JP2713459B2 - 零相電流検出器 - Google Patents

零相電流検出器

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    • G01R15/20Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) この発明は零相電流検出器に関するものである。
(従来の技術) 従来から零相電流検出器としてはCTを使用した零相電
流検出器(以下、ZCTという)がある。この零相電流を
検出するZCTには、従来から残留電圧という問題点があ
る。残留電圧とはZCTに鎖交する三相負荷電流が零相分
を含まない場合にも、あたかもこれが含まれるかのよう
に変流器二次巻線に生ずる出力である。
我が国の高抵抗接地配電系統においては地絡事故が生
じても地絡電流は小さく、その零相分も低レベルに留ま
る。このため、ZCTにより零相電流を検出しようとする
場合、上記残留電圧がノイズとなり、S/N比が著しく劣
化して、検出が事実上不可能となる。例えば400[A]
の負荷電流に対して200[mA]程度の地絡電流レベルを
検出することは一般的なZCTでは不可能である。
この問題を解決するために、従来のZCTは、二次巻線
の上から銅などの良導体あるいは高透磁率の磁性体のテ
ープを巻き、又、鉄心磁路の形状を楕円形にするなどに
より、又、鉄心磁路の長手方向に沿って二次巻線の巻数
を変化させることにより、上記残留電圧の低減を図って
いた。これによって、実際に残留電圧が減少し、鉄心ZC
Tが配電系統の零相電流検出に現実に利用されている。
しかしながら、残留電圧を減少させるテープの適正な
巻方及び磁路の望ましい形状、必要な二次巻線の分布な
どは試行錯誤を重ね、充分な経験が積まれた後にしか得
られないという問題があった。これは残留電圧発生の原
因が、物理的あるいは理論的に必ずしも明らかになって
いないことによるものと考えられる。従って、例えば配
電機器メーカーが一般的な磁気回路の理論に基づいてZC
Tを設計、製作することは困難であり、専門のメーカー
にこれを依頼せねばならないという不便があった。
又、一旦、完成された鉄心ZCTの磁路を開くことは不
可能であるため、ZCTを配電線に組付ける作業が面倒に
なり、ZCTを組付ける箇所も限定されるという実用上の
問題点もあった。
(発明が解決しようとする課題) この発明は上記のような従来の問題点を解決するため
になされたものであり、零相電流の検出の場合には負荷
電流の1/2000程度までの低レベルの電流も正確に検出す
ることができ、その設計製作も特殊なノウハウに頼るこ
となく、一般的な理論に基づいてなされ、かつ配電線へ
の装着を容易とすることができ、鉄心の好ましくな特性
に影響されずに微少値の零相電流をも検出でき、さらに
は装着箇所にも融通性のある零相電流検出器を提供する
ことにある。
発明の構成 (課題を解決するための手段) この発明は三相分の被検出電流より生ずる磁化電流が
事実上表面だけに分布し得る厚さを有する磁性材により
形成された筒体の外側に対し、ソレノイドをその軸心曲
線に沿って平均断面積及び単位長当りの巻数とが一定に
なるように環状に巻回形成したロゴスキーコイルを配置
し、そのロゴスキーコイルの巻き始め位置、及び巻き戻
し位置を三相の内の中相に最も近接するコイル上に配置
したことをその要旨とするものである。
(作用) 本願発明者の研究によれば、上記残留電圧の主要な原
因は健全時負荷電流によってZCT鉄心中に生ずる磁束密
度がその磁路に沿って不均一であることにあると考えら
れる。鉄心は元来、このような不均一性を除去し、鉄心
磁路内に均一な磁束密度、したがって一定の磁束を形成
する目的で使用される。しかしながら、鉄心材料の非線
形性、局所的磁気飽和、負荷電流に対する鉄心上のイメ
ージ電流による磁束密度などのために、磁路の側面から
磁束が流入、流出する。このため、ZCT二次巻線の磁束
鎖交数は、ZCTに鎖交する電流の代数和に正比例しなく
なる。これが残留電圧発生の原因と考えられる。
そこで、本発明においては、アンペアの周回積分定理
の基づくロゴスキーコイルを用いて電流を検出する。
周知のように、この定理はHを磁界、Cは任意の閉曲
線、 をCに鎖交する自由電流(磁性体に生ずる磁化電流を除
いた外部回路から供給する電流)の代数和とすると、 のように書かれる。この式は磁性媒質の有無、その種類
に拘らず成立する。(1)式の線積分に比例する量とし
て、コイル軸方向に均一に巻かれた環状ソレノイド、す
なわちロゴスキーコイルの誘導電圧を利用する。コイル
断面積をS、真空の透磁率をμ、面積Sへの法線ベク
トルをn(dl)とすると、S内の磁束がμ・S・H
と見做される程度にSが小さい場合には、ロゴスキーコ
イルの誘導電圧は となる。ただし、nはコイル軸心方向単位長当りの巻
数、μは真空の透磁率である。(1)、(2)式から
コイルに鎖交する電流の代数和は により与えられる。誘導電圧Vを時間について積分する
ことにより、原理的には電流の代数和を知ることができ
る。電流が正弦波交流である場合には、V及びその時間
積分も正弦波となり、電流値はVに比例する。このよう
な場合には電流の相対値のみが必要であったり、別に電
流の絶対値の較正が可能であったりすれば、Vの時間積
分を省略することができる。
しかしながら上記のようなロゴスキーコイルを露出し
たままこれを例えば三相負荷電流に装着すると、銅テー
プあるいは磁性体テープを巻かない鉄心ZCTにおけるよ
うに、残留電圧が大きく、低レベルの零相電流検出は不
可能である。
そこで、本願発明では、さらに被検出電流とロゴスキ
ーコイルとの間にこの電流を取り囲むように磁性材から
なる筒体を介在させる。又、この筒体は二重の筒体要素
とそれらの両端を磁性材で閉じてなる環状の磁性体ケー
スを含み、その中にロゴスキーコイルを収納し、ケース
の中空部に被検出電流を貫通させてもよい。
このような磁性体の透磁率がある程度大きければ、零
相電流がない場合磁化電流は事実上磁性体の表面にだけ
に生ずる。この磁化電流は自由電流によって磁性体内に
生ずる磁束密度を打ち消し、その部分の磁束密度を零あ
るいは著しく小さな値とするように生ずる(磁性材内部
には自由電流による磁界Hは生ずる)。その結果、筒体
あるいは筒体の形状が環状磁性体ケース形状をした筒体
が軸対称形あるいは激しい凹凸等がなく、軸対称形から
著しくは外れない形成を有する場合には、磁性材に関し
て被検出電流とは反対の側の空間の磁束密度は著しく均
一化される。
例えば筒体が軸対称形の円筒である場合には代数和が
零である被検出電流と円筒内面の磁化電流とにより生じ
る磁束密度とが打消し合い、円筒外面にはその内側に磁
束密度を生じないようにまた生じてもその値をきわめて
小さくするように、被検出電流に応じて磁化電流が分布
する。このように電流の代数和がある場合例えば被検出
電流が三相負荷電流であって、零相電流がないときには
円筒外面の磁化電流は零となり、ロゴスキーコイルの存
在する空間には何らの磁束密度も生じないか生じてもそ
の値はきわめて小さくかつロゴスキーコイルの長手方向
にあまり変化しないものとなる。
空間の透磁率は磁性材のそれより十分に小さいことも
あってロゴスキーコイルのある空間に残存する磁束密度
は筒体磁性材内部のものよりも充分に小さい。磁性材内
部に残存する磁束密度は、従来の技術の項で述べたよう
な理由により、磁性材の円周方向に相当に不均一である
と考えられる。
電流に零相成分がある場合には、円筒の内外面にわた
り、電流の零相分に相当する磁化電流が閉路の形で分布
する。この磁化電流は磁性材内には磁束密度を生ずるが
その外側の空間には磁束密度を生じない。従って、ロゴ
スキーコイルの存在する空間には、事実上被検出電流の
零相電流に比例した磁束密度が生ずる。筒体あるいは環
状磁性体ケースの軸対称性が多少崩れる場合には、被検
出電流の非零相成分に関連する磁化電流も筒体外面に一
部分布する可能性がある。しかし、この磁化電流が筒体
外側に生ずる磁束密度及びその不均一度は、筒体のない
場合に同電流成分が同じ位置に生ずる磁束密度及び不均
一度に比較して著しく小さく、ロゴスキーコイルに生ず
る残留電圧も小さい。上記のような磁性材とロゴスキー
コイルとの組合わせにより、三相負荷電流の数千分の一
程度の低レベルの零相電流が検出される。
又、三相の配電線を同一平面に含まれるように配置し
たとき、三相のうち中相を通るとともに前記平面に垂直
な無限延線上の無限延点においては三相の電圧、電流の
合成出力は理論上0になる。従って、三相の電流、電圧
の合成出力は0になる無限延点にロゴスキーコイルの巻
き始め位置及び巻き戻し位置を設ければ理想的には零相
電流の検出に悪影響がないため、好都合である。しか
し、実用上は前記無限延線上の無限延点にロゴスキーコ
イルの巻き始め位置及び巻き戻し位置をとることは不可
能であるため、ロゴスキーコイルにおいて中相を通る前
記無限延線上の点、すなわち、中相に最も近接する位置
をロゴスキーコイルの巻き始め位置及び巻き戻し位置と
することにより、健在な三相の合成出力を最も小さくす
る。
第一実施例 以下この発明を具体化した第一実施例を図面に従って
説明する。
第1及び第2図に示すように、零相電流検出器K1のロ
ゴスキーコイル1はポリスチレン等の可撓性を有する非
磁性材を円環状に湾曲形成した巻枠2と、同巻枠2に対
してソレノイドが単位長当りの巻数nが一定でかつ,平
均断面積Sが巻枠2の軸方向に沿って一定となるように
環状に巻回された環状ソレノイド3とにより構成されて
いる。なお、平均断面積Sは可能な限り小さくし、単位
長当りの巻数nが大きくすることにより、ソレノイド3
の出力電圧の増大を図るのが望ましい。
前記環状ソレノイド3のリード線4aは計測用の同軸ケ
ーブル5の心線に、リード線4bはその外被導体にそれぞ
れ接続されている。前記環状ソレノイド3の外面には静
電シールド7が被覆されており、同静電シールド7は前
記同軸ケーブル5の外被導体に接続されている。
又、前記環状ソレノイド3の巻き始め位置及び巻き戻
し位置Pはこの零相電流検出器K1を三相の配電線に取着
したとき、三相の内中相にもっとも近接するコイル上に
配置している。
なお、前記環状ソレノイド3をトロイダル方向の一方
の向き、例えば第2図A矢印の向きのみに巻き進める
と、環状ソレノイド3の軸心曲線に鎖交する磁束による
誘起電圧も環状ソレノイド3の出力に加わるので誤差の
原因となる。これを除くために、環状ソレノイド3を偶
数層に巻き、半数層は前記A矢印の向きに、残りの半数
層は反A矢印の向きに巻く必要がある。単層あるいは奇
数層の場合には第3図に示すように巻き戻し線6を設け
て、軸心曲線に鎖交する磁束を打ち消すように構成す
る。
前記ロゴスキーコイル1に対して同心円状に遊挿配置
される筒体8は軟鉄等の磁性材にて円筒状に形成され、
その厚さは磁性材の透磁率に応じて筒体8に生じる磁化
電流が事実上筒体8の表面のみに分布するように設定さ
れている。この実施例の場合にはその厚さは3mm程度と
している。
筒体8の軸長はロゴスキーコイル1の断面直径の少な
くとも数倍程度に定めるのが好ましい。又、筒体8の外
径はロゴスキーコイル1が形成する中空部9の直径より
もやや小径にし、筒体8の軸長が上記のような値の場合
ロゴスキーコイル1が筒体8の外周面からそれほど離間
しないように配置される。そして、被測定電線となる三
相の配電線は前記筒体8の軸心に設けられた挿通孔10に
挿通される。
なお、ロゴスキーコイル1の巻枠2は剛体材で形成し
てもよい。
この第一実施例の零相電流検出器K1の第一変形例とし
ては第4図に示すように、一対の半円形の巻枠2に対し
てソレノイドを巻回したロゴスキーコイル片1a,1bを形
成し、両ロゴスキーコイル片1a,1bの巻線を直列に接続
しかつ両ロゴスキーコイル片1a,1bの巻枠2を円環状に
接合してロゴスキーコイル1としてもよい。この場合に
はソレノイドの巻始め位置及び巻き戻し位置Pは両ロゴ
スキーコイル片1a,1bを組付けた状態でそれぞれのロゴ
スキーコイル片1a,1bから導出されるリード線4a,4bの導
出位置となる。
なお、以下に説明する変形例又は実施例においては説
明の便宜上前記第一実施例又は他の実施例で説明される
部材と同一又は相当する構成については同一符号を付
し、その説明を省略する。
又、電流検出器K1の第二変形例としては第5図に示す
ように一対のロゴスキーコイル1の巻線を直列に接続
し、筒体8に対して閉成するようにしてもよい。このよ
うにすれば出力の増加を図ることができる。
第二実施例 次に第二実施例を第6図に従って説明する。
電流検出器K2の筒体8はその断面形状が楕円に形成さ
れ、この筒体8に対応してロゴスキーコイル1も筒体8
と拡大相似形に形成され、ロゴスキーコイル1を筒体8
の外周面からそれほど離間しないように配置している。
第7図は第二実施例の電流検出器K2の変形例を示し、
筒体8及びロゴスキーコイル1をレーストラック状に形
成したものである。なお、この第二実施例においては筒
体8の断面形状は軸対称である円形から著しく外れない
ように形成し、かつその表面は急激な凹凸がないように
形成するものである。
第三実施例 次に第三実施例を第8図及び第9図に従って説明す
る。
この実施例においては電流検出器K3の筒体8は軟鉄等
の磁性材にて円環状筒体ケースに形成されている。すな
わち、筒体8は筒体8の内周壁を有する縦断面L字状の
第1の筒体構成部材8aと、筒体8の外周壁を有する逆L
字状の第2の筒体構成部材8bとから構成され、収納空間
11を形成するように両筒体構成部材8a,8bとは互いに着
脱自在に連結されている。両筒体構成部材8a,8bの厚み
はこの実施例においては3mm程度に設定されている。前
記収納空間11には直列に電気的に接続された一対のロゴ
スキーコイル1が並設して収納されている。
そして、前記筒体8の挿通孔10には被検出電線(図示
しない)が挿通される。
第10図は第三実施例の電流検出器K3の第一変形例を示
し、筒体8はその平面形状をレーストラック状にした環
状筒体ケースに形成されている。すなわち、筒体8は平
面形状がレーストラック状で両端面が磁性材で着脱自在
に連結されている第1の筒体構成部材8aと第2の筒体構
成部材8bとからなる点が、又、ロゴスキーコイル1はそ
の平面形状が同じく筒体8内に収納されるように筒体8
と相似形をなすレーストラック状に形成されている点の
みが前記実施例と異なっている。なお、この平面形状は
前記第二実施例の変形例と同様に筒体8の断面形状は軸
対称である円形から著しく外れないように形成し、かつ
その表面は急激な凹凸がないように形成するものであ
る。
又、図示はしないが、筒体8及びロゴスキーコイル1
の平面形状を第二実施例のように楕円形としてもよい。
第11図は第三実施例の電流検出器K3の第二変形例を示
す。
この変形例では筒体8は断面を円形にした円環状磁性
体ケースに形成されている。すなわち、筒体8は断面が
円形でかつ平面形状が半円環状の第1及び第2の筒体構
成部材8a,8bとにより構成され、両筒体構成部材8a,8bの
両端に設けたフランジ12を互いに接合してフランジ12に
挿通した連結ボルト3にナット14を締付けることによ
り、円環状に一体に連結されている。そして、筒体8の
収納空間11にはロゴスキーコイル1が収納されている。
実施例の作用 (1) さて、上記実施例のうち第一実施例の第二変形
例及び第3実施例の零相電流検出器K1,K3を選んで作用
を説明する。
第12図は模擬三相配電線Dを示し、模擬配電線Dの一
端は三相スライダックSDを通して、三相電源Cに接続さ
れている。模擬三相配電線Dはその他端には平衡Y形の
負荷抵抗Rが接続され、又、負荷側中性点Nから可変接
地抵抗VRを介して接地されている。
一方、スライダックSDの二次側で一相はスイッチSWを
介して地絡線Fにより地絡できるようになっている。な
お、回路の電流容量の関係で、模擬三相配電線Dの各相
は3ターンの回路で構成し、使用最大電流値を高めてい
る。
この模擬配電線Dに対して零相電流検出器K1,K3を装
着する。両零相電流検出器K1,K3においては筒体8の挿
通孔10に被検出電流の導体としての模擬三相配電線Dを
貫通させ、零相電流検出器K1の筒体8の外側及び零相電
流検出器K3の収納空間11内には一対のロゴスキーコイル
1が直列に接続された状態で配置されている。又、各零
相電流検出器K1,K3の巻き始め位置及び巻き戻し位置P
を三相の内中相の近接して配置させている。そして、前
記各零相電流検出器K1,K3のロゴスキーコイル1の出力
は増幅器APを介してシンクロスコープSYに接続されてい
る。
この模擬三相配電線において、今スイッチSWを開き、
地絡線Fに流れる地絡電流Ifを零とする。この状態でス
ライダックSDを操作して抵抗Rを流れる負荷電流Iを変
化させる。このとき、各零相電流検出器K1,K3のロゴス
キーコイル1に生ずる出力は前述の残留電圧である。増
幅器APで増幅されたこの出力をシンクロスコープSYで読
取った値が第13図で示す通りとなる。
第13図に示すように零相電流検出器K3の場合(●印)
には残留電圧はきわめて小さく、しかも負荷電流Iに依
存しない。このような残留電圧Vrは静電的なノイズによ
るものと考えられる。
零相電流検出器K1の場合(△印)にも残留電圧Vrは同
様に小さいが、やや負荷電流Iと共に増加する傾向が見
られる。零相電流検出器K1において筒体8の厚さを2.5
[mm]とした場合(□印)、2[mm]とした場合(×
印)は、厚さの減少につれて負荷電流に比例する残留電
圧が大きくなる。これは筒体8の厚さの減少につれて零
相成分を含まない負荷電流が生ずる磁束密度に対する筒
体8の磁気シールド効果が弱まることを示している。こ
の磁気シールド効果が十分な場合には、筒体8の厚さに
対して、事実上表面と考えられる部分にのみ磁化電流が
分布する。本願明細書及び請求の範囲において「磁化電
流が事実表面だけに分布する。」という記載は上記のよ
うな磁化電流分布を意味する。磁化電流が事実上表面に
分布すると考えてよいような磁性材の厚さは、物理的に
は磁性材の透磁率により定まり、実用上は負荷電流と検
出すべき零相電流の最小値との比に依存する。従って、
筒体8の厚さは本願実施例における3[mm]程度には限
られない。
これに対してロゴスキーコイル1だけの場合を比較例
として同一条件で行なってみると、残留電圧Vrはきわめ
て大きく、かつ負荷電流Iに正比例する。
次に、スイッチSWを投入し、抵抗VRを変化させると、
各零相電流検出器K1,K3のロゴスキーコイル1aの出力電
圧Vは第14図に示すようになる。すなわち、零相電流検
出器K1の場合及び零相電流検出器K3の場合には、悪くと
も、地絡電流Ifが10[mA]程度の小さな値から、ロゴス
キーコイル1の出力電圧Vは地絡電流Ifに実質的に比例
しており、負荷電流Iの1/2000以下の地絡電流Ifが精度
良く検出される。グラフには示さないが、零相電流検出
器K1の筒体8の厚さを2.5[mm]、2[mm]と減少した
場合には、実用的に検出可能な地絡電流の最小値は大き
くなる。
これに対して、筒体8を備えないロゴスキーコイル1
のみの場合には大きな残留電圧のためにロゴスキーコイ
ル1の出力Vは地絡電流If、すなわち零相電流に比例し
ない全く無意味な値を示し、零相電流の検出ができな
い。
零相電流検出器K1,K3は筒体8を備えているため、零
相電流がない場合には筒体8(零相電流検出器K3におい
ては第1の筒体構成部材8a、以下同じ)の被検出負荷電
流側である内面には負荷電流Iがこの内面より外側に生
ずる磁束密度を打消すように磁化電流が生ずる。この磁
化電流の内面にわたる和は筒体8を貫通する負荷電流I
の代数和に等しい。
負荷電流に零相成分がある場合には、磁化電流は内
面、外面に閉回路の形で分布する。この磁化電流は筒体
8の磁性材内に磁束密度を生じるが、磁性体外部には磁
束密度を生じない。筒体8の外側に生ずる磁束密度は、
負荷電流の零相分によるものだけとなり、ロゴスキーコ
イル1の出力はこれに比例する。負荷電流Iに零相成分
がない場合には、筒体8の内面の磁化電流は筒体8の両
端面部で閉じるように分布し、筒体8の外側には磁化電
流が生じない。この結果、零相分がない場合にはロゴス
キーコイル1には出力が生じない。負荷電流を一定の24
[A]に保ち、筒体8の外周に沿って磁束密度の円周方
向成分を測定すると、第15図のようになる。なお、Vpは
磁気プローブMPの増幅された出力である。筒体8がない
場合にはVpは大きく、かつ円周方向に激しく変化してい
るが、筒体8がある場合にはΘの全域にわたりVpのきわ
めて小さい。これは筒体8の存在が残留電圧の除去に有
効であることを示している。
なお、上記の筒体8は一体に形成されているが、これ
を軸方向の二つ割りに形成して、被検出電流の導体に組
付ける際に一体の筒体に形成することもできる。
又、筒体8が多少非対称形で形成された実施例におい
ては、被検出電流の非零相成分に関係する磁束密度がロ
ゴスキーコイル1内に生じる可能性もあるが仮に生じて
も大きさ及び不均一度は小さく、しかもロゴスキーコイ
ル1の原理からいって、このような磁束密度に関係する
出力はロゴスキーコイル1に現われず、またロゴスキー
コイル1の断面の拡がりのために現われてもその値は小
さく零相電流のみを正しく検出できるという利点があ
る。
(II) 次に巻き始め位置及び巻き戻し位置Pを三相の
配電線の内中相に最も近接するようにコイル上に設けた
第3実施例の零相電流検出器K3(3000回巻き)と、巻き
始め位置及び巻き戻し位置Pが中相に最も近接しないコ
イル上に設けた零相電流検出器との比較したを結果を第
16図及び第17図に示す。
なお、比較例の零相電流検出器Z1,Z2は第3実施例の
零相電流検出器K3とその巻き始め位置及び巻き戻し位置
のみ異なり、他の構成は同一構成である。
すなわち、比較例の零相電流検出器Z1は第18図(a)
に示すように巻き始め位置及び巻き戻し位置P1が三相の
配電線を共に通る直線上にあり、かつ一端側に位置する
相に最も近接したコイル上に設けたものである。
又、第18図(b)に示す比較例の零相電流検出器Z2は
巻き始め位置及び巻き戻し位置P1が一端側に位置する相
に近接したコイル上に設けたものである。
第16図は三相の配電線に負荷電流が流れている場合に
おける残留出力特性を示すもので、第3実施例における
零相電流検出器K3はαで示されている。又、比較例の零
相電流検出器Z1,Z2はそれぞれβ及びγで示されてい
る。
このように、本実施例の零相電流検出器K3ではどの大
きさの負荷電流が三相の配電線に流れていても最も小さ
い残留出力しか示さないことが理解できる。
第17図は三相の内一線地絡を起こしたときの零相電流
検出器K3と比較例の零相電流検出器Z1,Z2の零相電流−
出力特性を示す。なお、α1,β1,γ1は配電線に流れる
負荷電流が400Aの場合の零相電流検出器K3,Z1,Z2が示し
た特性線を示し、α2,β2,γ2は配電線に流れる負荷電
流が200Aの場合の零相電流検出器K3,Z1,Z2が示した特性
線を示す。
この第17図からも理解できるように零相電流検出器K3
は他の比較例よりも、精度良く検出できる。
なお、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で任意に変更す
ることも可能である。
発明の効果 以上詳述したように、この発明は被検出電流より生ず
る磁化電流が事実上表面だけに分布し得る厚さを有する
磁性材により形成された筒体の外側に対し、ソレノイド
をその軸心曲線に沿って平均断面積及び単位長当りの巻
数とが一定になるように環状の巻回したロゴスキーコイ
ルにてその筒体の内側に貫通される被検出電流を検出す
ることにより、磁性体に関して被検出電流とは反対側の
空間には、事実上被検出電流の零相分のみに比例する磁
束密度が生じるため、零相電流を検出する場合ロゴスキ
ーコイルの出力として負荷電流の1/2000以下の零相電流
まで検出できるという画期的な利点がある。しかも、上
記の被検出電流の検出は、周知のアンペアの周回積分定
理と、物理的に明確な磁性体における磁化電流に基づく
ものであるため、特別のノウハウを必要とすることがな
く、当該分野の技術者が零相電流検出器を容易に設計、
製作し得るという効果がある。
さらに、ロゴスキーコイルの巻き始め位置、及び巻き
戻し位置を三相の内の中相に最も近接するコイル上に配
置したことにより、健全な三相の合成出力を最も小さく
し、すなわち、最も小さい残留出力を得ることができ、
精度良く零相電流の検出を行なうことができる。
また、装着箇所として、配電線以外のもの、すなわち
気中開閉器、ガス開閉器の内外などおいても測定可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は第一実施例を示し、第1図は本願発明
を具体化した第一実施例の零相電流検出器を一部破断し
た正面図、第2図は同じく側面図、第3図はロゴスキー
コイルの平面図、第4図及び第5図は第一実施例のそれ
ぞれ変形例を示し、第4図はロゴスキーコイル片の正面
図、第5図は零相電流検出器の側面図、第6図は第二実
施例の零相電流検出器の平面図、第7図は第二実施例の
変形例の零相電流検出器の正面図、第8図及び第9図は
第三実施例を示し、第8図は零相電流検出器の一部破断
した正面図、第9図はケース状に構成した筒体の分解し
た一部破断正面図、第10図は第三実施例の変形例を示
し、零相電流検出器の一部破断正面図、第11図は第三実
施例のその他の変形例を示す零相電流検出器の縦断面
図、第12図は零相電流検出を行うための模擬三相配電線
に零相電流検出器を装着した状態を示す説明図、第13図
は負荷電流と残留電圧との関係を示すグラフ、第14図は
地絡電流とロゴスキーコイルの出力との関係を示すグラ
フ、第15図(a)は第一実施例の筒体の外側における磁
束密度の測定をする場合の説明図、第15図(b)は第一
実施例の筒体の外側における磁束密度の分布を表わすグ
ラフ、第16図は負荷電流−残留特性を表わすグラフ、第
17図は零相電流−出力特性を表わすグラフ、第18図
(a),(b)は比較例としての零相電流検出器の略体
図、第18図(c)は第3実施例の零相電流検出器の略体
図である。 1……ロゴスキーコイル、2……巻枠、3……環状ソレ
ノイド、8……筒体、P……巻き始め位置及び巻き戻し
位置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相分の被検出電流より生ずる磁化電流が
    事実上表面だけに分布し得る厚さを有する磁性材により
    形成された筒体の外側に対し、ソレノイドをその軸心曲
    線に沿って平均断面積及び単位長当りの巻数とが一定に
    なるように環状に巻回形成したロゴスキーコイルを配置
    し、そのロゴスキーコイルの巻き始め位置、及び巻き戻
    し位置を三相の内の中相に最も近接するコイル上に配置
    したことを特徴とする零相電流検出器。
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