JP2720288B2 - ガス放電表示管 - Google Patents

ガス放電表示管

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JP2720288B2
JP2720288B2 JP6041895A JP4189594A JP2720288B2 JP 2720288 B2 JP2720288 B2 JP 2720288B2 JP 6041895 A JP6041895 A JP 6041895A JP 4189594 A JP4189594 A JP 4189594A JP 2720288 B2 JP2720288 B2 JP 2720288B2
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聰 渡辺
文男 中島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス放電表示管に係
り、特に、気密容器内に陰極と陽極を放電間隙を隔てて
対向配置すると共に、該気密容器内に紫外線放射ガスと
蛍光体を封入して成るガス放電表示管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス放電表示管の一例として、図
15に示す偏平型ガス放電表示管70がある。このガス
放電表示管70は、一面に複数本の帯状陰極72を並設
した平板ガラス等の絶縁材からなる背面基板74と、一
面に複数本の帯状透明陽極76を並設した平板ガラス等
の透明絶縁材よりなる前面基板78とを、陰極72と透
明陽極76とが所定の間隙を隔てて交差するよう配置
し、両基板周縁を封着材によって封止して気密容器80
となし、該気密容器80の内部空間に紫外線放射ガスと
してのXeを含む放電ガスを封入してなる。
【0003】上記内部空間は、前面基板78の対向面に
格子状に形成された前面側バリアリブ82を介して均等
に区切られ、陰極72と透明陽極76との交差部分毎に
放電セル84が形成される。また、前面側バリアリブ8
2の端面には、スペーサ86が所定の間隔をおいて形成
されており、その結果、前面側バリアリブ82と背面基
板74の表面との間には、スペーサ86の高さに相当す
る高さを備えた間隙88が形成される。各放電セル84
は、この間隙88を介して連通される。また、上記背面
基板74の表面や前面側バリアリブ82の側面には、所
望の発光色に対応した蛍光体90が塗布されている。上
記陰極72は、図示は省略したが、Ag・Pd(銀・パ
ラジウム)ペースト等よりなる陰極基体の表面に、エミ
ッタ物質をプラズマ溶射法によって被着させて成る。こ
のエミッタ物質は、放電開始電圧を低下させると共に、
耐スパッタ性を向上させるために被着されるものであ
る。
【0004】しかして、上記透明陽極76と陰極72間
に選択的に直流電圧を印加することにより、所望の放電
セル84において放電が生成され、該放電によって発生
した紫外線が蛍光体90を励起し、該蛍光体90の種類
に応じた発光色を備えた光が、透明陽極76及び前面基
板78を透過して外部に放射される。この結果、表示面
としての前面基板78に任意の文字や図形等が表示され
る。なお、間隙88を介して、各放電セル84間のイオ
ンの流通が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記エミッタ物質とし
ては、希土類元素の六硼化物であるLaB(六硼化ラ
ンタン)が、放電特性や耐スパッタ性等の観点から優れ
ており、上記従来例においても、LaBを主体として
含む物質が採用されている。
【0006】ところが、上記構成のガス放電表示管にあ
っては、時間の経過に伴い、その輝度が低下したり、場
合によっては発光色が変化するといった問題が生じる。
発明者達は、この原因を究明するため種々検討を重ねた
結果、紫外線放射ガスであるXeが、エミッタ物質を構
成するLaBに次第に吸着されてしまう事実を、XM
A(X線マイクロアナライザ)を用いて実証した。すな
わち、Xeの量が減少し、紫外線の発生量が低下するた
め、蛍光体からの発光量自体が減少し、表示管の輝度低
下が生じるのである。なお、発光色が変化する場合があ
るのは、Xeの減少に伴って蛍光体発光が減少した分、
封入ガス中の他の成分(例えばArやNe等)の影響力
が強まるためである。
【0007】この発明は、上記従来例の欠点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、時間の経
過に伴ってXeが減少することがなく、したがって輝度
の低下や発光色の変化が生じることのないガス放電表示
管を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、発明者達は、LaBと同等の優れたエミッタ特性
を備えると共に、紫外線放射ガスであるXeを吸着する
ことのない物質を求めて実験を重ねた結果、GdB
(六硼化ガドリニウム)が上記条件に合致することを
見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明に係るガス放電表示管は、一面に複数の透明
陽極を形成した透明絶縁材よりなる前面基板と、一面に
陰極引出パターンと、該陰極引出パターンの表面を被覆
する陰極保持層と、上記陰極引出パターンの表面に立設
され、基端部が上記陰極保持層内に該陰極保持層と密着
して埋没すると共に、先端部が該陰極保持層外に突出し
てなる複数の柱状陰極を形成した絶縁材よりなる背面基
板とを、各基板の電極同士が所定の間隙を隔てて対向す
るよう配置し、両基板の周縁を封止して気密容器と成
し、該気密容器内に少なくともXe(キセノン)を含有
した放電ガスを封入してなり、また、上記陰極保持層の
表面における柱状陰極の周辺部分に溝を形成すると共
に、少なくとも上記陰極保持層表面における柱状陰極の
先端部周辺部分に蛍光体を被着し、さらに、上記柱状陰
極の少なくとも先端部表面にGdB(六硼化ガドリニ
ウム)を含むエミッタ物質が露出するよう構成したこと
を特徴とする。
【0009】上記陰極保持層の表面に、複数の孔部を備
えた背面側バリアリブを形成し、該孔部内に上記柱状陰
極の先端部が配置されると共に、該孔部の孔径が上記陰
極保持層側から前面基板側に向けて漸次拡大するよう構
成してもよい。また、上記柱状陰極全体を、GdB
含むエミッタ物質によって構成してもよい。
【0010】上記エミッタ物質として、例えば、GdB
にBaAl(アルミン酸バリウム)を混合した
物質を用いるの望ましい。
【0011】
【作用】エミッタ物質を、LaBを主体として含む物
質の代わりに、GdBを含む物質によって構成したた
め、紫外線放射ガスであるXeがエミッタ物質に吸着さ
れることがなくなり、ガス放電表示管の輝度及び発光色
は、極めて安定したものとなる。また、GdBは、L
aBと同じ希土類元素の六硼化物に属するため、Gd
によってエミッタ物質を形成しても、表示管として
の特性(放電開始電圧や耐スパッタ性等)に遜色はな
い。
【0012】また、本発明は、上記のように、陰極形状
を柱状とすると共に、該柱状陰極の先端部が陰極保持層
外に突出するよう構成することにより、放電に寄与する
陰極の表面積を拡大することができる。この結果、広い
範囲において放電が生成され、紫外線の発生量が増加し
て表示輝度の向上が図れる。
【0013】さらに、柱状陰極の基端部は、陰極保持層
内に該陰極保持層と密着して埋没しているため、陰極保
持層によって確実に保持され、単に陰極引出パターンの
表面に柱状陰極の底面を接続する場合に比べ、陰極引出
パターンへの接続強度は格段に高くなり、容易に抜け難
いものとなる。また、陰極保持層の表面における柱状陰
極の周辺部分に溝を形成したため、陰極保持層の表面に
被着させた蛍光体が該溝内に流れ込み、柱状陰極の付根
部分における蛍光体の厚さを十分確保することができる
と共に、この溝により蛍光体の無秩序な流れが規制され
る。
【0014】陰極保持層の表面に形成された背面側バリ
アリブの孔部内に柱状陰極の先端部を配置すると共に、
該孔部の孔径が陰極保持層側から前面基板側に向けて漸
次拡大する、いわゆる漏斗状に形成することにより、放
電により生じた光を前面基板側に効率的に反射・集光さ
せることができ、表示輝度のさらなる向上が達成でき
る。
【0015】上記BaAlは、仕事関数が小さく
放電開始電圧を低下させる働きが顕著であるが、それ自
体導電性に欠ける。そこで、導電性を有するGdB
に、このBaAlを混ぜてエミッタ物質を構成
することにより、より優れたエミッタ特性を実現でき
る。
【0016】
【実施例】以下にこの発明に係るガス放電表示管の実施
例を、添付図面に基づいて説明する。図1は、偏平型の
ガス放電表示管を示す概略断面図である。この第1のガ
ス放電表示管10は、平板ガラス等の絶縁材よりなる背
面基板12と、同じく平板ガラス等の透明絶縁材よりな
る前面基板14を、所定の間隙を隔てて対向配置し、両
基板周縁を低融点ガラス等の図示しない封着材を介して
気密封止して外囲器16を形成し、該外囲器16の内部
空間に放電ガスを封入することを基本構成とする。この
放電ガスは、紫外線放射ガスとしてのXeに、He,A
r,Ne等を混合したものよりなる。
【0017】上記背面基板12の対向面には、該背面基
板12の部分斜視図である図2に示すように、Ag・P
d系ペースト等よりなる帯状の陰極引出パターン18
が、複数列並設されている。また、各陰極引出パターン
18の上面には、GdBとBaAlを約2:1
の割合で混合したエミッタ物質よりなる円筒形の柱状陰
極20が、一定の間隔をおいて複数本立設されている。
この柱状陰極20は、その基端部20aが、背面基板1
2の対向面及び陰極引出パターン18上を覆う陰極保持
層22内に埋没していると共に、その先端部20bは、
該陰極保持層22外に突出している。この陰極保持層2
2は、ガラス等の絶縁材によって構成されている。
【0018】上記前面基板14の対向面には、該前面基
板14の部分斜視図である図3に示すように、NESA
膜(SnO)やITO膜(In・SnO)等
よりなる帯状の透明陽極24が複数本並設されている。
また、各透明陽極24間を仕切る第1の隔壁26aと、
各透明陽極24を長さ方向に所定の間隔で区切る第2の
隔壁26bを備えた格子状の前面側バリアリブ26が形
成されている。この前面側バリアリブ26は、ガラス等
の絶縁材によって構成されている。さらに、前面側バリ
アリブ26の第1の隔壁26aと第2の隔壁26bとの
交点部分には、ガラス等の絶縁材よりなるスペーサ28
が形成されている。
【0019】図1に示すように、背面基板12と前面基
板14は、それぞれの対向面に形成された陰極引出パタ
ーン18と透明陽極24が所定の間隙を隔てて交差し、
かつ、前面基板14の対向面に形成された前面側バリア
リブ26の第1の隔壁26a及び第2の隔壁26bによ
って柱状陰極20間が区画されるよう配置されている。
この際、前面側バリアリブ26に形成された各スペーサ
28の端面は、背面基板12の陰極保持層22の表面に
当接される。また、各柱状陰極の先端部20bは、所定
の間隙を隔てて透明陽極24と対向する。この結果、各
柱状陰極20毎に、第1の隔壁26a、第2の隔壁26
b、前面基板14、陰極保持層22によって囲繞された
放電セル30が形成される。
【0020】各放電セル30における柱状陰極の先端部
20b近傍には、所望の発光色に対応した蛍光体32が
被着される。該蛍光体32は、より正確には、陰極保持
層22の表面における柱状陰極の先端部20b周辺部
分、スペーサ28の側面部分、前面側バリアリブの第1
の隔壁26a及び第2の隔壁26bの下方部分(陰極保
持層22の近傍部分)に被着されている。なお、スペー
サ28の側面部分、前面側バリアリブの第1の隔壁26
a及び第2の隔壁26bの下方部分への蛍光体の被着
は、図3の状態(前面基板14を下にした状態)におけ
るスペーサ28、第1の隔壁26a及び第2の隔壁26
bに対して、それぞれの端面の横幅よりも若干幅広いパ
ターンで蛍光体塗料を印刷し、はみ出た蛍光体塗料を自
然に側面に垂れ下がらせることによって実現される。
【0021】しかして、図示しない電源より、透明陽極
24及び柱状陰極20間に直流電圧を印加すると、放電
セル30内で放電が生成し、紫外線が発生する。この紫
外線が放電セル30内の蛍光体32を励起し、所定の発
光色を有する光が透明陽極24及び前面基板14を透過
して外部に放射される。この電圧印加を、図示しない制
御・駆動回路を介して選択的に実行することにより、所
望の放電セル30において放電発光を生成させ、前面基
板14上に任意の文字や図形を表示することができる。
【0022】ところで、従来の偏平型ガス放電表示管の
場合、図15に示したように、陰極形状が偏平な帯状を
成しており、その厚さも比較的薄く形成されているた
め、放電セル内の限られた部分でしか放電が生成し得
ず、表示の輝度が不十分となる欠点があった。これに対
し、本実施例に係る表示管においては、柱状の陰極を用
いると共に、該柱状陰極の先端部20bが陰極保持層2
2外に突出しているため、その頂面のみならず側周面も
放電に寄与することとなる。したがって、放電によって
発生した紫外線は、陰極保持層22表面に被着された蛍
光体32にも十分照射されるため、極めて高輝度な表示
が可能となる。このように、陰極保持層22表面に被着
した蛍光体32を放電発光に有効に利用できるため、蛍
光体32の被着面積を広く確保することができる。
【0023】図4に示すように、柱状陰極の基端部20
aは陰極保持層22に密着し、該陰極保持層22によっ
て確実に保持されている。したがって、単に陰極引出パ
ターン18の表面に柱状陰極20の底面を接続する場合
に比べ、陰極引出パターン18への接続強度は格段に高
くなり、容易に抜け難いものとなっている。このため、
放電セル30の細密化に対応して柱状陰極20を細く形
成しても、十分な接続強度を確保できる。また、陰極保
持層22の表面における柱状陰極20の周辺部分は、図
示の通り窪んでおり、柱状陰極20との間に溝34が形
成されている。したがって、図5に示すように、陰極保
持層22の表面に被着させた蛍光体32が該溝34内に
流れ込む。この結果、柱状陰極20の付根部分における
蛍光体32の厚さを十分確保することができる。また、
この溝34が蛍光体32の無秩序な流れを規制する役割
も果たしている。
【0024】上記のように、前面側バリアリブ26上に
形成されたスペーサ28の端面が陰極保持層22の表面
に当接しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁
26bの各端面と陰極保持層22との間には、スペーサ
28の高さに相当する間隙35が形成される(図1)。
したがって、この間隙35を介して各放電セル30間で
イオンの流通が確保される。なお、柱状陰極の先端部2
0bの突出高さに比して、この間隙35の高さが十分小
さく、しかも上記放電によって発生するスパッタ物質の
ほとんどが前面基板14側に飛散するため、該スパッタ
物質が上記間隙35を通じて隣接する放電セル30内に
侵入し、柱状陰極20間の絶縁性が阻害されるおそれは
ない。
【0025】つぎに、図6〜図9に基づいて、上記陰極
保持層22及び柱状陰極20の製造方法について説明す
る。まず、背面基板12の一面に、Ag・Pd系ペース
トを印刷等することにより、帯状の陰極引出パターン1
8を被着形成すると共に、ガラスペーストやセラミック
ペースト等の絶縁材料を厚膜印刷等することにより、上
記柱状陰極20の外形に対応した型孔36を備えた陰極
保持層の素地38を予め形成しておく(図6)。これ
に、GdBとBaAlとの混合物よりなるエミ
ッタ物質40を、プラズマ溶射によって吹き付ける(図
7)。この結果、上記型孔36内にエミッタ物質40が
充填される。
【0026】その後、陰極保持層の素地38の表面に堆
積したエミッタ物質40を研磨し、これを削除する(図
8)。この結果、上記型孔36に充填されたエミッタ物
質40のみが残されることとなる。最後に、陰極保持層
の素地38を所定の温度で焼成することにより、陰極保
持層22が形成される。この際、通常の焼成温度よりも
高めに温度設定することにより、陰極保持層の素地38
が全体的に収縮する。そして、この陰極保持層の素地3
8が収縮した分だけ、上記型孔36内に充填されたエミ
ッタ物質40が陰極保持層22の表面から突出すること
となり、結果的に柱状陰極20が形成される(図9)。
また、この焼成・収縮の際に、上記陰極保持層22と柱
状陰極20との間の隙間34も形成される。この陰極保
持層の素地38の収縮率は、絶縁材料の材質や融点、焼
成温度との兼ね合いで決まる。したがって、これらの条
件をを適宜選択することにより、柱状陰極20の突出度
を調節できる。
【0027】なお、上記製造方法にあっては、柱状陰極
20の素となるエミッタ物質40を、プラズマ溶射によ
って陰極保持層の素地38に吹き付ける例を示したが、
これに限られるものではなく、例えば印刷によって陰極
保持層の素地38の型孔36内にエミッタ物質40を充
填してもよい。
【0028】また、柱状陰極20の素材として、全面的
にエミッタ物質40を用いる代わりに、ニッケルペース
ト等の通常の導電材料を用いて円筒状の基体部分を形成
し、その先端部表面にエミッタ物質をコーティングする
よう構成してもよい。
【0029】さらに、上記製造方法にあっては、陰極保
持層の素地38を収縮させることによって、柱状陰極の
先端部20bを相対的に突出させるよう構成したが、こ
れに限られるものではなく、例えば必要な高さを備えた
陰極保持層22を予め完成しておき、その後に印刷やプ
ラズマ溶射等の手段を用いて柱状陰極20の材料を必要
な高さに形成し、もって柱状陰極の先端部20bが突出
するよう構成してもよい。
【0030】つぎに、図10〜図13に基づいて、本発
明に係る他の実施例を説明する。この第2の偏平型ガス
放電表示管50は、図10に示すように、陰極保持層2
2の表面に、背面側バリアリブ52を形成した点に特徴
を有する。この背面側バリアリブ52は、ガラス等の絶
縁材よりなり、各柱状陰極20を取り囲む孔部54が複
数形成されている。この孔部54は、その下方(陰極保
持層22側)から上方(前面基板14側)に向けて孔径
が漸次拡大するよう形成された、いわゆる漏斗形状をな
しており、この孔部54内の略中央に柱状陰極の先端部
20bが収容されている。また、背面側バリアリブ52
は、図11に示すように、陰極保持層22の表面に密着
した第1の層52aと、順次積層された第2の層52b
及び第3の層52cよりなる3層構造を備えており、各
層にはそれぞれ孔径の異なる貫通孔が形成されている。
そして、最も孔径の小さい第1の層の貫通孔54a、次
に孔径の小さい第2の層の貫通孔54b、最も孔径の大
きい第3の層の貫通孔54cが、それぞれ同心円状に連
続するよう位置決めされ、もって孔径が下方から上方に
向けて漸次拡大する上記孔部54が形成される。
【0031】この孔部54の内面には、図12に示すよ
うに、AlやNi等の金属を蒸着させることにより、光
反射層56が形成されている。また、この光反射層56
の表面と、陰極保持層22の表面で背面側バリアリブ5
2に覆われていない部分(柱状陰極20の付根部分)に
は、所望の発光色に対応した蛍光体32が吹き付け塗装
によって被着されている。
【0032】図13は前面基板14を示す斜視図であ
り、この前面基板14の対向面には、帯状の透明陽極2
4が複数列並設されている。また、各透明陽極24間を
仕切る第1の隔壁26aと、各透明陽極24を長さ方向
に所定の間隔で区切る第2の隔壁26bを備えた格子状
の前面側バリアリブ26が形成されている。さらに、前
面側バリアリブ26の端面における第1の隔壁26aと
第2の隔壁26bの交差部分には、スペーサ28が形成
されている。
【0033】すなわち、この前面基板14の構成は、先
に図3において示した前面基板とほとんど同じである
が、ただ前面側バリアリブ26の高さが低い点のみ異な
っている。これは、各放電セル30を取り囲む役割のほ
とんどを、本実施例においては背面側バリアリブ52が
肩代わりしているからである。
【0034】なお、前面側バリアリブ26に形成された
各スペーサ28の端面は、背面側バリアリブ52の表面
に当接しているため、第1の隔壁26a及び第2の隔壁
26bの各端面と背面側バリアリブ52の表面との間に
は、スペーサ28の高さに相当する間隙35が形成され
る。したがって、この間隙35を介して各放電セル30
間でイオンの流通が確保される。
【0035】この第2の偏平型ガス放電表示管50にあ
っては、背面側バリアリブ52の孔部54が、下方から
上方に向かって孔径が漸次拡大する漏斗形状をなしてお
り、放電により生じた光はこの孔部54の内面で反射さ
れて前面基板14側に集光されるため、極めて高輝度な
表示が可能となる。また、孔部54の内面に光反射層5
6を形成しているため、この反射・集光はより効果的に
実現される。
【0036】背面側バリアリブ52は、陰極保持層22
の表面に、ガラスペーストやセラミックペースト等の絶
縁材料を厚膜印刷し、これを焼成することによって形成
される。或いは、薄板ガラスを積層して背面側バリアリ
ブ52を形成してもよい。また、背面側バリアリブ52
の孔部54の内面に光反射層56を被着形成する代わり
に、背面側バリアリブ52自体を光反射性の物質で形成
するよう構成してもよい。さらに、背面側バリアリブ5
2は必ずしも多層構造とする必要はなく、単層構造とし
てもよい。
【0037】上記においては、偏平型のガス放電表示管
を例示したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。すなわち、一対の電極を所定の間隙を隔てて対向配
置し、少なくとも一方の電極表面にエミッタ物質が露出
すると共に、Xeを含む放電ガスと蛍光体を気密容器内
に封入した構造のガス放電表示管に広く応用できるもの
であり、その形状は特に問わないものである。例えば、
図14に示す第3のガス放電表示管60のように、円筒
状のガラス管の上下両端を融着させて気密容器61と成
し、該気密容器61内に一対の棒状放電電極62とXe
含有ガスを封入し、気密容器61の内壁に蛍光体32を
塗布すると共に、リード端子64を気密容器61外に導
出させ、上記棒状放電電極62の表面にGdBを含む
エミッタ物質40を被着させるよう構成してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るガス放電表示管は、エミッ
タ物質をGdBを含む物質によって構成したため、紫
外線放射ガスであるXeがエミッタ物質に吸着されるこ
とがない。このため、紫外線放射量の減少による輝度の
低下や発光色の変化が生じることがなく、極めて安定し
た表示特性を実現できる。
【0039】また、本発明は、陰極形状を柱状とすると
共に、該柱状陰極の先端部が陰極保持層外に突出するよ
う構成することにより、放電に寄与する陰極の表面積を
拡大することができる。この結果、広い範囲において放
電が生成され、紫外線の発生量が増加して表示輝度の向
上を図ることができる。
【0040】さらに、本発明にあっては、柱状陰極の基
端部は、陰極保持層内に該陰極保持層と密着して埋没し
ているため、陰極保持層によって確実に保持され、陰極
引出パターンへの接続強度が格段に高くなり、容易に抜
け難いものとなっている。このため、柱状陰極を細く形
成しても、十分な接続強度を確保することができる。ま
た、陰極保持層の表面における柱状陰極の周辺部分に溝
を形成したため、陰極保持層の表面に被着させた蛍光体
が該溝内に流れ込み、柱状陰極の付根部分における蛍光
体の厚さを十分確保することができると共に、この溝に
より蛍光体の無秩序な流れを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス放電表示管の一実施例を示す
概略断面図である。
【図2】同実施例に係る背面基板側の一部分を示す概略
斜視図である。
【図3】同実施例に係る前面基板側の一部分を示す概略
斜視図である。
【図4】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大断
面図である。
【図5】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大断
面図である。
【図6】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
【図7】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
【図8】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
【図9】同実施例に係る陰極保持層及び柱状陰極の製造
過程を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係るガス放電表示管の他の実施例を
示す概略断面図である。
【図11】同実施例に係る背面基板側の一部分を示す概
略斜視図である。
【図12】同実施例に係る柱状陰極周辺を示す概略拡大
断面図である。
【図13】同実施例に係る前面基板側の一部分を示す概
略斜視図である。
【図14】本発明に係るガス放電表示管の他の実施例を
示す概略断面図である。
【図15】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 第1のガス放電表示管 12 背面基板 14 前面基板 16 気密容器 18 陰極引出パターン 20 柱状陰極 20a 柱状陰極の基端部 20b 柱状陰極の先端部 22 陰極保持層 24 透明陽極 32 蛍光体 40 エミッタ物質 50 第2のガス放電表示管 52 背面側バリアリブ 54 背面側バリアリブの孔部 60 第3のガス放電表示管 61 気密容器 62 棒状放電電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に複数の透明陽極を形成した透明絶
    縁材よりなる前面基板と、一面に陰極引出パターンと、
    該陰極引出パターンの表面を被覆する陰極保持層と、上
    記陰極引出パターンの表面に立設され、基端部が上記陰
    極保持層内に該陰極保持層と密着して埋没すると共に、
    先端部が該陰極保持層外に突出してなる複数の柱状陰極
    を形成した絶縁材よりなる背面基板とを、各基板の電極
    同士が所定の間隙を隔てて対向するよう配置し、両基板
    の周縁を封止して気密容器と成し、該気密容器内に少な
    くともXe(キセノン)を含有した放電ガスを封入して
    なり、また、上記陰極保持層の表面における柱状陰極の
    周辺部分に溝を形成すると共に、少なくとも上記陰極保
    持層表面における柱状陰極の先端部周辺部分に蛍光体を
    被着し、さらに、上記柱状陰極の少なくとも先端部表面
    にGdB (六硼化ガドリニウム)を含むエミッタ物質
    が露出するよう構成したことを特徴とするガス放電表示
    管。
  2. 【請求項2】 上記陰極保持層の表面に、複数の孔部を
    備えた背面側バリアリブを形成し、該孔部内に上記柱状
    陰極の先端部が配置されると共に、該孔部の孔径が上記
    陰極保持層側から前面基板側に向けて漸次拡大するよう
    構成したことを特徴とする請求項1に記載のガス放電表
    示管。
  3. 【請求項3】 上記柱状陰極全体を、GdB(六硼化
    ガドリニウム)を含むエミッタ物質によって構成したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のガス放電表示
    管。
  4. 【請求項4】 上記エミッタ物質を、GdB(六硼化
    ガドリニウム)にBaAl(アルミン酸バリウ
    ム)を混合した物質によって構成したことを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載のガス放電表示管。
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