JP2714836B2 - カラー記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 電子写真方式のカラー記録装置に関し、 耐光性の良い記録及びOHPフィルムへの記録を選択的
に行えるようにすることを目的とし、 現像位置で現像部によりそれぞれ現像された複数色の
トナー像の重ね転写によってカラー画像を作成する電子
写真方式のカラー記録装置において、前記現像部を、そ
れぞれ色の異なる顔料トナーを収納する複数の現像器よ
り成る第１の現像器群と、それぞれ色の異なる染料トナ
ーを収納する複数の現像器より成る第２の現像器群とで
構成するとともに、顔料トナー使用時には前記第１の現
像器群の各現像器を、染料トナー使用時には、前記第２
の現像器群の各現像器を、それぞれ選択的に前記現像位
置に位置決めする現像器切り替え手段を設けた構成とす
る。

〔産業上の利用分野〕

本発明は電子写真方式のカラー記録装置に関する。

電子写真方式のカラー記録装置例えばカラープリンタ
においては、レーザプリンタ,LEDプリンタ，液晶プリン
タと各種のものが開発されている。これらのプリンタ
は、高速，高解像，高画質の特徴を持ち、今後も大きく
発展すると予想される。また、プリンタのカラー化も進
められている。

〔従来の技術〕

現在、電子写真方式のカラープリンタでは、イエロー
（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ）の３色もしくは
この３色にブラック（Ｋ）を加えた４色のカラートナー
を用いてカラー画像を作成する。カラートナーに用いる
色材としては、顔料が主に用いられている。顔料は印刷
用のプロセスインクにも使われており、耐光性，耐候性
に優れている。このため、ポスター，カレンダー等に用
いた場合、変色が少なく長期の展示に耐える。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、透過光で色を評価する場合、例えばOHPに使
用する場合には、顔料を用いると光の透過性が良くない
ため、明るい鮮やかな色が得られないという問題があ
る。このため、OHPを作成する場合は染料が主に用いら
れる。染料を用いると、光の透過性が良いため、明るい
色が得られる。ただし、染料は、耐光性が顔料に比べ劣
っており、長期の展示等には耐えられない。

このように、プリンタを実現するにあたり、使用する
トナーの色材を顔料にするか染料にするかは大きい問題
であり、いずれも一長一端があって、どちらを採用して
も問題が残る。

本発明は、耐光性の良い記録及びOHPフィルムへの記
録を選択的に行えるようにすることのできるカラー記録
装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本発明では、現像部によ
りそれぞれ現像された複数色のトナー像の重ね転写によ
ってカラー画像を作成する電子写真方式のカラー記録装
置において、前記現像部を、それぞれ色の異なる顔料ト
ナーを収納する複数の現像器より成る第１の現像器群
と、それぞれ色の色の異なる染料トナーを収納する複数
の現像器より成る第２の現像器群とで構成するととも
に、顔料トナー使用時には前記第１の現像器群の各現像
器を、染料トナー使用時には前記第２の現像器群の各現
像器を、それぞれ選択的に前記現像位置に位置決めする
現像器切り替え手段を設けた構成とする。

〔作用〕

耐光性の良い記録が必要な場合は、色の変化の小さい
顔料系トナーの入った第１の現像器群の各現像器を、現
像位置に、現像器切り替え手段により位置決めし、現像
を行って各色トナー像を形成する。また、OHPフィルム
に記録を行う場合は、透過性の良い染料系トナーの入っ
た第２の現像器群の各現像器を、現像位置に、現像器切
り替え手段により位置決めし、現像を行って各色トナー
像を形成する。いずれの場合も、現像された各色トナー
像は記録用媒体（用紙,OHPフィルム）に重ね転写され、
その後定着されてカラー画像が作成される。

〔実施例〕

以下、図面に関連して本発明の実施例を説明する。

第１図及び第２図に第１の実施例を示す。

第１図はカラープリンタの要部構造を示す側面図であ
る。本装置は、４個の感光ドラム1a,1b,1c,1dをそれぞ
れ中心とする４組のプロセスユニットP1,P2,P3,P4と、
用紙搬送系２と、定着ユニット３とを備えている。プロ
セスユニットP1は、感光ドラム1aの周囲に、帯電器4a,
露光光学系5a,現像部6,転写器7a,クリーナ8aを設けてあ
る。他のプロセスユニットも同様な構成を有し、4b,4c,
4dは帯電器、5b,5c,5dは露光光学系、６は現像部、7b,7
c,7dは転写器、8b,8c,8dはクリーナである。現像器６
は、それぞれ異なった色の顔料系現像剤の入った現像器
9a〜9dよりなる第１の現像器群11と、それぞれ異なった
色の染料系現像剤の入った現像器10a〜10dより成る第２
の現像器群12とより構成されている。現像器9a,10aには
カラー記録に必要な３原色のうちのＹ（イエロー）色の
現像剤が、現像器9b,10bにはＭ（マゼンタ）色の現像剤
が、現像器9c,10cにはＣ（シアン）色の現像剤が、現像
器9d,10dには黒補正のためのＫ（ブラック）色の現像剤
がそれぞれ収納されている。各群の現像器は、現像器9
a,10aについて第２図に例示したように、現像器切り替
え手段13により選択的に現像位置に位置決めされるよう
になっている。現像器切り替え手段13は、ピニオン14
と、現像器9aに固定されてピニオン14と係合するラック
15と、現像器10aに固定されてピニオン14と係合するラ
ック16とより構成され、ピニオン14は図示しない駆動系
により駆動されて正逆転するようになっている。現像器
10aを感光ドラム1aに近接する現像位置に位置決めする
ときはピニオン14を時計方向に所定量正転させる。これ
により、現像器10aはラック16を介し駆動されて左方に
移動し、現像位置に位置される。同時に、現像器9aはラ
ック15を介し駆動されて右方に移動し、退避位置に位置
決めされる。第３図はこの状態を示し、染料系現像剤に
よる現像が可能である。また、顔料系現像剤により現像
を行うときは、上記状態からピニオン14を所定量逆転さ
せる。これにより、現像器9aは現像位置に位置決めさ
れ、現像器10aは退避位置に位置決めされる。用紙搬送
系２は、用紙カセット17と、ピックローラ18と、チャッ
ク搬送ベルト19と、媒体搬送ベルト20a〜20cと、図示し
ないスタッカとで構成されている。ベルト19は、搬送媒
体の幅方向両側に配置されてプーリ21,22に掛け渡され
ている。プーリ21は駆動側で、図示しない駆動系に接続
している。

この装置による記録は次の手順で行われる。

用紙に耐光性の良い記録を行うときは、現像部６の第
１の現像器群11の各現像機9a〜9dを上述の手順で現像位
置に位置決めする。そして、用紙カセット17に収納され
ている用紙100をピックローラ18により繰り出すと同時
に、各感光ドラム1a〜1dに順次各色の信号に相当する潜
像を形成する。潜像形成は、各感光ドラム1a〜1dの表面
を対応する帯電器4a〜4dにより一様に帯電させ、この上
に露光光学系5a〜5dにより露光することにより行われ
る。これらの潜像は、現像器9a〜9dにより現像されてY,
M,C,K色のトナー像となる。一方、繰り出された用紙100
は、先端の一部が用紙チャック23（ベルト19に所定の配
置で取り付けられている）によりクランプされ、チャッ
ク搬送ベルト19,エアー吸引式の媒体搬送ベルト20a〜20
cにより、各感光ドラム1a〜1dの下を通り搬送される。
この際に、各転写器7a〜7dにより、各感光ドラム1a〜1d
上のトナー像は用紙100上に重ね転写される。なお、用
紙100上で各色の位置合わせを行うためには、各プロセ
スユニットP1〜P4の露光タイミングを、プロセスユニッ
トの間隔分だけずらす必要がある。これは、電気的に画
像メモリからの読み出しタイミングをずらすことで調整
できる。転写完了後に、用紙100は定着ユニット３に送
られてここでトナー像定着が行われ、定着を完了した用
紙100はスタッカに排出される。

また、OHPフィルムに記録を行うときは、第２の現像
器群12の各現像器10a〜10dを現像位置に位置決めし、上
述と同様の手順でカラー画像の記録を行う。

このように、本装置によれば、耐光性の良い記録は顔
料系現像剤を用いて行い、OHPフィルムへの記録は透過
性の良い染料系現像剤を用いて行うようになっているた
め、使用者の目的に合った画像を作成することができ
る。また、本例の場合は、４組のプロセスユニットが並
列して記録を行う方式であるため、単色の記録を行う場
合と同一の速度でカラー記録を行うことができる。すな
わち、例えば、１枚目の用紙の定着を行うのと平行し
て、２枚目の用紙にＣ色のトナー像転写を行うことがで
き、さらに３枚目の用紙にＹ色のトナー像転写を行うと
いった記録シーケンスが可能で、高速のフルカラープリ
ンタを実現できる。また、連続紙に記録することも可能
である。

第３図に第２の実施例を示す。

第３図は本例のカラープリンタの要部構造を示す側面
図で、図中、31は感光ドラム、32は帯電器、33は露光光
学系、34は現像器、35は転写ドラム、36はクリーナ、37
は定着ユニット、38は用紙カセット、39は用紙スタッカ
である。

この構成のプリンタは、先の第１の実施例と異なり、
感光ドラム，帯電器，露光光学系，クリーナは各１セッ
トで良い。ただし、転写ドラム35が余分に加わってい
る。また、第1,第２の現像器群40,41を複合した切り替
え型の現像部34を持っている。第１の現像器群40は、顔
料系のY,M,C,K色のトナーを収納した現像器42a,42b,42
c,42dを円周方向に隣接して成り、第２の現像器群41
は、染料系のY,M,C,K色のトナーを収納した現像器43a,4
3b,43c,43dを第１の現像器群40の各現像器と同一円周方
向に隣接して成る。

このような構成とすることによって、前例と比較して
構造が簡単になりユニットの数も少なくなる。また、装
置も小型になる。しかし、詳細を後述するように、記録
速度は前例の1/4〜1/5に低下する。

本装置の作用は次の通りである。

まず、顔料系のトナーによる記録を行う場合について
説明する。最初に記録紙を用紙カセット38からピックロ
ーラ44によりピックアップし、転写ドラム35に巻き付け
る。その後、第１の色（顔料系のＹ色）に対応する現像
器42aを感光ドラム31に対向する現像位置に図示のよう
にセットする。この状態で現像を行い、現像されたＹ色
のトナー像を転写ドラム35上の記録紙へ図示しない転写
器により転写する。続いて、現像部34を回転させて第２
の色（顔料系のＭ色）に対応する現像器42bを現像位置
にセットし、現像を行う。そして、現像されたＭ色のト
ナー像を、既にＹ色のトナー像が造られている記録紙に
重ね転写する。この動作を、Ｃ色,K色についても繰り返
し行う。その結果、転写ドラム35上の記録紙には４色の
トナー像が重ね合わされる。この場合、最初に記録紙を
巻き付けるのに転写ドラム35の１回転を必要とすると、
転写ドラム35は全部で５回転が必要である。このため、
先の実施例と感光ドラムの回転速度が同じとすると、本
例の記録速度は前例の1/5になる。その後、記録紙は、
転写ドラム35から分離されて定着ユニット37に送られ、
ここでトナー像定着が行われる。そして、定着を完了し
た記録紙は用紙スタッカ39に排出される。次に染料系ト
ナーによる記録を行う場合について説明する。オペレー
タもしくは図示しない上位位置から、染料による記録を
行う指令を受け取ると、第１の色（染料系のＹ色）に対
応する現像器43aを現像位置にセットする。以下上述と
同様に転写ドラム35に巻き付けられたOHPフィルムに各
光トナー像を重ね転写し、定着，排出を行う。これによ
り、透過性の良いカラー画像を得ることができる。

すなわち、本例の場合も、使用者の目的に合った画像
を作成することができる。

本例の場合は、現像部34を所定量ずつ回転させる駆動
機構が、現像器切り替え手段に相当する。

第４図及び第５図に第３の実施例を示す。

第４図は本例のカラープリンタの要部構造を示す側面
図、第５図は該プリンタの現像器切り替え要領を示す斜
視図で、図中、51は現像部である。なお、第２の実施例
と同様の部材には同じ符号を付している。

現像部51は、第１の現像器群52と、第２の現像器群53
（第５図参照）とより構成される。第１の現像器群52
は、顔料系のY,M,C,K色のトナーを収納する現像器54a,5
4b,54c,54dを円周方向に等間隔に配置して成り、第２の
現像器群53は、染料系のY,M,C,K色のトナーを収納する
現像器55a〜55dを同様に配置して成る。これらの各現像
器群51,52は、第２の現像器群52について第５図に例示
したように、プリンタ本体56内に設けられた支持軸57に
着脱可能である。第５図において、58は各現像器を保持
するホルダーである。なお、第４図では、第１の現像器
群52が支持軸に装着，使用される例を示している。すな
わち、本例の場合は、各現像器群を選択的に装着するこ
とにより現像器切り替えが行われる。

顔料系のトナーを用いて記録を行う場合は、第４図に
示すように第１の現像器群52を装着，使用する。そし
て、記録は、第２の実施例と同様に各色用現像器54a〜5
4dを現像位置に順次位置決めして行われる。

また、染料系のトナーを用いて記録を行う場合は、第
２の現像器群53を装着，使用し、上述の同様の手順で記
録が行われる。

本例の場合は、４色分の現像器を切り替えて記録を行
うようになっているため、前例の場合より構成が簡単，
小形になり、各現像器の容量も前例より大きくできる。

なお、プリンタ本体56に、現在装着されている現像器
群を表示する表示器を設けておくと、本体内部を覗き込
まないで良く便利である。このためには、各現像器群
に、種類識別用の信号端子もしくは凹み，出っ張り，マ
ーク等を付けておき、プリンタ本体側にこれらを識別す
る識別手段を設けるようにすれば良い。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、１台のプリンタ
により、耐光性の良い画像を得る場合には顔料トナーを
用いて記録を行い、OHPフィルムに記録を行う場合は染
料トナーを用いて記録を行うことが可能で、使用者の用
途に合った画像を作成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例の、カラープリンタの要
部構造を示す側面図、 第２図は同、現像器切り替え手段の構成，作用説明図、 第３図は本発明の第２の実施例のカラープリンタの要部
構造を示す側面図、 第４図は本発明の第３の実施例の、カラープリンタの要
部構造を示す側面図、 第５図は同、現像器切り替え要領を示す斜視図で、 図中、 6,34,51は現像部、11,40,52は第１の現像器群、12,41,5
3は第３の現像器群、13は現像器切り替え手段である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】現像位置で現像部（６）によりそれぞれ現
   像された複数色のトナー像の重ね転写によってカラー画
   像を作成する電子写真方式のカラー記録装置において、 前記現像部（６）を、 それぞれ色の異なる顔料トナーを収納する複数の現像器
   より成る第１の現像器群（11）と、 それぞれ色の異なる染料トナーを収納する複数の現像器
   より成る第２の現像器群（12）とで構成するとともに、 顔料トナー使用時には前記第１の現像器群（11）の各現
   像器を、染料トナー使用時には前記第２の現像器群（1
   2）の各現像器を、それぞれ選択的に前記現像位置に位
   置決めする現像器切り替え手段（13）を設けたことを特
   徴とするカラー記録装置。