JP2724276B2 - 成形品への昇華転写印刷方法 - Google Patents

成形品への昇華転写印刷方法

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JP2724276B2
JP2724276B2 JP5035245A JP3524593A JP2724276B2 JP 2724276 B2 JP2724276 B2 JP 2724276B2 JP 5035245 A JP5035245 A JP 5035245A JP 3524593 A JP3524593 A JP 3524593A JP 2724276 B2 JP2724276 B2 JP 2724276B2
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FUJIKEMI KINKI KK
JIPANGU KK
TOYO SEIHAN INSATSU KK
Taiho Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形品への昇華転写印刷
方法、特に、プラスチック成形品の表面に昇華染料転写
材表面に形成された所望の絵柄や模様を熱転写印刷する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック成形品やアルミニウ
ム成形品に絵柄や模様を形成する方法としては、絵柄や
図柄を印刷したシュリンクチューブを成形品に装着し、
これを加熱収縮させて一体化する方法、シルクスクリー
ン印刷する方法、箔押しする方法、絵柄や模様を印刷し
た特殊紙に糊剤を塗布し、これを成形品に密着させて加
圧、加熱して貼り着ける方法、及び金属板その他の素材
表面にナイロン、ポリエステルなどの合成樹脂からなる
皮膜を形成し、その皮膜表面に昇華染料転写紙を重ね合
わせ、これを加熱することにより転写紙上の昇華染料を
昇華させて皮膜に熱転写染色する方法(特公昭47ー5
1734号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の印刷技術による方法では、使用している間に絵柄や模
様層が剥離したり摩擦により損傷するなどの問題が避け
られず、それを適用した成形品の商品としての耐久性が
欠けるばかりでなく、商品の品格においても難点があっ
た。しかも、これらの方法は表面が平坦な物品には容易
に適用できるが、成形品のように立体的な形状を有する
場合、表面に凹凸や曲面が多い場合、或は形状が複雑な
場合には、成形品の全面に所望の絵柄や模様を形成する
ことは不可能であった。
【0004】本出願人は、ナイロンやポリエステル樹脂
が耐熱性、耐薬品性及び耐圧性に優れ、昇華染料で染色
し易く、しかも、染料の定着性に優れていることに着目
し、ナイロンやポリエステル樹脂で成形品を成形する一
方、昇華染料インクで絵柄や模様を印刷した転写紙を用
いて成形品の表面に転写印刷することを試みたが、成形
品の形状が複雑であったり凹凸若しくは曲面が多い場
合、転写紙を成形品と密着させるのが困難であり、ま
た、成形品が立体形状の場合、転写印刷時の加熱によっ
て成形品に歪みを生じたり、絵柄や模様ににじみを生じ
るという問題があることが明らかとなった。
【0005】従って、本発明は、昇華染料系インクで所
望の模様や絵柄を印刷したシート状昇華染料転写材を用
いて、成形品に変質や変形を生じさせることなく、その
絵柄や模様を成形品の表面に鮮やかに昇華転写印刷でき
るようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、ポリアミド樹脂及びポリエス
テル系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の耐
熱性樹脂を主成分とし、副成分として30%以下の耐熱
性向上兼発色性向上剤を含有する耐熱性成形材料からな
る成形品と、プラスチックフィルムからなる基材の片側
表面に昇華染料インクからなる印刷層を形成し、その反
対側表面に昇華染料の移行を遮断するマスキング層を形
成してなる昇華染料転写フィルムと、前記成形品の形状
に対応する形状のキャビティを形成する一対の部材から
なる転写用治具とを用意し、前記成形品を前記転写用治
具のキャビティ内に昇華染料転写フィルムを介在させて
収容し、前記転写用治具により前記成形品の表面に前記
昇華染料転写フィルムを密着させると共に成形品を保持
し、該転写用治具を介して昇華染料転写フィルムを加熱
することにより昇華転写させるようにしたものである。
【0007】前記耐熱性成形材料の主成分であるポリア
ミド樹脂には、ナイロン6、ナイロン66、モノマーキ
ャスティングナイロン、ナイロン610、共重合ナイロ
ンなどが含まれる。また、前記ポリエステル系樹脂に
は、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂など
が含まれる。ちなみに、これらの耐熱性樹脂は、200
℃で10分間の耐熱試験に耐え、溶解度パラメータが1
0.0以上で、結晶性の高い性質を有している。
【0008】前記耐熱性樹脂は、それ自体耐熱性及び昇
華染料による染色性に優れ、昇華染料のにじみ、昇華転
写時の高温加熱による歪みや変質を生じる度合が少ない
という優れた特性を有しているが、耐熱性、昇華転写時
の高温加熱による歪みや変質を一段と向上させると同時
に、昇華染料による発色性を向上させるため、成形材料
の副成分として無機化合物、有機化合物、金属若しくは
金属酸化物が添加される。その代表的なものとしては、
グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロ
ー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔
料、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アン
トラキノン系、フタロシアニン系その他の有機顔料、
鉄、クロム、銅、アルミニウム、チタン、鉛その他の金
属若しくはそれらの酸化物などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。前記耐熱性向上兼発色性向
上剤は、通常、30重量%以下添加される。これは、耐
熱性向上兼発色性向上剤の添加量が30重量%を越える
と、成形品の表面が粗くなり、転写性が悪くなるからで
ある。
【0009】昇華染料転写材としては、プラスチックフ
ィルムを基材とし、その片側表面に昇華染料インクで所
望の絵柄や模様を印刷した印刷層を有する昇華染料転写
フィルムが使用される。転写フィルムの基材材料として
は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
イミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、
ポリスルホンフィルム、セロファン、トリアセテートフ
ィルム、ポリプロピレンフィルムなどが代表的なものと
して挙げられるが、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、
価格等の点でポリエステルフィルムが好適である。前記
基材のプラスチックフィルムの厚さは、通常、2〜25
0μmに設定されるが、量産性及び用途上の適性を考慮
すると、5〜100μm、より好ましくは、5〜50μm
にするのが好適である。
【0010】昇華染料としては、公知の任意のものを使
用することができ、代表的なものとしては、例えば、ピ
リドンアゾ系、アントラキノン系、インドアニリン系、
アゾ系、キノリン系染料が挙げられる。これらの昇華染
料は、アマニ油、ロジン変性アルキッド樹脂などのバイ
ンダと混練し、鉱物油などの希釈剤で粘度を調整し、得
られたインクを用いてグラビア印刷、スクリーン印刷な
どの印刷法により、基材の表面に絵柄、模様、写真など
が印刷される。
【0011】凹凸や曲面の多い場合の成形品との密着性
を向上させるため、昇華染料転写フィルムを使用してい
るが、この場合、その印刷面と反対側の表面に、成形品
の表面側にのみ昇華染料が移行するようにマスキング層
を形成し、該マスキング層により転写フィルムの裏面側
への昇華染料の移行を遮蔽し、転写用治具のキャビティ
表面の汚染を防止するのが好適である。
【0012】このマスキング層の材料としては、例え
ば、(a)フッソ樹脂系、キシレン樹脂系、メラミン樹脂
系、スルホンアミド樹脂系、アルキド樹脂系、エポキシ
樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、ポリア
ミドイミド樹脂系、有機金属系、付加重合系、チオール
・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合系又はカチ
オン重合とラジカル重合のハイブリッド系の組成物を熱
又は活性化エネルギー線により硬化させてなる三次元構
造を有する硬化性樹脂、及び(b)ポリアクリル、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレート、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ステルイミド、ポリイミド、アラミド、ポリベンゾイミ
ダゾール、ポリヒダントインなど100℃以上のガラス
転移温度を有する樹脂が挙げられる。マスキング層の物
理的性質、例えば、硬化性、可とう性、耐熱性及び耐久
性などの点からは、フッソ樹脂系、又はアクリル系モノ
マー若しくはオリゴマーを活性化エネルギー線により硬
化させてなるアクリル系樹脂が好適である。
【0013】前記マスキング層は、通常、0.1〜20
μmの範囲内の厚さに形成されるが、好ましくは、0.
5〜15μm、更に好ましくは、1〜7μmの範囲内の厚
さに形成される。これは、マスキング層の厚さが0.1
μm未満では昇華染料を十分に遮蔽することが困難であ
り、20μmを越えると、マスキング層の硬化による収
縮が大きくなり、基材がマスキング層側に湾曲するよう
になるからである。
【0014】前記マスキング層の形成方法としては、ア
クリル系樹脂を例にして説明すると、通常、活性化エネ
ルギー線による重合成分としてのアクリルオリゴマーと
反応性希釈剤とを含み、必要に応じて、光重合開始剤、
光増感剤、改質剤等を添加してなる組成物を基材表面に
塗布、印刷その他の手段により層状に形成し、活性化エ
ネルギー線、例えば、紫外線、可視光線、電子線、α
線、β線、γ線等を照射して架橋反応により硬化させる
方法が採用される。この場合、活性化エネルギー線の照
射は、通常、前記組成物層側から行なわれるが、基材と
マスキング層との密着性を高めるため、基材の背面に活
性化エネルギー線を反射する反射板を設けたり、基材側
から照射しても良い。
【0015】前記アクリルオリゴマーとしては、アクリ
ル系樹脂骨格にアクリロイル基又はメタアクリロイル基
が結合したオリゴマーを始めとし、ポリエステル(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレー
ト、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン
(メタ)アクリレート等のオリゴマーなどの他、イソシア
ヌール酸、環状ホスファゼン等の剛直な骨格に反応性の
アクリロイル基又はメタアクリロイル基が結合したオリ
ゴマーなどが挙げられる。
【0016】また、この場合の反応性希釈剤は、アクリ
ルオリゴマーと反応する基を有し、塗布工程において溶
剤の機能を担うと共に、塗膜成分となるものであるが、
その代表的なものとしては、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げら
れる。
【0017】さらに、光重合開始剤としては、例えば、
2,2−エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベ
ンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、
アントラキノン、フェニルジスルフィド、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−
プロパノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤
は、単独で或いは二種以上を組み合わせて使用しても良
い。
【0018】また、前記光増感剤としては、例えば、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチル
アミノエタノール等の3級アミン類、トリフェニルホス
フィン等のアルキルホスフィン類、β−チオジグリコ−
ル等のチオエーテル類が挙げられる。これらの光増感剤
は、単独で或いは二種以上を組み合わせて使用しても良
い。
【0019】前記改質剤としては、塗布性改良剤、消泡
剤、増粘剤、潤滑剤、有機高分子、安定剤、界面活性化
剤などがあるが、これらの改良剤は、活性化エネルギー
線による反応を阻害しない範囲で適宜添加すれば良い。
【0020】また、基材とマスキング層との密着性を向
上させるため、基材の表面に化学処理や放電加工処理を
施し、表面を粗くして接触面積を大きくしても良く、ま
た、基材とマスキング層との間に易接着層を形成しても
良い。さらに、必要に応じて、帯電防止層等の中間層を
設けても良い。
【0021】
【0022】成形品に昇華染料転写印刷する際、転写材
を成形品に巻き付けたりしただけでは、凹凸や曲面の多
いものや三次面を有するものでは、シワを生じたり密着
が不完全となり、完全な絵柄や模様を成形品の表面に再
現できないことから、本発明では、成形品の形状と同じ
形状のキャビティを有する転写用治具を調製し、そのキ
ャビティ内に転写材を置いて成形品を載せ、治具を閉じ
ることにより転写材を成形品と密着させ、これをヒータ
その他の加熱手段により所定時間、通常、200℃で
0.5〜10分加熱を行う。これにより転写材と成形品
が完全に密着し、完全な転写印刷が行なわれるだけでな
く、昇華染料転写印刷工程により成形品の歪みを矯正す
ることができるという副次的な効果も得られる。
【0023】転写材としてプラスチックフィルムを基材
とする転写フィルムを用いると、昇華染料転写印刷時
に、成形品の表面、即ち、被転写印刷面に部分的に昇華
染料ガスが発生し、そのガスの通気を遮断することがあ
り、染料昇華不良を起こす恐れがあるが、これを防止す
るため、転写フィルムに無数のガス抜き用ピンホールを
形成し、ガスの通過を促進し、昇華印刷を促進するのが
好ましい。
【0024】この転写印刷用治具は、熱伝導性の良い金
属材料及び耐熱性樹脂のいづれを用いて構成してもよい
が、前者の場合、アルミニウム、銅、鉄及びそれらの合
金などを使用すれば良く、また、後者の場合、例えば、
エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの耐熱性樹脂に、鉄、
アルミニウム、銅、銅合金、その他の金属及びカーボン
ブラックなど熱良伝導性材料の粉末を添加、分散させた
もので形成したものが好適である。この場合、熱良伝導
性材料粉末の添加量は、20〜70重量%が好ましい。
この熱良伝導性材料粉末を添加した耐熱性樹脂製の治具
は、量産性に優れ、金属製のものに比べて安価であり、
しかも、300℃の高温に耐えるだけでなく、数千回反
復使用することが可能である。
【0025】
【作用】成形品を構成する耐熱性樹脂に耐熱性向上兼発
色性向上剤を添加含有させると、耐熱性向上兼発色性向
上剤が成形品の耐熱性を一段と向上させて、昇華転写時
の高温加熱による成形品の歪みや変質を防止し、また、
成形品及び昇華染料転写材を転写用治具のキャビテイ内
に収容することにより、昇華染料転写材の印刷面を任意
の形状の成形品の表面に密着させる役割と、加熱転写時
及び転写後の冷却時の成形品を保持し、その変形の阻止
と共に、その歪みの矯正を行う役割を果す。
【0026】本発明方法は、例えば、成形品の表面全体
が立体面である場合、図1に示すような転写印刷用治具
を用いて実施することができ、また、成形品の表面の一
部が平坦面である場合、図2に示すような転写印刷用治
具を用いて実施することができる。図1の転写印刷用治
具は、キャビティ型2とコアー型3とで構成され、両者
間に形成されるキャビティは被転写体である耐熱性成形
材料からなる成形品1の形状に対応する形状にしたもの
である。この治具を用いて耐熱性成形材料からなる成形
品に転写印刷する場合、図1に示すように、フイルムの
片側表面に昇華染料インクで絵柄を印刷した印刷面を有
する転写フィルム4を、その裏面がキャビテイ型3のキ
ャビテイ表面側を向くように、前記キャビティ型2の上
に載せ、その上に成形品1を載せてキャビティ型2のキ
ャビティ2a内に配置した後、コアー型3を型合わせ
し、両者をバンドで結合して加熱器(図示せず)の中に
入れ200〜250℃で1〜20分間加熱すれば良い。
また、図2の転写印刷用治具は、成形品の立体面に対応
する形状のキャビティを有する転写印刷用治具6からな
り、これを上下動可能な加熱プレート7と、その下方に
位置し水平方向に摺動可能なスライドプレート8とから
なるアイロンプレス機と組合せ、成形品の平坦面側をス
ライドプレート8で代用するようにしたものである。こ
の治具を用いて熱転写する場合、転写印刷用治具6を加
熱プレート7に装着し、転写フイルム11をその印刷面
を下向きにしてスライドプレート8上に載置した成形品
に被せるように配置し、加熱プレート7を降下させて転
写フィルム11を成形品10に密着させ、その状態を所
定時間保持して加熱すればよい。いずれの場合も、転写
印刷用治具によって成形品の被転写印刷面と転写材とが
密着させられるため、転写フイルムの絵柄をそのまま成
形品に転写、含浸させることができ、しかも、転写行程
で成形品が治具のキャビティ内に保持されているため、
加熱による変形が防止される。
【0027】以下、本発明の実施例について説明する。
【0028】
【実施例1】ナイロン66にチタンホワイトを0.5〜
10重量%添加した成形材料を用いて図2に示す三次元
構造の成形品10を成形する一方、ポリエステルフイル
ムの片側表面に昇華染料インクで絵柄を印刷した印刷面
を有する転写フィルムを用意した。他方、エポキシ樹脂
に鉄粉を20重量%添加した材料を用いて転写印刷用治
具6を成形し、この転写用治具6を、図2に示すよう
に、アイロンプレス機の加熱プレート7に装着する。こ
のアイロンプレス機は、上下動可能な加熱プレート7
と、その下方を摺動するスライドプレート8とからな
り、スライドプレート8の表面はシリコンラバー層9に
より被覆されている。このシリコンラバー層9の上に成
形品10を配置した後、成形品10と転写用治具6との
間に前記転写フイルム11をその印刷面が成形品側を向
くように介在させて加熱プレート7を降下させ、それに
より転写フィルム11を成形品10に密着させると共に
加熱して熱転写したところ、転写フィルムの絵柄がその
まま成形品10にムラ無く均一に転写、含浸され、しか
も、成形品に加熱による歪みは認められなかった。ま
た、布等との摩擦による色落ちや剥離は認められず、中
性洗剤に浸漬したまま長期間放置しておいても、変色そ
の他の欠陥は認められ無かった。なお、転写印刷用治具
をシリコンゴムにアルミニウム粉末を20〜50重量%
添加した材料で形成しても同様な結果が得られる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、耐熱性樹脂に副成分として無機化合物、有機化合
物、金属若しくは金属酸化物からなる群から選ばれた少
なくとも一種の耐熱性向上兼発色性向上剤を含有させた
成形材料を用いることにより、成形品の耐熱性、発色性
を向上させることができ、また、成形品をそれに対応す
る形状の転写用治具のキャビテイ内に昇華染料転写材を
介在させて収容するようにしているため、昇華染料転写
材が成形品の表面に完全に密着し、しかも、その状態で
加熱することにより昇華染料を成形品表面に熱転写させ
ているため、成形品の形状いかんに拘わらず美しい転写
印刷を簡単に行うことができる。また、昇華染料転写印
刷時及び熱転写後の冷却時、転写用治具により成形品が
その形状を保持されるため、成形品の歪みを矯正するこ
とができる。さらに、作業の簡素化を図ることができる
と同時に安価に印刷でき、従来法では得られなかったカ
ラフルなグラデーションとカラーポジの再現が可能にな
り、品質及び品格が高く耐久性に優れた成形品を製造す
ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の実施過程を示す工程図
【図2】 本発明方法の他の実施例を示す工程図
【符号の説明】
1:成形品 2:キャビティ型 2a:キャビティ 3:コアー型 4:転写フィルム 6:治具 7:加熱プレート 8:スライドプレート 9:シリコンラバー層 10:成形品 11:転写フィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000108856 ダイアホイルヘキスト株式会社 東京都港区芝四丁目2番3号 (72)発明者 久本 明 大阪府大阪市北区天満2丁目12番3号南 末広ビル フジケミ近畿株式会社内 (72)発明者 秀島 豊彦 大阪府守口市大日町1丁目3番7号 大 宝工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−99278(JP,A) 特開 昭54−143318(JP,A) 特開 昭62−212192(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂及びポリエステル系樹脂
    からなる群から選ばれた少なくとも一種の耐熱性樹脂を
    主成分とし、副成分として30%以下の耐熱性向上兼発
    色性向上剤を含有する耐熱性成形材料からなる成形品
    と、プラスチックフィルムからなる基材の片側表面に昇
    華染料インクからなる印刷層を形成し、その反対側表面
    に昇華染料の移行を遮断するマスキング層を形成してな
    る昇華染料転写フィルムと、前記成形品の形状に対応す
    る形状のキャビティを形成する一対の部材からなる転写
    用治具とを用意し、前記成形品を前記転写用治具のキャ
    ビティ内に昇華染料転写フィルムを介在させて収容し、
    前記転写用治具により前記成形品の表面に前記昇華染料
    転写フィルムを密着させると共に成形品を保持し、該転
    写用治具を介して昇華染料転写フィルムを加熱すること
    を特徴とする成形品への昇華転写印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性向上兼発色向上剤が無機顔
    料、有機顔料、金属若しくは金属酸化物からなる群から
    選ばれた少なくとも一種である請求項1又は2記載の成
    形品への昇華転写印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性向上兼発色性向上剤がグンジ
    ョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛
    白、チタン白及びカーボンブラックからなる群から選ば
    れた少なくとも一種の無機顔料である請求項1又は2記
    載の成形品への昇華転写印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性向上兼発色性向上剤がアゾ系
    顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、ア
    ントラキノン系顔料及びフタロシアニン系顔料からなる
    群から選ばれた少なくとも一種の有機顔料である請求項
    1又は2記載の成形品への昇華転写印刷方法。
  5. 【請求項5】 前記昇華染料転写フィルムが無数のピン
    ホールを形成されている請求項1〜4のいづれかに記載
    の成形品への昇華転写印刷方法。
  6. 【請求項6】 前記転写用治具がアルミニウム、銅、鉄
    及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属からなる
    請求項1〜5のいづれかに記載の成形品への昇華転写印
    刷方法。
  7. 【請求項7】 前記転写用治具が熱伝導性材料を含有す
    る耐熱性樹脂からなる請求項1〜5のいづれか一項記載
    の成形品への昇華転写印刷方法。
  8. 【請求項8】 前記転写用治具を構成する耐熱性樹脂が
    エポキシ樹脂又はシリコン樹脂である請求項7に記載の
    成形品への昇華転写印刷方法。
  9. 【請求項9】 前記熱伝導性材料が金属又はカーボンブ
    ラックである請求項7に記載の昇華転写印刷方法。
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