JPH0697890A - 光伝送装置 - Google Patents
光伝送装置Info
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- JPH0697890A JPH0697890A JP4271029A JP27102992A JPH0697890A JP H0697890 A JPH0697890 A JP H0697890A JP 4271029 A JP4271029 A JP 4271029A JP 27102992 A JP27102992 A JP 27102992A JP H0697890 A JPH0697890 A JP H0697890A
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Abstract
アイ・パターンを最適に保つのが容易な光伝送装置を提
供することを目的とする。 【構成】単一モードの半導体レーザ光11を直接変調し
て得られた光強度信号を光ファイバ40 ,41 ,42 ,
43 に送出する光送信装置11と、光ファイバ40 ,4
1 ,42 ,43 の特性変動に応じて、光強度信号の光フ
ァイバ40 ,41,42 ,43 への送出パワーを制御す
る光増幅器13,331 ,332 ,333と、光ファイ
バ40 ,41 ,42 ,43 を介して光送信装置1と接続
され、光強度信号を受信する光受信装置2とを備えてい
る。
Description
電気的無再生伝送に用いられる光伝送装置に関する。
に行なわれている。これは光信号伝送が電気信号伝送よ
り伝送速度や信号間の干渉等の点で優れているからであ
る。このような状況の中、変調時にも波長安定な光送信
器、超高速LSI、光増幅器などの発展により、毎秒1
0ギガビットで数百km以上の超高速電気的無再生中継
光ファイバ伝送が実現されつつある。
光信号を長距離電気的無再生中継伝送する場合、中継器
間隔を広げたり光増幅器の雑音の影響を小さくしたりす
るために、光送信器や中間中継器は数mW以上の光パワ
ーを伝送用光ファイバに送出する。
の非線形性(Kerr効果)により伝送中にスペクトル
が広がる。Kerr効果は電界の二乗に比例して屈折率
が変化する現象であり、その比例係数である非線形屈折
率n2 は光ファイバ中で3.2×10-16 cm2 /W程
度の値を有する。このため、強くて短い光パルスは立上
がりの波長が長く、立ち下がりの波長が短くなる(自己
位相変調)。したがって、光ファイバが異常分散を示す
波長では光パルスは圧縮され、正常分散波長ではパルス
は広がる。
かかったときに最も大きく開く。このため、Kerr効
果の影響を除去し、超高速変調された光信号の受信ビッ
ト誤り率を低く保つためには、波長分散値を最適値近傍
の所定範囲内におさめる必要がある。特に電気的再生な
しに光増幅器を用いて長距離伝送する場合には、低ビッ
ト誤り率を実現できる波長分散許容範囲は狭くなる。
の環境変化や保守などにより若干変動するため、いった
ん敷設された光ファイバの特性を制御することは一般に
困難である。このため、通常は光送信器の光源であるレ
ーザのヒートシンク温度を変化させることで、所定の波
長分散になるように発振波長を制御する。
が大きく、継続的且つ安定な自動制御が難しいという問
題があった。また、光中継器により分割される複数の区
間からなる光ファイバ伝送系においては、最適な波長分
散値が区間ごとに少しずつ異なるが、波長による制御で
は個々の区間ごとに最適な制御を行なうことはできなか
った。また、敷設されたファイバにとって最適な波長範
囲が狭いため、波長軸上で多重できるチャンネル数に制
限があった。
伝送装置では、光ファイバの特性変動に対してアイ・パ
ターンを最適に保つように、継続的かつ安定な自動制御
を行なうことは困難であるという問題があった。
ので、その目的とするところは、光ファイバの特性変動
があっても、アイ・パターンを最適に保つのが容易な光
伝送装置を提供することにある。
めに、本発明の光伝送装置(請求項1)は、単一モード
の半導体レーザ光を直接変調して得られた光強度信号を
光ファイバに送出する送出手段と、前記光ファイバを介
して前記送出手段に接続された前記光強度信号を受信す
る手段と、前記光ファイバから受信された前記光強度信
号に応じて、前記光強度信号の前記光ファイバへの送出
パワーをフィードバック制御する調整手段とを備えてい
ることを特徴とする光伝送装置。
2)は、単一モードの半導体レーザ光を直接変調して得
られた複数の光強度信号を波長多重して光ファイバに送
出する送出手段と、前記光ファイバの波長ごとの特性の
差異に応じて、前記複数の光強度信号の前記光ファイバ
への送出パワーを調整する調整手段と、前記光ファイバ
を介して前記送出手段に接続された前記複数の光強度信
号を受信する手段とを備えたことを特徴とする。
位相変調と、半導体レーザの直接変調にともなう波長チ
ャープの影響を受ける。そして、光ファイバに送出する
光強度信号の送出パワーが大きくなるほど、波長チャー
プの影響より自己位相変調の影響が強くなる。
散を示す波長で光パルスは圧縮し、光ファイバが正常分
散を示す波長で光パルスは広がる。また、直接変調に伴
う波長チャープの場合、逆に光ファイバが異常分散を示
す波長で光パルスは広がり、光ファイバが正常分散を示
す波長で光パルスは圧縮する。
る場合に良好になる。このため、アイ・パターンに対し
て良好な特性状態にある光ファイバが、光強度信号に対
して異常分散を示す方向に特性が変動したら、送出パワ
ーを大きくして相対的に自己位相変調の影響を強くして
光パルスの圧縮を強める。逆に、正常分散を示す方向に
特性が変動したら、送出パワーを小さくして相対的に波
長チャープの影響を強くして光パルスの圧縮を強める。
このような送出パワーの調整で常に良好なアイ・パター
ンが得られ、しかも、ヒートシンク温度を制御する場合
のような大きな時間遅れはない。
利得を変化させることで容易に自動制御できる。また、
光ファイバへの送出パワーは個々の中継器ごとに制御で
きるので、各区間ごとの最適制御が可能となる。
は、各チャンネルの光ファイバの波長分散値に応じて各
チャンネルの光ファイバへの送出パワーを調整すること
により、そのチャンネルの最適分散値を波長分散値に略
一致させることができる。したがって、高速長距離伝送
可能な波長多重チャンネルの数を増やすことができる。
説明する。
Gb/s光伝送装置の要部概略構成を示す図で、電気系
や光アイソレータ,モニタ系などの細かな光部品は図示
していない。
装置1と、光受信装置2と、光中継装置31 ,32 ,3
3 と、伝送用零分散波長シフト光ファイバ(以下、伝送
用光ファイバともいう)40 ,41 ,42 ,43 とで構
成されている。なお、中継器間隔は約100kmであ
り、3段の光中継装置31 ,32 ,33 で中継すること
で合計400kmの電気的無再生中継伝送が行なわれ
る。
さな分布帰還型歪量子井戸半導体レーザ(以下、歪量子
井戸半導体レーザともいう)11である。この歪量子井
戸半導体レーザ11の発振波長はおよそ1.551μm
である。また、歪量子井戸半導体レーザ11は駆動系1
2により10Gb/sの信号で変調され、変調されたレ
ーザ光はエルビウムドープ光ファイバ増幅器(以下、光
ファイバ増幅器ともいう)13で増幅された後、伝送用
光ファイバ40 に送出される。光増幅器13には利得制
御回路14と周波数f0 の低周波の正弦波電源15が付
属している。光増幅器13の利得は、正弦波電源15に
より微小に変調されており、その結果として光増幅器1
3の出力パワーもf0 で微小に変調されている。実際の
利得変調や利得制御は、光増幅器励起用半導体レーザの
出力を変えることにより実現できる。
ウムドープ光ファイバ増幅器331,332 ,333 ,
利得制御回路341 ,342 ,343 及び周波数f1 ,
f2,f3 の低周波の正弦波電源351 ,352 ,35
3 がそれぞれ付属している。エルビウムドープ光ファイ
バ増幅器331 ,332 ,333 の利得は、正弦波電源
351 ,352 ,353 により微小に変調されており、
その結果としてエルビウムドープ光ファイバ増幅器33
1 ,332 ,333 の出力パワーも周波数f1,f2 ,
f3 で微小に変調されている。
信器24,フロントエンド25,再生識別回路26など
で構成されている。フロントエンド25には平均出力レ
ベル測定回路27とアイ開口測定回路28とが付属して
いる。AGCは再生識別回路26の中にあるので、フロ
ントエンド25にはAGCがかからない。したがって、
平均出力レベル測定回路27は、受信光の平均“1”,
“0”レベル差を測定する。
には、それぞれ周波数f0 ,f1 ,f2 ,f3 を中心周
波数とするフィルタが接続されている。同様に、アイ開
口測定回路28の4つの出力には、それぞれ周波数
f0 ,f1 ,f2 ,f3 を中心周波数とするフィルタが
接続されている。これらフィルタの出力とこれらに対応
するフィルタの出力とを比較することで、エルビウムド
ープ光ファイバ増幅器13331 ,332 ,333 の利
得とアイ開口との関係を検出することができる。また、
上記フィルタの出力は一種のコンピュータである監視制
御系29でモニタされる。
41 ,42 ,43 は、使用する波長において平均の波長
分散が+1.0ps/(nm・km)から−1.0ps
/(nm・km)の間になるように設定されているが、
分散値には区間によるばらつきがある。そこで、光中継
装置31 ,32 ,33 及び光受信装置2には、標準条件
において、伝送用零分散波長シフト光ファイバ40 ,4
1 ,42 ,43 ,の総分散を補償するような逆分散特性
を有する補償用光ファイバ311 ,312 ,313 ,2
1が挿入されている。
分散を正にとるものとする。例えば、伝送用零分散波長
シフト光ファイバ40 の波長分散がD=−1.0ps/
(nm・km)で距離が100kmとすると、総分散は
−100ps/nmとなるので、波長分散17ps/
(nm・km)の通常の補償用光ファイバ311 を光中
継装置31 の入力部に挿入することにより、最初の区間
の総分散をほぼ所定値にすることができる。しかし、補
償用光ファイバ31による補償では補償量が固定されて
いるので、初期状態から環境の変化などで最適条件が変
化した場合の調整ができない。
5,-1,-2[ps/nm/km]) の伝送用零分散波長シフト光ファ
イバ4による伝達の場合について異常分散(Dc=17[ps/n
m/km])の補償用光ファイバ31の長さとアイ閉塞率と
の関係を示す。
0%の識別時間に渡って得られる疑似ランダム信号のア
イ開口の大きさaに対する平均“1”,“0”レベル差
bの比をdB表示したものである。なお、aとbはそれ
ぞれアイ開口測定装置28と平均出力レベル測定装置2
7により測定することができる。
10dBmの場合、実線は光ファイバ送出パワーPF が
15dBmの場合を示している。また、矢印は伝送用光
ファイバ4と補償用光ファイバ3との総分散が0となる
補償用光ファイバの長さを示し、その位置より左側が正
常分散,右側が異常分散の領域となる。
10dBmの場合は総分散が0より正常分散側に最適範
囲があるが、15dBmになると総分散が0付近に最適
範囲が移動することが分かる。
がD=−1.0ps/(nm・km)の場合、補償用光
ファイバ31 ,312 ,313 ,21による補償量を総
分散0となる完全補償条件の7割程度の値(長さ4k
m)、光送信装置1の光ファイバ送出パワーPF を13
dBmに初期設定しておき、総分散が異常分散側にシフ
トしたら光ファイバ送出パワーPF を増し、逆に正常分
散側にシフトしたら送出パワーを減らすように制御すれ
ば、伝送用零分散波長シフト光ファイバ40 ,41 ,4
2 ,43 の特性が変化したとしても、常にアイ閉塞率を
小さく保つことができる。
バ40 ,41 ,42 ,43 が異常分散の場合の補償用光
ファイバの長さとアイ閉塞率との関係を示す。この図で
は、矢印の左側で総分散は異常分散,右側で総分散は正
常分散となる。
0より正常分散側に最適範囲があるが、15dBmでは
異常分散側に最適範囲が移動する。そこで、補償量を総
分散0付近に、送出パワーを13dBmに初期設定して
おき、総分散が異常分散側にシフトしたら送出パワーを
増し、正常分散側にシフトしたら送出パワーを減らすよ
うに制御すればよい。
性がある理由は、以下のように説明できる。
チャープは、 Δλ=−(αλ2 /4πc0 )・{d(lnP)/dt+κP} …(I) で表される。
は光速、Pは光出力、κは定数である。また、d(・)
/dtは微分演算を示している。
チャープ項、第2項は断熱チャープ項と呼ばれている。
通常、歪量子井戸レーザを超高速変調した場合、トラン
ジェント・チャープが支配的となり、断熱チャープ項は
無視できる。
においてΔλ<0、つまり、ブルーシフト、パルスの立
ち下がりにおいてΔλ>0、つまり、レッドシフトとな
る。このため、正常分散の場合にパルス圧縮が生じる。
適度なパルス圧縮のときにアイ開口が大きくなるので、
最適な分散値は小さな正常分散波長域にある。
果による自己位相変調では、パルスの立上がりでレッド
シフト、立ち下がりでブルーシフトとなる。即ち、波長
変化の符号は波長チャープと逆である。
常分散の場合にパルス圧縮が生じるから、異常分散側に
最適な分散補償値が存在する。パルス・パワーが大きく
なるほど自己位相変調の効果が大きくなるため、波長チ
ャープと正常分散とによる平衡より自己位相変調と異常
分散とによる平衡の方が好ましくなってくる。このた
め、送出パワーが大きくなるにつれて、最適補償量が異
常分散側へとシフトするわけである。
送系とは別の監視制御信号伝送系5と光送信装置1や光
中継装置31 、32 、33 の内部にある監視制御系と利
得制御回路14、341 、342 、343 を介して、エ
ルビウムドープ光ファイバ光増幅器13、331 、33
2 、333 の利得を継続的に制御することができる。受
信アイ開口を大きくするように各エルビウムドープ光フ
ァイバ光増幅器13、331 、332 、333 の利得を
制御することで、伝送用零分散波長シフト光ファイバ4
0 ,41 ,42 ,43 の特性変動があっても、アイ開口
を最適状態に保つことができる。一般に光ファイバの特
性変動の時定数は長いから、数百kmの長いフィードバ
ック系であるにもかかわらず、安定な制御が可能であ
る。
プがほとんどないため、光ファイバ送出パワーによらず
異常分散側に最適点がある。したがって、外部変調方式
では最適補償量の送出パワー依存性が小さく、本実施例
のような制御はそれほど有効でない。
分散特性が変化しても、これに対応させて光ファイバへ
の送出パワーを調整することで、自己位相変調と波長チ
ャープとの影響の割合を制御することにより、常に光パ
ルスが適度に圧縮された状態にでき、もって、アイ開口
を最適状態に保つことができる。しかも、従来技術のヒ
ートシンク温度による波長制御のような時間遅れの問題
もない。
た実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して使用することができる。例え
ば、光ファイバ特性の変動は緩やかなので、分散変動監
視システムは常に稼働している必要はなく、保守時だけ
動かすようにしてもよい。この場合、制御系は時分割で
共用できる。
数は同じでよく、平均出力レベル測定回路27とアイ開
口測定回路28の出力も一つで十分である。
に、直接光ファイバの分散量を測定したり、スペクトル
変動を測定したりして、その結果に基づいて光増幅器の
利得を制御してもよい。なお、監視制御信号伝送系5は
復路の光ファイバ信号伝送系を利用することもできる。
Gb/s×5チャンネル波長多重光伝送装置の要部構成
を示す図で、光伝送に関わる主要部のみを示し、監視・
制御系、電気信号処理部、周辺設備、光アイソレータ、
励起用光源、フィルタなどは図示していない。なお、図
1の光伝送装置と対応する部分には図1と同一符号を付
してあり、詳細な説明は省略する。
装置1と、光受信装置2と、光中継器3と、中継用光フ
ァイバケーブル4とで構成されている。本実施例の光伝
送装置では、5波長の光が波長多重化されており、合計
の信号容量は50Gb/sとなる。
ファイバであり、その平均の零分散波長λ0 は1.55
μm近辺にある。中継器間隔は約100kmであり、3
段の中継で合計約400kmの電気的無再生中継が行な
われる。
ュール101が5個含まれ、この直接変調方式光送信モ
ジュール101の光源は、変調時の波長チャープが小さ
い、分布帰還型単一モード歪量子井戸レーザである。こ
の歪量子井戸レーザのInGaAs井戸層には約1%の
圧縮歪が導入されている。各直接変調方式光送信モジュ
ール101は出力部に光増幅器102が付属しており、
その利得制御により光ファイバ送出パワーを0〜+15
dBmの範囲で制御することができる。それぞれの波長
の光は、合波器103で波長多重化され、中継用光ファ
イバ4に送り出される。
前置光増幅器付き光受信モジュール122があり、各波
長の光を分離受信することができる。
=0.05ps/(nm2 ・km)程度の二次分散を有
しており、零分散波長の短波長側で正常分散、長波長側
で異常分散となる。本実施例では、波長間隔は2.5n
mであり、最も短い波長チャンネルの波長分散値は+
0.5ps/(nm・km)、最も長い波長チャンネル
の波長分散値は+1.0ps/(nm・km)である。
区間当りの総分散は、最短波長チャンネルで50ps/
nm、最長波長チャンネルで100ps/nmとなる。
光増幅器132とが設けられており、それぞれ前段の中
継用光ファイバ4の分散と損失とを補償する。逆分散フ
ァイバ131は長さ1km、分散−70ps/(nm・
km)程度の波長分散を有する特殊な光ファイバであ
る。分散補償量は波長により若干異なるが、約−70p
s/nmである。
イバ送出パワーを10dBm、最長波長チャンネルの送
出パワーを15dBmとすると、どちらもアイ閉塞率約
1dBのきれいなアイを実現できる。中間のチャンネル
はこの間のパワーに設定すればよい。
ャンネルより長波長側のチャンネルの送出パワーを大き
くすることで、波長分散値の違いにもかかわらず、各チ
ャンネルとも最適なアイ開口を実現できる。
施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形して使用することができる。例えば、伝
送速度を波長により変えたり、波長間隔を不均等にした
り(四光波混合が起こりにくくなる)、各チャンネルの
伝送距離を変えたりしてもよい。
波長一括増幅を行っているが、光分合波器を用いてチャ
ンネルごとに異なる光増幅器で増幅を行なってもよい。
継続的に出力制御を行なったり、区間ごとに出力の最適
制御を行なってもよい。
特殊なファイバを利用する時には、波長の長短でなく分
散値に応じて光ファイバ送出パワーを設定すればよい。
Gb/s波長多重光ファイバ伝送装置の概略構成を示す
図で、光伝送に関わる主要部のみを示し、監視・制御
系、電気信号処理部、周辺設備、光アイソレータ、励起
用光源、フィルタなどは図示していない。なお、図1の
光伝送装置と対応する部分には図1と同一符号を付して
ある。
器間隔は約100kmであり、3段の中継で合計約40
0kmの電気的無再生中継を行なう。また、8波長の光
が波長多重化されており、合計の信号容量は80Gb/
sとなる。
ュール71が4個と、直接変調方式光送信モジュール7
2が4個含まれている。中継光ファイバ4は分散シフト
ファイバであり、その平均の零分散波長λ0 は1.54
5μm近辺にある。
す。外部変調方式光送信モジュール71の発振波長は、
約1.548μm、約1.553μm、約1.558μ
m、約1.563μmに配置されており、一方、直接変
調方式光送信モジュール72の発振波長は、約1.54
3μm、約1.538μm、約1.533μm、約1.
528μmに配置されている。
モジュール71の外部光変調器として、LiNbO3 を
用いたマッハツェンダー型変調器を使用するが、半導体
電界吸収型光変調器を使用しても構わない。また、外部
変調方式光送信モジュール71の光源には分布帰還型単
一モード半導体レーザを使用している。
は、変調時の波長チャープが小さい、分布帰還型単一モ
ード歪量子井戸レーザである。InGaAs井戸層には
約1%の圧縮歪が導入されている。
ープの大きさを、無歪量子井戸レーザやバルク半導体レ
ーザのそれとを比較して示す図である。
値に合わせた場合の波長チャープの伝送速度依存性、図
7(b)は、10Gb/s変調時の波長チャープのバイ
アス電流(Ib −Ith)依存性である。ここで、変調振
幅は40mAであり、波長チャープは時間平均スペクト
ルの20dB幅で定義している。また、バイアス電流を
発振しきい値の5mA上に設定した場合の歪量子井戸レ
ーザの10Gb/s変調時の波長チャープ量は約0.4
nmである。
トレートに関係なく、無歪量子井戸レーザやバルク半導
体レーザより、チャープ幅が狭いことが分かる。また、
図7(b)から歪量子井戸レーザは、バイアス電流に関
係なく、無歪量子井戸レーザやバルク半導体レーザよ
り、チャープ幅が狭いことが分かる。
器が付属しており、約10dBmの光を送出することが
できる。それぞれの波長の光は、合波器13で波長多重
化され、中継用光ファイバ4に送り出される。合波器1
3の挿入損や監視モニタ用の分岐のため、中継用光ファ
イバ4に送り出される各波長の出力は約8dB、合計出
力は約17dBmとなっている。
置光増幅器付き光受信モジュール73があり、各波長の
光を分離受信することができる。また、光中継器3には
光増幅器が設けられており、前段の光ファイバの損失を
補償する。
光ファイバ増幅器を使用すれば、1.528μmから
1.563μmの波長多重光を一括増幅することができ
る。この代わりに、いったん波長分離を行なって複数の
光増幅器で増幅後再び波長多重を行なっても良い。更
に、光増幅器は直列に多段構成としてもよい。更にま
た、スポンテニアス・エミッションによる雑音光を除く
ためには、各チャンネルの信号波長のみを通過させる波
長フィルタを使用することが望ましい。各波長の光信号
の中継器出力は約8dBmである。全波長の合計出力は
約17dBmである。
ナルティPeと光ファイバの波長分散Dとの関係を示す
特性図である。図中、実線は外部変調方式を示し、破線
は直接変調方式を示している。
20%の識別時間帯(20ps)に渡って得られるアイ
開口の大きさをa、この識別時間帯の平均の“1”レベ
ルと“0”レベルのレベル差をbとするとき、Pe(単
位:dB)=−10log10(a/b)により定義し
た。また、光受信器の帯域は10GHzとした。波長分
散Dの符号は、異常分散を正に取っている。二次の分散
Sは約0.05ps/nm2 /kmであり、1ps/n
m/kmは零分散波長λ0 からのずれに換算して20n
mに相当する。
0の波長でアイ開口ペナルティが低くなることが分か
る。これはKerr効果による自己位相変調と異常分散
とが平衡することで、適切なパルス圧縮効果が得られる
ためである。正常分散では自己位相変調によりパルスが
広がり、アイが閉じてしまう。逆に、異常分散が強すぎ
ると、一つのパルスが多数の細かいパルスに分解する
(変調不安定現象)などして、アイのトレースが広がっ
てしまう。
がりの波長が短く、立ち下がりの波長が長い。これは、
自己位相変調による波長シフトと逆であり、D<0でP
eが低くなる。
ることで適切なパルス圧縮効果が得られる。逆に、異常
分散波長ではパルス広がりでアイが閉じてしまう。送出
パワーが大きくなると自己位相変調と異常分散との平衡
によってもパルス圧縮が得られるようになる。しかし、
発明者らの研究によれば、自己位相変調と波長チャープ
がきれいに相殺しないため、送出パワーが依存性が強
く、実用上、正常分散の場合と比べてアイを開かせるの
は困難である。
いる。波長間隔が狭すぎると、四光波混合により波長間
のクロストークが生じたり、分合波器の仕様が厳しくな
るので、波長間隔を狭めて高密度多重化するのが困難で
ある。
変調方式のみの場合は、アイ開口ペナルティPeの低い
波長領域に多数のチャンネルを配置することができな
い。
部変調方式、短波長側で直接変調方式を採用すること
で、各チャンネルのペナルティを大きくせずに、多数の
チャンネルを配置することができる。なお、外部変調方
式において最適波長より長波長側にチャンネルを配置し
ていないのは、光増幅器の帯域制限のためである。
式、直接変調方式、いずれか一方の変調方式のみを用い
た場合と比較して広い波長範囲を利用することが可能に
なり、波長多重超高速長距離光伝送装置の波長多重度を
上げることができ、もって、より大量の情報を低いコス
トで長距離伝送することが可能となる。
ファイバへの送出パワー,変調波形,ファイバのパラメ
ータなどによって、波長分散Dとアイ開口ペナルティP
eとの関係は変動する。要は、1チャンネル当たりに大
情報、例えば、毎秒5ギガビット以上の情報を伝送する
場合には、光信号チャンネルを以下のように多重化すれ
ば良い。
イバの平均の零分散波長λ0 から±5nmの範囲の所定
の波長をλ1 をとするとき、外部変調方式により電気信
号が光信号に変換されるチャンネルをλ1 の長波長側
に、半導体レーザの直接強度変調方式により電気信号が
光信号に変換されるチャンネルをλ1 の短波長側に、そ
れぞれ少なくとも1チャンネル配置する。
体レーザの直接変調により超高速変調した光信号の長距
離伝送に最適な波長は、零分散波長より短波長側にある
からである。これは本発明者等により見出だされた事実
である。しかし、直接変調の場合は正常分散側に、外部
変調の場合は異常分散側に最適波長があるのは、一般的
な関係である。
の信号対雑音比が悪くなり、高すぎるとKerr効果に
よる波形やスペクトルの歪みが大きくなるので、送出パ
ワーには最適な範囲がある。
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形して使用することができる。例えば、伝送速度
を波長により変えたり、波長間隔を一定でなくしたり
(四光波混合が起こりにくくなる)してもよい。
伝送距離を変えたりしてもよい。図9の場合、端局装置
5は、分波器54、合波器55によりチャンネルを分岐
合波し、ある波長に対しては光送信器51ないし光受信
器52として、他の波長に対しては光中継器53として
働く。
2.5Gb/s光送信装置の構成を示す図である。電気
系や細かな光部品は図示していない。
小さい分布帰還型の歪量子井戸半導体レーザを示してお
り、この歪量子井戸半導体61は駆動系62により、
2.5Gb/sの光信号で変調され、そして、この歪量
子井戸半導体61の光出力は光アイソレータを含む光学
系63を介して、進行波型半導体レーザ増幅器64に導
かれる。この進行波型半導体半導体レーザ増幅器64の
出力はエルビウムドープ光ファイバ増幅器65で平均出
力10dBm以上に増幅されて伝送用光ファイバ66に
送出される。
長シフトは、半導体レーザの光出力をP1 としたとき、 Δλ=−(αλ2 /4πc0 )・{d(lnP1 )/dt+κP1 }…(1) で表される。
は光速、Pは光出力、κは定数である。また、d(・)
/dtは微分演算を示している。
チャープ項、第2項は断熱チャープ項と呼ばれる。通
常、歪量子井戸レーザを超高速変調した場合、トランジ
ェント・チャープが支配的となり、断熱チャープ項は無
視できる。
Pin)は、G=G0 /(1+P0 /PSAT )で表され
る。ここで、G0 は非飽和利得、Pinは光入力、P0 は
光出力、PSAT は飽和出力である。この関係を書き直す
と、 P0 =(4G0 PinPSAT +PSAT 2 /4)1/2 −PSAT /2 …(2) と表される。
としたときの、式(2)の光入出力の関係を実線で示
す。また、図11中の点線は、次式(3)において、P
U =[1mW],PA =40[mW],PC =17.5
[mW]として得られる光入出力特性である。
飽和特性がきつくないが、Pin=1〜8mW程度の範囲
で使うものとすれば、式(3)は式(2)の比較的よい
近似式となっている。
のドーピングを行なうことで、キャリア寿命を約0.1
ns以下に低減してある。このため、2.5Gb/sで
変調された光信号に追従して利得の飽和が起こる。Pin
=P1 とおくと、半導体レーザ増幅器64の出力P0 の
波長変動は、式(1)と式(2)とにより、おおよそ−
dP0 /dtに比例することになる。エルビウムドープ
光ファイバ増幅器65の入出力特性は線形と考えること
ができるので、光送信装置出力PX の波長変動もおおよ
そ−dPX /dtに比例する。
ファイバ中での光のパワーをPF とするとき、dPF /
dtに比例する。実際には、光パワーは光ファイバを伝
搬するにしたがってロスや波長分散のために変化してい
く。しかし、自己位相変調の影響は光パワーが大きい光
送信装置近傍で大きいので、波長分散が比較的小さい波
長領域では、近似的にPF はPX に比例できるものと考
えることができる。
長分散により波形が大きく変化するまえに、波長チャー
プの影響Δλ〜−dPX /dtを、自己位相変調による
波長シフトΔλ〜dPF /dtでおおむね補償すること
ができる。
イバ送出パワーとアイ開口ペナルティとの関係を従来の
それと比較して示す図である。これは分散Dが−2ps
/nm/kmの正常分散ファイバで、2.5Gb/sで
変調された光信号を500km伝送した場合のものであ
る。
20%の識別時間帯(80ps)に渡って得られるアイ
開口の大きさをa、この識別時間帯の平均の“1”レベ
ルと平均の“0”レベルのレベル差をbとするとき、P
e(単位:dB)=−10log10(a/b)により定
義した。即ち、Peが小さいほど、アイが大きく開いて
誤り率が小さい。
導体レーザ増幅器4を用いておらず、公知の技術で代用
している。また、半導体レーザ1のバイアス電流は発振
しきい値に設定されており、このバイアスレベルから上
に振幅50mAの2.5Gb/sNRZ信号で変調をか
けている。光中間中継増幅器は100km毎に挿入さ
れ、前段の伝送損失を補償している。
が従来のそれよりファイバ送出パワーを大きくできるこ
とが分かる。これは自己位相変調と波長チャープとの相
殺効果が大きくなったため、パワーを大きくしても自己
位相変調の影響を受け難くできた効果である。
長くしたり、伝送品質を上げたりすることが可能にな
り、本実施例の光送信装置を光中継増幅器を用いて長距
離電気的無再生中継伝送を行なう光伝送装置の一部とし
て使うことができる。
mに固定して、アイ開口ペナルティを距離の関数として
プロットした図である。パワーと距離以外の条件は、図
12の場合と同じであり、図12の場合と同様に100
kmごとに中継増幅器を入れて、前段の伝送損失を補償
している。
距離が長くなっても、アイ開口ペナルティの劣化が低い
ことが分かる。このため、中継段数を増加することによ
り、電気的無再生中継可能な距離をより長くできる。
よれば、半導体レーザの直接変調を利用しているにもか
かわらず、波長チャープや自己位相変調の影響を受け難
い、高速長距離の光伝送が可能になる。
常分散のファイバを用いた場合は、若干バイアス電流を
上げて波長チャープを小さくするだけで、正常分散の場
合と同様に従来に比べて長距離の伝送を実現できる。
の変形を行なっても良い。例えば、半導体レーザ61と
半導体レーザ増幅器64は1チップに集積化することも
可能である。また、半導体レーザ増幅器64を多段接続
してもよい。更に、半導体レーザ61や半導体レーザ増
幅器64の特性も上記実施例に限定されるものではな
い。
にのみほぼ零分散に近い光ファイバを接続し、その自己
位相変調により波長チャープの影響をある程度補償して
から、分散の大きな伝送用光ファイバに光信号を送出し
てもよい。図12で説明したように、本発明によれば、
1段あたりの中継間隔を伸ばせるので、中間中継増幅器
を用いない光伝送システムにおいても大きな効果が得ら
れる。中間中継増幅器を用いる場合、光中継増幅器にも
飽和特性を有する半導体レーザ増幅器を配して、分散的
に補償を行っても良い。
65を使用しないで半導体レーザ増幅器65のみを使用
した多段光中継システムにも応用できる。この場合、飽
和特性を利用しない半導体レーザ増幅器のキャリア寿命
は長めに設定するのが好ましい。エルビウムドープ光フ
ァイバ増幅器65を使用しない光伝送システムの場合に
は、1.55μm帯以外の波長でも効果が得られる。
施例や変形例に限定されるものではない。要は、単一モ
ード半導体レーザの直接変調により電気信号を光強度信
号に変換するE/O変換部、その出力光を増幅する光増
幅部に加えて、サブリニアな入出力特性を有する光媒質
を用いて、前記E/O変換部の出力光を歪ませれば良
い。ここで、前記サブリニアな入出力特性を有する光媒
質は、実効的なキャリア寿命が信号のビットレートの逆
数に相当する時間よりも短い半導体レーザ増幅器により
実現される。
力光パワーP1 が、その変調に伴う波長シフト(波長チ
ャープ)によって、おおむね−d(log(P1 ))/
dtに比例するので、前記光媒質のサブリニア特性とし
て、例えば、前記光媒質出力P2 がlog(P1 )+C
とすれば、前記光媒質を通した後の信号光の波長シフト
はおおむね−dP2 /dtに比例する。
はファイバ中の光パワーをPとすると、dP/dtに比
例するから、両者の関数型は等しく、符号が逆になる。
とのバランスをとることで両者の影響を相殺でき、半導
体レーザの直接変調により、波長チャープや自己位相変
調の影響を受け難い、高速長距離の光伝送が可能にな
る。
1 )+Cに比例している必要はなく、少なくとも単調
でサブリニアな入出力特性を有していれば、部分的なが
ら上記作用を得ることができる。ただし、前記光媒質の
利得飽和特性が高速変調された信号に追従しなければな
らない。例えば、エルビウム・ドープ光ファイバ増幅器
の場合は、励起準位の寿命が通常μsから数十msと長
いため、利得飽和は平均出力パワーに依存し、高速信号
には追従できない。これに対して、半導体レーザ増幅器
では、反転分布の時定数、つまり、キャリア寿命は通常
1nsオーダ−であり、毎秒1ギガビット・オーダーの
変化に追従する。更に、活性層にドーピングを行なうな
どしてキャリア寿命を故意に短くしておけば、毎秒数ギ
ガビット以上の信号にも利得特性が追従するようにでき
る。
長分散特性などの光ファイバの特性変動などがあって
も、光ファイバ送出パワーを調整して波長チャープと自
己位相変調とのバランスをとることにより、受信アイ開
口を常に大きく保つことができ、もって、安定な高速長
距離光ファイバ伝送を実現できる。
概略構成を示す図。
常分散の補償用光ファイバの長さとアイ閉塞率との関係
を示す特性図。
常分散の補償用光ファイバの長さとアイ閉塞率との関係
を示す特性図。
構成を示す図。
構成を示す図。
無歪量子井戸レーザやバルク半導体レーザのそれとを比
較して示す図。
示す特性図。
部構成を示す図。
図。
アイ閉塞率との関係を従来のそれと比較して示す図。
との関係を従来のそれと比較して示す図。
バ 13,23,331 ,332 ,333 ,102,132
…光増幅器 14,341 ,342 ,343 …利得制御回路 27…平均出力レベル測定回路 28…アイ開口測定回路 29…監視制御系
Claims (2)
- 【請求項1】単一モードの半導体レーザ光を直接変調し
て得られた光強度信号を光ファイバに送出する送出手段
と、 前記光ファイバを介して前記送出手段に接続された前記
光強度信号を受信する手段と、 前記光ファイバから受信された前記光強度信号に応じ
て、前記光強度信号の前記光ファイバへの送出パワーを
フィードバック制御する調整手段とを具備してなること
を特徴とする光伝送装置。 - 【請求項2】単一モードの半導体レーザ光を直接変調し
て得られた複数の光強度信号を波長多重して光ファイバ
に送出する送出手段と、 前記光ファイバの波長ごとの特性の差異に応じて、前記
複数の光強度信号の前記光ファイバへの送出パワーを調
整する調整手段と、 前記光ファイバを介して前記送出手段に接続された前記
複数の光強度信号を受信する手段とを具備してなること
を特徴とする光伝送装置。
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