JP2720870B2 - 照明光学装置および露光装置ならびに露光方法 - Google Patents

照明光学装置および露光装置ならびに露光方法

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JP2720870B2
JP2720870B2 JP8168944A JP16894496A JP2720870B2 JP 2720870 B2 JP2720870 B2 JP 2720870B2 JP 8168944 A JP8168944 A JP 8168944A JP 16894496 A JP16894496 A JP 16894496A JP 2720870 B2 JP2720870 B2 JP 2720870B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明光学装置およ
び露光装置ならびに露光方法に関し、特に、エキシマレ
ーザ光等のような可干渉性のビームを用いて好適な照明
光学装置および露光装置ならびに露光方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体製造用露光装置は光源からの露光
光の短波長化による高解像力化が行われている。現在最
も有力な短波長光源はエキシマレーザである。図2は従
来の水銀ランプを(光源としたときに最適に設計され
た)照明系にエキシマレーザ光源を入れた場合の光路を
模式的に示した図である。レーザ光源からのビームLB
は図中の左からオプチカル・インテグレータとしてのフ
ライアイレンズ1にほぼ平行光束となって入射する。こ
のフライアイレンズ1はレチクルRを一様に照明するた
め不可欠なものである。
【0003】さてフライアイレンズ1は、ここでは3つ
のエレメントレンズ1a、1b、1cで構成され、各エ
レメントレンズの射出端側の空間a、b、cに2次光源
(レーザ光の集光スポット)が形成される。それら各点
a、b、cから拡散した光は、コンデンサーレンズ2で
集められ、レチクルRを均一な照度分布で照明する。レ
チクル上のパターンは投影レンズPLによりウェハWへ
投影露光される。又、2次光源a、b、cは投影レンズ
PLの瞳面epに結像されている。
【0004】通常フライアイレンズを構成するエレメン
トレンズの個数は10×10=100個の2次元配列を
しているが、ここではわかり易くするため3個のレンズ
1a、1b、1cを1次元配列で代表して示した。とこ
ろがこの照明系には以下のような問題点があった。すな
わち水銀ランプの場合と異なり、レーザ光をフライアイ
レンズ1に入射すると2次光源a、b、cは非常に高輝
度なスポットとなる。従ってこの2次光源が光路中の光
学部品(レンズ等)に結像(集光)すると、光学部品の
破壊が生じるという問題である。又、レンズの表面等の
極く弱い反射によってでもレチクル近傍に2次光源が結
像すると、それらの光源像がレチクルで反射されウェハ
上に再結像してしまい、ゴーストが生じるという問題も
あった。
【0005】しかしながら、このような問題は、本願出
願人が開発した新たな手法によって簡単に解決できるこ
とが確認された。それは例えば特開昭58−14770
8号公報に開示されているように、フライアイレンズを
2組用いる方法をさらに改良した方法である。この方法
を図3に示す。図に示すように第1のフライアイレンズ
3によってできた2次光源a、b、cからの光を集光レ
ンズ4で集光して第2のフライアイレンズ5に入射させ
ることによってフライアイレンズ5の各エレメントレン
ズ5−1、5−2、5−3の各射出端側に3次光源(ス
ポット光)a1、b1 、c1 を作る。この3次光源は2
次光源より数が増えているので各点の強度は非常に弱く
なっている。
【0006】図3において、第1のフライアイレンズ3
のビームLBの入射側では、各エレメントレンズ(石英
による四角柱のロッド)3a、3b、3cは球面に形成
され、射出端側は平面に形成されていて、2次光源a、
b、cを空間中に作るように定められている。集光レン
ズ4は2次光源a、b、cの夫々からの発散光を有効に
第2のフライアイレンズ5に入射させるために、フライ
アイレンズ5の入射端からレンズ4の焦点(f)距離だ
け離れた位置に配置されるとともに、各2次光源a、
b、cが集光レンズ4の内部に位置しないように2次光
源a、b、cからわずかに離して配置される。フライア
イレンズ5の各エレメントレンズ(石英による四角柱の
ロッド)5−1、5−2、5−3の入射端は曲率R1 の
球面に形成され、射出端は曲率R1 よりも小さな曲率R
2 の球面に形成されており、3次光源a1 、b1 、c1
を空間中に作るように定められる。各3次光源a1 、b
1 、c1 の夫々から発散した光は、図2に示したコンデ
ンサーレンズ2を介してレチクルR上で同時に重ね合わ
され、均一な照度分布が得られる。ここで3次光源a1
、b1 、c1 が作られる面ep’は、投影レンズPL
の瞳epと共役な面であり、同時に2次光源a、b、c
が作られる面とも共役である。
【0007】図4は第2のフライアイレンズ5の射出面
側の平面図であり、フライアイレンズ5のエレメントレ
ンズが、例えば3×3(9個)でマトリックス状に配列
された場合を示す。ここで仮りに第1のフライアイレン
ズ3も、3×3(9個)のエレメントレンズで構成され
ているものとすると、フライアイレンズ5の1つのエレ
メントレンズの射出端側には9個の3次光源が作られ
る。そして1つの2次光源、例えばaは、フライアイレ
ンズ5の9個のエレメントレンズの各射出端面上の同一
位置に3次光源a1 として作られる。従ってフライアイ
レンズ5の射出側には合計9×9(81)個の3次光源
(スポット光)が整列することになる。この図3に示し
た照度分布均一化光学系そのものは本願発明の基礎とな
る技術であって、必ずしも公知ではない。
【0008】図3では、1段目、2段目ともフライアイ
レンズのエレメントレンズの個数を3×3(9個)にし
たが、典型的な例では10×10(100)個程度にす
るとよい。従って2次光源の個数100に対して3次光
源の数は100×100個にまで増え、3次光源の各ス
ポットの強度は1段のフライアイレンズの場合にくらべ
て1/100程度に低減される。
【0009】その結果、破壊、ゴースト等の問題を全て
解決することができる。尚、図3において、フライアイ
レンズ5の入射端に近接してレンズを配置して、光の拡
散による損失を最少にすることも有効である。また瞳共
役面ep’とコンデンサーレンズ2の間で、3次光源a
1 、b1 、c1 に近接した位置に、同様に光の発散によ
る損失を押えるフィールドレンズを設けることも有効で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図3の構成
のものでは、さらに新たな問題点が生ずることが判明し
た。それはスペックルと呼ばれる干渉縞のような細かい
照明ムラが発生することである。図2において、各2次
光源a、b、cの夫々から進んでレチクルR上で互いに
重なり合う光同志は、互いに干渉し合って干渉縞が発生
する可能性がある。これはフライアイレンズ1のエレメ
ントレンズ1a、1b、1cの配列方向のピッチとビー
ムLBの可干渉性とによっておおよそ決まってくる。一
般にエキシマレーザは干渉性が悪く、ビーム径内である
距離以上離れた光同志は互いに干渉しないという特性が
ある。この距離は、フライアイレンズ1のエレメントレ
ンズ1a、1b、1cの配列ピッチよりも短いので、結
局、図2中の2次光源a、b、cの夫々からの光は互い
に干渉しないことになる。
【0011】ところが、図3に示したダブル・インテグ
レータ方式では話が違ってくる。同様の考え方で、図3
中の2次光源a、b、cの夫々から進む光は互いに干渉
しないが、2次光源aから進む光は、第2のフライアイ
レンズ5によって、各エレメントレンズ5−1、5−
2、5−3の各々に3次光源a1 となって集光する。図
3において、例えば第1、及び第2フライアイレンズ
3、5の各エレメントレンズ(ロッド)径が同一で、配
列ピッチの一方向に10個(10×10)が並ぶものと
すると、2次光源aを作るエレメントレンズ3aを通る
ビーム径は第2のフライアイレンズ5に達するとき、約
10倍に拡大されることになる。このことは、先に述べ
た干渉を起さない距離も約10倍に拡大されたことを意
味する。従って、フライアイレンズ5の各エレメントレ
ンズのピッチに対して、その干渉しない距離の方が大き
くなるため、各エレメントレンズ5−1、5−2、5−
3等の射出部にできる3次光源a1 同志は互いに干渉し
てしまうことになる。現実的には、フライアイレンズ5
のうち、互いに隣り合ったエレメントレンズで作られる
3次光源a1 同志、3次光源b1 同志、あるいは3次光
源c1 同志が強い干渉を起こす。
【0012】その結果、レチクルR上にはフライアイレ
ンズ5のエレメントレンズ5−1、5−2、5−3の配
列方向に対応した1次元又は2次元の干渉縞(スペック
ル)を生じ、それはそのまま投影レンズPLを介してウ
ェハW上に転写されることになり、正確なパターン転写
の妨げとなった。
【0013】
【問題点を解決する為の手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1記載の露光装置は、回路パターンが形成
されたレチクルをパルス光で照明するための光源装置
と、該光源装置からのパルス光を入射して2次元に分布
する複数の点光源を生成する第1オプチカル・インテグ
レータと、該第1オプチカル・インテグレータから射出
したパルス光を入射して2次元に分布する複数の点光源
を生成する第2オプチカル・インテグレータと、該第2
オプチカル・インテグレータにより生成された複数の点
光源の各々からの光をパルス照明光として前記レチクル
上に重畳照射する集光光学系とを有し、前記照明された
レチクルの回路パターンの像を感光基板上に投影する露
光装置であって、前記第2オプチカル・インテグレータ
は2次元的に配列された複数の光学エレメントで構成さ
れ、該複数の光学エレメントのうち特定の1方向に並ん
だ光学エレメントの個数をn(nは整数)、前記の回路
パターンの像を感光基板上に露光するのに必要な前記光
源装置からのパルス光の最小パルス数をn以上のNとし
たとき、前記第2オプチカル・インテグレータに入射す
る前記複数の光束を前記パルス数Nの照射の間に半周期
以上揺動させる光学部材を前記第1オプチカル・インテ
グレータと前記第2オプチカル・インテグレータとの間
に設けている。
【0014】請求項2記載の露光装置は、前記第1オプ
チカル・インテグレータが2次元的に配列された複数の
光学エレメントで構成され、前記第1オプチカル・イン
テグレータの前記複数の光学エレメントと前記第2オプ
チカル・インテグレータの前記複数の光学エレメントと
の配列方向を異ならせている。請求項3記載の照明光学
装置は、可干渉性のビームを発生する光源と、該ビーム
を入射して、被照明体に均一な照明分布の光を照射する
照度分布均一化手段とを備えた照明光学装置であって、
前記光源は、前記ビームの断面内の所定の第1方向の空
間的コヒーレンスが前記第1方向とほぼ直交する第2方
向の空間的コヒーレンスより高いビームを発生し、前記
照度分布均一化手段は、前記光源からのビームを入射す
る第1オプチカル・インテグレータと、該第1オプチカ
ル・インテグレータから射出したビームを入射する第2
オプチカル・インテグレータとを有し、前記第1オプチ
カル・インテグレータと前記第2オプチカル・インテグ
レータとの間に、該第2オプチカル・インテグレータに
入射するビームを少なくとも前記第2方向と交差する方
向に揺動させる第1揺動手段を設けている。
【0015】請求項4記載の露光方法は、複数の点光源
を生成する第1および第2オプチカル・インテグレータ
からの光束でマスクを照明し、該マスクのパターン像を
基板に露光する露光方法であって、ビームの断面内の所
定の第1方向の空間的コヒーレンスが前記第1方向とほ
ぼ直交する第2方向の空間的コヒーレンスより高い可干
渉性のビームを前記第1オプチカル・インテグレータへ
照射するステップと、前記第1オプチカル・インテグレ
ータと前記第2オプチカル・インテグレータとの間で、
該第2オプチカル・インテグレータに入射するビームを
少なくとも前記第2方向と交差する方向に揺動させるス
テップとを含んでいる。
【0016】前述の光学部材または第1揺動手段による
光束の揺動角は、レチクルR(又はウェハW)上にでき
る干渉縞を1ピッチ分だけ移動させる程度で十分であ
る。また可干渉性のビームがエキシマレーザ光のように
パルス発光するものでは、揺動角の変化とパルス発光の
タイミングとを同期させるのが効率的である。また連続
発振のレーザビームでは、ことさら同期の必要性はない
が、揺動角の変化率、すなわち被照明体上にできる干渉
縞の縞と直交する方向への移動速度をほぼ一定にすると
均一化の精度が高まる。
【0017】本発明では、パルス発光、連続発光のビー
ムのいずれかを用いて、ある一定時間(パルス発光の場
合は複数パルスを必要とする時間)の間、被照明体を均
一な照度分布で照明する必要のある装置であれば、光加
工装置、アライメント用の照明装置等に広く利用できる
ものである。先に図3を用いて説明した様にスペックル
(干渉縞)は第2フライアイレンズ5による3次光源同
志の干渉によって生じている。そこでレチクルR(又は
ウェハW)を照明する間、第2フライアイレンズ5に入
射する光束の波面を傾けて、フライアイレンズ5の隣り
合ったエレメントレンズにできる3次光源a1 (又はb
1 、c1 )同志に2mπ(m=1、2、3……)の位相
差を与える。言いかえると、隣り合ったエレメントレン
ズに入射する光(波面)に2mπの位相差を与えるこ
と、すなわちmλ(λはビームの波長)光路差を与え
る。スペックルはフライアイレンズのエレメントレンズ
の間隔に対応した周期的な構造をもっており、隣り合っ
た3次光源a1 同志からの光の位相差が変化すると、ス
ペックルは移動し、位相差が2π変化するたびに、スペ
ックルはちょうど1周期分移動し元と同じ状態になる。
【0018】すなわち物体を照明中に連続的、又は段階
的に位相を2πあるいは2mπ変化させると、一定時間
の照明が終了した時点でスペックルは平滑化されてしま
うことになる。ところで実際には、エキシマレーザはパ
ルスレーザであるので、位相の変化は連続的ではなく、
とびとびとなる。しかしパルスの数がある程度より多け
れば連続的な変化と同様な結果を得ることができる。こ
のことを模式的に描いたのが図5である。図5(a)
は、周期的なスペックル(干渉縞)の強度分布を1次元
に模式的に描いたものである。となりあったフライアイ
レンズのエレメントレンズに2π/4ずつ位相差を増し
ながら、エキシマレーザ光の4パルスを被照明体に照射
したときに生じる各パルス毎のスペックルの重なった様
子を示したのが図5(b)である。これを加算(積算)
すると図5(c)の様にスペックルが平滑化されて消え
てしまう。厳密には、ある一定の強度分布にリップル成
分が重畳する。このパルス数は多ければ多い程良いが通
常は数10パルスで十分な効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施例を図
1を参照して説明する。図1において、図3で用いた部
材と同一の機能を有するものには同じ符号をつけてあ
る。図1で、エキシマレーザ光源10を出射したビーム
は、紫外用反射ミラーM1 、M2 、M3、M4 を介して
シリンドリカルレンズを含む光学系11に入射し、断面
形状が長方形のビームLB0 からほぼ正方形なビームL
Bに整形される。そのビームLBは紫外用反射ミラーM
5 で曲折されてビームエクスパンダ15に入射し、所定
のビーム径に拡大された後、図3で示した第1のフライ
アイレンズ3に入射する。
【0020】さて、ここでエキシマレーザ光源10の構
造と発振されるレーザビームの特性との関係について、
図6、図7、図8を参照して説明する。エキシマレーザ
光源は大別すると2つの種類に分けられる。1つは安定
共振器型と呼ばれるもので、図6に示すように誘導放出
を起させる放電管100の両端に2個の共振器用ミラー
102a、102bを配置して共振器を構成している。
この共振器用ミラー(102a、102b)の間を光が
往復することにより、誘導放出された光の振幅が強めら
れてレーザビームLB0 が出射されるが、この型のレー
ザ光源から出射されたレーザビームの特徴は空間的及び
時間的コヒーレンスが低いことである。時間的コヒーレ
ンスが低いということは言いかえると、スペクトルの半
値幅が広い(Δλ≒0.4nm)ということであり、か
かる光源を集積回路製造用の露光装置等に用いるには、
投影レンズPLにおいて色消し(色収差補正)が必要と
なり、この波長領域で実用的なレンズを作ることは困難
である。
【0021】もう一つのタイプのレーザ光源は、インジ
ェクションロック型と呼ばれるものであり、図7のよう
に発振器と増幅器に分かれている。発振器において共振
器用ミラー(102a、102b)が配置されている点
は前述した安定共振型と同様であるが、このタイプでは
発振器内に所定の領域の波長を選択するためのエタロ
ン、回折格子等の波長選択素子(106)が備えられて
いるとともに、放電管100の両端にレーザビームを所
定の領域で遮断するアパーチャー(104a、104
b)が配置されており、発信されるレーザビームのスペ
クトルの半値幅が狭く(Δλ≒0.001nm)、即ち
単色性が向上している。さらに発振されたレーザビーム
はミラー(108)で曲折されて増幅器に入射し、第2
の放電管(110)の両端に凸状面と凹状面を向きあわ
せて配設された不安定共振器用ミラー(112a、11
2b)によって増幅されて出射される。この型のレーザ
光源から出射されるレーザビームの特徴の一つは、発振
器において単色性が高められており時間的コヒーレンス
が高く、投影レンズPLにおいて色消しの必要がないと
いうことである。
【0022】このため、単一の硝材(石英)のみでレン
ズを作ることができ、設計、製造とも容易であるという
利点がある。しかし、インジェクションロック型レーザ
光源のもう一つの特徴として、不安定共振器によって増
幅されているために空間的コヒーレンスが極めて高いと
いうことがあり、かかるレーザ光源を用いると露光領域
に強い干渉縞が生じてしまう。
【0023】そこでそのような不都合を解決するために
開発された新しい型のレーザ光源として、図8に示す様
なものがある。この型のレーザ光源は、前述した安定共
振器型レーザ光源に例えばエタロン、プリズム、回折格
子等の波長幅狭帯化用の波長選択素子114を配設して
あり、出射されるレーザビームのスペクトル幅を狭く
(Δλ≒0.003nm)している。かかるレーザ光源
から出射されるレーザビームの特徴は、波長選択素子1
14を設けたことによって時間的コヒーレンスが向上し
ており、かつインジェクションロッキング型に比べて空
間的コヒーレンスが低いことである。
【0024】以上、3つのレーザ光源を述べたが、本実
施例で用いるレーザ光源10は、波長選択素子、即ち時
間的コヒーレンスを高める手段を備えた図8の安定共振
型レーザ光源とし、投影レンズPLの色収差補正を不要
としている。また、空間的コヒーレンスはインジェクシ
ョンロック型に比べて低くなっているため、かかるレー
ザ光源から出射されたビームにより生じるスペックルの
コントラストは非常に低いものとなっている。
【0025】しかしながら、エキシマレーザ光源から出
射されるビームの断面形状は一般的に縦横比が1:2〜
1:5の矩形をなしており、空間的コヒーレンスは等方
的ではなく、特にビーム断面の長手方向より短手方向に
おいて高くなっている。このため、スペックルはビーム
断面の短手方向に発生しやすく、図1に示したレーザ光
源10から出射されるビームによって生じるスペックル
パターンは、コントラストの低い一次元の干渉パターン
となっており、この干渉縞のピッチ及び配列方向は先に
も述べた通り、強度分布均一化手段として照明系に配設
されるフライアイレンズ等のレンズエレメントの間隔及
び配列方向に対応している。
【0026】再び図1の説明に戻り、ビームエクスパン
ダー15を射出したほぼ正方形断面の平行ビームは図1
のフライアイレンズ3、レンズ4を介して走査ミラー1
7に入射する。本実施例のレーザ光源10は、図8に示
したように、内部に波長選択素子を備えた安定共振器型
のKrFエキシマレーザ光を発振するものとしたので、
ビーム断面の短手方向に関して空間的コヒーレンスが高
く、走査ミラー17によるビームの揺動は、その短手方
向に合わせて一次元に行なわれるものとする。従って本
実施例において走査ミラー17は、シリンドリカルレン
ズを含む光学系11により整形される前のビームLB0
の断面の長手方向、即ち縦方向に振動中心軸が一致する
ように配置され、ガルバノ、ピエゾあるいはねじれ振動
子等の振動源(偏向源)19に接続されている。
【0027】ここで、ビームが振動される方向は常にビ
ームの短手方向と完全に一致させておく必要はなく、ビ
ームの長手方向と交差する方向のうち適宜選択された一
方向であればよい。即ち、走査ミラー17の振動中心軸
の方向は固定的に設定されたものではなく、除去しよう
とするスペックルパターンの状態によって、ビームLB
0 の長手方向と振動中心軸を相対的に45度程度までの
間で適宜傾けることが好ましい。
【0028】また、この実施例においてはビームを所定
回数振動させる構成をとっているが、本実施例において
除去しようとしているスペックル(干渉縞)はコントラ
ストがもともと低いので、必ずしもビームを規則的に往
復するように振動させる必要はない。即ち、1スキャン
の間にウェハW上に形成されたレジスト層(図示せず)
の感度との兼合いで設定される適正露光量を得るだけの
パルスを打ち終るような場合には、走査ミラー17を一
方向に所定量揺動させただけでスペックルを消失できる
ことも想定される。なお、ビームの振動は、レーザビー
ムLB0 の発振に同期させておこなうことが好ましく、
本実施例においては、例えば1スキャンで50パルス程
度となるように条件設定すると良い。
【0029】次に、走査ミラー17によって短手方向に
振られたビームは、レンズ21を通って、第2のフライ
アイレンズ5に入射し、図3で示したように多数の3次
光源(スポット光)として集光した後、発散し、集光レ
ンズ25によって再度集光さ、紫外用反射ミラー27で
曲折されてメイン・コンデンサーレンズ2に入る。メイ
ン・コンデンサーレンズ2によって適度に集光された多
数の3次光源の夫々からの光は、レチクルR上ですべて
重畳され、一様な照度分布となってレチクルRを照射す
る。これにより該レチクルR上の回路パターンが、例え
ば石英からなる投影レンズPLによってウェハW上に投
影露光される。
【0030】ここで、投影レンズPLは片側(ウェハ
側)又は両側テレセントリックであり、第2のフライア
イレンズ5の出射面側にできる3次光源像は、集光レン
ズ25、メイン・コンデンサーレンズ2等によって瞳e
pとほぼ共役となっている。即ち、瞳epには3次光源
の点光源(ビームの収束点)がフライアイレンズ3と5
の夫々のレンズエレメント数の積だけ形成されることに
なる。
【0031】また、レーザ光源10で発振されたビーム
LB0 の長方形断面の長手方向は、本実施例ではフライ
アイレンズ3、5の各エレメントレンズの一方の配列方
向(図1で光軸AXをZ軸とするとY軸方向)に一致す
るように定められている。さらに2つのフライアイレン
ズ3、5の各エレメントレンズの配列も、互いにX方向
とY方向とで一致しているものとするが、必ずしもその
必要はなく、図1に示したフライアイレンズ3とフライ
アイレンズ5とを図の状態から光軸AXを中心に相対的
に回転させておいてもよい。
【0032】次に本実施例の作用、動作について述べ
る。本実施例のレーザ光源10の場合、ビームLB0 の
空間的コヒーレンスが元々低いため、先に図3によって
説明したように、第1のフライアイレンズ3で作られる
2次光源a、b、c同志が互いに干渉しないようにエレ
メントレンズ3a、3b、3cの間隔を設定しつつ実用
的な寸法及び個数でフライアイレンズを製造することが
できる。ところが、第2のフライアイレンズ5では、3
次光源a1 (又はb1 、c1 )同志が互いに干渉しない
ようにエレメントレンズ5−1、5−2、5−3の寸法
を定めると、特にビームLB0 の断面の短手方向と一致
した配列方向に関しては、極端な場合第1のフライアイ
レンズ3の外形寸法の10倍程度の大きさになってしま
う。このようなことは装置構成上、極めて不都合なこと
であり、そのため、3次光源a1 (又はb1 、c1 )同
志による干渉はさけられない。そこで図1に示した走査
ミラー17を揺動させて、フライアイレンズ5の隣り合
ったエレメントレンズで作られる3次光源a1 (又はb
1 、c1 )同志に2mπの間で位相差を与え、図5のよ
うに干渉縞の平滑化を行なう。尚、2次光源a、b、c
同志に干渉性がないとすると、フライアイレンズ5の1
つのエレメントレンズ内に作られる3次光源a1 、b1
、c1 同志にも干渉性がない。 ここで、3次光源に
よる干渉の様子を考えてみると、例えば図9に示すよう
に、フライアイレンズ5の各エレメントレンズ5a、5
b、5c、5d、5e、5f、5g、5hがX、Y方向
に規則的に配列され、レーザ光源10からのレーザビー
ムLB0 の断面の長手方向がY方向と一致している場
合、Y方向に関してはビームLB0 の空間的コヒーレン
スが元々低いために、Y方向に配列されたエレメントレ
ンズ、例えば5a、5d、5gの夫々にできる2次光源
aからの3次光源Aa、Ad、Agは互いに干渉しない
ような条件が成り立つ。ところが、X方向に関しては、
比較的に空間的コヒーレンスが高いために、例えばX方
向に並んだエレメントレンズ5c、5d、5e、5fの
夫々に2次光源aからの光で作られた3次光源Ac、A
d、Ae、Afは互いに干渉してしまう。
【0033】この3次光源Ac、Ad、Ae、Afによ
る干渉も、系の条件によって変化し、例えば隣り合った
2つのエレメントレンズ5c、5dの3次光源Ac、A
dのみが互いに干渉し、3次光源Acに対して2つ以上
離れたエレメントレンズ5e、5fの3次光源Ae、A
fの夫々の間では全く干渉が起らない場合、あるいは3
次光源Ac、Ad、Aeの3つだけが互いに干渉する場
合、さらにはX方向のエレメントレンズの同一位置にで
きる3次光源Ac、Ad、Ae、Afの全てが互いに干
渉する場合等がある。図10は、隣り合った2つのエレ
メントレンズ内の同一位置にできる3次光源のみ(例え
ばAcとAd、AdとAe、AeとAf)が互いに干渉
したときに、レチクルR(又はウェハW)上に生じる干
渉縞の強度分布Fr1 を示し、理論的には正弦波にな
る。
【0034】従ってこのような場合は、互いに干渉し合
う3次光源の位相差がπ(あるいはK=0、1、2、3
……として、2Kπ+π)だけずれるように走査ミラー
17の角度を変えて、レーザ光源10から2パルスを発
振すれば、2パルス目による干渉縞の強度分布Fr2 は
丁度1/2ピッチだけずれることになり、これらを重ね
合わせたものは数学上はフラットな強度分布Fr3 にな
る。しかしながら一般には、X方向に並んだいくつかの
3次光源が相互に干渉し合うため、図5(a)に示した
ような複雑な強度分布になる。ところが、X方向に並ん
だn個の3次光源同志(例えばAc、Ad、Ae、又は
Ad、Ae、Af等)が互いに干渉し合う場合でも、数
学的な解析によれば、n個の3次光源の夫々が2π/n
ずつ位相差を変えるように、すなわちレチクルR上の干
渉縞が、1/nピッチずつ、ピッチ方向に移動するよう
に走査ミラー17の角度変化に同期してnパルスのビー
ムを照射すると、重ね合わされた強度分布をフラットに
できることがわかっている。従ってフライアイレンズ5
のX方向のエレメントレンズの数をnとすると、例えば
走査ミラー17が半周期振動(干渉縞の1ピッチの移動
に相当)する間に同一強度でnパルスを照射すれば、ウ
ェハW上の露光領域に生じた干渉縞による露光むらは消
せることになる。
【0035】ただし、この場合は、走査ミラー17の角
度変化と各パルス光毎の発振トリガーのタイミングとを
極めて正確に保つ必要がある。また別の考え方として、
走査ミラー17が半周期振動する間に、nパルスよりも
十分大きなパルス数で露光を行なうこともできる。先に
も述べたようにフライアイレンズ5のX方向のエレメン
トレンズの数を10とすると、n=10であるので、走
査ミラー17の半周期の振動の間に約50パルス(往復
では100パルス)程度を発振させるものである。この
場合は、走査ミラー17の角度変化と各パルス光毎の発
振トリガーとをそれ程正確に保つ必要がなく、装置化の
点で有利である。また、実験によって、干渉縞の平滑化
のために走査ミラーの半周期中に必要な最小パルス数N
minを求めておき、あるショットの露光に必要な総パ
ルス数がm・Nmin(m=1、2、3……)になるよ
うに各パルス光の光量を調整しておけば、適正露光量の
制御も容易に実現できることになる。
【0036】以上、本実施例では、走査ミラー17をビ
ームLB0 の断面の短手方向(長手方向と直交する方
向)に合わせて1次元のみ振動させたが、これはフライ
アイレンズ5によって作られた3次光源のX方向(ビー
ムLB0 の短手方向)の配列のみによって1次元の干渉
縞が発生するからであって、もし、ビームLB0 の断面
の長手方向(Y方向)に沿って並んだ3次光源同志によ
っても干渉が起る場合は、全く同様の考え方で走査ミラ
ー17を2次元に揺動させればよい。この場合、3次光
源の夫々は、瞳ep上でラスター走査と同様に微小量だ
け同時に位置変化する。また1枚の走査ミラー17を2
次元振動させる代りに、X方向用とY方向用に2枚の走
査ミラーを設けてビームの振動方向を分担させてもよ
い。
【0037】また、本実施例では、レーザ光源10から
射出するビームLB0 の断面の長手方向と、各フライア
イレンズ3、5のエレメントレンズの一方の配列方向
(Y方向)とを一致させたが、これは任意の関係でよ
く、必須の条件ではない。しかしながら、その関係がど
のようなものであっても、走査ミラー17の振動による
ビームの少なくとも一方の揺動方向は、元々のビームL
B0 の断面の長手方向と交差する方向になる。
【0038】次に本発明の第2の実施例を図11を参照
して説明する。図11は、照度分布均一化手段のみを示
し、他の構成は図1のものと同様である。また図1で示
した部材と同一のものには同じ符号を付けてある。本実
施例では、第1のフライアイレンズ3の前にも、ビーム
を揺動させるための走査ミラー16、及びその振動源1
8を設けた点が第1の実施例と異なる。
【0039】本実施例においても、レーザ光源10は内
部に波長選択素子を有する安定共振器エキシマレーザ
(KrF)光源とし、発振されたビームLB0 の断面は
長方形であり、長手方向の空間的コヒーレンスはダブル
・インテグレータによっても干渉縞が生じない程度に低
く、短手方向の空間的コヒーレンスはかなり高いものと
して説明する。
【0040】第1の実施例では、空間中の面SP2 に第
1のフライアイレンズ3で作られた多数の2次光源像
(スポット光)同志は、互いに干渉しないとしたが、条
件によっては干渉することがある。この場合、先に図4
で説明したように、第2のフライアイレンズ5の各エレ
メントレンズ5−1、5−2、5−3の同一位置にでき
る3次光源a1 (又はb1 、c1 )同志は当然互いに干
渉するが、さらに、1つのエレメントレンズ内にできる
3次光源a1 、b1 、c1 同志も互いに干渉することに
なる。
【0041】ここで図11(図3でも同様)からも明ら
かなように、2次光源像ができる面SP2 と3次光源像
ができる面SP3 とは互いに共役である。しかも、第2
のフライアイレンズ5の1つのエレメントレンズは、第
1のフライアイレンズ3の射出側にできた全ての2次光
源像を再結像することになるので、比較的大きな倍率が
かかっている。典型的な例として、フライアイレンズ
3、5の各エレメントレンズの径寸法が等しく、かつ配
列方向の数がともに10個であるとすると、倍率は10
倍になる。
【0042】従って、第1実施例のように、図9で示し
た3次光源Ac、Ad、Ae、Af同志の干渉によるス
ペックルパターンを平滑化するのに必要な走査ミラー1
7の最小の角度変化範囲だけでは、2次光源同志による
干渉の影響が残ってしまうことになる。そこで走査ミラ
ー17の角度変化範囲を、典型的な例として約10倍以
上にすることが考えられる。しかしながら、走査ミラー
17を大きく振ることは、フライアイレンズ5に入射す
る光束の一部がけられる可能性を大きくするため、あま
り好ましいことではない。仮りに、走査ミラー17の大
きな振れ角の始めと終りとでフライアイレンズ5に入射
する光束の一部がけられると、それはそのままウェハW
への適正露光量に対する誤差あるいはスループットの低
下となり、極めて不都合なことになる。
【0043】そこで本実施例では、走査ミラー16によ
って第1のフライアイレンズ3に入射するビームを揺動
させて、2次光源同志の位相差を2mπの間で変化させ
つつ複数のパルス光を照射するようにした。もちろん、
走査ミラー17によるビームの揺動も、第1実施例と同
様に同時に行なわれる。2次光源同志による干渉によっ
てレチクルR(又はウェハW)上にできる干渉縞の様子
は、先に図10を用いて説明したのと全く同じである
が、第1と第2のフライアイレンズ間で、例えば、10
倍の倍率があるため、レチクルR上の干渉縞のピッチ
は、3次光源a1 同志の干渉で作られる干渉縞のピッチ
よりも約10倍大きくなる。従って、例えば第1のフラ
イアイレンズ3の隣り合ったエレメントレンズの2次光
源のみが互いに干渉するような場合は、図12に示すよ
うにピッチの長い正弦波状の強度分布Fr0 と、ピッチ
の短い強度分布Fr4 が重畳した干渉縞が現われる。
【0044】この図12のような干渉縞の場合、走査ミ
ラー16は互いに干渉する2つの2次光源にπの位相差
を与えるように、少なくとも2つの角度位置に振ればよ
い。すなわち走査ミラー16がある角度位置のときに、
走査ミラー17を半周期(又は1周期程度)だけ揺動さ
せつつ、数十パルスの発光を行ない、次に走査ミラー1
6を所定量だけ角度変化(位相差πを与える)させた状
態で、同様に走査ミラー17を半周期(又は1周期程
度)だけ揺動させつつ、数十パルスの発光を行なえばよ
い。
【0045】もちろん、ビームLB0 の空間的コヒーレ
ンスが高くなれば、2次光源a、b、cの3つ以上が互
いに干渉し合うことになるため、それに応じて走査ミラ
ー16の角度変化の割合は細かくなる。このため、走査
ミラー16の角度を一定量だけ変化させては、走査ミラ
ー17を半周期(又は1周期)だけ振ることを繰り返す
ことになる。
【0046】ところで、例えば走査ミラー17の半周期
のうちに50パルス程度の発光を行なうものとすると、
走査ミラー16の角度変化の回数は最低で約10回(フ
ライアイレンズ3のエレメントレンズの干渉方向の数)
必要になることもあり、ウェハ上の1つの領域(1ショ
ット)を露光するのに最低でも50×10=500パル
スが必要になる。このことは適正露光量を考慮して、1
パルスあたりの光量を第1の実施例にくらべて1/5〜
1/10程度に絞って露光することを意味する。エキシ
マレーザ光源の一般的な繰り返し発光周波数は100〜
200Hz程度であるため、1ショットの露光時間は
2.5〜5秒にも及び、スループットの大幅な低下が起
り得る。そこで先にも説明したように、走査ミラー17
の角度変化と各パルス毎の発振トリガーのタイミングと
をなるべく正確に同期させ、走査ミラー17の半周期中
に照射するパルス数を極力小さくするとともに、走査ミ
ラー16の角度変化もなるべく正確に行なうようにす
る。こうすれば図1の実施例とくらべて大幅なスループ
ットの低下は生じない。
【0047】以上、本実施例によれば、空間的コヒーレ
ンスの高いレーザ光源、例えば図7に示したインジェク
ションロック型レーザを用いたとしても良好にスペック
ルパターンを平滑化できる。もちろん、走査ミラー1
6、17をともに2次元に振動させる構成にしておけ
ば、2次元の干渉縞又はランダムなスペックルを良好に
平滑化できる。
【0048】尚、本実施例においては、振動源18、1
9及びレーザ光源10のトリガー回路は、適宜の制御手
段によって同時に周期制御される。次に本発明の第3の
実施例を図13により説明する。図13は1段目のオプ
チカル・インテグレータに石英による四角柱のロッド3
0を用いた場合の照度分布均一化手段の例を示す。レー
ザ光源10からのビームLB0 は適宜の光学系を用いて
集光ビームLB’に変換される。集光ビームLB’は集
光点(スポット)SP0 からわずかに発散した位置でロ
ッド30の入射端に入る。ビームLB’はロッド30の
内部で多重反射を繰り返し、ロッド30の他端から発散
した光となってレンズ4に入射する。レンズ4を通った
光束は走査ミラー17で反射され、空間中の面SP2 に
多数の2次光源となって集光し、そこから再び発散して
レンズ21に入射し、各2次光源からの光はそれぞれほ
ぼ平行光束(互いにわずかに角度が異なる)となって第
2のオプチカル・インテグレータとしてのフライアイレ
ンズ5に入射する。この実施例では、ビームLB’のロ
ッド30内部での多重反射により、1つの集光点SP0
が見かけ上、多数存在するように、面SP2 に再結像さ
れる。
【0049】以上、本発明の各実施例を説明したが、オ
プチカル・インテグレータとしては、1段目を細いオプ
チカル・ファイバーを束ねたバンドルにし、2段目をフ
ライアイレンズにした組み合わせでもよい。またフライ
アイレンズのエレメントレンズはハニカム形状(正六角
形)にして、一体の石英材を加工したものにしてもよ
い。 また、本発明は、図1のような縮小投影型露光装
置だけでなく、均一な照度分布で照明を行なわなければ
ならない装置全般に、そのまま応用できるものである。
さらに、本発明の各実施例では1段目と2段目のオプ
チカル・インテグレータの間で走査ミラーを揺動させる
ものとしたが、2段目のオプチカル・インテグレータの
後にも走査ミラーを設けて所定の周期で振動させてもよ
い。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1および請
求項2記載の発明によれば、光学部材の角度変化と各パ
ルスの発振トリガーとを精密に制御する必要がないの
で、制御が簡単であるという効果を有している。また、
請求項1および請求項2記載の発明によれば、投影光学
系の瞳に形成されるビームスポット像(3次光源)の数
を、オプチカル・インテグレータの2段化によって極め
て多くすることができるため、投影光学系内部の特定の
レンズ素子に極端に大きなエネルギーが集中することが
なく、投影光学系の破損が防止されるという効果もあ
る。請求項3記載の発明によれば、オプチカル・インテ
グレータを2段にして、被照明体上での照度分布を均一
にするとともに、オプチカル・インテグレータを用いる
ことによって生じるスペックルパターン(干渉縞)を良
好に平滑化することができるので、レーザ光のように可
干渉性のあるビームを用いても、ゴースト、スペックル
等のない一様な照明光を得ることができ、微細パターン
の露光、光加工(光CVD等)、アライメント観察等が
極めて高い精度で達成される。
【0051】請求項4記載の発明によれば、1オプチカ
ル・インテグレータと第2オプチカル・インテグレータ
との間で、該第2オプチカル・インテグレータに入射す
るビームを少なくとも第2方向と交差する方向に揺動さ
せているので、スペックルが生じることがなく、ウエハ
のパターンを正確に基板に露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による照明光学装置を投
影型露光装置に適用した場合の構成を示す斜視図。
【図2】従来の装置におけるフライアイレンズと投影露
光系の関係を示す図。
【図3】本発明の基礎となるダブル・フライアイレンズ
の構成を説明する図。
【図4】図3の構成によって得られる光源像(スポット
光)の配列を示す平面図。
【図5】(a)、(b)、(c)はそれぞれ被照明体に
1パルスの照明光で生ずる干渉縞の強度分布、多数パル
スの照明光で平滑化するときの干渉縞の位置移動、及び
平滑後の強度分布を表わす図。
【図6】レーザ光源の代表的な構造を示す図。
【図7】レーザ光源の代表的な構造を示す図。
【図8】レーザ光源の代表的な構造を示す図。
【図9】2段目のフライアイレンズの射出端にできる3
次光源(スポット光)の配列を示す平面図。
【図10】干渉縞の平滑化の様子を説明する図。
【図11】本発明の第2の実施例による照明光学装置の
構成を示す図。
【図12】可干渉性の強いビームをダブル・フライアイ
レンズに入射したときに被照明体上に生じる干渉縞の強
度分布の一例を示す図。
【図13】本発明の第3の実施例による照明光学装置の
構成を示す図。
【主要部分の符号の説明】
1、3、5・・・フライアイレンズ、2・・・コンデン
サーレンズ、10・・・レーザ光源、16、17・・・
走査ミラー、30・・・ロッド、R・・・レチクル、P
L・・・投影レンズ、W・・・ウェハ、LB0 ・・・発
振ビーム

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回路パターンが形成されたレチクルをパル
    ス光で照明するための光源装置と、該光源装置からのパ
    ルス光を入射して2次元に分布する複数の点光源を生成
    する第1オプチカル・インテグレータと、該第1オプチ
    カル・インテグレータから射出したパルス光を入射して
    2次元に分布する複数の点光源を生成する第2オプチカ
    ル・インテグレータと、該第2オプチカル・インテグレ
    ータにより生成された複数の点光源の各々からの光をパ
    ルス照明光として前記レチクル上に重畳照射する集光光
    学系とを有し、前記照明されたレチクルの回路パターン
    の像を感光基板上に投影する露光装置において、前記第
    2オプチカル・インテグレータは2次元的に配列された
    複数の光学エレメントで構成され、該複数の光学エレメ
    ントのうち特定の1方向に並んだ光学エレメントの個数
    をn(nは整数)、前記の回路パターンの像を感光基板
    上に露光するのに必要な前記光源装置からのパルス光の
    最小パルス数をn以上のNとしたとき、前記第2オプチ
    カル・インテグレータに入射する前記複数の光束を前記
    パルス数Nの照射の間に半周期以上揺動させる光学部材
    を前記第1オプチカル・インテグレータと前記第2オプ
    チカル・インテグレータとの間に設けたことを特徴とす
    る露光装置。
  2. 【請求項2】前記第1オプチカル・インテグレータは2
    次元的に配列された複数の光学エレメントで構成され、
    前記第1オプチカル・インテグレータの前記複数の光学
    エレメントと前記第2オプチカル・インテグレータの前
    記複数の光学エレメントとの配列方向を異ならせたこと
    を特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】可干渉性のビームを発生する光源と、該ビ
    ームを入射して、被照明体に均一な照明分布の光を照射
    する照度分布均一化手段とを備えた照明光学装置におい
    て、前記光源は、前記ビームの断面内の所定の第1方向
    の空間的コヒーレンスが前記第1方向とほぼ直交する第
    2方向の空間的コヒーレンスより高いビームを発生し、
    前記照度分布均一化手段は、前記光源からのビームを入
    射する第1オプチカル・インテグレータと、該第1オプ
    チカル・インテグレータから射出したビームを入射する
    第2オプチカル・インテグレータとを有し、前記第1オ
    プチカル・インテグレータと前記第2オプチカル・イン
    テグレータとの間に、該第2オプチカル・インテグレー
    タに入射するビームを少なくとも前記第2方向と交差す
    る方向に揺動させる第1揺動手段を設けたことを特徴と
    する照明光学装置。
  4. 【請求項4】複数の点光源を生成する第1および第2オ
    プチカル・インテグレータからの光束でマスクを照明
    し、該マスクのパターン像を基板に露光する露光方法に
    おいて、ビームの断面内の所定の第1方向の空間的コヒ
    ーレンスが前記第1方向とほぼ直交する第2方向の空間
    的コヒーレンスより高い可干渉性のビームを前記第1オ
    プチカル・インテグレータへ照射するステップと、前記
    第1オプチカル・インテグレータと前記第2オプチカル
    ・インテグレータとの間で、該第2オプチカル・インテ
    グレータに入射するビームを少なくとも前記第2方向と
    交差する方向に揺動させるステップとを含んでいること
    を特徴とする露光方法。
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