JP2716049B2 - 光ソリトンパルス伝送方法 - Google Patents
光ソリトンパルス伝送方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ソリトンパルスを用
いて通信を行うシステムにおいて、大容量かつ超長距離
伝送を実現する光ソリトンパルス伝送方法に関する。
いて通信を行うシステムにおいて、大容量かつ超長距離
伝送を実現する光ソリトンパルス伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを伝送路とし、光パルスを信
号として伝送するシステムにおいて、伝送容量を増加さ
せるには、光パルスのパルス幅を短くし、パルスの間隔
を狭くする必要がある。しかし、従来は線形な光パルス
を用いていたために、光ファイバ中を伝搬する光パルス
は、光ファイバに存在する群速度分散によってパルス波
形が変形し、その変形の度合いはパルス幅が短いほど顕
著となるので、通常の光パルスでは大容量化あるいは伝
送距離に限界があった。すなわち、線形の光パルスを用
いて例えば10Gbit/s の伝送容量の伝送を行う従来の伝
送システムでは、概ね伝搬距離に比例してパルス幅が広
がるために3千kmから5千kmの距離の通信が限界で
あった。
号として伝送するシステムにおいて、伝送容量を増加さ
せるには、光パルスのパルス幅を短くし、パルスの間隔
を狭くする必要がある。しかし、従来は線形な光パルス
を用いていたために、光ファイバ中を伝搬する光パルス
は、光ファイバに存在する群速度分散によってパルス波
形が変形し、その変形の度合いはパルス幅が短いほど顕
著となるので、通常の光パルスでは大容量化あるいは伝
送距離に限界があった。すなわち、線形の光パルスを用
いて例えば10Gbit/s の伝送容量の伝送を行う従来の伝
送システムでは、概ね伝搬距離に比例してパルス幅が広
がるために3千kmから5千kmの距離の通信が限界で
あった。
【0003】一方、光ファイバの異常分散波長域で形成
される光ソリトンパルスは、群速度分散と非線形光学効
果が釣り合うことにより生じる安定な光パルスである。
すなわち、光ソリトンパルスは光ファイバに群速度分散
があっても波形を変えずに伝搬するので、光ファイバに
おける光損失(波長1.55μm帯で約0.2dB/km、1km先
で約5%の減衰)の補償さえすれば、大容量でかつ長距
離伝送が可能になっている。
される光ソリトンパルスは、群速度分散と非線形光学効
果が釣り合うことにより生じる安定な光パルスである。
すなわち、光ソリトンパルスは光ファイバに群速度分散
があっても波形を変えずに伝搬するので、光ファイバに
おける光損失(波長1.55μm帯で約0.2dB/km、1km先
で約5%の減衰)の補償さえすれば、大容量でかつ長距
離伝送が可能になっている。
【0004】したがって、光ソリトンパルスを用いる従
来の伝送システムでは、光パルスの振幅,パルス幅,波
形等を制御して光ソリトンパルスを形成し、伝送路とし
ての光ファイバに送出した後は、光ファイバの光損失に
よって生じる光ソリトンパルスの強度の低下を補償する
ための光増幅だけが行われていた。このような構成で
も、光ソリトンパルスを用いることにより、10Gbit/s
の伝送容量で数千kmから2万kmの距離の通信が可能
となっていた(特願平1−68619号)。
来の伝送システムでは、光パルスの振幅,パルス幅,波
形等を制御して光ソリトンパルスを形成し、伝送路とし
ての光ファイバに送出した後は、光ファイバの光損失に
よって生じる光ソリトンパルスの強度の低下を補償する
ための光増幅だけが行われていた。このような構成で
も、光ソリトンパルスを用いることにより、10Gbit/s
の伝送容量で数千kmから2万kmの距離の通信が可能
となっていた(特願平1−68619号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、伝送路に損
失がない理想的な場合には、光ソリトンパルスは波形歪
みを生じることなく信号を無限に伝送することができる
が、現実の光ファイバには光損失があり、光ソリトンパ
ルスを伝送するにはこの光損失に見合った利得を有する
光増幅器が不可欠となる。しかし、このような減衰と増
幅を繰り返して伝搬する光ソリトンパルスは理想的な場
合と異なり、光ソリトンパルス間の相互作用によって波
形歪みが生じ非ソリトン成分が発生する。また、光ソリ
トンパルスと光増幅器の自然放出光雑音 (Amplified Sp
ontaneous Emission;ASE)の相互作用により、光ソ
リトンパルスの速度が変化し、光ソリトンパルスにタイ
ミングのずれをもたらす。このような非ソリトン成分の
発生やタイミングのずれは、光ソリトンパルスで伝送さ
れる信号の符号誤り率を劣化させる要因になっていた。
失がない理想的な場合には、光ソリトンパルスは波形歪
みを生じることなく信号を無限に伝送することができる
が、現実の光ファイバには光損失があり、光ソリトンパ
ルスを伝送するにはこの光損失に見合った利得を有する
光増幅器が不可欠となる。しかし、このような減衰と増
幅を繰り返して伝搬する光ソリトンパルスは理想的な場
合と異なり、光ソリトンパルス間の相互作用によって波
形歪みが生じ非ソリトン成分が発生する。また、光ソリ
トンパルスと光増幅器の自然放出光雑音 (Amplified Sp
ontaneous Emission;ASE)の相互作用により、光ソ
リトンパルスの速度が変化し、光ソリトンパルスにタイ
ミングのずれをもたらす。このような非ソリトン成分の
発生やタイミングのずれは、光ソリトンパルスで伝送さ
れる信号の符号誤り率を劣化させる要因になっていた。
【0006】さらに、超長距離伝送では、伝送路に挿入
される光増幅器はかなりの数となり、光増幅器の自然放
出光雑音の蓄積が大きな問題となる。光ソリトンパルス
を伝送するシステムでは、50〜80kmに1個の光増幅器
が必要となるが、たとえば5万kmの伝送では 625〜10
00個の光増幅器を要するので、その自然放出光雑音も62
5〜1000倍となる。このような規模で光増幅器の自然放
出光雑音が累積された場合には、信号対雑音比が劣化し
て信号を読みだすことができなかった。
される光増幅器はかなりの数となり、光増幅器の自然放
出光雑音の蓄積が大きな問題となる。光ソリトンパルス
を伝送するシステムでは、50〜80kmに1個の光増幅器
が必要となるが、たとえば5万kmの伝送では 625〜10
00個の光増幅器を要するので、その自然放出光雑音も62
5〜1000倍となる。このような規模で光増幅器の自然放
出光雑音が累積された場合には、信号対雑音比が劣化し
て信号を読みだすことができなかった。
【0007】このように、光ソリトンパルスを用いた通
信であっても、光ソリトンパルス間の相互作用、光ソリ
トンパルスと光増幅器の自然放出光雑音との相互作用、
光増幅器の自然放出光雑音の蓄積等の要因により、伝送
容量の増加や伝送距離の延長は困難になっていた(J.P.
Gordon and H.A.Haus, Optics Letters, 11 (1986),p.6
65)。
信であっても、光ソリトンパルス間の相互作用、光ソリ
トンパルスと光増幅器の自然放出光雑音との相互作用、
光増幅器の自然放出光雑音の蓄積等の要因により、伝送
容量の増加や伝送距離の延長は困難になっていた(J.P.
Gordon and H.A.Haus, Optics Letters, 11 (1986),p.6
65)。
【0008】本発明は、光ソリトンパルス間の相互作
用、光ソリトンパルスと光増幅器の自然放出光雑音との
相互作用を除去して光ソリトンパルスを安定化させ、ま
た光増幅器で発生する自然放出光雑音の除去によって大
容量かつ超長距離伝送を可能とする光ソリトンパルス伝
送方法を提供することを目的とする。
用、光ソリトンパルスと光増幅器の自然放出光雑音との
相互作用を除去して光ソリトンパルスを安定化させ、ま
た光増幅器で発生する自然放出光雑音の除去によって大
容量かつ超長距離伝送を可能とする光ソリトンパルス伝
送方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光増幅器が所
定の間隔で挿入された光ファイバ伝送路で光ソリトンパ
ルスを伝送する光ソリトンパルス伝送方法において、光
ファイバ伝送路の所定位置に挿入される光フィルタ手段
で、光ソリトンパルスのパルス幅に対応した帯域を含む
帯域成分を透過させ、その光ソリトンパルスを光増幅器
に入力して振幅の変化分を補償し、光ファイバ伝送路の
所定位置に挿入される光強度変調手段で、光ファイバ伝
送路の伝搬光に対して元の光ソリトンパルス周期に同期
した強度変調を行うことを特徴とする。
定の間隔で挿入された光ファイバ伝送路で光ソリトンパ
ルスを伝送する光ソリトンパルス伝送方法において、光
ファイバ伝送路の所定位置に挿入される光フィルタ手段
で、光ソリトンパルスのパルス幅に対応した帯域を含む
帯域成分を透過させ、その光ソリトンパルスを光増幅器
に入力して振幅の変化分を補償し、光ファイバ伝送路の
所定位置に挿入される光強度変調手段で、光ファイバ伝
送路の伝搬光に対して元の光ソリトンパルス周期に同期
した強度変調を行うことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の光ソリトンパルス伝送方法では、光フ
ィルタを用いて光ソリトンパルスのパルス幅に対応した
帯域を含む帯域成分を透過させ、それによって光ソリト
ンパルスの振幅の変化に応じた損失を与えることによ
り、光増幅器で増幅したときに振幅の変化を補償する方
向に制御することができる。すなわち、光フィルタと光
増幅器とを組み合わせることにより、光ソリトンパルス
のエネルギーの変化を抑圧して安定化させることができ
る。
ィルタを用いて光ソリトンパルスのパルス幅に対応した
帯域を含む帯域成分を透過させ、それによって光ソリト
ンパルスの振幅の変化に応じた損失を与えることによ
り、光増幅器で増幅したときに振幅の変化を補償する方
向に制御することができる。すなわち、光フィルタと光
増幅器とを組み合わせることにより、光ソリトンパルス
のエネルギーの変化を抑圧して安定化させることができ
る。
【0011】また、元の光ソリトンパルス周期に同期し
た強度変調を行うことにより、光ソリトンパルスを変調
の中心(元の光ソリトンパルス周期)に引き寄せること
ができる。したがって、光ソリトンパルスと光増幅器で
発生する自然放出光雑音との相互作用によって生じたジ
ッタを除去することができる。
た強度変調を行うことにより、光ソリトンパルスを変調
の中心(元の光ソリトンパルス周期)に引き寄せること
ができる。したがって、光ソリトンパルスと光増幅器で
発生する自然放出光雑音との相互作用によって生じたジ
ッタを除去することができる。
【0012】また、光ソリトンパルス周期に同期した強
度変調を行うことにより、光増幅器で発生した自然放出
光雑音のエネルギーを減少させることができる。したが
って、群速度分散を有する光ファイバ伝送路と光変調器
と組み合わせて用いることにより、自然放出光雑音を徐
々に減衰させることができる。
度変調を行うことにより、光増幅器で発生した自然放出
光雑音のエネルギーを減少させることができる。したが
って、群速度分散を有する光ファイバ伝送路と光変調器
と組み合わせて用いることにより、自然放出光雑音を徐
々に減衰させることができる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明方法を用いた光ソリトンパル
ス伝送システムの第一実施例構成を示すブロック図であ
る。
ス伝送システムの第一実施例構成を示すブロック図であ
る。
【0014】図において、光ソリトンパルス発生器11
から対向する受光器12に光ソリトンパルスを伝送する
光ファイバ伝送路13には、所定の間隔La (通常は50
〜80km)で光増幅器14が挿入される。さらに、光フ
ァイバ伝送路13には、光ソリトンパルスの安定化を図
るための光フィルタ15および光変調器16が、所定の
間隔Lc (通常は 50〜500(最大で5000) km)で挿入
される。また、クロック抽出器17は、光変調器16に
入力される光ソリトンパルスからクロック信号を抽出し
て光変調器16に与える。光変調器16は、このクロッ
ク信号に同期した変調により、変調周波数を元の光ソリ
トンパルス周期に一致させる。なお、光フィルタ15,
光変調器16,光増幅器14の配列は任意である。
から対向する受光器12に光ソリトンパルスを伝送する
光ファイバ伝送路13には、所定の間隔La (通常は50
〜80km)で光増幅器14が挿入される。さらに、光フ
ァイバ伝送路13には、光ソリトンパルスの安定化を図
るための光フィルタ15および光変調器16が、所定の
間隔Lc (通常は 50〜500(最大で5000) km)で挿入
される。また、クロック抽出器17は、光変調器16に
入力される光ソリトンパルスからクロック信号を抽出し
て光変調器16に与える。光変調器16は、このクロッ
ク信号に同期した変調により、変調周波数を元の光ソリ
トンパルス周期に一致させる。なお、光フィルタ15,
光変調器16,光増幅器14の配列は任意である。
【0015】ここで、光ファイバ伝送路13には、石英
系の光ファイバが用いられる。光増幅器14は、光ソリ
トンパルスを光のまま増幅器するものであり、伝送帯域
が例えば1.55μm帯であればエルビウム添加光ファイバ
増幅器あるいは半導体光増幅器その他が用いられる。な
お、エルビウム添加光ファイバ増幅器を用いる場合には
励起光の注入機構が含まれる。光フィルタ15は、光の
帯域透過型フィルタであり、干渉多層膜フィルタあるい
はファブリペロ共振器その他が用いられる。光変調器1
6は、強度変調器であり、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)
製のマッハツェンダ型変調器,電界吸収型半導体変調器
あるいは半導体光増幅器その他が用いられる。
系の光ファイバが用いられる。光増幅器14は、光ソリ
トンパルスを光のまま増幅器するものであり、伝送帯域
が例えば1.55μm帯であればエルビウム添加光ファイバ
増幅器あるいは半導体光増幅器その他が用いられる。な
お、エルビウム添加光ファイバ増幅器を用いる場合には
励起光の注入機構が含まれる。光フィルタ15は、光の
帯域透過型フィルタであり、干渉多層膜フィルタあるい
はファブリペロ共振器その他が用いられる。光変調器1
6は、強度変調器であり、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)
製のマッハツェンダ型変調器,電界吸収型半導体変調器
あるいは半導体光増幅器その他が用いられる。
【0016】このような構成により、光ソリトンパルス
発生器11から出射された光ソリトンパルスは光ファイ
バ伝送路13を伝搬し、その光損失による強度の低下が
光増幅器14によって補償され、それを1〜数十回繰り
返した後に光フィルタ15および光変調器16によって
光ソリトンパルスを安定化する制御が加えられる。さら
に、光ソリトンパルスはそれらを所定回数繰り返して所
要の距離を伝搬した後に受光器12に受光される。
発生器11から出射された光ソリトンパルスは光ファイ
バ伝送路13を伝搬し、その光損失による強度の低下が
光増幅器14によって補償され、それを1〜数十回繰り
返した後に光フィルタ15および光変調器16によって
光ソリトンパルスを安定化する制御が加えられる。さら
に、光ソリトンパルスはそれらを所定回数繰り返して所
要の距離を伝搬した後に受光器12に受光される。
【0017】以下、図2〜図4を参照して光フィルタ1
5および光変調器16が果たす機能について説明する。
図2は、光フィルタ15によって光ソリトンパルスが安
定化する原理を説明する図である。
5および光変調器16が果たす機能について説明する。
図2は、光フィルタ15によって光ソリトンパルスが安
定化する原理を説明する図である。
【0018】図において、光ソリトンパルス21aに対
して光ソリトンパルス21bは振幅が減少したものであ
る。その違いは振幅だけであり、それぞれに対応する周
波数スペクトル22a,22bには変化がない。すなわ
ち、両光ソリトンパルスのスペクトル幅は等しい。この
振幅の減少は、雑音による場合、光ソリトンパルスの周
波数シフトにより周波数の中心がフィルタの中心からず
れた場合、ジッタにより光ソリトンパルスの中心が変調
の中心からずれた場合などに生じる。
して光ソリトンパルス21bは振幅が減少したものであ
る。その違いは振幅だけであり、それぞれに対応する周
波数スペクトル22a,22bには変化がない。すなわ
ち、両光ソリトンパルスのスペクトル幅は等しい。この
振幅の減少は、雑音による場合、光ソリトンパルスの周
波数シフトにより周波数の中心がフィルタの中心からず
れた場合、ジッタにより光ソリトンパルスの中心が変調
の中心からずれた場合などに生じる。
【0019】この光ソリトンパルスが光ファイバ伝送路
13を伝搬すると、光ソリトンパルス21aについては
パルス幅に変化がなく同様の光ソリトンパルス23aと
なり、また周波数スペクトル24aも変化しない。一
方、振幅が減少している光ソリトンパルス21bは、非
線形性に比べて分散性が強くなり、伝搬中に光ファイバ
伝送路13の群速度分散によってパルス幅が広がった光
ソリトンパルス23bとなり、それに逆比例してスペク
トル幅が狭まった周波数スペクトル24bとなる。
13を伝搬すると、光ソリトンパルス21aについては
パルス幅に変化がなく同様の光ソリトンパルス23aと
なり、また周波数スペクトル24aも変化しない。一
方、振幅が減少している光ソリトンパルス21bは、非
線形性に比べて分散性が強くなり、伝搬中に光ファイバ
伝送路13の群速度分散によってパルス幅が広がった光
ソリトンパルス23bとなり、それに逆比例してスペク
トル幅が狭まった周波数スペクトル24bとなる。
【0020】この周波数スペクトルを有する光ソリトン
パルス23a,23bを光フィルタ(帯域透過型フィル
タ)15に通すと、光ソリトンパルス23bはスペクト
ル幅が狭くなっているために光フィルタ15で阻止され
る成分が少なく、光ソリトンパルス23aに比べて損失
が少ない。そこで、光ソリトンパルス23a,23bを
同じ利得で増幅すると、光ソリトンパルス23bは振幅
が回復する方向に向かう。また、振幅が増加した場合に
は、これと逆に光フィルタ15で阻止される成分が多く
なって損失が増え、振幅が減少する方向に向かう。
パルス23a,23bを光フィルタ(帯域透過型フィル
タ)15に通すと、光ソリトンパルス23bはスペクト
ル幅が狭くなっているために光フィルタ15で阻止され
る成分が少なく、光ソリトンパルス23aに比べて損失
が少ない。そこで、光ソリトンパルス23a,23bを
同じ利得で増幅すると、光ソリトンパルス23bは振幅
が回復する方向に向かう。また、振幅が増加した場合に
は、これと逆に光フィルタ15で阻止される成分が多く
なって損失が増え、振幅が減少する方向に向かう。
【0021】このように、いずれの場合でも光フィルタ
15は光ソリトンパルスのエネルギーを定常値に引き戻
すように働く。すなわち、光フィルタ15を挿入するこ
とにより、光ソリトンパルスのエネルギーを安定化させ
ることができる。
15は光ソリトンパルスのエネルギーを定常値に引き戻
すように働く。すなわち、光フィルタ15を挿入するこ
とにより、光ソリトンパルスのエネルギーを安定化させ
ることができる。
【0022】図3は、光変調器16によって光ソリトン
パルスの位置が安定化する原理を説明する図である。図
3(1) において、光ソリトンパルス発生器11から光フ
ァイバ伝送路13に出射される光ソリトンパルス(a)
は、図に示すように等間隔である。この光ソリトンパル
ス(a) は、光増幅器14で発生する自然放出光雑音との
相互作用によって周波数が変化し、光ファイバ伝送路1
3を伝搬した後には間隔にばらつきが生じた光ソリトン
パルス(b) となる。このばらつきをジッタと呼ぶ。
パルスの位置が安定化する原理を説明する図である。図
3(1) において、光ソリトンパルス発生器11から光フ
ァイバ伝送路13に出射される光ソリトンパルス(a)
は、図に示すように等間隔である。この光ソリトンパル
ス(a) は、光増幅器14で発生する自然放出光雑音との
相互作用によって周波数が変化し、光ファイバ伝送路1
3を伝搬した後には間隔にばらつきが生じた光ソリトン
パルス(b) となる。このばらつきをジッタと呼ぶ。
【0023】ここで、クロック抽出器17が、ジッタの
生じた光ソリトンパルス(b) から元の光ソリトンパルス
周期を抽出し、クロック信号として光変調器16に与え
る。光変調器16は、そのクロック信号に同期した変調
波形(c) でジッタの生じた光ソリトンパルス(b) に対し
て強度変調をかけると、ジッタが減少した光ソリトンパ
ルス(d) とすることができる。
生じた光ソリトンパルス(b) から元の光ソリトンパルス
周期を抽出し、クロック信号として光変調器16に与え
る。光変調器16は、そのクロック信号に同期した変調
波形(c) でジッタの生じた光ソリトンパルス(b) に対し
て強度変調をかけると、ジッタが減少した光ソリトンパ
ルス(d) とすることができる。
【0024】図3(2) は、ジッタの生じた光ソリトンパ
ルス(b) ,変調波形(c) ,ジッタが減少した光ソリトン
パルス(d) を拡大して重ねた図である。この図のよう
に、ジッタの生じた光ソリトンパルス(b) が左側にずれ
た場合には、それに対して右上がりの変調波形(c) が透
過関数となる。すなわち、ジッタの生じた光ソリトンパ
ルス(b) の中心に対して右側の方が多く透過し、左側の
方の透過が少なくなる。その結果、図中に上下の矢印で
示したように波形が変化し、その中心が変調の山の方に
向かって移動してジッタが減少した光ソリトンパルス
(d) が得られる。すなわち、ジッタの生じた光ソリトン
パルス(b) は、変調の中心に引き寄せられることにな
り、ジッタが減少する。
ルス(b) ,変調波形(c) ,ジッタが減少した光ソリトン
パルス(d) を拡大して重ねた図である。この図のよう
に、ジッタの生じた光ソリトンパルス(b) が左側にずれ
た場合には、それに対して右上がりの変調波形(c) が透
過関数となる。すなわち、ジッタの生じた光ソリトンパ
ルス(b) の中心に対して右側の方が多く透過し、左側の
方の透過が少なくなる。その結果、図中に上下の矢印で
示したように波形が変化し、その中心が変調の山の方に
向かって移動してジッタが減少した光ソリトンパルス
(d) が得られる。すなわち、ジッタの生じた光ソリトン
パルス(b) は、変調の中心に引き寄せられることにな
り、ジッタが減少する。
【0025】このように、変調を加えなければジッタが
次々に蓄積されて長距離の伝送ができなくなるが、光変
調器16を挿入することによってその都度ジッタが除去
され、光ソリトンパルスの位置を安定化させることがで
きる。
次々に蓄積されて長距離の伝送ができなくなるが、光変
調器16を挿入することによってその都度ジッタが除去
され、光ソリトンパルスの位置を安定化させることがで
きる。
【0026】図4は、光変調器16によって光増幅器1
4で発生する自然放出光雑音が除去される原理を説明す
る図である。図において、光増幅器14で発生した自然
放出光雑音(e) は、光変調器16の変調波形(c) に応じ
て変調され、パルス状の雑音(f) となる。この雑音(f)
は、光ファイバ伝送路13を伝搬する間に光ファイバの
群速度分散によって広がっていき、再び連続した雑音
(g) に戻る。このとき、変調波形(c) の谷部分のエネル
ギーが弱くなるために雑音全体のエネルギーも減少して
おり、雑音(g) は自然放出光雑音(e) に比べて小さくな
っている。なお、光ソリトンパルスは非線形性を利用し
ているためにパルス幅は広がらない。連続となった雑音
(g) は、次の光変調器16によって再びパルス状の雑音
(h) となり、雑音全体のエネルギーが減少するので、次
の光ファイバ伝送路13を伝搬する間にさらに小さな雑
音(i) となる。
4で発生する自然放出光雑音が除去される原理を説明す
る図である。図において、光増幅器14で発生した自然
放出光雑音(e) は、光変調器16の変調波形(c) に応じ
て変調され、パルス状の雑音(f) となる。この雑音(f)
は、光ファイバ伝送路13を伝搬する間に光ファイバの
群速度分散によって広がっていき、再び連続した雑音
(g) に戻る。このとき、変調波形(c) の谷部分のエネル
ギーが弱くなるために雑音全体のエネルギーも減少して
おり、雑音(g) は自然放出光雑音(e) に比べて小さくな
っている。なお、光ソリトンパルスは非線形性を利用し
ているためにパルス幅は広がらない。連続となった雑音
(g) は、次の光変調器16によって再びパルス状の雑音
(h) となり、雑音全体のエネルギーが減少するので、次
の光ファイバ伝送路13を伝搬する間にさらに小さな雑
音(i) となる。
【0027】このように、光増幅器14で発生した自然
放出光雑音(e) は、光変調器16と光ファイバ伝送路1
3とを繰り返し伝搬させることにより除去することがで
きる。
放出光雑音(e) は、光変調器16と光ファイバ伝送路1
3とを繰り返し伝搬させることにより除去することがで
きる。
【0028】図5は、本実施例システムの動作を計算機
により解析した結果を示した図である。本シミュレーシ
ョンは、10Gbit/s に相当するパルス対で光ファイバを
伝搬する光ソリトンパルスの波形について、入力波形お
よび5万kmごとに 100万kmまで示したものである。
ここに示すように、本発明の光ソリトンパルス伝送方法
を用いることにより 100万kmの伝送でも波形に劣化が
なく、 100万km以上にわたって信号の伝送が可能であ
ることがわかる。
により解析した結果を示した図である。本シミュレーシ
ョンは、10Gbit/s に相当するパルス対で光ファイバを
伝搬する光ソリトンパルスの波形について、入力波形お
よび5万kmごとに 100万kmまで示したものである。
ここに示すように、本発明の光ソリトンパルス伝送方法
を用いることにより 100万kmの伝送でも波形に劣化が
なく、 100万km以上にわたって信号の伝送が可能であ
ることがわかる。
【0029】なお、図1に示す実施例では、光フィルタ
15と光変調器16とを同一ポイントで用いる構成を示
したが、それらは互いに独立した機能を果たすので、別
々にかつ異なる間隔で配置されてもよい。また、それら
の配置間隔は、要求される特性とコストとの関係で決ま
るが、フィルタ特性や変調強度を適宜設定すれば配置間
隔をある程度広げても、本発明の効果を十分に引き出す
ことができる。
15と光変調器16とを同一ポイントで用いる構成を示
したが、それらは互いに独立した機能を果たすので、別
々にかつ異なる間隔で配置されてもよい。また、それら
の配置間隔は、要求される特性とコストとの関係で決ま
るが、フィルタ特性や変調強度を適宜設定すれば配置間
隔をある程度広げても、本発明の効果を十分に引き出す
ことができる。
【0030】ここで、本発明方法を用いた光ソリトンパ
ルス伝送システムの第二実施例構成を図6に示す。本実
施例の構成は、光フィルタ15と光変調器16をそれぞ
れ独立に適当な間隔で配置する。なお、光フィルタ15
および光変調器16の後段に配置される光増幅器14
は、光フィルタ15および光変調器16における光損失
を補償する目的を有する。
ルス伝送システムの第二実施例構成を図6に示す。本実
施例の構成は、光フィルタ15と光変調器16をそれぞ
れ独立に適当な間隔で配置する。なお、光フィルタ15
および光変調器16の後段に配置される光増幅器14
は、光フィルタ15および光変調器16における光損失
を補償する目的を有する。
【0031】また、光フィルタ15および光変調器16
の後段に配置される光増幅器14と、光フィルタ15お
よび光変調器16の前に配置される光増幅器14を一つ
にまとめ、光ファイバ伝送路13による光損失と、光フ
ィルタ15および光変調器16による光損失とを同時に
補償させることも可能である。
の後段に配置される光増幅器14と、光フィルタ15お
よび光変調器16の前に配置される光増幅器14を一つ
にまとめ、光ファイバ伝送路13による光損失と、光フ
ィルタ15および光変調器16による光損失とを同時に
補償させることも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、光ソリト
ンパルス間の相互作用、光ソリトンパルスと光増幅器の
自然放出光雑音との相互作用による光ソリトンパルスの
劣化を補償し、光ファイバ伝送路上の光ソリトンパルス
の位置を安定化させることができる。また、光増幅器で
発生する自然放出光雑音を除去することができる。した
がって、光ソリトンパルスの長距離伝送に不可欠な光増
幅器がもたらす障害要因が解消し、その利得を有効に引
き出して伝送距離を飛躍的に延ばすことができ、大容量
かつ超長距離伝送を実現することができる。
ンパルス間の相互作用、光ソリトンパルスと光増幅器の
自然放出光雑音との相互作用による光ソリトンパルスの
劣化を補償し、光ファイバ伝送路上の光ソリトンパルス
の位置を安定化させることができる。また、光増幅器で
発生する自然放出光雑音を除去することができる。した
がって、光ソリトンパルスの長距離伝送に不可欠な光増
幅器がもたらす障害要因が解消し、その利得を有効に引
き出して伝送距離を飛躍的に延ばすことができ、大容量
かつ超長距離伝送を実現することができる。
【図1】本発明方法を用いた光ソリトンパルス伝送シス
テムの第一実施例構成を示すブロック図。
テムの第一実施例構成を示すブロック図。
【図2】光フィルタ15によって光ソリトンパルスが安
定化する原理を説明する図。
定化する原理を説明する図。
【図3】光変調器16によって光ソリトンパルスの位置
が安定化する原理を説明する図。
が安定化する原理を説明する図。
【図4】光変調器16によって光増幅器14で発生する
自然放出光雑音が除去される原理を説明する図。
自然放出光雑音が除去される原理を説明する図。
【図5】本実施例システムの動作を計算機により解析し
た結果を示した図。
た結果を示した図。
【図6】本発明方法を用いた光ソリトンパルス伝送シス
テムの第二実施例構成を示すブロック図。
テムの第二実施例構成を示すブロック図。
11 光ソリトンパルス発生器 12 受光器 13 光ファイバ伝送路 14 光増幅器 15 光フィルタ 16 光変調器 17 クロック抽出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/152 10/18
Claims (1)
- 【請求項1】 光増幅器が所定の間隔で挿入された光フ
ァイバ伝送路で光ソリトンパルスを伝送する光ソリトン
パルス伝送方法において、前記光ファイバ伝送路の所定位置に挿入される光フィル
タ手段で、前記光ソリトンパルスのパルス幅に対応した
帯域を含む帯域成分を透過させ、その光ソリトンパルス
を前記光増幅器に入力して振幅の変化分を補償し、 前記光ファイバ伝送路の所定位置に挿入される光強度変
調手段で、前記光ファイバ伝送路の伝搬光に対して元の
光ソリトンパルス周期に同期した強度変調を行う ことを
特徴とする光ソリトンパルス伝送方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4262153A JP2716049B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光ソリトンパルス伝送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4262153A JP2716049B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光ソリトンパルス伝送方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06112908A JPH06112908A (ja) | 1994-04-22 |
JP2716049B2 true JP2716049B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=17371798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4262153A Expired - Fee Related JP2716049B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光ソリトンパルス伝送方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716049B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2799011B1 (fr) * | 1999-09-24 | 2001-12-14 | Cit Alcatel | Regenerateur optique pour signaux rz limitant le bruit dans les "zeros" |
JP4532061B2 (ja) * | 2002-09-24 | 2010-08-25 | 古河電気工業株式会社 | 波形整形器、光パルス発生装置および光再生システム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2612080B2 (ja) * | 1990-01-19 | 1997-05-21 | 日本電信電話株式会社 | 光ソリトン発生方法およびソリトン伝送方法 |
JP2560881B2 (ja) * | 1990-03-27 | 1996-12-04 | 日本電気株式会社 | 光再生中継器 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP4262153A patent/JP2716049B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06112908A (ja) | 1994-04-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |