JP2724014B2 - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2724014B2 JP2015222A JP1522290A JP2724014B2 JP 2724014 B2 JP2724014 B2 JP 2724014B2 JP 2015222 A JP2015222 A JP 2015222A JP 1522290 A JP1522290 A JP 1522290A JP 2724014 B2 JP2724014 B2 JP 2724014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁気記録媒体に情報を記録したり、磁気記
録媒体から情報を読み出す磁気ヘッドに係り、特に高密
度磁気記録が行われるビデオテーブレコーダ,デジタル
オーディオテープレコーダ等の各種磁気テープ装置やフ
レキシブルディスク装置、ハード磁気ディスク装置に用
いられる磁気ヘッドに関する。
[従来の技術] 近年、磁気記録の高密度化が進展し、磁気記録媒体の
記録密度が急激に増大している。そして、磁気記録の高
密度化に伴い、記録媒体に情報を記録したり、記録媒体
から情報を再生する磁気ヘッドの高性能化が図られ、高
性能な磁気ヘッドを得るために、高飽和磁束密度を有
し、かつ保磁力が小さく高透磁率を有する軟磁性体が要
求されている。このため、高密度記録を行う磁気テープ
装置、フレキシブルディスク装置、ハード磁気ディスク
装置においては、従来のフェライトを用いた磁気ヘッド
によって対応することができず、飽和磁束密度の高い合
金系の磁性薄膜による磁気ヘッドを採用せざるを得なく
なっている。
ところが、透磁率が高く磁束密度Bsの高い磁性薄膜
は、厚みが極めて薄いために、基板やパターン形状等の
種々の影響を受けやすく、磁区構造が不安定である。こ
のため、磁性薄膜を用いた磁気ヘッドを、高い透磁率で
動作させようとすると、磁区構造が乱れ、記録性能が劣
化したり、再生時の出力が落ちたり、擬似パルスが発生
したりするなどの問題が生ずる。そこで、従来は、磁性
薄膜の磁気異方性エネルギーを大きくして磁区の安定化
を図ることが考えられている。
磁気異方性エネルギーを大きくして磁区の安定化を図
る場合、従来下記のような方法が採られていた。
磁場中においてメッキを行い、磁気異方性を一定方向
に強くする(例えば、パーマロイメッキ膜の形成)。
成膜した非晶質膜を磁場中でアニール処理し、磁気異
方性を一定方向に強くする(例えば、CoZrNb等の非晶質
膜の形成)。
基板を磁場中に配置して磁場中においてスパッタリン
グして成膜し、磁気異方性を一定方向に強くする(例え
ば、FeSiAl等の多結晶膜の形成)。
成膜する基板に凹凸を設け、この凹凸を設けた面に成
膜して磁気異方性を一定方向に強くする(例えば、電子
情報通信学会技術研究報告、MR84−56、1985年3月)。
磁性薄膜を部分的にエッチングし、磁気異方性を一定
方向に強くする(例えば、1989年、電子情報通信学会春
季全国大会講演論文集、pp5−341)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記した従来の磁気異方性を与える方法は次
のような欠点があった。すなわち、、、の方法に
ついては、異方性の大きさの制御が微妙なレベルまで要
求され、磁区構造の再現性を良くするためには磁気異方
性を強くすることが求められ、その結果透磁率が小さく
なるという欠点があり、特別の工夫が必要である。ま
た、、の方法は、磁性薄膜に磁気異方性を持たせる
ことは比較的容易であるが、形状異方性を主眼としてい
るため、異方性を強くして磁区の安定化を高めると、磁
性薄膜の凹凸が大きくなって特性が劣化する。従って、
磁磁束の流れが乱れ、磁気異方性をあまり大きくするこ
とができず、再現性にも難がある。
また、特開昭63−298705号「薄膜磁気ヘッド」には、
基板上に形成した下部磁気コアと、この下部磁気コア上
に形成した導電性コイルと、この導電性コイルの一部を
絶縁層を介して被覆し前記下部磁気コア上に形成された
上部磁気コアとからなる薄膜磁気ヘッドにおいて、上部
磁気コアを形成する磁区のうち内側を軟質磁性体で形成
し、外側を硬質磁性体で構成した磁気ヘッドが開示され
ている。しかしながら、このものは、軟質磁性体がNiFe
膜であるのに対し硬質磁性体はCoP膜であり、異種組成
の磁性体膜を単純に並置したに過ぎないものである。す
なわち、スパッタ等により形成した軟質磁性体の一部
(トラック幅方向の両側)をイオンビームエッチング等
により波形に除去し、この除去した部分に硬質磁性体を
スパッタ等により形成したものであり、エッチング工程
を挟んで異種スパッタ工程を実施する必要があり、しか
も最終スパッタ後に硬質磁性体を軟質磁性体とは逆方向
に部分的に着磁させなければならないので、専用のリン
グタイプ磁気ヘッドを用いて磁化させるか、或いはまた
レーザビームを硬質磁性体に照射して外部から磁界を印
加するといった着磁工程が不可欠であり、磁気ヘッドが
小型化すればするほど製造工程が複雑化するといった課
題を抱えるものであった。また、軟質磁性体が硬質磁性
体に接する部分の表面に凹凸が生じやすく、こうした凹
凸に基づく形状異方性が軟質磁性体の磁気特性を劣化さ
せてしまう結果、所期の効果が得られないことが多い等
の課題を抱えるものであった。
また、特開昭60−119618号「薄膜磁気ヘッド」には、
長方形状の磁気抵抗効果素子の表面に、その長手方向に
対して斜め方向に複数の帯状の高保磁力強磁性薄膜を平
行状に被着し、磁気抵抗効果素子内の磁区が消滅すると
きに生ずるバルクハウゼンジャンプノイズを抑制するよ
うにした磁気ヘッドが開示されている。しかしながら、
このものは、パーマロイ薄膜の上にCoP膜を斜め方向に
ストライプ状に被着し、得られた複合膜を最後に着磁し
て製造するものであり、電着により被着するCoP膜を軟
質磁性膜であるパーマロイ薄膜の上に密着させたとき
に、応力歪みの発生が避けられず、この応力歪みがパー
マロイ薄膜の磁気特性を劣化させるために、所期の特性
が得られないことがあり、特に高保磁力CoP電着膜は内
部応力が大きいために再現性が悪く、良品率を低下させ
やすい等の課題を抱えるものであった。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになさ
れたもので、磁性薄膜の磁区を確実に安定化できる磁気
ヘッドを提供することを目的とし、またその製造方法を
提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明に係る磁気ヘッ
ドは、磁性薄膜によって磁路を形成した磁気ヘッドにお
いて、前記磁性薄膜の一部を表面処理により改質して高
保磁力策域または反強磁性領域としたことを特徴とする
ものである。
磁気ヘッドが誘電型である場合、磁性薄膜に形成する
高保磁力領域または反強磁性領域の磁化磁路に略直交さ
せることが望ましい。また、磁気ヘッドが磁気抵抗効果
型である場合、磁性薄膜に形成する高保磁力領域または
反強磁性領域の磁化方向は、磁性薄膜を流れる電流のベ
クトルに対して45度傾斜させることが望ましい。
一方、上記の磁気ヘッドを得るための本発明の磁気ヘ
ッドの製造方法は、磁性薄膜を成膜したのち、前記磁性
薄膜の一部を表面処理により改質して高保磁力領域また
は反強磁性領域にすることを特徴としている。この表面
処理の方法には磁性薄膜を形成したのち、磁性薄膜の一
部をプラズマ処理してもよく、電解質溶液と反応させて
もよく、磁性薄膜の一部にイオン注入をしてもよい。
[作用] 上記の如く構成した本発明の磁気ヘッドは、磁性薄膜
の一部が表面処理により高保磁力領域または反強磁性領
域となっているため、これらの領域が一種の永久磁石の
ように振る舞う。従って、高保磁力領域または反強磁性
領域の部分は、磁化の方向が一定しており、磁性薄膜の
残りの軟磁性領域が、交換相互作用或いは高保磁力領域
や反強磁性領域の磁化による静磁気相互作用によりバイ
アス磁場を受ける結果、軟磁性領域の磁化が一定の方向
に揃えられ、磁区が安定しこの結果記録再生特性が向上
し、高性能な磁気ヘッドが得られる。
[実施例] 本発明に係る磁気ヘッドおよびその製造方法の好まし
い実施例を、添付図面に従って詳説する。
第1図は、本発明の第1実施例に係る誘導型磁気ヘッ
ドの断面図であって、主としてフレキシブルディスク装
置またはハード磁気ディスク装置に使用される磁気ヘッ
ドを示したものである。
第1図において、磁気ヘッド10は、基板12の上に固定
した一対の磁性薄膜14、16とコイル18とからなってい
る。
磁性薄膜14は下部磁極を構成し、後部(図の右側)の
幅が広く、先端部の幅がトラック幅に狭められた、厚さ
が1〜数μmの平板状に形成され、基板12に固着してあ
る。また、磁性薄膜16は、上部磁極を構成し、磁性薄膜
14と同様に1〜数μmの厚さを有していて、クランク状
に折り曲げられた形状をなしている。そして、磁性薄膜
16は、後部が磁性薄膜14に固着されて磁性薄膜14ととも
に磁路を形成している。さらに、磁性薄膜16は、先端部
が磁性薄膜14との間にギャップ20を形成するとともに、
コイル18を貫通させるための中間部を形成している。ま
た、各磁性薄膜14、16には、コイル18が貫通する中間部
に、複数の高保磁力領域または反強磁性領域からなる磁
気変質部22が形成してある。
これら磁気変質部22は、後述する方法によって形成さ
れ、深さが約1000Å、幅が0.1〜数μmであって、磁性
薄膜14、16が形成する磁路とほぼ直交するように設けて
あり、磁化の方向も磁路とほぼ直交するようになってい
る。すなわち、磁気変質部22の磁化方向は、図示しない
磁気記録媒体への情報の記録時、または磁気記録媒体か
らの情報の再生時に、磁性薄膜14、16を透過する磁束と
直交するように、磁性薄膜14、16のを横切って設けてあ
る。
上記のように構成した実施例においては、磁気変質部
22が高保磁力領域または反強磁性領域となっているた
め、磁気変質部22が永久磁石のように振る舞い、磁化が
一定の方向を向いて変化しない。従って、磁気変質部22
に隣接した軟磁性領域24には、第2図(A)に示したよ
うに、磁気変質部22の磁化26による静磁気相互作用によ
って、磁化26と逆方向の磁場28が常に作用する。この結
果、軟磁性領域24は、常に同じ方向のバイアス磁場を受
けることになり、磁化が磁気変質部22と平行となって磁
区の構造が常に同じとなり、磁区が安定する。
また、磁気変質部22と軟磁性傾域24との境界が連続的
に変化している場合には、第2図(B)に示したよう
に、磁気変質部22と軟磁性領域24との磁化30および磁化
32は交換相互作用によって互いに平行となるため、実質
的に磁化30と同方向のバイアス磁場32が作用したと同し
になり磁区の安定化が図られる。
従って、実施例の磁気ヘッド10は、磁区の不安定によ
る記録性能の劣化、再生時の出力低下や擬似パルスの発
生を防ぐことができ、記録再生時のエラーを低減するこ
とができる。しかも、磁気変質部22の磁化方向を磁性薄
膜14、16が形成する磁路にほぼ直交して形成してあるた
め、磁性薄膜14、16に磁界が作用したときのみ磁化が磁
路と平行になり、記録再生時の周波数特性を向上でき
る。
第3図は、本発明の第2実施例に係る誘導型磁気ヘッ
ドであって、主として磁気テープ装置またはフレキシブ
ルディスク装置に使用される磁気ヘッドの一部を切り欠
いて示す斜視図である。
第3図において、磁気ヘッド10は、一対の基板12a、1
2bの一側面に磁性薄膜40a、40bが設けてあり、これらの
磁性薄膜40a、40bをスーパーストレート42a、42b(42a
は図示せず)が覆っていて、それぞれの端面を対応させ
て接合してある。そして、接合部の図の下部がギャップ
20となっており、その上方にコイル18を巻回するための
六角形をなす透孔46が設けてある。また、基板12a、12b
とスーパーストレート42a、42bとの間に介在させた磁性
薄膜408、40bには、複数の磁気変質部22が設けてある。
これらの磁気変質部22は、磁性薄膜40a、40bに形成した
透孔46の中心に対してほぼ等角度間隔で放射状に形成さ
れ、その磁化方向が磁性薄膜40a、40bが形成する磁路に
ほぼ直交している。
本実施例においても、磁気変質部22が永久磁石と同様
の作用をなし、前記実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
第4図は、本発明の第3実施例に係る磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの一部を切り欠いて示す斜視図である。
第4図において、基板12a、12bの一側面には、3辺の
縁部に沿って「コ」の字状に磁気シールド用軟磁性薄膜
50が設けてある。そして、軟磁性薄膜50の上には、磁性
薄膜からなる磁気抵抗素子52が設けてある。この磁気抵
抗素子52は、両端部に電極54、56が取り付けてあり、電
流が流されるようになっている。また、磁気抵抗素子52
の図の下辺部58は、磁気シールド用軟磁性薄膜60に覆わ
れ、磁気シールド用磁性薄膜50、60によって挟まれてい
る。
磁性薄膜からなる磁気抵抗素子52の下辺部58と、この
下辺部58に対面した磁気シールド用軟磁性薄膜50、60に
は、所定の間隔をもって磁気変質部22が形成してある。
これら各磁気変質部22は、下辺部58の長手方向、すなわ
ち電流の流れる方向と45度傾斜して形成してあり、磁化
の方向も45度傾斜している。
このように構成した実施例は、磁気変質部22が前記実
施例において説明したように永久磁石と同様の作用を
し、磁気変質部22に隣接した軟磁性領域の磁化方向が、
磁気変質部22の磁化による交換相互作用または静磁気相
互作用を受け、磁気変質部22の磁化方向に平行又は反平
行に配向する。従って、磁気抵抗素子52の、軟磁性領域
の磁化は磁気抵抗素子52を流れる電流のベクトルに対し
て45度傾斜して配向した状態に保持され、しかも、磁区
の構造が常に同じとなって磁区の安定化が図られる。磁
気抵抗素子52の磁化は、磁気抵抗素子52を流れる電流の
ベクトルに対して45度傾斜しているため、磁気記録媒体
からの情報の再生時に、磁化の回転による電気抵抗の変
化率が大きくなり、感度のよい磁気ヘッド10を得ること
がてきる。
第5図は、前記各実施例の磁気ヘッドを製造する方法
の一部を示したもので、磁性薄膜に高保磁力領域または
反強磁性領域からなる磁気変質部を形成する工程を示し
ている。
磁性薄膜の一部に表面処理により磁気変質部を形成す
る場合、まずスパッタ法や蒸着法またはメッキ法等によ
り磁性薄膜を形成する(ステップ100)。次に、形成し
た磁性薄膜にフォトレジストを塗布し(ステップ10
2)、フォトレジストに所定のパターンを露光、現像し
たのち、磁気変質部を形成する部分のフォトレジストを
除去する(ステップ104)。
その後、上記の処理をした磁性薄膜を、プラズマ中に
配置してプラズマ処理をしてフォトレジストを除去した
部分の表面を酸化または窒化するか(ステップ106、10
8)、電解質溶液中に浸漬してフォトレジストを除去し
た部分の表面を酸化するか(ステップ110、112)、また
はフォトレジストを除去した部分にイオン注入して表面
部分の組成を変える(ステップ114、116)。
磁性薄膜の一部を磁気変質部に変えるプラズマ処理
は、真空度が1×10-1〜10-5Torrの酸素分圧または窒素
分圧を有する真空系に磁性薄膜を配置し、磁性薄膜側が
負になるようにして100〜2000Vの電圧を数分から数10分
印加する。その結果、磁性薄膜と正の電極との間にグロ
ー放電が発生し、酸素または窒素が電離して電離した酸
素イオンまたは窒素イオンが磁性薄膜に衝突する。これ
により、磁性薄膜のフォトレジストを除去した部分の表
面が酸化または窒化され、磁性薄膜の主成分がFeであれ
ば酸化鉄または窒化鉄が形成される。そして、このよう
に変質された磁性薄膜部分は、10Oe以上の高保磁力領域
となり、本発明の実施に適する磁気変質部となる。
溶液中における酸化は、pHが4〜10程度の電解質溶液
中に磁性薄膜を浸漬して行う。電解質溶液が例えば塩酸
や硝酸のような無機酸の水溶液である場合、磁性薄膜を
これらの水溶液に浸漬するだけてよい。これによわ、磁
性薄膜のフォトレジストの除去された部分が酸によって
腐食され、この部分が水洗の際に水によって酸化され
る。また、水溶液が水酸化ナトリウムや水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ溶液である場合、磁性薄膜を陽極にし
て電解質溶液に1mA/cm2以下の電流を数分〜数10分流
す。これにより、磁性薄膜を酸化する。
一方、磁性薄膜へのイオン注入は、O2、N2または希土
類元素、Mn等の他の金属を10〜300kVの加速を行い、磁
性薄膜に衝突させて1015個/cm2程度注入すると高保磁
力領域が形成される。そして、磁性薄膜に酸化鉄やMnFe
が含まれている場合には、保磁力か10Oe以上の高保磁力
領域又は反強磁性領域となる。
このようにして高保磁力領域または反強磁性領域から
なる磁気変質部を形成した磁性薄膜は、付着しているフ
ォトレジストを除去し(ステップ118)、必要に応じて
アニール処理をして組み立て等の次工程に送る(ステッ
プ120)。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明の磁気ヘッドは、磁性
薄膜の一部を表面処理による改質により高保磁力領域ま
たは反強磁性領域としたから、これらの領域が一種の永
久磁石のように振る舞い、高保磁力領域または反強磁性
領域の部分の磁化の方向が一定するため、磁性薄膜の残
りの軟磁性領域が、交換相互作用或いは高保磁力領域や
反強磁性領域の磁化による静磁気相互作用によって安定
したバイアス磁場を受けることになり、軟磁性領域の磁
化が一定の方向に揃えられることで磁区が安定するた
め、磁区が常に同じ構造をとって構造的に安定した記録
再生特性の優れた高性能磁気ヘッドを得ることができ、
また表面処理により形成される高保磁力領域や反強磁性
領域も、原材料自体は改質前の磁性薄膜と同一であるた
め、例えば磁性薄膜に異種材料を被着或いは並置した従
来の磁気ヘッドのように、異種材料どうしの密着部分に
応力歪みが発生したり並置境界部分に生じた凹凸が形状
異方性を生じてしまい、徒に磁気特性を劣化させるとい
った弊害を招くことはあり得ず、予期せぬ応力歪みや形
状異方性によって磁気特性が影響されないため、良品率
を向上させることができ、または改質後の着磁に関して
も、高保磁力領域や反強磁性領域の磁化方向は一方向で
よいため、複数の磁気ヘッドを一列に配列して一方向に
磁界を印加するだけでよく、特殊な専用磁気ヘッド等を
必要とする従来の磁気ヘッドと異なり、着磁も容易であ
る等の優れた効果を奏する。
また、高保磁力領域または反強磁性領域の磁化方向を
磁路に直交して形成するようにしたから、特に誘導型の
磁気ヘッドの場合、軟磁性領域に磁界が作用していない
ときに、軟磁性領域の磁化も磁路に直交しており、磁界
が作用するときのみが磁路と平行となり、記録再生時の
周波数特性の向上と雑音の発生を小さくできる等の効果
を奏する。
また、高保磁力領域または反強磁性領域の磁化方向を
電流のベクトルに対して45度傾斜させて形成するように
したから、磁気抵抗効果型の磁気ヘッドの場合、軟磁性
領域の磁化もこれらに平行となるため、磁気記録媒体か
らの磁界による磁化の回転による抵抗変化率が大きくな
り、高感度の磁気ヘッドが得られる等の効果を奏する。
また、磁性薄膜の一部に形成する高保磁力領域または
反強磁性領域は、磁性薄膜を形成したのち、磁性薄膜の
一部にプラズマ処理、電界質溶液による処理、イオン注
入等の表面処理により容易に得ることができるため、異
種材料を被着或いは並置する従来の製造方法と異なり、
磁気変質部としての高保磁力領域または反強磁性領域
を、応力歪みや形状異方性とは無縁の状態で磁性薄膜の
一部に形成すことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例に係る磁気ヘッドの断面
斜視図、第2図は、前記実施例の磁気変質部の作用説明
図、第3図は、本発明の第2実施例に係る磁気ヘッドの
一部を切り欠いて示す斜視図、第4図は、本発明の第3
実施例に係る磁気ヘッドの一部を切り欠いて示す斜視
図、第5図は、本発明の実施例に係る磁気ヘッドの製造
方法の磁性薄膜に磁気変質部を形成する工程を示す流れ
図である。 10……磁気ヘッド 12……基板 14、16、40a、40b、50、52、60……磁性薄膜 22……高保磁力領域または反強磁性領域(磁気変質部)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁路を形成する磁性薄膜と、該磁性薄膜の
    一部を表面処理により改質して形成した高保磁力領域ま
    たは反強磁性領域とを具備することを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】前記高保磁力領域または反強磁性領域は、
    磁化方向を前記磁路に略直交させて形成したことを特徴
    とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記磁性薄膜は、磁気抵抗効果を有し、前
    記高保磁力領域または反強磁性領域は、磁化方向を前記
    磁性薄膜を流れる電流のベクトルに対して45度傾斜させ
    て形成してあることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    ヘッド。
  4. 【請求項4】磁性薄膜を成膜し、前記磁性薄膜の一部を
    表面処理して改質し、高保磁力領域または反強磁性領域
    として磁路を形成したことを特徴とする磁気ヘッドの製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記磁性薄膜の表面処理は、プラズマ処理
    によることを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記磁性薄膜の表面処理は、電解質溶液と
    の反応によることを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  7. 【請求項7】前記磁性薄膜の表面処理は、イオン注入に
    よることを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの製
    造方法。
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