルロース的な構造中の水酸基が高度の親水性をもた
らす。またGMAポリマーのグリシジル基のジオールへの
酸化又はそれと水酸基を含有するモノマーとの共重合
は、マトリックスの親水性にさらに寄与する。
4.化学的抵抗性 セルロースは通常の溶媒中においては低い溶解度を有
する。またGMAポリマーのグリシジル基を相互に、及び
セルロースの水酸基と架橋することにより、溶媒に対す
る抵抗性がもたらされる。
5.構造的一体性 グラフトされた架橋可能なモノマーによって、マトリ
ックスの膨張及び収縮は無視できるほど小さい。二官能
性モノマーとの付加的な架橋により、さらなる安定性が
もたらされる。
6.低度の非特異的吸着 グラフト化工程はセルロース原料をさらに精製し、非
特異的結合を行う利用可能な部位の数を減少させる。
7.化学的反応性 リガンドカップリングのための多数のオキシラン基の
作成に際して、グラフト化の後に最大200%の重量増加
が得られた。さらに、これらの配位基は必要ならば「ス
ペーサアーム」でもって隔置させることができる。優れ
た流れ特性、即ち構造及び有孔性に関して与えられる高
度の制御の結果、優れた流通性能が得られた。付加的
に、このマトリックスは使用と使用の間に完全に乾燥す
ることができ、それによってその流れ特性を高めること
ができる。
このセルロース−GMA親和性マトリックスは、以下の
表Iに示すようにして化学的に変性されうる。この化学
的変性の目的は、リガンドと結合するためのマトリック
ス又はプレリガンド構造体を調製することにある。
上記の表Iの1.について好適な酸化剤には、過塩素酸
塩、三酸化イオウ及び過ヨウ素酸塩があり、過ヨウ素酸
塩が好ましい。
上記の表Iの2.について好適なアミノ化剤には、NH2
−R−NH2という構造式を有する化合物が含まれ、ここで
Rは直接結合又は(CH2)nである。
チオール化は、NaSH又はKSHの如き化合物を用いるこ
とによって行われる。以下の表IIは、酸化、アミノ化及
びチオール化反応を簡単に要約している。
上記の表IIに示された如き過ヨウ素酸塩での酸化の結
果生成されるアルデヒド反応生成物は、以下の反応式に
従ってさらに処理されて硼素化された親和性吸着剤を形
成することができる。
ヒドラジンの如きジアミンによるアミノ化は次式に従
って進行し、ヒドラジン置換体の形成という結果を生ず
る。
このヒドラジン置換体は、以下の式に従ってアジ化物
の形に変換される。
このアジ化物は以下の式に従って、例えばリシンのよ
うな適当なリガンドとの反応により、適当な親和性マト
リックスに変換されうる。
式中、R1及びR2はC1からC4アルキルである。
上記の表I及びIIに示されたように、GMA−セルロー
スマトリックスはNaSHでチオール化することができる。
このチオール基は続いて以下の反応式に従い、2,2'−ジ
ピリジンジスルフィドとの反応により活性化することが
できる。
この物質は以下の式に従い、タンパク質の立体的に接
近可能なSH基と反応する。
同様にして、アミド官能基を提供するように基質を変
性させることができ、そのアミド官能基はさらに次式に
従ってジアミンと反応する。
その結果得られるヒドラジンは続いて、オキシラン環
の上記のアミノ化のようにして処理しうる。
合成ポリマーで変性され反応性水酸基を有する基質
は、セルロースの如き適当な基質上に対してヒドロキシ
ルエチルメタクリレート(HEMA)又はヒドロキシルプロ
プルメタクリレート(HPMA)の如き化合物を用いて生成
しうる。隣接する水酸基は、次式に従ってCNBrを用いて
活性化されうる。
特定の酵素を除去するための親和性マトリックスの設
計の出発点は、その酵素の構造と、そして特にその酵素
の阻害物質の構造を調べることである。酵素とその阻害
物質との間で形成される複合体は、その酵素が特定のタ
ンパク質構造とどのように相互作用するかについての最
良の像を与える。酵素の阻害は常に、以下の式で示され
るように競合的で可逆的である。
E(酵素)+I(阻害剤)=EI複合体 通常、阻害剤の反応部位の残基が酵素のくぼみ構造部
分と結合する。カリクレインとトリプシンの場合、カリ
クレインのセリン活性部位の求核性水酸基と相互作用す
るものはリシン又はアルギニン残基である。多くの場
合、動物の酵素阻害剤は植物から抽出される。従って効
果的な親和性マトリックスは、酵素吸着を行うべく植物
性阻害剤を結合することによって作成されうる。血漿カ
リクレイン阻害剤はジャガイモ及びピーナッツから分離
されることが知られている。
こうして得られた基質生成物は、さらにタンパク質の
アミン官能性部分と反応されて、以下の式に従って適当
な親和性吸着剤が提供される。
また、グリシジル基を前駆体として用いることによ
り、グリシジル基を介して別の部分を結合することも可
能である。この新たに結合される部分は、以下の表III
に示されるようにして、タンパク質に対する種々の活性
化機構により活性化されうる。
ポリフェノールを介してのカップリング タンパク質はポリフェノールに対して非常に反応性で
ある。基本的な反応は、以下の経路を介してのキノン形
のポリフェノールに対するタンパク質上の何らかの求核
性残基の付加である。
固体マトリックスに対して抗体又は酵素阻害剤を結合
するについて、抗原又は酵素に対する最大の親和性を有
するためには、リガンドがマトリックスに結合した後に
おいてもその活性コンホーメーションを維持することが
重要であることが知られている。抗体分子は少数のコン
ホーメーションにおいてのみ、活性形態で存在する。機
能的な親和性は、固体表面に対する結合によって大きく
変動するものである。従って水素結合や疎水性相互作用
の如き力によるマトリックスとリガンドとの間の非共有
結合的な相互作用は、抗体のコンホーメーションに対す
る明らかな影響を有している。抗体は構造的に見て嵩高
なものであるから、表面積や孔の分散の如きマトリック
スの物理的性質もまた、立体障害的な観点からみて考慮
すべき事項である。例えば、Sepharose に結合したIgG
が約3-4mg/gよりも多いレベルでは、IgGのさらなる結合
はリガンドとして有効でない。恐らく、Sepharose
対してより高レベルのIgGが結合するにつれて、抗体の
作用を妨げるIgGの混み合いによって、抗体の活性が実
際に減少するものであろう。基質としてセルロースを使
用することにより、セルロース1g当たり7mgという高レ
ベルの置換度において、最大の活性が達成される。しか
しながら、例えば「スペーサアーム」の使用により基質
と活性結合部位の間の間隔を増大させることによって、
付加的な結合能力をもたらすことが可能となる。従っ
て、下記の反応に従い親水性のスペーサアームを導入す
ることにより、抗体の活性を高めることが可能となる。
上に示したように、合成ポリマーによって変性した本
発明の基質は、合成ポリマー及び/又は基質を架橋する
ことによって特定のニーズに対して細かく仕立てること
ができる。架橋は、例えばモノ−及びポリエチレングリ
コールジメタクリレート及びジアクリレート(ポリエチ
レングリコール残基は6個までのエチレン基を含む)、
エチレンジメタクリレート、テトラエチレンジアクリレ
ート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、メ
チレンビスアクリルアミド又はメチレンビスメタクリル
アミドその他の如き少なくとも二つの重合可能なα,β
−炭素二重結合を有する少量のポリ不飽和コモノマーを
重合体処方中に含有させることによって行われうる。
別の種類の架橋剤は、アミノアルキル窒素原子が存在
している場合にその孤立電子対の存在を用いるものであ
る。この場合、架橋はこの窒素の孤立電子対と反応する
二官能性試薬を用いて実行され、それにはHal−CO−(CH
2)n−CO−Halの如きハロゲン化ジアシル、或いはHal−
(CH2)n−Halの如きアルキルジハライドが含まれる。こ
こでHalというのは、塩素、臭素又は沃素のようなハロ
ゲンであり、nは2から12までの数である。−(CH2)n−
の部分がフェニルで置換されたこれと同類の化合物もま
た考慮することができる。
架橋剤の量は、実験的に最もよく定められる。ポリマ
ーが所望の構造的一体性と有孔性とを達成したならば、
それは十分と考えるべきである。理想的には、合成ポリ
マー単位の5-20モルパーセントの量の架橋剤が十分なも
のである。
典型的なリガンドにはDNA血液型抗原、アンチαフェ
トタンパク質、C1Q、プロテインA、プロテインG、ポ
リリシン、ヘパリンの如きムコ多糖、メチル化アルブミ
ン、トリプトファン、フェニルアラニン、コンカナバリ
ンAその他があるが、これらに限定されるものではな
い。IgGからタンパク質分解酵素を除去するためには、
ε−アミノアクリル酸、リシン、メチル−p−アミノシ
クロヘキサンカルボン酸、トラシロール及び潜在的阻害
剤などが最も有孔である。ヘパリンの如きムコ多糖の除
去のためには、硫酸プロタミンの如き低分子量の塩基性
タンパク質(プロタミン)が有用である。カリクレイン
及びPKAの除去のためには、ベンズアミジンが有効であ
る。エンドトキシンの除去のためには、硫酸ポリミキシ
ンBが有効である。
当業者ならば理解しうるように、本発明の実施に適し
たリガンドには、本発明の親和性マトリックスによって
固定化されると共に生物学的活性を維持する全てのリガ
ンドが含まれるが、そのようなリガンドは限定的にでは
ないが次の一般的なクラスによって示される。アミノ
酸、アビジン−ビオチン、炭水化物、グルタチオン、疎
水性マトリックス、免疫グロブリン、不溶性タンパク
質、レクチン、ヌクレオチド、ポリアミノ酸及びポリ核
酸、及び特異リガンド。
親和性リガンドに適した典型的なアミノ酸には、L−
アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−ア
スパラギン酸、L−システイン、L−シスチン、L−グ
ルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジン、L−イ
ソロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−フェニ
ルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニ
ン、L−チロキシン、D−トリプトファン、L−トリプ
トファン、L−チロシン及びL−バリンが含まれる。
典型的なアビジン−ビオチンリガンドには、アビジ
ン、ビオチン、デスチオビオチン、ジアミノビオチン及
び2−イミノビオチンが含まれる。
典型的な炭水化物には、グルコサミン類、グリコピラ
ノース類、ガラクトサミン類、フコサミン類、フコピラ
ノシルアミン類、ガラクトシルアミン類、グリコピラノ
シド類その他が含まれる。
典型的なグルタチオンリガンドには、グルタチオン、
ヘキシルグルタチオン、及びスルホブロモフタレイン−
S−グルタチオンが含まれる。
典型的な疎水性マトリックスには、アミノアリル、ブ
チル、デシル、ドデシル、エチル、ヘキシル、メチル、
オクチル、ペンチル、フェニル及びプロピルが含まれ
る。
典型的な免疫グロブリンには、抗ヤギIgG、抗ヒトIg
G、抗マウスIgG、抗ウサギIgG、ヤギIgG、ヒトIgG、ウ
サギIgGなどを含む免疫グロブリン、及び抗グルコース
−6−リン酸デハイドロゲナーゼが含まれる。
典型的な不溶性タンパク質には、アプロチニン、フェ
チュイン、ゼラチン、グロビン、グリコホリン、ヘモグ
ロビン、インシュリン、ラクトアルブミン、パルブアル
ブミン、プロタミン、プロテインA、プロテインG、リ
ボース結合タンパク質、及びトリプシン阻害剤が含まれ
る。
典型的なレクチンには、Arachis hypogaea(ピーナッ
ツ)、コンカナバリンA、Dolichos biflorusGlycine
max(ダイズ)、Lens culinaris(レンズマメ)、Phyt
olacca americana(アメリカヤマゴボウ)、Pisum sati
vum(エンドウマメ)等が含まれる。
典型的なヌクレオチドには、アデノシンモノ−及びジ
リン酸、シチジンジ−及びトリリン酸、フラビンモノヌ
クレオチド、グアノシンモノ−、ジ−及びトリリン酸、
及びウリジンモノ−、ジ−及びトリリン酸が含まれる。
典型的なポリアミノ酸及びポリ核酸には、DNA、ポリ
アデニル酸、ポリシチジル酸、ポリリシン、ポリリボア
デニル酸、ポリリボシチジル酸、ポリリボグアニル酸、
ポリリボイノシン酸及びポリウリジル酸が含まれる。
本発明の親和性マトリックスは、基質と合成ポリマー
のマトリックスに対してリガンドを結合することを含ん
でいる。典型的には、固定相に固定化されアフィニティ
ークロマトグラフィーによって溶質相から相補的な分子
を結合するのに用いられるどのようなリガンドも考慮さ
れるものである。
本発明の親和性マトリックスは、試料の半径流又は接
線流を可能ならしめる装置内に構成される。「半径」流
は、試料が親和性マトリックスを貫通して流れる場合を
意図している。「接線」流は、試料が親和性マトリック
スの表面を通ってながれ、貫通することはない場合を意
図している。
一般的な調製技術 ビニルモノマーを共重合し続いてセルロース性基体に
対して共有結合することによって形成された複合材料
は、種々の厚みの紙の形で作成しうる。こうして作成さ
れた親和性マトリックスは打ち抜きされて、ディスク、
カラム、カートリッジ又はプレートのような適当なホル
ダーに装着される。
本発明の典型的な親和性マトリックスには、前述の如
きGMAのアミノ化反応によって形成された第一アミノ基
を含有するもの(「Aタイプ」)、過酸化物によるGMA
の酸化によって形成されたアルデヒド基を含有するもの
(「Gタイプ」)が含まれる。追加的なスペーサアーム
長を所望する場合には、例えばジアルデヒドとジアミン
の交互の組み合わせを用いて、どのような所望の長さの
スペーサアームを生成することも可能である。
Aタイプ及びGタイプの親和性マトリックスに対する
リガンドの固定化手順について、以下に詳しく説明す
る。
Aタイプの親和性マトリックスに対するリガンド固定化
方法 Aタイプのマトリックスは、親水性のスペーサアーム
(>10Å)の末端にフリーな第一アミノ基を有してい
る。これは小さなスケールでのリガンドの固定化及びタ
ンパク質、酵素及び抗体その他の親和的精製に非常に便
利である。
これらのAタイプのマトリックスは、多糖、即ちセル
ロース性基質に対する合成ポリマーの共有結合によって
形成された複合物質からなる。アミノ官能基は、例えば
1,6−ジアミノヘキサンのこの活性化複合物質に対する
共有結合によってマトリックス内に導入されている。こ
うして形成されたマトリックスは本来親水性であり、架
橋の度合が適当に調節されていることから寸法的にも安
定である。pH及び塩の条件の下における寸法変化は、無
視できるほど小さい。このマトリックス構造体は、高速
の流れについて多大の流束に耐えるのに十分な剛性を有
し、且つ高度に有孔性であって、半径流用に構成された
マトリックスを介して多量の移送を可能ならしめる。フ
リーな第一アミノ基は、アクリルアジド基、カルボニル
基及びアルデヒド基を有するリガンドを結合することが
できる。本発明の一つの実施例は、フリーな第一アミノ
基を有するプレリガンド中間体からなる。
結合の化学 アルデヒド基はグルタルアルデヒドとの反応によりマ
トリックス中で生成される。
こうして生成されたアルデヒド基は、アミノ基を含有
するリガンドとの結合反応に関与する。別の実施例は、
アルデヒドで終端された中間体を意図している。
Aタイプのマトリックスのグルタルアルデヒド活性化 アミノ基、好ましくは脂肪族第一アミノ基を含有する
リガンドを固定化するのに適するよう、Aタイプのマト
リックスをグルタルアルデヒドで活性化する。
A.材料 1.緩衝液A−リン酸ナトリウム(0.1M、pH7.3)。
2.緩衝液B-0.25Mの塩化ナトリウムを含有するリン酸ナ
トリウム(0.05M)(最終的にpH7.6)。
3.緩衝液C-0.25Mの塩化ナトリウムを含有するリン酸ナ
トリウム(0.05M)(最終的にpH6.5)。
4.グルタルアルデヒド−緩衝液A中10%のグルタルアル
デヒド。
5.塩酸グリシンエチルエステル−緩衝液C中の1%溶
液。pHを6.5に調節。溶液100ml当たり100mgのNaCNBH3
添加する。
B.活性化 1.Aタイプのマトリックスを室温において緩衝液Aで平
衡させる。
2.調製したグルタルアルデヒド溶液(上記A.4.参照)を
室温で6時間循環させる。
3.過剰のグルタルアルデヒドを緩衝液Aで洗浄して除去
する。グルタルアルデヒドが除去されたかどうかについ
て、シッフ試薬溶液を用いて溶出液を観察する。過剰の
グルタルアルデヒドが全て除去されたならば、マトリッ
クスはアミノ基を含有するリガンドと結合する準備がで
きたことになる。或いはまた、マトリックスは4℃で貯
蔵することができる。
C.リガンドの結合 1.pH6から8.5でNaCNBH3を含む(即ちリガンド溶液中1mg
/ml)適当な緩衝液を用いてアミノ官能性リガンド溶
液を調製し、室温又は4℃において6から16時間にわた
ってマトリックスを通して循環させる。
*アミノ官能性部分(例えばトリス、グリシン、エタノ
ールアミン等)を含有している緩衝液は使用すべきでな
い。
2.基線が得られるまで、同じ緩衝液により洗浄して未結
合のリガンドを除去する。
3.室温において約4時間、NaCNBH3の存在下にpH約6.5で
塩酸グリシンエチルエステル**を循環させることによ
り、過剰の活性基を不活性化する。
**100mlの緩衝液Cに1gの塩酸グリシンエチルエステ
ルを溶解。pHを調節。続いてNaCNBH3を最終的な濃度が1
mg/mlとなるように添加。
4.0.25から0.5Mの塩化ナトリウムを含有している何らか
の所望の緩衝液(pH5から7.6)により洗浄して試薬を除
去する。
D.結合したリガンドの測定 マトリックスに結合したリガンドの量は、緩衝液溶液
内に残された未結合のリガンドの量(段階C.2.)を測定
することによって間接的に計算される。測定を妨げる可
能性のある反応副生物を除去するために、残ったリガン
ド溶液を透析することが必要である。
Gタイプの親和性マトリックスに対するリガンド固定化
方法 Gタイプのマトリックスは、小さいスケールでのリガ
ンドの固定化、及びタンパク質、酵素、抗体その他の親
和的精製に非常に便利である。
これらのGタイプのマトリックスは、多糖、即ちセル
ロース性基質に対する合成ポリマーの共有結合によって
形成された複合物質からなる。アミノ官能性リガンドを
結合することのできる官能基が、ポリマーの形でこの複
合構造体中に導入される。典型的には、GMAをグラフト
したセルロースが過塩素酸塩と反応して、ヒドロキシル
化された中間体を生成する。過ヨウ素酸塩とさらに反応
すると、アルデヒド末端を生ずる。こうして形成された
マトリックスは本来親水性であり、架橋の度合が適当に
調節されていることから寸法的にも安定である。pH及び
塩の条件の下における寸法変化は、無視できるほど小さ
い。このマトリックス構造体は、高速の流れについて多
大の流束に耐えるのに十分な剛性を有し、且つ高度に有
孔性であって、マトリックスを介して多量の移送を可能
ならしめる。このマトリックスは沢山の隣位の水酸基を
有し、これらは過ヨウ素酸塩による酸化を行うため簡単
に利用できる。こうして生成されたアルデヒド基は、フ
リーな第一アミノ基、好ましくは脂肪族アミノ基との結
合反応に関与する。低分子量又は高分子量の何れのリガ
ンド[L](リシン、p−アミノベンズアミジン、プロ
テインA、アルブミン、IgGその他)も、高い結合効率
でもって親和性マトリックスに固定化される。典型的な
親和性マトリックスの調製の流れ図的な表示を以下に示
す。
A.材料 1.0.25Mの塩化ナトリウムを含む0.05Mのリン酸ナトリウ
ム緩衝液。最適pH6.0-8.0。結合の好ましいpH値は、 アルブミン−7.0-8.0 IgG-6.5-8.0 p−アミノベンズアミジン−6.2 注:アミノ官能性部分(例えばトリス、エタノールアミ
ン等)を含有している緩衝液は使用すべきでない。
2.メタ−過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4):新しく調製
した水溶液(1.5%)。
3.塩酸グリシンエチルエステル:1%水溶液。
4.水素化シアノ硼素ナトリウム(NaCNBH3)。この試薬
は新しくなければならない。(非使用時にはデシケータ
に保存する。) B.方法 1.チューブを用いて親和性マトリックスを組み立て、小
さな実験室用ポンプに接続する。
2.脱イオン水100ml(5回分)でマトリックスを洗浄す
る。新しく調製したNaIO4(1.5%)水溶液を室温で、0.
5から2時間に渡って4-6ml/分でもって通過させる。こ
の酸化は2時間継続した場合に最大の活性化が生ずる。
3.脱イオン水200ml(10回分)でマトリックスを洗浄しN
aIO4を除去する。NaIO4の除去を判定するために、溶出
液の導電性及びO.D.280をチェックする。
4.適当なリン酸緩衝液(材料の項に記載した如き)でマ
トリックスを平衡させる。
5.平衡緩衝液中で、リガンド溶液(10mg/ml)を調製す
る。このリガンド溶液をNaCNBH3の存在下に(リガンド
溶液中の最終的な濃度は1mg/ml。10ml以下のリガンド
溶液については、最低10mgのNaCNBH3が必要。)4-5ml/
分において循環させる(4-10時間)。
*50μlのNaCNBH3がリガンド溶液中における最終的な
濃度を1mg/mlとするのに十分となるようにNaCNBH3を緩
衝液中に溶解する。NaCNBH3試薬は貯蔵の間に分解し易
いものであるから、NaCNBH3溶液(50μl)の添加は結
合過程の間に2回から3回繰り返す。
6.吸光度が基線に安定化するまで、リン酸緩衝液で洗浄
して未結合のリガンドを除去する。
7.NaCNBH3の存在下にpH6.5の塩酸グリシンエチルエステ
ル溶液**を室温で約4時間循環させることにより、過
剰の活性基を不活性にさせる。
**1gの塩酸グリシンエチルエステル100mlの平衡緩衝
液に溶解する。pHを6.5に調節する。次いで最終的な濃
度が1mg/mlとなるようにNaCNBH3添加する。
8.0.25から0.50Mの塩化ナトリウムをそれぞれ含む高及
び低pHの緩衝溶液でマトリックスを交互に洗浄(4回)
して、過剰の試薬及び残余の未結合リガンドを最終的に
除去する。
9.続いて標準的な確立された手法により、試料を適用し
所望とする生成物を溶出させる。
10.リガンドを結合したマトリックスを4℃において、
0.9%の塩化ナトリウムを含有する0.02%のアジ化ナト
リウム又は適当な防腐剤(pH6.0-7.0)中で貯蔵する。
C.結合したリガンドの測定 マトリックスに結合したリガンドの量は、緩衝溶液中
に残された(段階6.)未結合のリガンドを測定すること
により間接的に計算される。低分子量のリガンド(例え
ばp−アミノベンズアミジン、リシンなど)の場合に
は、この測定は適当な呈色反応又は紫外線によって行わ
れる。巨大分子(例えばプロテインA、抗体など)の場
合には、測定を妨げる反応副生物を除去するために、未
結合リガンド溶液を透析することが必要である。
親和性マトリックスを用いた酵素の除去 1.IgGからのプラスミノーゲンの除去 人体において存在する血液凝固という代謝は、二つの
逆の過程を経て生ずる。即ち血液凝固系に伴うフィブリ
ン形成過程と、フィブリノリシン系によって行われるフ
ィブリン除去過程である。通常の生理学的条件において
は、これら二つの系は実質的に不活性のものである。し
かしながら緊急の場合には、血液内因子によってかなり
の量のプラスミンが不活性な前駆体から突然に活性化さ
れ、系は非平衡となる。臨床的な研究から、ストレスで
突然死した人の血液は液状で凝固しない形であることが
示されている。現在ではこの状態は、プラスミノーゲン
から活性化されたプラスミンによるフィブリンのタンパ
ク質分解溶離に目づくことが知られている。従って、フ
ィブリノリシン的な影響を除去してIgGの切断を避ける
ためには、IgGからプラスミノーゲンを除去しなければ
ならない。
プラスミノーゲン及びプラスミンは両方とも、ガンマ
グロブリンであるかのように振る舞う。プラスミノーゲ
ンの等電点は、pH5.6にあると見積もられている。これ
は恐らく糖タンパク質であり、少量のリンを含んでい
る。異なる研究者によって、分子量は143,000又は84,00
0であると報告されている。この分子は、軸比が9から1
6の非対称な形状であるかのように振る舞う。ヒトのプ
ラスミンの化学的性質はプラスミノーゲンのそれと類似
しているが、活性化の際における幾つかの分子の分離の
ため、分子量は僅かに小さい。プラスミノーゲンからプ
ラスミンへの変換は、非対称形状からよりコンパクトな
球形タイプのものへの形状変化を伴う。
IgGからタンパク質分解酵素を除去することは、その
溶液を酵素阻害剤が結合された親和性マトリックスを介
して通過させることにより行われる。プラスミノーゲン
系の全ての考えられる阻害剤の中で、以下の三つのもの
が最も有効であることが見出された。
(1)ε−アミノカプロン酸又はリシン (2)メチル−p−アミノシクロヘキサンカルボン酸 (3)トラシロール 好ましい実施例においては、阻害剤、即ちε−アミノ
カプロン酸がCNBr活性化を用いてセルロース−GMAマト
リックスに結合される。さらに、ある種の第四アミンは
プラスミン活性を示すことが見出されておりまたプラス
ミノーゲンが等電点5.6を有することから、QAE及びDEAE
MAマトリックスによるプラスミノーゲンの除去もある程
度まで生ずる。
プラスミノーゲン活性の測定方法 カゼイン法 ヒトの血漿中におけるプラスミノーゲンの濃度を測定
するために開発された技術は、プラスミンのタンパク質
分解活性を基礎としている。プラスミノーゲンは直接に
は測定できず、ウロキナーゼによる活性化を介してプラ
スミンへと変換されねばならず、次いでこのプラスミン
を、何らかの基質に対するそのタンパク質分解活性から
測定する。プラスミンの生理学的基質はフィブリノーゲ
ンであるが、より良好な感受性及び再現性のためには、
カゼインの如き合成基質が好ましい。カゼイン法の原理
は、プラスミノーゲン活性として表される、所定の時間
内においてカゼインを消化する血漿中のプラスミノーゲ
ンの能力を分析することである。かかる活性は、プラス
ミンのタンパク質分解作用に基づくカゼインの加水分解
により放出されたチロシン当量によって測定することが
できる。標準的な方法はトロンボル試薬についてNHI(N
ational Heart Institute)によって確立された。
2.カリクレインの除去のための親和性マトリックス Cohnの冷エタノール分留法によって作成されたIgG
は、プレカリクレイン活性化物質(PKA)活性、活性化
血餅因子、及びエステラーゼ活性といった、望ましくな
い有害な外因性活性を含むことが知られている。これら
の外因性活性は、「血圧降下応答を生ずるための患者に
対する血管内投与」Alvingら、New England J.Med.299:
66(1978)において報告されている。酵素阻害剤をリガ
ンドとして、例えばセルロース基質、好ましくは前述の
ようにして変性されたセルロースに対して結合すること
により、カリクレインの如きプロテアーゼが血漿中から
除去される。カリクレインは他のセリンプロテアーゼと
同様に、カプロン酸p−カルボエトキシフェニルεグア
ニジンの如き合成化合物によっても阻害される。カリク
レインの除去については、セルロース−GMAに結合した
ベンズアミジンが好ましい親和性リガンドである。
通常、アルコール性溶媒及び/又は界面活性剤の存在
下に、疎水性コモノマー(b)(ii)が共重合混合物中
に添加される。次いでアルコールによる洗浄が行われ
る。
本発明の変性多糖物質から自己支持性の繊維質媒体を
好ましく形成することは、重合及び多糖の変性の直後に
行うことができる。この態様においては、親和性リガン
ド又は生体分子の固着は、形成されたシートそれ自体の
上において実行しうる。或いはまた、親和性リガンド又
は生体分子の固着の後に繊維質媒体が形成される。好ま
しい方法は、多糖の変性の後に繊維質媒体を形成し、そ
してシート上への固着といったさらなる反応を実行する
ことである。
好ましくは、本発明の変性多糖を用いた自己支持性の
繊維質媒体は、繊維と、そして所望ならば付加的な樹脂
及び変性又は未変性微粒子の水性スラリーを真空濾過す
ることにより作成されることができる。これにより均一
の高度の有孔性と、優れた流れ特性を備えた微細な孔径
の構造と、繊維、樹脂及び微粒子に関して実質的な均質
性を有するシートが形成される。
真空濾過は有孔性表面、通常は織成ワイヤメッシュ上
で行われ、これは実際には50メッシュから200メッシュ
のものであって、メッシュ開口はそれぞれ280ミクロメ
ートルから70ミクロメートルである。より細かいメッシ
ュは、詰まりの問題及び/又は構造的な不適当さから、
適していない。
全部の成分(変性繊維、他の繊維、微粒子、変性微粒
子、他の樹脂その他)をスラリーに添加する順序は、混
合過程の間にスラリーが調節された流体力学的な剪断力
を受けるのであれば、比較的重要ではない。スラリーは
通常、例えば約4%の濃度でもって調製され、次いで真
空濾過とシートの形成に必要とされる適当な濃度へと、
水を追加して希釈される。この適当な濃度というのは、
シートを形成するのに使用される装置の種類によって異
なる。典型的には、スラリーは有孔性の表面上に成形さ
れ、通常の仕方で真空濾過され乾燥される。
平坦で寸法的に安定なシートは所望に応じてどのよう
な厚みであることもでき、次いで各々の用途の種類に応
じて適当な寸法に切断される。一つの実施例において
は、湿ったシートが乾燥されて、次いでディスクを形成
するよう適当な寸法に切断される。このディスクは適当
な寸法の円筒状のカラムに装填して、所望とする媒体を
形成できる。ディスクと円筒は好ましくは締まり嵌めす
べきであり、それによりディスクが歪みなしに円筒内に
押し込まれるが、重力によって落下してディスクと円筒
の間にギャップが生じないようにされる。カラムが乾燥
状態で充填された後、カラム内に積み重ねられた要素を
通して溶媒を給送するようにポンプを用いることが可能
である。幾つかの実施例では、要素は膨潤して円筒の壁
面に対する実質的に緊密な端部シールを形成する。個々
の要素は寸法的に安定であるから、カラムは方向や取り
扱いといった、他のクロマトグラフィー媒体に共通する
問題、特にゲル状の媒体を用いる場合のそれに対して敏
感ではない。しかしながら、この媒体はシート状形状に
おいて用いる場合においても同様に好適なものである。
別の実施例においては、シート状の固定相が、一般的
な形状のカラムを用いたクロマトグラフィーカラムにお
ける固定相として使用される。そのようなカラムの一つ
がLeekeらの米国特許第4,496,461号に記載されており、
その全部をこの参照によってここに取り込むこととす
る。
第1図に示された一つの実施例においては、カートリ
ッジ形状の半径流カラムが全体的に10で示されている。
これは円筒形の固定相12と、この固定相12のハウジング
として作用する円筒形のチャンバ14を形成する円筒形の
チューブ13とを含んでいる。固体の固定相12は、ガラ
ス、金属又はポリマーから形成されたチャンバ14内へと
挿入可能であり、チューブ即ち円筒13は、固定相12の外
径よりも幾らか大きな直径を有している。通常の分析的
及び調製用のカラムにおけると同様に、適当な流体受
容、回収及び監視用のシステムをこのカラムと共に用い
ることができる。固定相12はチャンバ14内に配置されて
おり、好ましくは円筒形チャンバ14の軸と同心の長手方
向軸16を有する。選択的に、複数のカートリッジを種々
の輪郭形状でもって単一のハウジング内に配置すること
もでき、それによって並列及び/又は直列の流れをカー
トリッジ間で行うことができる(図示せず)。固体の固
定相はクロマトグラフィー的官能性を有し、アフィニテ
ィークロマトグラフィー及び逆相クロマトグラフィーに
よる分離に有効である。
第2図及び第3図に示された実施例を参照すると、固
定相12は膨潤可能なマトリックス18で構成されており、
これは親水的に膨潤可能であってシート形状の、クロマ
トグラフィー分離用の活性媒体である。一つの実施例で
はこのマトリックスは繊維質である。シート状のクロマ
トグラフィー用媒体18は、単一の不織メッシュ22又は複
数のメッシュの間に挟み込まれている。クロマトグラフ
ィー用媒体18と例えば不織メッシュ22との複合シートは
長手方向軸16を有する円筒形のコア24の周囲に巻回され
ていて、軸16の周囲に複数の層を形成している。コア24
には複数の長手方向且つ軸方向を向いたチャネル21が備
えられており、コア24と流体的に連通している周囲のチ
ャネル23内へと流体を方向付けている。メッシュ22はそ
の開口性及び厚みの故に、媒体18の各々の層の間におい
てスペーサ手段として作用しており、媒体の調節された
膨潤を可能ならしめ、また固定相12を通って流れる試料
の分配性を高めている。周縁のチャネル23からコアの中
空の内部へと試料を流すために、円筒状のコア24にはそ
の頂部近辺に開口26が設けられている。
第1図を参照すると、巻回された複合シート18及び22
とコア24は、固定相端部キャップ32及び34で蓋をされて
いる。この半組立体の固定相端部キャップ32及び34は、
コア24並びに複合体18及び22の端部に対する熱可塑性溶
着によってシールされている。18,22,24,32及び34から
なるこの半組立体は次いで、チャンバ14内に入れられて
いる。次いで、円筒端部キャップ36が円筒13の頂端部31
に対して熱可塑性的に溶着されている。流体即ち試料42
はかくして、固体の固定相を通って外側からコア24の中
空のチャネル21を通って半径方向に流動することができ
るが、それは内部と外部が固体固定相によって完全に分
離されており、また固定相端部キャップ32及び34によっ
て密封されているからである。
予め形成された固定相端部キャップ32及び34は、円筒
形の固体固定相12に対し、熱可塑性の固定相端部キャッ
プの内側表面を、この固定相端部キャップがコア24並び
に複合シート18及び22と熱可塑性的なシールを形成する
のに十分なだけ固定相端部キャップを軟化させるのに十
分な温度へと加熱することによって適用するのが好まし
い。全ての端部はこのときに、この軟化された材料中に
埋め込まれる。軟化された材料は次いで、典型的には外
気条件の下で硬化されて、固定相端部キャップ32及び34
の密封表面と、コア24及び固体固定相12の端部との間に
熱可塑性密封関係を形成して、漏れのないシールを形成
する。このようにして固定相端部キャップを適用する方
法は、濾過技術においては周知のものである。例えば19
82年5月28日に出願されたMeyeringら及びMillerの米国
特許出願第383,383号及び米国特許出願第383,377号を参
照されたい。選択的に、固定相端部キャップは固体固定
相上に対して現場で一体成形することもできる。
熱可塑性の固定相端部キャップが好ましいのは結合が
容易なことによるが、結合が行われるまでの間に、熱硬
化性樹脂を熱可塑性で溶着可能即ち熱によって軟化可能
な重合段階において使用することも可能である。その後
樹脂の硬化が行われ、分離することのできない構造体が
生成される。かかる構造体は、液密なシール、固体固定
相12及び固定相端部キャップ32及び34を破壊する危険性
なしにオートクレーブにかけることができる。生物医学
的な用途については、殺菌用オートクレーブで処理する
条件の下で軟化することのない、軟化点が十分に高い熱
可塑性樹脂が好ましい。使用可能なプラスチック材料の
例は、ポリオレフィンである。
第1図を参照すると、一つの好ましいカラム10は、半
組立体18,22,24,32及び34の外部に開放されることがな
く封鎖されている一端において、固定相端部キャップ34
を有している。この固定相端部キャップ34は円筒13の底
端部壁44に嵌まり込むことができ、その一方で固定相12
の外側を回ってチャンバ14内への試料42の流れを許容す
る。つまり半組立体18,22,24,32及び34のこの下側にあ
る固定相端部キャップ34は、円筒13の底端部壁44から間
隔を空けた関係にあり、かくして試料42のチャンバ14内
への流れを許容しているのである。
カートリッジ40の上端は、円筒形のコア24のチャネル
21と流体的に連通している円筒端部キャップ36を有し、
かくして円筒形のコア24の外側周縁から円筒端部キャッ
プ36の外側への流体の流れを許容している。円筒端部キ
ャップ36には、結合手段(図示せず)を介して流体的な
結合を行うための取り付け具48が成形されている。
第2図を参照すると、コア24に対してクロマトグラフ
ィー用媒体18を巻回するに先立って、コア24の外側表面
は織物材料20で完全に覆われる。付加的に、コア24に対
してクロマトグラフィー用媒体18を巻回した後に、その
外側表面をメッシュ材料22で完全に覆うことができる。
第4図から第10図は本発明のクロマトグラフィー用カ
ラムの別の実施例を示しており、この実施例ではカラム
はディスク状の形状であって、この場合に同じ符号は同
様の部材を示している。
第4図から第10図を参照すると、カラムはディスク形
状であって全体的に110で示されており、入口ハウジン
グ部材112と、出口ハウジング部材114と、固定相116と
からなっている。
入口ハウジング部材112は、試料入口手段118と、バッ
フル手段120と、試料分配手段122とからなる。試料入口
手段118は、試料分配手段122と連通している。
試料分配手段122は複数の半径方向分配チャネル又は
溝130と、複数の同心分配チャネル140とからなり、半径
方向分配溝130と同心分配チャネル140とは相互に、また
入口手段118と連通している。半径方向分配溝130は、第
10図のラインP1と第12図のP1’によって示された平面に
置かれた分配溝底部と、分配溝壁部分134a及び134bとを
含む。同心分配チャネル140は、同心分配チャネル底部1
42と、同心分配チャネル壁部144a及び144bと、同心分配
チャネル頂部146とを含む。
選択的に、入口ハウジング部材112は抜気手段150を含
むことができるが、その機能及び作動については以下に
述べる。抜気手段はチャンバ152と連通している。チャ
ンバ152は、入口ハウジング部材112と出口ハウジング部
材114によって形成されている(第4図及び第10図参
照)。チャンバ152は、固定相116を含んでいる。
出口ハウジング部材114は、試料収集手段154と試料出
口手段156を含み、試料収集手段154は試料出口手段156
と連通している。
試料収集手段154は、複数の半径方向収集溝160と、複
数の同心収集チャネル170を含む。半径方向収集溝160
と、同心収集チャネル170は相互に、また試料出口手段1
56と連通している。
半径方向収集溝160は、第4図のラインP2と第10図のP
2’によって示された平面に置かれた半径方向収集溝底
部と、半径方向溝壁部164a及び164bを含む。同心収集チ
ャネル170は、同心収集チャネル底部172と、同心収集チ
ャネル側壁部174a及び174bと、同心収集チャネル頂部17
6とを含む。
固定相116はクロマトグラフィー的官能性を有し、ク
ロマトグラフィー的な分離に有効である。第7図及び第
8図、特に第8図を参照すると、固定相116はクロマト
グラフィー的官能性を有しクロマトグラフィー的な分離
に有効なシート状のマトリックス180の複数の層と、選
択的にこの膨潤可能なマトリックス180の隣接する各層
の間のスペーサ手段182とを含む。この構成は、分離相1
0の一つの実施例の断面図である第9図に最もよく示さ
れている。このマトリックスは膨潤可能なマトリックス
でありうる。一つの好ましい実施例において、膨潤可能
なマトリックスは繊維質である。
膨潤可能なものの場合、マトリックス180は親水性的
に膨潤可能であり、クロマトグラフィー用分離のための
活性媒体を含む。選択的なスペーサ手段182は、典型的
には織成された又は不織のメッシュであって、上述した
第2図及び第3図のメッシュ22に類似のものであるが、
これについて以下にさらに述べる。即ちこのメッシュは
開口性及びその厚みの故に、マトリックス180の各層の
間のスペーサ手段として機能し、媒体の有孔構造を閉塞
することなしに制御された膨張を可能ならしめ、それに
よって固定相116を通って半径方向に流れる試料の分配
性を高める。
第8図において観察されうるように、固定相116を形
成する方法は、シート状の膨潤可能なマトリックスの層
とスペーサ手段の層とが交互になった「サンドイッチ」
を構成し、このサンドイッチ体の周縁を圧縮して液密な
構造184とすることにある。典型的には、膨潤可能なマ
トリックス180とこれと交互のディスクとスペーサ手段1
82の周縁が結合される。好ましくは、マトリックス180
は熱可塑性重合物質を含み、或いはこれを内部に結合し
ている。同様にして好ましい実施例においては、スペー
サ手段182はまた熱可塑性ポリマー材料から作成され、
或いはこれを含有している。この構成において、端部は
選択的には、熱処理、超音波熔接その他の如き適当な手
段によって均一に結合される。第4図に見られるよう
に、好ましい実施例において、液密な周縁構造184はそ
れ自体が、入口ハウジング部材112と出口ハウジング部
材114のそれぞれの噛み合う端部186と188によって形成
された、液密で気密のシールに含まれている。このよう
にして、入口手段118を通って導入された試料は、出口
手段156を通って排出される前に、固定層116を通過しな
ければならない。
第4図から第10図のディスク形状のクロマトグラフィ
ーカラムは、通常の周知の製造技術を用いて形成されう
る。固定相116と、膨潤可能なマトリックスとスペーサ
手段の交互の層による予め形成された「サンドイッチ」
は、選択的に超音波熔接され第9図の如くに構成された
周縁端部と共に入口ハウジング部材112に配置され、そ
の上に出口ハウジング部材114が置かれる。その後、入
口ハウジング部材188と出口ハウジング部材190の噛み合
い端部186が結合されて、気密且つ液密なシールが形成
される。超音波熔接が望ましい場合、コネチカット州ダ
ンブリーのBranson Sonic Power Companyの1971年のイ
ンフォメーションシートPW-3に記載されている技術を使
用することが可能であり、その内容はこの参照によって
本明細書に取り入れることとする。
前述した抜気手段150は、カラムのディスク状の実施
例の選択的な構成を表す。その目的は、使用中にカラム
内の空気をカラムから排出せしめることである。典型的
には、抜気手段150は系中からすべての空気が除去され
た場合に閉塞されるように構成される。別の実施例にお
いては、抜気手段150は疎水性媒体を含み、それはここ
に参照して内容を本明細書に取り込む米国特許第4,113,
627号に開示された如く、ガスの通過は許容するが液体
の通過は許さない。
第10図に示す別の実施例においては、チャンバ152は
半径方向外方へと拡がっている。「半径方向外方に拡が
る」という用語は、チャンバ内側の容積がチャンバ周縁
の容積よりも小さいということを意味している。この構
成においては、第10図を参照すると、内側d1の分配手段
112と収集手段114の間の距離は、周縁d2における分配手
段112と収集手段114の間の距離よりも小さい。
固定相116が親水的に膨潤可能な場合、分離相116と接
触している試料溶液は分離相の膨潤を生ぜしめる。分離
相が膨潤するにつれて、分離媒体の入口側と出口側の間
の圧力差は増大し、かくして試料の流通を制限する。ハ
ウジングを前述のように、即ち半径方向外方に拡がるよ
うに構成することにより、固定相の入口側と出口側の間
の圧力差は周縁に向かうにつれて減少し、かくして固定
相のクロマトグラフィー的な分離機能の利用を最大化
し、所与のユニットの吸着能力を実質的に増大せしめ
る。上述したハウジングの構成は、膨潤可能でない固定
相についても採用可能である。
やはり第10図に示された別の実施例においては、連続
する同心分配チャネル140と同心収集チャネル170の各々
の容積は、クロマトグラフィーカラムの内部から周縁へ
と増大する。こうして、親水性で膨潤可能な固定相の膨
潤によるチャネルの閉塞は防止され、かくして試料の均
一な分配とカラム能力の最大限の利用が促進される。
第10図に示された実施例において、ラインA、A'、C
及びC'は、クロマトグラフィーカラムの長手方向軸Lに
垂直な平行した平面の断面図を表すラインである。ライ
ンB及びB'はそれぞれ、同心分配チャネル140と同心収
集チャネル170の頂点146及び176に実質的に接する平面
の断面図を表す。ラインB及びB'は、ラインA及びA'と
α及びα′という角度をなす。従って、ラインA及びA'
に対してα及びα′という角度をなすラインB及びB'
は、それぞれ半径方向外方へと拡がるチャンバ152を定
義するものであり、これはまた、固定相116の拡がりに
対する限界を画するものである。前述したように、半径
方向外方に拡がる実施例について最適な形状は、固定相
116が最も外側の頂点146及び176と丁度接触している如
きものである。このとき固定相116が膨潤可能なもので
ある場合には、その最も膨潤した状態において、固定相
は最も外側の頂点146及び176と丁度接触する。α及び
α′という角度は同じか又は異なるものであり、膨潤可
能なマトリックスの層の数や、使用されている特定のマ
トリックスに応じて変化しうるものであることを理解す
べきである。典型的には、α及びα′は約2-1/2°であ
る。
ラインD及びD'はそれぞれ、同心分配チャネルの底部
142及び同心収集チャネルの底部172を含む平面の断面図
を表すものであり、平面C及びC'に対してβ及びβ′と
いう角度を画成している。従って、平面C及びC'に対し
てそれぞれβ及びβ′という角度をなす平面D及びD'
は、段々と深さを増しているチャネル140及び170の傾斜
を定義するものである。第10図の実施例においては、β
及びβ′は典型的にはそれぞれ約5°である。しかしな
がら、これらの角度は何れも相互に、また絶対的に変化
しうるものである。
同様にして、半径方向分配溝130及び/又は半径方向
収集溝160がカラムの内側から周縁へと向けて容積を増
大するようにクロマトグラフィーカラムを構成すること
も、本願発明の範囲内にある。そのような構成は、ここ
に参照して内容を本明細書に取り込む米国特許第3,361,
261号に開示されている。
当業者に了解されているように、クロマトグラフィー
カラムの滞留容積は最小限にすることが望ましい。これ
を念頭におけば、半径方向外方に拡がるチャンバの最適
な構成は、距離d2が膨潤可能な固定相の最大限までの膨
潤を可能ならしめると共に、未使用の空間が残らないよ
うにする如きものである。このようにして、周縁におけ
る差圧は最小となり、他方同時に滞留容積もその下限ま
で減じられる。このハウジング構成はまた、マトリック
スの単一層、又は層の間に何のスペーサ手段も介在させ
ることなしにマトリックスの複数層を使用することを可
能ならしめる。半径方向外方に拡がるチャンバは、こう
して構成された固定相と協働して、それを横断して試料
を均一に分配せしめる。
一体性があり取り扱い容易なクロマトグラフィー媒体
マトリックスを提供するためには、有孔のマトリックス
を形成するために用いられる少なくとも一つの成分が長
い自己結合性の構造繊維であることが望ましい。そのよ
うな繊維は固定相に対し、湿潤した「形成されたまま」
の状態及び最終的な乾燥状態の何れにおいても、十分な
構造的一体性をもたらす。かかる構造は、処理の間およ
びその目的とする使用時に際して、固定相を特にシート
として取り扱うことを可能ならしめる。好ましくは、ク
ロマトグラフィー用媒体を形成するシートは、繊維の水
性スラリーを真空濾過することによって形成される。シ
ートはまた、圧力濾過し又は非水性スラリーからフェル
ト状にされうる。このシートは、優れた流れ特性と共に
均一な高度の有孔性を示し、実質的に均質である。一般
に、この媒体は厚みが約5ミルから約150ミル(乾燥状
態)の範囲にあるが、より厚い又はより薄いシートであ
っても、そのシートが螺旋状に巻回され又は積層されて
上述したように作動しうるカラムを形成しうるならば使
用することが可能である。
本発明のクロマトグラフィーカラムを構成するに当た
っては、カラムに使用されるクロマトグラフィー用媒体
がその全長及び全幅にわたって均一な厚みであり、また
媒体が全体にわたって実質的に均一な密度を有すること
が重要である。媒体の層が、それ自体に関して実質的に
均質であることが好ましいが、しかしある種の用途及び
材料については、不均質な構造も使用可能であることが
理解されよう。
固体の固定相は使用時において、固体固定相を横切る
実質的な圧力差を維持することによって分離を行うこと
が意図されているから、固体固定相がそれに対して加え
られる負荷の下において変形に耐えるに十分な程度の圧
縮強さを有することが必須である。かかる圧縮強さは媒
体それ自体に存在するばかりではなく、スペーサ手段
(存在するならば)及びクロマトグラフィー媒体や固体
固定相が押し付けられる内部コアにも存在しなければな
らない。
媒体の膨潤可能性の故に、本発明の一つの要素とし
て、媒体の各層の間のスペーサ手段及び/又はチャンバ
の壁部とマトリックスとの間の共働がある。かかるスペ
ーサ手段は本発明のこの側面については必須のものでは
なく、一つの実施例においては、クロマトグラフィーカ
ラムはそのようなスペーサ手段を含まずに調製しうる。
そのようなカラムにおいては、本発明の自己支持性のマ
トリックスは単一で連続的なカラム媒体からなる。媒体
が大きな膨潤を受けないカラムにおいては、スペーサ手
段を省略するのが有利である。スペーサ手段は媒体の調
節された膨張と、固定相を通って流れる試料の分配性を
高めることを可能ならしめる。膨潤可能なクロマトグラ
フィー用媒体の各層の間に設けられたスペーサ手段は、
試料が固体固定相を介して通過するに際しての、試料の
分配的な動きをもたらす。スペーサ手段は、使用の間に
クロマトグラフィー用媒体の厚み及び密度を均一に制御
するよう機能する。また、スペーサ手段はクロマトグラ
フィー用媒体の層のための裏打ち又は支持体として役立
ちうる。この最後の側面は、製造段階において特に有用
である。
使用されるどのようなスペーサ手段も、クロマトグラ
フィー工程に関して不活性な材料から構成することが好
ましい。不活性というのは、その材料が固体固定相の機
能に悪影響を及ぼさないという意味である。
第2図及び第3図を参照すると、スペーサ手段はメッ
シュ22からなっている。或いはまた、カラムの構成が第
4図から第10図に示された如きものである場合には、ス
ペーサ手段182はメッシュ又は織布とメッシュからなる
ことができる。織布材料は媒体を通って流れる試料をあ
る程度案内する機能を営むことができ、媒体を通って試
料を軸方向及び周縁方向へと実質的に均一に分配させ
る。メッシュ材料は媒体の間に間隔をもたらし、この透
過性の媒体の圧縮による流れの「遮断」を防止すべく、
媒体の膨張を調節することを可能ならしめると共に、媒
体を通って流れる試料の分配又は案内を助ける。
メッシュ材料は、一般的な指標として1/16インチ(1.
6mm)から1/4インチ(6.4mm)の範囲の開口を有する開
放型の材料である。
この選択的なスペーサ手段、即ち織物及び特にメッシ
ュ材料の厚みと、そして使用される各々のものの孔径
は、これらの因子を変化させる試験を行うことにより、
当業者が容易に決定できることに注意すべきである。こ
れらのスペーサ手段の開口度及び厚みといった因子は、
例えば膨潤性、湿潤性、厚み、化学的組成等の使用され
る媒体のタイプ、固定相を通る試料の流量、そして例え
ば巻回数、媒体の厚み、固定相の直径等による固定相の
表面積に大きく依存している。従ってこれらの変数を明
確に特定することは非常に困難であり、これらは試行錯
誤により、或いは最適なパラメータを決定するより複雑
な試験法によって決定されうるという以外にない。
現時点において好ましいメッシュ材料は、ポリプロピ
レンCONWED(TD-620グレード)である。
本発明による固定相の全幅は無限であることができ、
実際の直径は空間的な制約といった実用上の考慮のみに
よって制限されている。全体的なカラムの直径又は幅
は、理論的な限界を受けずに増大することが可能である
から、カラムのベッドで分離されるべき試料の大きさや
物質的な量に制限はない。従って直径は、作成すべき試
料物質の所望とするだけの量を分離するよう増大してい
くことが可能である。
操作に際しては、試料は固定相を通って押し進めら
れ、クロマトグラフィー用媒体によって個別のクロマト
グラフィー分画に分離される。選択的に用いられるスペ
ーサは、この試料がカラムを通って移動するにつれてそ
の流れを誘起し且つ許容して、媒体の潜在的な能力のよ
り具合の良い引き出し及び利用を行わしめる。
第1図を参照すると、試料はカラムの底部において好
ましく導入されており、固体の固定相の外側表面へと流
れ、次いでクロマトグラフィー用媒体及びスペーサ手段
の層を介して半径方向内方へと流動してコアチューブ24
のチャネル21へと入り、中央から流去されている。以上
に記載したところから、半径方向流はまた反対方向に循
環せしめられることが明らかであろう。
第4図を参照すると、試料は好ましくは入口118から
導入され、分配手段122へと通過し、半径方向分配溝132
及び同心分配チャネル130によって固定相116の表面上へ
と実質的に均一に分配され、そして半径方向収集溝140
及び同心収集チャネル170を通り、出口156を介して排出
される。
本発明のクロマトグラフィーカラムは、普通のカラム
を用いて一般に行われる周知のアフィニティークロマト
グラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによる分離の
どのようなものにも使用することができる。さらに、本
発明のカラムは従来のカラムが非実用的であるような分
野においても有用であることが見出されよう。
以上に述べた実施例は、クロマトグラフィー用媒体を
介しての物質の半径方向への分配のみを示しているが、
非半径方向の分配(例えば以下により詳しく説明する線
形又は接線方向への分配など)もまた、有利に採用しう
ることが了解されよう。
本発明のカラムは、分析及び調製の分野における分離
のために使用することができる。カラムは全ての通常の
形式のクロマトグラフィー装置に結合できる。幾つかの
カラム又は固体固定相のカートリッジを、直列又は並列
に接続することができる。大きなユニットの場合には、
複数のカラムに同一の又は別々のアフィニティークロマ
トグラフィー用又は逆相クロマトグラフィー用媒体を収
容することができ、またそれらは同一又は異なる長さ及
び/又は直径のものでありうる。例えば、1984年5月18
日に出願されたDalyらの米国特許出願第611,662号を参
照のこと。この出願の内容は、ここに参照して本明細書
に取り込むこととする。前述した固定相は、媒体の吸着
能力を損なうことなしにカラムを通る流れを増大せしめ
るという、予期しない効果を生ずることが見出されてい
る。さらに、タンパク質及び染料染色試験を行った場
合、本発明の固定相は、本明細書に記載のスペーサ手段
を使用していない固定相と比較した場合、圧力降下の増
大なしに、固定相を通る試料の流れの一様な分配をもた
らすことが見出された。
本発明の固定相は、全体的な処理時間を減少せしめる
と共に、適切なクロマトグラフィー用媒体と共に使用さ
れた場合には、優れた結合能力を有するものである。こ
の固定相は標準的な形式のポンプ、重力送り、また注射
器などについて、好ましい使用モードでは1から50psi
の圧力、そして真空下においてさえも使用されうる。ク
ロマトグラフィー用媒体の固定相は、殺菌状態を確実な
ものとするように、全部が容器内に入れられ、完全に密
封式である。固体の固定相が工場で製造され組み立てら
れるという事実の故に、固定相はそれぞれ相互に同一で
あって、これまで知られているカラムのように偏差はな
く、包装の専門的技術に対する依存性を排除している。
試料の分配性を最大にし、滞留容積を最小限にし、内
側から周縁に向かって減少する圧力差勾配を生成して固
定相の最大の利用を図るようにカラムを構成することに
より、カラムの有用な有効寿命は実質的に改善される。
これらのカラム及びディスクは、媒体を介して試料を
半径方向に分配するための手段が備えられるという点に
おいて、特に有用である。従って、媒体のシートを第1
図のカラム内にディスク形状でもって、スペーサ手段と
共に又はそれなしで積み重ねることもできる。
細胞を含む流体試料、例えば醗酵媒体又は血液を精製
する目的については、親和性マトリックスを横切る血液
の接線流が好ましい。「接線流」又は「媒体を横切る接
線流」とは、流体試料がクロマトグラフィー用媒体を横
切るが貫通しないように方向付けられることを意図して
いる。典型的な接線流用の構成については、Liberteの
米国特許第4,551,435号(1985年)に記載されており、
その内容はこの参照によって本明細書に取り込むことと
する。血液が1から20μメートルの大きさの種々の細胞
と、400以上もの各種のタンパク質を含むという事実に
より、媒体を貫通して流動させることによって血液を処
理することは困難である。第14図に示されている如く、
血液がマトリックス201を通って流れる場合、血液細胞2
19はマトリックス表面に捉えられる傾向がある。
細胞壁の溶解、例えば赤血球の溶解は、一般に非常に
短時間の間に40,000dyne/cm2以上、又は1秒以上の時間
について約3,000dyne/cm2の非常に高い剪断応力を伴っ
ている。剪断応力の値はまた、表面積、マトリックスの
表面特性、マトリックスに対する血液成分の接着性、流
れのパラメータ及び特定のマトリックス又は壁によって
惹起される凝固機構などにも依存している。溶血、即ち
細胞からの遊離ヘモグロビンの流出は、赤血球の破壊の
基本的な指標である。
マトリックスの表面を横切る血液の接線流によって細
胞の溶解を減少することが可能であり、剪断応力は3,00
0dyne/cm2より少ない。血液がある表面に対して接線方
向に流れる場合、表面に隣接して浮遊層即ち無細胞領域
が形成される。浮遊層が失われると、遊離ヘモグロビン
が血漿内に流出され、膜の抵抗性が増大する。第14図に
示されているように、マトリックス201を横切る血液の
接線流は、細胞219が媒体を通過することを可能ならし
め、同時に不純物がマトリックスにより吸着されうるよ
うにする。本発明の改良されたマトリックス表面と分離
装置の構成は、最適な流動条件と一緒になって、剪断応
力及び細胞の溶解の問題を克服するものである。
一般に細胞は、エネルギーの低い疎水性表面よりも、
エネルギーの高い親水性表面に対してより容易に付着す
る。表面電荷が全体で負である血小板は、陽イオン性の
高分子電解質及びある種の金属の如き、全体で正電荷を
有する表面に対して付着するという証拠がある。しかし
ながら、血小板と正の高分子電解質表面の相互作用を理
解するには、血漿タンパク質上への表面吸着についての
理解を待たねばならない。血小板は溶解している血漿成
分と比べて大きくまた少数であって、ずっとゆっくりと
拡散する。血小板の殆どが、既に血漿タンパク質と相互
作用してその層によって覆われている表面と接触すると
いう可能性が高い。従って、ポリマー表面と血漿タンパ
ク質との相互作用は、血小板との相互作用よりも重要な
考慮事項である。吸着されたタンパク質分子の反応性
は、タンパク質分子が吸着されている表面の化学的性質
によって異なり、この反応性が詰まりや血液の流れ特性
に影響するのである。
血漿流動系において最も損傷性の個所は、チューブの
直径及び流れの方向に急激な変化のある所である。従っ
て血液精製用のシステムを構成するにあたっては、これ
らの因子を減少させることが必要である。また、異質な
表面に対する血液の直接的な衝突を回避し又は減少させ
ることも必要である。
システム内における血液の流れは、種々の成分の間で
の分子相互作用の移り変わりを伴っている。クロマトグ
ラフィー分離装置の安定性を維持するためには、分離過
程の間に生じうる何らかの潜在的な妨げとなりうるもの
は、可能な限り減ずるべきである。考慮すべき主要なパ
ラメータは、流量、圧力変動及び粘度変化である。幸い
なことに血液中の血漿は、細胞を分け装置の壁部から遠
ざける潤滑剤及び希釈剤として機能もする。
装置内での血液流動に関する別の問題は、流路の周囲
における細胞の凝集を対象としたものである。血液流が
単一の流入路から、多数の流動チャネルの根源となる広
がったチャンバ内へと流れると、剪断力の小さな停滞流
又は阻止流領域がチャネルの入口付近において生じ、そ
こに血小板が付着しがちである。局部的な血液力学によ
って対流的及び拡散的な輸送の組み合わせが適当に行わ
れる領域では、血小板は異質物質の表面にすぐ付着す
る。他の血小板は、付着した血小板に凝結して凝集体を
形成する。分離が進行するにつれ、この凝集体は合体
し、最終的にはチャネルの入口を妨げるようになる。こ
のことは、質量輸送能力の漸進的な減少を伴う、血液流
に対する抵抗の増大として観察することができる。血小
板の凝集体が大きくなるにつれて、最終的には赤血球が
捕らえられて付着してしまい結果的にシステム全体が詰
まってしまうことになる。
本発明の好ましい一つの実施例においては、試料中の
少なくとも二つの成分のクロマトグラフィー的分離を行
うための装置は、 (a)一つ又はそれ以上のシート、波形シート、又はチ
ューブ形状の変性多糖物質と、 (b)前記変性多糖物質を横切る前記試料の接線流を行
わしめる手段とからなっている。
接線流分離装置内のマトリックス材料は、シート形状
でありうる。例えば一つ又はそれ以上のマトリックス材
料のシートを、一端にある血液分配手段と他端の血液収
集手段とを備えて平行に配置することが可能である。シ
ートは自己支持性であるか、又は剛性の支持部材に接着
させることができる。
この実施例では、シート状のマトリックス材料の層を
有する複数のハウジングに積み重ねることができる。こ
れらの層は、プレートの端部を受容するよう構成された
溝を含むハウジング壁上の支持手段により分離され、又
は媒体に対する試料の接線流用のチャネルを提供するよ
う相互に平行に且つ試料の流れの方向に平行に配置され
たフィラメントの列によって分離されうる。このフィラ
メントの寸法及びそれらの間隔は、装置の入口と出口の
間の圧力差(Δp)を最小として高い効率で分離を行え
るように最適化可能である。フィラメントの厚みとそれ
らの間隔は、定型的な実験方法を用いることで当業者が
決定可能である。選択的に、層は相互に斜角をなして配
置されたフィラメントの二つの列によって分離すること
ができる。これらフィラメントの二つの列がそれらの交
差点で固定されるのが有利である。
試料を分配し収集するための手段は、ハウジングの両
側部の内側にあり、ハウジングの各側部に設けられたチ
ャネル及びノズルと連通している一つ又はそれ以上の溝
を含んでいる。あるいはマトリックスを波形シートの形
で構成し、フィラメントやネットを用いずにチャネルを
設けることができる。
別の実施例では、マトリックス材料を中空のチューブ
として構成でき、これを介して試料、例えば血液がマト
リックスの表面に対して接線方向に流れることができ
る。マトリックスが、不透過性チューブの内壁上に厚み
の均一な層を形成するのが有利である。このチューブは
次いでハウジング内でコイル状にされ、このコイルに血
液を導入する手段と、そこから血液を収集する手段が設
けられる。選択的に、このハウジングはまたコイルの温
度を調節する手段、例えばヒーター、ファン、サーモス
タット、温度調節された流体その他を含みうる。ここに
参照して内容を本明細書に取り込むHydenらの米国特許
第4,061,141号(1977年)を参照のこと。
より好ましい実施例では、マトリックスは円筒状のコ
アの周囲にらせん状に巻回された一つ又はそれ以上のシ
ートの形である。この実施例では、通過する試料中の少
なくとも二つの成分のクロマトグラフィー的分離を行う
分離装置は、 (1)円筒状のコアと、 (2)前記円筒状のコアの周囲に巻回された少なくとも
第一及び第二の固定層と、そこにおいて (a)前記第一相が本発明の変性多糖マトリックス材料
からなり、 (b)前記第二相が支持及び分離を行い前記コアに対し
てチャネルを接線方向に提供する手段からなり、 (3)前記チャネルに試料を分配する手段と、 (4)前記チャネルから試料を収集する手段と、 (5)円筒形のハウジング とからなっている。
この装置は、第一と第二の相の間に配置される不透過
性シートからなる第三の固定相をさらに含むことができ
る。この不透過性シートは、血液及びマトリックス材料
と両立性のあるどのような不透過性材料からなることも
でき、それにはポリ塩化ビニリデン(PVC)、ポリエチ
レンその他があるが、これらに限定されるものではな
い。
支持及び分離を行い円筒形のコアに対して接線をなす
チャンネルを提供する手段は、ここではメッシュ、ネッ
ト、スクリーンなどとして称されるものであって、フィ
ラメントの二つの列からなることができる。これは相互
に平行に隔置され且つ円筒形のコアの軸に平行な第一の
列と、相互に平行でこの円筒形のコアの軸に直交するフ
ィラメントの第二の列とを含む。これらフィラメントの
二つの列がそれらの交点で固定されているのが有利であ
る。これら二つの列は相互に直交して配置されるか、又
は一方の列が円筒形のコアの軸に直交するものであれ
ば、斜角をなして配置されることができる。このタイプ
のスクリーン又はネットは、円筒形のコアに対して接線
方向をなす一連の流体チャネルを提供する。
個々のフィラメントの断面は、円形、正方形、矩形又
は三角形であって構わない。フィラメントの厚み及び間
隔は、寸法を変化させる実験を行うことにより、当業者
により容易に決定されうる。フィラメントの厚みや間隔
といったこれらの因子は、使用される媒体の種類、例え
ば膨潤性、湿潤性、厚み、化学的組成その他や、固定相
に対して接線方向をなす試料の固定相の表面積、例えば
巻回数、媒体の厚みその他並びに例えば血液や発酵媒体
などのクロマトグラフィー処理される試料の種類に大き
く依存している。これらの変数を明確に特定することは
非常に困難であるが、試行錯誤又はより複雑な実験方法
によって決定されよう。
好ましくは、フィラメントの第一の列は円形で9.5ミ
ルであり、フィラメントの第二の列は円形で47ミルであ
る。
第一の列のフィラメントは、フィラメントの第二の列
に対して49°から90°の角度で配置されうる。最も好ま
しくは、第一の列は第二の列に対して約90°の角度で配
置される。
フィラメントは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ナイロン又は実質的に変形しないが弾性で
あるエラストマーや金属で作られるのが有利である。使
用される材料は隣接しているマトリックス材料の層や不
透過性シートを変形させずに分離し、簡単に製造するこ
とができ、そして試料やマトリックスとの接触によって
影響されて劣化することのないものである。好ましく
は、フィラメントはポリプロピレンで構成される。
試料を収集する手段は、円筒形のコアを全長に沿う一
つ又はそれ以上の溝からなる。これらの溝は接線流チャ
ネル及び円筒形ハウジングの端部に配置されたノズルと
連通している。試料を分配する手段は、円筒形ハウジン
グの長さに沿った一つ又はそれ以上の溝からなり、これ
らは接続流チャネル及び円筒形ハウジングに設けられた
ノズルと連通している。
勿論、試料を収集する手段は試料を分配する手段とし
て使用でき、試料を分配する手段は試料を収集する手段
として使用しうることを理解すべきである。
第17図に示されている如く、装置は一巻きあたりマト
リックス材料201の二枚のシートからなり、かくしてチ
ャネルはマトリックスの層を両側に有することになる。
第15図に示す如く、これら二枚のシートは二つの異なる
リガンドを含む。例えばマトリックスの一方のシート22
0は細菌221又は脂質を優先的に吸着し、マトリックスの
第二のシート222はヘパリンを選択的に吸着する物質を
含む。
第12図に示す一実施例では、全体を206で示したカー
トリッジ形の接続流カラムは、円筒形コア200の周囲の
らせん状に巻かれたクロマトグラフィー媒体201の二つ
の層と、らせん状に巻かれた不透過性フィルム202と、
らせん状に巻かれた流れ案内ウェブ203からなる。ハウ
ジング207と出口キャップ208は、このらせん状に巻かれ
た装置を収容している。このらせん状に巻かれた媒体で
は、不透過性のフィルムとウェブ203は各端部209に対
し、前述の技術を用いて熱可塑性溶着によりシールされ
ている。出口キャップ208とハウジングは一緒に、溶着
部210により保持されている。このハウジングはまた、
保護キャップ213保護された入口及び出口手段211及び21
2を含む。
第11図に示された実施例を参照すると、クロマトグラ
フィー媒体201の一つずつの層と、不透過性シート202
と、流れ案内ウェブ203が円筒形コア200の周りに巻囲さ
れている。試料はチャネル205においてクロマトグラフ
ィー媒体に対し接線方向に流れ、これらのチャネル205
と連通している円筒形コア200の一連の溝214によって収
集される。この媒体ウェブ及び層の厚み204は、最適な
流量、クロマトグラフィー的効率及び細胞の安定性を得
られるように調節可能である。
第13図を参照すると、クロマトグラフィー媒体201の
一層を有する接線流カートリッジが、この媒体201と不
透過性フィルム202をウェブ203上に載置することによっ
て調製されており、そこにおいてウェブ203の一端215は
媒体201又はフィルム202で覆われていない。媒体の反対
側の端部216は、その上にウェブ203の付加的な層を有
し、媒体201の層を越えて延びている。この媒体201、フ
ィルム202及びウェブ203は次いで、円筒形のコア200の
周囲に巻回される。
第16図は、不透過性シート202と、流れ案内としての
ウェブ203であって、タンパク質の移動を促進させる非
常に親水性の層であるPHMAの層216をも有するものと、H
DA即ち発熱物質又は細菌吸着層217とを有する接線流カ
ートリッジの頂部平面図を示している。試料は、血液流
入口218においてウェブにより画定されたチャネル205へ
と分配される。
使用 本発明のアフィニティクロマトグラフィー用、逆相ク
ロマトグラフィー用、あるいは生活性な材料は、従来技
術の周知のアフィニティ又は逆相クロマトグラフィーに
よるどのような処理についても、又はバイオリアクター
用の支持体としても使用可能である。
本発明において得られた材料は、これまでに使用され
た材料にない固有の特性を有している。例えばセルロー
スのような変性多糖を、微結晶セルロースの如き他種の
多糖と混合し、繊維質シートを形成することにより形成
された二成分系は、タンパク質に対して通常非特異的吸
着を示すシリカ材を含まないという利点を有する。実質
的な膨潤性の欠如、或いは系内に存在する多くの変数を
調節することにより容易に制御可能な極めて調節性のあ
る膨潤度によって、未変性の微結晶セルロースを他の機
械的強化材で代替することができ、製造コストは安く、
そして高度の交換能力又は固着能力を備える。これはど
のような場合でも、コモノマー(a)と(b)の比など
を含む各種の条件を調節することによって変化させるこ
とができる。
変性多糖と、変性又は未変性の微粒子と、未変性の繊
維とから形成された三成分系は、系内に存在する多くの
変数を変化させることによって得られる能力、剛性及び
膨潤を潜在的に最大化するという利点を持つ。流量は微
粒子成分(特にシリカ)に対する有機成分との比を変え
ることにより、能力の事実上の損失なしに調節可能であ
る。また、このような系は無変性のセルロースを用いて
いる従来技術の系に対し、多くの場合に精製パルプを必
要としないという利点を示す。これは、多糖に結合した
ポリマーが、微粒子を繊維表面に架橋するについて精製
パルプと同様に十分に機能するからである。本発明のこ
の系におけるポリマー成分はまた結合樹脂としても機能
し、従って所望ならばスラリーに対する樹脂の添加を省
略することが可能である。
一般に従来技術では、最大数の化学基を結合させるた
めに大きな表面積を持つ物質に依存してきたのである
が、本発明の材料は、各々の多糖分子ごとに多官能基を
結合させる手段を提供するものである。これちの官能基
は固着用の足場として利用可能にされている限り、調製
を行う際に表面積の大きな物質に限定されることはもう
ない。
タンバク質の分離精製においては、回避すべき主要な
因子は、タンパク質分子に対する損傷である。本発明に
おいては、これは僅かな限られた量の有機ポリマーを有
する多糖の如き、生体両立性のある物質を用いることに
よって回避されている。この物質は膨潤可能であり、タ
ンパク質の変性は極く僅かである。生体高分子の非特異
的吸着は減少するが、これはアクリルポリマー及び糖ポ
リマーがいずれもそのような性質が極めて少なく、本来
親水性であるためである。
例えば血液や発酵媒体のような細胞を含む試料につい
ては、試料がマトリックス材料を貫通するのではなく接
線方向に流れるよう構成されたカートリッジを介して試
料を通過させることにより、細胞の溶解は回避できる。
こうして接線流カートリッジを、血液や発酵媒体の成分
を分離又は精製するために使用できる。例えばマトリッ
クスは、試料中の成分を分離するべく化学的又は生物学
的なリガンドを結合するために、スペーサアーム上で延
ばされたアルデヒド基を有するセルロース−アクリレー
ト二成分複合ポリマーからなっている。このような生物
学的リガンドには、例えば、普通に使われている凝固剤
であるクエン酸−リン酸−デキストロース(CPD)の除
去、又は血液からのヘパリンの除去を可能ならしめる抗
凝固剤吸着リガンドが含まれる。特に三つのリガンド、
即ちリガンドA(ヘキサメチレンジアミンを含む低分子
量アミノ化合物)、リガンドB(プロタミン)およびリ
ガンドC(ポリエチレンイミンを含む高分子量アミノポ
リマー)が、抗凝固剤の吸着に特に有用であることが見
出されている。アミノ基を含むリガンドは、前述したよ
うにしてマトリックス材料に付着する。
設計上の融通性及び設計上の制御についての別の領域
は、種々の固着基を担持しているアクリルポリマーの長
さの調節可能性にある。ポリマー長の変化可能性は、溶
質又はリガンドの接近可能性に帰着する立体障害性を除
去するだけでなく、マトリックスからのリガントの漏れ
を最小限とする。折り返しなどの内部的親水性相互作用
の可能性を回避するため、ポリマーの「アーム」は長す
ぎてはいけない。生体リガンドを付着させるには、約5
から20原子の「アーム」が一般に理想的である。
親和性リガンド又は生体分子に対する周知の足場用の
固着基を使用することにより、この物質はSephadex
Sepharose の如き市販の物質の従来技術において開発
された合成方法のどのようなものも取り入れることが可
能である。
最後に、このマトリックスは化学的及び物理的に安定
であって、塩や溶出剤との接触に際して寸法安定性の変
化は最小である。
実施例 さてこれまで本発明を概略的に説明してきたが、本発
明は特定の実施例を参照することによりより良く理解さ
れうる。これらは例示を行う目的でのみここに含まれて
いるものであって、特に明示しない限りは、本発明を限
定することを意図するものではない。
実施例1 親和性クロマトグラフィー系の調製 成分A:セルロース繊維 成分B:グリシジルメタクリレート 成分C:単糖又は二糖 方法A 段階1 Bに対するCのカップリング 段階2.BCに対するBの調節された比を有するポリマーの
形成 成分B(10%) 酸化還元触媒による重合 10%のB
と90%のBCのコポリマー 成分BC(90%) 段階3.上記のコポリマーの成分Aに対する結合 段階2において残された触媒の過剰量でもって、温度
を90℃に上げることにより、上記のコポリマーの成分B
のエポキシ基をセルロースに対して結合することができ
る。成分Cがモノマーであるのに対し成分Aがポリマー
状であることを除き、化学反応は段階1と全く同じであ
る。
方法B 段階1 アクリルコポリマーの形成 段階2. 利用可能なエポキシ基の90%が、酸又は塩基触媒の下
で成分Cと反応するのに適当なモル比でもって、成分C
をポリマーに対して添加する。残る10%は、後にセルロ
ース表面上に結合するために利用可能なように残してお
く。
実施例2 ポリメタクリル酸とのセルロースのグラフト (a)処方試薬 綿リンター繊維 36g メタクリル酸(又はβ−カルボキシエチルアクリレー
ト) 90ml グリシジルメタクリレート 9ml Triton X-100 2.0g 硫酸ラウリルナトリウム 1.5g 過硫酸アンモニウム 3.6g チオ硫酸ナトリウム 3.6g トリブチルアミン 1.0ml 実施例3及び4はプレリガンドマトリックスの形成に
関する。実施例5は、ベンズアミジンリガンドの結合に
関する。
実施例3 セルロース−GAプレリガンド親和性マトリックスの調製 (a)処方試薬 精製セルロース 5.0g グリシジルアクリレート 10.0ml Ethoquad C/25 0.5ml APS 0.5g STS 0.5g 1.OM HC1 16.67ml D.I.H2O 250ml (b)方法 セルロースを250mlのD.I.H2O中に攪拌しながら80℃に
おいて分散させ、反応容器にグリシジルアクリレートを
添加した。温度を維持し攪拌を継続しながら、APS、STS
及びHClを添加し、反応を一時間行わせた。共有結合し
たセルロース−GAプレリガンドマトリックスを取り出
し、7×2リットルの脱イオン水で洗浄して、その後の
処理(以下の実施例5における如き親和性リガンドへの
変換のような)のために保存した。
実施例4 セルロース−GMAプレリガンド親和性マトリックスの調
製 (a)処方試薬 精製セルロース 5.0g グリシジルアクリレート 12.5ml APS 0.5g STS 0.5g D.I.H2O 250ml (b)方法 攪拌しながらセルロースをD.I.H2O中に分散させ、攪
拌しながら80℃に加熱した。反応容器にグリシジルメタ
クリレート、APS及びSTSを添加し、反応を一時間行われ
た。反応を終了させ、共有結合したGMA−セルロースマ
トリックスを取り出し、5×1.8リットルのD.I.H2Oで洗
浄して、その後の処理(以下の実施例5における如き親
和性リガンドへの変換)のために保存した。
実施例5 ベンズアミジンのリガンドを備えた親和性マトリックス
の調製 実施例4のGMA−セルロースマトリックスを、5容量
の脱イオン水で洗浄した。NaIO4の1.5%水溶液で処理
し、5容量のNaIO4溶液をマトリックス中に室温で1〜
2時間循環させた。その結果エポキシ基がNaIO4溶液に
よってアルデヒド基に変換されたマトリックスを、25℃
において10容量のの脱イオン水で洗浄し、ph7.8の0.01M
リン酸緩衝液で平衡させた。このアルデヒドが付着して
いるマトリックスを通して、濃度20mg/mlのベンズアミ
ジンを、濃度約1mg/mlのNaCNBH3の存在下に4℃で一
晩、2cc/分の流量で循環させた。あるいはまたベンズア
ミジンの結合は、上記のベンズアミジン溶液を室温で8
時間循環させることによって室温でも行なえる。結合の
後、ph7.8のリン酸緩衝液で洗浄することにより、未結
合のタンパク質をマトリックスから除去した。残存して
いるアルデヒド基は、NaCNBH3の存在下にph6.5のグリシ
ンエチルエステルを4時間循環させて不活性化した。こ
のグリシンエチルエステルは、1gの塩酸グリシンエチル
エステルを100ccの脱イオン水に溶解して作成し、pHは
水酸化ナトリウム溶液を加えることによって6.5に調節
した。
実施例6 疎水性の基を含む本発明の媒体 (a)処方 ポリ(n−オクチルアクリレート)−g−セルロース試薬 精製パルプ(+260) 20g n−オクチルアクリレート 50ml グリシジルメタクリレート 5g 過硫酸アンモニウム 2g チオ硫酸ナトリウム 2g 水 933ml (b)方法 1.精製パルプ(+260)を3口の3リットル丸底フラス
コ中で水に十分分散させた。
2.n−オクチルアクリレート及びグリシジルメタクリレ
ートを十分に混合し、反応容器内に注ぎ入れた。
3.モノマーを反応容器内に注入し、反応混合物を十分に
混合した後、過硫酸アンモニウム溶液とチオ硫酸ナトリ
ウム溶液を室温で反応容器内に充填した。
4.反応混合物を激しく攪拌し、反応温度を15分以内に82
℃まで上昇させた。
5.80-85℃の温度範囲において、攪拌を一時間継続し
た。
6.反応混合物を冷却した後、生成物を水で十分洗浄し
た。
実施例7 キレーションした基を含む本発明の媒体 ポリ(3−N,N−ジカルボキシルメチル−2−ヒドロキ
シ−プロピルメタクリレート)−g−セルロース (a)処方試薬 精製パルプ(+260) 5.0g グリシジルメタクリレート 12.5ml 過硫酸アンモニウム 0.5g チオ硫酸ナトリウム 0.5g イミノジ酢酸ナトリウム 2g 水 150ml (b)方法 1.精製パルプ(+260)を3口の反応容器内で800mlの水
に十分分散させた。
2.グリシジルメタクリレートを反応容器内に注入し、反
応混合物を十分に混合した後、過硫酸アンモニウムとチ
オ硫酸ナトリウムを室温で反応容器内に充填した。
3.反応混合物を激しく攪拌し、反応温度を15分以内に80
℃まで上昇させた。
4.80-85℃の温度範囲において、攪拌を一時間継続し
た。
5.反応混合物を60℃に冷却し、次いでイミノジ酢酸ナト
リウムを反応容器内に充填した。反応をさらに26時間継
続させた。
6.反応混合物を冷却し、生成物を濾過し洗浄した。
実施例8 免疫グロブリンの精製のためのプロテインAの固定化 プロテインAは、ブドウ球菌から分離可能な細胞壁タ
ンパク質である。IgGのFC領域に対するその比較的特異
な反応性によって、プロテインAは、通常の又は免疫血
清からIgGを選択的に除去するための強力な生体リガン
ドとなっている。固体の支持体に対するプロテインAの
固定化は、IgGの全体又は個々のサブクラスを単離し、
細胞を分離し、又は免疫療法の手段として血漿中から免
疫複合体を除去するべく研究された。
(a)材料と方法 高純度の天然のプロテインAは組み換えプロテインA
を用いる。組み換えプロテインAは次の物理化学的特性
を有するものであり、Repligenから購入した。純度は21
4nmで分析したTSK-3000HPLCにより98%以上であり、280
nmで94%以上である。SDS-PAGEにより、ほぼ分子量45,0
00Mw+1,000において単一の主たる帯域が生成される。
それは270nmにおいて、0.16+0.02の0.1%において消衰
係数を有する。IgG結合活性は、Lowry法によって分析し
た場合、固定化されたヒトIgGカラムに結合した合計の
タンパク質パーセントによれば、95%以上であった。
Repligenにより組み換えプロテインAについて行われ
た構造的な研究によれば、DNAシーケンスが元来記述さ
れていた4つの相同FC結合ドメインD,A,B,及びC位置を
導くことが示された。
(b)媒体と調製 実施例4に従って調製された複合媒体がセルロースに
対するグラフトにより調製され、このセルロースが固体
支持体として機能し、GMA又はGAポリマーが結合のため
の化学的官能基をもたらした。次いで二つの種類の親和
性マトリックスが調製された。Aタイプはアミノ基を担
持しており、タンパク質結合を行うべくグルタルアルデ
ヒドを用いていた。Gタイプは水酸基を担持しており、
タンパク質結合の手段としてアルデヒドを形成するため
に過酸化物による酸化を必要としていた。
タンパク質Aの結合 マトリックスのグリシジル基に対して1,6−ジアミノ
ヘキサンを共有結合させることにより、マトリックスに
対してアミノ基を導入した。0.1N塩酸を用いた電位差滴
定によって滴定可能なアミノ基の合計は、マトリックス
の乾燥重量1gあたり約1.8meqであった。アミノ基を担持
しているマトリックスは、活性化緩衝液としてのpH7.3
の0.1Mリン酸ナトリウムで平衡化し、これに続いて1.0m
g/mlの水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下において
6時間、室温で同じ緩衝液中の10%グルタルアルデヒド
を循環させた。溶出液がシック試薬溶液中でグルタルア
ルデヒドの不存在を示すようになるまで、活性化緩衝液
でマトリックスを洗うことにより、過剰量のグルタルア
ルデヒドを除いた。マトリックスは次の形を有する活性
化アルデヒド基を担持し、アミノ基を介してプロテイン
Aの結合を行う準備が整った。
プロテインAの溶液は、pH7.3の0.1Mリン酸ナトリウ
ム中で10mg/mlに調製し、(1.0mg/ml)の水素化シアノ
ホウ素ナトリウムの存在下で室温において16時間循環さ
せた。未結合のリガンドは、溶出液中でリガンドが検出
されなくなるまでマトリックスを緩衝液で洗浄すること
により除去した。過剰量の活性基は、ブロック緩衝液と
してのpH6.5の0.1Mリン酸ナトリウム中1%の塩酸グリ
シンエチルエステルを4時間循環させることにより不活
性化した。次いでマトリックスを0.25Mの塩化ナトリウ
ムを含有する何らかの所望とする緩衝液で洗浄し、次い
で親和性付与段階で用いた平衡化緩衝液によって洗浄し
た。
(c)カートリッジに結合したリガンドの測定 カートリッジに結合したリガンドの量は、透析された
未結合のリガンドのLowryタンパク質分析を行うことに
よって測定し、この値を最初のプロテインAの量から差
し引くことによって測定された。
IgG精製の手順 pH7.6の50mMNaPプラス250mMの塩化ナトリウムでカー
トリッジを平衡させた。上記緩衝液中約2.5mg/mlのヒト
のガンマグロブリン(HGG)溶液(SigmaG-4386)を、一
回の通過又は循環により、カートリッジを通して流動さ
せた。次いで未結合のガンマグロブリンをマトリックス
から、上記の緩衝液を用いて洗い出した。結合したガン
マグロブリンは、pH2.3の0.2MGly-HCl緩衝液でマトリッ
クスから溶出させた。結合したHGGの量は、溶出液のOD
280によって測定した。次いでマトリックスをpH7.6の緩
衝液で再度平衡させ、別の試料を結合する準備が整っ
た。
(d)スペーサアーム長とHGGの結合 スペーサアームの長さを変えることによる影響を、ヘ
キサメチレンジアミン(21Å、試料No.1-3),エチレン
ジアミン(16Å、試料No.4-6)及び過ヨウ素酸塩による
エポキシ(6.0Å、試料No.7-9)を用いてプロテインA
を接合させ、結合したプロテインAの量を測定し、HGG
を結合させ、結合したHGGの量を測定し、そしてHGG−プ
ロテインA結合比を測定することによって調べた。その
結果を表IVに示す。
実施例9 親和性マトリックスに対する抗体又は抗原の固定化 結合基としてグルタルアルデヒドを用い、Aタイプ
(アミノ基)媒体の手順に従うことにより、実施例4、
5及び8のマトリックスにプロテインAを固定化し、HG
Gを結合する能力を調べた。結果を表IVに示す。
媒体の種類及び結合方法のタイプが固定化された生体
分子の作用に対して及ぼす影響を示すために、過ヨウ素
酸塩による酸化を介してアルデヒド基を形成することに
よりGタイプのマトリックス上にヤギ抗HGGを固定化
し、その結果を表Vに示す。
実施例10 Aタイプの親和性マトリックスに対するp−アミノベン
ズアミジン(PAB)とダイズトリプシン阻害剤(STI)の
固定化 (a)結合方法: (1)半径流カートリッジの形状でもって、実施例1、
4及び8に従って調製されたマトリックスを、pH6.2の1
50mMNaP及び0.25M塩化ナトリウムで洗浄し平衡させた。
(2)10%のグルタルアルデヒド溶液(上記の緩衝液中
の)を5時間循環させた(133ml)。
(3)カートリッジを上記の緩衝液で洗浄した。
(4)6.4グラムのPABと6.4グラムのSTIを、それぞれの
カートリッジを介して一晩循環させた(上記緩衝液640m
l+0.2%のNaCNBH3)。
(5)上記の緩衝液と、pH2.3の0.2MGly−HClを交互に
用いて、カートリッジを十分に洗浄した。
(6)1%のグリシンエチルエステルでカートリッジを
不活性化した。
(b)試験方法: (1)pH7.6の50mMNaP中のトリプシン溶液(Porcine Pa
ncreaseトリプシン、Sigma)4lと、250mMの塩化ナトリ
ウム緩衝液を、二つの異なる流量でもって各々のカート
リッジを介して流した。
分画を収集した。
(2)pH2.3の0.2MGly−HClでカートリッジを溶出させ
た。
(3)OD280によりタンパク質を検出した。
(4)Kabiの比色基質S-2302で分析することにより、ト
リプシンの活性を検出した。
トリプシンの活性の一単位=1.0/ml/分のOD405 (5)結果を表VI(PAB)及び表VIII(PABとSTI)に示
す。
実施例11 飲料の処理のための親和性カートリッジに対するグルコ
アミラーゼ酵素の固定化 グルコアミラーゼの固定化は、デンプンからのフルク
トースシロップの工業的製造に既に応用されている。グ
ルコースの大規模な製造に用いる調製法は、第一アミノ
基を含む多孔性の無機材料に対する酵素のグルタルアル
デヒドによる共有結合によって得られた。しかしなが
ら、ビールからグルコアミラーゼを除去する場合には、
シリカの如き種類の無機材料がビールの芳味及び色に影
響する。というのは、シリカは低いpHの下で固体表面上
にケイ酸としてイオン化するからである。セルロース系
の基質は不活性でイオン化しないから、飲料の精製分離
のためにより好ましいものとして際立っている。
方法と材料 原材料 ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical社から購入
したグルコアミラーゼ(α−1,4−グルカングルコヒド
ロラーゼ、EC3.2.1.3)はAspergillus oryzaeの株から
得られる。この酵素は48,000から80,000の間の分子量を
有し、サブユニット構造は通常持たない。この酵素の炭
水化物含量は3%から30%の範囲にあり、主としてマン
ノースを含むが、グルコース、ガラクトース、そして場
合によってはグルコサミンやキシロースも存在してい
る。炭水化物の構造は、セリン及びトレオニンの水酸基
に対してマンノースを介してO−グリコシド結合した単
糖、二糖、三糖及び四糖単位として存在している。等電
点は3.9と5.5の間にあり、至適pHは5.0から5.5である。
酵素活性の測定 酵素活性は、グルコアラーゼによってデンプンから放
出されたグルコースの量を時間に対して動的に測定する
ことによって測定した。グルコースの生成は、Sigma Ch
emical社から購入した分析装置(Stock No.15-10)と、
Sigmaのテクニカル冊子Co.15 UV記載のものを用いて測
定した。グルコース生成における変動は、Cary210分光
光度計により340nmにおいて1分当たりの光学密度の変
化として測定した。
グルコースの分析原理 この分析は、ヘキソナーゼの存在下におけるATPによ
るグルコースのグルコース−6−リン酸への変換と、こ
れに伴うNADPからNADPHへのその後の還元に基づいてい
る。NADPHは340nmにおいて高い吸収を示し(A340)NADP
はこの波長において吸収を示さないから、この反応はA
340の増大を測定することによって追跡できる。NADPHの
形成によるA340の増大は、存在するグルコースの量に直
接に比例している。
酵素活性単位の定義 一単位は、55℃でph4.5においてデンプンから1.0mgの
グルコースを遊離させるものとして定義される。
実施例12 Aタイプの親和性マトリックスに対するグルコアミラー
ゼの固定化 実施例4及び8に従って調製されたAタイプのマトリ
ックスは、上述した機構に従って酵素を固定化するのに
適するようにグルタルアルデヒドによって活性化されう
る、12原子のスペーサのアミノ基マトリックスである。
(a)結合方法 1.マトリックスを50mlの脱イオン水で洗浄した。
2.室温で、ph7.5の0.05Mリン酸緩衝液+0.025M塩化ナト
リウム50mlで平衡させた。
3.室温で、緩衝液中1.0%のグルタルアルデヒド50mlを
循環させることにより活性化した。
4.上記の緩衝液で2回洗浄することにより、過剰のグル
タルアルデヒトを除去した。
5.NaBH4 *(通常1mg/mlのNaBH4を用いる)の存在下、室
温で一晩かけてリガンド(同じ緩衝液中10mg/ml)を結
合した。
*1gの塩酸グリシンエチルエステルを100mlのリン酸緩
衝液中に溶解した。最終的なpHは6.5いに調整した。次
いでNaBH4を加えてその濃度を1mg/mlとした。
6.未結合のリガンドを、基線が得られるまで同じ緩衝液
で洗い出した。
7.室温で約4時間、NaBH4の存在下にpH6.5において塩酸
グリシンエチルエステルを循環させることにより、過剰
の活性基を不活性化した。
8.同じ緩衝液で過剰の試薬を洗い出した。
9.窒素分析により、カラムに結合したリガンドの量を測
定した。
(b)測定方法 ph4.5の0.2M酢酸ナトリウム中のアミロペクチン(Sig
ma No.1-8515)の1%溶液を用いて、グルコアミラーゼ
試料の活性を測定した。時間0において、この基質1ml
に対して0.25mlの試料を、55℃の温浴中で添加した。10
分後に、pH7.5の0.2Mリン酸カリウム緩衝液1.25mlを加
えた。次いでこの溶液の40μlの部分標本を再構成した
Sigmaグルコース分析No.15-UV 3.0mlに加え、5分間の
培養の後にA340を記録した。吸光度の読み値から適当な
ブランク値を引いてA340を求め、このA340から試料の活
性単位を計算した。
(c)酵素活性試験の方法 1.上述のようにして調製されたマトリックスの約1gを、
ph4.5の0.2M酢酸ナトリウム10mlに懸濁した。
2.懸濁液を過動させ、次いで10分間2600rpmで遠心分離
した。
3.上清を傾蕩した。
4.0.2gのペレットを1.0%アミロペクチン1.0mlに加え、
上述した方法によってマトリックス中の酵素活性を測定
した。
(d)結果 実施例13 アミノヘキシル及びプロタミン媒体によるヘパリンの除
去 1.材料の調製: PHMA媒体へのプロタミンの結合。10ml(媒体0.5g)と
100ml(媒体5g)のサイズの半径流カートリッジ構成。
PHMAはポリヒドロキシメタクリレートであり、GMAを
酸加水分解して前述のようにグリシジル基をヒドロキシ
ル基に変換することにより調製された。リガンドの結合
のためにPHMAを活性化する条件は次の如くである。
a.カートリッジを2lの水で洗浄 b.1.5%のNaIO4(水溶液)で60分間活性化 c.水で洗浄 d.0.1Mのホウ酸緩衝液(pH8.2)でカートリッジを平衡
化 e.上記緩衝液中の10mg/mlプロタミン溶液42mlを(Sigma
No. P-4005プロタミン、サケの精子由来の遊離塩基グ
レードIV)15ml/分で4時間循環 f.ph8.2の0.1Mホウ酸緩衝液でカートリッジを洗浄(洗
液は結合したプロタミンの量の測定のために保存) g.pH8.2の緩衝液中の15%アミン溶液(エタノールアミ
ン又はジエチルアミノプロピルアミン)100mlを4×500
mgのNaOH4を添加してほぼ20時間、15ml/分で循環 h.次の溶液1でカートリッジを洗浄 (1)0.1Mホウ酸緩衝液、pH8.2 (2)0.15M塩化ナトリウム、pH2.7(pHは塩酸で下げ
た) (3)0.05M NaP+0.25M NaCl、pH7.6 (4)0.2Mグリシン−塩酸pH2.3 i.0.02M NaP+0.15M NaCl、pH7.0の緩衝液で平衡化 [10mlのサイズのカートリッジ] j.ほぼ50倍にスケールダウンして同じ結合手順 [結合効率80-90%] 2.試験方法 a.プロタミンを結合した10mlカートリッジ 50mlの血漿と20単位/mlのヘパリン(ブタの腸粘膜由
来のSigma社のヘパリンH-7005、活性150-180 USPK1単位
/mg)をカラムを通して1ml/分の流量で流した。
b.プロタミンを結合した100mlカートリッジ1000mlの血
漿と50単位/mlのヘパリンを15ml/分の流量でカートリッ
ジを介して流した。
3.分析方法 a.Michael D.Kleinらの「血漿中の化学的ヘパリンの比
色分析」この分析は、ヘパリンが添加された場合のアズ
ールAの変色を利用している。これは0から10単位/ml
のものについて有用であり、ヘパリンの抗凝固物質の活
性に依存していない。この分析は血漿、血液全体、及び
緩衝された生理的食塩水溶液に使用できる。染料と試料
を一緒に混合し、次いで直ちに620nmにおいて分光光度
計で読む。
対照のものは、既知の濃度のヘパリンを含む試料と、
ヘパリンを含まない試料がある。
b.血漿中のヘパリンの定量分析のための凝固手順、Sigm
a社のキット#87B 試験の原理:痕跡量のヘパリンの存在下に、活性化因
子X(Xa)をその血漿阻害剤で迅速に中和する。ヘパリ
ンの存在下における血漿阻害剤と因子Xaとの間の反応の
最初の段階における特定の時点において、中和された因
子Xaの量は存在するヘパリンの濃度に比例する。
実施例14 硫酸ポリミキシンBによる内毒素の除去 1.材料の調製(すべての緩衝液/材料は、発熱物質のな
い水と発熱物質のないガラス容器を用いて調製した。) 10mlカラム中のPHMA媒体 a.20mlの水で洗浄 b.1.5%のNaIO4水溶液を1ml/分で30分間通す c.20mlの水で洗浄 c.pH7.5の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液で平衡化 e.上記緩衝液中5mg/mlの硫酸ポリミキシンB溶液6mlを
一晩循環(0.5ml/分) f.未結合の硫酸ポリミキシンBを0.1Mのリン酸緩衝液で
洗い出す(結合量の測定のため保存) g.次いでカラムをpH8.0の0.1Mホウ酸緩衝液で平衡化 h.4×25mgのNaBH4を60分ずつ離して添加しながら、1%
のエタノールアミン溶液20mlを循環 i.pH7.5の0.1M NaP緩衝液と、pH2.7の0.15M塩酸+0.25M
塩化ナトリウム溶液で、カラムを交互に洗浄(各20ml、
各溶液につき2回) j.pH7.5の0.1M NaP緩衝液でカラムを平衡化〔PHMAの250
mlカートリッジ(媒体12.5g)については、75倍にスケ
ールアップして同じ処理〕 この10mlのカラムは、直径10mmの小さなカラムであ
る。
2.試験方法 a.0.02M NaP+pH7.0の0.15M塩化ナトリウム+10mg/mlの
E.coli LPS(Sigma社のE.coli05S:B5フェノール抽出物
由来のリポ多糖No.L-2880)を10mlカートリッジについ
ては1ml/分、250mlカートリッジについては20ml/分で流
した。
b.20mg/mlのBSAを緩衝液に添加した点を除き、a.と同
じ。
3.発熱物質のレベルの分析方法 使用した試験法:Whittaker生体産生物QCL1000色素定量L
AL分析 この試験法の原理 グラム陰性菌の内毒素は、Limulus Amebocyte Lysate
(LAL)の酵素前駆体の活性化を触媒する。活性化の初
期速度は、存在する内毒素の濃度によって測定される。
活性化された酵素は、無色の基質からのp−ニトロアニ
リン(pNA)の分裂を触媒し、反応を酢酸で停止させた
後に、分光的に405nmにおいて黄色が測定される。標準
品を実験した後においては、吸光度と内毒素濃度の間の
相関関係は、10-200pg/mlの範囲において線形である。
この試験法の適用 出発物質を殺菌した生理的食塩水で適当な濃度範囲に
希釈し、分析して曲線を描く。ほぼ同様にして希釈した
未知試料をこの曲線に対して分析する。この未知試料に
ついて得られたpg/ml値に希釈倍率を掛けたものは、未
知試料中の内毒素の濃度に等しい。
4.結果 a.結合効率:活性化PHMA1g当たり60mgの硫酸ポリミキシ
ンBが与えられた場合、26-31mg/gが結合可能である。
b.LPS結合能力(すべての事項はLPSの濃度に依存してい
る) 試験法Aでは、 10mlカートリッジ (700-1000)mg/g媒体 33.5μg/mg硫酸ポリミキシンB 250mlカートリッジ 43.7μg/ml PMBS 530μg/媒体g 試験法Bでは、 10mlカートリッジ 26.5μg/mg PMBS 250mlカートリッジ 32.1μg/mg PMBS 実施例15 半径流構成のプロテインA及びプロテインG親和性フィ
ルタ 固定化された組み換え体プロテインA及びプロテイン
Gを基準タンパク質として使用し、親和性分離媒体の機
能を例示した。プロテインAは周知のブドウ球菌由来の
タンパク質であり、免疫グロブリンのFc領域、特に免疫
グロブリンGと相互作用する。プロテインAの使用に
は、抗体及び免疫複合体の検出及び精製、免疫グロブリ
ンフラクションの大量産生、モノクローナル抗体、及び
体外血漿濾過を介してのある種のガンや自己免疫疾患の
治療の可能性などが含まれる。
プロテインGは連鎖球菌のGグループから分離される
免疫グロブリン結合細菌細胞壁タンパク質である。これ
は最近になってクローニングされ、細胞壁系において表
出されるようになり、従ってその特性を完全に調べるの
に十分な量でもって入手可能である。プロテインGはや
はり免疫グロブリンのFc領域に結合するという点でプロ
テインAと同様のものであるが、しかしより一般的なIg
G結合試薬であることが報告されている。というのは、
プロテインGはプロテインAとは殆ど或いは全く相互作
用しない動物のIgGやヒトのIgGのサブクラスを結合する
からである。III型のレセプター(プロテインG)は、
I型のFc受容体(プロテインA)よりもより広汎な免疫
学的用途を有するものと考えられている。
1.方法と材料 組み換え体プロテインAをRepligen社(マサチューセ
ッツ州ケンブリッジ)から購入した。プロテインG(タ
イプGXII )はGenex社(メリーランド州ガイサースバ
ーグ)から供給された。いすれのタンパク質も、表X及
びXIに記載した新規なマトリックスに固定化した。使用
した親和性支持体は、18原子の長さのスペーサアームの
端部にアルデヒド基を有するように活性化した。このア
ームを延ばした支持体は、巨大分子を固定化して同じよ
うな大きさの巨大分子を精製するのに用いる場合に時々
生ずる、立体的な問題を回避するために選択された。固
定化又は評価段階において使用されたすべての標準的な
化学品は試薬グレードのものであり、通常の実験用品供
給業者から購入したものである。精製ウシ及びヒトIgG
フラクションをSigma Chemical社(ミズーリ州セントル
イス)から購入した。ヒトの血清を米国赤十字社(コネ
チカット州ファーミントン)から入手し、イオン交換し
て部分的に精製した。ヒトのアルブミンに対する多クロ
ーン性ウサギ抗血清、及びヒトIgGに対するヤギ抗血清
をCone BioProducts社(テキサス州セグイン)から購入
し、使用前にやはりイオン交換して部分的に精製した。
一つの実験では、ヤギ抗ヒトIgGの親和性精製した画分
を使用した。所要の流量を得るために、親和性支持体に
対する結合及び試験の間、実験室用蠕動ポンプ(Rainin
社)を用いた。動的事象を観察するために、オンライン
UVモニター(Gilson社)を用いた。タンパク質の測定を
O.D.280によって型通りに行い、Lowry法によって検証し
た。
2.結果と考察 実験を行ったリガンドについての最適な結合条件に関
しては殆ど報告がなされていないため、二組の実験を行
った。最初の組では、表Xで報告したようにして、両方
のリガンドをグルタルアルデヒドを介してアミノ親和性
支持体に結合した。この場合、還元剤として水素化ホウ
素ナトリウムを用いてリガンドを安定化した。各種の多
クローン性IgGを用いての比較試験は、プロテインGカ
ラムからの高い溶出能力を首尾一貫して示した。
表XIに示した結果は、幾つかの付加的な点を明らかに
している。(1)プロテインA及びプロテインGについ
て、トリメチルアミンボランもまた受け入れ可能な還元
剤である。(2)本発明の新規なマトリックスは容易に
規模拡大可能である…カラムの寸法と結合リガンドの量
を2.5倍にすると、何れのカラムからも完全なスケール
アップに近いIgGの溶出量がもたらされる。(3)プロ
テインAのウシの種との比較的弱い相互作用は、公表さ
れている文献と一致する。
全体的に見て、特にヤギ及びウシのIgGのプロテイン
Aとの弱い相互作用が観察されたことなど、データは発
表されている文献と合致しているが、固定化されたリガ
ンドは何れも本来組み換え体であって、従ってこの結果
はクローニングされた製品の由来及び一慣性などに応じ
て変化しうることに留意すべきである。全ての実験にお
ける合計のタンパク質回収は91-100%の範囲にあり、こ
れはマトリックスに対する回収可能でないタンパク質の
損失は因子ではないことを示唆している。
結合及び実験条件 Aタイプのマトリックス(1,6−ジアミノヘキサンを
結合したマトリックス)を1g含む実験室用カラムを用い
た。カラムをpH8.2の0.1Mホウ酸緩衝液中0.25%のグル
タルアルデヒドで活性化した。過剰のグルタルアルデヒ
ドがないようにカラムを洗浄した後、同じ緩衝液中のリ
ガンド溶液(5mg/ml)を4時間循環させた。カラムを水
素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)で還元し、pH8.2の1%
塩酸グリシンエチルエステルでブロックした。このブロ
ック及び還元段階は便宜のため一晩進行させた。緩衝液
(pH7.6の0.05Mリン酸ナトリウムと0.25Mの塩化ナトリ
ウム)と0.2Mのグリシン−塩酸(pH2.3)で交互に数回
洗浄した後、pH2.0と酸性にされた0.15M塩化ナトリウム
でカラムを洗浄し、次いで0.25Mの塩化ナトリウムと0.0
5Mリン酸ナトリウムのpH7.6の緩衝液で平衡させ、その
後にIgGフラクションを適用した。流量は全体を通して2
ml/分であった。接触時間を最大にするために、全てのI
gG溶液は1時間循環させた。IgGカラムからの溶出は、p
H2.3のグリシン−塩酸を用いて実施した。Lowry法によ
り求めたところでは、プロテインAのカラムは100%の
効率で結合しており5mgの固定化リガンドを含んでい
た。これに対してプロテインGのカラムは88%の効率で
結合しており、4.4mgの固定化リガンドを含んでいた。
実験を一定に行うため、実験に用いた溶液は、各カラム
に合計で50mg(±5mg)のIgGを提供するように調節(希
釈により)した。プロテインAとプロテインGのカラム
は、出発試料による変動の可能性を回避すべく、実験試
料の同じプールを用いて同時に実験した。上記した比
は、溶出したIgGの合計と固定化リガンドの間の相互作
用比(即ち溶出IgG/結合リガンド)として定義される。
結合及び実験条件 表Xのアミノ型マトリックスを2.5g含むやや大きなカ
ラムを用いて、本発明の新規なマトリックスのスケール
アップ効率を実験した。カラムは表Xに関して記載した
ようにして活性化し、リガンドを結合した。この実験に
おいては、還元剤としてトリメチルアミンボランを用い
た。この試薬はまず1Mの酢酸に溶解し、次いで塩酸グリ
シンエチルエステル(最終的な濃度は1.5%、pH6.0)と
組み合わせて、未結合部位を阻止した。阻止および還元
は一晩継続した。前述したようにしてカラムを洗浄し、
平衡させ、実験した。Lowry法により求めたところで
は、プロテインAのカラムは99%の効率で結合し、この
場合12.4mgの固定化リガンドを含んでいた。これに対し
てプロテインGのカラムは97%の効率で結合しており、
10.6mgの固定化リガンドを含んでいた。実験を一定に行
うため、実験に用いた溶液は、各カラムに合計で125mg
(±5mg)のIgGを提供するように調節(希釈により)し
た。出発試料による変動の可能性を回避すべく、プロテ
インAとプロテインGのカラムは実験試料の同じプール
を用いて同時に実験した。表Xにおけると同様、上記し
た比は溶出IgG/結合リガンドである。
マトリックスの組成及び結合方法は、何れのリガンド
についても両立性がある。得られた結果に基づいて示さ
れることは、細菌のFc受容体が重要でない第一アミノ部
位を介して固体支持体に結合しており、免疫グロブリン
のFc領域と相互作用するためのFc受容体部位を接近可能
なまま残しているということである。2.5倍のより多く
のマトリックス及び固定化リガンドを含んでいるカラム
をヒトIgGで実験した場合に観察された算術的なスケー
ルアップは、より大きな装置であって流量が100-1,000m
l/分の範囲にあるものも同様にして製造できることを示
している。
マトリックスのスケールアップの可能性に関するさら
なる支持体が、新規な形状のマトリックスに対してヒト
IgGを結合した場合に得られた。この支持体は、それが
アルデヒド形へと事前に活性化されているという点で異
なるものである。(事前の活性化は、セルロース結合GM
Aのグリシジル基をを希釈した過塩素酸の如き弱酸と反
応させてジヒドロキシ形、即ちPHMAを生成することによ
って達成された。このPHMAは次いで過ヨウ素酸塩と反応
させられて、アルデヒド形となる。)実験的な結果で
は、2ml/分、5ml/分及び125ml/分の流量を流すことので
きる装置について、10mg、80mg及び3,000mgのリガンド
固定化能力がもたらされた。最大の親和性フィルタは、
ヤギ抗ヒト血清から3g以上のIgGを分離することができ
た。
実施例16 固定化されたプロテインAを有する接線流カートリッジ
の調製 マトリックス13.8gを含む250mlの接線流カートリッジ
形に構成し、ヘキサメチレンジアミンで誘導したマトリ
ックスに、プロテインAを固定化した。このカートリッ
ジをまずpH8.2の0.1Mホウ酸緩衝液(約2000ml)で平衡
させ、次いでpH8.2の10mg/mlプロテインA溶液7mlで処
理し、カートリッジを通して一晩(21時間)循環させ
た。流量は最初の2.5時間については約100ml/分であ
り、次の1.5時間は50ml/分、そして残りの時間は25ml/
分であった。
このカートリッジは次いで、既にある溶液に対してpH
8.2のグリシンエチルエステルの26%溶液を5ml添加し、
最終的な濃度が約1%(デッド容積は約130ml)に等し
くなるようにして安定化した。水素化ホウ素ナトリウム
2部(100mg)を相互に20分の間隔を置いて添加し、溶
液をさらに4時間循環させた。次いでpH8.2の緩衝液で
カートリッジを洗浄し、タンパク質を測定するための対
照用に、溶出液を保存した。
pH8.2の1%グリシンエチルエステル溶液500mlをカー
トリッジを通して循環させることによりカラムを不活性
化した。次いで水素化ホウ素ナトリウム(各250mg×
4)を30分の間隔を置いて添加した。約1-1/2時間の
後、溶液を4℃で一晩循環させた。次いで4部の水素化
ホウ素ナトリウム(400mg)を添加し(45分の間隔)、
溶液を室温において約4時間循環させた。
カラムは次いで以下の溶液で洗浄した。
−pH8.2の0.1Mホウ酸溶液680ml −pH2.3の0.2Mグリシン−塩酸溶液1140ml −pH8.2の0.1Mホウ酸溶液450ml −pH2.3の0.2Mグリシン−塩酸溶液1140ml −pH6.5の緩衝液450ml −0.2Mグリシン−塩酸溶液570ml −pH6.5の緩衝液570ml 前述したようにして、Lowryの呈色試験に基づいて、
マトリックスに70mgのプロテインAを結合させた。圧力
差(Δp)対流量(ml/分)のグラフが第26図に示され
ている。
次いで接線流カートリッジを、HγG精製について試
験した。三つの実験を異なる流量において行った。Hγ
Gは0.25Mの塩化ナトリウムを含むpH7.6の0.05Mのリン
酸緩衝液(5mg/ml)に溶解し、25、100及び140ml/分の
流量でもって60分間循環させた。表XIIに示されている
ように、カラムの能力は100ml/分の流れ(208mg)にお
いて、50ml/分(194mg)及び25ml/分(195mg)の場合よ
りも僅かに高いだけであった。
別の実験例では、pH7.8の未希釈血漿(70ml)を75ml/
分で60分間循環させた。表XIIIに示されているように、
IgGの98%の回収が観察された。
第三の実験では、溶血した血液(4℃で2か月保存し
た血液)中のIgGを精製した。接線流カートリッジをま
ずpH7.8の0.3M塩化ナトリウム溶液で平衡させ、次いで
このカートリッジを空にして、pH6.76(未調整)の溶血
血液(50ml)で再度充填した。この血液を60分間にわた
り75ml/分で循環させ、IgGを溶出させた。表XIVに示す
ように、溶出したIgGの量はOD280に基づいて486.4mgで
あり、OD650のLowry法に基づけば203mgであった。第27
図に示すようにIgGの純度は95%よりも大きかった。
実験結果の概要を表XIVに示す。
実施例17 静的試験における血液からのヘパリンの吸着についての
異なるリガンドの比較 実験用媒体は試験管内に配置した。緩衝された生理的
食塩水、ヒト血漿及び血液全体を、10又は20単位/mlの
ヘパリン(ブタの腸粘膜由来のヘパリン、Sigma社のH-7
005、活性150-180 USPK1 U(単位)/mg)を含むように
調製した。試験流体は30分間媒体と接触させたままと
し、次いで試料を約5分間、丁度媒体がペレット化する
まで低速で遠心分離した。
Michael D.Kleinにより公表された血漿中ヘパリンの
呈色分析法Analytical Biochemistry 124:59-64(198
2)を用いた(実施例13参照)。
三つの親和性リガンドについて表面積とヘパリン除去
%の間の関係を示すグラフ(媒体0.1g/10cm3、接触時間
1時間、血液容積10mlヘパリン濃度20単位、クエン酸塩
濃度2.9mg/ml)が第19図に示されている。
第19図に示されているように、リガンドCの高分子量
のポリマー(ポリエチレンイミンリガンド)が最も強い
ヘパリン吸着剤であった。250cm2の媒体に対して20単位
/mlを含んでいる10mlの血液を接触させることにより、1
00%のヘパリン除去が達成可能である。また血液中に存
在している29mgのクエン酸塩の約20%が、同じ媒体によ
って吸着されることも見出された。
次に、接触時間の影響を測定した。その結果は第20図
に示されており、そこにおいてはリガンドA(ヘキサメ
チレンジアミン)とプロタミンを用いて異なる時間に対
してヘパリンの除去%が示されている。
この実験は、150mlの血液バッグ中の7cm×7.5cm即ち5
2.5cm2の大きさのツェータ親和性ペーパー片をラミネー
トすることによって行った。リガンドAによって一晩に
680単位のヘパリン(45%×150ml×10単位/ml)が除去
されることが見出されたが、これはペーパー1cm2当た
り13単位のヘパリンを除去する媒体の能力に対応してい
る。
この結果は第20図に示されており、ヘパリンの結合の
ために90%の吸着部位を使用するには、ほぼ1時間の接
触時間が必要であることが示されている。
次に、血液から除去されたヘパリンの量に対するプロ
タミンの影響を測定した。。種々の濃度のリガンド(0-
200mgプロタミン/媒体g)を、20単位/mlのヘパリンを
有する10mlの血液と接触させた。試料は1時間反応さ
せ、次いで結合したヘパリンの量を前述の如くにして測
定した。12cm2及び6cm2の表面積を有する二枚のマトリ
ックス材料シートについて、マトリックスに結合したヘ
パリンの量を示すグラフを第20図に示す。
実施例18 ヘパリンの除去についての接線流カートリッジの調製及
び動的試験 接線流カートリッジは、第11図に示された250mlサイ
ズのカートリッジに基づいて構成した。媒体がコアを遮
蔽することのないように、最初にウェッビング材料をコ
アの周囲に2回巻いた。次いで媒体と不透過性のフィル
ムをウェッビング材料と一緒に、直径が2.600in(66.04
mm)となるまで巻いた。媒体とフィルムを切断して、ウ
ェッビングの4in(101.6mm)片を媒体及びウェッビング
の先行する巻きの間に2in(50.8mm)挿入した。最後に
この半組立体を弾性帯によって一緒に保持し、ポリプロ
ピレンの端部キャップで蓋をした。250mlサイズのカー
トリッジ(ハウジング容積)は14.4gのマトリックスを
有し、全表面積は180cm2であった。
接線流カートリッジを50ml/分でもって生理的食塩水
で完全に満たした。1単位の血液に10U/mlのヘパリンを
与え、この予め満たしたカートリッジを介して12ml/分
の流量で給送した(Δp=1.5psi)。濾過した血液は10
0mlの分画ごとに最後の10mlの分画を集めた。各々の分
画におけるヘパリンの濃度を呈色分析によって分析して
第23図に示す如くプロットした。第23図は、ほぼ70%の
ヘパリンが除去されたことを示している。別の実験にお
いては(データは示さない)、800mlサイズのカートリ
ッジを介して2単位の血液を通すことによって80%のヘ
パリンが除去された。
次いで血液及び生理的食塩水について、0から160ml/
分の間の流量において、接線流カートリッジを通過する
圧力差を測定した。第22図に示す結果は、6'11"の長さ
を有する媒体については、流量の増加に伴って、血液に
ついての圧力差は生理的食塩水についての圧力差よりも
より急激に増加することを示している。
表XVにおいては、250mlの接線流カートリッジについ
ての種々の容積の濾過血液についての血液成分の分析が
示されている。表XVIは、800mlサイズの接線流カートリ
ッジを用いた場合の、種々の容積の血液についての血液
成分の分析を示している。
親和的精製についての可能性を、カートリッジ装置に
ついて示してきた。使用の簡単さ、首尾一貫したスケー
ルアップ性能、そしてリガンドの付着前に熱殺菌するに
十分安定なマトリックスは、組み換え体の溶液から生成
物を分離するために現在使用されている複雑な精製方式
に対し、新規なアプローチを行う可能性を提供するもの
である。プロテインAやプロテインGについて示された
ような、改善された特異性を伴う新規なリガンドの利用
可能性は、より処理に適した親和性支持体の開発におい
てなされている前進をさらに押し進めるものである。
以上のように本発明を完全に説明したが、当業者は、
本発明の思想及び範囲内又はその実施例から逸脱するこ
となしに、本発明をそのパラメータ、条件、構造及び使
用についての幅広い、また等価な範囲内で実行しうるこ
とを理解しうるであろう。

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)合成ポリマーに共有結合した水に不
    溶の多糖と、 (2)前記合成ポリマーが、 (a)前記多糖に対して直接に共有結合することのでき
    るエポキシ基を有する重合可能な化合物と、及び (b)一つ又はそれ以上の重合可能な化合物であって、 (i)親和性リガンド又は生物学的活性分子に対する前
    記合成ポリマーの共有結合を生ずることのできる化学的
    な基、又は (ii)疎水性の化学的な基を有するものから作られてい
    ることからなる変性多糖物質。
  2. 【請求項2】前記合成ポリマーがホモポリマーである、
    請求項1の物質。
  3. 【請求項3】前記合成ポリマーがグリシジルアクリレー
    ト又はグリシジルメタクリレートのホモポリマーであ
    る、請求項2の物質。
  4. 【請求項4】前記合成ポリマーがコポリマーである、請
    求項1の物質。
  5. 【請求項5】前記多糖がセルロースである、請求項1の
    物質。
  6. 【請求項6】前記共有結合を生ずることのできる前記化
    学的な基が親和性リガンドと反応している、請求項1の
    物質。
  7. 【請求項7】前記親和性リガンドに対する前記合成ポリ
    マーの共有結合を生ずることのできる前記化学的な基が
    第一アミン及びアルデヒドからなる群から選択される、
    請求項1の物質。
  8. 【請求項8】前記親和性リガンドが酵素、核酸、抗原、
    抗体、糖質、レクチン、酵素補因子、酵素阻害物質又は
    結合タンパク質である、請求項6の物質。
  9. 【請求項9】前記リガンドがベンズアミジン、プロテイ
    ンA、プロテインG、ポリミキシンB、プロタミン及び
    ヘパリンからなる群から選択される、請求項8の物質。
  10. 【請求項10】請求項6の物質からなる自己支持性セル
    ロース繊維質マトリックス。
  11. 【請求項11】不溶性リガンド支持体として請求項1の
    物質を用いることからなる改良型アフィニティークロマ
    トグラフィー法。
  12. 【請求項12】不溶化された生物学的活性分子を用いて
    化学反応を実行する方法であって、前記分子用の不溶性
    支持体が請求項1の物質できる改良方法。
  13. 【請求項13】前記物質が自己支持性セルロース繊維質
    マトリックスの形を有する、請求項11又は12の何れか一
    つの方法。
  14. 【請求項14】請求項1の変性多糖物質を調製するため
    の方法であって、 (1)前記多糖の水酸基と反応可能なエポキシ基を有す
    る前記化合物(a)を前記化合物(b)と、前記多糖の
    存在下に前記化合物(a)の前記多糖に対する共有結合
    を生ずるには不十分な温度条件下で重合し、それにより
    (a)と(b)の合成ポリマーを形成し、 (2)前記多糖を前記合成ポリマーの化合物(a)の前
    記化学基と、前記共有結合を生ずるに十分な条件下で反
    応させることからなる方法。
  15. 【請求項15】カラムを通って流れる試料の少なくとも
    二つの成分をクロマトグラフィー的に分離するためのク
    ロマトグラフィーカラムであって、 ハウジングと、 前記ハウジング内の少なくとも一つの固体固定相であっ
    て、クロマトグラフィー的官能基を有し固定相を介して
    試料を分散させるクロマトグラフィー的手段として有用
    なマトリックスからなるものと、 試料が固定相を通って流れた後に試料を回収するための
    手段とからなり、前記マトリックスが請求項1の物質か
    らなるクロマトグラフィーカラム。
  16. 【請求項16】カラムを通って流れる試料の少なくとも
    二つの成分をクロマトグラフィー的に分離するためのク
    ロマトグラフィーカラムであって、 (1)ハウジングと、該ハウジングが、 (a)入口ハウジング部材と、及び、 (b)出口ハウジング部材とを含み、前記入口ハウジン
    グ部材及び前記出口ハウジング部材が半径方向外方へと
    拡がる固定相チャンバを画定していること、 (2)前記半径方向外方へと拡がる固定相チャンバ内の
    固定相と、前記固定相がクロマトグラフィー的官能性を
    有しクロマトグラフィー的分離に有効なマトリックスか
    らなり、 前記固定相と前記半径方向外方へと拡がる固定相チャン
    バが共働して前記固定相を横切る試料の実質的に均一な
    半径方向の分配をもたらし、前記マトリックスが請求項
    1の物質を含むことからなるカラム。
  17. 【請求項17】カラムを通って流れる試料の少なくとも
    二つの成分をクロマトグラフィー的に分離するためのク
    ロマトグラフィーカラムであって、 (1)ハウジングと、該ハウジングが、 (a)入口ハウジング部材と、及び、 (b)出口ハウジング部材とを含み、前記入口ハウジン
    グ部材及び前記出口ハウジング部材が固定相チャンバを
    画定していること、 (2)前記半径方向外方へと拡がる固定相チャンバ内の
    固定相と、前記固定相がクロマトグラフィー的官能性を
    有しクロマトグラフィー的分離に有効なマトリックスか
    らなり、 前記固定相チャンバと前記固定相が共働して試料を前記
    固定相を横切って分配させ、前記マトリックスが請求項
    1の物質を含むことからなるカラム。
  18. 【請求項18】カラムを通って流れる試料の少なくとも
    二つの成分をクロマトグラフィー的に分離するためのク
    ロマトグラフィーカラムであって、 (1)ハウジングと、該ハウジングが、 (a)入口ハウジング部材と、及び、 (b)出口ハウジング部材とを含み、前記入口ハウジン
    グ部材及び前記出口ハウジング部材が半径方向外方へと
    拡がる固定相チャンバを画定していること、 (2)前記半径方向外方へと拡がるチャンバ内の固定相
    と、前記固定相が、 クロマトグラフィー的官能性を有しクロマトグラフィー
    的分離に有効なマトリックスを含み、 前記固定相チャンバと前記固定相が共働して前記固定相
    を横切って試料を分配させ、前記マトリックスが請求項
    1の物質を含むことからなるカラム。
  19. 【請求項19】試料の少なくとも二つの成分のクロマト
    グラフィー的分離を行う方法であって、前記試料を変性
    多糖物質を含む自己支持性繊維質マトリックスと接触さ
    せることからなり、前記変性多糖物質が、 (1)合成ポリマーに共有結合した水に不溶の多糖と、 (2)前記合成ポリマーが、 (a)前記多糖に対して直接に共有結合することのでき
    るエポキシ基を有する重合可能な化合物と、及び (b)一つ又はそれ以上の重合可能な化合物であって、 (i)親和性リガンド又は生物学的活性分子に対する前
    記合成ポリマーの共有結合を生ずることのできる化学的
    な基、又は (ii)疎水性の化学的な基を有するものから作られてい
    ることからなる方法。
  20. 【請求項20】前記接触が前記マトリックスを通過する
    前記試料の半径流からなる、請求項19の方法。
  21. 【請求項21】前記接触が前記マトリックスを横切る前
    記試料の接線流からなる、請求項19の方法。
  22. 【請求項22】試料の少なくとも二つの成分のクロマト
    グラフィー的分離を行うためのクロマトグラフィー装置
    であって、 (A)次のものからなる変性多糖物質、即ち、 (1)合成ポリマーに共有結合した水に不溶の多糖と、 (2)前記合成ポリマーが、 (a)前記多糖に対して直接に共有結合することのでき
    るエポキシ基を有する重合可能な化合物と、及び (b)一つ又はそれ以上の重合可能な化合物であって、 (i)親和性リガンド又は生物学的活性分子に対する前
    記合成ポリマーの共有結合を生ずることのできる化学的
    な基、又は (ii)疎水性の化学的な基を有するもの から作られていることからなるものと、及び、 (B)前記変性多糖物質を横切る前記試料の接線流を実
    行するための手段とからなる装置。
  23. 【請求項23】前記変性多糖物質がシート、波状シート
    又はチューブの形状である、請求項22の装置。
  24. 【請求項24】試料の少なくとも二つの成分のクロマト
    グラフィー的分離を行うためのクロマトグラフィー装置
    であって、 (1)円筒状のコアと、 (2)前記円筒状のコアの周囲に巻回された少なくとも
    第一及び第二の固定相とからなり、 (a)前記第一の相が変性多糖物質からなり、該物質
    が、 (i)合成ポリマーに共有結合した水に不溶の多糖と、 (ii)前記合成ポリマーが、 (1)前記多糖に対して直接に共有結合することのでき
    るエポキシ基を有する重合可能な化合物と、及び (2)一つ又はそれ以上の重合可能な化合物であって、 (a)親和性リガンド又は生物学的活性分子に対する前
    記合成ポリマーの共有結合を生ずることのできる化学的
    な基、又は (b)疎水性の化学的な基を有するもの からなり、前記第一相がシートの形状であり、 (b)第二相が支持及び分離を行い前記円筒状のコアに
    対して接線方向にチャネルを提供するための手段を含む
    ことと、 (3)試料を前記チャネルに分配する手段と、 (4)試料を前記チャネルから収集する手段と、 (5)円筒状のハウジングとからなる装置。
  25. 【請求項25】前記円筒状のハウジングの端部に配置さ
    れたノズルをさらに含み、前記チャネルから試料を収集
    する手段が前記円筒状のコアの軸方向の長さに沿って、
    前記チャネル及び前記ノズルと流体連通状態にある一つ
    又はそれ以上の溝を含む、請求項24の装置。
  26. 【請求項26】前記円筒状のハウジングの端部に配置さ
    れたノズルをさらに含み、前記チャネルに試料を分配す
    る手段が前記円筒状のコアの軸方向の長さに沿って、前
    記チャネル及び前記ノズルと流体連通状態にある一つ又
    はそれ以上の溝を含む、請求項24の装置。
  27. 【請求項27】支持及び分離を行いチャネルを提供する
    ための前記手段が、 (1)相互に並列に隔置され前記円筒状のコアの軸に対
    して垂直な第一の列と、 (2)相互に並列に隔置され前記第一の列に対して角度
    をなして配置された第二の列 とからなるフィラメントの二つの列からなる、請求項24
    の装置。
  28. 【請求項28】前記第一の列と前記第二の列はそれらが
    交差する点で固定されている、請求項27の装置。
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