JP2721767B2 - 歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態 - Google Patents

歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科用補綴物、例えば歯
科用補綴物の鋳造に使用される鋳型を作るのに用いられ
るスプルーイングの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5(a)に示すような歯科用補綴物A
は図5(b)に示す様な鋳型B内に金属溶湯Cを流し込
んで鋳造されている。鋳型Bは同図(c)に示すよう
に、患者の歯型を基にワックスで作製したパターンDに
直径約2〜3mmの棒状のワックス、合成樹脂、金属等
でできたスプルーEを植立したスプルーイングFを用意
し、前記スプルーEの下端を円錐台Hの凹部Gにワック
スを充填してこの上に植立する。この円錐台Hに同図
(d)に示すように内周面にリライニング材(アスベス
トリボン)Iが裏装されているステンレス製の円筒(リ
ング)Jを、前記スプルーイングFを囲むようにしての
せ、この円筒J内に適性混水比で攪拌された埋没材(例
えばクリストバライト)Kを充填し、この埋没材Kが硬
化したところで円錐台H(金属製スプルー使用の場合は
スプルーまで抜く)を取り外し、加熱器で円筒Jの外側
から熱を加えて埋没材K内のスプルーイングFのワック
スを完全焼却処理をして、この焼却跡に充填空間部Lを
形成して作られている。
【0003】この鋳型Bを用いて図5(a)に示すよう
な歯科用補綴物Aを鋳造するには、図5(b)のように
鋳型Bを注湯口Mを上にして約700℃に加熱した後、
歯科用補綴物Aの材料となる金、銀、パラジウム等の合
金を夫々の適性温度で溶融させた溶湯Cを前記注湯口M
から流し込む。この時、溶融した合金が鋳型Bの充填空
間部Lの隅々まで十分に充填されるように、同鋳型Bを
スプルーEの長手方向に遠心力、加圧力、吸引力等によ
る鋳造機器で圧力をかけながら流し込んでいる。
【0004】そして、流し込んだ合金が冷えて固まった
後、鋳型Bを壊すと図5(a)に示すような歯科用補綴
物Aと金属スプルーNとが一体になった鋳造体Oができ
上がる。最後に、歯科用補綴物Aを金属スプルーNから
切り離し、その切り離した後に全体を研磨して歯科用補
綴物Aを仕上げている。
【0005】しかし、このように入念に鋳造された歯科
用補綴物Aにもしばしば鋳造欠陥が発生する。例えば図
7に示すように歯科用補綴物Aの肉薄部分に金属溶湯が
十分充填されなかったために点線で示すようななめられ
Vが発生したり、補綴物Aの一部的な肉厚のための湯廻
り不足による穴Wが発生したりするような、鋳込不足に
よる鋳造欠陥がある。これらは最善の留意や、行程を工
夫することで解決できる場合が多い。或は、歯科用補綴
物Aが肉厚のものである場合には、内部に気孔(鋳巣)
P{図5(a)}ができることもあり、特に金属スプル
ーNとの境界面Qとか、咬頭部R、遠心力のかかりにく
かった先端部Sに多く発生する。
【0006】この鋳巣Pは表面に露出しているわけでは
なく、表面下数十〜数百μmのところに集中して発生す
る。従って、鋳造後の酸洗い、研磨によって表面を1層
除去しても鋳巣Pは表面に現われないないので、研磨跡
の表面の直下に鋳巣Pがあったとしても実際はほとんど
気づかない。そのため、その歯科用補綴物Aをそのまま
口腔内にセットして数カ月経過すると、表面層が摩耗し
て内部にある鋳巣Pが表面に露出してくる。これが原因
で咬合面Rがざらつくようになったり、食物残飯の侵入
等によって変色したりするようになる例は少なくない。
【0007】この鋳巣はその発生要因から3つに大別さ
れており、それを以下に説明する。1つ目はマイクロシ
ュリンクとよばれるものである。鋳造する金属は多くの
結晶の集合体からなっており、凝固する際、それぞれの
結晶は結晶核を中心として木の枝のような形に成長し、
樹枝状晶といわれるものになる。通常の金属では、液体
状態より固体状態のほうが密度が大きくなる(=容積が
小さくなる)ため、凝固時に収縮が起こる。この収縮が
それぞれの結晶内で生じて、樹枝状晶の枝の間に隙間が
できる。これがマイクロシュリンクである。
【0008】2つ目は吸蔵ガスによる気孔である。金属
を鋳造する際、溶融すると液体状態では酸素、水素、窒
素等のガスを吸収し、凝固時にはそのガスを放出する。
放出された大部分のガスは溶湯外に逸散するが、一部の
ガスは逃げきれずに鋳造体内に残留してしまう。これが
気孔となる。比較的大きいものをブローホール、小さい
ものをピンホールと呼んでいる。
【0009】3つ目は空気の巻き込みによる気孔であ
る。これは鋳型内のスプルーからパターン部へと溶湯が
スムーズに流れず、乱流が起こる場合や、鋳型の通気性
が悪くて鋳型内の空気、ガスが逃げきれない場合に生じ
やすい。
【0010】このような鋳巣の発生を抑えるため、従来
は図6(a)、(b)に示すようなスプルーイングFが
開発されている。図6(a)に示すスプルーイングFは
湯だまり型鋳入法と呼ばれる鋳入法で使用される鋳型の
成型に使用されるものであり、スプルーEに大きな球状
の湯だまり部aを設けたものである。
【0011】このスプルーイングFを用いて鋳型Bを作
ると湯だまり部aの焼却跡に大きな空間(湯だまり空
間)ができ、鋳造時にその湯だまり空間に多くの合金が
充填されてパターンDの焼却跡の空間(パターン空間)
への押湯効果が上がるようにしたものである。この結
果、パターン空間に合金が高い圧力で流し込まれて合金
の凝固時の収縮により発生するマイクロシュリンクが低
減する。
【0012】図6(b)に示すスプルーイングFは緩衝
型鋳入法と呼ばれる鋳入法で使用される鋳型の成型に使
用されるものであり、スプルーEの直径を太くすると共
に略C字型に湾曲させたものである。
【0013】これを用いて鋳型Bを作るとスプルーEの
焼却跡のスプルー空間の容積が大きくなり、鋳造時にそ
のスプルー空間に多くの合金が充填されてパターンDの
焼却跡の空間(パターン空間)への押湯不足を解消し
て、マイクロシュリンクを低減させると同時に、鋳型B
内の溶湯空間を流れる溶湯に乱流が発生するのを防止し
て、空気の巻き込みによる気孔の発生を防ぎ、鋳巣の発
生を防ぐものである。
【0014】この他に、歯科用補綴物に鋳巣を発生させ
ないようにするために、前記スプルーイングにおけるパ
ターンD部分を鋳造用の円筒(リング)Jの中心からは
ずし、円筒J内の外周側に位置するように植立させて鋳
型Bを作製し、同鋳型Bに溶湯を流し込んだ際、パター
ンD内の溶湯を早く硬化させるという鋳造方法も試みら
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図6(a)(b)のス
プルーイングFを用いた鋳型で遠心鋳造した歯科用補綴
物は鋳造欠陥(鋳巣、鋳肌粗れ等)に関して大体満足で
きるものとなるが、それでも肉厚の厚いもの、大型のも
の、形状の複雑なものとなると成功率はやや低下する。
しかも、鋳造時に補綴物の合金を圧搾空気とガスのブロ
ーパイプによる混合炎で溶解させた場合は、アーク放電
や高周波等による電気溶解に較べて、その溶湯の温度を
鋳込みに適した温度に合わせるのが難しいため、溶湯を
オーバーヒートさせたり逆に低くさせたりすると鋳造欠
陥を引き起こし易くなり、さらには遠心鋳造法で鋳造し
た場合には特に鋳造欠陥ができ易い。
【0016】また、実際には前記湯だまり法による押湯
効果の引き上げや、緩衝型鋳入法による乱流の防止だけ
では鋳巣の発生を抑えきれず、より高品質の歯科用補綴
物を製作するには、前記湯だまり(ループ)或は湯残り
部分に溜っている多量の溶湯から伝導される熱の影響を
も考慮する必要がある。ところが従来のスプルーイング
Fではスプルー側の溶湯からの熱伝導がまったく考慮さ
れていないので歯科用補綴物Aが均一に固化されず、歯
科用補綴物Aと金属スプルーEとの境界部分Qに鋳巣P
が生じてしまうことがあった。
【0017】特に、肉薄が広範囲に渡っているパターン
Dを使用する場合や、局所的な肉薄のパターンDを使用
する場合には、図6(a)、(b)のようなスプルーイ
ングFを用いて遠心鋳造した場合でも、歯科用補綴物A
には鋳造欠陥である鋳込不足によるなめられVや湯廻り
不足による穴Wが発生することがあった。しかも、前記
湯だまり法や、緩衝鋳入法では、必ずしも期待したほど
の鋳造圧が得られるとは限らず、また、鋳造時の操作や
各工程に十分留意して作業を行わなければならなかっ
た。
【0018】また、先のパターン部分を鋳型(円筒)の
外周よりに位置させたスプルーイングを用いて行う鋳造
方法では、その熱降下が大きい分パターン内の溶湯は早
めに硬化するが、鋳込まれたパターン部が均等に冷却さ
れず、鋳巣がパターン内を移動するだけで十分に問題解
決がされていないばかりか、むしろパターン部の温度差
による金属収縮の不均一から生じる寸法精度のくるいの
問題がある。
【0019】前途のように鋳造欠陥ができた歯科用補綴
物は、可能であれば補修して使用するが、通常は溶解し
て作り直すことが多い。しかし、溶解すると金属に不純
物が混入するなどして金属の品質が低下するので、その
金属を使用して再度歯科用補綴物を鋳造すると前回より
も鋳造欠陥ができ易くなる。また、その分だけ労力が多
くかかり、しかも金属が多少無駄になるのでコスト高に
もなる、とういう問題があった。
【0020】
【発明の目的】本発明は鋳造欠陥の少ない高品質の歯科
用補綴物を鋳造できる鋳型を得るためのスプルー形態を
提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1の
歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態は、図1に示
すように、熱溶解材料で成形された歯科用補綴物の型と
なるパターン1に、熱溶解材料で成形されたスプルー2
が植立され、同スプルー2に熱溶解材料で成形された放
熱具3を取付けてなるものである。
【0022】本発明のうち請求項2の歯科用補綴物鋳造
鋳型成形用スプルー形態は、図1に示すように、請求項
1のスプルー2が2又以上に分岐され、その分岐された
二以上のスプルー2に、熱溶解材料で成形された放熱具
3を取付けてなるものである。
【0023】
【作用】本発明の請求項1のスプルー形態では、図1及
び図2に示すようにスプルー2に熱溶解材料で成形され
た放熱具3が少なくとも1本以上交差させて取り付けら
れているので、そのスプルー形態を用いて歯科用補綴物
鋳造用の鋳型5を作れば、パターン1の焼却跡にパター
ン空間11が、スプルー2の焼却跡にスプルー空間12
が、放熱具3の焼却跡に放熱空間13が形成される。そ
のため図3の鋳型5に金属溶湯を流し込めば、溶湯はス
プルー空間12を通りパターン空間11を充填し、そし
て放熱空間13にも溶湯が流れ込み、鋳込が終了する。
【0024】この時、前記放熱空間13は面積が狭いの
でそこ流れ込んだ溶湯は早目に硬化する。その結果、こ
の部分の溶湯が放熱効果によりいち早く硬化して、余剰
の湯口側の溶湯の熱が放熱空間13の方へ移動して、パ
ターン1側と鋳型5の湯口に残されている溶湯が分断さ
れた状態になり、パターン1はこの湯口側の溶湯の熱の
影響を受けることなく全体が均一に冷却され、余剰熱に
よる鋳造欠陥の発生を少なくすることができる。
【0025】また、先に硬化した放熱空間13は放熱作
用をするために、この放熱空間13と接合しているスプ
ルー空間12内の溶湯がパターン空間11内の溶湯より
先に硬化するため、この部分がパターン空間11側の溶
湯を閉じ込める栓の役目をし、この結果、パターン空間
11側の溶湯の鋳込み圧力が高い状態(栓で仕切られた
ときの状態)に保たれ、パターン空間11内の溶湯が鋳
型5の湯口側の湯残り部と別に硬化するので、パターン
1部分で生じる金属収縮量のみで鋳造欠陥の少ない歯科
用補綴物が得られる。
【0026】更に、本発明の請求項1のスプルー形態で
は、パターン空間11内に充填された溶湯の圧力が大き
くなるためにパターン1の全体的な肉薄によるなめら
れ、部分的な肉薄で湯廻り不足による穴の発生(鋳込不
足による鋳造欠陥の発生)がしにくく、そのスプルー形
態を用いて図3のように歯科用補綴物鋳造用の鋳型5を
形成し、同鋳型5で歯科用補綴物を成形すれば鋳造欠陥
の少ないものとなる。
【0027】更には、パターン1側が湯口側の溶湯の余
剰熱の影響を無視することができるため、鋳造時に温度
の差が生じにくい中央位置にパターン1を位置させるこ
とができるようになり、パターン部の補綴物が均等に冷
却されて収縮率の違いによる寸法精度の低下を防ぐこと
ができる。
【0028】本発明の請求項2のスプルー形態では、図
1、2に示すように二又以上に分岐されているスプルー
2に請求項1と同様な熱溶解材料で成形された放熱具3
を少なくとも1本以上交差させて取り付けてあるので、
そのスプルー形態を用いて図3のように歯科用補綴物鋳
造用鋳型5を成形し、その鋳型5で歯科用補綴物を成形
すれば鋳造欠陥の少ないものとなる。
【0029】この二又以上に分岐されているスプルー2
では、図3に示すように湯口から流し込まれた金属溶湯
がスプルー2の合流部40でほぼ直角に交わるためにス
トレスが生じ、これにより鋳型5内に放熱を助長し、且
つ合流部40からパターン1までのスプルー空間内で溶
湯の流れが早まり、溶湯が余剰の熱を持たずにパターン
空間11内へいち早く鋳込まれる。また、この湯流れ速
度のアップはパターン空間11内に充填される溶湯の圧
力を高める作用があり、これは押湯効果を高めるもので
ある。
【0030】更に、前記スプルー2ではストレート型の
スプルーに較べて金属溶湯の量が増えるため、特に遠心
鋳造を行う場合は、パターン空間11内の溶湯の圧力を
さらに大きくすることができ、大きな内圧を必要とする
大型(例えば金属床)のものや、ストレート型のスプル
ー1本では内圧不足になり易い連結部をもった連続歯パ
ターン(ブリッジ)のものでも、そのスプルー形態を適
宣に分岐させて、或は連続使用して歯科用補綴物鋳造用
鋳型を成形し、その鋳型で歯科用補綴物を成形すれば鋳
造欠陥の少ないものになる。
【0031】
【実施例】本発明の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプル
ー形態の一実施例を示す図1〜図3において、1は患者
の歯型を基に作製した歯科用補綴物のパターン、2は前
記パターン1を植立するスプルー、3は同スプルー2に
交差させて取り付けた細い棒状の放熱具、15は前記ス
プルー2の一端を差込んだ軟性樹脂の支持台である。
【0032】パターン1、スプルー2はいずれもワック
ス或は樹脂等の熱溶解材料で作られる。放熱具3もワッ
クス或は樹脂等で作られるが、それら以外にシャープペ
ンシルの芯のようなカーボン等も使用できる。
【0033】前記放熱具3の形状やスプルー2への取付
け方は図1に示すもの以外であってもよく、例えば、形
状は薄板状、ひれ状等であってもよく、取付け方は、図
4(a)のように棒状のスプルー2の周囲に放射状に突
出するように取付ける等してもよい。
【0034】パターン1とスプルー2とは一体に成形し
てもよく、別々に成形したものを組合わせてもよい。放
熱具3はスプルー2と一体成形することができるが、異
なる材料で別々に作って放熱具3を接着剤でスプルー2
に接着固定するとか、図4(b)に示すように、細い棒
状の放熱具3の長手方向中心部に2本の狭着用突起30
を設け、この突起30間にスプルー2を挟着固定するよ
うにしてもよいし、或は同図(c)に示すように細い棒
状のものを略U字形に折り曲げた形状の放熱具3をスプ
ルー2に挟着固定するようにしてもよい。
【0035】図1〜3に示す放熱具3はいずれもスプル
ー2に交差するように接着固定されるものであるが、例
えば図4(d)に示すように、前記スプルー2と放熱具
3との固着角度を鋳込時の湯流れの方向に対して鋭角に
なるようにし、溶湯の流れを妨げないようにしてもよ
い。
【0036】図1〜3のスプルー2はh形に成形されて
いるが、同スプルー2はそれ以外の形状、例えば、1本
の棒状(ストレート型)とか、3本以上に分岐する(分
岐型)等でもよい。このとき前記h型スプルー2におけ
る合流部40の角度θ(図1)が90°である必要はな
く、色々変化したものであってもよい。
【0037】本発明のスプルー形態を用いて鋳型を作る
には図5に示す従来方法と同様にする。即ち、前記支持
台15を円錐台16の円錐状の受部17に取付け、その
外側に、内周面にリライニング材(アスベストリボン)
18が裏装されているステンレス製の円筒(リング)1
9を、前記スプルー形態を囲むようにしてのせ、この円
筒19内に適性混水比で攪拌された埋没材(例えばクリ
ストバライト)20を充填する。この埋没材20が硬化
したところで円錐台16及び支持台15(金属製スプル
ー使用の場合はスプルーまで抜く)を取り外し、加熱器
で円筒19の外側から熱を加えて埋没材20内のスプル
ー形態のワックスを完全焼却処理をして、このスプルー
形態におけるパターン1の焼却跡にパターン空間11
が、スプルー2の焼却跡にスプルー空間12が、放熱具
3の焼却跡に放熱空間13が成形された歯科用補綴物鋳
造用鋳型5を作製する。
【0038】この鋳型5を用いて歯科用補綴物を鋳造す
るには、同鋳型5を鋳造用の機器にセットして、鋳型5
に圧力を加えながら歯科用補綴物の原料である合金を流
し込む。この時、鋳型5の焼却温度は700℃とし、鋳
込温度は用いる合金の液相点からあまり上がり過ぎない
ように注意する。この鋳込温度が高すぎると溶湯が多量
のガスを吸収してこれが後で鋳巣となってしまう。しば
らくして、鋳型5内の鋳造体が冷えたところで鋳型5を
壊し、鋳造体22を取り出して歯科用補綴物1を金属ス
プルー2から切り離し、最後に歯科用補綴物1の研磨を
する。
【0039】本発明による各種のスプルー形態を用いて
製作された鋳型5を使用して歯科用補綴物を鋳造した場
合の実施例と、それにより得られた歯科用補綴物の鋳造
欠陥の有無、程度等(品質)を表1〜3に示す。表1〜
3における符号の意味は下記の通りである。 全:鋳造される歯科用補綴物1が全体形状であること。 半:鋳造される歯科用補綴物1が半分(咬頭部側だけ)
であること。 A:鋳造された歯科用補綴物1の内部にできる鋳巣の状
態 B:鋳造された歯科用補綴物1の表面の粗さの状態 1:スプルー2がストレート型で放熱具3が無い場合
(従来例)。 2:スプルー2がh型で放熱具3が無い場合(従来
例)。 3:スプルー2がストレート型で、この途中に直径0.
75mmの放熱具3を2本取り付けた場合(本発明)。 4:スプルー2がストレート型で、この途中に直径0.
5mmの放熱具3を2本取り付けた場合(本発明)。 5:スプルー2がh型で、この途中に直径0.75mm
の放熱具3を2本取り付けた場合(図1に示す本発
明)。 6:スプルー2がh型で、この途中に直径0.5mmの
放熱具3を2本取り付けた場合(図1に示す本発明)。 7:スプルー2がh型で、この途中に直径が0.75m
mの放熱具3を複数本取り付けた場合(本発明)。 ○:品質可 △:品質やや不可 ×:品質不可
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【発明の効果】本発明の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用ス
プルー形態を使用した鋳型を用いて歯科用補綴物を鋳造
すれば次のような効果がある。 .鋳造される歯科用補綴物1と金属スプルー2との連
結部に肉厚による鋳造欠陥(鋳巣、鋳肌粗れ等)ができ
にくく、高品質の歯科用補綴物が得られる。 .鋳造される歯科用補綴物1の肉薄による鋳造欠陥
(鋳込不足)が、パターン内圧力が高いため、かなり解
消され、高品質の歯科用補綴物が得られる。 .鋳造される歯科用補綴物1が肉厚、肉薄に関係なく
鋳型5の中央部を積極的に使えるため寸法精度が高く、
高品質の歯科用補綴物が得られる。 .ブローパイプを使用して溶解させた金属溶湯を使用
して鋳造しても、パターン内圧力の高さと余剰熱の影響
を無視できることから鋳造欠陥の発生が少ない、高品質
の歯科用補綴物が得られる。 .このように鋳造欠陥ができにくいので、歩留まりが
向上し、また金属を溶解して作り直すことがことが少な
くなるので、溶解し直すことによる金属の品質低下も生
じにくく、労力の無駄も低減するので、コストも低減
し、高品質で安価な歯科用補綴物が得られる。 .本発明の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態
はスプルー2に放熱具3を取り付けるものであるため、
従来の鋳型成形器具をそのまま使用して容易に実用化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー
形態の一実施例を示す断面図。
【図2】図1のスプルー形態を用いて鋳型を作製してい
る状態を示す断面図。
【図3】図2の鋳型に金属溶湯を流し込んでいる状態を
示す断面図。
【図4】(a)、(b),(c)は本発明の歯科用補綴
物鋳造鋳型成形用スプルー形態に使用する放熱具の各種
例を示す上面図。
【図5】(a)(b)(c)(d)は従来の歯科用補綴
物鋳造鋳型成形用スプルー形態における各工程を示す断
面図。
【図6】来の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形
態における鋳造体の例を示す側面図。
【図7】従来の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形
態で鋳造された鋳造体の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 (歯科用補綴物の)パターン 2 スプルー 3 放熱具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29C 45/27 B29C 45/27

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科用補綴物の鋳造用鋳型の成形に使用
    されるスプルー形態において、熱溶解材料で成形された
    歯科用補綴物の型となるパターン1に、熱溶解材料で成
    形されたスプルー2が植立され、同スプルー2に熱溶解
    材料で成形された放熱具3を取付けたことを特徴とする
    歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態。
  2. 【請求項2】 前記スプルー2が2又以上に分岐され、
    その分岐された二以上のスプルー2に、熱溶解材料で成
    形された放熱具3を取付けたことを特徴とする請求項1
    の歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態。
JP35481791A 1991-12-19 1991-12-19 歯科用補綴物鋳造鋳型成形用スプルー形態 Expired - Fee Related JP2721767B2 (ja)

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