JP2722197B2 - 核融合炉壁及び核融合炉 - Google Patents

核融合炉壁及び核融合炉

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JP2722197B2 JP63053080A JP5308088A JP2722197B2 JP 2722197 B2 JP2722197 B2 JP 2722197B2 JP 63053080 A JP63053080 A JP 63053080A JP 5308088 A JP5308088 A JP 5308088A JP 2722197 B2 JP2722197 B2 JP 2722197B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は核融合炉壁及び核融合炉に関する。
〔従来の技術〕
核融合装置の炉壁部材としては、例えばプロシーディ
ング・オブ・ジャパン−ユウエス・ワークショップ、ピ
ー92,アイ・ピー・ピー・ジェイーエイエム−50,(1987
年)第114頁(Proc.of.Japan−U.S.Workshop,p−992,IP
PJ−AM−50,(1987)Nagoya,Japan p114)において示さ
れているように、直接プラズマに晒される耐熱性防護板
として等方性黒鉛材か又は炭素繊維強化炭素複合材(以
下C/C材という)、特にフィラーとしての炭素繊維の少
なくとも2/3以上が、耐熱性防護板の板面方向に配向し
たC/C材を用いていた。また、これらの耐熱性防護板は
支持部材に単に機械的に固定されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術における耐熱性防護板は前記の如く、炭
素繊維の配向が耐熱性防護板の板面方向であるため、板
厚方向の熱伝導率が十分でなく、プラズマからの熱負荷
による耐熱性防護板表面の温度上昇が大きく、従って、
蒸発による損耗が著しく、炉壁としての寿命が短かいと
いう欠点を有していた。
また、これらの等方性黒鉛材やC/C材は、板厚方向の
引張り強度が十分でなく、金属支持部材との冶金的接合
が困難であって、長時間の燃焼を必須とする核融合炉が
必要とする強制冷却方式の炉壁を実現できにくいという
点で信頼性を高めにくい欠点があった。
本発明は、長寿命で、冷却効率が高く、信頼性の高い
核融合炉壁を実現することを目的とする。また、そのよ
うな核融合炉壁を備えた核融合炉を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の核融合炉壁は、炉心プラズマに晒される耐熱
性防護部材と、この耐熱性防護部材を固定する支持部材
とで構成され、前記耐熱性防護部材は耐熱材マトリック
ス中に炭素繊維を含有する構造である核融合炉壁におい
て、前記炭素繊維は前記耐熱性防護部材と支持部材との
界面と交叉する方向に配向されており、かつ前記耐熱性
防護部材は、前記支持部材の室温における熱膨張係数よ
り小さい熱膨張係数を有する金属材からなる中間部材を
介して前記支持部材に冶金的接合されていることを特徴
とするものである。
また他の本願発明は、請求項1に記載の発明におい
て、更に前記繊維の繊維軸の配向度が、前記界面の法線
方向となす角度の余弦成分の平均値で表わして0.6以上
である(ここで2次元の炭素繊維材の積層面と受熱面と
が直交するものを除く)ことを特徴とするものである。
また他の本願発明は、炉心プラズマに晒される耐熱性
防護部材と、この耐熱性防護部材を固定する支持部材と
で構成され、前記耐熱性防護部材は耐熱材マトリックス
中に炭素繊維を含有する構造である核融合炉壁におい
て、前記炭素繊維は前記耐熱性防護部材と支持部材との
界面と交叉する方向に配向されており、かつ前記繊維が
耐熱性防護板上の一法線を軸として渦状に配置されてい
ることを特徴とするものである。
そして、本発明に係る核融合炉は、炉心プラズマに晒
される耐熱性防護部材と、この耐熱性防護部材を固定す
る支持部材とで構成され、該支持部材中に冷却媒体流路
が設けられている核融合炉壁を備えたドーナツ型真空容
器を有する核融合炉において、前記核融合炉壁は炭素繊
維が支持部材との界面と交叉する方向に配合された前記
いずれかの核融合炉壁からなるものである。本発明を適
用し得る核融合炉の一例としてトーラス型核融合装置が
ある。このトーラス型核融合装置としては、次の2種類
が知られている。第1は、プラズマを発生させて閉じ込
めるトーラス型真空容器の外周に、トロイダル方向の一
様の磁場を発生させる複数個のトロイダル磁場用コイル
を放射状に巻回し、このトロイダル磁場用コイルの内側
でトーラス型真空容器とトロイダル磁場用コイルとの間
の空間に、ポロイダル方向の磁場を発生させる変流器コ
イルを配置したものである。また、第2は、トーラス型
真空容器およびトロイダル磁場用コイルが前記装置と同
一配置で、変流器コイルをトロイダル磁場用コイルの外
側に配置したものである。
〔作用〕
耐熱材マトリックス中に含有する炭素繊維の配向を前
記耐熱性防護部材と支持部材との界面と交叉する方向に
すると、耐熱性防護部材の板厚方向の熱伝導率を板面方
向の値よりも大きく出来、使用時における耐熱性防護部
材の受熱面温度の上昇を低くおさえられ、蒸発による表
面損耗量を少なくすることが出来る。しかし、前記の如
く炭素繊維を配向させると支持部材に平行な面での熱膨
張係数が小さくなるため、支持部材の材料としては、
銅、ステンレス等の熱膨張係数の大きな材料は熱応力の
問題により使用が困難であり、通常はモリブデンなど熱
膨張係数の小さな材料を使わざるを得ない。モリブデン
はステンレスや銅に比べて比重が大きく、比較的もろく
て加工性が劣ると共に高価である。そのため、モリブデ
ンにより前記支持部材を形成すると、先ず核融合炉壁の
重量が重くなり、それを支えるための構造体を強固にし
なければならず、構造的にもコスト的にも問題がある。
本発明によれば、前記耐熱性防護部材は、前記支持部
材の室温における熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有
する金属材からなる中間部材を介して前記支持部材に冶
金的接合されているため、支持部材としては銅、ステン
レス等の熱膨張係数の大きな材料を用い、中間部材にだ
け熱応力を緩和するためにモリブデンなど熱膨張係数の
小さな材料を使ことが可能となり、これにより核融合炉
壁の重量を軽量化でき、それを支えるための構造体を平
易なもので足り、もって、構造的にもコスト的にも問題
を軽減できる。
更に、冶金的接合の場合、耐熱性防護部材の板厚方向
の炭素繊維軸配向度を大きくすると板厚方向の熱膨張率
はより小さく、逆に板面方向の熱膨張率はより大きくな
る。よって、金属支持部材として用いられるステンレス
鋼あるいは銅などの熱膨張率の値との差を小さく出来
て、接合後の熱応力の小さな、信頼性の高い接合が実現
される。接合後の接合界面にはC/C材側に圧縮応力が、
金属支持部材側には引張り応力が発生し、接合部材の側
端面のC/C材側には接合界面垂直方向に引張り応力が発
生する。したがって接合部材の側端面上で発生したクラ
ックは接合界面に平行に進むが、板厚方向に配向させた
炭素繊維のために、クラックの進展は容易に阻止され
て、従来の等方性黒鉛材の場合に発生した接合界面に沿
っての破壊を阻止することが可能となる。
一方、耐熱性防護部材の板厚方向に配向した炭素繊維
は、接合面において接合面に対して大きな角度を成し、
繊維側表面よりもろう材に対してより活性な繊維端面で
ろう材と反応するものの割合が大きくなるので、接合強
度は飛躍的に向上する。
本発明はプラズマからの熱負荷を直接受ける耐熱性防
護部材として用いられるC/C材(あるいは炭素繊維強化
耐熱複合材)中の炭素繊維を前記の如く支持部材との界
面と交叉する方向に配向させ、特にその繊維軸配向度を
余弦成分(cosθ)の平均値で表わして、0.6以上の値と
なるようにするとよいものである。それによって、耐熱
性防護部材の板厚方向の熱伝導率を板面方向の値よりも
大きく出来、使用時における耐熱性防護部材の受熱面温
度の上昇を低くおさえられ、蒸発による表面損耗量を少
なくすることが出来る。特にC/C材の場合には黒鉛化処
理温度を少なくとも2800℃以上とし、黒鉛化度を高める
ことにより、耐熱性防護部材の板厚方向の室温における
熱伝導率の値を少なくとも1.6×102W/mK以上とすること
が出来、非定常運転時における蒸発による損耗率を低く
おさえることが出来る。
耐熱性防護部材として使用される炭素繊維強化複合材
とくにC/C材の板厚方向に前記の如く配向させて分散さ
せられた炭素繊維は、板厚方向の熱伝導率の向上によっ
て耐熱性防護部材の蒸発による損耗率の低下をもたらす
だけでなく、非定常運転時の高い熱流束の熱負荷により
受熱面表面層内に発生する表面と平行方向の熱応力によ
り受熱面表面層が層状に剥離する現象を防止する効果が
ある。すなわち板面に交叉する方向に配向させて耐熱材
マトリックス中に分散した炭素繊維は、熱応力により表
面に平行方向に発生したクラックを炭素繊維と耐熱材マ
トリックスの界面でピン止めする効果を有し、クラック
の進展を阻止する。
C/C材の場合、耐熱材マトリックス中に占める炭素繊
維の割合は板面方向と板厚方向の熱伝導率の比及び板厚
方向の破壊靭性値に大きく影響する。C/C材を支持部材
に冶金的に接合する場合、特に問題となる板面に平行方
向の破壊靭性値KICは炭素繊維含有率と共に増大し、10
重量%で室温でのKICの値は4に達する。一方、板面方
向と板厚方向の熱伝導率比は炭素繊維含有率が50重量%
から45重量%に減少するに従い0.3に増大、以下炭素繊
維含有率が45重量%から0重量%まで減少するに従い単
調に1まで増大する。従って破壊靭性値及び板面方向の
熱伝導率をそれぞれ 0.3以上とする炭素繊維含有率は10〜45重量%にする。
また、前記炭素繊維は前記耐熱性防護部材と支持部材
との界面と交叉する方向に配向されており、かつ前記繊
維が耐熱性防護板上の一法線を軸として渦状に配置され
ていることを特徴とする本願発明により、核融合炉壁の
製造が簡単になる。すなわち、製造時に例えば細い金属
棒のような軸の回りに炭素繊維布を自動的に巻きつける
ような装置を用いることが可能となり、これにより、炭
素繊維布を何重にも重ねてプレスし、製造するといった
従来の製造工程に比べ、単純化できる。
炭素繊維強化複合材のマトリックス材としては炭素以
外には、プラズマ中に混入した揚合のプラズマ冷却効果
を小さく抑えられる原子番号14以下の元素、またはそれ
らの化合物、例えばSiC,SiN,AlN,Al2O3,BN,B4C,Be2C,Be
O及びこれらと炭素の混合物が望ましい。特に炭素マト
リックス中に1〜15重量%のB,SiC,Be2Cを含んだC/C材
は耐熱性防護部材と水素プラズマとの反応によるメタン
分子の生成を抑えるために効果的で、望ましい。
耐熱性防護部材は核融合装置内で発生する磁場の変動
により該防護部材に働く電磁力を下げるために、適当な
寸法に分割されて支持部材に取り付けられるのが良い。
分割された耐熱性防護部材は冷却構造を有する金属支持
部材に接合層によって接合面の全面を接合するのが好ま
しい。この耐熱性防護部材の寸法は出来るだけ大きい方
が製造工数を少なくできるのでよいが、逆に大き過ぎる
と接合後の熱応力が大きくなり、破壊し易くなるので、
最大でも10cm角程度、20mm厚さが好ましく、特に厚さは
10〜15mmが好ましい。
耐熱性防護部材は金属支持部材に、ろう付け、拡散接
合、反応焼結接合等による原子的な接合、すなわち冶金
的接合によって接合される。
〔実施例〕
第1図は本発明に係る核融合炉壁の一実施例を示し、
第2図はそれらが配列された1ブロックを示す。炉心プ
ラズマに直接晒される板状の耐熱性防護部材1は同じく
板状の支持部材2に中間部材3を介して冶金的に接合さ
れている。支持部材2には冷却媒体を流すための流路4
が設けられ、耐熱性防護部材1の受熱面5から加えられ
た熱を効率良く冷却媒体に伝達し、該防護部材1を強制
冷却する構造と成っている。耐熱性防護部材1は炭素繊
維織布6のピッチ含浸積層体をプリプレグとして最終的
に2800℃以上で黒鉛化処理を行った後、フレオンガス気
流中で2600℃に加熱することにより高純度化処理を行っ
た炭素繊維強化炭素複合材である。炭素マトリックス中
に炭素繊維織布6は板面方向に積層された構造となって
おり、炭素繊維織布6を構成する繊維束は、耐熱性防護
部材1と中間部材3の接合界面に対してほぼ45゜の角度
を成すように配列されている。すなわち、接合界面なら
びに受熱面5において前記界面に平行に埋め込まれた炭
素繊維は存在しない構造と成っている。炭素繊維強化炭
素複合材中の炭素繊維の含有量は40重量%、密度は1650
kg/m3、板厚方向の室温での熱伝導率は160W/mK、板面方
向すなわち炭素繊維織布の積層方向の熱膨張率は5×10
-6K-1、積層方向と直交方向の熱膨張率は3×10-6K-1
あった。又、板厚方向の引張り強度は50MPaであった。
このような特性の厚さ10mmで50mm角の正方形のタイル
を厚さ1mmで50mm角の大きさのモリブデン板を中間部材
として5重量%Ti入り銀ろうを用いて、ステンレス鋼製
支持部材2に接合した。ステンレス鋼製支持部材2の冷
却部の板厚は1mmとした。この炉壁を用い、入口温度20
℃の冷却水を流速1m/sで冷却水路4に流しつつ熱流束5M
W/m2の40KeVH+イオンビーム照射を連続的に行ったとこ
ろ、照射開始40秒後に受熱面5の表面温度は1800℃で平
衡状態に達したが、表面には特に変化は認められなかっ
た。一方、従来用いられていた密度1800kg/m3、室温に
おける熱伝導率100W/mK、熱膨張率4.6×10-6K-1、引張
り強度30MPaの等方性黒鉛を耐熱性防護部材として前述
と同じ寸法形状で接合を行い、前述と同条件でのH+イオ
ンビーム照射試験を行った。この場合の受熱面5の表面
温度は、照射20秒後に2200℃まで上昇し、熱熱面表面か
らの炭素の蒸発が激しく、H+イオンビーム照射に使用し
ていたイオン源が作動不能となった。
第3図は本発明の他の実施例を示す。耐熱性防護部材
1は支持部材2に中間部材3を介して冶金的に接合され
ている。支持部材2には冷却媒体の流路4が設けてあ
り、耐熱性防護部材1を効率よく冷却する構造となって
いる。耐熱性防護部材1は炭素繊維のフェルト材8にピ
ッチを含浸し、それを積層して加圧・焼成して形成した
プリプレグに更にピッチを含浸させ、2800℃以上で黒鉛
化処理を行った後、フレオンガス気流中において2600℃
に加熱し高純度化処理を行った炭素繊維強化炭素複合材
である。炭素繊維のフェルト材8は耐熱性防護部材1の
板面方向に積層された構造となっている。フェルト材8
は厚さ数mmのシート状であり、炭素繊維はこのシート面
に平行、かつ面内でランダムな方向を向いている。すな
わち、耐熱性防護部材1中の炭素繊維の配向方向はフェ
ルト材8の積層方向に対して垂直な面内にあって、かつ
ランダムな方向を向いている。よって、耐熱性防護部材
1の板厚方向の炭素繊維軸配向度は0.64となる。この炭
素繊維強化炭素複合材中に含まれる炭素繊維含有量は20
重%、密度は1800kg/m3、板厚方向の室温での熱伝導率
は200W/mK、炭素繊維フェルトの積層方向の熱膨張率は1
1×10-6K-1、積層方向に直交する方向の熱膨張率は1×
10-6K-1であった。又板厚方向の引張り強度は23MPaであ
った。次に、厚さ10mmで50mm角の寸法の耐熱性防護部材
を、厚さ1mmで50mm角の寸法のモリブデン板を中間部材
として挿入し、5重量%Ti入り銀ろうを使用して、ステ
ンレス鋼製支持部材2に接合した。この炉壁を用い、入
口温度20℃の冷却水を流速1m/sで冷却水路4に流し、熱
流束5MW/m3の40KeVH+イオンビーム照射を連続的に行っ
たところ、照射開始40秒後に受熱面5の表面温度は1300
℃で定常値に達した。照射後の表面の損耗は殆んど認め
られなかった。
第4図は、板面方向の炭素繊軸維配向度の高い(0.5
以上)従来のC/C材と、本発明による板厚方向の炭素繊
維軸配向度の高いC/C材に対し、核融合炉における非定
常運転時の入熱条件を模擬した電子ビーム照射試験(熱
流束2KW/cm2、照射時間1秒間)を行い、1照射あた
り、単位面積あたりの損耗率を測定した結果を示す。同
図から明らかなように、損耗率は板厚方向の炭素繊維軸
配向度の増大と共に減少し、特に配向度0.6を越えたと
ころで減少の度合がゆるやかに成っていることを示して
いる。すなわち本発明の板厚方向の炭素繊維軸配向度が
0.6以上であるC/C材を耐熱性防護部材として用いること
により、従来材に比べて約一桁以上寿命の向上を図るこ
とが可能となることが解る。
上記実施例では炭素繊維織布又はフェルト材の積層方
向を耐熱性防護部材の板面方向一方向としたが第5図に
示した如く耐熱性防護板上の一法線9を軸として炭素繊
維織布及び/又はフェルト材を渦状に巻きつけた構造の
ものでも良い。あるいは、第6図に示した如く、炭素繊
維の配向方向を異ならせた織布を交互に積層してもよ
い。
〔発明の効果〕
本発明に係る核融合炉壁によれば、炭素繊維の配向が
耐熱性防護部材の板厚方向であるため、プラズマ側から
該防護部材の支持部材側への熱伝導が良くなり、冷却効
率が向上するため、プラズマからの熱負荷による耐熱性
防護部材表面の蒸発による損耗を大幅に減少でき、更に
前記耐熱性防護部材は、前記支持部材の室温における熱
膨張係数より小さい熱膨張係数を有する金属材からなる
中間部材を介して前記支持部材に冶金的接合されている
ため、支持部材としては銅、ステンレス等の熱膨張係数
の大きな材料を用い、中間部材にだけ熱応力を緩和する
ためにモリブデンなど熱膨張係数の小さな材料を使こと
が可能となり、これにより核融合炉壁の重量を軽量化で
き、それを支えるための構造体を平易なもので足り、も
って、構造的にもコスト的にも問題を軽減できると共に
核融合炉壁及び核融合炉を長寿命化することができる。
又、炭素繊維の上記配向によって、板面に平行方向の
剥離にも強い組織構造となるので、このような炉壁を備
えた核融合炉の信頼性を大幅に向上することができる。
本発明の他の効果として、耐熱性防護部材と水冷金属
支持部材との接合が、従来の構造のC/C材では殆んど不
可能であったり、或は等方性黒鉛材の場合には接合面積
が高々20×20mmであったのに対し、最大50mm×50mmのサ
イズの接合が可能に成ったばかりか、接合部の引張り強
度試験においても、従来の等方性黒鉛の5倍の強度を示
すことである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の核融合炉壁の要部斜視図、
第2図はブロック状に並べられた核融合炉壁の1ブロッ
クの斜視図、第3図は本発明の他実施例の核融合炉壁の
斜視図、第4図は炭素繊維の配向度と損耗率との関係
図、第5図及び第6図はそれぞれ異なる本発明の他実施
例を示す斜視図である。 1……耐熱性防護部材、2……支持部材、 3……中間部材、4……冷却水流路、5……受熱面、 6……炭素繊維、7……溝。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心プラズマに晒される耐熱性防護部材
    と、この耐熱性防護部材を固定する支持部材とで構成さ
    れ、前記耐熱性防護部材は耐熱材マトリックス中に炭素
    繊維を含有する構造である核融合炉壁において、前記炭
    素繊維は前記耐熱性防護部材と支持部材との界面と交叉
    する方向に配向されており、かつ前記耐熱性防護部材
    は、前記支持部材の室温における熱膨張係数より小さい
    熱膨張係数を有する金属材からなる中間部材を介して前
    記支持部材に冶金的接合されていることを特徴とする核
    融合炉壁。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記繊維の繊維軸の配
    向度が、前記界面の法線方向となす角度の余弦成分の平
    均値で表わして0.6以上である(ここで2次元の炭素繊
    維材の積層面と受熱面とが直交するものを除く)ことを
    特徴とする核融合炉壁。
  3. 【請求項3】炉心プラズマに晒される耐熱性防護部材
    と、この耐熱性防護部材を固定する支持部材とで構成さ
    れ、前記耐熱性防護部材は耐熱材マトリックス中に炭素
    繊維を含有する構造である核融合炉壁において、前記炭
    素繊維は前記耐熱性防護部材と支持部材との界面と交叉
    する方向に配向されており、かつ前記繊維が耐熱性防護
    板上の一法線を軸として渦状に配置されていることを特
    徴とする核融合炉壁。
  4. 【請求項4】炉心プラズマに晒される耐熱性防護部材
    と、該耐熱性防護部材を固定する支持部材とで構成さ
    れ、該支持部材中に冷却媒体流路が設けられている核融
    合炉壁を備えたドーナツ型真空容器を有する核融合炉に
    おいて、前記核融合炉壁は請求項1〜3のいずれかに記
    載のもので形成されていることを特徴とする核融合炉。
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JPH01129188A (ja) * 1987-11-16 1989-05-22 Toshiba Corp 核融合装置の炉壁

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JPH01227091A (ja) 1989-09-11

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