JP2720714B2 - コンタクトレンズ消毒器 - Google Patents

コンタクトレンズ消毒器

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JP2720714B2
JP2720714B2 JP4159440A JP15944092A JP2720714B2 JP 2720714 B2 JP2720714 B2 JP 2720714B2 JP 4159440 A JP4159440 A JP 4159440A JP 15944092 A JP15944092 A JP 15944092A JP 2720714 B2 JP2720714 B2 JP 2720714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
消毒器に関し、特に効果的に洗浄・殺菌を行うための洗
浄溶液の温度制御手段を具備するコンタクトレンズ消毒
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコンタクトレンズ消毒器は、たと
えば実開昭58−190617号に記載のように、低温
発熱体を用いたヒーターに通電することによってヒータ
ーの温度立ち上がりは急峻に上昇し、それに伴ってコン
タクトレンズを浸漬した溶液温度も加熱殺菌温度まで連
続的に上昇し殺菌を実施するものであった。この場合の
殺菌温度は約80℃〜約100℃としているのが一般的
であり、また殺菌時のコンタクトレンズの変形を考慮し
て温度管理および加熱時間管理に種々の改善が施されて
いる。
【0003】また、上記のような従来法は加熱殺菌のみ
を目的とするものであるが、特公昭64−1773号に
開示のように、蛋白分解酵素を含有する溶液を用いてコ
ンタクトレンズの洗浄と殺菌を単一工程で行なう方法も
提案されている。
【0004】この従来技術においては、溶液に少なくと
も蛋白分解酵素を含有する洗浄剤を混合し、コンタクト
レンズの洗浄と加熱殺菌を行うものであるが、この従来
技術の場合、溶液の温度上昇が早く殺菌温度への到達時
間が短いため、酵素が早く失活するに至り、そのため洗
浄剤の活性時間が短くなり十分な洗浄が行なわれないと
いう問題点がある。
【0005】本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、洗浄剤の酵素洗浄作用が最大限
に発現されるようにして、洗浄・殺菌をより効果的に行
うことができるようにしたコンタクトレンズ消毒器を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記洗浄剤
を含有する溶液の加熱工程における温度上昇プロセスを
特定のパターンに制御することによって、酵素洗浄剤の
活性時間を可能な限り長くして、酵素洗浄工程の効率化
を図ることによってコンタクトレンズの洗浄効果の著し
く向上させることができることを見出し、本発明を完成
させるに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明によるコンタクトレンズ
消毒器は、洗浄剤を含有する溶液にコンタクトレンズを
浸して密閉するためのレンズケースと、少なくとも前記
溶液を加熱するためのヒーターと、前記ヒーターの制御
回路を有する消毒器本体とを備え、前記制御回路は、コ
ンタクトレンズを浸漬した前記溶液を加熱するに際し
て、前記溶液中の洗浄剤が活性化する温度範囲に溶液温
度を一定時間保持した後に殺菌温度まで上昇させる機能
を有する制御回路であることを特徴とするものである。
【0008】従来のコンタクトレンズ消毒器において
は、溶液温度は、ヒーターに通電後殺菌温度まで連続的
に上昇する。このようなコンタクトレンズ消毒器では、
酵素の失活までの時間がいきおい短くなり、溶液の洗浄
効果を十分引き出すことはできなかった。
【0009】本発明のコンタクトレンズ消毒器において
は、洗浄剤が活性化する温度範囲に溶液温度を一定時間
保持した後に殺菌温度まで上昇させるための制御手段を
有しているので、たとえばヒーターの通電をON/OF
Fすることによって、液温を70℃到達以前、好ましく
は30〜70℃の活性化温度に制御し保持することによ
って酵素洗浄剤が活性化する最適な洗浄温度を生成し
て、洗浄剤の酵素洗浄効果を最大限に引き出すことが可
能となり、したがって洗浄効果を著しく高めることが可
能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1、図2および
図3により具体的に説明する。
【0011】図1の組立断面図に示すように、レンズケ
ース体1内にはコンタクトレンズ3とコンタクトレンズ
3を浸す溶液2を二箇所に充填することができ、キャッ
プ4により各々密閉されている。本体ケース5の内部に
はヒーター7をコントロールする回路6が納められ、そ
の上部にはヒーター7からの熱を遮蔽するための遮熱板
8が固定されている。加熱皿9の裏面にはヒーター7が
取り付けられ、さらにねじ受け足12を垂下し、また外
周にはOリング11が溝にはめられている。加熱皿9は
本体ケース5にはめ込まれ、本体ケース5の裏面よりね
じ受け足12にねじ22で止められ、本体は略防水構造
をなしている。加熱皿9の上部にレンズケース13が載
せられ、上ケース10によって保温できる構造を具備し
てなる。ヒーター7に通電することによってヒーター7
は発熱し、加熱皿9ならびにレンズケース13へと熱伝
導し、溶液2は略100℃の殺菌温度に達しコンタクト
レンズ3の殺菌が行われる。
【0012】図2は、回路6のブロック図である。電源
プラグ14より入力された商用電源は、ダイオード15
により整流されヒーター7に加えられ発熱する。ヒータ
ー7の先には、ヒーター7の通電をON/OFFするス
イッチング素子16が連なっている。一方、ダイオード
15により整流された電圧を直流に安定化させる手段で
あるDCコンバータ17が連なり、さらにDCコンバー
タ17より電源供給を受けた発信回路21と、ヒーター
の制御タイミングを生成する制御波形生成手段である波
形形成手段19および、スイッチング素子16を駆動す
るドライブ回路20へ各々信号伝達されスイッチング素
子16を制御するように構成してあり、ヒーター7を意
図するようにON/OFF制御することができる。ま
た、波形形成手段19によりコンタクトレンズ消毒器の
状態をモニターするランプ26が制御されている。温度
検出手段18は、同様にDCコンバータ17より電源供
給を受け、少なくとも温度検出素子とA/D変換器より
構成し、温度情報を波形形成手段19へ伝達する。この
温度検出手段18については、後に説明を加えるが、洗
浄剤の活性化を図るヒーター制御と直接関係するもので
なく、無くても本発明の目的は達成することができる。
【0013】次に、図3の(a)(c)は、ヒーター7
の通電をON/OFF制御する波形を示すものであり、
図3(b)(d)は溶液2の温度立ち上がりカーブを示
した図である。
【0014】図3(a)(b)は従来例を示すものであ
り、電源投入と同時にヒーター7は連続的にONしてい
る。それに伴って溶液2の温度は連続的に殺菌温度25
まで上昇していく。ヒーター7の通電は一回のものと、
温度の過昇を防止するためその後数回ON/OFFを行
うものがある。この例では、定温発熱体を用いたヒータ
ー7を用いることにより、連続通電で飽和した所要の殺
菌温度25を得ることが可能である。また、連続通電で
殺菌温度25が所要の温度より高い場合は、略所要の殺
菌温度25に到達した後間欠通電を行なえばよく、間欠
通電のON/OFF比率により略一定な所要の殺菌温度
25が達成できる。
【0015】図示した従来例は、連続的に通電したもの
であり、略100℃の殺菌温度25まで連続的に上昇し
ている。したがって、この従来例においては、殺菌温度
到達以前には変曲点は存在していない。
【0016】図3(c)(d)は本発明の一実施例を示
すものであり、具体例は電源投入時から、約4分間ON
/その後約2分間OFF/約5秒間ON、の間欠通電を
数回繰り返す。それに伴って溶液2の温度は、約60℃
まで上昇し間欠通電によって略一定な洗浄温度24が約
15分間持続する。その後、連続的にONし再び温度上
昇が急勾配に転じる点である変曲点23を経て、液温上
昇は急上昇し略100℃の殺菌温度25に達し殺菌する
ものである。略殺菌温度に到達以降はヒーター7の通電
を間欠にして殺菌温度25を約15分持続した後、ヒー
ター7の通電をOFFにする。つまりコンタクトレンズ
消毒器の動作期間はトータル約45分で終了することに
なる。その後液温は降下しコンタクトレンズの装用準備
が整う。洗浄温度および洗浄時間は、電源投入後のON
時間および間欠通電のON/OFF時間、間欠回数の設
定によって任意の設定力何能となる。
【0017】本実施例のコンタクトレンズ洗浄効果につ
いて確認した結果について以下説明する。
【0018】まず、牛血清γ−グロブリン0.2gと卵
製リゾチーム0.1gを生理食塩水100mlに溶解し
人工汚れ液を用意した。この人工汚れ液にCSIソフト
レンズ(セイコーコンタクトレンズ株式会社製)を浸し
て約60℃で30分間処理後、レンズを取り出して40
℃の乾燥機で30分間乾燥させ、これを3回繰り返し、
レンズ表面が白濁した人工汚れを付着したソフトコンタ
クトレンズを調製した。洗浄剤は、バイオクレンエース
及びバイオクレン−2(オフテクス株式会社製)を、従
来例のコンタクトレンズ消毒器及びレンズケースはマイ
クロライザー(セイコーコンタクトレンズ株式会社製)
を使用し、本実施例のコンタクトレンズ消毒器は前記マ
イクロライザーを改良したものを用いた。
【0019】人工汚れの付着したレンズを12個用意
し、20℃の周囲温度中にて各々レンズケースにバイオ
クレンエース2滴とバイオクレン−2約2.5mlとレ
ンズを入れてキャップで密閉し、従来型及び改良型マイ
クロライザー各3台にセットした後マイクロライザーを
動作させた。洗浄効果の評価は人工汚れ付着前・付着後
・洗浄殺菌終了後の各々レンズの280nmの吸光度を
測定し、洗浄力={(人工汚れ付着後−付着前)−(洗
浄殺菌終了後−人工汚れ付着前)}/(人工汚れ付着後
−付着前)×100を求め比較した。その結果従来型で
は、41%、38%、27%、31%、33%、36%
で改良型では、73%、81%、71%、58%、65
%、69%であった。従って本実施例に示した方法の方
が顕著に洗浄効果が高いことがわかる。
【0020】洗浄反応の正確なメカニズムは必ずしも明
確ではないが、酵素洗浄剤がタンパク質を変性しレンズ
表面から除去する活性状態が温度に依存し、温度が高く
なるに連れて活性も高くなるがある特定温度から活性が
低くなると考えられる。さらに高温になると酵素は失活
する。使用する酵素洗浄剤の種類によっても異なるが、
本発明者の知見によれば、洗浄温度は30℃〜70℃の
範囲が好ましい。30℃未満では活性が十分でなく、ま
た70℃を超える温度では活性が低くなるものもあり好
ましくない。また、温度範囲が狭すぎると洗浄温度を制
御する装置側の負担が増加することから、好ましくは4
5℃〜70℃、さらに好ましくは60〜70℃である。
さらに洗浄時間(洗浄温度範囲の保持時間)について
は、洗浄効果が十分得られ且つコンタクトレンズ消毒器
の動作時間をできる限り短くし使用者の利便性の要請に
応える観点から、約20分前後が適当であるが、通常1
0〜30分、より好ましくは10〜16分である。この
ことから、図3(b)に示した従来例においては、仮に
70℃に達するまでの時間をみると7分であるのに対
し、図3(d)に示す本実施例においては20分であ
る。従って従来例では、酵素が失活するまでの時間が早
くまた洗浄剤の活性期間が短くなってしまい、結果的に
洗浄効果が低下することになる。
【0021】一方、本実施例においては、70℃に達す
る時間が長くまた約60℃での保持時間が長いことから
洗浄剤の活性期間が長く、そのため洗浄効果を最大限に
引き出すことが可能となる。本実施例においては、洗浄
温度24を略一定になるよう制御しているが、所要の洗
浄温度に到達後通電をOFFし温度降下するよう制御し
てもよく、また電源投入時から間欠通電により温度上昇
を徐々に上昇させるよう制御してもよい。すなわり、本
発明においては、洗浄剤が活性状態にある時間を長くし
洗浄効果を高める点に特徴を有するものであり、最も好
ましい態様は、洗浄効果を高め、しかも洗浄時間を短く
するために活性化温度において洗浄温度を略一定に保つ
方法である。
【0022】従来のコンタクトレンズ消毒器において
は、実開昭58−190617号に記載のようにヒータ
ーを制御する回路は、ヒーターを周囲温度に無関係に電
子タイマーにより一定時間通電した後OFFする機能で
あったため、周囲温度によって溶液の温度は影響を受け
やすいのが一般的であり、低温中で用いた場合、溶液の
所要温度は低くなり、逆に高温中においては所要温度が
高くなる。そこで、一例として、20℃の環境中で洗浄
温度を約40℃10分間と約65℃10分間の2段階と
した場合、環境温度が0℃と40℃中においてはそれぞ
れ環境温度の影響を受け洗浄温度は、0℃中では約15
℃と50℃となり40℃中では約65℃と80℃にな
る。この場合、2段階の洗浄温度を設定すれば環境条件
に対してもどちらかの洗浄温度が洗浄効果を高めること
ができ、耐環境性を高めることができるという効果を奏
する。
【0023】また、ヒーターの通電の制御によっては、
液温を周囲温度に左右されることなく、略同一な所要温
度とする事が可能である。この場合の実施例を図4〜7
に基いて説明する。ここでは、殺菌温度について説明す
るが洗浄温度の制御についても同様の方法が可能であ
る。本実施例では、温度検出手段18は回路6の基板上
に実装されており、周囲温度を測定してそれに応じたヒ
ーター制御をし、所要温度を周囲温度の影響を受けず略
一定にする方法であるが、その他にも例えば、直接液温
を測定する、あるいは加熱皿の温度を測定し、各々の被
測定物が所要温度になるようにヒーターを制御する方法
も適用可能である。
【0024】図4は、波形形成手段19にマイクロプロ
セッサを用いそのプログラムを示す流れ図である。電源
プラグ14を商用電源へ入力すると同時にプログラムは
スタートし、まず回路が正常に機能していることを示す
ランプ点灯30を行う。次に温度検出手段19より周囲
温度読み込み33を行い、10℃以下・10℃〜20℃
・20℃〜30℃・30℃以上に分岐する。各々の分岐
温度に応じて、ヒーターのON/OFF時間とタイミン
グを変え、ヒーター制御A37〜ヒーター制御F42を
対応させるものである。このような方法により、冬〜夏
の周囲温度に対して所要温度は略同一な液温が得られる
ことになる。本実施例では、4パターンの制御波形とし
たが読み込んだ温度に応じて、きめ細かく制御波形を変
えることも可能である。この場合、一層所要温度を一定
にすることが可能となる。次に、ヒーター制御終了直後
は、レンズケースが高温となっており火傷のおそれがあ
るため、例えば一定時間ランプ点滅43を行い危険を促
し、ある程度冷えた後ランプ消灯44を行い一連の動作
を終了する。ランプの点滅動作はなくてもよく、ヒータ
ーの通電制御を完了した時点でランプを消灯してもよ
い。
【0025】以上述べた動作を制御波形と液温上昇カー
ブで具体的に説明する。図5は本発明の一実施例を示
し、図5(a)は周囲温度20℃におけるヒーター制御
B38の制御波形55を示す図であり、図5(b)は周
囲温度40℃におけるヒーター制御D40の制御波形5
6を示す図、図5(c)は溶液2の液温上昇カーブを示
す図である。実線は前記図5(a)の制御波形55によ
る液温上昇カーブ57、同様に波線は前記制御波形56
による液温上昇カーブ58を示す図である。
【0026】制御波形55、制御波形56は第一に一定
時間ONする連続ON期間60と、OFF/ONを複数
回繰り返す間欠波形部61とからなる。連続ON期間6
0の立ち上がり部近傍に細かくON/OFF(ON:O
FFは1:25〜40の範囲が好ましい)を繰り返して
もよく、この場合ヒーターの突入電流が押えられるとい
う効果もある。
【0027】連続ON期間60の液温は連続的に上昇し
殺菌温度64まで達し、間欠波形部61で略一定温度を
保っている。これは、連続ONした場合の溶液2の飽和
温度(実施例では25℃の周囲温度で約120℃の設定
となっている)より低い所に殺菌温度を設定すれば間欠
波形で所要温度が保てることになる。溶液2は周囲温度
が高ければ温まり易くなるため、ヒーター7の通電時間
は短くて良く、従って制御波形55と制御波形56とで
は、周囲温度の高い制御波形56の方が、連続ON期間
60と間欠波形部61のON時間を短くでき、温度上昇
カーブ57と温度上昇カーブ58の殺菌温度64を略同
じにすることが可能になる。
【0028】このように、高温下における例とは逆に低
温下では、連続ON期間60と間欠波形部61のON時
間は長く設定すればよいことになる。以上のように、ヒ
ーターの通電を制御することにより、周囲温度に左右さ
れる事なく溶液2の所要温度を略同一にすることが可能
になる。制御波形について具体的に説明すると、20℃
中では連続ON期間60の時間は12分で間欠波形部6
1はON22秒/OFF38秒であり、図5(b)の4
0℃中では、連続ON期間60の時間は9分であり、間
欠波形部61はON14秒/OFF46秒である。この
場合、周囲温度と連続ON時間60及び間欠波形部61
の時間設定は略比例関係にある。
【0029】本実施例では、周囲温度20℃と40℃に
ついてのみ述べたが広い周囲温度範囲についての殺菌温
度64をグラフにしたものを以下に説明する。
【0030】図6は、一実施例の商用電源100Vにお
ける液温の飽和温度と周囲温度の関係を示す図であり、
殺菌温度カーブ71は制御波形を一つで行なった場合を
示す。この場合、周囲温度の影響をうけ低温中では飽和
温度は低く、高温中では殺菌温度は高くなる。これに対
し、殺菌温度カーブ70は、周囲温度に対応した制御波
形を選んだ場合を示し、10℃、20℃、30℃の部分
において、鋸状の段が発生しているが全体としては略一
定な殺菌温度となる。また、分岐温度を細分化していけ
ばさらに平滑なカーブが得られることになる。
【0031】また、従来のコンタクトレンズ消毒器のレ
ンズケースは、実開昭58−190617号に記載のよ
うに、コンタクトレンズと溶液を収容し裏面が平面をな
すレンズケースを、商用電源を用いて加熱するヒーター
と上面が平面をなし裏面にヒーターを固着した加熱皿を
有する消毒器本体の加熱皿に載置し、ヒーターの発熱を
加熱皿およびレンズケースに熱伝導し溶液を加熱してコ
ンタクトレンズを滅菌消毒するものであった。従来技術
においては、加熱皿にレンズケースを載置し、加熱皿か
らレンズケースへの熱伝導する場合、両者の接触面の平
面度および反りにより熱伝導が悪くなり所要温度の到達
時間および温度のばらつきが大きかった。そこで、加熱
皿上面とレンズケース裏面に各々対応する凹凸を設ける
ことによって両者の接触表面積を増大させることによっ
て、加熱皿からレンズケースへの熱伝導を一層良好なも
のにすることができる。
【0032】図7は、レンズケース13と加熱皿9の載
置状態を示す拡大断面図である。レンズケース13の裏
面には鋸刃状に連続した三角山を設け、一方加熱皿9の
上面にも前記レンズケース13の裏面同様の三角山が設
けてあり、両者の山と谷が密着する。また、本実施例は
鋸刃状の例であるが、スパイラル状あるいは同心円状で
もよく、また三角山でなくてもよく角、台形、円弧等で
あってもよいが、望ましくは、加工が容易な三角山を同
心円状にしたものである。本発明のこの好ましい態様に
よれば、レンズケース裏面と加熱皿上面が各々対応する
凹凸を設けて、平面より接触表面積を増大させることに
より、熱伝導を高めて所要温度の到達時間および温度分
布のばらつきの発生を防止することができるため、レン
ズの加熱し過ぎによる変形といった不具合を低減した消
毒器を提供することができる。
【0033】以上述べてきた洗浄と加熱殺菌工程を同一
加熱工程中に行なう方法において対象となるのは、ソフ
トコンタクトレンズのみでなくハードコンタクトレン
ズ、入れ歯等の洗浄器としても利用可能である。このと
き洗浄工程以降の加熱殺菌工程を省いてもかまわない。
【0034】以上の通りであって、本発明によれば、洗
浄剤が活性化する温度に一定時間保持した後、殺菌温度
まで上昇させる制御手段を有することによって、洗浄最
適温度および時間の設定を容易にし、洗浄剤による洗浄
効果を高めることができるというすぐれた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構造を示す組立断面図であ
る。
【図2】回路を表すブロック図である。
【図3】(a)は従来例のヒーターを制御する波形を示
す図である。 (b)は従来例の溶液の温度立ち上がりカーブを示す図
である。 (c)は一実施例のヒーターを制御する波形を示す図で
ある。 (d)は一実施例の溶液の温度立ち上がりカーブを示す
図である。
【図4】マイクロプロセッサーの動作を表わすフローチ
ャート図である。
【図5】(a)は一実施例の周囲温度20℃におけるヒ
ーター制御波形を示す図である。 (b)は一実施例の周囲温度40℃におけるヒーター制
御波形を示す図である。 (c)は一実施例の溶液の液温上昇カーブを示す図であ
る。
【図6】一実施例の商用電源100Vにおける液温の飽
和温度と周囲温度の関係を示す図である。
【図7】レンズケースと加熱皿の載置状態を示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
2 溶液 3 コンタクトレンズ 5 本体ケース 6 回路 7 ヒーター 9 加熱皿 13 レンズケース 23 変曲点 24 洗浄温度 25 殺菌温度

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素系洗浄剤を含有する溶液にコンタクト
    レンズを浸して密閉するためのレンズケースと、 少なくとも前記溶液を加熱するためのヒーターと、 前記ヒーターの制御回路を有する消毒器本体と、を備え
    前記制御回路は、コンタクトレンズを浸漬した前記溶液
    を加熱するに際して、前記溶液中の酵素系洗浄剤が活性
    化する温度範囲に溶液温度を一定時間保持した後に殺菌
    温度まで上昇させる機能を有する制御回路であることを
    特徴とする、コンタクトレンズ酵素洗浄消毒器。
  2. 【請求項2】溶液温度が70℃に到達する以前にヒータ
    ーへの通電をON/OFFさせるための手段を具備す
    る、請求項1に記載のコンタクトレンズ酵素洗浄消毒
    器。
  3. 【請求項3】溶液の温度が30℃〜70℃の間で変曲点
    を経て殺菌温度に到達させる制御手段を有する、請求項
    1に記載のコンタクトレンズ酵素洗浄消毒器。
  4. 【請求項4】周囲温度を検出する温度検出手段を備え、
    周囲温度に応じてヒーターの制御波形を変化させる手段
    を有する、請求項1に記載のコンタクトレンズ酵素洗浄
    消毒器。
  5. 【請求項5】前記レンズケース裏面の凹凸と、ヒーター
    からの放熱をレンズケースに伝導するための加熱皿の上
    面の凹凸を対応させてなる、請求項1に記載のコンタク
    トレンズ酵素洗浄消毒器。
  6. 【請求項6】前記酵素系洗浄剤が活性化する前記溶液温
    度が実質的に一定に保持されるようにした、請求項1に
    記載のコンタクトレンズ酵素洗浄消毒器。
  7. 【請求項7】前記酵素系洗浄剤の活性化温度が30〜7
    0℃である、請求項6に記載のコンタクトレンズ酵素洗
    消毒器。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のコンタクトレンズ酵素洗
    消毒器と、コンタクトレンズを洗浄・殺菌するための
    酵素系洗浄剤を含有する溶液とを組み合わせてなる、コ
    ンタクトレンズ酵素洗浄消毒キット。
  9. 【請求項9】前記酵素系洗浄剤が、蛋白質分解酵素を含
    有する酵素洗浄剤である、請求項に記載のコンタクト
    レンズ酵素洗浄消毒キット。
  10. 【請求項10】酵素系洗浄剤を含有する溶液を用いてコ
    ンタクトレンズを洗浄・殺菌するに際して、 コンタクトレンズを浸漬した前記溶液を、該溶液中の
    素系洗浄剤が活性化する温度範囲に溶液温度を一定時間
    保持した後に殺菌温度まで上昇させるようにしたことを
    特徴とする、コンタクトレンズ洗浄消毒方法。
  11. 【請求項11】溶液温度が70℃に到達する以前に溶液
    温度を実質的に一定に保持する、請求項10に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】溶液の温度が30℃〜70℃の間で変曲
    点を経て殺菌温度に上昇させるようにした、請求項10
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】周囲温度を検出し、検出した周囲温度に
    応じてヒーターの制御波形を変化させるようにする、請
    求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記酵素系洗浄剤が活性化する前記溶液
    温度に実質的に一定に保持する、請求項10に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】前記酵素系洗浄剤の活性化温度が30〜
    70℃である、請求項14に記載の方法。
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