JP2713348B2 - 高強靭性を有する13Crステンレス鋼線およびその製造法 - Google Patents

高強靭性を有する13Crステンレス鋼線およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は耐食性、耐熱性および高強靭性を兼ね備え
た鋼線を必要とする広範な分野において利用価値が高い
高強靭性を有する13Crステンレス鋼線の製造法に関する
ものである。
<従来の技術> 従来、13Cr系ステンレス鋼線は、例えばJIS G4309に
示されているように、ステンレス鋼線SUS410軟質2号あ
るいはJIS G4315に示されているように、冷間圧造用ス
テンレス鋼線SUS410B種あるいは溶接用ステンレス鋼線
材SUS Y410として定められている。それらの製造法は焼
きなまし後、さらに軽度の伸線加工を行うというもので
ある。
一方、13Cr系ステンレス鋼線の高強靭化としては、焼
入れ、焼戻し処理を行ったり、あるいは例えばWire Jou
rnal(October,1978,P44〜51)に示されているようにMo
を1重量%程度添加して焼戻し脆性を改善したものに適
当な伸線加工を行っている。
また、ステンレス鋼線の従来の製造方法としては、溶
体化処理後にNiめっきを施し、その後、仕上伸線を行う
という方法を採用している。
<発明が解決しようとする課題> 上述した13Cr系ステンレス鋼線に対する焼きなましあ
るいはさらに軽度の伸線加工ではJISに規定されている
ような100kg/mm2程度の強度しか得られない。
又、Moを1重量%程度添加した場合においても、一般
に高強度かつ靭性にすぐれた特性を得る方法としての完
全焼入れ、焼戻し、さらに90%程度の伸線加工を行って
も強度は高々150kg/mm2のものしか得られない。
このようにステンレス鋼に対する通常の製造方法では
充分な強度は得られないのである。
一方、Niめっきは水素脆性の防止のため、脱水素処理
として焼付けを行わなければならないという問題があ
る。
<課題を解決するための手段> この発明は上記の問題点を解消すべくなされたもの
で、耐食性、耐熱性と共に高強靭性を有する13Crステン
レス鋼線およびその製造法を提供せんとするものであ
る。
即ち、この発明は重量%でC<0.15%、Cr11.50〜14.
00%、Mo0.60〜1.20%、P<0.02%、S<0.003%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるマルテン
サイト系ステンレス鋼の熱間圧延材あるいは下引伸線加
工を行った線材をオーステナイト−フェライト二相域で
860〜950℃にて加熱保持したのち、油中焼入れを行い、
さらに200〜600℃の温度域内で加熱保持して焼戻し処理
して線材を得、その後該線材に断面減少率95%以上の伸
線加工処理を施すことを特徴とする高強靭性を有する13
Crステンレス鋼線およびその製造法である。
<作用> この発明において13Crステンレス鋼線を製造するに使
用するマルテンサイト系ステンレス鋼は重量%でC<0.
15%、Cr11.50〜14.00%、Mo0.60〜1.20%、P<0.02
%、S<0.003%で残部がFeおよび不可避的不純物の化
学成分組成よりなるものであるが、C、P、Sの量を上
記のように限定するのは粒界偏析を原因とする粒界の脆
化防止のためであり、またMoを上記の範囲の量添加する
のは焼戻し脆性防止のためである。
上記の組成のマルテンサイト系ステンレス鋼の熱間圧
延材または該鋼を下引伸線加工した線材を素材として使
用するに際し、あるいは仕上伸線の途中で該素材に3〜
20μm厚のNiまたはCuめっき(以下Niめっきについて述
べることとする)を施すことも有効であり、その後の強
伸線加工を施す際に焼付きが従来の樹脂皮膜と比べてか
なり防止することができ、断線することなく95%以上の
断面減少率とすることができるからである。しかもNiめ
っき後焼入れ、焼戻し処理を行うために、水素脆性の原
因となる水素の脱ガスも同時に行なえ、従来のような焼
付け処理が不要となるのである。
焼入れ前に下引伸線するのは組織の均質化が行なえる
のみならず、熱処理の際に結晶粒微細化の効果も期待で
き、高強靭化の点からは好ましい。
焼入れ温度をオーステナイト−フェライト二相域で86
0〜950℃とするのは860℃以下では焼きが入らず、その
後の伸線加工によって大きな強度上昇は望めず、また95
0℃以上では完全焼入れに近く、後の伸線加工の際に断
線が生じやすく、また加工硬化の相乗効果があまり期待
できないためである。
従って、オーステナイト−フェライト二相域で860〜9
50℃の温度域から焼入れを行うと、フェライトおよびマ
ルテンサイト混合組織となってその後の強伸線加工によ
ってかなりの加工硬化が期待できるのである。
焼戻し処理を200〜600℃で行うのは200℃以下では焼
入れ歪を充分緩和することができず、不安定な組織のま
まであり、600℃以上ではMo添加により高温焼戻し脆性
の作用が相殺されてしまうからである。
焼戻し処理した線材に対する伸線加工を断線減少率95
%以上とするのはフェライトの加工硬化作用を最大限に
利用するためであり、Niめっきを施す場合は、断線する
ことなく容易に伸線できるのである。
<実施例> 以下、この発明を実施例により説明する。
重量%でC0.089%、Cr12.48%、Mo1.00%、P0.008
%、S0.002%、残部がFeおよび不可避的不純物の化学組
成よりなるステンレス鋼の熱間圧延材に4mm厚のNiめっ
きを施したのち、オーステナイト−フェライト二相域
で焼入れ前の加熱保持、油中焼入れ、焼戻し処理、
断面減少率95%以上の伸線加工処理等を順次行って13
Crステンレス鋼線を得た。
これらのうち、の処理条件は、800℃、855℃、870
℃、900℃、960℃の各温度で加熱保持時間7分、の処
理条件は200℃、400℃、600℃の各温度で加熱保持時間
3分である。
上記のようにして得た線材の引張り強度、絞り、総断
面減少率を調べたところ第1表に示す結果が得られた。
なお、第1表にはこれらの数値を上記との処理温度
と関連して示した。
上表において900℃焼入れで200℃焼戻しの条件のも
の、および960℃焼入れで200〜600℃焼戻し条件による
ものは総断面減少率がそれぞれ93%および90%以上で急
激に絞りが低下し、脆化が認められた。
また850℃以下の焼入れ条件では十分なマルテンサイ
トが形成されないため、十分な強度が得られなかった。
<発明の効果> 以上説明したように、この発明によれば特定組成の鋼
種に対して適当な焼入れ、焼戻し処理および強伸線加工
を行うことによって耐食性、耐熱性を有して、かつ高強
靭性を有するステンレス鋼線を製造できることが認めら
れた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC<0.15%、Cr11.50〜14.00%、
    Mo0.60〜1.20%、P<0.02%、S<0.003%を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト
    系ステンレス鋼の熱間圧延材あるいは下引伸線加工を行
    った線材に加熱、油中焼入れ、加熱焼戻し処理、伸線加
    工処理を施してなる高強靭性を有する13Crステンレス鋼
    線。
  2. 【請求項2】重量%でC<0.15%、Cr11.50〜14.00%、
    Mo0.60〜1.20%、P<0.02%、S<0.003%を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト
    系ステンレス鋼の熱間圧延材あるいは下引伸線加工を行
    った線材をオーステナイト−フェライト二相域で860〜9
    50℃に加熱保持したのち、油中焼入れを行い、さらに20
    0〜600℃の温度領域で加熱保持して焼戻し処理して線材
    を得、その後該線材に断面減少率95%以上の伸線加工処
    理を施すことを特徴とする高強靭性を有する13Crステン
    レス鋼線の製造法。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)において、熱間
    圧延材または下引伸線加工線材に伸線加工処理前に3〜
    20μm厚のNiまたはCuあるいはこれらの合金によるめっ
    きを施すことを特徴とする高強靭性を有する13Cr系ステ
    ンレス鋼線およびその製造法。
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