JP2716164B2 - コージェネレーション装置 - Google Patents

コージェネレーション装置

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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、特に中低速のディーゼルエンジンで発電機
を駆動して電気エネルギを生産するとともに、上記ディ
ーゼルエンジンの排気がもつ熱を熱交換器で回収して熱
エネルギを生産するコージェネレーション装置に関す
る。
<従来の技術> 一般に、電気および熱エネルギを単一エネルギ源から
同時に生産するコージェネレーション装置は、送電損失
がなく排熱を利用するので、総合熱効率が70〜80%と従
来の火力発電の熱効率30〜37%に比して著しく高いた
め、最近急速に普及しつつある。なかでも、重油を燃料
とする中低速ディーゼルエンジンを用いたコージェネレ
ーション装置は、燃料系が独立していて非常時に有利で
あり、かつ比較的安価なため盛んに採用されている。
このコージェネレーション装置は、過給機を備えたデ
ィーゼルエンジンで発電機を駆動して電気エネルギを得
る一方、排気管に設けた浄化装置の触媒によって排気中
の主たる有害物質たる窒素酸化物NOxガスを除去した
後、この排気を熱交換器に通して熱エネルギを回収して
大気へ排出するものである。そして、この装置の特徴
は、発電効率が他の内燃機関に比べて高い反面、発電出
力の低下に伴い回収熱量が一段と低下して総合効率が悪
化するため定格出力の100〜75%程度の範囲で使用する
必要があること、排気温度が比較的低いため熱回収率が
劣ること、燃料の燃焼時に生成されるNOxの除去が必須
となることである。例えば、NOxの濃度は、この装置の
採用拡大に伴って、排気中のO2が13%の基準状態におけ
る換算値で950ppm以下に抑えるべき旨が法令で規定され
ている。
<発明が解決しようとする課題> ところで、上記従来のコージェネレーション装置で
は、ディーゼルエンジンを低負荷で運転した場合、前述
の如く総合効率が悪化するのみならず、過給機によって
過剰供給される空気が、排気温度を低下させる。即ち、
低負荷運転は、第2図中のP1→P2で示すように、空燃比
A/Fの実質的増大をもたらして、排気温度Tを低下さ
せ、所定の下限出力Le以下の出力運転は、第5図に示す
ように、排気温度Tの著しい低下(400℃→200℃)と、
空燃比A/Fの著しい増大をもたらす。そのため、排気温
度の低下で熱変換器の熱回収効率が悪化し、浄化装置の
触媒が働かなくなり、前述のNOx排出濃度規制も達成で
きなくなるという問題がある。なお、NOx排出濃度規制
については、低負荷運転による排気中のO2濃度の増大
が、実測したNOxに対して、13%O2の換算値が増加する
厳しい方向に働くため、規制値をクリアするのが難しく
なるという問題もある。
しかるに、上記ディーゼルエンジンを用いたコージェ
ネレーション装置は、前述の如く極く最近普及し始めた
ものであるため、上記問題について未だ十分に研究され
ておらず、これといった対策もなく、かかる問題を放置
するなら、この装置に個有の種々の利点や特徴が活かさ
れなくなる。
そこで、本発明の目的は、ディーゼルエンジンの排気
中の酸素濃度が所定値以上になったとき、あるいはエン
ジンの出力が所定の下限値以下になったとき、過給機か
らエンジンに供給される加圧空気の一部を大気に逃すこ
とによって、排気温度を上げ、排気中の窒素酸化物を低
減し、熱回収効率を増大させることができるコージェネ
レーション装置を提供することである。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、本発明の第1のコージェネ
レーション装置は、ディーゼルエンジンで発電機を駆動
して電気エネルギを生産するとともに、上記ディーゼル
エンジンの排気中に含まれる有害ガスを排気浄化手段で
除去し、かつ上記排気がもつ熱を熱交換器で回収して熱
エネルギを生産するものににおいて、上記ディーゼルエ
ンジンに設けられた過給機と、上記ディーゼルエンジン
の給気管の排気管に設けられ、排気中の酸素濃度を検出
するO2センサと、上記過給機の下流側の給気管に設けら
れ、開信号を受けて開成して加圧空気を大気に排出する
給気逃し弁と、上記O2センサからの検出信号が表わす酸
素濃度が所定値以上のとき、上記開信号を給気逃し弁に
出力するコントローラを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2のコージェネレーション装置は、
上記第1のコージェネレーション装置のO2センサを、デ
ィーゼルエンジンの出力を検出する出力センサとすると
ともに、上記コントローラを、上記出力センサからの検
出信号が表わすエンジン出力が所定の下源値以下のと
き、上記開信号を給気逃し弁に所定時間出力するコント
ローラとしたことを特徴とする。
<作用> 本発明の第1のコージェネレーション装置において、
ディーゼルエンジンの出力が低下すると、空燃比が実質
的に増加し、過剰供給される空気によって排気中の酸素
濃度が増加し、かつ排気温度が低下する。すると、排気
管に設けられたO2センサは、上記酸素濃度を検出して検
出信号をコントローラに出力し、コントローラは、この
検出信号が表わす酸素濃度が所定値以上のとき、給気管
に設けられた給気逃し弁に開信号を出力する。開信号を
受けた給気逃し弁は、開成して過給機からディーゼルエ
ンジンに供給される加圧空気の一部を大気に逃すので、
空燃比が減少し、その結果排気温度が上昇する。従っ
て、排気温度の上昇によって、熱交換器の熱回収効率が
向上し、排気浄化装置の触媒が十分に働いて排気中の窒
素酸化物が法令の規制値以下に減少する。上記コージェ
ネレーション装置は、エンジン運転の負荷低下にも拘わ
らず、その利点および特徴を十分発揮しつつ稼働するこ
とになる。
また、本発明の第2のコージェネレーション装置にお
いて、ディーゼルエンジンの出力が所定の下限値以下に
低下すると、エンジンの出力センサからの検出信号を受
けたコントローラは、給気逃し弁に開信号を所定時間出
力する。すると、給気逃し弁は所定時間開成して、過給
機から供給される加圧空気の一部を大気に逃すので、空
燃比が減少し、その結果排気温度が上昇する。従って、
排気温度の上昇によって、前述と同様の効果が得られ、
上記コージェネレーション装置は、エンジン運転の負荷
低下にも拘わらずその利点および特徴を十分に発揮しつ
つ稼働するのである。
<実施例> 以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。
第1図は本発明の第1のコージェネレーション装置の
一実施例を示す概略図であり、1は重油を燃料とする中
低速のディーゼルエンジン、2はこのディーゼルエンジ
ン1で駆動されて電力を生む発電機、3は上記ディーゼ
ルエンジン1の給気管4の入口にファン3aを、排気管5
内にこのファンに連結するタービン3bを夫々配置してな
る過給機、6はこの過給機3の下流側の給気管4に介設
した空気冷却器、7はこの空気冷却器6の下流側の給気
管4に設けられ、後述する開信号S3を受けて開成して加
圧空気を大気に排出する給気逃し弁である。
また、8は上記タービン3bの下流側の排気管5aに設け
られ、排気中の酸素濃度を検出するO2センサ、9は排気
温度を検出すべく上記排気管5aに設けた温度センサ、10
はこの温度センサ9の下流側の排気管5に設けられ、排
気中のNOxガス等を除去する触媒を充填した排気浄化装
置、11はこの排気浄化装置10の下流側の排気管5に設け
られ、排気がもつ熱を回収して熱エネルギを生む熱交換
器、12は上記O2センサ8からの検出信号S1が表わす酸素
濃度が所定値以上のとき、上記給気逃し弁7に開信号S3
を出力するとともに、上記温度センサ9からの検出信号
S2が表わす排気温度が所定の上限値以上のとき上記開信
号S3の出力を停止するコントローラである。
上記構成のコージェネレーション装置の動作について
次に述べる。
いま、ディーゼルエンジン1の出力が低下して、空燃
比A/Fが第2図中の点P2まで実質上増加したとする。す
ると、過給機3で過剰供給される空気によって、排気中
の酸素濃度が増加するとともに、第5図のLeより左側に
示すように、空燃比A/Fが増加し、排気温度TがT0以下
に低下する。この状態では、従来例で述べたように排気
温度の低下で、熱交換器11の熱回収効率が著しく悪化す
るばかりでなく、触媒の機能不全で排気浄化装置10が働
かず、排気中のO2濃度の増大も加わって法令の定めるNO
x排出濃度基準が達成できなくなる。
このとき、排気管5aに設けられたO2センサ8は、上記
排気中の酸素濃度を検出して検出信号S1をコントローラ
12に出力し、コントローラ12は、この検出信号S1が表わ
す酸素濃度が所定値以上と判断して、給気逃し弁7に開
信号S3を出力する。すると、給気逃し弁7は、開成して
給気管4からディーゼルエンジン1に供給される加圧空
気の一部を大気に逃がすので、空燃比A/Fが第2図の点P
2から点P1まで減少し、その結果排気温度Tが上昇す
る。従って、この排気温度Tの上昇(T>T0;第5図参
照)によって、熱交換器11の熱回収効率が向上し、排気
浄化装置10の触媒が十分に働いて排気中のNOxが法令の
排出濃度基準以下に減少する。コージェネレーション装
置は、低負荷運転にも拘わらずその利点および特徴を十
分発揮しつつ稼働する。一方、給気逃し弁7が開成し続
けて空燃比A/Fが減少しすぎ、その結果排気温度Tが上
限値以上になると、温度センサ9からの検出信号S2に基
づいてコントローラ12が開信号S3の出力を止める。従っ
て、空燃比A/Fはもとの点P2(第2図参照)まで増加
し、その結果排気温度の上昇が抑えられる。このよう
に、上記実施例では、排気管5aに温度センサ9を設け、
コントローラ12を介して給気逃し弁7の長時間開成によ
る排気温度の過大上昇を防ぐようにしているので、ディ
ーゼルエンジン1の排気系統の異常加熱等を防止し、デ
ィーゼルエンジン1を保護することができる。
第3図は、上記コージェネレーション装置の変形例を
示している。この変形例は、第1図の実施例の排気浄化
装置10を、排気管5b内にNH3ガスを注入するアンモニア
注入装置13とし、NH3ガスの注入量と温度をコントロー
ラ12からの制御信号S4でNOx量に応じて制御するように
した点を除いて、第1図の実施例と同じ構成であり、同
じ構成部材には同一番号を付して説明を省略する。従っ
て、この変形例も、既述の実施例と同様に動作して、デ
ィーゼルエンジン1の運転の負荷低下時に、排気管5b内
の排気温度Tが空燃比A/Fの減少で上昇し、排気中に注
入されるNH3ガスにより有害物質たるNOxガスが十分にN2
に還元され、熱交換器11の熱回収効率が増大し、既述の
実施例と同様の効果を奏する。さらに、この変形例で
は、NH3ガスの注入量と温度をNOx量に応じて制御するの
で、NOxの排出量をより精密に規制できるという利点が
ある。なお、上記実施例,変形例のO2センサ8に代え
て、給気管4に給気圧力センサを介設し、このセンサの
検出信号に基づいてコントローラ12を介して給気逃し弁
7を制御することもできる。
第4図は、本発明の第2のコージェネレーション装置
の一例を示す概略図である。このコージェネレーション
装置は、第1図の実施例のO2センサ8を、ディーゼルエ
ンジン1の出力を検出する燃料ラック目盛センサ14と
し、第1図のコントローラ12を、上記燃料ラック目盛セ
ンサ14からの検出信号が表わすエンジン出力が、所定の
下限値Le(第5図参照)以下を持続する時間がΔt1(第
7図中S2参照)以上のとき、開信号を給気逃し弁7に所
定時間(Δt2)出力するようにした点を除いて、第1図
の実施例と同じ構成であり、同じ構成部材には同一番号
を付して説明を省略する。なお、上記開信号が連続出力
される所定時間Δt2(第7図中S3参照)は、開信号によ
って給気逃し弁7が開成し、その結果温度センサ9で検
出される排気温度が所定の上限値まで上昇する時間に設
定されている。
上記構成のコージェネレーション装置の動作につい
て、第6図,第7図を参照しつつ次に述べる。コントロ
ーラ12は、第7図のステップS1で示すように、まず、燃
料ラック目盛センサ14で検出されるエンジン出力が下限
値Le以下であるか否かを判断し、上記エンジン出力がLe
以下ならば、ステップS2に進んで、Le以下の持続時間が
Δt1以上かどうかを判断する一方、上記エンジン出力が
Leを超えるならば、問題なしとして処理を終える。次
に、ステップS2で、Le以下の持続時間が第6図に示すよ
うにΔt1以上と判断すると、ステップS3に進んで給気逃
し弁7にΔt2時間開信号を連続出力する一方、Le以下の
持続時間がΔt1未満と判断すると、上記ステップS1に戻
る。
エンジン出力がLe以下の状態がΔt1時間以上持続する
と、前述の如く排気温度の低下で、熱交換器11の熱回収
効率が著しく悪化するばかりでなく、触媒の機能不全で
排気浄化装置10が働かず、排気中のO2濃度の増大も加わ
って法令の定めるNOx排気濃度基準が達成できなくな
る。しかし、上記ステップS3の処理により、給気逃し弁
7がΔt2時間開成して、空燃比A/Fが第2図の点P2から
点P1まで減少し、その結果排気温度Tが上昇する。従っ
て、この排気温度Tの上昇によって、熱交換器11の熱回
収効率が向上し、排気浄化装置10の触媒が十分に働いて
排気中のNOxが法令の排出濃度基準以下に減少するとと
もに、コージェネレーション装置は、エンジン運転の負
荷低下にも拘わらずその利点および特徴を十分発揮しつ
つ稼働する。なお、燃料ラックの開度を上げると、第6
図の曲線の右端に示すようにエンジン出力がLe以上に上
昇する。
上記第4図の実施例では、触媒式の排気浄化装置10を
用いた場合について述べたが、これを第3図の如きアン
モニア注入装置13とすることもできる。また、以上の各
実施例の排気浄化装置は、NOxを除去するものについて
説明したが、本発明をSOx等を除去する排気浄化装置に
も適用できることはいうまでもない。また、本発明が図
示の実施例に限られないのは勿論である。
<発明の効果> 以上の説明で明らかなように、本発明のコージェネレ
ーション装置は、ディーゼルエンジンで発電機を駆動
し、排気中に含まれる有害ガスを排気浄化手段で除去
し、かつエンジンの排気熱を熱交換器で回収するものに
おいて、過給機の下流側の給気管に給気逃し弁を設ける
とともに、排気管に設けたO2センサあるいはディーゼル
エンジンの出力センサからの検出信号をコントローラに
入力し、検出信号が表わす排気中の酸素濃度が所定値以
上あるいはエンジン出力が所定の下限値以下のとき、上
記コントローラから給気逃し弁に開信号を出力して、エ
ンジンへ供給する加圧空気の一部を大気に排出させて、
空燃比の減少により排気温度を上昇させるようにしてい
るので、排気中の窒素酸化物を低減し、熱回収効率を増
大させることができ、ディーゼルエンジンを用いた低廉
なコージェネレーション装置の普及に大いに貢献する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1のコージェネレーション装置の一
実施例を示す概略図、第2図は空燃比と排気温度の関係
を示す図、第3図は第1図の変形例を示す概略図、第4
図は本発明の第2のコージェネレーション装置の一実施
例を示す概略図、第5図はエンジン出力と排気温度等の
関係を示す図、第6図はエンジン出力の時間変化例を示
す図、第7図は第4図の実施例の処理フローを示す図で
ある。 1……中低速のディーゼルエンジン、2……発電機、3
……過給機、4……給気管、5……排気管、7……給気
逃し弁、8……O2センサ、9……温度センサ、10……排
気浄化装置、11……熱交換器、12……コントローラ、14
……燃料ラック目盛センサ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジンで発電機を駆動して電
    気エネルギを生産するとともに、上記ディーゼルエンジ
    ンの排気中に含まれる有害ガスを排気浄化手段で除去
    し、かつ上記排気がもつ熱を熱交換器で回収して熱エネ
    ルギを生産するコージェネレーション装置において、 上記ディーゼルエンジンに設けられた過給機と、上記デ
    ィーゼルエンジンの排気管に設けられ、排気中の酸素濃
    度を検出するO2センサと、上記過給機の下流側の給気管
    に設けられ、開信号を受けて開成して加圧空気を大気に
    排出する給気逃し弁と、上記O2センサからの検出信号が
    表わす酸素濃度が所定値以上のとき、上記開信号を給気
    逃し弁に出力するコントローラを備えたことを特徴とす
    るコージェネレーション装置。
  2. 【請求項2】ディーゼルエンジンで発電機を駆動して電
    気エネルギを生産するとともに、上記ディーゼルエンジ
    ンの排気中に含まれる有害ガスを排気浄化手段で除去
    し、かつ上記排気がもつ熱を熱交換器で回収して熱エネ
    ルギを生産するコージェネレーション装置において、 上記ディーゼルエンジンに設けられた過給機と、上記デ
    ィーゼルエンジンの出力を検出する出力センサと、上記
    過給機の下流側の給気管に設けられ、開信号を受けて開
    成して加圧空気を大気に排出する給気逃し弁と、上記出
    力センサからの検出信号が表わすエンジン出力が所定の
    下限値以下のとき、上記開信号を給気逃し弁に所定時間
    出力するコントローラを備えたことを特徴とするコージ
    ェネレーション装置。
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