JP2724414B2 - 冷温水用混合バルブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷温水のための混合バルブに関する。特
に、本発明は、カートリッジ式本体を備え、該本体は、
その内部にセラミック材料製等の２つの重なり合うディ
スクからなる２つのバルブ装置を有し、該バルブ装置に
は、冷温水用の別個の給水口及び１つの混合水用出水口
が設けられ、上記ディスクのうちの一方のディスクは、
上記カートリッジ式本体に固定され、他方のディスク
は、横方向軸線を軸として揺動し且つ垂直軸線周りを回
動し得る制御レバーの手段に基づき、上記固定ディスク
上を移動し且つ適当位置に位置し得るようになっている
改良された混合バルブに関する。

従来の技術及びその問題点 一般に、制御レバーの揺動は、水を流出或いは該流出
を停止するためにバルブ装置の開閉をもたらし、一方又
は他方への制御レバーの回動は、冷温水を流出させるだ
けでなく、該冷温水を異る割合に混合するように、固定
ディスク上における移動可能なディスクの角度位置を設
定し得るようになっている。

この種混合バルブに関する限り、未だ解決されていな
い課題は、バルブ全開時における最大流水量の調節及び
混合水温度の適度な制限を可能とすることである。これ
ら流水量調節及び温度制限を可能にすることは、エネル
ギを実質的に節約するために、水、特に温水の不要な浪
費を防止して混合バルブをより効率良く使用できるとい
う利点がある。

本発明の目的は、流水量を調節するために制御レバー
の最大揺動範囲を変更し且つ調節することができ、更に
温水の流水量を調節でき、従って利用し得る冷温水の温
度が判っているときに、混合水の最高温度を調節し得る
ように、少くとも１方向における制御レバーの回転を制
限し得る構造簡単且つ経済的な混合バルブを提供するこ
とにある。

問題点を解決するための手段 本発明の上記目的は、カートリッジ式本体を備え、該
本体の内部には、セラミック若しくは類似の材料製の２
つの重なり合うディスクを備えたバルブ装置が設けら
れ、該バルブ装置には、冷水及び温水用に別個に設けら
れた給水口及び混合水用出水口が備えられ、前記ディス
クのうちの一方のディスクは、前記カートリッジ式本体
に固定され、他方のディスクは、水平方向軸線を軸とし
て揺動し且つ垂直軸線周りに回動し得る制御レバーによ
り移動可能とされて適当位置に配置され、前記カートリ
ッジ式本体は、締付リングにより給水栓内に固定されて
いる冷温水用混合バルブであって、角度的に一定の距離
が隔てられた２つの肩部を有するブッシュが前記カート
リッジ式本体上に取り付けられ、該ブッシュに対し同じ
中心軸線を有するセットリングが前記カートリッジ式本
体上に組み込まれ、該リングは、前記制御レバーに伴い
回転し、前記制御レバーの垂直軸周りの回転を制限する
ために前記ブッシュの２つの肩部と交互に協働する止め
ねじを有し、流出水の温度を合わせる役割をなし、前記
止めねじは、前記セットリングに設けられた円弧状スロ
ット内に固定され、前記制御レバーの断面に適合する開
口を有する滑りゲートが前記セットリング上に取り付け
られ、該滑りゲートの横部材が、横方向軸を中心軸とす
る前記制御レバーの揺動を制限し、流水量の設定のため
に前記バルブ装置に必要とされる開口径に応じて前記横
部材を、前記制御レバーに対し接近させ或いは遠ざける
ように、前記滑りゲートは、前記セットリング上におい
て径方向に移動可能であり、スロット内で移動するねじ
によって固定されていることを特徴とする冷温水用混合
バルブにより達成される。

本発明バルブは、使用し得る冷温水の流量及び温度の
みに基づく調節が可能であり、特別の工具を用いること
なく、配管工でさえ直ちに調節し得るという利点を有す
る。

実施例 以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しつつ説
明する。

第１図は、締付リング（11）により、給水栓（12）の
本体内に固定されたバルブのカートリッジ式本体（10）
を示す。給水栓（12）は、冷水及び温水を別々に給水す
るための給水管（13），（14）、及び使用されるべき水
を流出するための噴出口（15）を囲繞している。

カートリッジ式本体（10）内に、バルブ部材が取り付
けられており、該バルブ部材は、セラミック製或いは他
の適当な材料製の２つの重なり合う特定のディスクから
なる。これらディスクのうちの、下部ディスク（16）は
固定されており、一方、上部ディスク（17）は、制御レ
バー（18）により、固定されたディスク（16）上で移動
され得るようになっている。制御レバー（18）は、その
断面が矩形状又は別様に形成されることができ、ハンド
ル（19）に嵌入されている。固定ディスク（16）は、冷
水及び温水の給水管（13），（14）に各々結合された２
つの開口（図示せず）、及び給水栓（12）の噴出口（1
5）を通じて冷水，温水若しくはこれらの混合水を流出
させるための開口（20）を有している。移動可能なディ
スク（以下、「移動ディスク」と記す）（17）は、水の
流出を制御するために、固定ディスク（16）の開口（2
0）に対し、種々異なる位置に置かれる混合チヤンバ（2
1）を有している。

カートリッジ式本体（10）は、その頂部に頸部（1
0′）を有し、制御レバー（18）は、通例の如く軸線を
横切る方向に延びる水平ピン（22）を軸にして組み立て
られている。該水平ピン（22）は、本体（10）の頸部
（10′）内側で回転する支持ブッシュ（23）内に軸線を
横切る方向に固定されている。従って、制御レバー（1
8）は、水平ピン（22）を軸にして揺動でき、支持ブッ
シュ（23）の回動軸に一致する垂直軸線（Ｘ）周りを回
転する。制御レバー（18）の揺動は、固定ディスク（1
6）上における移動ディスク（17）を移動させ、該移動
に基づき、混合バルブを開閉させる。一方、軸線（Ｘ）
を軸にして制御レバー（18）を回転させることにより、
給水栓から給送される水のタイプが、必要に応じて冷
水，温水及び混合水の中から選択される。

カートリッジ式本体（10）の頸部（10′）上には、固
定ブッシュ（25）、及び制御レバー（18）と共に軸線
（Ｘ）を中心として回転するセットリング（26）が取り
付けられている。

固定ブッシュ（25）は、その下端に下フランジ（2
5′）を備え、該下フランジ（25′）の締付リング（1
1）及びカートリッジ式本体（10）間における挾持に基
づき、該カートリッジ式本体（10）上に固定されてい
る。該下フランジ（25′）には、カートリッジ式本体
（10）に設けられた切欠部（27′）に係合する少くとも
１つの周辺歯（27）が設けられており、該係合に基づ
き、固定ブッシュ（25）の回転が防止されている。更
に、固定ブッシュ（25）はまた、２つの肩部（29），
（30）を形成する凹所（28）を有している。該肩部（2
9），（30）は、セットリング（26）、特に止めねじ（3
1）により、制御レバー（18）の回転範囲を制限するた
めに設けられている。止めねじ（31）は、セットリング
（26）に設けられた円弧状スロット（32）内に固定さ
れ、肩部（29），（30）と協働し、該協働に基づき制御
レバー（18）の回転範囲を制限する。これによる少くと
も１つの作用として、例えば冷水に混合される温水の流
量を変え、給水栓（12）から供給される水の温度が調節
される。止めねじ（31）の位置をスロット（32）に沿っ
て適当に変えることにより、バルブ全開時に供給される
混合水の温度を所望の温度に変更し得る。

また、セットリング（26）は、制御レバー（18）の断
面形状に従い形成された開口（36）を有する滑りゲート
（35）を固定するためのねじ（34）に対する雌ねじ孔
（33）を備えている。ねじ（34）と協働する滑りゲート
（35）のスロット（35′）は、セットリング（26）の径
方向に沿う滑りゲート（35）の移動を可能とする。該滑
りゲート（35）のスロット（35′）に対向する横部材
（37）は、制御レバー（18）が、ピン（22）を軸として
その開放位置に向かい移動する際に、該制御レバー（1
8）のストッパ用当接面（18′）と協働する。適当な位
置に滑りゲート（35）を移動し得るため、該滑りゲート
（35）の横部材（37）を、制御レバー（18）に対し接近
或いは遠ざけることができ、これにより制御レバー（1
8）が横部材（37）に当接するまでの範囲で、該制御レ
バー（18）の揺動範囲を調節することができる。バルブ
全開時に供給される水の量を制御するために、同様にし
て、混合バルブの最大開口径が調節され得る。

なお、混合バルブの十分な開放の際に供給される水の
流量及び温度を表示するスケール又は他の表示手段を、
セットリング（26）及び滑りゲート（35）の双方に設け
てもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例にかかる冷温水混合バルブを
給水栓内部に取り付けた状態で概略的に示す斜視図、第
２図はその内部構造を示す縦断側面図、第３図は第２図
のＩ−Ｉ線に沿う断面図である。 （10）……カートリッジ式本体 （10′）……頸部 （11）……締付リング （12）……給水栓 （13），（14）……給水管 （15）……噴出口 （16）……下部ディスク（固定ディスク） （17）……上部ディスク（移動ディスク） （18）……制御レバー （18′）……ストッパ用当接面 （19）……ハンドル （20）……開口 （21）……混合チヤンバ （22）……水平ピン （23）……支持ブッシュ （25）……固定ブッシュ （25′）……下フランジ （26）……セットリング （27）……周辺歯 （27′）……切欠き部 （28）……凹所 （29），（30）……肩部 （31）……止めねじ （32）……円弧状スロット （34）……ねじ （35）……滑りゲート （35′）……スロット （37）……軸部材 （Ｘ）……垂直軸線

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カートリッジ式本体を備え、該本体の内部
   には、セラミック若しくは類似の材料製の２つの重なり
   合うディスクを備えたバルブ装置が設けられ、該バルブ
   装置には、冷水及び温水用に別個に設けられた給水口及
   び混合水用出水口が備えられ、前記ディスクのうちの一
   方のディスクは、前記カートリッジ式本体に固定され、
   他方のディスクは、水平方向軸線を軸として揺動し且つ
   垂直軸線周りに回動し得る制御レバーにより移動可能と
   されて適当位置に配置され、前記カートリッジ式本体
   は、締付リングにより給水栓内に固定されている冷温水
   用混合バルブであって、角度的に一定の距離が隔てられ
   た２つの肩部を有するブッシュが前記カートリッジ式本
   体上に取り付けられ、該ブッシュに対し同じ中心軸線を
   有するセットリングが前記カートリッジ式本体上に組み
   込まれ、該リングは、前記制御レバーに伴い回転し、前
   記制御レバーの垂直軸周りの回転を制限するために前記
   ブッシュの２つの肩部と交互に協働する止めねじを有
   し、流出水の温度を合わせる役割をなし、前記止めねじ
   は、前記セットリングに設けられた円弧状スロット内に
   固定され、前記制御レバーの断面に適合する開口を有す
   る滑りゲートが前記セットリング上に取り付けられ、該
   滑りゲートの横部材が、横方向軸を中心軸とする前記制
   御レバーの揺動を制限し、流水量の設定のために前記バ
   ルブ装置に必要とされる開口径に応じて前記横部材を、
   前記制御レバーに対し接近させ或いは遠ざけるように、
   前記滑りゲートは、前記セットリング上において径方向
   に移動可能であり、スロット内で移動するねじによって
   固定されていることを特徴とする冷温水用混合バルブ。
2. 【請求項２】前記ブッシュは、締付リングにより前記カ
   ートリッジ式本体と締付リング上に固定され、また前記
   カートリッジ式本体に形成された切欠き部に係合する歯
   を備えていることを特徴とする請求項１記載の冷温水用
   混合バルブ。
3. 【請求項３】前記滑りゲートは、前記制御レバーに伴い
   回転し、該制御レバーの揺動面内で長手方向に移動可能
   であり、前記制御レバーがその垂直軸線周りに回転する
   際に、前記セットリングが回転されるように、該セット
   リングは、前記滑りゲートに固定されていることを特徴
   とする請求項１又は２記載の冷温水用混合バルブ。
4. 【請求項４】前記ブッシュ及びセットリングは、同じ中
   心軸線を有し、前記カートリッジ式本体の頂部における
   頸部に対し同じ高さにあることを特徴とする請求項１か
   ら３のいずれかに記載の冷温水用混合バルブ。
5. 【請求項５】前記セットリング及び滑りゲートの少なく
   とも一方が、これらリング及びゲートの現状における位
   置を指し示すスケール若しくは他の適当な部材を備えて
   いることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載
   の冷温水用混合バルブ。