JP2722631B2 - 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 - Google Patents
誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置Info
- Publication number
- JP2722631B2 JP2722631B2 JP1074197A JP7419789A JP2722631B2 JP 2722631 B2 JP2722631 B2 JP 2722631B2 JP 1074197 A JP1074197 A JP 1074197A JP 7419789 A JP7419789 A JP 7419789A JP 2722631 B2 JP2722631 B2 JP 2722631B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- recording
- excitation
- reproduction
- data
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Head (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、誘導フォトンエコーを利用した全く新規な
光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置に
関するものである。
光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置に
関するものである。
更に詳しく言えば、本発明は、永続的又は過渡的ホー
ルバーニングが可能な記録媒体を使用するものである。
ルバーニングが可能な記録媒体を使用するものである。
従来の随時書き込み可能な光記録方法は、一般に平面
的な光記録媒体に、細く絞ったレーザー光スポットを記
録すべき2値化情報に応じて、空間的に強度変調しなが
ら照射し、それにより記録層にバイナリービットを形成
するものである。
的な光記録媒体に、細く絞ったレーザー光スポットを記
録すべき2値化情報に応じて、空間的に強度変調しなが
ら照射し、それにより記録層にバイナリービットを形成
するものである。
この場合、ビットは記録層に2次元的に形成されるの
で、より高密度の記録を行う為には、より小さな光スポ
ットを作らねばならず、光学的な回折限界が記録密度を
決定していた。
で、より高密度の記録を行う為には、より小さな光スポ
ットを作らねばならず、光学的な回折限界が記録密度を
決定していた。
このような2次元書き込みの限界を超えるために、更
に多くの次元を用いる方法が提案されているが、なかで
も、書き込み光の波長次元を利用する方法が活発に研究
されている。これは、一般にホールバーニング(Hole B
urning)メモリーと呼ばれている。その中で、メモリー
が過渡的(比較的短時間で情報が消失する)でなく永続
的なものを特にP ersistent Spectral Hole Burning又はPhotochemi
cal Hole Burningを略してPHB又はPSHBと呼んでい
る。
に多くの次元を用いる方法が提案されているが、なかで
も、書き込み光の波長次元を利用する方法が活発に研究
されている。これは、一般にホールバーニング(Hole B
urning)メモリーと呼ばれている。その中で、メモリー
が過渡的(比較的短時間で情報が消失する)でなく永続
的なものを特にP ersistent Spectral Hole Burning又はPhotochemi
cal Hole Burningを略してPHB又はPSHBと呼んでい
る。
ホールバーニング可能な記録媒体の利用には、書き
込み光の波長次元を利用する記録再生方法(周波数領域
メモリーと呼ばれることがある)の外に、時間領域メ
モリーと呼ばれることがある記録再生方法がある。
込み光の波長次元を利用する記録再生方法(周波数領域
メモリーと呼ばれることがある)の外に、時間領域メ
モリーと呼ばれることがある記録再生方法がある。
周波数領域メモリーでは、書き込み読み出し光とし
て、狭帯化した波長可変レーザーを用い、記録媒体の不
均一に広がったゼロフォノン吸収帯に波長制御されたホ
ール(光照射により透過率が波長選択的に高くなった部
分)を書き込み記録する。
て、狭帯化した波長可変レーザーを用い、記録媒体の不
均一に広がったゼロフォノン吸収帯に波長制御されたホ
ール(光照射により透過率が波長選択的に高くなった部
分)を書き込み記録する。
一方、時間領域メモリーでは、書き込み読み出し光
としてパルス光を用い、基本的には誘導フォトンエコー
という現象を利用して、2つのパルス光の時間相関を記
録する。この時、記録媒体の波長空間には、パルス光の
時間相関に対応した特異な形状のホールが記録されてい
る。
としてパルス光を用い、基本的には誘導フォトンエコー
という現象を利用して、2つのパルス光の時間相関を記
録する。この時、記録媒体の波長空間には、パルス光の
時間相関に対応した特異な形状のホールが記録されてい
る。
次に時間領域メモリーの従来法について詳しく解説
し、その問題点を明らかにする。
し、その問題点を明らかにする。
よく知られているように、物質の光励起状態はその密
度行列の運動方程式(Liovilleの方程式)で表現でき、
便宜的に密度行列の対角成分の緩和時間をT1時間(縦緩
和時間)、非対角成分の緩和時間をT2時間(横緩和時
間)と呼んで区別している。縦緩和とは、光励起状態が
エネルギーの放出をともなって緩和する過程を意味する
と考えられており、横緩和とは入射光によって物質中に
もたらされた電気的分極の振動のコヒーレンシーが乱さ
れてゆく過程も示すと考えられている。
度行列の運動方程式(Liovilleの方程式)で表現でき、
便宜的に密度行列の対角成分の緩和時間をT1時間(縦緩
和時間)、非対角成分の緩和時間をT2時間(横緩和時
間)と呼んで区別している。縦緩和とは、光励起状態が
エネルギーの放出をともなって緩和する過程を意味する
と考えられており、横緩和とは入射光によって物質中に
もたらされた電気的分極の振動のコヒーレンシーが乱さ
れてゆく過程も示すと考えられている。
フォトンエコーという現象は、3次の非線形光学効果
の一種であると考えられるが、その中の誘導フォトンエ
コーについて、第5図を用いて説明する。
の一種であると考えられるが、その中の誘導フォトンエ
コーについて、第5図を用いて説明する。
物質をエネルギー共鳴的に適当なパルス光で励起する
場合を考える。まず時間原点に於て、E0の光が入射す
る。次にt1時間にE1の光を入射させ、更にt2時間に第3
のパルスE2を入射すると、(t1+t2)時間に今度は逆に
物質から光が放射されてくる。これがフォトンエコー光
である。
場合を考える。まず時間原点に於て、E0の光が入射す
る。次にt1時間にE1の光を入射させ、更にt2時間に第3
のパルスE2を入射すると、(t1+t2)時間に今度は逆に
物質から光が放射されてくる。これがフォトンエコー光
である。
先のLiovilleの方程式を、回転波近似、及び弱励起光
近似による摂動展開により計算し、物質の不均一幅が励
起光スペクトル幅より充分広いと仮定すると、位相整合
性をみたすある特定の空間方向へのエコー波の電場ベク
トルの振幅は次式(1)で示される。
近似による摂動展開により計算し、物質の不均一幅が励
起光スペクトル幅より充分広いと仮定すると、位相整合
性をみたすある特定の空間方向へのエコー波の電場ベク
トルの振幅は次式(1)で示される。
ここで、簡単の為、E0,E1,E2を極めて時間幅の狭いパ
ルスと仮定すると、次式(2)に変形できる。
ルスと仮定すると、次式(2)に変形できる。
この場合、エコー光強度|P|2は、t1、(t2−t1)に関
し、それぞれ exp(−4t1/T2)、 exp[−2(t2−t1)/T1] で減衰することがわかる。T2は先に述べた横緩和時間、
T1は縦緩和時間である。
し、それぞれ exp(−4t1/T2)、 exp[−2(t2−t1)/T1] で減衰することがわかる。T2は先に述べた横緩和時間、
T1は縦緩和時間である。
上式からもわかるように、誘導フォトンエコーの生成
に関してはT1で緩和する成分、すなわち状態の密度行列
の対角成分が重要な意味を持つ。E1パルス照射後の密度
行列の対角成分を計算してみると、次式(3)が求ま
る。
に関してはT1で緩和する成分、すなわち状態の密度行列
の対角成分が重要な意味を持つ。E1パルス照射後の密度
行列の対角成分を計算してみると、次式(3)が求ま
る。
[但し、W=1+cosωt1] ただし、E0,E1の波数ベクトルはほとんど等しいと
し、パルス幅は充分短いとしている。Ωは二準位系の共
鳴角周波数である。これより、不均一幅内で状態分布が
時間t1に関係した量で変調されていることがわかる。こ
れをポピュレーショングレーティングとよんでいる。フ
ォトンエコー光(波)は、E2パルス光が、このポピュレ
ーショングレーティングにより回折されて起きるとも解
釈できる。
し、パルス幅は充分短いとしている。Ωは二準位系の共
鳴角周波数である。これより、不均一幅内で状態分布が
時間t1に関係した量で変調されていることがわかる。こ
れをポピュレーショングレーティングとよんでいる。フ
ォトンエコー光(波)は、E2パルス光が、このポピュレ
ーショングレーティングにより回折されて起きるとも解
釈できる。
基本的に、誘導フォトンエコーを利用した時間領域メ
モリーにおいては、E0及びE1のどちらかがそれぞれ記録
励起光、データー光となり、両者で書き込み光を成す。
モリーにおいては、E0及びE1のどちらかがそれぞれ記録
励起光、データー光となり、両者で書き込み光を成す。
また、読みだし過程においては、E2が再生励起光とな
り、生成したフォトンエコー光とともに読み出し光とな
る。例えばE0を記録励起光として、E1をデーター光とし
た場合の、フォトンエコーによるデーター光の再生の様
子を第6図に示した。この時、データー光は、複数のパ
ルス光によってデジタル信号化してあり、また簡単の為
再生励起光E2をE0と等しくしてある。
り、生成したフォトンエコー光とともに読み出し光とな
る。例えばE0を記録励起光として、E1をデーター光とし
た場合の、フォトンエコーによるデーター光の再生の様
子を第6図に示した。この時、データー光は、複数のパ
ルス光によってデジタル信号化してあり、また簡単の為
再生励起光E2をE0と等しくしてある。
これより、時間領域メモリーにおいては、情報の記録
量は、T2時間により律則され、記録時間はT1により律則
されることがわかる。
量は、T2時間により律則され、記録時間はT1により律則
されることがわかる。
光吸収に関与する2準位系の他に、一般にボトルネッ
クステイトと呼ばれる緩和時間の長い状態が存在する
と、T1時間は比較的長くなる。PHB記録媒体のように光
励起状態がプロダクトステイトと呼ばれる化学的に準安
定な状態に移行できる場合には、基底状態におけるポピ
ュレーショングレーティングは低温において半永久的に
保持され、この場合には第5図における(t2−t1)を無
限に長くしても再生励起光により、データー光をエコー
光として再生できることがわかる。
クステイトと呼ばれる緩和時間の長い状態が存在する
と、T1時間は比較的長くなる。PHB記録媒体のように光
励起状態がプロダクトステイトと呼ばれる化学的に準安
定な状態に移行できる場合には、基底状態におけるポピ
ュレーショングレーティングは低温において半永久的に
保持され、この場合には第5図における(t2−t1)を無
限に長くしても再生励起光により、データー光をエコー
光として再生できることがわかる。
また、T1時間がT2時間よりも充分長い系では、t1<T2
において書き込み過程を繰り返すことにより、密度行列
の対角成分における変調成分を蓄積することができる。
この場合は充分弱い光で、比較的強いエコー光を発生で
きる。この過程を一般に蓄積誘導フォトンエコーの過程
と呼んでいる。
において書き込み過程を繰り返すことにより、密度行列
の対角成分における変調成分を蓄積することができる。
この場合は充分弱い光で、比較的強いエコー光を発生で
きる。この過程を一般に蓄積誘導フォトンエコーの過程
と呼んでいる。
この様な基本原理を応用した従来法〔例えばOpt.Comm
u.,65,185(1988),Opt.Lett.,13,536(1988),Opt.Let
t.,11,724(1986)〕では以下のような問題点があっ
た。
u.,65,185(1988),Opt.Lett.,13,536(1988),Opt.Let
t.,11,724(1986)〕では以下のような問題点があっ
た。
(1)永続的(過渡的に比べ好ましい)つまり記憶時間
の長いPHB記録媒体は、一般にT2時間が短いという傾向
にあるので、たくさんの情報を記録させようとした場
合、データー光には超短光パルスを用いなければならな
い。
の長いPHB記録媒体は、一般にT2時間が短いという傾向
にあるので、たくさんの情報を記録させようとした場
合、データー光には超短光パルスを用いなければならな
い。
ところが、超短光パルスは原理的に環境による影響を
受けやすいうえに、現在までのところ発生の再現性にも
問題を残している。
受けやすいうえに、現在までのところ発生の再現性にも
問題を残している。
従って、半実用的な光パルスとなるとパルス幅は1ピ
コ秒程度が限界であり、これがためメモリー容量が比較
的小さいという第1の問題点があった。
コ秒程度が限界であり、これがためメモリー容量が比較
的小さいという第1の問題点があった。
(2)再生したエコー光を検出、デコードするのに、従
来技術では光強度の時間変化を観測しなければならなか
った。
来技術では光強度の時間変化を観測しなければならなか
った。
高速の光検出器、例えばストリークカメラのようなも
のを用いても、その時間分解能は現在のところ1ピコ秒
程度であるし、また通常、検出器の時間分解能が良くな
っても感度は良くならない。
のを用いても、その時間分解能は現在のところ1ピコ秒
程度であるし、また通常、検出器の時間分解能が良くな
っても感度は良くならない。
先にも述べたようにデーターパルス列内でエコー光強
度は、exp(−4t1/T2)で減衰する。
度は、exp(−4t1/T2)で減衰する。
永続性のある大容量時間メモリーにおいて、高速のデ
ーター転送レートで、しかも S/N比良くエコー光をデコードできるようなダイナミッ
クレンジの広い光検出器は現在のところない。
ーター転送レートで、しかも S/N比良くエコー光をデコードできるようなダイナミッ
クレンジの広い光検出器は現在のところない。
従って、従来技術は、永続性のある大容量時間メモリ
ーにおいて、高速のデーター転送レートで、しかもS/N
比良く情報を再生することはできないという第2の問題
点を有していた。
ーにおいて、高速のデーター転送レートで、しかもS/N
比良く情報を再生することはできないという第2の問題
点を有していた。
本発明の目的は、永続的と過渡的とを問わず、より大
容量の時間領域メモリーを実現し、より高いS/N比で情
報を再生することにある。
容量の時間領域メモリーを実現し、より高いS/N比で情
報を再生することにある。
そのため、本発明は、第1発明として、 「永続的又は過渡的ホールバーニングが可能な記録媒体
の同一位置に、データー光と記録励起光を同時に又は別
々に照射することにより、情報を記録する“誘導フォト
ンエコーを利用した光記録方法”において、 前記データー光と記録励起光として、共通のインコヒ
ーレント光を2分割して使用し、記録励起光電場とデー
ター光電場の遅延時間を情報として記録することを特徴
とする記録方法」 を提供する。
の同一位置に、データー光と記録励起光を同時に又は別
々に照射することにより、情報を記録する“誘導フォト
ンエコーを利用した光記録方法”において、 前記データー光と記録励起光として、共通のインコヒ
ーレント光を2分割して使用し、記録励起光電場とデー
ター光電場の遅延時間を情報として記録することを特徴
とする記録方法」 を提供する。
また、第2発明として、 「第1発明の記録方法で、記録媒体の同一位置に、情報
が異なる2以上のデーター光を照射することにより、多
重書き込みすることを特徴とする記録方法」 を提供する。
が異なる2以上のデーター光を照射することにより、多
重書き込みすることを特徴とする記録方法」 を提供する。
また、第3発明として、 「同一の記録媒体の少なくとも2以上の異なる位置に、
第1発明又は第2発明の方法で別の情報を記録すること
を特徴とする記録方法」 を提供する。
第1発明又は第2発明の方法で別の情報を記録すること
を特徴とする記録方法」 を提供する。
また、第4発明として、 「永続的又は過渡的ホールバーニングが可能な記録媒体
に対し、再生励起光とプローブ光を照射し、 再生励起光の照射により媒体から発せられる誘導フォ
トンエコー光を、前記プローブ光と重畳し、 それにより得られた合成光を光検出器で電気信号に変
換することにより、 情報を再生する“誘導フォトンエコーを利用した再生
方法”において、 ・前記再生励起光とプローブ光として、共通のインコヒ
ーレント光を2分割して使用し、 ・再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間 (遅延時間とは、両電場の同一の位相部分が媒体に到
達する時間差のこと)を任意の所定値に設定するか又は
第1の所定値から第2の所定値に掃引する ことを特徴とする再生方法」 を提供する。
に対し、再生励起光とプローブ光を照射し、 再生励起光の照射により媒体から発せられる誘導フォ
トンエコー光を、前記プローブ光と重畳し、 それにより得られた合成光を光検出器で電気信号に変
換することにより、 情報を再生する“誘導フォトンエコーを利用した再生
方法”において、 ・前記再生励起光とプローブ光として、共通のインコヒ
ーレント光を2分割して使用し、 ・再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間 (遅延時間とは、両電場の同一の位相部分が媒体に到
達する時間差のこと)を任意の所定値に設定するか又は
第1の所定値から第2の所定値に掃引する ことを特徴とする再生方法」 を提供する。
また、第5発明として、 「a)インコヒーレント光光源; b)光源a)からのインコヒーレント光を記録励起光と
データー光とに2分割するビームスプリッタ; c)記録励起光電場とデーター光電場の遅延時間を、記
録すべき情報に応じて変化させる変調手段; 及び d)記録励起光とデーター光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した光記録装置」 を提供する。
データー光とに2分割するビームスプリッタ; c)記録励起光電場とデーター光電場の遅延時間を、記
録すべき情報に応じて変化させる変調手段; 及び d)記録励起光とデーター光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した光記録装置」 を提供する。
また、第6発明として、 「a)インコヒーレント光光源; b)光源a)からのインコヒーレント光を再生励起光と
プローブ光とに2分割するビームスプリッタ; c)再生励起光とプローブ光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; d)再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間を、任
意に設定できるか又は第1の所定値から第2の所定値に
掃引できる検索変調手段; e)再生励起光の照射を受けて記録媒体から発せられる
により生成するフォトンエコー光とプローブ光とを、少
なくとも空間の一点で重ね合わせる重畳手段; 及び f)前記重畳手段により得られる合成光を電気信号に変
換する光検出器; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した再生装置」 を提供する。
プローブ光とに2分割するビームスプリッタ; c)再生励起光とプローブ光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; d)再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間を、任
意に設定できるか又は第1の所定値から第2の所定値に
掃引できる検索変調手段; e)再生励起光の照射を受けて記録媒体から発せられる
により生成するフォトンエコー光とプローブ光とを、少
なくとも空間の一点で重ね合わせる重畳手段; 及び f)前記重畳手段により得られる合成光を電気信号に変
換する光検出器; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した再生装置」 を提供する。
式(1)より明らかなように、フォトンエコーの時間
特性は、記録励起光、データー光、再生励起光の電場時
間相関関数で書き表すことができる。
特性は、記録励起光、データー光、再生励起光の電場時
間相関関数で書き表すことができる。
例えば、各パルスE0、E1、E2、の時間特性を等しく
し、更に時間に関する自己相関関数がパルス幅程度の半
値幅を持つと仮定すると、 (t1+t2)時間後に生成するエコーも記録及び再生励起
光パルス以上の半値幅を持つことになる。
し、更に時間に関する自己相関関数がパルス幅程度の半
値幅を持つと仮定すると、 (t1+t2)時間後に生成するエコーも記録及び再生励起
光パルス以上の半値幅を持つことになる。
つまり、この場合は、再生されたデーター光は時間に
関してパルス幅程度の“ぼけ”を持っていると言える。
関してパルス幅程度の“ぼけ”を持っていると言える。
本明細書においては、自己相関関数がパルス幅度の幅
を持つ光を「コーヒーレント光」のパルス光と呼ぶこと
にするが、このような光を用いている限り、先に述べた
ような大容量時間メモリーに関する問題点を解決するこ
とは難しい。
を持つ光を「コーヒーレント光」のパルス光と呼ぶこと
にするが、このような光を用いている限り、先に述べた
ような大容量時間メモリーに関する問題点を解決するこ
とは難しい。
そこで、光電場の時間に関する自己相関関数の半値幅
が、パルス幅より狭い光を用いることを考える。本明細
書においては、このような光を「インコヒーレント光」
のパルス光と呼ぶ。
が、パルス幅より狭い光を用いることを考える。本明細
書においては、このような光を「インコヒーレント光」
のパルス光と呼ぶ。
この場合は、再生されたデータ光の時間に関する“ぼ
け”は各励起光及びデーター光の相関時間(すなわち自
己相関関数の半値幅)程度に抑えることができる。
け”は各励起光及びデーター光の相関時間(すなわち自
己相関関数の半値幅)程度に抑えることができる。
Wiener−Khinchin定理よれば、光の電場相関時間は、
そのパワースペクトルの半値幅の逆数程度であるから、
極端に広いスペクトル幅の光を励起光に用いれば、生成
するエコーの時間に関する“ぼけ”を10フェムト秒以下
にまですることができる。
そのパワースペクトルの半値幅の逆数程度であるから、
極端に広いスペクトル幅の光を励起光に用いれば、生成
するエコーの時間に関する“ぼけ”を10フェムト秒以下
にまですることができる。
即ち、インコーヒレント光を用いれば、コヒーレント
光を用いた場合よりも、記録密度つまりは記憶容量を10
0倍以上に向上させることが可能になる。これが書き込
み過程における本発明の原理である。
光を用いた場合よりも、記録密度つまりは記憶容量を10
0倍以上に向上させることが可能になる。これが書き込
み過程における本発明の原理である。
次に読みだし過程について述べる。
従来技術では、光強度の時間変化を検出する方法で、
インコヒーレント光により生成されたエコー光を精度良
く検出することは、原理的に無理である。
インコヒーレント光により生成されたエコー光を精度良
く検出することは、原理的に無理である。
先に述べた10フェムト秒以下の時間分解能は光電場の
位相成分に注目した時に得られるのであり、その光強度
からは得られない。
位相成分に注目した時に得られるのであり、その光強度
からは得られない。
本発明では、光の位相成分を検出するため、電波工学
で良く知られたヘテロダイン検波法を応用した。
で良く知られたヘテロダイン検波法を応用した。
つまり、生成したエコー光に位相特性が既知の光(プ
ローブ光)を重ね合わせ、その合成光の強度変化を検出
するのである。先の式(1)のエコー光電場にプローブ
光E3を重ねた時の光強度における干渉項を書き出すと、
次式(4)となる。
ローブ光)を重ね合わせ、その合成光の強度変化を検出
するのである。先の式(1)のエコー光電場にプローブ
光E3を重ねた時の光強度における干渉項を書き出すと、
次式(4)となる。
S∝Reexp[−iω(t3−t2−t1)]×X ……(4) このとき、Gw、GRはそれぞれE0,E1及びE2,E3の時間相
関関数を表している。
関関数を表している。
E0,E2を同じインコヒーレント光源からの光とし、E1,
E3をそれぞれE0,E2を適当な時間遅延系を通して生成し
た場合、GW、GRはインコヒーレント光の相関関数とな
る。
E3をそれぞれE0,E2を適当な時間遅延系を通して生成し
た場合、GW、GRはインコヒーレント光の相関関数とな
る。
インコヒーレント光の相関時間が時間に対して大きく
変動しなければ、GW=GR=Gとおける。この場合SはG
の相関関数の形をしており、その相関時間はインコヒー
レント光の相関時間と同程度である。
変動しなければ、GW=GR=Gとおける。この場合SはG
の相関関数の形をしており、その相関時間はインコヒー
レント光の相関時間と同程度である。
これにより、E3の記録媒体への到達時間を掃引した場
合、t3−t2=t1の時、インコヒーレント光の相関時間程
度の時間精度を以てエコー光を検出できる。
合、t3−t2=t1の時、インコヒーレント光の相関時間程
度の時間精度を以てエコー光を検出できる。
また、E1を遅延時間の異なる複数のE0光の重ね合わせ
とした場合は、E1内における時間相関の項を無視すれ
ば、式(4)は線形な式となる。
とした場合は、E1内における時間相関の項を無視すれ
ば、式(4)は線形な式となる。
これにより、t3−t2を掃引すれば、複数のエコー光を
独立に検出できる。
独立に検出できる。
以上が本発明の読みだしの原理である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれに限られるものではない。
が、本発明はこれに限られるものではない。
〔実施例1………光記録装置〕 第1図は、本実施例の光記録装置の主要構成を示す概
念図である。
念図である。
光源1は、インコヒーレント光を発する記録励起光光
源とインコヒーレント光を発するデーター光光源とを兼
ねたものであり、これから発せられた光をビームスプリ
ッタ2で記録励起光とデーター光に分ける。
源とインコヒーレント光を発するデーター光光源とを兼
ねたものであり、これから発せられた光をビームスプリ
ッタ2で記録励起光とデーター光に分ける。
記録励起光は反射鏡3で進路を直角に曲げられ、レン
ズ4(本発明でいう光学系の一部)に入射し、そこで集
光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
ズ4(本発明でいう光学系の一部)に入射し、そこで集
光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
データー光は、ビームスプリッタ2を出て、変調手段
6に入り、ここで記録すべき情報に応じて、記録励起光
電場とデーター光電場の遅延時間が変化するように変調
される。ここを通って初めて真のデーター光となる。
6に入り、ここで記録すべき情報に応じて、記録励起光
電場とデーター光電場の遅延時間が変化するように変調
される。ここを通って初めて真のデーター光となる。
変調されたデーター光は、レンズ4に入射し、そこで
集光されて、PHB記録媒体5の記録励起光の照射位置と
同一の位置を照射する。
集光されて、PHB記録媒体5の記録励起光の照射位置と
同一の位置を照射する。
記録励起光とデーター光は、媒体5を同時に照射して
も異なる時間に照射してもよい。
も異なる時間に照射してもよい。
〔実施例2………再生装置〕 第2図は、本実施例の再生装置の主要構成を示す概念
図である。
図である。
光源1は、インコヒーレント光を発する再生励起光光
源とインコヒーレント光を発するプローブ光光源とを兼
ねたものである。
源とインコヒーレント光を発するプローブ光光源とを兼
ねたものである。
光源1から発せられた光は、ビームスプリッタ2で再
生励起光とプローブ光に分けられる。
生励起光とプローブ光に分けられる。
再生励起光は、反射鏡3で進路を直角に曲げられ、レ
ンズ4(本発明でいう光学系の一部)に入射し、そこで
集光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
ンズ4(本発明でいう光学系の一部)に入射し、そこで
集光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
プローブ光は、ビームスプリッタ2を出て、検索変調
手段7に入り、ここで、再生励起光電場とプローブ光電
場との遅延時間が、第1の所定値から第2の所定値に変
化するように掃引される。
手段7に入り、ここで、再生励起光電場とプローブ光電
場との遅延時間が、第1の所定値から第2の所定値に変
化するように掃引される。
このとき、再生励起光電場とプローブ光電場との時間
に関する相関関数が少なくとも極大値を少なくとも1つ
もつ関係が満たされている。
に関する相関関数が少なくとも極大値を少なくとも1つ
もつ関係が満たされている。
掃引されたプローブ光は、レンズ4に入射し、そこで
集光されて、記録媒体5の再生励起光の照射位置と同一
の位置を照射する。
集光されて、記録媒体5の再生励起光の照射位置と同一
の位置を照射する。
エコー光は、記録励起光とデーター光と再生励起光の
3者の入射方向により所定の1方向又は複数方向に発す
る。
3者の入射方向により所定の1方向又は複数方向に発す
る。
媒体5から発したエコー光と媒体5を透過したプロー
ブ光は、重畳手段8で重畳され、互いに干渉し合って合
成光となる。
ブ光は、重畳手段8で重畳され、互いに干渉し合って合
成光となる。
合成光は、最後に光検出器9に入射して電気信号に変
換される。この電気信号は、媒体に記録された情報に従
い変調される。
換される。この電気信号は、媒体に記録された情報に従
い変調される。
〔実施例3………光記録再生装置〕 第3図は、本実施例の光記録再生装置の主要構成を示
す概念図である。
す概念図である。
光源1は、モード同期Ar+レーザー励起ローダミン6G
色素レーザーであり、繰り返し周波数約80MHzのパルス
光を出力する。
色素レーザーであり、繰り返し周波数約80MHzのパルス
光を出力する。
出力光は、複屈折フィルター(図示せず)を使い、レ
ゾルフィンのゼロフォノン吸収帯を励起できるように、
波長590nmでスペクトル幅:約30cm-1(相関時間約0.5ピ
コ秒に対応)のインコヒーレント光とした。
ゾルフィンのゼロフォノン吸収帯を励起できるように、
波長590nmでスペクトル幅:約30cm-1(相関時間約0.5ピ
コ秒に対応)のインコヒーレント光とした。
光源1から発せられたインコヒーレント光は、ビーム
スプリッタ2で(a)記録励起光(E0)又は再生励起光
(E2)と(b)データー光(E1)又はプローブ光(E3)
に分けられる。
スプリッタ2で(a)記録励起光(E0)又は再生励起光
(E2)と(b)データー光(E1)又はプローブ光(E3)
に分けられる。
前者(a)のうち再生励起光は、光変調器(光音響素
子)12により5MHzで光強度変調(AM変調)される。これ
は、再生時にS/N比を上げる目的で設置されており、本
発明の必須のことではない。
子)12により5MHzで光強度変調(AM変調)される。これ
は、再生時にS/N比を上げる目的で設置されており、本
発明の必須のことではない。
その後、三角プリズム13を経て、再生励起光は反射鏡
3で進路を直角に曲げられ、レンズ4に入射し、そこで
集光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
3で進路を直角に曲げられ、レンズ4に入射し、そこで
集光されてホールバーニング可能な記録媒体5を照射す
る。
他方、後者(b)は、ビームスプリッタ2を出た後、
光学補償器11を透過する。光学補償器11は、再生励起光
が光変調器12を通ることにより「再生励起光に遅延時間
の波長分散が生じた」のを補償するため、プローブ光に
同様の遅延時間の波長分散を生じさせる目的で設置して
あり、本発明に必須のことではない。
光学補償器11を透過する。光学補償器11は、再生励起光
が光変調器12を通ることにより「再生励起光に遅延時間
の波長分散が生じた」のを補償するため、プローブ光に
同様の遅延時間の波長分散を生じさせる目的で設置して
あり、本発明に必須のことではない。
従って、光学補償器11としては、光変調器12と全く同
一のものを変調しないで使用することが好ましい。
一のものを変調しないで使用することが好ましい。
光学補償器11を透過したデーター光又はプローブ光
は、三角プリズム13を経て、変調手段6と検索変調手段
7を兼用した時間変調器に入射する。ここで、データー
光は、記録すべき情報に従い、記録励起光電場とデータ
ー光電場の遅延時間が変化するように変調される。
は、三角プリズム13を経て、変調手段6と検索変調手段
7を兼用した時間変調器に入射する。ここで、データー
光は、記録すべき情報に従い、記録励起光電場とデータ
ー光電場の遅延時間が変化するように変調される。
他方、プローブ光は、再生励起光電場とプローブ光電
場との遅延時間が、第1の所定値から第2の所定値に変
化するように掃引される。
場との遅延時間が、第1の所定値から第2の所定値に変
化するように掃引される。
こうして変調されたデーター光又は掃引されたプロー
ブ光は、レンズ4に入射し、そこで集光されて、記録媒
体5の記録励起光又は再生励起光の照射位置と同一の位
置を照射する。
ブ光は、レンズ4に入射し、そこで集光されて、記録媒
体5の記録励起光又は再生励起光の照射位置と同一の位
置を照射する。
ここでは、エコー光は、プローブ光が媒体5を透過し
て出射する方向と同一の方向に発するように光学系その
他が構築されており、従って、とりたてて重畳手段8は
図示されていないが、プローブ光の媒体5を透過した光
は、エコー光とプローブ光の重畳した合成光である。
て出射する方向と同一の方向に発するように光学系その
他が構築されており、従って、とりたてて重畳手段8は
図示されていないが、プローブ光の媒体5を透過した光
は、エコー光とプローブ光の重畳した合成光である。
プローブ光の透過方向には、フォトマルチプライヤー
からなる光検出器9が設置されており、合成光は電気信
号に変換される。この電気信号は、ついでロックインア
ンプ10で処理されて、AM変調成分だけが出力として取り
出される。
からなる光検出器9が設置されており、合成光は電気信
号に変換される。この電気信号は、ついでロックインア
ンプ10で処理されて、AM変調成分だけが出力として取り
出される。
出力は、ノイズが除去され、媒体に記憶された情報に
応じてきれいに変調されている。
応じてきれいに変調されている。
尚、14は、媒体5を低温に冷却するための液体ヘリウ
ム・クライオスタットである。今のところ媒体5を極低
温に冷却しないと実施が難しい。
ム・クライオスタットである。今のところ媒体5を極低
温に冷却しないと実施が難しい。
第4図は、実施例3に用いた時間変調器の一例を示す
概略平面図であり、回転可能な円板15の円周に沿って多
数の円形の窓があけてあり、この窓に厚さの異なるガラ
ス板16が嵌め込まれている。
概略平面図であり、回転可能な円板15の円周に沿って多
数の円形の窓があけてあり、この窓に厚さの異なるガラ
ス板16が嵌め込まれている。
多数のガラス板16は、光走行時間がそれぞれ1ピコ秒
づつ増加するように、薄いものから順に厚くなったもの
が使用されている。
づつ増加するように、薄いものから順に厚くなったもの
が使用されている。
記録励起光電場又は再生励起光電場とデーター光電場
又はプローブ光電場との遅延時間を変化させる手段(時
間変調器)の外の例としては、移動可能な一対の鏡があ
る。
又はプローブ光電場との遅延時間を変化させる手段(時
間変調器)の外の例としては、移動可能な一対の鏡があ
る。
この一対の鏡の移動量を変化させると光路長が変化し
て、遅延時間が変化する。
て、遅延時間が変化する。
〔実施例4………記録再生〕 (1) 永続的ホールバーニング可能な記録媒体5とし
て、10.4重量%のレゾルフィンを溶かしたポリビニルア
ルコールの厚さ約100μmフィルムを記録層とするもの
を用意した。
て、10.4重量%のレゾルフィンを溶かしたポリビニルア
ルコールの厚さ約100μmフィルムを記録層とするもの
を用意した。
(2) 光記録再生装置として実施例3の装置を用い
た。
た。
(3) 記録媒体5を液体ヘリウム・クライオスタット
14内に設置し、温度を10Kに保持した。この時T2緩和時
間は数10ピコ秒である。
14内に設置し、温度を10Kに保持した。この時T2緩和時
間は数10ピコ秒である。
(4) 次に第4図に示す時間変調器の円板15を回転さ
せることにより、そのガラス板16を透過する光の光遅延
時間を1ピコ秒づつ変化させる。
せることにより、そのガラス板16を透過する光の光遅延
時間を1ピコ秒づつ変化させる。
(5) まず、何も書き込まれていない媒体5に対し
て、再生励起法(E2)、プローブ光(E3)の平均出力和
を0.1μW程度まで絞って、プローブ光(E3)の光遅延
時間を変えながらエコー光の読みだしを行った。
て、再生励起法(E2)、プローブ光(E3)の平均出力和
を0.1μW程度まで絞って、プローブ光(E3)の光遅延
時間を変えながらエコー光の読みだしを行った。
この結果を第7図に示す。これにより、この程度の出
力の光では、読みだし光で情報の書き込みを行ってしま
うことがなく、従って、全くエコー光は検出されないこ
とが判明した。これが読みだし時におけるベースライン
である。
力の光では、読みだし光で情報の書き込みを行ってしま
うことがなく、従って、全くエコー光は検出されないこ
とが判明した。これが読みだし時におけるベースライン
である。
(6) 次に、時間変調器の円板15の回転を止めて、回
転記録励起光(E0)、データー光(E1)の平均出力和を
30μWとし、データー光(E1)の遅延時間を5ピコ秒
(記録すべき情報)に固定して30秒間書き込みをおこな
った。
転記録励起光(E0)、データー光(E1)の平均出力和を
30μWとし、データー光(E1)の遅延時間を5ピコ秒
(記録すべき情報)に固定して30秒間書き込みをおこな
った。
(7) この後、前と同じ条件で読みだしを行ったとこ
ろ、第8図に示す信号が得られた。
ろ、第8図に示す信号が得られた。
この結果、光遅延時間5ピコ秒を正確に再生できるこ
とがわかった。
とがわかった。
(8) 最後に、記録媒体5の同一位置に、複数の遅延
時間でもって、光出力30μW、各時間点での書き込み時
間30秒で連続的に書き込みを行った。
時間でもって、光出力30μW、各時間点での書き込み時
間30秒で連続的に書き込みを行った。
その後、前記の読みだし条件で読み出しを行ったとこ
ろ、第9図に示す結果が得られた。これにより、各固定
空間点で、14ビット以上の多重書き込みが可能であるこ
とが示される。
ろ、第9図に示す結果が得られた。これにより、各固定
空間点で、14ビット以上の多重書き込みが可能であるこ
とが示される。
実施例においては、比較的長い相関時間を持つインコ
ヒーレント光を光源として用いたが、現在それより更に
一桁短い相関時間の光を再現性良く発生できるようにな
ってきている。それを用いれば、本実施例より102ビッ
ト以上の多重書き込みができる時間メモリーも可能とな
る。
ヒーレント光を光源として用いたが、現在それより更に
一桁短い相関時間の光を再現性良く発生できるようにな
ってきている。それを用いれば、本実施例より102ビッ
ト以上の多重書き込みができる時間メモリーも可能とな
る。
また、本実施例では、光源として色素レーザーを用い
たが、代わりに半導体レーザー、あるいは発光ダイオー
ド等を用いれば、更に装置系を小型単純化できる。
たが、代わりに半導体レーザー、あるいは発光ダイオー
ド等を用いれば、更に装置系を小型単純化できる。
尚、書き込み光が、コヒーレントパルスの場合でも、
本発明で利用するヘテロダイン光波検出法は、従来の光
強度検出法に比べて高いS/N比が期待される。
本発明で利用するヘテロダイン光波検出法は、従来の光
強度検出法に比べて高いS/N比が期待される。
以上の通り、本発明によれば、誘導フェトンエコーを
利用した従来技術に比べ、より高密度(つまり、大容
量)で高精度(つまり、高S/N比)の記録及び再生が可
能になる。
利用した従来技術に比べ、より高密度(つまり、大容
量)で高精度(つまり、高S/N比)の記録及び再生が可
能になる。
また、波長可変レーザーを用いる従来の波長領域PHB
メモリーと比較しても、記録密度は仮に同程度であって
も、記録装置の単純さ及び光源の扱い易さを考えると、
本発明の方が優れている点が多い。
メモリーと比較しても、記録密度は仮に同程度であって
も、記録装置の単純さ及び光源の扱い易さを考えると、
本発明の方が優れている点が多い。
第1図は、本発明の実施例1にかかる光記録装置の主要
構成を示す概念図である。 第2図は、本発明の実施例2にかかる再生装置の主要構
成を示す概念図である。 第3図は、本発明の実施例3にかかる光記録再生装置の
主要構成を示す概念図である。 第4図は、実施例3に使用した時間変調器の概略平面図
である。 第5図は、誘導フォトンエコーの説明図である。 第6図は、誘導フォトンエコーを利用した時間領域メモ
リーの説明図(従来技術)である。 第7図は、実施例4における読みだし出力(電気信号)
のベースラインを示す波形図である。 第8図は、実施例4における実際の読みだし出力(電気
信号)例を示すの波形図である。 第9図は、実施例4における実際の読みだし出力(電気
信号)の別の例を示すの波形図である。 〔主要部分の符号の説明〕 1……インコヒーレント光光源 2……ビームスプリッタ 3……反射鏡 4……レンズ 5……PHB記録媒体 6……変調手段 7……検索変調手段 8……重畳手段 9……光検出器 10……ロックインアンプ 11……光学補償器 12……光変調器(光音響素子) 13……三角プリズム 14……液体ヘリウムクライオスタット 15……円板 16……ガラス板
構成を示す概念図である。 第2図は、本発明の実施例2にかかる再生装置の主要構
成を示す概念図である。 第3図は、本発明の実施例3にかかる光記録再生装置の
主要構成を示す概念図である。 第4図は、実施例3に使用した時間変調器の概略平面図
である。 第5図は、誘導フォトンエコーの説明図である。 第6図は、誘導フォトンエコーを利用した時間領域メモ
リーの説明図(従来技術)である。 第7図は、実施例4における読みだし出力(電気信号)
のベースラインを示す波形図である。 第8図は、実施例4における実際の読みだし出力(電気
信号)例を示すの波形図である。 第9図は、実施例4における実際の読みだし出力(電気
信号)の別の例を示すの波形図である。 〔主要部分の符号の説明〕 1……インコヒーレント光光源 2……ビームスプリッタ 3……反射鏡 4……レンズ 5……PHB記録媒体 6……変調手段 7……検索変調手段 8……重畳手段 9……光検出器 10……ロックインアンプ 11……光学補償器 12……光変調器(光音響素子) 13……三角プリズム 14……液体ヘリウムクライオスタット 15……円板 16……ガラス板
Claims (6)
- 【請求項1】永続的又は過渡的ホールバーニングが可能
な記録媒体の同一位置に、データー光と記録励起光を同
時に又は別々に照射することにより、情報を記録する
「誘導フォトンエコーを利用した光記録方法」におい
て、 前記データー光と記録励起光として、共通なインコヒー
レント光を2分割して使用し、 記録励起光電場とデーター光電場の遅延時間を情報とし
て記録することを特徴とする記録方法。 - 【請求項2】請求項第1項の記録方法で、記録媒体の同
一位置に、情報が異なる2以上のデーター光を照射する
ことにより、多重書き込みすることを特徴とする記録方
法。 - 【請求項3】同一の記録媒体の少なくとも2以上の異な
る位置に、請求項第1項又は第2項に記載の方法で別の
情報を記録することを特徴とする記録方法。 - 【請求項4】永続的又は過渡的ホールバーニングが可能
な記録媒体に対し、再生励起光とプローブ光を照射し、 再生励起光の照射により媒体から発せられる誘導フォト
ンエコー光を、前記プローブ光と重畳し、 それにより得られた合成光を光検出器で電気信号に変換
することにより、 情報を再生する「誘導フォトンエコーを利用した再生方
法」において、 ・前記再生励起光とプローブ光として、共通なインコヒ
ーレント光を2分割して使用し、 ・再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間を任意の
所定値に設定するか又は第1の所定値から第2の所定値
に掃引する ことを特徴とする再生方法。 - 【請求項5】a)インコヒーレント光光源; b)光源a)からのインコヒーレント光を記録励起光と
データー光とに2分割するビームスプリッタ; c)記録励起光電場とデーター光電場の遅延時間を、記
録すべき情報に応じて変化させる変調手段; 及び d)記録励起光とデーター光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した光記録装置。 - 【請求項6】a)インコヒーレント光光源; b)光源a)からのインコヒーレント光を再生励起光と
プローブ光とに2分割するビームスプリッタ; c)再生励起光とプローブ光を記録媒体の同一位置に照
射させる光学系; d)再生励起光電場とプローブ光電場の遅延時間を任意
の所定値に設定するか又は第1の所定値から第2の所定
値に掃引することができる検索変調手段; e)再生励起光の照射を受けて記録媒体から発せられる
により生成するフォトンエコー光とプローブ光とを、少
なくとも空間の一点で重ね合わせる重畳手段; 及び f)前記重畳手段により得られる合成光を電気信号に変
換する光検出器; からなることを特徴とする、誘導フォトンエコーを利用
した再生装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1074197A JP2722631B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 |
US08/472,725 US5636195A (en) | 1989-03-27 | 1995-06-07 | Optical recording method and reproducing method and recording apparatus and reproducing apparatus utilizing stimulated photon echo |
US08/480,387 US5568460A (en) | 1989-03-27 | 1995-06-07 | Optical recording and/or reproducing apparatus and method utilizing stimulated photon echo |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1074197A JP2722631B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02252123A JPH02252123A (ja) | 1990-10-09 |
JP2722631B2 true JP2722631B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=13540216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1074197A Expired - Fee Related JP2722631B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2722631B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100968870B1 (ko) * | 2008-08-05 | 2010-07-09 | 인하대학교 산학협력단 | 양자 광 메모리 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5589936A (en) * | 1992-09-14 | 1996-12-31 | Nikon Corporation | Optical measuring apparatus for measuring physichemical properties |
-
1989
- 1989-03-27 JP JP1074197A patent/JP2722631B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100968870B1 (ko) * | 2008-08-05 | 2010-07-09 | 인하대학교 산학협력단 | 양자 광 메모리 |
US7952796B2 (en) | 2008-08-05 | 2011-05-31 | Inha-Industry Partnership Institute | Quantum optical data storage |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02252123A (ja) | 1990-10-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Dvornikov et al. | Accessing 3D memory information by means of nonlinear absorption | |
US4459682A (en) | Time domain data storage | |
US3474457A (en) | Laser recording apparatus | |
EP0476536B1 (en) | Information recording apparatus | |
US5636195A (en) | Optical recording method and reproducing method and recording apparatus and reproducing apparatus utilizing stimulated photon echo | |
JP2722631B2 (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 | |
Bjorklund et al. | Cryogenic frequency domain optical mass memory | |
US5369665A (en) | Coherent time-domain data storage with spread-spectrum data pulse | |
JPH03183033A (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録装置及び再生装置 | |
EP0425278B1 (en) | Optical record reproducing method and apparatus utilizing stimulated photon echo | |
Rickermann et al. | Utilization of photorefractive crystals for holographic double-exposure interferometry with nanosecond laser pulses | |
JPS6227784A (ja) | ホログラフイ−における光学的四波混合方法 | |
JPH04132020A (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録の再生方法並びに再生装置 | |
JP3246677B2 (ja) | 光エコーメモリ記録再生装置及び方法 | |
JP3020687B2 (ja) | 光データパルス列検出法 | |
JP2867483B2 (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び再生方法並びに記録装置及び再生装置 | |
JPH03137828A (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録の再生方法並びに再生装置 | |
Lenth et al. | High-density frequency-domain optical recording | |
JPH06111356A (ja) | 光記録情報読み出し装置及び読み出し方法 | |
JP3532743B2 (ja) | 光記録方法 | |
Steinberg et al. | Multilayer microholographic optical data storage with two-photon recording | |
JPH05232525A (ja) | 誘導フォトンエコーを利用した光記録方法及び装置 | |
JP3031500B2 (ja) | 情報記録装置 | |
He et al. | Phase-conjugation property of one-photon pumped backward stimulated emission from a lasing medium | |
Rai et al. | Physics and instrumentation of photothermal and photoacoustic spectroscopy of solids |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |