JP2713777B2 - 検尿便器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は尿中に含まれる特定の成分を分析する機能を
備えた便器に関する。

（従来の技術） 尿中に含まれる特定の成分を分析する装置を大きく分
けると、特開昭63−184057号公報等に開示されているポ
ペットバルブ等を介して尿を吸引し、管路を通じて分析
装置に搬送して分析を行うタイプと、特開昭64−53159
号公報等に開示されている採尿した尿に試験紙等の検尿
手段を移動して接触させることにより分析を行うタイプ
が存在する。

（発明が解決しようとする課題） 前記した装置のうち便器から直接尿を採取して分析装
置まで搬送するものは、尿を搬送する管路を設けるた
め、途中で詰まりを生じ易く、更には清掃も面倒となる
等多くの課題がある。一方、試験紙等を移動させて採取
した尿との接触を図り分析を行う装置は配管やバルブ等
が不要なため機構的には簡略化される。

しかしながら、試験紙等を尿溜まり部近傍まで移動さ
せた際には、ホルダー等の保持手段はボール部内に露出
され、被験者の不意の排泄行為により汚損され作動不良
を起すおそれがある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく請求項１の検尿便器は、便器の
ボール吹に向けて排泄された尿を採取する尿溜まり部
と、前記尿と接触し尿中に含まれる特定成分と反応を生
じる検尿手段と、この検尿手段の反応をもとに分析を行
う分析手段と、前記検尿手段を保持しボール部の内外に
進退自在に設けられ測定時には前記尿溜まり部に前記検
尿手段を臨ませる保持部と、この保持部の前記ボール部
への進退運動に連動し保持部への排泄物の付着を防止す
るためのカバーを設ける。

請求項２の検尿便器は、請求項１記載の検尿便器にお
いて、前記検尿手段は尿中に含まれる特定成分と接触し
呈色反応を生じる試験紙である。

請求項３の検尿便器は、便器のボール部に設けた尿溜
まり部と、この尿溜まり部よりも上方に位置し尿中に含
まれる成分を分析する分析装置と、この分析装置と前記
尿溜まり部との間を昇降動可能な試験紙ホルダーを備
え、このホルダーは少なくとも最も下降した位置でその
周囲をカバーにて覆われる。

請求項４の検尿便器は、請求項３記載の検尿便器にお
いて、前記カバーは、ホルダーの昇降に応じて伸縮す
る。

請求項５の検尿便器は、請求項２、請求項３又は請求
項４記載の検尿便器において、前記カバーは、その上部
に洗浄管を設けている。

（作用） ボール部内に進出した試験紙等の保持部材がカバーで
覆われているので被験者の排泄行為によって汚損される
ことがない。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図は本発明の第１実施例に係る便器の斜視図であ
り、便器１のボール部には一段低くなった尿溜り部２が
形成されている。また便器１の後部にはロータンクを収
めたボックス部３が設けられ、このボックス部３の中間
位置には挿入蓋４を設け、この挿入蓋を開けて新しい試
験紙５を挿入するようにしている。

またボックス部３内には局部洗浄装置６を進退せしめ
る機構の他に、前記挿入蓋４に近い箇所に尿データ分析
装置７を配置し、更にこの尿データ分析装置７と前記尿
溜り部２との間で試験紙５を往復動せしめる昇降機構10
をボックス部３内に配置している。

昇降機構10は便器１上にフレーム11を立設し、このフ
レーム11に上下方向のガイドレール12,12を架設し、こ
れらガイドレール12,12間にスライダー13を摺動自在に
係合し、このスライダーの下端に試験紙５を保持するホ
ルダー14を取付けている。このホルダー14は前記挿入蓋
４を開けて挿入された新しい試験紙５を段部等に係止し
て保持するとともに、分析後の試験紙５についてはスラ
イダー13に付設した排除機構によってホルダー14から尿
溜り部２へ落下せしめる。

またフレーム11内にはモータ15を設け、このモータ15
によって走行するタイミングベルト16を前記ガイドレー
ル12と平行に配置し、このタイミングベルト16に前記ス
ライダー13を係止することでモータ15の駆動によりスラ
イダー13、ホルダー14及びホルダー14に保持されている
試験紙５が尿溜り部２と尿データ分析装置７との間で昇
降動するようにしている。

一方、フレーム11にはカバー20を取付けている。カバ
ー20は３つの分割体21,22,23からなり、いずれも略コ字
状をなしている。そして、分割体21についてはフレーム
11に固着され、分割体22については分割体21より小寸法
とし、、分割体23については分割体22より小寸法とし、
スライダー13が上昇している場合には、ホルダー14と分
割体23には互いに係止する係止部があり、ホルダー14が
上昇すると分割体23も上昇し、これについて分割体22も
上昇し、更に分割体22,23は分割体21に収まるようにな
っている。またホルダー14と分割体23には互いに係止す
る係止部があり、ホルダー14が下降すると分割体23も下
降し、これにつれて分割体22も下降し、第１図に示すよ
うにカバー20が伸びた状態となり、この状態においてス
ライダー13及びホルダー14はカバー20にて覆われる。

第２図乃至第５図は別実施例を示す図であり、前記第
１実施例と同一の部材については同一の番号を付してい
る。

第２図に示す第２実施例にあっては、カバー20を分割
せず蛇腹状とし、上端をボックス部３のブラケット24に
止着し、下端をホルダー14に止着し、昇降機構によって
ホルダー14を上下せしめるのと一体的に蛇腹状カバー20
が伸縮するようにし、第３図に示す第３実施例にあって
は、カバー20をボックス部３に設けた軸25を中心として
揺動可能に支持し、スプリングによってカバー20を上方
へ上げる方向に付勢するとともに、その一部がホルダー
14に係止するようにし、ホルダー14の下降によってカバ
ー20も下方へ回動し、ホルダー14及びスライダー13を覆
うようにしている。また第４図に示す第４実施例はボッ
クス状をなすカバー20をボックス部３に取付けたもので
あり、この場合はカバー20が固定式であるので交換可能
にすると便利である。

更に第５図に示す第５実施例にあっては前記した実施
例がいずれもスライダー13及びホルダー14への大便の付
着を防止するのみで、カバー20自体への大便の付着につ
いては、特に考慮していないため、カバー20を別途清掃
しなければならないことを解消すべくなしたものであ
り、具体的にはカバー20の前面側上端に洗浄管26を設
け、必要な時に洗浄管26からカバー20前面に洗浄液を流
し、自動的にカバー20を洗浄するようにしている。

（発明の効果） 以上に説明した如く本発明によれば、採取した尿と試
験紙等の検尿手段を接触させるために、ボール部内に進
出したホルダー等を保持部材を被験者の排泄物による汚
損から守ることが可能となり、作動不良を生じることが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例に係る便器の斜視図、第２
図乃至第５図は別実施例を示す図である。 尚、図面中１は便器、２は尿溜り部、４は開閉蓋、５は
試験紙、７は分析装置、10は昇降機構、11はフレーム、
13はスライダー、14はホルダー、20はカバー。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】便器のボール部に向けて排泄された尿を採
   取する尿溜まり部と、 前記尿と接触し尿中に含まれる特定成分と反応を生じる
   検尿手段と、 この検尿手段の反応をもとに分析を行う分析手段と、 前記検尿手段を保持しボール部の内外に進退自在に設け
   られ測定時には前記尿溜まり部に前記検尿手段を臨ませ
   る保持部と、 この保持部の前記ボール部への進退運動に連動し保持部
   への排泄物の付着を防止するためのカバーを設けたこと
   を特徴とする検尿便器。
2. 【請求項２】前記検尿手段は尿中に含まれる特定成分と
   接触し呈色反応を生じる試験紙であることを特徴とする
   請求項１記載の検尿便器。
3. 【請求項３】便器のボール部に設けた尿溜まり部と、 この尿溜まり部よりも上方に位置し尿中に含まれる成分
   を分析する分析装置と、 この分析装置と前記尿溜まり部との間を昇降動可能な試
   験紙ホルダーを備え、 このホルダーは少なくとも最も下降した位置でその周囲
   をカバーにて覆われることを特徴とする検尿便器。
4. 【請求項４】前記カバーは、ホルダーの昇降に応じて伸
   縮することを特徴とする請求項３記載の検尿便器。
5. 【請求項５】前記カバーは、その上部に洗浄管を設けて
   いることを特徴とする請求項２、請求項３又は請求項４
   記載の検尿便器。