JP2726209B2 - 半導体光デバイス及びその製造方法 - Google Patents
半導体光デバイス及びその製造方法Info
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- JP2726209B2 JP2726209B2 JP4359673A JP35967392A JP2726209B2 JP 2726209 B2 JP2726209 B2 JP 2726209B2 JP 4359673 A JP4359673 A JP 4359673A JP 35967392 A JP35967392 A JP 35967392A JP 2726209 B2 JP2726209 B2 JP 2726209B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体光デバイス及
びその製造方法に関し、特に、半導体レーザ,光変調器
付半導体レーザ,及び,スーパールミネッセントダイオ
ードにおける半導体成長層の成長方法の改良に関するも
のである。
びその製造方法に関し、特に、半導体レーザ,光変調器
付半導体レーザ,及び,スーパールミネッセントダイオ
ードにおける半導体成長層の成長方法の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体基板上の所定領域をSiO2 膜や
SiN膜で覆い、この状態で半導体層を有機金属気相成
長法でエピタキシャル成長すると、半導体基板上に供給
される原料ガスは基板上で熱分解してそのままエピタキ
シャル成長し、SiO2 膜(またはSiN膜)上に供給
される原料ガスはSiO2 膜上では反応せず、SiO2
膜(またはSiN膜)上を拡散して半導体基板が露出す
る部分に移動し、半導体基板上で熱分解してエピタキシ
ャル成長する。そして、このような性質により、半導体
基板上のSiO2 膜やSiN膜に近い位置と離れた位置
では半導体層の成長速度が異なって成長する半導体層に
層厚差が生じたり、また、半導体層の結晶組成が異なる
ことから、成長する半導体層にバンドギャップの異なる
領域が形成されることが知られている。従来より、上記
のような現象を利用して半導体光デバイスにおける素子
構造、即ち、基板上に成長させる半導体層の層厚や組成
を制御することが行われている。
SiN膜で覆い、この状態で半導体層を有機金属気相成
長法でエピタキシャル成長すると、半導体基板上に供給
される原料ガスは基板上で熱分解してそのままエピタキ
シャル成長し、SiO2 膜(またはSiN膜)上に供給
される原料ガスはSiO2 膜上では反応せず、SiO2
膜(またはSiN膜)上を拡散して半導体基板が露出す
る部分に移動し、半導体基板上で熱分解してエピタキシ
ャル成長する。そして、このような性質により、半導体
基板上のSiO2 膜やSiN膜に近い位置と離れた位置
では半導体層の成長速度が異なって成長する半導体層に
層厚差が生じたり、また、半導体層の結晶組成が異なる
ことから、成長する半導体層にバンドギャップの異なる
領域が形成されることが知られている。従来より、上記
のような現象を利用して半導体光デバイスにおける素子
構造、即ち、基板上に成長させる半導体層の層厚や組成
を制御することが行われている。
【0003】図12は、上記の特性を利用してSiO2
膜付GaAs基板上にAlGaAs層およびGaAs層
をエピタキシャル成長して作成された特開昭63-263787
号公報に示された従来の半導体レーザの構造を示す分解
斜視図であり、図中Aはエピタキシャル成長後の状態を
示し、図中Bは、半導体基板上に一定間隔を空けて互い
に平行に形成されたストライプ状の2つのSiO2 膜9
の間に結晶成長した成長した部分、即ち、レーザチップ
の内部となる部分を取り出して示している。図におい
て、1はGaAs基板、2はAlx Ga1-x Asクラッ
ド層(0<x<1)、3a,3bはAlz Ga1-z As
活性層(0<z<1,x>z)、4はAlx Ga1-x A
sクラッド層(0<x<1)、5はGaAsコンタクト
層、9はSiO2 膜である。この図から分かるように、
レーザチップ内部に成長したAlzGa1-z As活性層
3bの層厚がレーザチップの端面付近に成長したAlz
Ga1-z As活性層3aのそれより厚くなっていること
が分かる。
膜付GaAs基板上にAlGaAs層およびGaAs層
をエピタキシャル成長して作成された特開昭63-263787
号公報に示された従来の半導体レーザの構造を示す分解
斜視図であり、図中Aはエピタキシャル成長後の状態を
示し、図中Bは、半導体基板上に一定間隔を空けて互い
に平行に形成されたストライプ状の2つのSiO2 膜9
の間に結晶成長した成長した部分、即ち、レーザチップ
の内部となる部分を取り出して示している。図におい
て、1はGaAs基板、2はAlx Ga1-x Asクラッ
ド層(0<x<1)、3a,3bはAlz Ga1-z As
活性層(0<z<1,x>z)、4はAlx Ga1-x A
sクラッド層(0<x<1)、5はGaAsコンタクト
層、9はSiO2 膜である。この図から分かるように、
レーザチップ内部に成長したAlzGa1-z As活性層
3bの層厚がレーザチップの端面付近に成長したAlz
Ga1-z As活性層3aのそれより厚くなっていること
が分かる。
【0004】図13は、図12に示した半導体レーザを
作製する際に用いるSiO2 膜付GaAs基板を示す斜
視図であり、図において、10はSiO2 膜9で挟まれ
たGaAs基板1表面のストライプ部である。
作製する際に用いるSiO2 膜付GaAs基板を示す斜
視図であり、図において、10はSiO2 膜9で挟まれ
たGaAs基板1表面のストライプ部である。
【0005】以下、製造工程を説明する。図13に示す
ようにSiO2 膜9は基板の両端面付近及び中央ストラ
イプ部10を除いて形成されている。このようなSiO
2 膜付GaAs基板上に減圧有機金属気相成長法を用い
て、AlGaAs層およびGaAs層を成長させると、
上述したように、GaAs基板1が露出している部分に
はAlGaAs,GaAsが成長するが、SiO2 膜9
上には成長しない。即ち、ガス状態で供給されるトリメ
チルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,アルシ
ンの内、GaAs基板1表面に直接供給されるものは、
そのまま熱分解して、エピタキシャル成長するが、Ga
As基板1上のSiO2 膜9表面に供給されるトリメチ
ルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,アルシン
はSiO2 膜9上にエピタキシャル成長せず、GaAs
基板1が露出している部分まで移動し、そこでエピタキ
シャル成長する。このため、SiO2 膜9から十分に離
れたGaAs基板1表面よりも、SiO2 膜9からわず
かに離れたGaAs基板1表面、即ち、ストライプ部1
0表面のほうがエピタキシャル成長に寄与するガリウム
(Ga),アルミニウム(Al),ヒ素(As)の量が
多くなり、これに伴って成長速度が速くなる。そして、
この成長速度の差により、活性層の厚みが端面付近では
薄く、レーザチップの内部で厚くなる。
ようにSiO2 膜9は基板の両端面付近及び中央ストラ
イプ部10を除いて形成されている。このようなSiO
2 膜付GaAs基板上に減圧有機金属気相成長法を用い
て、AlGaAs層およびGaAs層を成長させると、
上述したように、GaAs基板1が露出している部分に
はAlGaAs,GaAsが成長するが、SiO2 膜9
上には成長しない。即ち、ガス状態で供給されるトリメ
チルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,アルシ
ンの内、GaAs基板1表面に直接供給されるものは、
そのまま熱分解して、エピタキシャル成長するが、Ga
As基板1上のSiO2 膜9表面に供給されるトリメチ
ルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,アルシン
はSiO2 膜9上にエピタキシャル成長せず、GaAs
基板1が露出している部分まで移動し、そこでエピタキ
シャル成長する。このため、SiO2 膜9から十分に離
れたGaAs基板1表面よりも、SiO2 膜9からわず
かに離れたGaAs基板1表面、即ち、ストライプ部1
0表面のほうがエピタキシャル成長に寄与するガリウム
(Ga),アルミニウム(Al),ヒ素(As)の量が
多くなり、これに伴って成長速度が速くなる。そして、
この成長速度の差により、活性層の厚みが端面付近では
薄く、レーザチップの内部で厚くなる。
【0006】次に、この半導体レーザの活性層の厚みを
端面付近で薄く、レーザチップ内部で厚くしている理由
を説明する。レーザの高出力動作,寿命の点では、活性
層の層厚を薄くする方が有利である。つまり、AlGa
As系材料、あるいはAlGaInP系材料を用いた半
導体レーザでは、高出力動作時、発生したレーザ光が端
面付近で吸収されて発熱し、活性層の端面部が Catastr
ophic Optical Damage(以下、CODと称す。)と呼ば
れるダメージを受け、レーザ出射端面が破壊されてしま
うことがあり、これに対して、端面近傍での活性層の層
厚を0.03μm程度に薄くすることにより、活性層か
らクラッド層2,4にしみ出す光が増して端面での発光
スポットが大きくなり、レーザ端面における光密度が低
減し、端面破壊が抑制され、高出力動作が可能になるよ
うにすることができる。また、寿命試験においても、端
面近傍での活性層の厚さを薄くして端面の光密度を下げ
ると、端面劣化モードが抑制されて長寿命になることが
知られている。一方、レーザの発振閾値電流は、活性層
の層厚によって大きく変化し、通常活性層の層厚を0.
1μm程度にした時に発振閾値電流は最低になる。この
ため、活性層の層厚を0.03μm程度に薄くすると発
振閾値電流が上昇してしまう。従って、このような点か
ら、上記半導体レーザでは活性層の層厚を端面付近では
0.03μm程度に薄くし、チップ内部では0.1μm
程度に厚くして、低閾値及び高出力特性を得ている。
尚、端面付近の活性層の層厚を0.1μmから0.03
μmに薄くすることにより、放射ビームの接合に垂直な
方向の半値全角は40°から16°程度に狭くなり、狭
放射ビームが得られるというメリットもある。
端面付近で薄く、レーザチップ内部で厚くしている理由
を説明する。レーザの高出力動作,寿命の点では、活性
層の層厚を薄くする方が有利である。つまり、AlGa
As系材料、あるいはAlGaInP系材料を用いた半
導体レーザでは、高出力動作時、発生したレーザ光が端
面付近で吸収されて発熱し、活性層の端面部が Catastr
ophic Optical Damage(以下、CODと称す。)と呼ば
れるダメージを受け、レーザ出射端面が破壊されてしま
うことがあり、これに対して、端面近傍での活性層の層
厚を0.03μm程度に薄くすることにより、活性層か
らクラッド層2,4にしみ出す光が増して端面での発光
スポットが大きくなり、レーザ端面における光密度が低
減し、端面破壊が抑制され、高出力動作が可能になるよ
うにすることができる。また、寿命試験においても、端
面近傍での活性層の厚さを薄くして端面の光密度を下げ
ると、端面劣化モードが抑制されて長寿命になることが
知られている。一方、レーザの発振閾値電流は、活性層
の層厚によって大きく変化し、通常活性層の層厚を0.
1μm程度にした時に発振閾値電流は最低になる。この
ため、活性層の層厚を0.03μm程度に薄くすると発
振閾値電流が上昇してしまう。従って、このような点か
ら、上記半導体レーザでは活性層の層厚を端面付近では
0.03μm程度に薄くし、チップ内部では0.1μm
程度に厚くして、低閾値及び高出力特性を得ている。
尚、端面付近の活性層の層厚を0.1μmから0.03
μmに薄くすることにより、放射ビームの接合に垂直な
方向の半値全角は40°から16°程度に狭くなり、狭
放射ビームが得られるというメリットもある。
【0007】一方、図14は、ファイバジャイロ,OT
DR(Optical Time-Domain Reflectometry )の光計測
分野での光源や、LAN(Local Area Network)の光源
として用いられる従来のスーパールミネッセントダイオ
ード(以下、SLDと称す。)の一種である非励起吸収
型SLDの構造を示す図であり、図14(a) はその断面
模式図、図14(b) はその上面模式図である。図におい
て、101はn型GaAs基板、102はAl組成比が
0.48のn型AlGaAsクラッド層、103はAl
組成比が0.05のAlGaAs活性層、104はAl
組成比が0.48のP型AlGaAsクラッド層、10
5はn型GaAsキャップ層、106はn側電極、10
7はP側電極、108はZn拡散P型領域(励起領
域)、109は非注入領域(非励起領域)、111は前
端面、112は後端面である。
DR(Optical Time-Domain Reflectometry )の光計測
分野での光源や、LAN(Local Area Network)の光源
として用いられる従来のスーパールミネッセントダイオ
ード(以下、SLDと称す。)の一種である非励起吸収
型SLDの構造を示す図であり、図14(a) はその断面
模式図、図14(b) はその上面模式図である。図におい
て、101はn型GaAs基板、102はAl組成比が
0.48のn型AlGaAsクラッド層、103はAl
組成比が0.05のAlGaAs活性層、104はAl
組成比が0.48のP型AlGaAsクラッド層、10
5はn型GaAsキャップ層、106はn側電極、10
7はP側電極、108はZn拡散P型領域(励起領
域)、109は非注入領域(非励起領域)、111は前
端面、112は後端面である。
【0008】次に動作について説明する。Zn拡散P型
領域108が電流注入領域であり、該Zn拡散P型領域
108に電流が注入されると、該Zn拡散P型領域10
8が励起領域となり、他の領域が非励起領域となる。そ
して、励起領域108で発生し、共振器の後端面112
に向かって伝播する光は、非励起領域109を通過する
間に吸収され、後端面112で反射されて励起領域10
8に再入射する光の強度は低減する。これにより、実効
的な反射率が低減されることになり、ファブリペローモ
ードによる発振が抑制され、レーザ発振することなく光
計測等において必要とされるブロードなスペクトル幅の
光が発光する。
領域108が電流注入領域であり、該Zn拡散P型領域
108に電流が注入されると、該Zn拡散P型領域10
8が励起領域となり、他の領域が非励起領域となる。そ
して、励起領域108で発生し、共振器の後端面112
に向かって伝播する光は、非励起領域109を通過する
間に吸収され、後端面112で反射されて励起領域10
8に再入射する光の強度は低減する。これにより、実効
的な反射率が低減されることになり、ファブリペローモ
ードによる発振が抑制され、レーザ発振することなく光
計測等において必要とされるブロードなスペクトル幅の
光が発光する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図12に示した従来の
半導体レーザでは、上述したように半導体基板1上の所
定領域にSiO2 膜9を形成した状態で、半導体層を減
圧有機金属気相成長法を用いてエピタキシャル成長する
ことにより、得られる半導体層中の活性層3の層厚が、
端面部で薄く、チップ内部で厚くなるようにしていた
が、このエピタキシャル成長時、成長する半導体層全体
に層厚差が形成されるため、活性層だけでなくクラッド
層にも、端面部とチップ内部との間で層厚差が形成され
てしまう。例えば、チップ内部での活性層3の層厚が
0.1μm,端面付近での活性層の層厚が0.03μm
になるような条件で成長すると、下クラッド層2は、チ
ップ内部での層厚が1.5μm,端面付近での層厚が
0.45μmになり、形成される層内に大きな段差が形
成される。従って、活性層3はこのような段差が形成さ
れた下クラッド層2の上に成長することになり、活性層
3自体に段差が形成され、レーザビームが下側に歪んで
出射されてしまうという問題があった。また、光が段差
のついた活性層内を導波するため、段差部で損失が生じ
るという問題があった。
半導体レーザでは、上述したように半導体基板1上の所
定領域にSiO2 膜9を形成した状態で、半導体層を減
圧有機金属気相成長法を用いてエピタキシャル成長する
ことにより、得られる半導体層中の活性層3の層厚が、
端面部で薄く、チップ内部で厚くなるようにしていた
が、このエピタキシャル成長時、成長する半導体層全体
に層厚差が形成されるため、活性層だけでなくクラッド
層にも、端面部とチップ内部との間で層厚差が形成され
てしまう。例えば、チップ内部での活性層3の層厚が
0.1μm,端面付近での活性層の層厚が0.03μm
になるような条件で成長すると、下クラッド層2は、チ
ップ内部での層厚が1.5μm,端面付近での層厚が
0.45μmになり、形成される層内に大きな段差が形
成される。従って、活性層3はこのような段差が形成さ
れた下クラッド層2の上に成長することになり、活性層
3自体に段差が形成され、レーザビームが下側に歪んで
出射されてしまうという問題があった。また、光が段差
のついた活性層内を導波するため、段差部で損失が生じ
るという問題があった。
【0010】一方、図14に示した従来のスーパールミ
ネッセントダイオードでは、高出力時においては光を十
分に吸収できず、レーザ発振して、ブロードな発光スペ
クトルが得らないという問題点があった。また、発光ス
ペクトルの幅は活性層の組成によって制限されるため、
OTDR等で要求される非常にブロードなスペクトル幅
を実現することが困難であるという問題点があった。
ネッセントダイオードでは、高出力時においては光を十
分に吸収できず、レーザ発振して、ブロードな発光スペ
クトルが得らないという問題点があった。また、発光ス
ペクトルの幅は活性層の組成によって制限されるため、
OTDR等で要求される非常にブロードなスペクトル幅
を実現することが困難であるという問題点があった。
【0011】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、基板上に形成される半導体層中
の所望の層のみに層厚差を生じさせることができる半導
体レーザとその製造方法を得ることを目的とする。
ためになされたもので、基板上に形成される半導体層中
の所望の層のみに層厚差を生じさせることができる半導
体レーザとその製造方法を得ることを目的とする。
【0012】更に、この発明の他の目的は、上記のよう
な部分的にSiN膜、SiO2 膜を形成した半導体基板
上に半導体層をエピタキシャル成長することにより、半
導体レーザと光変調器とを一括形成して得られる変調器
付半導体レーザにおいて、光変調器と半導体レーザとの
間に生ずる段差を従来より小さくできる変調器付半導体
レーザとその製造方法を得ることを目的とする。
な部分的にSiN膜、SiO2 膜を形成した半導体基板
上に半導体層をエピタキシャル成長することにより、半
導体レーザと光変調器とを一括形成して得られる変調器
付半導体レーザにおいて、光変調器と半導体レーザとの
間に生ずる段差を従来より小さくできる変調器付半導体
レーザとその製造方法を得ることを目的とする。
【0013】更に、この発明の他の目的は、高出力時に
もレーザ発振せず、ブロードなスペクトルが得られ、し
かも、従来に比べて非常にブロードなスペクトル幅を実
現できるSLD及びその製造方法を得ることを目的とす
る。
もレーザ発振せず、ブロードなスペクトルが得られ、し
かも、従来に比べて非常にブロードなスペクトル幅を実
現できるSLD及びその製造方法を得ることを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる半導体
レーザ及びその製造方法は、その表面にSiO2 膜ある
いはSiN膜を部分的に形成した半導体基板上に、半導
体層を有機金属気相成長法によりエピタシキャル成長す
る際、その層内に層厚差を生じさせたくない層の成長
を、原子層エピタキシー(Atomic Layer Epitaxy)モー
ド(以下、ALEモードと称す。)で行い、その層内に
層厚差を生じさせたい層の成長を、半導体層を構成する
複数の原料ガスが混合して供給される通常の成長モード
で行うようにしたものである。
レーザ及びその製造方法は、その表面にSiO2 膜ある
いはSiN膜を部分的に形成した半導体基板上に、半導
体層を有機金属気相成長法によりエピタシキャル成長す
る際、その層内に層厚差を生じさせたくない層の成長
を、原子層エピタキシー(Atomic Layer Epitaxy)モー
ド(以下、ALEモードと称す。)で行い、その層内に
層厚差を生じさせたい層の成長を、半導体層を構成する
複数の原料ガスが混合して供給される通常の成長モード
で行うようにしたものである。
【0015】更に、この発明にかかる半導体レーザ及び
その製造方法は、活性層のみを上記有機金属気相成長法
の通常の成長モードで成長し、活性層の下方に配設され
る層を有機金属気相成長法のALEモードで成長するよ
うにしたものである。
その製造方法は、活性層のみを上記有機金属気相成長法
の通常の成長モードで成長し、活性層の下方に配設され
る層を有機金属気相成長法のALEモードで成長するよ
うにしたものである。
【0016】更に、この発明にかかるDFBレーザ及び
その製造方法は、活性層上に形成される光ガイド層のみ
を上記有機金属気相成長法の通常の成長モードで成長
し、活性層及び該活性層の下方に形成される各層を有機
金属気相成長法のALEモードで成長するようにしたも
のである。
その製造方法は、活性層上に形成される光ガイド層のみ
を上記有機金属気相成長法の通常の成長モードで成長
し、活性層及び該活性層の下方に形成される各層を有機
金属気相成長法のALEモードで成長するようにしたも
のである。
【0017】更に、この発明にかかる光変調器付半導体
レーザ及びその製造方法は、その表面の半導体レーザが
形成される側の所定部分にSiO2 膜あるいはSiN膜
を形成した半導体基板上に、半導体層をエピタキシャル
成長して光変調器と半導体レーザとを一括して形成する
際、活性層の下方に配置する光ガイド層の成長を、有機
金属気相成長法のALEモードで行い、活性層及び光ガ
イド層を除く他の層の成長を、有機金属気相成長法の通
常の成長モードで行うようにしたものである。
レーザ及びその製造方法は、その表面の半導体レーザが
形成される側の所定部分にSiO2 膜あるいはSiN膜
を形成した半導体基板上に、半導体層をエピタキシャル
成長して光変調器と半導体レーザとを一括して形成する
際、活性層の下方に配置する光ガイド層の成長を、有機
金属気相成長法のALEモードで行い、活性層及び光ガ
イド層を除く他の層の成長を、有機金属気相成長法の通
常の成長モードで行うようにしたものである。
【0018】更に、この発明にかかるSLD及びその製
造方法は、半導体基板上の該半導体基板上に形成される
共振器の後端面側の所定領域にSiO2 膜あるいはSi
N膜を部分的に形成した後、有機金属気相成長法により
活性層を含む半導体層をエピタキシャル成長して、該活
性層の光の伝播方向における光の出射面側を大きいバン
ドギャップにし、後端面側を小さいバンドギャップに
し、このバンドギャップが大きくなった活性層部分の上
方に電流注入領域、即ち、励起領域を形成するようにし
たものである。
造方法は、半導体基板上の該半導体基板上に形成される
共振器の後端面側の所定領域にSiO2 膜あるいはSi
N膜を部分的に形成した後、有機金属気相成長法により
活性層を含む半導体層をエピタキシャル成長して、該活
性層の光の伝播方向における光の出射面側を大きいバン
ドギャップにし、後端面側を小さいバンドギャップに
し、このバンドギャップが大きくなった活性層部分の上
方に電流注入領域、即ち、励起領域を形成するようにし
たものである。
【0019】
【作用】この発明においては、その層内に層厚差をつけ
たい層の成長を、通常の有機金属気相法で成長し、その
層内に層厚差をつけたくない層の成長を有機金属気相成
長法のALEモードで成長するから、半導体基板上にエ
ピタキシャル成長する半導体層のうち、所望の層のみに
層厚差を生じさせることができる。
たい層の成長を、通常の有機金属気相法で成長し、その
層内に層厚差をつけたくない層の成長を有機金属気相成
長法のALEモードで成長するから、半導体基板上にエ
ピタキシャル成長する半導体層のうち、所望の層のみに
層厚差を生じさせることができる。
【0020】更に、この発明においては、活性層に層厚
差を生じさせ、活性層と該活性層の下方に配設される層
を均一な層厚に形成したから、活性層が段差上に形成さ
れず、レーザビームの歪みや損失の増大を防止すること
ができる。
差を生じさせ、活性層と該活性層の下方に配設される層
を均一な層厚に形成したから、活性層が段差上に形成さ
れず、レーザビームの歪みや損失の増大を防止すること
ができる。
【0021】更に、この発明においては、DFBレーザ
の光ガイド層のみに層厚差を生じさせ、光ガイド層以外
の層を均一な層厚に形成するようにしたから、活性層が
段差上に形成されず、レーザビームの歪みや損失の増大
を防止することができ、しかも、光ガイド層の層厚の厚
い部分では、回折格子と活性層の距離が離れることから
活性層を導波する光と回折格子との結合度が弱く、光ガ
イド層の層厚の薄い部分では、回折格子と活性層の距離
が近づくことから活性層を導波する光と回折格子との結
合度が強くなるため、光ガイド層の層厚を変更する部分
を調整することにより、レーザチップ内の光強度分布を
均一にすることができる。
の光ガイド層のみに層厚差を生じさせ、光ガイド層以外
の層を均一な層厚に形成するようにしたから、活性層が
段差上に形成されず、レーザビームの歪みや損失の増大
を防止することができ、しかも、光ガイド層の層厚の厚
い部分では、回折格子と活性層の距離が離れることから
活性層を導波する光と回折格子との結合度が弱く、光ガ
イド層の層厚の薄い部分では、回折格子と活性層の距離
が近づくことから活性層を導波する光と回折格子との結
合度が強くなるため、光ガイド層の層厚を変更する部分
を調整することにより、レーザチップ内の光強度分布を
均一にすることができる。
【0022】更に、この発明においては、光変調器付半
導体レーザの光ガイド層を均一な層厚に形成できるた
め、半導体レーザと光変調器との結合部の段差が軽減
し、変調器へ伝搬される光の結合損失を小さくできる。
導体レーザの光ガイド層を均一な層厚に形成できるた
め、半導体レーザと光変調器との結合部の段差が軽減
し、変調器へ伝搬される光の結合損失を小さくできる。
【0023】更に、この発明においては、SLDの活性
層内に、バンドギャップの相対的に大きい部分と小さい
部分とを共振器方向に沿って形成したから、非励起領域
のバンドギャップを励起領域のそれより大きくすること
ができ、非励起領域における光の吸収が大きくなって、
実効的な反射率を低減でき、その結果、レーザ発振が抑
制されてブロードな発光スペクトルを得ることかでき
る。
層内に、バンドギャップの相対的に大きい部分と小さい
部分とを共振器方向に沿って形成したから、非励起領域
のバンドギャップを励起領域のそれより大きくすること
ができ、非励起領域における光の吸収が大きくなって、
実効的な反射率を低減でき、その結果、レーザ発振が抑
制されてブロードな発光スペクトルを得ることかでき
る。
【0024】
【実施例】実施例1. 図3は、この発明の第1の実施例による半導体レーザの
構造を示す分解斜視図であり、図中Aはエピタキシャル
成長後の状態を示し、図中Bは、2つのSiO2 膜9で
挟まれた基板表面に成長した部分、即ち、レーザチップ
の内部を示している。図において、図12と同一符号は
同一または相当する部分を示し、2aはAlx Ga1-x
Asクラッド層(0<x<1)、4aはAlx Ga1-x
Asクラッド層、5aはGaAsコンタクト層、30
a,30bはAlz Ga1-z As活性層(0<z<1,
z<x)である。図から分かるように、この半導体レー
ザでは、レーザチップ内部に成長した活性層30bが、
レーザチップの端面付近に成長した活性層30aよりも
厚い層厚に形成されており、他の層、即ち、クラッド層
2a,4aとコンタクト層5aはレーザチップ全体にお
いて一様な層厚に形成されている。
構造を示す分解斜視図であり、図中Aはエピタキシャル
成長後の状態を示し、図中Bは、2つのSiO2 膜9で
挟まれた基板表面に成長した部分、即ち、レーザチップ
の内部を示している。図において、図12と同一符号は
同一または相当する部分を示し、2aはAlx Ga1-x
Asクラッド層(0<x<1)、4aはAlx Ga1-x
Asクラッド層、5aはGaAsコンタクト層、30
a,30bはAlz Ga1-z As活性層(0<z<1,
z<x)である。図から分かるように、この半導体レー
ザでは、レーザチップ内部に成長した活性層30bが、
レーザチップの端面付近に成長した活性層30aよりも
厚い層厚に形成されており、他の層、即ち、クラッド層
2a,4aとコンタクト層5aはレーザチップ全体にお
いて一様な層厚に形成されている。
【0025】次に、製造工程を説明する。先ず、通常の
有機金属気相成長法とALEモードの有機金属気相成長
法の成長メカニズムの違いについて、GaAsの成長を
例にとって説明する。通常の有機金属気相成長法では、
Gaの原料となるトリメチルガリウム(以下、TMGと
称す。)とAsの原料となるアルシン(AsH3 )とが
同時に反応室へ送りこまれ、反応室内での熱分解反応に
よりGaとAsがGaAs基板上に同時に堆積して結晶
成長が進行する。一方、ALEモードの有機金属気相成
長法では、図1に示すように、TMG,H2 ,AsH3
が反応室内に断続的に交互に供給され、この際の反応室
内の圧力,温度等を所定の範囲に設定すると、As原子
とGa原子が交互に1原子層づつGaAs基板1aに対
して吸着していく。図2は、この状態を模式的に示して
おり、先にAsH3 が供給されて、GaAs基板1a上
にAs原子が一原子層だけ吸着した後、H2 を供給して
基板1a付近に残存するAsH3 を吹き飛ばし、この
後、TMGを供給すると、先にAs原子が吸着して形成
されたAs原子の一原子層上に、Gaが吸着してGaの
一原子層が形成する。そして、この過程が繰り返し行わ
れて、結晶成長が進行する。
有機金属気相成長法とALEモードの有機金属気相成長
法の成長メカニズムの違いについて、GaAsの成長を
例にとって説明する。通常の有機金属気相成長法では、
Gaの原料となるトリメチルガリウム(以下、TMGと
称す。)とAsの原料となるアルシン(AsH3 )とが
同時に反応室へ送りこまれ、反応室内での熱分解反応に
よりGaとAsがGaAs基板上に同時に堆積して結晶
成長が進行する。一方、ALEモードの有機金属気相成
長法では、図1に示すように、TMG,H2 ,AsH3
が反応室内に断続的に交互に供給され、この際の反応室
内の圧力,温度等を所定の範囲に設定すると、As原子
とGa原子が交互に1原子層づつGaAs基板1aに対
して吸着していく。図2は、この状態を模式的に示して
おり、先にAsH3 が供給されて、GaAs基板1a上
にAs原子が一原子層だけ吸着した後、H2 を供給して
基板1a付近に残存するAsH3 を吹き飛ばし、この
後、TMGを供給すると、先にAs原子が吸着して形成
されたAs原子の一原子層上に、Gaが吸着してGaの
一原子層が形成する。そして、この過程が繰り返し行わ
れて、結晶成長が進行する。
【0026】ここで、GaAs基板1aの一部にSiO
2 膜またはSiN膜が形成されている場合は、GaAs
が露出している部分にはGa原子及びAs原子が一原子
層ずつ交互に吸着するが、SiO2 膜またはSiN膜上
にはGa原子,As原子とも吸着せず、GaAが露出し
ている部分のみに結晶成長が進行する。そして、この
際、GaAsが露出している部分では、SiO2 膜また
はSiN膜から近い部分でも離れた部分でも同じように
一原子層ずつ成長が進んでいくため、SiO2 膜または
SiN膜の近傍と離れた部分で成長する結晶層に層厚差
は生じない。これは、1原子層が形成される間以外は、
基板上から原料ガス、即ち、TMG,AsH3 が吹き飛
ばれるためである。
2 膜またはSiN膜が形成されている場合は、GaAs
が露出している部分にはGa原子及びAs原子が一原子
層ずつ交互に吸着するが、SiO2 膜またはSiN膜上
にはGa原子,As原子とも吸着せず、GaAが露出し
ている部分のみに結晶成長が進行する。そして、この
際、GaAsが露出している部分では、SiO2 膜また
はSiN膜から近い部分でも離れた部分でも同じように
一原子層ずつ成長が進んでいくため、SiO2 膜または
SiN膜の近傍と離れた部分で成長する結晶層に層厚差
は生じない。これは、1原子層が形成される間以外は、
基板上から原料ガス、即ち、TMG,AsH3 が吹き飛
ばれるためである。
【0027】上記図3に示した本実施例の半導体レーザ
の製造にあたっては、図14に示した従来と同様のSi
O2 膜9付GaAs基板1上に、先ず、ALEモードの
有機金属気相成長法により下クラッド層2aを平坦に結
晶成長させ、この後、通常の金属気相成長法により活性
層30a(端面近傍),30b(レーザ内部)を形成す
る。この通常の金属気相成長法では、前述したように、
SiO2 膜9に近い部分と離れた部分とで、反応に寄与
する原料ガスの量が異なるため、レーザチップ端面付近
の層厚、即ち、活性層30aの層厚が薄くなり、活性層
30bの層厚が厚くなる。そして、この後、ALEモー
ドの有機金属気相成長法により上クラッド層4a,コン
タクト層5aを結晶成長する。
の製造にあたっては、図14に示した従来と同様のSi
O2 膜9付GaAs基板1上に、先ず、ALEモードの
有機金属気相成長法により下クラッド層2aを平坦に結
晶成長させ、この後、通常の金属気相成長法により活性
層30a(端面近傍),30b(レーザ内部)を形成す
る。この通常の金属気相成長法では、前述したように、
SiO2 膜9に近い部分と離れた部分とで、反応に寄与
する原料ガスの量が異なるため、レーザチップ端面付近
の層厚、即ち、活性層30aの層厚が薄くなり、活性層
30bの層厚が厚くなる。そして、この後、ALEモー
ドの有機金属気相成長法により上クラッド層4a,コン
タクト層5aを結晶成長する。
【0028】このように本実施例の半導体レーザの製造
工程では、下クラッド層2aをALEモードの有機金属
気相成長法により平坦に結晶成長した後、活性層30a
(30b)を通常の金属気相成長法により結晶成長して
いるため、活性層30a(30b)を平坦面上に所望の
層厚差をもって形成することができ、活性層30a,3
0bを導波する光の損失が少なくなり、また、レーザー
ビームも下側へ歪むことなく出射するようになる。ま
た、上クラッド層4a,コンタクト層5aも層内に層厚
差を生じることなく成長させているので、レーザーチッ
プ全体の平坦性も優れ、電極の形成等の後工程を、簡単
かつ精度良く行うことができる。
工程では、下クラッド層2aをALEモードの有機金属
気相成長法により平坦に結晶成長した後、活性層30a
(30b)を通常の金属気相成長法により結晶成長して
いるため、活性層30a(30b)を平坦面上に所望の
層厚差をもって形成することができ、活性層30a,3
0bを導波する光の損失が少なくなり、また、レーザー
ビームも下側へ歪むことなく出射するようになる。ま
た、上クラッド層4a,コンタクト層5aも層内に層厚
差を生じることなく成長させているので、レーザーチッ
プ全体の平坦性も優れ、電極の形成等の後工程を、簡単
かつ精度良く行うことができる。
【0029】尚、上記実施例では、上クラッド層4a,
コンタクト層5aをALEモードでで成長させたが、こ
れらは通常の金属気相成長法により成長させても、レー
ザ特性には大きな影響を与えない。
コンタクト層5aをALEモードでで成長させたが、こ
れらは通常の金属気相成長法により成長させても、レー
ザ特性には大きな影響を与えない。
【0030】実施例2. 上記第1の実施例では活性層30a,30bをAlGa
As層一層で構成したが、この活性層は、通常の有機金
属気相成長法によりGaAs層とAlGaAs層を交互
に形成したAlGaAs系の多重量子井戸層で構成して
もよく、この場合も、活性層のみ所望の膜厚差をつける
ことができ、上記第1の実施例と同様の効果が得られ、
かつ、この場合端面付近において多重量子井戸層の層厚
が薄くなることから、等価的に端面付近のバンドキャッ
プが大きくなって、チップ内部で発生した光を吸収する
ということがなくなり、所謂、窓構造が形成され、その
結果、端面劣化,CODの防止効果を一層向上できる。
As層一層で構成したが、この活性層は、通常の有機金
属気相成長法によりGaAs層とAlGaAs層を交互
に形成したAlGaAs系の多重量子井戸層で構成して
もよく、この場合も、活性層のみ所望の膜厚差をつける
ことができ、上記第1の実施例と同様の効果が得られ、
かつ、この場合端面付近において多重量子井戸層の層厚
が薄くなることから、等価的に端面付近のバンドキャッ
プが大きくなって、チップ内部で発生した光を吸収する
ということがなくなり、所謂、窓構造が形成され、その
結果、端面劣化,CODの防止効果を一層向上できる。
【0031】実施例3.図4は、この発明の第3の実施
例による光変調器付半導体レーザの製造工程を示す工程
別の断面斜視図である。図において、11はInP基
板、12はInGaAsP光ガイド層、13はInGa
As/InGaAsP多重量子井戸活性層、14はIn
P上クラッド層、19は回折格子、20はSiN2 膜で
ある。尚、図4(a) におけるInP基板11上の回折格
子19,SiN2 膜20が形成されている領域が半導体
レーザが形成される領域であり、手前の何も形成されて
いない領域が光変調器が形成される領域である。
例による光変調器付半導体レーザの製造工程を示す工程
別の断面斜視図である。図において、11はInP基
板、12はInGaAsP光ガイド層、13はInGa
As/InGaAsP多重量子井戸活性層、14はIn
P上クラッド層、19は回折格子、20はSiN2 膜で
ある。尚、図4(a) におけるInP基板11上の回折格
子19,SiN2 膜20が形成されている領域が半導体
レーザが形成される領域であり、手前の何も形成されて
いない領域が光変調器が形成される領域である。
【0032】図5は、図4に示す製造工程を経て製造さ
れた光変調器付半導体レーザの構造を示す側面模式図で
あり、図において、図4と同一符号は同一または相当す
る部分を示し、15はInGaAsPキャップ層、16
は光変調器用電極、17は半導体レーザ用電極、18は
光変調器と半導体レーザを分離する溝である。
れた光変調器付半導体レーザの構造を示す側面模式図で
あり、図において、図4と同一符号は同一または相当す
る部分を示し、15はInGaAsPキャップ層、16
は光変調器用電極、17は半導体レーザ用電極、18は
光変調器と半導体レーザを分離する溝である。
【0033】以下、製造工程を説明する。先ず、図4
(a) に示すように、InP基板11上の半導体レーザを
形成すべき領域の一部に回折格子19を形成し、更に、
該回折格子19を挟むようにSiN2 膜20を形成す
る。次に、図4(b) に示すように、InGaAsP光ガ
イド層12をALEモードの有機金属気相成長法により
平坦に結晶成長し、この後、通常の有機金属気相成長法
によりInGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性
層13,InP上クラッド層14を結晶成長する。そし
て、この後、InP上クラッド層14上のInGaAs
Pキャップ層をALEモードの有機金属気相成長法ある
いは通常の有機金属気相成長法により結晶成長した後、
これの所定部分を除去して分離溝18を形成し、光変調
器側のInGaAsPキャップ層15a,半導体レーザ
側のInGaAsPキャップ層15b上に電極16,1
7を形成すると、図5に示すInGaAs/InGaA
sP多重量子井戸活性層13の光変調器側が薄く、半導
体レーザ側が厚く形成され、レーザ側の多重量子井戸活
性層13のバンドギャップよりも光変調器側の多重量子
井戸活性層13のバンドギャップが大きくなった、光変
調器が半導体レーザ側で発生した光を吸収損失なしに変
調できる光変調器付半導体レーザが得られる。
(a) に示すように、InP基板11上の半導体レーザを
形成すべき領域の一部に回折格子19を形成し、更に、
該回折格子19を挟むようにSiN2 膜20を形成す
る。次に、図4(b) に示すように、InGaAsP光ガ
イド層12をALEモードの有機金属気相成長法により
平坦に結晶成長し、この後、通常の有機金属気相成長法
によりInGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性
層13,InP上クラッド層14を結晶成長する。そし
て、この後、InP上クラッド層14上のInGaAs
Pキャップ層をALEモードの有機金属気相成長法ある
いは通常の有機金属気相成長法により結晶成長した後、
これの所定部分を除去して分離溝18を形成し、光変調
器側のInGaAsPキャップ層15a,半導体レーザ
側のInGaAsPキャップ層15b上に電極16,1
7を形成すると、図5に示すInGaAs/InGaA
sP多重量子井戸活性層13の光変調器側が薄く、半導
体レーザ側が厚く形成され、レーザ側の多重量子井戸活
性層13のバンドギャップよりも光変調器側の多重量子
井戸活性層13のバンドギャップが大きくなった、光変
調器が半導体レーザ側で発生した光を吸収損失なしに変
調できる光変調器付半導体レーザが得られる。
【0034】このように本実施例の光変調器付半導体レ
ーザの製造工程では、InGaAsP光ガイド層12を
ALEモードの有機金属気相成長法により結晶成長し、
InGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性層1
3,InP上クラッド層14を通常の有機金属気相成長
法により結晶成長しているため、図5に示すように、I
nGaAsP光ガイド層12の成長時は、InP基板1
1上のSiN2 膜20に近い領域と離れた領域での成長
速度は殆ど変わらず、該InGaAsP光ガイド層12
はその層内に層厚差を生ずることなく平坦に成長し、I
nGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性層13,
InP上クラッド層14の成長時は、SiO2 膜20に
近い領域が、SiO2 膜20から離れた領域より成長速
度が速くなり、これらの層は光変調器側で薄く、半導体
レーザ側で厚く形成される。従って、従来、この種の光
変調器付半導体レーザでは、基板上への半導体層の結晶
成長は常に通常の有機金属気相成長法を用いて行ってい
たため、図6に示すように活性層13だけでなく光ガイ
ド層12にも層厚差が形成され、活性層13が段差上に
形成されることから、レーザ部で発生した光が光変調器
部へ伝搬される際に結合損失を生じていたが、本実施例
の光変調器付半導体レーザでは、このような問題も解消
することができる。尚、上記実施例では、活性層を多重
量子井戸構造に形成したが、通常の単一層からなる活性
層を形成した場合も、上記実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
ーザの製造工程では、InGaAsP光ガイド層12を
ALEモードの有機金属気相成長法により結晶成長し、
InGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性層1
3,InP上クラッド層14を通常の有機金属気相成長
法により結晶成長しているため、図5に示すように、I
nGaAsP光ガイド層12の成長時は、InP基板1
1上のSiN2 膜20に近い領域と離れた領域での成長
速度は殆ど変わらず、該InGaAsP光ガイド層12
はその層内に層厚差を生ずることなく平坦に成長し、I
nGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性層13,
InP上クラッド層14の成長時は、SiO2 膜20に
近い領域が、SiO2 膜20から離れた領域より成長速
度が速くなり、これらの層は光変調器側で薄く、半導体
レーザ側で厚く形成される。従って、従来、この種の光
変調器付半導体レーザでは、基板上への半導体層の結晶
成長は常に通常の有機金属気相成長法を用いて行ってい
たため、図6に示すように活性層13だけでなく光ガイ
ド層12にも層厚差が形成され、活性層13が段差上に
形成されることから、レーザ部で発生した光が光変調器
部へ伝搬される際に結合損失を生じていたが、本実施例
の光変調器付半導体レーザでは、このような問題も解消
することができる。尚、上記実施例では、活性層を多重
量子井戸構造に形成したが、通常の単一層からなる活性
層を形成した場合も、上記実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0035】実施例4.図7は、この発明の第4の実施
例による分布帰還型半導体レーザ(以下、DFBレーザ
と称す。)の構造を示す断面図であり、図において、2
1はGaAs基板、22はAlGaAsクラッド層、2
3はAlGaAs活性層、24はAlGaAs光ガイド
層、25はGaAsコンタクト層、26は回折格子、2
7は無反射コーティングされたレーザ出射端面、28は
高反射率コーティングされた裏面である。尚、上記Al
GaAs光ガイド層24はレーザ出射端面27側で薄
く、裏面28側で厚く形成されている。
例による分布帰還型半導体レーザ(以下、DFBレーザ
と称す。)の構造を示す断面図であり、図において、2
1はGaAs基板、22はAlGaAsクラッド層、2
3はAlGaAs活性層、24はAlGaAs光ガイド
層、25はGaAsコンタクト層、26は回折格子、2
7は無反射コーティングされたレーザ出射端面、28は
高反射率コーティングされた裏面である。尚、上記Al
GaAs光ガイド層24はレーザ出射端面27側で薄
く、裏面28側で厚く形成されている。
【0036】このDFBレーザは、GaAs基板21上
のレーザ共振器の後端面側に対応する側の所定領域に、
図4に示したGaAs基板11と同様にして2つのスト
ライプ状のSiO2 膜を共振器の光の導波方向に沿って
一定間隔を空けて互いに平行に形成した後、該GaAs
基板21上にALEモードの有機金属気相成長法により
AlGaAsクラッド層22,AlGaAs活性層23
を均一な層厚に形成し、次いで、通常の有機金属気相成
長法により、AlGaAs光ガイド層24を形成し、こ
の後、ALEモードの有機金属気相成長法によりGaA
sコンタクト層25を均一な層厚に形成したものであ
る。
のレーザ共振器の後端面側に対応する側の所定領域に、
図4に示したGaAs基板11と同様にして2つのスト
ライプ状のSiO2 膜を共振器の光の導波方向に沿って
一定間隔を空けて互いに平行に形成した後、該GaAs
基板21上にALEモードの有機金属気相成長法により
AlGaAsクラッド層22,AlGaAs活性層23
を均一な層厚に形成し、次いで、通常の有機金属気相成
長法により、AlGaAs光ガイド層24を形成し、こ
の後、ALEモードの有機金属気相成長法によりGaA
sコンタクト層25を均一な層厚に形成したものであ
る。
【0037】一方、図8は従来のDFBレーザの構造を
示す断面図であり、図において、図7と同一符号は同一
または相当する部分を示し、この従来のDFBレーザ
は、GaAs基板21上に上記のようなSiO2 膜を形
成することなく、各層全てを通常の有機金属気相成長法
により形成したもので、各層はそれぞれ均一な層厚に形
成されている。尚、一般にDFBレーザでは、活性層内
を伝搬する光と回折格子との結合の強さによってレーザ
チップ内の光の強度分布が変化する。そして、もともと
一方の端面を無反射に、他方を高反射率にコーティング
してあるので、レーザチップ内の軸方向の光強度分布は
一様とならず、レーザ特性を悪化させていた。
示す断面図であり、図において、図7と同一符号は同一
または相当する部分を示し、この従来のDFBレーザ
は、GaAs基板21上に上記のようなSiO2 膜を形
成することなく、各層全てを通常の有機金属気相成長法
により形成したもので、各層はそれぞれ均一な層厚に形
成されている。尚、一般にDFBレーザでは、活性層内
を伝搬する光と回折格子との結合の強さによってレーザ
チップ内の光の強度分布が変化する。そして、もともと
一方の端面を無反射に、他方を高反射率にコーティング
してあるので、レーザチップ内の軸方向の光強度分布は
一様とならず、レーザ特性を悪化させていた。
【0038】上記のようにして形成された本実施例のD
FBレーザでは、光ガイド層24の層厚が厚い部分24
aでは、回折格子26と活性層23の間の距離が離れて
いるので光と回折格子との結合度は弱く、光ガイド層2
4の層厚の薄い部分24bでは、回折格子26と活性層
23の間の距離が近いので光と回折格子との結合度は強
くなり、活性層内を伝搬する光と回折格子の結合度が局
所的に変化することになる。従って、光ガイド層24の
層厚の変化の度合いを調整することにより、レーザチッ
プ内の光分布を均一にすることができ、レーザ特性を向
上できる。
FBレーザでは、光ガイド層24の層厚が厚い部分24
aでは、回折格子26と活性層23の間の距離が離れて
いるので光と回折格子との結合度は弱く、光ガイド層2
4の層厚の薄い部分24bでは、回折格子26と活性層
23の間の距離が近いので光と回折格子との結合度は強
くなり、活性層内を伝搬する光と回折格子の結合度が局
所的に変化することになる。従って、光ガイド層24の
層厚の変化の度合いを調整することにより、レーザチッ
プ内の光分布を均一にすることができ、レーザ特性を向
上できる。
【0039】尚、上記第1〜第4の実施例では、層厚差
をつけない場合はALEモードの成長を行ったが、通常
の成長モードで反応管内圧力を高くすることにより、こ
の層厚差をつけない成長を行うこともでき、効果はAL
Eモードによる成長にやや劣るもののほぼ同様の効果を
期待できる。
をつけない場合はALEモードの成長を行ったが、通常
の成長モードで反応管内圧力を高くすることにより、こ
の層厚差をつけない成長を行うこともでき、効果はAL
Eモードによる成長にやや劣るもののほぼ同様の効果を
期待できる。
【0040】実施例5.図9は、この発明の第5の実施
例によるSLDのを構造を示す図であり、図9(a) は断
面模式図、図9(b) は上面模式図である。また、図10
は図9に示したSLDの製造工程を示す工程別断面図で
ある。これらの図において、31はn型GaAs基板、
32はAl組成比が0.48のn型AlGaAsクラッ
ド層、33はGaAs層とAl組成比が0.2のAlG
aAs層からなるGaAs/AlGaAs多重量子井戸
活性層、34はAl組成比が0.48のP型AlGaA
sクラッド層、35はn型GaAsキャップ層、36は
n側電極、37はP側電極、38はZn拡散P型領域
(励起領域)、39はリッジ、40はSiO2 膜、41
は光の出射端面、42は後端面、43は非注入領域(非
励起領域)である。ここで、GaAs/AlGaAs多
重量子井戸活性層のGaAs井戸層33aは、その層厚
が図中の領域B内では領域A内に比べて相対的に厚くな
っている。
例によるSLDのを構造を示す図であり、図9(a) は断
面模式図、図9(b) は上面模式図である。また、図10
は図9に示したSLDの製造工程を示す工程別断面図で
ある。これらの図において、31はn型GaAs基板、
32はAl組成比が0.48のn型AlGaAsクラッ
ド層、33はGaAs層とAl組成比が0.2のAlG
aAs層からなるGaAs/AlGaAs多重量子井戸
活性層、34はAl組成比が0.48のP型AlGaA
sクラッド層、35はn型GaAsキャップ層、36は
n側電極、37はP側電極、38はZn拡散P型領域
(励起領域)、39はリッジ、40はSiO2 膜、41
は光の出射端面、42は後端面、43は非注入領域(非
励起領域)である。ここで、GaAs/AlGaAs多
重量子井戸活性層のGaAs井戸層33aは、その層厚
が図中の領域B内では領域A内に比べて相対的に厚くな
っている。
【0041】以下、製造工程を説明する。先ず、図10
(a) に示すように、n型基板31上にSiO2 膜を形成
した後、通常の写真製版とエッチング技術により、該S
iO2 膜の所定部分を除去して、光の出射端面に対する
後端面側の所定領域に、約200μm×300μm程度
の矩形状のSiO2 膜40を200μm程度の間隔で<
011>方向に沿って形成する。次に図10(b) に示す
ように、n型クラッド層32,多重量子井戸活性層3
3,P型クラッド層34,及びn型GaAsキャップ層
35を、この順に有機金属気相成長法により形成する。
この際、SiO2 膜40で挟まれた領域Bでは、SiO
2 膜40上に到達した反応原料がSiO2 膜40上から
n型基板31表面まで拡散して成長に寄与するため、S
iO2 膜40のない領域Aに比べ各成長層の層厚が相対
的に厚くなる。GaAs/AlGaAs多重量子井戸活
性層中のGaAs井戸層33aの領域Bで成長する層の
層厚が、領域Aで成長する層の層厚に比べて約5割厚く
なると仮定すると、領域Aでの層厚を40オングストロ
ームとすれば領域Bでは約60オングストロームの層厚
になる。
(a) に示すように、n型基板31上にSiO2 膜を形成
した後、通常の写真製版とエッチング技術により、該S
iO2 膜の所定部分を除去して、光の出射端面に対する
後端面側の所定領域に、約200μm×300μm程度
の矩形状のSiO2 膜40を200μm程度の間隔で<
011>方向に沿って形成する。次に図10(b) に示す
ように、n型クラッド層32,多重量子井戸活性層3
3,P型クラッド層34,及びn型GaAsキャップ層
35を、この順に有機金属気相成長法により形成する。
この際、SiO2 膜40で挟まれた領域Bでは、SiO
2 膜40上に到達した反応原料がSiO2 膜40上から
n型基板31表面まで拡散して成長に寄与するため、S
iO2 膜40のない領域Aに比べ各成長層の層厚が相対
的に厚くなる。GaAs/AlGaAs多重量子井戸活
性層中のGaAs井戸層33aの領域Bで成長する層の
層厚が、領域Aで成長する層の層厚に比べて約5割厚く
なると仮定すると、領域Aでの層厚を40オングストロ
ームとすれば領域Bでは約60オングストロームの層厚
になる。
【0042】次に、図10(c) に示すように、Znを上
記n型GaAsキャップ層35の上面の<110>方向
に沿った幅6μm程度のストライプ状の領域に選択的に
拡散し、その底がP型AlGaAsクラッド層4に届く
深さまで拡散したZn拡散P型領域38を形成する。こ
こで、この拡散領域38は領域Bの後端面側の端部から
300μm程度離れた位置から光の出射面側の領域Aの
端部までの長さに形成する。次に、図10(d) のよう
に、上記工程で形成したZn拡散P型領域38が3μm
程度の幅のストライプ状のリッジ39となるように、選
択的にn型GaAsキャップ層35をエッチング除去
し、更に、P型クラッド層34を所定深さまでエッチン
グする。そして、この後、リッジ39上にP側電極3
7,基板裏面にn側電極36を形成すると、図9に示し
たSLDが得られる。
記n型GaAsキャップ層35の上面の<110>方向
に沿った幅6μm程度のストライプ状の領域に選択的に
拡散し、その底がP型AlGaAsクラッド層4に届く
深さまで拡散したZn拡散P型領域38を形成する。こ
こで、この拡散領域38は領域Bの後端面側の端部から
300μm程度離れた位置から光の出射面側の領域Aの
端部までの長さに形成する。次に、図10(d) のよう
に、上記工程で形成したZn拡散P型領域38が3μm
程度の幅のストライプ状のリッジ39となるように、選
択的にn型GaAsキャップ層35をエッチング除去
し、更に、P型クラッド層34を所定深さまでエッチン
グする。そして、この後、リッジ39上にP側電極3
7,基板裏面にn側電極36を形成すると、図9に示し
たSLDが得られる。
【0043】次に、動作について説明する。上述したよ
うに、GaAs/AlGaAs多重量子井戸活性層33
のGaAs井戸層33aの厚さは領域Bで領域Aに比べ
て厚く形成され、領域Aの層厚を40オングストローム
とした時、領域Bは60オングストロームとなる。量子
井戸層の実効的なバンドギャップは井戸層の層厚に依存
し、領域A,領域BにおけるGaAs/AlGaAs多
重量子井戸活性層33での活性層のバンドギャップは、
それぞれ、領域AではEg1=1.53eV(波長810
nm)になり、領域BではEg2=1.49eV(波長8
30nm)になる。そして、電流が注入される励起領
域、即ち、Zn拡散P型領域38のうちの領域Aの部分
で発生する光(即ち、領域Aの活性層のバンドギャップ
Eg1に対応した波長の光)のうち、領域Aの前端面41
に向かって伝播する光は誘導放出による増幅を受けなが
ら進行して、端面41より外に取り出され、一方、領域
Bの後端面42に向かって伝播する光は、領域Bの活性
層33の領域BのバンドギャップEg2が領域Aのバンド
ギャップEg1より小さいため、非注入領域(非励起領
域)43で大きな吸収を受ける。従って、高出力時にお
いても後端面42まで伝播して反射され、再び領域B内
を伝播して励起領域であるZn拡散P型領域38に再入
射する光の割合、即ち、実効的な反射率を無視できる程
度に小さくすることができる。一方、励起領域であるZ
n拡散P型領域38の領域B内の部分で発生する光(即
ち、領域Bの活性層のバンドギャップEg2に対応した波
長の光)の内、前端面41に向かって伝播するものは領
域B内では増幅を受け、領域A内の活性層33を伝播す
る間は、領域AのバンドギャップEg1>領域Bのバンド
ギャップEg2であるので、増幅も吸収もほとんど受け
ず、後端面42に向かって伝播する光は、非励起領域を
伝播する間に吸収される。
うに、GaAs/AlGaAs多重量子井戸活性層33
のGaAs井戸層33aの厚さは領域Bで領域Aに比べ
て厚く形成され、領域Aの層厚を40オングストローム
とした時、領域Bは60オングストロームとなる。量子
井戸層の実効的なバンドギャップは井戸層の層厚に依存
し、領域A,領域BにおけるGaAs/AlGaAs多
重量子井戸活性層33での活性層のバンドギャップは、
それぞれ、領域AではEg1=1.53eV(波長810
nm)になり、領域BではEg2=1.49eV(波長8
30nm)になる。そして、電流が注入される励起領
域、即ち、Zn拡散P型領域38のうちの領域Aの部分
で発生する光(即ち、領域Aの活性層のバンドギャップ
Eg1に対応した波長の光)のうち、領域Aの前端面41
に向かって伝播する光は誘導放出による増幅を受けなが
ら進行して、端面41より外に取り出され、一方、領域
Bの後端面42に向かって伝播する光は、領域Bの活性
層33の領域BのバンドギャップEg2が領域Aのバンド
ギャップEg1より小さいため、非注入領域(非励起領
域)43で大きな吸収を受ける。従って、高出力時にお
いても後端面42まで伝播して反射され、再び領域B内
を伝播して励起領域であるZn拡散P型領域38に再入
射する光の割合、即ち、実効的な反射率を無視できる程
度に小さくすることができる。一方、励起領域であるZ
n拡散P型領域38の領域B内の部分で発生する光(即
ち、領域Bの活性層のバンドギャップEg2に対応した波
長の光)の内、前端面41に向かって伝播するものは領
域B内では増幅を受け、領域A内の活性層33を伝播す
る間は、領域AのバンドギャップEg1>領域Bのバンド
ギャップEg2であるので、増幅も吸収もほとんど受け
ず、後端面42に向かって伝播する光は、非励起領域を
伝播する間に吸収される。
【0044】従って、このような本実施例のSLDで
は、高出力時でもレーザ発振せず、ブロードなスペクト
ル幅の光を発光することができる。更に、前端面41か
ら取り出される光は、上記のように励起領域であるZn
拡散P型領域38のうち領域Aの活性層33内で発生す
る広いバンドギャップEg1に対応した短い波長の光と、
領域Bの活性層33内で発生する狭いバンドギャップE
g2に対応した長い波長の光が合わさったものとなり、従
来の単一の組成の(即ち、単一のバンドギャップの)活
性層の場合に比べて、波長幅が広がり、光計測等で必要
になる非常に広いスペクトル幅の光を得ることができ
る。
は、高出力時でもレーザ発振せず、ブロードなスペクト
ル幅の光を発光することができる。更に、前端面41か
ら取り出される光は、上記のように励起領域であるZn
拡散P型領域38のうち領域Aの活性層33内で発生す
る広いバンドギャップEg1に対応した短い波長の光と、
領域Bの活性層33内で発生する狭いバンドギャップE
g2に対応した長い波長の光が合わさったものとなり、従
来の単一の組成の(即ち、単一のバンドギャップの)活
性層の場合に比べて、波長幅が広がり、光計測等で必要
になる非常に広いスペクトル幅の光を得ることができ
る。
【0045】実施例6.図11は、この発明の第6の実
施例によるSLDの構造を示す上面模式図であり、図に
おいて、図9と同一符号は同一または相当する部分を示
し、38aはZn拡散P型領域である。
施例によるSLDの構造を示す上面模式図であり、図に
おいて、図9と同一符号は同一または相当する部分を示
し、38aはZn拡散P型領域である。
【0046】このSLDの基本的な層構成は上記第5の
実施例のSLDと基本的に同じであり、電流が注入され
て励起領域となるZn拡散P型領域38aが、活性層の
バンドギャップが小さい、即ち、その膜厚を厚く形成し
た領域Bの上方に達しないように形成されている。
実施例のSLDと基本的に同じであり、電流が注入され
て励起領域となるZn拡散P型領域38aが、活性層の
バンドギャップが小さい、即ち、その膜厚を厚く形成し
た領域Bの上方に達しないように形成されている。
【0047】このような本実施例のSLDでは、実施例
5のSLDに比べてスペクトル発光する光のスペクトル
幅が若干狭くなるが、上記第5の実施例と同様に、励起
領域での活性層のバンドギャップEg1が非励起領域での
バンドギャップEg2より大きいため、非励起領域で十分
な吸収を受け、その結果、高出力時においても確実にレ
ーザ発振を抑制できることとなる。
5のSLDに比べてスペクトル発光する光のスペクトル
幅が若干狭くなるが、上記第5の実施例と同様に、励起
領域での活性層のバンドギャップEg1が非励起領域での
バンドギャップEg2より大きいため、非励起領域で十分
な吸収を受け、その結果、高出力時においても確実にレ
ーザ発振を抑制できることとなる。
【0048】実施例7.上記第5,第6の実施例では活
性層を多重量子井戸層により構成したが、本実施例7で
は、活性層を300〜2000オングストローム程度の
InGaAsの単一層で構成し、上記第5,第6の実施
例と同様の基板上の後端面側の所定領域にSiO2 膜を
形成して、上記第5,第6の実施例の同様の手法(製造
工程)によりInGaAsP系の材料でSLDを形成す
るものである。
性層を多重量子井戸層により構成したが、本実施例7で
は、活性層を300〜2000オングストローム程度の
InGaAsの単一層で構成し、上記第5,第6の実施
例と同様の基板上の後端面側の所定領域にSiO2 膜を
形成して、上記第5,第6の実施例の同様の手法(製造
工程)によりInGaAsP系の材料でSLDを形成す
るものである。
【0049】この場合、SiO2 膜で挟まれた領域に成
長するInGaAs活性層は、他の領域に成長するIn
GaAs活性層に比べて厚い層厚に形成されるととも
に、その内部のInの割合が他の領域に成長するInG
aAs活性層に比べ多くなる。これは、SiO2 膜上に
到達した III族の成長種(あるいは原料ガス)のうちI
nの成長種(あるいは原料ガス)の方がGaのそれに比
べて拡散距離が大きいためである。
長するInGaAs活性層は、他の領域に成長するIn
GaAs活性層に比べて厚い層厚に形成されるととも
に、その内部のInの割合が他の領域に成長するInG
aAs活性層に比べ多くなる。これは、SiO2 膜上に
到達した III族の成長種(あるいは原料ガス)のうちI
nの成長種(あるいは原料ガス)の方がGaのそれに比
べて拡散距離が大きいためである。
【0050】従って、このような本実施例のSLDで
は、上記第5,第6の実施例のSLD同様にSiO2 膜
で挟まれた領域に成長する活性層のバンドギャップは、
他の領域に成長する活性層のそれよれも小さくなり、高
出力時においても確実にレーザ発振を抑制できる。
は、上記第5,第6の実施例のSLD同様にSiO2 膜
で挟まれた領域に成長する活性層のバンドギャップは、
他の領域に成長する活性層のそれよれも小さくなり、高
出力時においても確実にレーザ発振を抑制できる。
【0051】尚、上記第5〜第7の実施例では、活性層
以外の他の層を有機金属気相成長法のALEモードで形
成してもよく、この場合は、活性層以外の層が一様な層
厚に形成されるため、チップでの段差が少なくなり、活
性層内を光が伝播する際の損失を少なくできる。
以外の他の層を有機金属気相成長法のALEモードで形
成してもよく、この場合は、活性層以外の層が一様な層
厚に形成されるため、チップでの段差が少なくなり、活
性層内を光が伝播する際の損失を少なくできる。
【0052】また、上記実施例では、AlGaAs系材
料あるいはInGaAsP系の材料を用いたが、本発明
は、GaAs基板に格子整合する他のAlGaInP系
材料やInP基板に格子整合する他のAlGaInAs
系材料によって構成される半導体レーザあるいはSLD
にも適用できることは言うまでもない。
料あるいはInGaAsP系の材料を用いたが、本発明
は、GaAs基板に格子整合する他のAlGaInP系
材料やInP基板に格子整合する他のAlGaInAs
系材料によって構成される半導体レーザあるいはSLD
にも適用できることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、その
層内に層厚差をつけたい層の成長を、通常の有機金属気
相成長法で成長し、その層内に層厚差をつけたくない層
の成長を有機金属気相成長法のALEモードで成長する
ようにしたので、レーザ特性上好ましい層厚に各層が形
成され、優れた動作特性の半導体レーザを得ることがで
きる効果がある。
層内に層厚差をつけたい層の成長を、通常の有機金属気
相成長法で成長し、その層内に層厚差をつけたくない層
の成長を有機金属気相成長法のALEモードで成長する
ようにしたので、レーザ特性上好ましい層厚に各層が形
成され、優れた動作特性の半導体レーザを得ることがで
きる効果がある。
【0054】更に、この発明によれば、活性層に層厚差
を生じさせ、活性層と該活性層の下部に配設される層を
均一な層厚に形成したので、活性層が段差上に形成され
ず、レーザビームの歪みや損失の増大を抑制された半導
体レーザを得ることができる効果がある。
を生じさせ、活性層と該活性層の下部に配設される層を
均一な層厚に形成したので、活性層が段差上に形成され
ず、レーザビームの歪みや損失の増大を抑制された半導
体レーザを得ることができる効果がある。
【0055】更に、この発明によれば、光ガイド層のみ
に層厚差を生じさせ、光ガイド層以外の層を均一な層厚
に形成してDFBレーザを形成するようにしたので、活
性層は段差上に形成されることがなく、レーザビームの
歪みや損失の増大を防止することができ、かつ、レーザ
チップ内の光強度分布が均一なDFBレーザを得ること
かできる効果がある。
に層厚差を生じさせ、光ガイド層以外の層を均一な層厚
に形成してDFBレーザを形成するようにしたので、活
性層は段差上に形成されることがなく、レーザビームの
歪みや損失の増大を防止することができ、かつ、レーザ
チップ内の光強度分布が均一なDFBレーザを得ること
かできる効果がある。
【0056】更に、この発明によれば、光ガイド層を均
一な層厚に形成するようにしたので、半導体レーザと光
変調器の結合部の段差が軽減され、光変調器へ伝搬され
る光の結合損失が減少した光変調器付半導体レーザを得
ることかできる効果がある。
一な層厚に形成するようにしたので、半導体レーザと光
変調器の結合部の段差が軽減され、光変調器へ伝搬され
る光の結合損失が減少した光変調器付半導体レーザを得
ることかできる効果がある。
【0057】更に、この発明においては、SLDの活性
層内に、バンドギャップの相対的に大きい部分と小さい
部分とを共振器方向に沿って形成するようにしたので、
非励起領域のバンドギャップを励起領域のバンドギャッ
プより小さくでき、非励起領域における吸収が大きくな
って、実効的な反射率を低減でき、その結果、ブロード
な発光スペクトルのSLDを得ることができる効果があ
る。
層内に、バンドギャップの相対的に大きい部分と小さい
部分とを共振器方向に沿って形成するようにしたので、
非励起領域のバンドギャップを励起領域のバンドギャッ
プより小さくでき、非励起領域における吸収が大きくな
って、実効的な反射率を低減でき、その結果、ブロード
な発光スペクトルのSLDを得ることができる効果があ
る。
【図1】この発明に用いる有機金属気相成長法の原子層
エピタキシーモード時の原料ガスの供給法を説明するた
めの図である。
エピタキシーモード時の原料ガスの供給法を説明するた
めの図である。
【図2】上記原子層エピタキシーモード時のエピタシキ
ャル層の成長メカニズムを説明するための図である。
ャル層の成長メカニズムを説明するための図である。
【図3】この発明の第1の実施例による半導体レーザの
構成を示す分解斜視図である。
構成を示す分解斜視図である。
【図4】この発明の第3の実施例による光変調器付半導
体レーザの製造工程を示す工程別断面図である。
体レーザの製造工程を示す工程別断面図である。
【図5】図4に示した製造工程で得られる光変調器付半
導体レーザの構造を示す側面模式図である。
導体レーザの構造を示す側面模式図である。
【図6】従来の光変調器付半導体レーザの構造を示す側
面模式図である。
面模式図である。
【図7】この発明の第4の実施例によるDFBレーザの
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図8】従来のDFBレーザの構造を示す断面図であ
る。
る。
【図9】この発明の第5の実施例によるSLDの構成を
示す断面模式図及び上面模式図である。
示す断面模式図及び上面模式図である。
【図10】図9に示したSLDの製造工程を示す工程別
断面図である。
断面図である。
【図11】この発明の第6の実施例によるSLDの構成
を示す上面模式図である。
を示す上面模式図である。
【図12】従来の半導体レーザの構造を示す分解斜視図
である。
である。
【図13】図12に示した半導体レーザを製造する際に
用いるSiO2 膜付半導体基板を示す図である。
用いるSiO2 膜付半導体基板を示す図である。
【図14】従来のSLDを示す断面模式図及び上面模式
図である。
図である。
1, GaAs基板 2,2a,4,4a AlGaAsクラッド層 3a,3b,30a,30b AlGaAs活性層 5,5a GaAsコンタクト層 9 SiO2 膜 10 ストライプ部 11 InP基板 12 InGaAs光ガイド層 13 InGaAs/InGaAsP多重量子井戸活性
層 14 InP上クラッド層 15a,15b InGaAsPキャップ層 16 光変調器用電極 17 半導体レーザ用電極 18 光変調器とレーザとを分離する溝 19 回折格子 20 SiO2 膜 21 GaAs基板 22 AlGaAsクラッド層 23 AlGaAs活性層 24 AlGaAs光ガイド層 25 GaAsコンタクト層 26 回折格子 27 無反射コーティングされたレーザ出射面 28 高反射率コーティングされた裏面 31,101 n型GaAs基板 32,102 n型AlGaAsクラッド層 33 GaAs/AlGaAs多重量子井戸層 34,104 p型AlGaAsクラッド層 35,105 n型GaAsキャップ層 36,106 n側電極 37,107 p側電極 38,108 Zn拡散p型領域(励起領域) 39 リッジ 40 SiO2 膜 41 光の出射端面 42 後端面 43 非注入領域(非励起領域) 109 非注入領域(非励起領域) 111 前端面 112 後端面
層 14 InP上クラッド層 15a,15b InGaAsPキャップ層 16 光変調器用電極 17 半導体レーザ用電極 18 光変調器とレーザとを分離する溝 19 回折格子 20 SiO2 膜 21 GaAs基板 22 AlGaAsクラッド層 23 AlGaAs活性層 24 AlGaAs光ガイド層 25 GaAsコンタクト層 26 回折格子 27 無反射コーティングされたレーザ出射面 28 高反射率コーティングされた裏面 31,101 n型GaAs基板 32,102 n型AlGaAsクラッド層 33 GaAs/AlGaAs多重量子井戸層 34,104 p型AlGaAsクラッド層 35,105 n型GaAsキャップ層 36,106 n側電極 37,107 p側電極 38,108 Zn拡散p型領域(励起領域) 39 リッジ 40 SiO2 膜 41 光の出射端面 42 後端面 43 非注入領域(非励起領域) 109 非注入領域(非励起領域) 111 前端面 112 後端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−369269(JP,A) 特開 平4−48792(JP,A) 特開 平5−327112(JP,A) 特開 平4−243216(JP,A) 特開 昭63−263787(JP,A) 特開 平1−154511(JP,A) 特開 平2−260416(JP,A) 特開 平2−203517(JP,A) 1992年電子情報通信学会春季大会 C −178 P.4−220 ELECTRON.LETT.28 〜 2! (1992) P.153−154
Claims (14)
- 【請求項1】 半導体基板上の所定部分に、該半導体基
板上に形成されるレーザ共振器の光の導波方向に沿う2
つのストライプ状のSiO2 膜またはSiN膜を所定間
隔を空けて互いに平行に形成し、この状態で上記半導体
基板上に少なくとも活性層を含む多層構造の半導体層を
有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長して上記
レーザ共振器を形成する半導体レーザの製造方法におい
て、 上記多層構造の半導体層の内、その層内に層厚差を生じ
させたくない層を、原子層エピタキシーモードで成長す
ることを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザの製造方
法において、 上記多層構造の半導体層の内、上記活性層の下方に配設
される層を、原子層エピタキシーモードでエピタキシャ
ル成長することを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項3】 半導体基板上の該半導体基板上に形成さ
れるレーザ共振器の共振器内部に対応する位置に、該レ
ーザ共振器の光の導波方向に沿う2つのストライプ状の
SiO2 膜またはSiN膜を所定間隔を空けて互いに平
行に形成し、この後、上記半導体基板上に少なくとも活
性層を含む多層構造の半導体層を、有機金属気相成長法
によりエピタキシャル成長して、上記活性層の上記レー
ザ共振器端面付近の層厚を薄く、上記レーザ共振器内部
付近の層厚を厚く形成する半導体レーザの製造方法にお
いて、 上記多層構造の半導体層の内、その層内に層厚差を生じ
させたくない層を、原子層エピタキシーモードで成長す
ることを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の半導体レーザの製造方
法にいて、 上記多層構造の半導体層の内、上記活性層の下部に配設
される層を、原子層エピタキシーモードでエピタキシャ
ル成長することを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項5】 半導体基板上に活性層を含む多層構造の
半導体層をエピタキシャル成長して、レーザ共振器を形
成してなる半導体レーザにおいて、 上記活性層は、そのレーザ共振器端面付近の層厚が薄
く、レーザ共振器内部付近の層厚が厚くなるよう形成さ
れ、 上記活性層の下部に配設される層は、均一な層厚に形成
されていることを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項6】 半導体基板上の一方の側のレーザ共振器
が形成されるべき領域に、該レーザ共振器の光の導波方
向に沿う2つのストライプ状のSiO2 膜またはSiN
膜を所定間隔を空けて互いに平行に形成し、この後、上
記半導体基板上に活性層を含む多層構造の半導体層を、
有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長して、上
記半導体基板上の上記2つのストライプ状のSiO2 膜
またはSiN膜で挟まれた領域にレーザ共振器を形成
し、上記半導体基板上の上記SiO2 膜またはSiN膜
が形成されていない他方の側に上記レーザ共振器で発振
するレーザ光を吸収して変調する光変調器を形成してな
る光変調器付半導体レーザの製造方法において、 上記多層構造の半導体層の内、その層内に層厚差を生じ
させたくない層を、原子層エピタキシーモードで成長す
ることを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の半導体レーザの製造方
法にいて、 上記多層構造の半導体層の内、上記活性層の下方に配設
される層を、原子層エピタキシーモードでエピタキシャ
ル成長することを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 【請求項8】 半導体基板上の一方の側のレーザ共振器
が形成されるべき領域に、該レーザ共振器の光の導波方
向に沿う2つのストライプ状のSiO2 膜またはSiN
膜を所定間隔を空けて互いに平行に形成し、該半導体基
板上に活性層を含む多層構造の半導体層をエピタキシャ
ル成長して、レーザ共振器と該レーザ共振器で発振する
レーザ光を吸収して変調する光変調器とを一括形成して
なる光変調器付半導体レーザにおいて、 上記活性層の下方に配設される層が、均一な層厚に形成
されていることを特徴とする光変調器付半導体レーザ。 - 【請求項9】 半導体基板上に下クラッド層,活性層及
び光ガイド層をこの順にエピタキシャル成長し、該光ガ
イド層の上面を回折格子状に成形した後、該光ガイド層
上にコンタクト層をエピタキシャル成長する分布帰還型
半導体レーザの製造方法であって、 上記半導体基板上の上記半導体基板上に形成されるレー
ザ共振器の後端面側に対応する一方の端部に、該レーザ
共振器の光の導波方向に沿う2つのストライプ状のSi
O2 膜またはSiN膜を所定間隔を空けて互いに平行に
形成し、この状態で上記半導体基板上に上記下クラッド
層,活性層,及び光ガイド層を有機金属気相成長法によ
りエピタキシャル成長することを特徴とする分布帰還型
半導体レーザの製造方法。 - 【請求項10】 請求項9に記載の分布帰還型半導体レ
ーザの製造方法において、 上記下クラッド層と活性層を、原子層エピタキシーモー
ドでエピタキシャル成長することを特徴とする半導体レ
ーザの製造方法。 - 【請求項11】 半導体基板上に形成された活性層を含
む多層構造の半導体層の一方の側の所定部分に電流注入
領域を形成し、該電流注入領域を励起領域とし、該半導
体層の他の領域を非励起領域とするスーパールミネッセ
ントダイオードの製造方法において、 半導体基板上の該半導体基板上に形成される共振器の後
端面側に対応する側に、光の導波方向に沿う所定長さの
2つのストライプ状のSiO2 膜またはSiN膜を所定
間隔を空けて互いに平行に形成する工程と、 上記半導体基板上に有機金属気相成長法により上記活性
層を含む多層構造の半導体層をエピタキシャル成長する
工程と、 半導体基板上に形成された活性層を含む多層構造の半導
体層の光の出射端面となる側の端部から共振器内部に向
かって所定長さのストライプ状の電流注入領域を形成す
る工程とを含むことを特徴とするスーパールミネッセン
トダイオードの製造方法。 - 【請求項12】 請求項11記載のスーパールミネッセ
ントダイオードの製造方法において、 上記ストライプ状の電流注入領域を、上記半導体層の上
記2つのストライプ状のSiO2 膜またはSiN膜で挟
まれた領域に成長した半導体層内に届くよう形成するこ
とを特徴とするスーパールミネッセントダイオードの製
造方法。 - 【請求項13】 半導体基板上に形成された活性層を含
む多層構造の半導体層の一方の側の所定部分に電流注入
領域を形成し、該電流注入領域を励起領域とし、該半導
体層の他の領域を非励起領域としてなるスーパールミネ
ッセントダイオードにおいて、 上記活性層は、上記半導体層で構成される共振器の光の
出射面側が大きいバンドギャップに、該出射面と反対の
後端面側が小さいバンドギャップに形成され、 上記電流注入領域が、上記大きいバンドギャップの活性
層上に形成されていることを特徴とするスーパールミネ
ッセントダイオード。 - 【請求項14】 請求項13に記載のスーパールミネッ
セントダイオードにおいて、 上記電流注入領域の一部が上記小さいバンドギャップの
活性層上に跨がって形成されていることを特徴とするス
ーパールミネッセントダイオード。
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---|---|---|---|
JP4359673A JP2726209B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 半導体光デバイス及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359673A JP2726209B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 半導体光デバイス及びその製造方法 |
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---|---|
JPH06196809A JPH06196809A (ja) | 1994-07-15 |
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Country | Link |
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-
1992
- 1992-12-22 JP JP4359673A patent/JP2726209B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
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1992年電子情報通信学会春季大会 C−178 P.4−220 |
ELECTRON.LETT.28 〜2! (1992) P.153−154 |
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