JP2716395B2 - ドラムペダル - Google Patents

ドラムペダル

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JP2716395B2
JP2716395B2 JP7053827A JP5382795A JP2716395B2 JP 2716395 B2 JP2716395 B2 JP 2716395B2 JP 7053827 A JP7053827 A JP 7053827A JP 5382795 A JP5382795 A JP 5382795A JP 2716395 B2 JP2716395 B2 JP 2716395B2
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美津男 柳沢
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パール楽器製造株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バスドラムの演奏に
用いるドラムペダルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドラムセットを構成する各種ドラムのう
ちのバスドラムは、ドラムペダルによって演奏されてい
る。
【0003】このドラムペダルは、一般に、その前部フ
レームの上端部に水平に設けた回転軸にこの回転軸と一
体に回転するホイール部材を設け、前記回転軸またはホ
イール部材にドラムヘッド(振動膜)を叩くビータを支
持させるとともに、前記前部フレームと連結棒等によっ
て連結されるヒールピースにフットボードの基端部を上
下回動可能に支持させ、このフットボードの先端部を前
記ホイール部材の外周に巻き掛けた索状体の一端に連結
し、さらに前記回転軸に設けた復帰バネ連結部材に回転
軸から偏心させて、前記回転軸およびホイール部材を復
帰回転させる復帰バネを連結した構成となっている。
【0004】このドラムペダルは、フットボードの踏み
込みによりビータを前方に回動させてバスドラムのドラ
ムヘッドを叩くとともに、このビータを復帰バネのバネ
力で復帰させるもので、フットボードの踏み込むと、ホ
イール部材が索状体で引かれて、復帰バネを伸長させな
がら回転軸とともに前回りに回転し、回転軸またはホイ
ール部材に支持されているビータがドラムヘッドを叩
く。
【0005】また、フットボードの踏み込み力を解放す
ると、復帰バネのバネ力によって回転軸がホイール部材
とともに復帰回転し、ビータが後退するとともに、フッ
トボードがその先端部を索状体で引かれて復帰する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のドラム
ペダルは、復帰バネのバネ力を調整することによってフ
ットボードの踏み込み感(踏み込み抗力)および復帰速
度は調整できるが、フットボードの踏み込みに対するビ
ータの動作感覚は変えられないものであった。
【0007】この発明は、ドラマーの好みに合わせてフ
ットボードの踏み込みに対するビータの動作感覚を任意
に選ぶことができるドラムペダルを提供することを目的
としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のドラムペダル
は、基台プレートと、この基台プレートの前端部上面に
設けられた前部フレームと、この前部フレームの上端部
に水平に設けられた回転軸と、この回転軸と一体に回転
するホイール部材と、前記基台プレートの後端部上面に
設けられたヒールピースと、このヒールピースに基端部
を上下回動可能に支持されるとともに先端部を前記ホイ
ール部材の外周に巻き掛けた索状体の一端に連結された
フットボードと、前記回転軸または前記ホイール部材に
支持されたビータと、前記回転軸およびホイール部材を
復帰回転させる復帰バネとからなり、かつ、前記前部フ
レームと前記ヒールピースとの少なくとも一方が、前記
基台プレートに対して前後方向に位置調整可能に取付け
られていることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】この発明のドラムペダルにおいては、その前部
フレームとヒールピースとの少なくとも一方の位置を前
後方向に調整すると、フットボードの先端部とホイール
部材との位置関係が変化して、ホイール部材の外周に巻
き掛けられてフットボードの先端部に連結されている索
状体の引張り方向が変わり、フットボードの踏み込みに
対するビータの動作感覚が変化する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図6を参
照して説明する。図1はこの実施例のドラムペダルの側
面図である。
【0011】図1において、10はドラムペダルの基台
プレートである。この基台プレート10は、金属板等か
らなる剛性をもった前後に長い平板状プレートであり、
その前端部および後端部の下面には、床面に摩擦接触す
る滑り止め用のゴム板11が接着されている。
【0012】また、12は前記基台プレート10の前端
部上面に設けられた前部フレームであり、この前部フレ
ーム12は、基台プレート10の幅方向に沿う横長の下
枠12aと、この下枠12aの両端部からほぼ垂直に立
設された左右一対の支柱部12bとからなっており、前
記下枠12aを基台プレート10の上面にネジ止めし
て、この基台プレート10に固定されている。
【0013】この前部フレーム12の上端部には、回転
軸13が水平に設けられており、この回転軸13は、そ
の両端部を前部一対の支柱部12bの上端部に回転自在
に支承されている。
【0014】上記回転軸13の中間部には、この回転軸
13と一体に回転するホイール部材14が固定されてい
る。このホイール部材14は、回転軸13の軸心を中心
とするほぼ半円形をなしており、その半円形部の外周に
は索状体15が巻き掛けられている。
【0015】また、16は上記回転軸13またはホイー
ル部材14に支持されてこれらと一体に回動するビータ
である。このビータ16は、金属棒からなるシャフト1
6aの先端にフェルトの圧縮成型品からなるビータヘッ
ド16bを設けたものであり、このビータ16は、その
シャフト16aの基端側を回転軸13またはホイール部
材14に固定したビータホルダ17に保持させて取付け
られている。
【0016】一方、18は上記基台プレート10の後端
部上面に設けられたヒールピースであり、このヒールピ
ース18は、基台プレート10に対して前後方向に位置
調整可能に取付けられている。
【0017】すなわち、図2は上記ドラムペダルの後端
部の平面図、図3は図2の III−III 線に沿う分解断面
図、図4は基台プレート10の後端部の平面図、図5は
上記ヒールピース18の平面図である。
【0018】この図2〜図5に示すように、基台プレー
ト10の後端部には、その幅方向の中央に、基台プレー
ト10の長さ方向(前後方向)に沿うスリット19が設
けられるとともに、その両側に、複数個ずつ(この実施
例では3個ずつ)のヒールピース位置決め孔20が前記
スリット19と平行に並べて設けられている。
【0019】また、基台プレート10の後端部の下面に
接着したゴム板11には、基台プレート10のスリット
19に対応させて、このスリット19よりもある程度幅
および長さが大きい開口21が設けられている。
【0020】上記基台プレート10のスリット19に
は、上記ゴム板11の開口21内に収容される鍔部22
aを有するナット部材22が、前記スリット19の長さ
方向に移動可能に嵌装されている。なお、このナット部
材22は、その外周の両側面を前記スリット19の両側
縁にそれぞれ摺接する平坦面とした形状とされており、
前記スリット19で回り止めされている。
【0021】一方、上記ヒールピース18には、その幅
方向の中央部にロックネジ収容凹部23が形成されると
ともに、このロックネジ収容凹部23の中央にロックネ
ジ挿通孔24が設けられており、さらにこのヒールピー
ス18の下面には、前記ロックネジ挿通孔24の両側に
それぞれ位置させて、基台プレート10の前記複数個ず
つのヒールピース位置決め孔20に選択的に嵌入する位
置決めピン25が突設されている。
【0022】このヒールピース18のロックネジ収容凹
部23には、前記ロックネジ挿通孔24から下方に突出
するネジ部をもったロックネジ26が収容されており、
このロックネジ26のネジ部は、基台プレート10側の
上記ナット部材22に螺合されている。
【0023】すなわち、上記ヒールピース18は、その
下面の位置決めピン25を基台プレート10の所定のヒ
ールピース位置決め孔20に嵌入させた状態で、上記ロ
ックネジ26の締め付けにより基台プレート10に固定
されている。
【0024】このヒールピース18の位置調整は、ロッ
クネジ26を緩めてヒールピース18を基台プレート1
0から浮かせるように持ち上げながら前後に移動させ、
前記位置決めピン25を所望のヒールピース位置決め孔
20に嵌入させて前記ロックネジ26を締め付けること
によって行なわれる。
【0025】そして、フットボード27は、その基端を
上記ヒールピース18に上下回動可能に支持されてお
り、このフットボード27の先端部は、上記ホイール部
材14の外周に巻き掛けた索状体15に連結されてい
る。
【0026】この索状体15は、例えばチェーンからな
っており、その一端は、上記ホイール部材14の外周の
一端、つまりホイール部材14をその大部分が図1のよ
うに回転軸13の上側にくる姿勢に回転させたときにド
ラムペダルの後方に向く側の端部に固定され、他端は、
ホイール部材14の下方に導出されて上記フットボード
27の先端部に連結されている。
【0027】一方、上記前部フレーム12の一方の支柱
部12bの外側には、その長さ方向(上下方向)に沿わ
せてコイルバネからなる復帰バネ28が配置されてお
り、この復帰バネ28の上端は、回転軸13の一端に固
定した復帰バネ連結部材29に回転軸13から偏心させ
て連結され、下端は、バネ力調整ボルト30に連結され
ている。
【0028】このバネ力調整ボルト30は、バネ力調整
ナット31の回転操作により昇降されて上記復帰バネ2
8のバネ力を調整するものであり、このバネ力調整ボル
ト31は上記前部フレーム12の支柱部12bの外側面
に突設したボルト挿通部32に挿通されており、前記バ
ネ力調整ナット31は、バネ力調整ボルト30の下端側
に螺合されて、復帰バネ28のバネ力により前記ボルト
挿通部32の下面に当接している。なお、図において3
3は緩み止めナットである。
【0029】さらに、上記前部フレーム12の下枠12
aには、その前方に突出する左右一対のフープ受け34
が適当な間隔で形成されるとともに、この一対のフープ
受け34の間に対応させて、これらフープ受け34とで
バスドラム1のヘッド保持フープ4をクランプするフー
プクランプ体35が設けられている。
【0030】なお、図において、2はバスドラム1のド
ラム胴、3はドラムヘッドであり、このドラムヘッド3
は、図示しないボルトによりドラム胴2の軸方向に締め
付けられるヘッド保持フープ4によって緊張されてい
る。
【0031】上記フープクランプ体35は、その前後方
向の中間部より若干前端側に偏った部分を、前部フレー
ム12の下枠12aに形成したクランプ体支持部36に
上下回動可能に軸支されており、フープクランプ体35
の後端側に螺合挿通したハンドル付きボルト37を回す
ことによって上記ヘッド保持フープ4の内周面に押圧さ
れる。
【0032】このドラムペダルは、上記フープクランプ
体35でバスドラム1のヘッド保持フープ4をクランプ
して、バスドラム1に連結した状態で使用されるもので
あり、フットボード27を踏み込むと、ホイール部材1
4が索状体15で引かれて回転軸13とともに前回りに
回転し、前記回転軸13またはホイール部材14に固定
したビータホルダ17に保持されているビータ16がド
ラムヘッド3を叩く。このとき、復帰バネ30は、復帰
バネ連結部材29が回転軸13とともに回動することに
よって伸長される。
【0033】また、フットボード27の踏み込み力を解
放すると、上記復帰バネ連結部材29が復帰バネ30の
バネ力により下向きに回動されて、回転軸13がホイー
ル部材14およびビータホルダ17とともに復帰回転
し、ビータ16が後退するとともに、フットボード27
がその先端部を索状体15で引かれて復帰する。
【0034】そして、このドラムペダルにおいては、フ
ットボード27の基端部を支持するヒールピース18を
基台プレート10に対して前後方向に位置調整可能に設
けているため、復帰バネ30のバネ力を調整することに
よってフットボード27の踏み込み感(踏み込み抗力)
および復帰速度を調整するほかに、ヒールピース18の
位置調整により、フットボード27の踏み込みに対する
ビータ16の動作感覚を任意に選ぶことができる。
【0035】すなわち、上記ドラムペダルにおいては、
フットボード27の基端部を支持しているヒールピース
18を図1に実線で示すように前方に移動させるとフッ
トボード27全体が前方に変位し、前記ヒールピース1
8を図1に鎖線で示すように後方に移動させるとフット
ボード27全体が後方に変位するため、ヒールピース1
8の位置を前後方向に調整すると、それに応じてフット
ボード27の先端部とホイール部材14との位置関係が
変化する。
【0036】そして、フットボード27の先端部とホイ
ール部材14との位置関係が変化すると、前記ホイール
部材14の外周に巻き掛けられてフットボード27の先
端部に連結されている索状体15の引張り方向が変わ
り、フットボード27の踏み込みに対するビータ16の
動作感が変化する。
【0037】図6は、フットボード27の位置による索
状体15の引張り方向の変化を示す図であり、(a)は
フットボード27を図1に鎖線で示すように後方に変位
させたときの引張り方向、(b)はフットボード27を
図1に実線で示すように前方に変位させたときの引張り
方向を示している。
【0038】この図6のように、フットボード27を踏
み込む力をF、索状体15に作用する引張り力(索状体
15の引張り方向に働く分力)をF′、これらの力F,
F′の方向がなす角度をθとすると、フットボード27
を踏み込む力Fと、索状体15に作用する引張り力F′
とは、 F = cosθ/F′ F′=F/ cosθ の関係にある。
【0039】すなわち、フットボード27を踏み込む力
Fが同じであれば、索状体15に作用する引張り力F′
は、θが大きいほど大きくなり、また、索状体15に作
用する引張り力F′が同じであれば、フットボード27
を踏み込むのに必要な力Fは、θが大きいほど小さくな
る。
【0040】そして、このドラムペダルにおいては、フ
ットボード27を前後に変位させることによって上記角
度θ(索状体15の引張り方向)が変化し、フットボー
ド27を後方に変位させると、図6の(a)のようにθ
が大きくなるため、索状体15に作用させる引張り力
F′に対して、フットボード27を踏み込む力Fは小さ
くてよく、したがって、フットボード27の踏み込み感
が軽くなるとともに、フットボード27の踏み込みに対
するビータ16の動作感覚、つまりフットボード27か
らビータ16への踏み込み力の伝達感がソフトになる。
【0041】また、フットボード27を前方に変位させ
ると、図6の(b)のようにθが小さくなるため、フッ
トボード27を踏み込むのに必要な力Fが、索状体15
に作用させる引張り力F′に近くなり(θが小さくなる
ほど cosθが1に近くなり、F′の大きさがFの大きさ
に近くなる)、したがって、フットボード27の踏み込
み感が重くなるとともに、フットボード27の踏み込み
に対するビータ16の動作感覚がハードな感覚、つまり
フットボード27の踏み込み力がダイレクトにビータ1
6に伝わるような感覚になる。
【0042】このように、上記ドラムペダルは、ヒール
ピース18の位置を調整してフットボード27を前後に
変位させることにより、ホイール部材14の外周に巻き
掛けられてフットボード12の先端部に連結されている
索状体15の引張り方向を変化させて、フットボード2
7を踏み込む力Fと索状体15に作用する引張り力F′
との関係を変えるようにしたものであり、このドラムペ
ダルによれば、ドラマーの好みに合わせて、フットボー
ド27の踏み込みに対するビータ16の動作感覚を任意
に選ぶことができる。
【0043】なお、上記実施例では、フットボード27
の基端部を支持するヒールピース18を基台プレート1
0に対して前後方向に位置調整可能に取付けているが、
ヒールピース18を基台プレート10に固定し、前部フ
レーム12を基台プレート10に対して前後方向に位置
調整可能に取付けても、また、前部フレーム12とヒー
ルピース18の両方を基台プレート10に対して前後方
向に位置調整可能に取付けても、フットボード27の踏
み込みに対するビータ16の動作感覚を任意に選ぶこと
ができる。
【0044】
【発明の効果】この発明のドラムペダルによれば、その
前部フレームとヒールピースとの少なくとも一方の位置
調整により、ホイール部材の外周に巻き掛けられてフッ
トボードの先端部に連結されている索状体の引張り方向
を変えるができるから、ドラマーの好みに合わせてフッ
トボードの踏み込みに対するビータの動作感覚を任意に
選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるドラムペダルの側面
図。
【図2】同ドラムペダルの後端部の平面図。
【図3】図2の III−III 線に沿う分解断面図
【図4】基台プレートの後端部の平面図。
【図5】ヒールピースの平面図。
【図6】フットボードの位置による索状体の引張り方向
の変化を示す図。
【符号の説明】
10…基台プレート 12…前部フレーム 13…回転軸 14…ホイール部材 15…索状体 16…ビータ 18…ヒールピース 27…フットボード 28…復帰バネ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バスドラムの演奏に用いるドラムペダルで
    あって、 基台プレートと、この基台プレートの前端部上面に設け
    られた前部フレームと、この前部フレームの上端部に水
    平に設けられた回転軸と、この回転軸と一体に回転する
    ホイール部材と、前記基台プレートの後端部上面に設け
    られたヒールピースと、このヒールピースに基端部を上
    下回動可能に支持されるとともに先端部を前記ホイール
    部材の外周に巻き掛けた索状体の一端に連結されたフッ
    トボードと、前記回転軸または前記ホイール部材に支持
    されたビータと、前記回転軸およびホイール部材を復帰
    回転させる復帰バネとからなり、 かつ、前記前部フレームと前記ヒールピースとの少なく
    とも一方が、前記基台プレートに対して前後方向に位置
    調整可能に取付けられていることを特徴とするドラムペ
    ダル。
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KR102236068B1 (ko) * 2020-01-14 2021-04-02 조한상 드럼 페달

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