JP2719845B2 - 成形品・ランナ仕分装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、型締された金型のキャビティに可塑化溶融
した樹脂等の原料を射出し、冷却固化した後型開して成
形品とランナをそれぞれ分離落下せしめ、シュータより
排出する射出成形機等に適用可能な成形品・ランナ仕分
装置に関する。

（従来の技術） 成形品より大きく、ランナより小さな網目を有するス
クリーン上に成形品とランナを落下させて両者を仕分る
ようにした装置や、成形品は落下するがランナは落下し
ない間隔で複数のローラを並べて駆動し、そこへ成形品
とランナを落下させて両者を仕分る装置等はよく知られ
ている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、かかる成形品・ランナ仕分装置にあっ
ては、金型交換等によって成形品やランナの大きさがか
わる都度、網目の大きさやローラの間隔を変えて対応す
ることが困難であるため使用上の制約があった。

（課題を解決するための手段） かかる課題を解決するために本発明にあっては、成形
品とランナが落下するシュータの落下口に対向して、該
落下口の全幅とさらに前方の所定長さに亘って成形品は
す抜けて落下するがランナは落下しないピッチが調節自
在なコイルバネをランナを押し上げる方向に回転可能に
設け、且つ押し上げられてくる前記ランナに対抗して該
ランナの回転方向の移動を阻止し、前方への移送のみを
許すための仕切板を該コイルバネの全長とさらに前方の
所定の長さに亘って設けたことを特徴とする成形品・ラ
ンナ仕分装置とした。

（作用） かかる構成としたことにより、シュータから落下した
成形品はコイルバネをす抜けてその場で落下するが、ラ
ンナは回転方向の移動を仕切板によって阻止されること
により成形品落下領域で落下することなく、回転するコ
イルバネによって前方へと移送され成形品と完全に仕分
られた位置で落下せしめられる。

尚、該コイルバネのピッチが成形品とランナの大きさ
により調節自在となっているので、金型が交換されて成
形品が変わった場合でも、多くの場合簡単に対応できる
ことになる。

（実施例） 以下本発明をより具体的に明らかにするために実施例
を示した図面に従って説明する。

先ず第１図と第２図により第１の実施例について説明
する。

１は射出成形機（図示せず）に取付いているシュータ
であり、その下部には成形品とランナが落下する落下口
が開口している。

２は該シュータの落下口に対向する位置に、成形品と
ランナの落下方向に巻いて設けた引張式のコイルバネで
ある。該コイルバネ２は一端をシャフト３に、他端を調
節ネジ４にそれぞれ引っかけるようにして取付ている。

５は基板である。

６及び７は該基板５の両端部上面に固定して取付た支
持脚である。

該支持脚６の脚部の上方には厚肉平板状の頭部6Aが形
成してあり、該頭部6Aの中心を貫く貫通穴と同芯にアン
ギュラ玉軸受８を固定している。該アンギュラ玉軸受８
の固定は、該頭部6Aの貫通穴と同芯に形成した環状凹部
（インロウ）に嵌入した外輪を止め板９でおさえること
により行われる。

前記シャフト３が、その段付拡径部と市販されている
軸用止め輪とで該アンギュラ玉軸受の内輪を挟持するこ
とにより、回転可能に軸支される。

該シャフト３の端部はカップリング10によってモータ
11の回転シャフトと連結している。

該モータ11は例えば最高回転数が毎分90回転程度の小
形ギヤードモータを採用することができる。

該モータ11は取付部材12を介して支持脚６の頭部6Aに
固定してある。

そして、該モータ11はシュータ１から落下するランナ
をコイルバネ２が押し上げる方向（第２図の矢印の方
向）に回転する。

前記支持脚７も支持脚６と同様に脚部の上方に厚肉平
板状の頭部7Aが形成してあり、該頭部7Aの中心を貫く貫
通穴と同芯にアンギュラ玉軸受13を固定している。

該アンギュラ玉軸受13の固定は、該頭部7Aの貫通穴と
同芯に形成した環状凹部（インロウ）に嵌入した外輪を
止め板14でおさえることにより行われる。

雌ネジ部材15が、その段付拡径部と市販されている軸
用止め輪とで該アンギュラ玉軸受の内輪を挟持すること
により、回転可能に軸支される。

該雌ネジ部材15の中心を貫通する雌ネジと前記調節ネ
ジ４とが螺合する。

そして、該調節ネジ４の頭部7Aからの出っ張り量を調
節することにより、コイルバネ２のピッチを成形品より
大きくランナより小さく、且つシュータ２の落下口の全
幅とさらに前方（ランナが移送される方向で、第１図に
おける左方）に向けて少なくとも２乃至３ピッチ程度余
分に該コイルバネ２が配設される位置で、ロックナット
16を締め込み該調節ネジ４を雌ネジ部材15にロックす
る。

この少なくとも２乃至３ピッチは成形品落下域からラ
ンナを隔離し、成形品とランナを確実に仕分るために設
けている。

17はコイルバネ２の上部、即ちコイルバネに対して落
下口からコイルバネの回転方向側下流に落下口と同じ向
きに近接して垂直に設けた仕切板であって、その両端に
備えたＬ字状の取付脚部17Aの下面を前記支持脚６の頭
部6Aの上面及び前記支持脚７の頭部7Aの上面にそれぞれ
載置固定している。該仕切板17はコイルバネ２の配設位
置とさらに該コイルバネ２の前方端よりランナが支障な
く落下可能な長さに亘って設けてある。

18はコイルバネ２の隙間から落下する成形品を回収す
るための成形品受け箱であり、19は該コイルバネ２の前
方端から落下するランナを回収するためのランナ受け箱
である。

次に第３図に基づいて第２の実施例について説明す
る。

尚、第３図において第１図と同一符号を付した物は同
一物を示すものであり、既に第１の実施例で説明がなさ
れているので、本第２の実施例では説明を省略する。

20は殆んど全長に亘ってネジが形成され、その１端に
軸支部が、他端には軸支部とさらに該軸支部を延長して
なるシャフト部が形成されたネジシャフトである。

21はコイルバネである。

該コイルバネ21は第１の実施例におけるコイルバネ２
に相当するものであるが、該コイルバネ２が引張式であ
るのに対し、該コイルバネ21は圧縮式であることにおい
て相違する。

22は円板状のバネ座板であって、該コイルバネ21を着
脱可能に嵌め込むための段付部が形成されており、中心
にはネジシャフト20が貫通可能な穴があいている。

23及び24は支持脚であって、該支持脚23の頭部23A及
び該支持脚24の頭部24Aの中心にはそれぞれ貫通穴が設
けてあり、該貫通穴と同芯にブッシュ状の軸受25が所定
深さの穿孔に嵌入してある。

そして、コイルバネ21の両端をバネ座板22の段付部22
Aに嵌め込み、該コイルバネ21及びバネ座板22の中心穴
をネジシャフト20にて貫通した後、該ネジシャフト20の
軸支部を支持脚23及び24の軸受25に回転可能に軸支せし
め該支持脚23及び24を基板５に固定する。

ネジシャフト20に螺合するナット26,26をを締め込む
ことにより、コイルバネ21を既に第１の実施例で詳しく
説明した状態に配設しロックナット27,27でロックす
る。

（効果） 本発明に係る成形品・ランナ仕分装置によれば、金型
交換等によって成形品やランナの大きさがかわっても、
分離・移送手段の要部を構成するコイルバネのピッチを
調節するだけで対応可能としたので、複数台の仕分装置
を用意したり、部品の交換のために多くの工数をさく等
の必要がなくなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を説明するための断面を
含む正面図であり、第２図は第１図におけるII−II矢視
図、第３図は本発明の第２の実施例を説明するための第
１図に相当する図である。尚、第１図乃至第３図におい
て同じ符号をつけたものは同一のものを表す。 1:シュータ、2:コイルバネ 3:シャフト、4:調節ネジ 6:支持脚、7:支持脚 8:アンギュラ玉軸受、9:止め板 10:カップリング、11:モータ 12:取付部材 13:アンギュラ玉軸受、14:止め板 15:雌ネジ部材、16:ロックナット 17:仕切板、20:ネジシャフト 21:コイルバネ、22:バネ座板 23:支持脚、24:支持脚 25:軸受、26:ナット 27:ロックナット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】成形品とランナを落下させるシュータと、
   該シュータの落下口に対向して成形品とランナの落下方
   向に巻いた回転可能に設けたコイルバネと、該コイルバ
   ネに対してシュータの落下口からコイルバネの回転方向
   側下流に落下口と同じ向きに設けた仕切板とを有し、前
   記コイルバネは落下口から成形品をす抜けて通しランナ
   は通さないピッチに調整可能とし、ランナは落下口から
   回転するコイルバネ上に落下し前記仕切板まで移動後そ
   の位置で移動を阻止されつつコイルバネの回転によりラ
   ンナのシュータからの落下方向に略直角の方向にコイル
   バネの前方端まで移送されて成形品とは異なる場所に落
   下するように構成したことを特徴とする成形品・ランナ
   仕分装置。