JP2723146B2 - 車両用無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents
車両用無段変速機の変速比制御装置Info
- Publication number
- JP2723146B2 JP2723146B2 JP61035563A JP3556386A JP2723146B2 JP 2723146 B2 JP2723146 B2 JP 2723146B2 JP 61035563 A JP61035563 A JP 61035563A JP 3556386 A JP3556386 A JP 3556386A JP 2723146 B2 JP2723146 B2 JP 2723146B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deceleration
- vehicle
- continuously variable
- variable transmission
- gear ratio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Control Of Transmission Device (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、車両用無段変速装置に関するものであり、
特には、車両減速時の変速比制御に関するものである。 〔従来の技術〕 車両の速度を安全にかつ効率的に減速するために、エ
ンジンブレーキが有効なことは一般に知られている。そ
こで、車両用無段変速機を備える車両においても、エン
ジンブレーキによる減速を得るために、特開昭58-17098
号公報のような方法が知られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前述の特開昭58-170958号公報の方法では、運転者が
現在の速度から急激な減速を欲している場合にも、緩慢
な減速を欲している場合にも、エンジンブレーキによる
減速度は一定であり、安全で効率的な減速ができるとは
言えない。そこで本発明は、前述の問題点に鑑み、運転
者の要求する減速度に応じたエンジンブレーキが作用す
るように、車両用無段変速機の変速比を制御する車両用
無段変速機の変速比制御装置を提供することを目的とす
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の目的を達成するために、第１図に示
されるような、車両の動力伝達系に装備され、入力軸と
出力軸との変速比が無段階に変化する車両用無段変速機
105と、 該車両用無段変速機105の変速比を制御する変速比制
御装置106とを具備し、 該変速比制御装置106は、 運転者のブレーキ操作を検出する減速要求検出手段10
1と、 該減速要求検出手段にて前記ブレーキ操作が検出され
ている際に、前記車両に生じる減速度の大きさを求める
減速度検出手段103と、 該減速度検出手段103にて検出された前記減速度の大
きさに応じて前記車両用無段変速機105の目標変速比を
設定する変速比設定手段104とから構成されたことを特
徴とする。 〔作用〕 本発明装置は、前述のような手段により、以下の作用
をする。 まず減速要求判定手段101が、車両の運転者のブレー
キ操作の有無を検出する。 そして、減速度検出手段103では、減速要求検出手段
にてブレーキ操作が検出されている際に、車両に生じる
減速度の大きさを求める。 さらに、変速比設定手段104では、減速度検出手段103
にて検出された減速度の大きさに応じて車両用無段変速
機105の目標変速比を設定し、この目標変速比になるよ
うに車両用無段変速機105が制御される。 ここで、減速度検出手段103にて検出される減速度の
大きさは、運転者のブレーキ操作の際に求められるもの
であり、運転者の希望する減速度と同じか、あるいはそ
れに近いものであると考えられる。 従って、このブレーキ操作の際に求められる減速度の
大きさに応じて設定される目標変速比は、運転者の希望
する減速度に応じた適度なエンジンブレーキが作用する
ような変速比となる。 〔実施例〕 以下本発明を図に示す一実施例に基づいて詳細に説明
する。まず第２図を用いて本実施例の全体構成について
説明する。第２図において車両のエンジン５の駆動力
は、トルクコンバータあるいは電磁パウダークラッチ等
の動力伝達率可変機構６を介して、変速機４に入力され
るようになっている。変速機４に入力された駆動力は、
入力軸プーリ41、Ｖベルト45、出力軸プーリ42およびプ
ロペラシャフト52に伝達されるようになっている。 入力軸プーリ41および出力軸プーリ42の内部には図示
せぬ油圧室が設けられており、油圧室の容積によりこれ
らのプーリの有効径は変化する。入力軸プーリ41は流量
制御弁43によって供給されるオイル流量によって制御さ
れ、出力軸プーリ42は、流量制御弁43に送られるオイル
圧力を制御する圧力制御弁44によって制御される。ま
た、入力軸プーリ41、出力軸プーリ42の回転数および流
量制御弁43に供給するオイル温度は、それぞれ入力軸回
転数センサ８、出力軸回転数センサ９、および油温セン
サ46によって検出される。なお、上記各センサ8,9,46
は、上記動力伝達率可変機構６、流量制御弁43、圧力制
御弁44を制御する制御回路に接続されている。 また第２図において、２は、車輪の回転数を電磁ピッ
クアップによって検出することによって、車速信号を発
生する車速センサ、１は、アクセルの踏込み量を検出す
るアクセル位置センサ11と、踏込み解除を検出するアイ
ドルスイッチ12とから構成されたアクセルセンサ、７は
シフトレバーに取付けられたシフト位置検出器、10はブ
レーキが踏まれているか否かを判別するブレーキスイッ
チ、51はエンジン５の回転数を検出するエンジン回転数
センサであり、それぞれ第２図に示す如く制御回路３に
接続されている。 制御回路３は、上記各種センサ、各種スイッチからの
信号に基づき、変速機４の変速比を所定の値にするべ
く、圧力制御弁44、流量制御弁43に制御するものであ
る。 次に第３図を用いて、制御回路３の構成について説明
する。 第３図において301は各種回転数センサ8,9,51や車速
センサ２の信号をCPU303へ入力できる形に変換する入力
インターフェースである。 302は、アクセルセンサ11や油温センサ46のアナログ
信号をCPU303に入力できる形に変換するA/Dコンバータ
である。307はアイドルスイッチ12、ブレーキスイッチ1
0等のスイッチ信号を入力する為のインターフェイス回
路である。304はCPU303のプログラムを格納するROMであ
り、305はデータ等を一時的に格納するRAMである。306
はCPU303で演算した出力値をもとに、実際のアクチュエ
ータである圧力制御弁44や流量制御弁43、電磁パウダー
クラッチ６等を駆動する出力インターフェイスである。 なお、減速要求検出手段は、本実施例ではブレーキス
イッチ10と制御回路３とから構成される。 また、減速度検出手段は、制御回路３と車速センサ２
とから構成される。 次に、前述のような構成による本実施例の作用につい
て詳述する。ここで、本発明は減速時の車両用無段変速
機の変速比制御に関するものであるので、加速時等の減
速時以外の変速比制御については詳述しない。まず第５
図においてこのフローチャートは制御回路３のCPU303の
具体的な作用の全体を示すものである。車両を走行させ
るべくキースイッチをONにすると、制御回路３に電源が
入り、ROM304に格納されているプログラムが走り始め
る。これによって制御回路３は、まずステップ501にお
いてROM305内にあるデータをイニシャライズした後、伝
達率変換機構６の制御を含む変速機制御のメインプログ
ラムを繰り返し実行する。一方、各種回転数信号や、ア
クセル位置、油温等のアナログ信号、アイドルスイッチ
等のスイッチ信号は、ある一定時間毎の定時処理、また
は第５図のメインプログラム１回実行毎の同期処理によ
りインターフェイス301,307,A/Dコンバータ302を介して
入力され、それぞれ決められた記憶領域に格納される。 そして、ステップ502,503において、制御対象である
伝達率可変機構６の伝達率と、車両用無段変速機４の変
速比とを制御する。 以下、本実施例装置は、このような作動を繰り返す。 そして、例えばキースイッチがOFF位置に回転された
ような場合、本実施例装置は、ステップ504で制御対象
を制御する必要が無くなったと判断して、このフローチ
ャートを終了する。 次に、本発明は、無段変速機４の変速比を制御するも
のであるため、第５図のステップ503について第４図を
もとに詳細に述べる。 第４図は、前述の第５図のステップ503における変速
比制御のプログラムフローチャートである。制御回路３
は、ステップ401とステップ402で、アイドルスイッチ12
とブレーキスイッチ10との両方がONであることを判定す
る。これは、アイドルスイッチ12がONである時は、運転
者がアクセルペダルを踏み込んでしないということであ
り、ブレーキスイッチ10がONである時は運転者が減速を
希望してブレーキを作動させているということであるか
ら、運転者は減速を要求している時である。 そして、これらの条件が満たされた場合に、制御回路
３はステップ403で現在の車速をSPDというRAMのメモリ
に格納する。そして、予め一定時間前の車速が格納され
ている0SPDというメモリとSPDのメモリとから、 ΔＳ＝0SPD−SPD を演算する。ここでΔＳは速度差であり、しかも一定
微少時間差の車速差であるから、この車両の負の加速
度、つまり減速度と比例する。 ステップ405ではSPDのメモリに格納された車速Ｓとス
テップ404で演算したΔＳなる速度差から第６図のよう
に車両用無段変速機４の目標変速比ｅを設定する。そし
てこの目標変速比ｅは、ROM304に車速Ｓと速度差ΔＳと
から決まるデータテーブルとして格納されている。ここ
で、このデータテーブルを、各センサからのデータ，エ
ンジン出力，路面摩擦係数等の諸条件で切り換え、ある
いはデータテーブルの内容を補正することにより、車両
の減速に影響を与える環境に対して最適な目標変速比を
設定することが可能となる。 このように第４図のステップ403,404,405により減速
時の目標変速比ｅが設定される。また、ステップ401,40
2でアイドルスイッチ12かブレーキスイッチ10のいずれ
かがOFFであれば、制御回路３は運転者が減速を希望し
ていないとして、減速時以外の目標変速比ｅをステップ
420で設定する。 そして、制御回路３は、これらの設定された目標変速
比ｅに車両用無段変速機の実際の変速比をステップ407
にて制御するが、この前に、ステップ406にて現在の車
速であるSPDの内容を0SPDに移動する。 そして、ステップ407にて制御回路３は圧力制御弁44,
流量制御弁45を制御して実際の変速比を設定された目標
変速比ｅに制御する。この実際の変速比は、車両用無段
変速機の入力回転数センサ８と出力回転数センサ９とが
検出した回転数比から演算することができる。従って、
この実際の変速比を目標変速比ｅにフィードバック制御
することができる。 以上に述べたように、本実施例装置は、アイドルスイ
ッチ12と、ブレーキスイッチ10とから運転者が減速しよ
うとしていることを判断する。そして、運転者の操作し
たブレーキによる減速度を演算して、この時の車速と減
速度ｅに最適なエンジンブレーキが作用するような目標
変速比を設定し、実際の変速比を制御する。このため、
車両の減速度に応じたエンジンブレーキを作用させるこ
とができ、より安全で効果的な減速を行なうことができ
る。 また、ブレーキ装置の作動を、ブレーキペダルが少し
でも踏まれれば検出するようにしたため、ブレーキパッ
ド等の摩耗によるブレーキペダルの踏み代の変化による
検出ミス等を無くすことができる。 以上述べた本実施例おいて、車速センサ２は永久磁石
2aが回転し、これによるマグネットスイッチ2bのON/OFF
を検出するが、これは永久磁石とピックアップコイルよ
り成るパルスジェネーレータによっても構成でき、本実
施例の各センサには各種のセンサ類が使用できる。 また、入力プーリ41および出力プーリ42の有効径を変
化させる油圧制御の方法，装置も本実施例のように流量
制御43および圧力制御弁44による制御の方法，装置に限
定するものではない。 また、減速度検出手段は、制御回路３に含まれ、制御
回路３が車速センサ２の出力に基づいて減速度を演算す
る。しかし、減速度は一般にＧセンサと呼ばれる車両の
前後方向に働らく加速度を検出するセンサによっても検
出することができる。 また、本実施例における目標変速比は、減速度と車速
とから決まる２次元のデータテーブルの形でROMに格納
され、制御回路３はこのデータテーブルを、検索するこ
とにより目標変速比を設定している。しかしこれを減速
度と車速とを変数とする関数として格納し、制御回路３
はこの関数から目標変速比を演算するようにもできる。 また、減速度の演算において、本実施例では実際の変
速比を目標変速比に制御する前の車速と、制御した後の
車速との差から演算したが、例えば別のマイクロコンピ
ュータが常時演算していた減速度を減速要求があると判
定されたところで、用いることや、サブプログラムによ
り減速度を演算するようにもできる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、運転者によるブレーキ操作が有りと
検出している際に、車両に生じる減速度の大きさを求
め、この減速度の大きさに応じて目標変速比を設定する
ため、運転者の希望する減速度に応じた適度なエンジン
ブレーキを作用させることができ、安定した減速を達成
することができるとともに、車両のブレーキ装置の負荷
を軽減することができるため、安全で効率的な車両の減
速が可能となる。
特には、車両減速時の変速比制御に関するものである。 〔従来の技術〕 車両の速度を安全にかつ効率的に減速するために、エ
ンジンブレーキが有効なことは一般に知られている。そ
こで、車両用無段変速機を備える車両においても、エン
ジンブレーキによる減速を得るために、特開昭58-17098
号公報のような方法が知られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前述の特開昭58-170958号公報の方法では、運転者が
現在の速度から急激な減速を欲している場合にも、緩慢
な減速を欲している場合にも、エンジンブレーキによる
減速度は一定であり、安全で効率的な減速ができるとは
言えない。そこで本発明は、前述の問題点に鑑み、運転
者の要求する減速度に応じたエンジンブレーキが作用す
るように、車両用無段変速機の変速比を制御する車両用
無段変速機の変速比制御装置を提供することを目的とす
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の目的を達成するために、第１図に示
されるような、車両の動力伝達系に装備され、入力軸と
出力軸との変速比が無段階に変化する車両用無段変速機
105と、 該車両用無段変速機105の変速比を制御する変速比制
御装置106とを具備し、 該変速比制御装置106は、 運転者のブレーキ操作を検出する減速要求検出手段10
1と、 該減速要求検出手段にて前記ブレーキ操作が検出され
ている際に、前記車両に生じる減速度の大きさを求める
減速度検出手段103と、 該減速度検出手段103にて検出された前記減速度の大
きさに応じて前記車両用無段変速機105の目標変速比を
設定する変速比設定手段104とから構成されたことを特
徴とする。 〔作用〕 本発明装置は、前述のような手段により、以下の作用
をする。 まず減速要求判定手段101が、車両の運転者のブレー
キ操作の有無を検出する。 そして、減速度検出手段103では、減速要求検出手段
にてブレーキ操作が検出されている際に、車両に生じる
減速度の大きさを求める。 さらに、変速比設定手段104では、減速度検出手段103
にて検出された減速度の大きさに応じて車両用無段変速
機105の目標変速比を設定し、この目標変速比になるよ
うに車両用無段変速機105が制御される。 ここで、減速度検出手段103にて検出される減速度の
大きさは、運転者のブレーキ操作の際に求められるもの
であり、運転者の希望する減速度と同じか、あるいはそ
れに近いものであると考えられる。 従って、このブレーキ操作の際に求められる減速度の
大きさに応じて設定される目標変速比は、運転者の希望
する減速度に応じた適度なエンジンブレーキが作用する
ような変速比となる。 〔実施例〕 以下本発明を図に示す一実施例に基づいて詳細に説明
する。まず第２図を用いて本実施例の全体構成について
説明する。第２図において車両のエンジン５の駆動力
は、トルクコンバータあるいは電磁パウダークラッチ等
の動力伝達率可変機構６を介して、変速機４に入力され
るようになっている。変速機４に入力された駆動力は、
入力軸プーリ41、Ｖベルト45、出力軸プーリ42およびプ
ロペラシャフト52に伝達されるようになっている。 入力軸プーリ41および出力軸プーリ42の内部には図示
せぬ油圧室が設けられており、油圧室の容積によりこれ
らのプーリの有効径は変化する。入力軸プーリ41は流量
制御弁43によって供給されるオイル流量によって制御さ
れ、出力軸プーリ42は、流量制御弁43に送られるオイル
圧力を制御する圧力制御弁44によって制御される。ま
た、入力軸プーリ41、出力軸プーリ42の回転数および流
量制御弁43に供給するオイル温度は、それぞれ入力軸回
転数センサ８、出力軸回転数センサ９、および油温セン
サ46によって検出される。なお、上記各センサ8,9,46
は、上記動力伝達率可変機構６、流量制御弁43、圧力制
御弁44を制御する制御回路に接続されている。 また第２図において、２は、車輪の回転数を電磁ピッ
クアップによって検出することによって、車速信号を発
生する車速センサ、１は、アクセルの踏込み量を検出す
るアクセル位置センサ11と、踏込み解除を検出するアイ
ドルスイッチ12とから構成されたアクセルセンサ、７は
シフトレバーに取付けられたシフト位置検出器、10はブ
レーキが踏まれているか否かを判別するブレーキスイッ
チ、51はエンジン５の回転数を検出するエンジン回転数
センサであり、それぞれ第２図に示す如く制御回路３に
接続されている。 制御回路３は、上記各種センサ、各種スイッチからの
信号に基づき、変速機４の変速比を所定の値にするべ
く、圧力制御弁44、流量制御弁43に制御するものであ
る。 次に第３図を用いて、制御回路３の構成について説明
する。 第３図において301は各種回転数センサ8,9,51や車速
センサ２の信号をCPU303へ入力できる形に変換する入力
インターフェースである。 302は、アクセルセンサ11や油温センサ46のアナログ
信号をCPU303に入力できる形に変換するA/Dコンバータ
である。307はアイドルスイッチ12、ブレーキスイッチ1
0等のスイッチ信号を入力する為のインターフェイス回
路である。304はCPU303のプログラムを格納するROMであ
り、305はデータ等を一時的に格納するRAMである。306
はCPU303で演算した出力値をもとに、実際のアクチュエ
ータである圧力制御弁44や流量制御弁43、電磁パウダー
クラッチ６等を駆動する出力インターフェイスである。 なお、減速要求検出手段は、本実施例ではブレーキス
イッチ10と制御回路３とから構成される。 また、減速度検出手段は、制御回路３と車速センサ２
とから構成される。 次に、前述のような構成による本実施例の作用につい
て詳述する。ここで、本発明は減速時の車両用無段変速
機の変速比制御に関するものであるので、加速時等の減
速時以外の変速比制御については詳述しない。まず第５
図においてこのフローチャートは制御回路３のCPU303の
具体的な作用の全体を示すものである。車両を走行させ
るべくキースイッチをONにすると、制御回路３に電源が
入り、ROM304に格納されているプログラムが走り始め
る。これによって制御回路３は、まずステップ501にお
いてROM305内にあるデータをイニシャライズした後、伝
達率変換機構６の制御を含む変速機制御のメインプログ
ラムを繰り返し実行する。一方、各種回転数信号や、ア
クセル位置、油温等のアナログ信号、アイドルスイッチ
等のスイッチ信号は、ある一定時間毎の定時処理、また
は第５図のメインプログラム１回実行毎の同期処理によ
りインターフェイス301,307,A/Dコンバータ302を介して
入力され、それぞれ決められた記憶領域に格納される。 そして、ステップ502,503において、制御対象である
伝達率可変機構６の伝達率と、車両用無段変速機４の変
速比とを制御する。 以下、本実施例装置は、このような作動を繰り返す。 そして、例えばキースイッチがOFF位置に回転された
ような場合、本実施例装置は、ステップ504で制御対象
を制御する必要が無くなったと判断して、このフローチ
ャートを終了する。 次に、本発明は、無段変速機４の変速比を制御するも
のであるため、第５図のステップ503について第４図を
もとに詳細に述べる。 第４図は、前述の第５図のステップ503における変速
比制御のプログラムフローチャートである。制御回路３
は、ステップ401とステップ402で、アイドルスイッチ12
とブレーキスイッチ10との両方がONであることを判定す
る。これは、アイドルスイッチ12がONである時は、運転
者がアクセルペダルを踏み込んでしないということであ
り、ブレーキスイッチ10がONである時は運転者が減速を
希望してブレーキを作動させているということであるか
ら、運転者は減速を要求している時である。 そして、これらの条件が満たされた場合に、制御回路
３はステップ403で現在の車速をSPDというRAMのメモリ
に格納する。そして、予め一定時間前の車速が格納され
ている0SPDというメモリとSPDのメモリとから、 ΔＳ＝0SPD−SPD を演算する。ここでΔＳは速度差であり、しかも一定
微少時間差の車速差であるから、この車両の負の加速
度、つまり減速度と比例する。 ステップ405ではSPDのメモリに格納された車速Ｓとス
テップ404で演算したΔＳなる速度差から第６図のよう
に車両用無段変速機４の目標変速比ｅを設定する。そし
てこの目標変速比ｅは、ROM304に車速Ｓと速度差ΔＳと
から決まるデータテーブルとして格納されている。ここ
で、このデータテーブルを、各センサからのデータ，エ
ンジン出力，路面摩擦係数等の諸条件で切り換え、ある
いはデータテーブルの内容を補正することにより、車両
の減速に影響を与える環境に対して最適な目標変速比を
設定することが可能となる。 このように第４図のステップ403,404,405により減速
時の目標変速比ｅが設定される。また、ステップ401,40
2でアイドルスイッチ12かブレーキスイッチ10のいずれ
かがOFFであれば、制御回路３は運転者が減速を希望し
ていないとして、減速時以外の目標変速比ｅをステップ
420で設定する。 そして、制御回路３は、これらの設定された目標変速
比ｅに車両用無段変速機の実際の変速比をステップ407
にて制御するが、この前に、ステップ406にて現在の車
速であるSPDの内容を0SPDに移動する。 そして、ステップ407にて制御回路３は圧力制御弁44,
流量制御弁45を制御して実際の変速比を設定された目標
変速比ｅに制御する。この実際の変速比は、車両用無段
変速機の入力回転数センサ８と出力回転数センサ９とが
検出した回転数比から演算することができる。従って、
この実際の変速比を目標変速比ｅにフィードバック制御
することができる。 以上に述べたように、本実施例装置は、アイドルスイ
ッチ12と、ブレーキスイッチ10とから運転者が減速しよ
うとしていることを判断する。そして、運転者の操作し
たブレーキによる減速度を演算して、この時の車速と減
速度ｅに最適なエンジンブレーキが作用するような目標
変速比を設定し、実際の変速比を制御する。このため、
車両の減速度に応じたエンジンブレーキを作用させるこ
とができ、より安全で効果的な減速を行なうことができ
る。 また、ブレーキ装置の作動を、ブレーキペダルが少し
でも踏まれれば検出するようにしたため、ブレーキパッ
ド等の摩耗によるブレーキペダルの踏み代の変化による
検出ミス等を無くすことができる。 以上述べた本実施例おいて、車速センサ２は永久磁石
2aが回転し、これによるマグネットスイッチ2bのON/OFF
を検出するが、これは永久磁石とピックアップコイルよ
り成るパルスジェネーレータによっても構成でき、本実
施例の各センサには各種のセンサ類が使用できる。 また、入力プーリ41および出力プーリ42の有効径を変
化させる油圧制御の方法，装置も本実施例のように流量
制御43および圧力制御弁44による制御の方法，装置に限
定するものではない。 また、減速度検出手段は、制御回路３に含まれ、制御
回路３が車速センサ２の出力に基づいて減速度を演算す
る。しかし、減速度は一般にＧセンサと呼ばれる車両の
前後方向に働らく加速度を検出するセンサによっても検
出することができる。 また、本実施例における目標変速比は、減速度と車速
とから決まる２次元のデータテーブルの形でROMに格納
され、制御回路３はこのデータテーブルを、検索するこ
とにより目標変速比を設定している。しかしこれを減速
度と車速とを変数とする関数として格納し、制御回路３
はこの関数から目標変速比を演算するようにもできる。 また、減速度の演算において、本実施例では実際の変
速比を目標変速比に制御する前の車速と、制御した後の
車速との差から演算したが、例えば別のマイクロコンピ
ュータが常時演算していた減速度を減速要求があると判
定されたところで、用いることや、サブプログラムによ
り減速度を演算するようにもできる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、運転者によるブレーキ操作が有りと
検出している際に、車両に生じる減速度の大きさを求
め、この減速度の大きさに応じて目標変速比を設定する
ため、運転者の希望する減速度に応じた適度なエンジン
ブレーキを作用させることができ、安定した減速を達成
することができるとともに、車両のブレーキ装置の負荷
を軽減することができるため、安全で効率的な車両の減
速が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の構成を示すブロック図である。第２図
は本発明の一実施例の構成を示す模式図である。第３図
は一実施例の制御回路の内部構成を示すブロック図であ
る。第４図は一実施例の変速比制御プログラムフローチ
ャートである。第５図は一実施例の作動全体のプログラ
ムフローチャートである。第６図は一実施例の制御手段
３が、変速比を設定するためのデータテーブルの一例で
ある。 １……アクセルセンサ,2……車速センサ,3……制御回
路,4……車両用無段変速機,5……エンジン,6……伝達率
可変機構,7……シフト位置検出器,8……入力軸回転数セ
ンサ,9……出力軸回転数センサ,10…ブレーキスイッチ,
11……アクセル位置センサ,12……アイドルスイッチ,41
……入力軸プーリ,42……出力軸プーリ,43……流量制御
弁,44……圧力制御弁,45……Ｖベルト,51……エンジン
回転数センサ,46……油温センサ。
は本発明の一実施例の構成を示す模式図である。第３図
は一実施例の制御回路の内部構成を示すブロック図であ
る。第４図は一実施例の変速比制御プログラムフローチ
ャートである。第５図は一実施例の作動全体のプログラ
ムフローチャートである。第６図は一実施例の制御手段
３が、変速比を設定するためのデータテーブルの一例で
ある。 １……アクセルセンサ,2……車速センサ,3……制御回
路,4……車両用無段変速機,5……エンジン,6……伝達率
可変機構,7……シフト位置検出器,8……入力軸回転数セ
ンサ,9……出力軸回転数センサ,10…ブレーキスイッチ,
11……アクセル位置センサ,12……アイドルスイッチ,41
……入力軸プーリ,42……出力軸プーリ,43……流量制御
弁,44……圧力制御弁,45……Ｖベルト,51……エンジン
回転数センサ,46……油温センサ。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．車両の動力伝達系に装備され、入力軸と出力軸との
変速比が無段階に変化する車両用無段変速機と、 該車両用無段変速機の変速比を制御する変速比制御装置
とを具備し、 該変速比制御装置は、 運転者のブレーキ操作を検出する減速要求検出手段と、 該減速要求検出手段にて前記ブレーキ操作が検出されて
いる際に、前記車両に生じる減速度の大きさを求める減
速度検出手段と、 該減速度検出手段にて検出された前記減速度の大きさに
応じて前記車両用無段変速機の目標変速比を設定する変
速比設定手段とから構成されたことを特徴とする車両用
無段変速機の変速比制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61035563A JP2723146B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | 車両用無段変速機の変速比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61035563A JP2723146B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | 車両用無段変速機の変速比制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62194943A JPS62194943A (ja) | 1987-08-27 |
| JP2723146B2 true JP2723146B2 (ja) | 1998-03-09 |
Family
ID=12445213
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61035563A Expired - Fee Related JP2723146B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | 車両用無段変速機の変速比制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2723146B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01106740A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-24 | Honda Motor Co Ltd | 車両用無段変速機の変速制御方法 |
| FR2877416B1 (fr) * | 2004-10-29 | 2006-12-29 | Renault Sas | Procede de commande d'une transmission automatique de vehicule automobile en phase de freinage |
| JP2009168207A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Kayaba Ind Co Ltd | フロントフォーク |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58203258A (ja) * | 1982-05-20 | 1983-11-26 | Nissan Motor Co Ltd | 無段変速機の変速制御方法 |
| JPS62146737A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-06-30 | Fuji Heavy Ind Ltd | 無段変速機の制御装置 |
-
1986
- 1986-02-20 JP JP61035563A patent/JP2723146B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62194943A (ja) | 1987-08-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3723028B2 (ja) | 路面勾配検出装置及び発進クラッチの制御装置 | |
| US4291594A (en) | Method of vehicle engine control | |
| US7027904B2 (en) | Vehicle driving force control | |
| EP1342607B1 (en) | Method and system for controlling creep in automatic transmission | |
| US7451845B2 (en) | Adjustment of the speed of a motor vehicle with an automatic gearbox | |
| US5012418A (en) | Vehicle operating and speed regulating device | |
| KR100304242B1 (ko) | 차량출발시의엔진연료제어장치및방법 | |
| JP2847503B2 (ja) | 車両用クラッチの制御装置 | |
| KR970021856A (ko) | 무단 변속기의 제어 장치 | |
| JP4660656B2 (ja) | 自動化された伝動装置のクラッチのクラッチトルクを制御する方法および装置 | |
| US7050898B2 (en) | Vehicle driving force control | |
| KR970007726B1 (ko) | 급제동시의 제동거리 단축 제어장치 및 그 방법 | |
| EP0426443A2 (en) | Engine-brake controller for vehicle with stepless speed-changer | |
| JP2723146B2 (ja) | 車両用無段変速機の変速比制御装置 | |
| KR100694741B1 (ko) | 자동차의 구동 유닛을 제어하기 위한 방법 및 장치 | |
| GB2328993A (en) | Clutch control unit which controls clutch torque in dependence on engine torque | |
| WO1998046909A2 (en) | Method and apparatus for operating a clutch in an automated mechanical transmission | |
| JP2004276681A (ja) | 車両の駆動力制御装置 | |
| JPH0450213B2 (ja) | ||
| JPH0417292B2 (ja) | ||
| JP2559104B2 (ja) | 車両用無段変速機制御装置 | |
| JP2580788B2 (ja) | 車両用無段変速機の速度比制御装置 | |
| JP2709939B2 (ja) | 車両用自動変速機のシフト制御装置 | |
| JP4052160B2 (ja) | 車両の駆動力制御装置 | |
| JP2001099290A (ja) | 無段変速機の変速制御装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |