JP2718765B2 - 文書処理システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、承認印の捺印を電子的に行う文書処理シ
ステムに関する。

（従来の技術） 文書の承認行為の一形態として、承認印の捺印が知ら
れている。この捺印行為は、文書（文書本体）をワード
プロセッサなどの文書処理システムで作成するようにな
っても、手作業で行われるのが一般的であった。そこ
で、承認印の捺印も文書処理システムにおいて電子的に
行えることが要求されている。

さて、文書処理システムにおいて承認印を電子的に捺
印する機能を実現しようとすると、次の、，の要素
を持つ方式が考えられる。

承認印はイメージとして作成してデータベースに登録
し、そのイメージの作成、変更、登録、削除といった作
業に対してはパスワード等の手段を用いて或る特定の限
られた人のみが行えるようにする。

文書内に承認印を押すときには、上記で作成登録し
ておいた承認印イメージを用いて文書内の承認印欄に貼
り込む。但し、において各々の承認印イメージ毎にパ
スワードを付加し、そのパスワードが割当てられた特定
の個人以外は該当する承認印イメージが使用できないよ
うにする。

ところで、近年の文書処理システムでは、イメージの
コピー等の画面上で簡単に行うことができるようになっ
ている。また、高密度のイメージスキャナを用いて印刷
物から所望のイメージを文書処理システム内に読み込
み、画像面で切り貼りすることも可能である。したがっ
て上記の方式では、承認印イメージが貼り込まれた（即
ち承認印が電子的に捺印された）画面上の文書から承認
印イメージを切り出してコピーしたり、承認印が電子的
に捺印された印刷文書から承認印のイメージをイメージ
スキャナによって文書処理システムに読み込み、画面上
で必要イメージを切り出した後に文書内の承認印欄に貼
り込むことが不特定多数の人によって行われる虞があ
る。

（発明が解決しようとする課題） 上記したように従来は、承認印を用いた文書の承認行
為を文書処理システムで実現するために、この承認行為
に必要な承認印イメージの作成と作成した承認印イメー
ジを用いた文書内の承認印欄への貼り込みを、パスワー
ドを用いて特定の個人だけが行えるようにしても、文書
処理システムが持つコピー機能、イメージ作成機能、イ
メージ入力機能および入力イメージを切り貼りする機能
を利用することにより、不特定多数の人が他の文書（承
認印が電子的に捺印された画面上の文書または印刷文
書）から承認印イメージをコピーしたり、偽の承認印イ
メージを作成して、画面上で文書内の承認印欄に偽の承
認印を捺印することができるという問題があった。

この発明は上記事情に鑑みてなされたものでその目的
は、承認印を用いた文書の承認行為の電子化が図れ、し
かも偽の承認印イメージを作成したり、承認印が電子的
に捺印された印刷文書からイメージスキャナによって承
認印イメージを切り出したとしても、この種の承認印イ
メージを用いて電子的な捺印を行うことが確実に防止で
きる文書処理システムを提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明は、承認印イメージが登録される承認印イメ
ージデータベースと、任意の承認印イメージを第１の条
件による保護のもとで作成し、この作成した承認印イメ
ージを当該承認印イメージに固有の第２の条件と組にし
て上記承認印イメージデータベースに登録する承認印イ
メージ作成手段と、上記承認印イメージデータベースに
登録されている承認印イメージのみが配置可能な文書構
造内の承認印用領域を上記第１の条件による保護のもと
で定義する承認印用領域定義手段と、上記文書構造内の
承認印用領域に、上記承認印イメージデータベースに登
録されている承認印イメージを上記第２の条件による保
護のもとで配置する承認印捺印手段と、上記承認印イメ
ージデータベースに登録されている承認印イメージ以外
のイメージが画面上で上記承認印用領域に表示されるの
を抑止すると共に、承認印イメージを対象とするコピー
操作を抑止する第１の承認印保護手段と、文書の印刷出
力に際し、上記承認印イメージデータベースに登録され
ている承認印イメージ以外のイメージが承認印用領域内
に印刷されることを抑止する第２の承認印保護手段とを
設けたことを特徴とするものである。

（作用） 上記の構成によれば、承認印用領域には、承認印イメ
ージデータベースに登録されている承認印イメーイだけ
しか配置できず、しかも承認印イメージの配置は第２の
条件（例えば同イメージに付されるパスワード）の保護
のもとで行われる。即ち上記の構成によれば、承認印イ
メージデータベース内の承認印イメージを用いて承認印
用領域に承認印を電子的に捺印する操作は、上記第２の
条件を満たす人（特別の権限を有する人）に限られ、ま
た第３者が偽の承認印イメージを作成しても、第１の条
件（例えばパスワード）を満たさない限りは承認印イメ
ージデータベースに登録されず、したがって正当な承認
印イメージとしての扱いを受けないため、このような偽
の承認印イメージが承認印用領域に配置される虞はな
い。しかも、第１の条件を満たさない限り、承認印用領
域を定義することもできないため、正当でない承認印用
領域が定義されて不当に利用されることもない。このこ
とは、印刷文書からイメージスキャナによって承認用領
域のイメージを読み取り、そこから承認印イメージを切
り出して利用しようとする場合にも同様である。また、
承認印用領域が定義された文書と偽の承認印イメージを
画面表示時または印刷出力時に合成しようとしても、偽
の承認印イメージが承認印用領域内に表示または印刷さ
れることが第１の承認印保護手段または第２の承認印保
護手段によって抑止されるため、この点からも第３者に
よる承認印の捺印が行われる虞はない。

（実施例） 第１図はこの発明の一実施例に係る文書処理システム
のブロック構成を示す。同図において、11は承認印イメ
ージが登録される承認印イメージデータベース、12は承
認印イメージデータベース11に登録する承認印イメージ
（承認印イメージオブジェクト）を第１のパスワードP1
の保護のもとで第２のパスワードP2を付して作成する承
認印イメージ作成ツールである。承認印イメージ作成ツ
ール12は、承認印イメージの作成の他に、パスワードP1
の保護のもとで承認印イメージデータベース11への承認
印イメージ登録、登録した承認印イメージの変更並びに
削除の機能を持つ。13は各種文書が格納される文書ファ
イル、14は文書の作成・編集機能を有する文書編集ツー
ル、15は文書編集ツール14によって作成・編集される文
書等の表示に供される表示モニタ、16は図示せぬプリン
タ機構を用いて文書等の印刷を行う印刷ツールである。

文書編集ツール14は、承認印イメージデータベース11
に登録されている承認印イメージのみが配置可能な文書
構造内の承認印用領域（承認印欄）17をパスワードP1の
保護のもとで定義する承認印用領域定義機構21と、承認
印用領域地着機構21によって定義された文書構造内の承
認印用領域17に、承認印イメージデータベース11に登録
されている承認印イメージを同イメージに付されている
パスワードP2の保護のもとで配置する承認印捺印機構22
とを有している。承認印用領域定義機構21は、承認印用
領域17の定義（設定、作成）の他に、変更、削除の機能
を持つ。文書編集ツール14は更に、各種イメージのコピ
ーおよびペースト（貼り込み）を行うためのコピー＆ペ
ースト機構23と、文書等を表示モニタ15に表示するため
の管理を行う文書表示管理機構24と、コピー＆ペースト
機構23による承認印イメージのコピーを抑止（禁止）す
ると共に、正当な承認印イメージ（承認印イメージデー
タベース11に登録されている承認印イメージ）以外のイ
メージ（印刷文書等からイメージスキャナを用いて読み
込んだ承認印イメージや、特別の権限を持たない人が作
成した承認印イメージデータベース11に登録不可能な偽
の承認印イメージ等）が文書表示管理機構24によって承
認印用領域17内に表示されることを抑止（禁止）する承
認印保護機構25とを有している。また印刷ツール16は、
正当な承認印イメージ以外のイメージが承認印用領域17
内に印刷されることを抑止（禁止）する承認印保護機構
26を有している。

次に、第１図の構成の動作を第２図の流れ図を参照し
て説明する。

まず承認印イメージ作成ツール12は、ユーザからの指
示に応じ、パスワードP1の保護（パスワードP1を用いた
チェック）のもとで指示された承認印イメージ（承認印
イメージオブジェクト）を作成し、第２図において符号
Ｉで示されるように、承認印名、承認印イメージ、およ
びユーザ指定のパスワード（或はユーザに予め割り当て
られたパスワード）P2の対から成る承認印イメージ情報
を承認印イメージデータベース11に登録する（ステップ
S1）。ここで、パスワードP1を知らないユーザからの指
示は承認印イメージ作成ツール12において排除され、上
記の承認印イメージ作成・登録は行われない。

次に文書編集ツール14の承認印用領域定義機構21が起
動されると、この承認印用領域定義機構21はユーザから
の指示に応じ、パスワードP1の保護のもとで文書ファイ
ル13に格納されている指定文書の文書構造内の承認印用
領域17を定義（設定）する（ステップS2）。やがて文書
編集ツール14内の承認印捺印機構22が起動されると、こ
の承認印捺印機構22はユーザから指示された承認印イメ
ージをパスワードP2の保護のもとで承認印イメーイデー
タベース11から取り出し、この取り出した承認印イメー
ジを、文書ファイル13に格納されている指定された文書
上の承認印用領域17（承認印用領域定義機構21によって
定義された承認印用領域17）に配置する（ステップS
3）。これにより、承認印の捺印が電子的に行われたこ
とになる。ここで、パスワードP2を知らないユーザから
の指示は承認印捺印機構22において排除され、上記の承
認印捺印は行われない。また承認印捺印機構22において
は、特別の権限を持たない人が作成した承認印イメージ
データベース11に登録不可能な偽の承認印イメージ、更
には印刷文書の承認印用領域17からイメージスキャナを
用いて読み込まれて切り出された承認印イメージをユー
ザ指定の文書の承認印用領域17に配置することも抑止さ
れる。また、承認印イメージデータベース11に格納され
ている正当な承認印イメージを承認印用領域17以外に配
置することも抑止される。

さて、ステップS2において承認印用領域定義機構21に
よって承認印用領域17が定義された文書、更にはステッ
プS3において承認印捺印機構22によって承認印用領域17
に承認印が捺印された文書は、その都度文書表示管理機
構24によって表示モニタ15に表示される。この文書表示
では、承認印用領域17に関しては承認印保護機構25によ
って特殊に扱われ、同領域17には承認印イメージだけが
表示されるように制御される。したがって、文書の承認
印用領域17上に第３者が任意に生成或は入力したイメー
ジ（偽の承認印イメージ）を合成して表示することは不
可能である。ここでは、表示対象文書のうちの承認印イ
メージを除いた部分がまず表示され、次い承認印用領域
17が例えば白く塗りつぶされ、この条体で承認印イメー
ジが承認印用領域17に表示される。承認印イメージが承
認印用領域17に表示されているときに、コピー＆ペース
ト機構23が起動され、承認印用領域17内のイメージのコ
ピー或はペーストが指示されることがある。しかし本実
施例では、承認印用領域17内のイメージを対象とするコ
ピー＆ペースト機構23のコピー或はペースト処理は、承
認印保護機構25によって抑止される。これは、承認印イ
メージデータベース11内の承認印イメージについても同
様である。

最後に印刷ツール16が起動されると、この印刷ツール
16はユーザによって指定された文書を文書ファイル13か
ら取り出し、用紙に印刷出力する（ステップS4）。この
結果、承認印用領域17が定義され、同領域17に承認印イ
メージが配置されている文書であれば、承認印が捺印さ
れた文書が印刷出力されることになる。上記の印刷にお
いては、印刷ツール16内の承認印保護機構26の動作によ
り、文書の承認印用領域17上に第３者が任意に生成或は
入力したイメージ（偽の承認印イメージ）を合成して印
刷することが抑止される。

［発明の効果］ 以上詳述したようにこの発明によれば、承認印の捺印
対象となる文書構造内に承認印用領域という特別な領域
を設定し、この領域にはパスワード等の保護のもとで作
成された承認印イメージだけがパスワード等の保護のも
とで配置でき、更にこの領域に他のイメージを重ねて表
示或は印刷することが抑止される構成としたので、承認
印を用いた文書の承認行為の電子化において、偽の承認
印イメージを作成したり、承認印が電子的に捺印された
印刷文書からイメージスキャナによって承認印イメージ
を切り出したとしても、この種の承認印イメージを用い
て電子的な捺印を行うことを確実に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る文書処理システムの
ブロック構成図、第２図は同実施例における承認印イメ
ージ作成から承認印が捺印された文書の印刷までの動作
を説明するための流れ図である。 11……承認印イメージデータベース、12……承認印イメ
ージ作成ツール、13……文書ファイル、14……文書編集
ツール、15……表示モニタ、16……印刷ツール、17……
承認印用領域、21……承認印用領域定義機構、22……承
認印捺印機構、23……コピー＆ペースト機構、24……文
書表示管理機構、25,26……承認印保護機構。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】承認印イメージが登録される承認印イメー
   ジデータベースと、 任意の承認印イメージを第１の条件による保護のもとで
   作成し、この作成した承認印イメージを当該承認印イメ
   ージに固有の第２の条件と組にして前記承認印イメージ
   データベースに登録する承認印イメージ作成手段と、 前記承認印イメージデータベースに登録されている承認
   印イメージのみが配置可能な文書構造内の承認印用領域
   を前記第１の条件による保護のもとで定義する承認印用
   領域定義手段と、 前記承認印用領域定義手段によって定義された前記文書
   構造内の承認印用領域に、前記承認印イメージデータベ
   ースに登録されている承認印イメージを前記第２の条件
   による保護のもとで配置する承認印捺印手段と、 前記承認印イメーデータベースに登録されている承認印
   イメージ以外のイメージが画面上で前記承認印用領域に
   表示されるのを抑止すると共に、前記承認印イメージを
   対象とするコピー操作を抑止する第１の承認印保護手段
   と、 前記承認印用領域が定義された文書の印刷出力に際し、
   前記承認印イメージデータベースに登録されている承認
   印イメージ以外のイメージが前記承認印用領域内に印刷
   されることを抑止する第２の承認印保護手段とを具備す
   ることを特徴とする文書処理システム。