JP2714210B2 - トンネル内風速制御方法及びその装置 - Google Patents

トンネル内風速制御方法及びその装置

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JP2714210B2 JP5510590A JP5510590A JP2714210B2 JP 2714210 B2 JP2714210 B2 JP 2714210B2 JP 5510590 A JP5510590 A JP 5510590A JP 5510590 A JP5510590 A JP 5510590A JP 2714210 B2 JP2714210 B2 JP 2714210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車輌通行用トンネルの風速制御方法に係り、
特に、事故等によりトンネル内で火災が発生するなどし
たときの非常時においてトンネル内の風速を一定値に収
束せしめるのに好適なトンネル内風速制御方法及びその
装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、トンネル内で火災が発生した場合、煙,熱の拡
散を抑止する為、トンネル内に設置された風向風速計の
値と目標値との差分を基に制御量を決定するというフィ
ードバック制御が行なわれてきた。例えば、「縦流換気
方式の非常時における風速零化制御の適応性の検討」
(昭和63年3月10日高速道路調査会、換気運用委員会)
に記載の様に、風向が可変である複数個のジェットファ
ンを制御効果器とし、PID制御により風速を“0"に近づ
ける方法がある。
PID制御は、比例動作(P),積分動作(I),及び
微分動作(D)から成る。比例動作は、偏差の大きさに
比例した操作量(ジェットファン運転台数)を出力する
もので、目標値からのずれを減少させる直接的な操作で
ある。積分動作は、偏差の積分値に比例した操作量を出
力するもので、長時間にわたって偏差が継続するのを修
正する役割を持つ。微分動作は、偏差の時間微分値に比
例した操作量を出力し、偏差が目標値に急速に接近する
場合に偏差があっても操作量を少なくすることにより安
定性を得ようとするものである。
例えば、次式の様にして制御効果器であるジェットフ
ァン台数を定める。
JFi:サンプリング時刻iでのジェットファン運転指令台
数 ei :サンプリング時刻iでの偏差((実風速値)−(目
標値)) KP :比例ゲイン TS :サンプリング時間 TI :積分時間 TD :微分時間 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は、線形的モデルへの近似や同定を行な
っている為、トンネル内火災時の様に、極めて複雑で不
確定要素の多いプロセスを制御する場合、次の様な問題
がある。
(1)火災発生地点が異なると車輌の挙動が異なり、同
一数式で全ての状況に適正に対応するのは困難。
(2)風速値は、制御量に比例した推力と、風速の二乗
に比例する抵抗力とのバランスによる為、不安定要素が
多く、特に風速0の近傍で不安定になり易い。
(3)ジェットファン等の風速制御効果器1台当りの推
力が大である為、起動/停止を繰り返す発振現象が起こ
り易い。
上記により、従来の制御では、車道内風速が安定する
までの時間が遅く、かつ状況により変動することにな
る。近年増加しつつある長大トンネルや海底トンネル等
では、火災が発生した時に風速が安定するまでの時間が
長くなると、直接人命にかかわる為に、状況に柔軟に対
応し速やかに風速を一定値に収束せしめる制御方式の実
現が望まれている。
本発明の目的は、火災発生時等のトンネル非常時の様
々な状況に対し、短時間でトンネル内風速を一定値に収
束することのできるトンネル内風速制御方法およびその
装置並びにファジィ制御方法及びその装置を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、以下の技術的手段により達成される。
トンネル内で火災等の非常事態が発生した場合の状況
は、平常とは全く異なったものになる。第13図はその状
況を示したものである。第13図は、トンネルを上方より
観察したもので、中央附近で火災が発生した場合を示し
ている。トンネル内では上り/下りの両方向に車輌が走
行し、一定区間毎に人間の避難口が設けられている。
火災が発生すると、上り/下り共に火災地点を通過済
の車輌は夫々の出口方向にそのまま走り去り、火災地点
に向かう車輌は後続の車輌の為に戻れなくなり、順次停
車してゆく。停車後、運転手や同乗者等のトンネル利用
者は、徒歩で避難口に向かう。全利用者の避難が完了す
るまでの間、煙や熱の拡散を防止することが本発明の目
的である。
本制御が対象とする時間範囲内でのプロセスの挙動に
大きな影響を与える要因は、車道内風速値と、その変化
度合い(変位量)、及び過渡的な車輌挙動である。これ
らは数値的に極めて不確定であり、定量的に扱うことは
制御性能の低下を招くことになる。
本発明では、火災時等の非常時のトンネル内プロセス
の挙動を定性的モデルとして把握し、上記の不確定要因
をファジィ量(あいまい量,fuzzy量)として扱い、ファ
ジィ推論にて制御量を定める様にしたものである。本発
明では、一定のサンプリング時間周期にて、上記プロセ
ス値を取り込み、以下の様にして制御効果器の操作量、
例えばジェットファンの起動/停止台数と方向をプロセ
スに出力し、制御を行なう。
そこで、車道内風速値と、それの時間的変位量の定性
的評価を、予めファジィ量で評価したメンバーシップ関
数値の適合値で定め、これら適合値による定性評価値に
基づきサンプリング周期時間後の車道内風速値の定性評
価値集合を先験的ルールにより推論する。他方、交通流
計より取込んだ火災地点から上り出口に向かって走行す
る車輌台数と、下り出口に向かって走行する車輌台数の
定性的評価を、予めファジィ量で評価したメンバーシッ
プ関数値の適合値で定め、これら適合値による定性評価
値に基づきサンプリング周期時間後のピストン力(車輌
移動による空気昇圧力を指す)の定性評価値集合を先験
的ルールによる推論する。
次に、前記の車道内風速の定性評価集合と、前記のピ
ストン力の定性評価集合に基づき、サンプリング時間後
の車道内風速を目標値に収束せしめる制御効果器操作量
の定性評価集合を、先験的ルールにより推論する。
最後に、上記制御効果器操作量定性評価集合と、予め
ファジィ量で評価したメンバーシップ関数とによる重心
演算から制御量を定める。
〔作 用〕
本発明は、以上の様に、火災の発生地点が異なってい
たり、車輌や、空気柱が不確定な挙動を示す場合であっ
ても、メンバーシップ関数や経験則等の先験的情報によ
り適正でかつ公平に評価されるので、最適な制御操作量
が決定される。
この為、非常時状況の相違によって車道内風速の目標
値への収束時間が変動することが無くなり、トンネル利
用者の避難が安全にできる環境を保持することができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
対象とするトンネル内には、車道内風速を測定する風
向風速計9と、上り/下り毎の一定間隔に設置され交通
量を測定する交通量センサ11と、センサ11からのデータ
を入力とし上り/下り毎に交通量を集計し出力する交通
量計12と、風向,風速を変えることができる複数のジェ
ットファン13が設置されている。本例では、対面交通の
海底トンネルを制御対象としている。本装置は、火災発
生のタイミングで起動され、以降、トンネル内全利用者
の避難が完了するまで、一定の周期時間毎に下記動作を
行なう。
風向・風速計9で測定された車道内風速値Wi(iはサ
ンプリングタイミング)と交通流計12で測定された上り
(本例では便宜的に右方向とする)方向の走行車輌トー
タル数NRiと、下り方向走行車輌トータル数NLiの三種類
のデータを入力とする。これらはプロセス入力装置2に
より取込まれ、微分装置3に入力される。微分装置3
は、車道内風速Wiの単位時間当りの変位量ΔWi(=Wi
Wi-1)を演算し、他の情報はそのままの形で出力する。
車道内風速推論装置4は、上記Wi,ΔWi,NRi,NLiを入力
とし、記憶装置7に記憶されている夫々の予めファジィ
量で評価されているメンバーシップ関数により評価毎の
適合度を演算し、その適合値によりジェットファン13の
操作台数や方向の適合値を推論する。JF(ジェットファ
ン)台数・風向決定装置5は、前記JF操作台数や方向の
適合値と記憶装置7に記憶されているJFへの先験的な操
作量評価情報に基づいて、定量的な操作量を定める。決
定された操作量は、プロセス出力装置6からJF13に出力
される。以下、各装置の構成を詳細に説明する。
第2図に微分装置3の構成を示す。入力されるWi,N
Ri,NLiの各値はそのまま出力まで通過し、風速値の変位
量ΔWiのみが新たに生成される。記憶装置3aは、シフト
レジスタ動作を行ない、時刻tiでの風速値Wiと時刻ti-1
での風速値Wi-1を記憶する。そして、微分装置3bで両風
速値の差分をとって、変位量ΔWiを求め出力する。ΔWi
は車道内風速値の変化の度合を表わしており、車道内風
速の挙動に大きな影響を与える要素である。
第3図は、車道内風速推論装置4の構成を示したもの
である。Wi,ΔWi,NRi,NLiを入力としてJFの操作量定性
評価集合S(JFi)を出力とする。入力各項目に対し、
予めファジィ量として定性的に評価してあるメンバーシ
ップ関数が記憶装置7(第1図)に記憶されており、各
入力値は定性評価装置41にて定性的に評価される。
第7図から第10図にメンバーシップ関数例を示す。第
7図は、車道内風速値Wiに対するメンバーシップ関数で
ある。風速値Wiに対しては上り方向に対し逆風(−),
無風(0),順風(+)という定性的な評価を与える。
評価の段階は、例えば逆風(−),順風(+)の二種類
であっても、強い逆風,弱い逆風,ほぼ無風,弱い順
風,強い順風の五種類であってもよい。この段階数は先
験的情報の密度により任意に定めることができる。縦軸
に定性的な評価の度合いとして“0.0"から“1.0"の値を
定義する。横軸には風速値Wiを定義しており、本例では
符号付の値をとり、上り方向が正,下り方向を負として
いる。例としてWi=3.0(m/s)をとると、各評価毎の適
合度は次の様になる。
μ(Wi)=0.3 μ(Wi)=0.6 μ(Wi)=0.0 但し、μは評価毎の適合値を示す関数である。この評
価は定性的に表現すると、 「車道内風速Wは時刻tiにおいて逆風の度合いが0.0,
無風の度合いが0.6,順風の度合いが0.3である。」 となる。この様にして定性評価は集合となり、定性評価
集合Sで、次式の様に表現される。
S(Wi)=(μ(Wi),μ(Wi),μ(Wi)) =(0.3,0.6,0.0) 以下同様に第8図はΔWi、第9図はNRi、第10図はNLi
のメンバーシップ関数を示している。
第3図の定性評価装置41は、上記の様にしてS
(Wi),S(ΔWi),S(NRi),S(NLi)を出力する。
次に、これら評価集合を用いてJF操作量評価集合S
(JFi)を推論し出力する動作を説明する。
推論は、第4図,第5図に示す先験的情報に基づく推
論ルールにて行なわれる。
第4図は、車道内風速値Wiと、変位量ΔWiより、サン
プリング周期時間後の車道内風速変位量ΔWTiを推論す
る為のルール定義図である。但し、これらのルールは車
輌移動によるピストン力が一定の場合についてのもので
ある。
(ルール1)ifWが+かつΔWが+thenΔWTは+ (ルール2)ifWが+かつΔWが0thenΔWTは+ (ルール3)ifWが+かつΔWが−thenΔWTは0 (ルール4)ifWが0かつΔWが+thenΔWTは+ (ルール5)ifWが0かつΔWが0thenΔWTは0 (ルール6)ifWが0かつΔWが−thenΔWTは− (ルール7)ifWが−かつΔWが+thenΔWTは0 (ルール8)ifWが−かつΔWが0thenΔWTは− (ルール9)ifWが−かつΔWが−thenΔWTは+ 例えば(ルール1)を定性的に表現すると、 「もし、車道内風速Wが上り方向、かつ。車道内風速
が上り方向に変位しているならば、将来の車道内風速は
上り方向に変位する。」となる。これらルールによりS
(WT)は次の様にして定まる。Wi=3.0(m/s),ΔWi
1.5(m/s)とすると第7図,第8図より評価集合は下記
となる。
S(Wi)=(0.3,0.6,0.0) S(ΔWi)=(0.2,0.55,0.0) この例では車道内風速Wiは上り方向に吹いており、か
つ増強する傾向にある。将来の車道内風速の変位量ΔWT
は、以下の様にして推論される。
第4図にもとづいて、例えば(ルール1)は μ1 +(ΔWT)=μ1 +(WiΔWi) =最小値(μ(Wi),μ(ΔWi)) =最小値(0.3,0.2) =0.2 尚、μ1 +の上付文字はルール番号を示し、下付文字は
評価を示す。また、カッコ内の「+」は和推論であるこ
とを示す。
但し、μ1 +(WΔW)は(ルール1)での推論結果
を与える関数であり、は和推論であることを示す。以
下同様に μ2 +(WiΔWi) =最小値(μ(Wi),μ(ΔWi)) =最小値(0.3,0.55)=0.3 μ3 0(WiΔWi) =最小値(μ(Wi),μ(ΔWi)) =最小値(0.3,0.0)=0.0 μ4 +(WiΔWi) =最小値(μ(Wi),μ(ΔWi)) =最小値(0.6,0.2)=0.2 以下、結果のみ記すと、 μ5 0(WiΔWi)=0.55 μ6 -(WiΔWi)=0.0 μ7 0(WiΔWi)=0.0 μ8 -(WiΔWi)=0.0 μ9 -(WiΔWi)=0.0 図中42が最小値を与える装置である。この様にして車道
内風速値Wと変位量ΔWの経験則に従った関係の最小値
を採用することにより、誤りなく状況の変化を把えるこ
とが可能となる。全てのルールが実行されると、ΔWTに
関する三種類の評価に対し、それぞれ3個の適合値候補
ができる。これらの中の最大値をΔWTの評価値とするこ
とにより、車道内風速の変位を把握できる。すなわち、 μ(ΔWTi) =最大値(μk +(WiΔWi):k=1〜9) =最大値(μ1 +(WiΔWi), μ2 +(WiΔWi),μ4 +(WiΔWi)) =0.3 同様にして μ(ΔWTi)=0.55 μ(ΔWTi)=0.0 ∴S(ΔWTi)=(0.3,0.55,0.0) 定性的に表現すると、「一定時間後の車道内風速は、上
り方向に、やや強くなる」ことを示している。
一方、上記と並行して、全く同手順にて車輌によるピ
ストン力変位量ΔNPの評価値集合S(ΔNP)も決定され
る。
ΔWTとΔNPは概念量であるから、これらに対する経験
的なメンバーシップ関数を定めるのは、困難であり、ま
た合理的でない。しかし、制御の最終出力値であるJFの
操作量ΔJFとの関係は、第6図に示す様なルールで定め
ることができる。例えば、 (ルール1)ifΔWTが+かつΔNPが+thenΔJFは− これを定性的に表現すると、「もし、車道内風速が上り
方向に増加傾向にあり、かつピストン力が上り方向に作
用しているならば、JFは下り方向へ増風せよ」となる。
すなわち上り風速を減ずる方向への運転が指示される訳
である。これら9個のルールの入力は前記ΔWTとΔNPの
評価値集合S(ΔWT)とS(ΔNP)であり、メンバーシ
ップ関数による定性評価処理は不要である。この手法に
より、概念量へメンバーシップ関数を導入することな
く、多段の推論を行なうことが可能となる。
この様にして9個のルールが実行され、最終的にJF操
作量評価集合S(JFi)が出力される。
次に、S(JFi)を入力とし、JF台数・方向決定装置
5が動作し、次の様にして定量的な操作量を定める。第
11図は、経験的な知識に基づいて作成されたJFの操作量
に関するメンバーシップ関数である。第11図は、現在の
制御量、すなわち運転台数,方向からの増減量を定義し
たもので、縦軸に“0.0"から“1.0"の範囲の値を持つ適
合度,横軸に操作量を定義している。操作量は正,負の
記号を持つ整数である。JFの運転態様は、運転中のJFは
全て同一の方向となるようになっている。例えば、5台
が上り方向に運転されており、操作量が−3台の場合は
運転中の3台に停止指令を出力する。また運転中の台数
が2台であり、操作量が−3台の場合は、運転中の2台
に停止指令を出力し、他の1台に下り方向への運転を指
令する。
以下、JFの定性評価集合S(ΔJF)が下記値を有する
場合について説明する。
S(ΔJFi)=(μ(ΔJF),μ(ΔJF),μ(ΔJF)) =(0.7、0.5,0.2) これら集合の各値を、夫々の評価に対応する評価値と
して、第11図に示す様にグラフを切断する。すなわち、
各評価曲線と、適合値“0.0"と“1.0",制御量“−10"と
“+10"とμ(ΔJF)で囲まれる面(図中の斜線部)を
得る。この斜線部は、S(ΔJFi)による評価有効度合
を示している。
JF台数・方向決定装置5は、この斜線面が同一質量を
持つ場合の重心Gを演算し、重心GのJF操作量軸の座標
を決定する。本例では“−3"となる。この値がJFの操作
台数・方向になる。この結果を定性的に表現すると、
「車道内風速は、将来、上り方向に増加してゆくと予測
される為、JFを下り方向に3台分増加せよ」となる。
プロセス出力装置6は、以上の様に決定された操作量
をプロセスに出力する。
以上の一連の処理が、対象トンネルプロセスの時定数
により定まる単位時間毎に行なわれ、風速が速やかに目
標値に収束され、かつ維持されてゆく。
この様に、本実施例は、火災等の異常発生後の車道内
風速値,変位量,上り/下り交通量を経験的情報に基づ
いて定性的に評価し、これらの評価情報から経験的情報
に基づくルールにて将来の車道内風速の変化度合いを定
性的に推論し、JF等の制御効果器の操作量を決定してい
る為、異常の発生地点の差違や、車輌の不確定な挙動等
に関わらず熱や煙の拡散を抑え、利用者の避難を安全に
行なえる環境を提供することが可能となる。
第12図は、本実施例の効果を説明する為の特性図であ
る。典型的な下記三種(a),(b),(c)の状況に
ついて取り上げている。
(a)車輌が走行していない場合 (b)上り方向入口付近で火災が発生し、多くの上り方
向の車輌が上り方向出口に向かって走行してゆく場合 (c)上り方向出口付近で火災が発生し、多くの下り方
向の車輌が上り方向入口(下り方向出口)に向かって走
行してゆく場合 縦流式換気制御の場合、平常時の車道内風速は一定方
向にある。本例では上り方向としている。この状況下
で、従来の車道内風速の目標値との差分に基づくフィー
ドバック制御の制御結果を実線で、本実施例による結果
を破線で示している。図において、横軸は火災発生時点
をゼロとした時間変化を、縦軸は上り方向を正とした車
道内風速値を、夫々定義している。また、本例での制御
目標値は、車道内風速が±1(m/s)の範囲としてい
る。従って、火災発生より安定域に収束するまでの時間
を、従来制御結果ではtP、本実施例結果においてt′
と定義する。
状況(a)では、トンネル内の空気柱の移動が他の要
素に影響される度合が少ない為、従来のフィードバック
制御においても、ゲインを適正に定めることにより、車
道内風速は速やかに目標域に収束し、かつその後も安定
している。従って、この場合はtP≒t′となり、差は
ない。しかしながら、現実的にこの様なケースは希であ
り、車輌挙動や自然風等により極めて複雑な状況が一般
的ケースである。
状況(b)は、縦流換気制御方向(本例では上り)の
車道内風を車輌のピストン力が増長する場合を示してい
る。すなわち、上り方向入口付近で火災が発生した為、
出口側に向かって車輌が逃避走行する。入口側に向かう
車輌は通過不可の為、順次停止してゆく。これにより、
従来のフィードバック制御結果は図の様に状況(a)に
比べ、なだらかな減風傾向を示す。すなわち、測定され
た車道内風速値に基づくフィードバック制御により決定
された風量では不足であり、tPが大となる。一方、本実
施例による制御では、上記ピストン力,車道内風速値,
及び変化度合等を先験的に情報に基づき定性的に評価
し、制御量を決定する為、状況(a)と同等のt′
なっている。
状況(c)は、状況(b)と対称的に、上り方向出口
側で火災が発生した場合を示している。この時は上り出
口に向かう車輌は順次停止し、下り出口に向かう車輌が
逃避走行する為、ピストン力は初期段階では車道内風を
抑止する方向に働くことになる。従来のフィードバック
制御では、上記により速やかに目標域に達するが、無風
状態を通り越し、大きくオーバーシュートしてしまう。
この為、再度目標域に戻す為に上り方向の風量が出力さ
れる。この様なハンチング現象が、下り出口に向かう車
輌が全てトンネル外に脱出し、かつ上りで火災発生地点
に向かう車輌が全て停止するまで継続してしまう。この
様に状況(c)におけるフィードバック制御結果は、状
況(a)に比べ収束時間が大となるばかりでなく、風向
が何回か変化し、火災による煙と熱が両方向に拡散する
為、徒歩で避難するドライバーや同乗者を極めて危険な
状態に置くことになる。一方、本実施例による制御結果
では、適正に制御量を定めてゆく為、状況(a)と同等
のtPが得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、車道内風速値,変位量,走行車輌の
挙動通を先験的情報により定性的に評価し、それらの定
性評価情報に基づく先験的ルールにて制御効果器の制御
量を決定している為、火災発生等の不確定な状況であっ
ても適正な制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るトンネル内風速制御装
置の構成図、第2図は第1図に示す微分装置の構成図、
第3図は第1図に示す車道内風速推論装置の構成図、第
4図,第5図,第6図は推論ルールマトリクス図、第7
図,第8図,第9図,第10図は夫々メンバーシップ関数
を示すグラフ、第11図はJF操作量に対するメンバーシッ
プ関数と重心演算による定量化説明図、第12図(a),
(b),(c)は本発明実施例の効果を従来のフィード
バック制御と比較したグラフ、第13図は本発明実施例を
適用するトンネルの説明図である。 1……トンネル風速制御装置、2……プロセス入力装
置、3……微分装置、4……車道内風速推論装置、5…
…ジェットファン台数方向決定装置、6……プロセス出
力装置、7……記憶装置、41……定性評価装置、42……
最小値回路、Wi……車道内風速値、ΔWi……風速値の単
位時間当たりの変位量、NRi……上り方向走行車輌トー
タル数、NLi……下り方向走行車輌トータル数。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 良幸 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 音喜多 享 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立情報制御システム内 (56)参考文献 特開 平1−214699(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル内に風速制御効果器を備え、トン
    ネル内風速を所定値に収束,維持する制御方法におい
    て、トンネル内に設置された風向・風速計で測定された
    風向・風速情報と、一定区間毎に設置された交通流計に
    より測定された交通量情報を入力とし、前記風速・風向
    値と交通流値を時間的に微分して時間変位情報を得、前
    記情報ごとに予めファジィ量として評価されているメン
    バーシップ関数の適合値によって評価段階別に評価値を
    定め、これら評価段階毎の適合値による評価値集合に基
    づきトンネル車道内風速の将来の評価適合値集合と、交
    通流によるピストン力の将来の評価適合値集合を経験則
    により推論し、前記車道内風速とピストン力の状況下で
    車道内風速を目標値に収束させる制御効果器操作量の経
    験則により将来の制御効果器操作量の評価適合値を推論
    し、予めファジィ量として評価されている風速制御効果
    器操作量のメンバーシップ関数とから操作量を定量変換
    して定め、風速制御効果器に制御量を指令することを特
    徴とするトンネル内風速制御方法。
  2. 【請求項2】風向風速計により測定されたトンネル車道
    内風速データと交通流計により測定された交通流データ
    を取込むプロセス入力装置と、取込まれたデータの時間
    的変位量を演算する微分装置と、該演算された情報を入
    力としトンネル車道内風速の目標値に収束させる制御効
    果器の操作量の評価集合を出力とする車道内風速推論装
    置と、操作量の評価集合を入力とし制御効果器の操作定
    量値を演算する重心演算装置と、該操作定量値をプロセ
    スに出力するプロセス出力装置とを備えることを特徴と
    するトンネル内風速制御装置。
  3. 【請求項3】トンネル内に設置された風速制御装置の操
    作量を制御しトンネル内の風速を所定範囲内に制御する
    トンネル内風速制御装置において、トンネル内風速値変
    位量の概念量及びピストン力変位量の概念量とトンネル
    内の風速を所定範囲内に制御する風速制御装置の操作概
    念量との関係を経験則でルール化したデータを格納した
    記憶手段と、風向風速情報と風速変位量情報と交通量情
    報とに関するメンバーシップ関数を格納した記憶手段
    と、該メンバーシップ関数から各情報の測定値に基づい
    て所定時間後のトンネル内風速値変位量とピストン力変
    位量とをファジィ推論により求める手段と、求めたトン
    ネル内風速値変位量とピストン力変位量とを前記先験的
    経験則に当てはめて風速制御装置の操作量を決定する手
    段とを備えることを特徴とするトンネル内風速制御装
    置。
  4. 【請求項4】トンネル内に設置された風速制御装置の操
    作量を制御しトンネル内の風速を所定範囲内に制御する
    トンネル内風速制御装置において、トンネル内風速値変
    位量の概念量及びピストン力変位量の概念量とトンネル
    内の風速を所定値に制御する風速制御装置の操作概念量
    との関係を経験則でルール(ルールAという)化したデ
    ータを格納した記憶手段と、風速値及びその変位量と所
    定時間後の風速値変位量との関係をルール(ルールBと
    いう)化したデータを格納した記憶手段と、上り交通量
    及び下り交通量と所定時間後のピストン力変位量との関
    係をルール(ルールCという)化したデータを格納した
    記憶手段と、実際のトンネル内の風速値を所定時間毎に
    検出する風速値検出手段と、トンネル内の上り方向と下
    り方向の交通量を所定時間毎に検出する交通量検出手段
    と、検出した風速値から風速値の変位量を算出する算出
    手段と、風速値に対するメンバーシップ関数から風速値
    検出値での風速値定性評価集合を求める手段と、風速値
    変位量に対するメンバーシップ関数から風速値変位量算
    出値での変位量定性評価集合を求める手段と、上り交通
    量に対するメンバーシップ関数から上り交通量検出値で
    の上り交通量定性評価集合を求める手段と、下り交通量
    に対するメンバーシップ関数から下り交通量検出値での
    下り交通量定性評価集合を求める手段と、風速値定性評
    価集合及び変位量定性評価集合と前記ルールBとから所
    定時間後のトンネル内の風速値変位量を求める手段と、
    上り及び下りの交通量定性評価集合と前記ルールCとか
    ら所定時間後のピストン力変位量を求める手段と、求め
    た風速値変位量及びピストン力変位量と前記ルールAと
    から風速制御装置の操作量を求める手段とを備えること
    を特徴とするトンネル内風速制御装置。
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