JP2714357B2 - エキシマレーザ発振装置 - Google Patents

エキシマレーザ発振装置

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JP2714357B2
JP2714357B2 JP6216908A JP21690894A JP2714357B2 JP 2714357 B2 JP2714357 B2 JP 2714357B2 JP 6216908 A JP6216908 A JP 6216908A JP 21690894 A JP21690894 A JP 21690894A JP 2714357 B2 JP2714357 B2 JP 2714357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体製造などに使用さ
れるエキシマレーザを発生せしめるエキシマレーザ発振
装置に係り、特に、一対の放電電極等を改良したエキシ
マレーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエキシマレーザ発振装置
の一例としては、図6に示すものがある。このエキシマ
レーザ発振装置1は、密閉容器である本体ケース2内に
レーザガス3を充填し、一対の放電電極4a,4b間の
ギャップに効率よく高速でレーザガスを流すために、一
対の放電電極4a,4bのギャップを狭隘に絞る一方、
それ以外のガス流路は広く取って流路抵抗を減少させ、
レーザガス3を送風機5により例えば図中の矢印方向に
循環させ、放電により加熱されたレーザガス3を図中左
右一対の熱交換器6a,6bにより冷却するようになっ
ている。
【0003】そして、図7にも示すようにレーザガス3
が例えば図中左から右に流されると、このレーザガス3
は、一対の放電電極4a,4bのパルス放電により加熱
され、かつイオン化するが、このガスと、電極スパッタ
リングによって生じる金属蒸気とを放電部から除去する
ために、レーザガス3がパルス繰り返し数に応じた速度
で流される。
【0004】また、かかる放電は例えば2対の予備電離
電極7aと7b,8aと8bから、放電電極4a,4b
の順に行なわれ、予備電離電極7aと7b,8aと8b
では瞬間的に非常に強いアーク放電が行なわれて、紫外
光を発生させ、この紫外光の光電離作用により放電電極
4a,4b間のレーザガス3を予備電離する。次に、一
対の放電電極4a,4b間でグロー放電が行なわれて、
レーザガス3が励起され、レーザ光が紙面に垂直方向に
取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエキシマレーザ発振装置1では、本体ケース
2内のレーザガス3の流れに境界層が発達し易いという
課題がある。
【0006】つまり、一対の放電電極4a,4b回りの
放電部の狭いギャップに効率よくレーザガス3を高速で
流すために、放電部の上流側では、放電部に向ってガス
流路を絞って縮小させる一方、放電部よりも下流側では
再びガス流路を拡大している。このため図7に示すよう
にレーザガス3の上流側流路断面積が断面A−Aまでは
縮小する一方、断面B−B以後の下流側流路断面積がガ
ス流れ方向に沿って次第に広がっていくので、ガス流断
面A−Aまでが加速流となる一方、断面B−B以降は減
速流となり、断面B−B以降は境界層9が発達し易い。
つまり。レーザガス3の流路断面積が最小となる断面A
−A以降急速に境界層9が発達する。
【0007】したがって、レーザガス3の流速分布は図
8(A)に示すように、断面A−Aでは流速分布が縮小
流路であるためにほぼ均一になる。しかし、図8(B)
に示すようにレーザガス3の流路断面B−Bでは境界層
9の発達により、流路壁面、例えば上,下壁面近くでの
流速分布は遅くなってしまう。
【0008】ところで、エキシマレーザ1では一対の放
電電極4a,4b間のレーザガス3を放電励起し、レー
ザ出力を得るが、この放電励起には、通常数気圧の高ガ
ス圧力下において非常に高いエネルギ密度の放電入力を
必要とする。高エネルギ密度の放電ではガス温度は瞬時
に高温となり、放電は不安定になり易い。このため放電
は数100nsしか持続できず間欠的パルスでしか運転
できない。
【0009】また、一対の放電電極4a,4bの放電後
の高温になったレーザガス3はそのガス流により放電部
から除去され、新しいガスが放電部に連続的に供給され
て入れ替るが、境界層9の発達により下流側流路壁面付
近のガス流速が著しく低下するため一対の放電電極4
a,4b表面のレーザガス3の入れ替えが効率よく行な
われなかった。そのため放電部流速を必要以上に高めて
放電部のガスの入れ替えを行なっている。
【0010】しかし、レーザガス3の循環に必要な動力
は一般にガス流速の3乗に比例するうえに、従来のエキ
シマレーザ発振装置1では理論上必要な放電部流速に対
して現実にはその理論値の5〜10倍のガス流速を安定
に運転するために流している。そのため、理論的に必要
なガス循環動力の100倍から1000倍の動力をガス
循環のために浪費している。
【0011】また、放電部にはパルス繰返し数に応じて
レーザガス3を流しているが、これは局所的な放電集中
の抑止、および放電部構造体の冷却を主目的としてい
る。つまり、放電集中はレーザ出力を低下させ、さらに
放電電極4a,4bを損傷し、レーザガスの劣化を早め
るので、放電集中の抑止は重要な技術課題となってい
る。
【0012】ところで、エキシマレーザ発振装置1の放
電では予備電離7aと7b,8aと8bにより紫外光を
発生させ、その光電離作用により一対の放電電極4a,
4b間を流れるレーザガス3を電離する。このとき生成
された初期電子は、放電電極4a,4bへの電圧印加の
初期段階では電解によりアノード方向に移動すると共
に、カソード近傍の電子も移動するのでカソード表面上
に電子欠乏層ができる。
【0013】しかし、この電子欠乏層が厚いと放電集中
が起きる(V.G.Geinman,他6名著、「Formation of sel
f-sustained volume discharges in large interelectr
odegaps. 」Sov.Phys.Tech.Phys.,Vol.30,Dec.1985,pp1
394-1397 参照)。
【0014】したがって、従来のエキシマレーザ発振装
置1では高繰返しパルス放電により運転すると、放電電
極4a,4bの数ヵ所に電流が集中する場所が生じ、電
気回路の特性として高繰返し運転では放電電極4a,4
bへの電圧印加がパルス繰り返しの遅い場合よりもゆっ
くり起きる。この電圧印加速度が遅いと、電子欠乏層が
厚くなり電流の集中が生じる。電流の集中が生じると放
電電流が有効に使用されず、レーザ発振効率が悪くなっ
てしまう。
【0015】また、従来の放電電極4a,4bの外面が
平滑であるので、長期間使用すると、放電の作用により
一点から数点の放電集中部が発生し、放電によるレーザ
ガス励起が一部に集中し、レーザガス3の励起効率が悪
化してしまう。
【0016】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は放電部におけるレーザガスの
流れを均等化してその流速を向上させることができる高
効率のエキシマレーザ発振装置を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために次のように構成される。
【0018】本願の請求項1に記載の発明は、本体ケー
ス内のレーザガスを冷却自在に循環せしめる装置と、前
記レーザガスの流路でパルス放電してこのレーザガスを
励起する一対の放電電極とを有するエキシマレーザ発振
装置において、前記放電電極よりも下流側であって、前
記レーザガスの流れ方向に沿って末広のレーザガス流路
の壁面に、複数の凹部を形成する一方、前記放電電極の
外面に複数の円形状凹部または溝を形成し、各円形状凹
部の直径または溝の幅を、一対の放電電極の放電間距離
の50%以下に設定してなることを特徴とする。
【0019】また、本願の請求項2に記載の発明は、円
形状凹部は、放電電極の総面積に対する面積比が78.
5%以下になるように形成されていることを特徴とす
る。
【0020】さらに、本願の請求項3に記載の発明は、
円形状凹部または溝は、一対の放電電極のカソードに形
成されていることを特徴とする。
【0021】さらにまた、本願の請求項4に記載の発明
は、本体ケース内のレーザガスを冷却自在に循環せしめ
る装置と、前記レーザガスの流路でパルス放電してこの
レーザガスを励起する一対の放電電極とを有するエキシ
マレーザ発振装置において、放電電極の少なくとも一部
を透過するX線をレーザガスに照射し、このレーザガス
を予備電離せしめるX線管を設ける一方、前記X線が透
過する前記放電電極のX線透過部の肉厚を薄くし、この
薄肉部外面に円形状凹部または溝を形成したことを特徴
とする。
【0022】
【作用】放電電極の外面、または、その下流側のレーザ
ガスの流路壁面には、円形凹部であるディンプルや溝等
の凹部を形成しているので、これら凹部でレーザガスの
流れに乱れが発生する。このレーザガスの乱れによって
ガス流路壁面付近の低い速度(運動量)のレーザガスは
流れ中心部に流れ込み、逆に中心部の大きな速度(運動
量)のレーザガスは流路壁面付近に流れ込む。そのため
運動量の異なるレーザガス同士の混合が発生するので、
境界層の発達を防止ないし低減して放電部のレーザガス
の流速が均一化される。特に、レーザガス流路壁面付近
のガス流速が改善されるので、放電部のレーザガスの入
れ替え効率が良くなり、送風機の風量を低くしても、そ
のガスの入れ替えが充分に行なわれる。そのため、送風
機風量を下げることができる。送風機動力は送風機風量
の例えばほぼ3乗に比例するので、送風機風量を若干で
も下げることは送風機動力の大幅な低減につながり、レ
ーザ発振装置全体の効率を著しく向上させることができ
る。
【0023】そして、各円形状凹部の直径または溝の幅
を、一対の放電電極の放電間距離の50%以下に設定し
ているので、これら円形状凹部または溝のレーザガスを
放電励起させることができる。
【0024】しかも、請求項2の発明によれば、円形状
凹部については、その凹部の総面積が放電電極の総面積
に対する面積比が78.5%以下になるように形成する
ことにより、円形状凹部同士間の間隙が小さくなり過ぎ
て放電が不安定になるのを低減ないし防止することがで
きる。つまり、一対の放電電極間の放電を安定させるこ
とができる。
【0025】また、請求項3の発明によれば、カソード
に、円形状凹部または溝を形成するので、これら円形状
凹部または溝のエッジ部で発生する放電から電子が補給
されるので、電子欠乏層を低減して放電集中を低減ない
し防止することができる。
【0026】そして、請求項4の発明によれば、円形状
凹部または溝がX線管からのX線を散乱させるので、レ
ーザガスをより均一に予備電離でき、放電が一層均一に
なるので、レーザガスの励起効率を向上させることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5に基づい
て説明する。なお、図1〜図5中、同一または相当部分
には同一符号を付している。
【0028】図1は本発明の第1実施例の全体構成を示
す縦断面図であり、この図1において、エキシマレーザ
発振装置11は密閉容器の本体ケース12内に、レーザ
ガス13を充填する一方、所要の繰り返し周波数でパル
ス放電する上下一対の放電電極14a,14bと、レー
ザガス13を本体ケース12内で例えば図中矢印方向に
循環せしめる送風機15と、この送風機15の図中左右
に配設されて、レーザガス13を冷却せしめる一対の熱
交換器16a,16bとを内蔵している。
【0029】また、一対の放電電極14a,14bの図
中左右には、上下一対の予備電離電極17aと17b,
18aと18bを配設している。図2にも示すように一
対の放電電極14a,14b間のギャップには、その垂
直方向、つまり、図中矢印方向に流れるレーザガス13
の流路19を形成し、この流路19は上流側19aと下
流側19bとに向けてそれぞれ次第に拡径するように形
成されている。
【0030】そして、一対の放電電極14a,14b
は、その半球状外面に、平面形状が円形の円形凹部であ
る複数のディンプル20をそれぞれ形成している。
【0031】このディンプル20には文献(加藤雅弘、
他3名著、「球状飛翔体における抗力と揚力、流れの可
視化」Vol.7 Suppl.、1987年10月、pp.153-156)
に示されるように流体流れの剥離を妨げる効果がある。
つまり、ゴルフボールに形成されるディンプルは気流に
乱れを発生させ、その乱れによってボール表面付近の低
い速度のガス流が流れ中心部に流れ込む一方、流れ中心
部の高速度のガスは壁面付近に流れ込む。そのため、壁
面近くの上述の壁面近くの遅いガス流と壁面から離れた
部分の速いガス流とが混合し、ゴルフボール表面の流速
が上がる。流れの剥離とは表面近くの流速が0またはマ
イナスになった状態をいうので、ディンプルの剥離を妨
げる効果はこの乱れの発生による。
【0032】これとほぼ同様に、一対の放電電極14
a,14bの外面のディンプル20も同様にレーザガス
13の流れに乱れを発生させ、その乱れによって放電電
極14a,14b付近の低い速度(運動量)のレーザガ
ス流は中心部に流れ込み、逆に中心部の大きな速度(運
動量)のレーザガス流は壁面付近に流れ込み、これらは
混合するので、上述のゴルフボールと同様に、図7で示
す従来のエキシマレーザ発振装置1の境界層9の発達が
防止ないし低減されて放電部におけるレーザガス13の
流速が均一化される。
【0033】したがって、レーザガス13の放電部にお
ける入れ替え効率が良くなり、送風機15の風量が低く
ても放電部のレーザガスの入替えが十分に行なわれるの
で、送風機風量を下げることができる。このため、従来
は、レーザの高繰返し運転をする際、放電電極14a,
14b外面近傍のレーザガス13の流速が必要なガス流
速になるように、送風機風量を増大させることで対応し
てきたが、従来は放電電極14a,14b近傍のレーザ
ガス流速を必要最小限の値としても、放電電極14a,
14b間中央部での連続ガス流速は必要量を大幅に上回
りに無駄になっていた。これに対して本実施例のように
ディンプル20を放電電極14a,14bに設けると、
放電電極14a,14b近傍のレーザガス流速が放電電
極14a,14b間中心部の流速値に近付く。したがっ
て、放電電極14a,14b近傍の流速を必要最小限の
値にすると、放電電極14a,14b中心部のガス流速
も壁面での流速と大きく変わらないので無駄が少なくな
る。また、送風機動力は送風機風量の3乗に比例するの
で、送風機15の風量を若干でも下げることは送風機動
力の大幅な低減につながり、レーザ発振装置11全体の
効率を著しく向上させることができる。
【0034】ところで、ディンプル20を放電電極14
a,14bの外面に形成することによりディンプル20
のエッジ部に電界が集中するので、ディンプル20のエ
ッジ部に電流が集中する可能性が高くなる。しかも、こ
の電界集中が一点に集中する場合や、この集中部の電極
表面全体に対する面積比が非常に小さい場合は、レーザ
出力が低下してしまう。図7で示す従来の放電電極4
a,4bの場合、その外面が平滑であるので、長期間使
用すると、放電作用により一点から数点の放電集中部が
発生し、放電によるレーザガス励起が一部に集中し、レ
ーザガスの励起効率が悪くなってしまう。
【0035】これに対し、ディンプル20を放電電極1
4a,14bの外面に設けた本実施例の場合は、電界集
中部が電極表面に満遍なく分布することになり、放電は
長期的に安定化し、放電によるレーザガス励起も均一に
行なわれる。
【0036】なお、上記ディンプル20は放電電極14
a,14b外面のレーザガス流に乱れを与えるために形
成したものであるから、レーザガス13の流れを乱す形
状であれば、ディンプル20の代りに複数の溝を放電電
極14a,14bの外面に形成してもよく、上記実施例
とほぼ同様の効果を得ることができる。この溝は碁盤目
状に形成してもよいし、スパイラルにしてもよい。また
これら、溝、ディンプル20の形状は、突起でなければ
どのような形状であってもよく、また、一対の放電電極
14a,14bのカソードとアノードとで形状を変えて
もよい。なお、突起でも流体力学的には同様の効果を得
ることができるが、突起とした場合、放電時に電流が突
起に集中し、アーク状放電になり易い。この場合に、レ
ーザ出力は低下するがレーザ発振をすることはできる。
【0037】そして、上記第1実施例の場合、放電電極
14a,14bの外面に形成した各ディンプル20のサ
イズが大き過ぎると、ディンプル20の凹部のレーザガ
スが放電励起されなくなってしまい、上記効果が得られ
なくなる場合がある。つまり、各ディンプル20のサイ
ズは少なくとも放電幅(放電間距離)よりも小さい直径
(溝の場合は幅)であることが必要であり、放電幅の5
0%以下が適当な大きさである。またディンプル20の
ピッチも放電に関係するディンプル凹部を除く部分の面
積があまり小さくなると、放電の不安定を招くため、デ
ィンプル20の凹部の総面積が放電電極14a,14b
の総面積に対する面積比が78.5%以下であることが
必要である。
【0038】図3は本発明の第2実施例の要部縦断面図
であり、これは電極部の下流側のレーザガス流路19b
の内壁面19cにも複数のディンプル20aを形成した
点に特徴がある。
【0039】この第2実施例によれば、下流側レーザガ
ス流路19bの壁面19cにこのように複数のディンプ
ル20aを設けることによりレーザガス13の流れの剥
離を防止することができる。つまり、レーザガス13の
流れが剥離してしまった場合は、その流路壁面近傍でレ
ーザガス13が停滞する。放電後のレーザガス13は電
離しており、また金属蒸気を含むので電気抵抗が低い。
したがって、レーザガス13が放電電極14a,14b
の近傍で滞留した場合、その電気抵抗の低い部分を放電
電流が流れるので、レーザガス13が有効に励起されな
くなり、レーザ発振効率を悪化させる。
【0040】これに対し、この第2実施例では一対の放
電電極14a,14b外面と流路壁面19cとにディン
プル20,20aを設けるので、レーザガス13の循環
が良好になり、このために、放電電流がレーザガス13
の励起に有効に使われ、レーザ発振効率を向上させるこ
とができる。
【0041】図4は本発明の第3実施例の要部縦断面図
であり、この実施例は上記第1実施例における予備電離
電極17aと17b,18aと18bをX線管21に置
換した点に特徴がある。このX線管21は一対の放電電
極14a,14bの一方、例えば14b内へ、その裏面
の凹部14b1 より挿入されて、その先端よりも先方の
透過部14b2 を透過してレーザガス13にX線を照射
してレーザガス13を予備電離するものである。
【0042】そして、一方の放電電極14bのX線透過
部14b2 の外面にも複数のディンプル20または溝を
設けている。このために、ディンプル20または溝がX
線管21からのX線を散乱させる効果を持つので、レー
ザガス13をより均一に予備電離でき、放電がより均一
になるので、レーザガス13の励起効率を向上させるこ
とができる。また、図5に示すように、放電電極のX線
透過部14b2 の肉厚をより薄くすることにより、この
部分のX線透過率を上げて予備電離効率をさらに高め、
レーザガス励起効率を向上させることができる。
【0043】なお、高繰返し運転のエキシマレーザでは
レーザガス13の流速が非常に速い。この場合、放電電
極14a,14b間の流路19に流れるレーザガス13
の流れは完全に乱流となり、境界層9(図7参照)はあ
まり発達しない。このような場合にも放電電極14a,
14bのカソード側にディンプル20を設けると、放電
集中を防止する効果が得られる。つまり、ティンプル2
0を設けると、そのディンプル20のエッジ部に電界の
集中が起きるが、カソードにディンプル20を設ける
と、この電界集中部からの電子の放出が、電圧印加の初
期段階から起きる。そして、前述したように高繰返し運
転時にはカソード表面近傍の電子欠乏層が厚くなり、放
電電流集中を引き起こし、レーザ発振効率を下げてしま
うが、ディンプル20をカソードに設けると、ディンプ
ルのエッジ部から放出される電子がこれを補い、電子欠
乏層が生じない。そのため、高繰返し運転時特有の放電
電流の集中を避けることができるので、高繰返し運転時
の効率の低下を防ぐことかできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、放電電極
の外面、またはその下流側のレーザガスの流路壁面に、
円形凹部であるディンプルや溝等の凹部を複数形成した
ので、これら凹部によりレーザガスの流れに乱流を与え
て、その流路に境界層が形成されるのを低減ないし防止
することができる。このために、レーザガス循環に必要
な送風機動力を低減することができると共に、レーザガ
ス流速を高めて放電領域で加熱されたレーザガスの入替
えをスムーズに行なうことができるので、レーザ発振効
率を高めることができる。
【0045】そして、各円形状凹部の直径または溝の幅
を、一対の放電電極の放電間距離の50%以下に設定し
ているので、これら円形状凹部または溝のレーザガスを
放電励起させることができる。
【0046】しかも、円形状凹部については、その凹部
の総面積が放電電極の総面積に対する面積比が78.5
%以下になるように形成することにより、円形状凹部同
士間の間隙が小さくなり過ぎて放電が不安定になるのを
低減ないし防止することができる。つまり、一対の放電
電極間の放電を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエキシマレーザ発振装置の第1実
施例の全体構成を示す縦断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】本発明の第2実施例の要部拡大図。
【図4】本発明の第3実施例の要部拡大図。
【図5】本発明の第4実施例の要部拡大図。
【図6】従来のエキシマレーザ発振装置の全体構成を示
す縦断面図。
【図7】図6の一部拡大図。
【図8】(A)は図7で示すA−A部のレーザガス流速
分布図、(B)は図7で示すB−B部のレーザガス流速
分布図。
【符号の説明】
11 エキシマレーザ発振装置 12 本体ケース 13 レーザガス 14a,14b 一対の放電電極 15 送風機 16a,16b 熱交換器 17aと17b,18aと18b 2対の予備電離電極 19 流路 19b 下流側流路 19c 流路壁面 20,20a ディンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−129283(JP,A) 特開 平2−199883(JP,A) 特開 平6−152003(JP,A) 特開 平4−305987(JP,A) 特開 平5−47671(JP,A) 特開 平3−239914(JP,A) 特開 平3−80876(JP,A) 特開 平6−85350(JP,A) 特開 平4−348573(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケース内のレーザガスを冷却自在に
    循環せしめる装置と、前記レーザガスの流路でパルス放
    電してこのレーザガスを励起する一対の放電電極とを有
    するエキシマレーザ発振装置において、前記放電電極よ
    りも下流側であって、前記レーザガスの流れ方向に沿っ
    て末広のレーザガス流路の壁面に、複数の凹部を形成す
    る一方、前記放電電極の外面に複数の円形状凹部または
    溝を形成し、各円形状凹部の直径または溝の幅を、一対
    の放電電極の放電間距離の50%以下に設定してなるこ
    とを特徴とするエキシマレーザ発振装置。
  2. 【請求項2】 円形状凹部は、放電電極の総面積に対す
    る面積比が78.5%以下になるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のエキシマレーザ発振装
    置。
  3. 【請求項3】 円形状凹部または溝は、一対の放電電極
    のカソードに形成されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載のエキシマレーザ発振装置。
  4. 【請求項4】 本体ケース内のレーザガスを冷却自在に
    循環せしめる装置と、前記レーザガスの流路でパルス放
    電してこのレーザガスを励起する一対の放電電極とを有
    するエキシマレーザ発振装置において、放電電極の少な
    くとも一部を透過するX線をレーザガスに照射し、この
    レーザガスを予備電離せしめるX線管を設ける一方、前
    記X線が透過する前記放電電極のX線透過部の肉厚を薄
    くし、この薄肉部外面に円形状凹部または溝を形成した
    ことを特徴とするエキシマレーザ発振装置。
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