JP2713072B2 - 高周波加熱調理器 - Google Patents

高周波加熱調理器

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JP2713072B2
JP2713072B2 JP4340041A JP34004192A JP2713072B2 JP 2713072 B2 JP2713072 B2 JP 2713072B2 JP 4340041 A JP4340041 A JP 4340041A JP 34004192 A JP34004192 A JP 34004192A JP 2713072 B2 JP2713072 B2 JP 2713072B2
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2206/00Aspects relating to heating by electric, magnetic, or electromagnetic fields covered by group H05B6/00
    • H05B2206/04Heating using microwaves
    • H05B2206/044Microwave heating devices provided with two or more magnetrons or microwave sources of other kind

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジ等の高周波加
熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年真空調理と呼ばれる技術が普及し始
めている。これは日本およびフランスで別々に発明さ
れ、フランスで大きく発展し、21世紀の調理法あるい
はコンピューターに匹敵する発明とまでいわれている調
理法である。
【0003】つまり蛋白質の熱変性温度は60℃程度で
あるから肉等はこの程度の温度にまで加熱すれば十分食
べられるはずである。しかし実際には60℃の湯煎を行
っても内部に熱が達しない。そこで肉を真空中でプラス
チックフィルムにパックし、その状態で湯煎することに
より内部まで熱を浸透させるものである。
【0004】真空パックするため、素材の風味旨味を逃
がさない、糖分塩分の浸透が良いので従来より少量てす
みヘルシーである。低温加熱であるため、ビタミンの破
壊が少ない、筋や繊維が固まらず柔らかい、水の分離が
なく目減りがすくない、旨味が逃げないといった調理上
のメリットがあるだけでなく、半完成状態での低温保存
が短期的には可能であるので宴会等短時間に大量調理が
必要な状況にも、前もって計画的に準備でき、より少な
い人数、より小さな設備で対処できるといった運営上の
メリットも大きく、我が国でも急速に伸び始めている。
【0005】しかしこの画期的な調理法も、上述した様
に湯煎あるいはスチームオーブンで加熱する必要がある
ため加熱に長時間必要とし、かつそのエネルギーコスト
低減が大きな課題となってきている。この課題を解決す
る手段として高周波加熱を利用する事が考えられるが現
状では加熱むらが大きく、残念ながらうまく調理できな
い。一般に真空調理は1℃の精度、均一分布が要求され
ると言われているのである。
【0006】均一加熱に関する従来技術としては例えば
特開昭52−17237号公報がある。これは食品の複
数部分の温度を検知し、その一つが希望温度より低い一
定温度に到達した時点で高周波出力を低下させ、他の一
つが希望温度に達したら高周波を停止するものである。
しかしこの技術をそのまま適用しても真空調理はうまく
いかない。最も大きな理由として考えられるのは一定温
度到達後も弱いながら高周波照射を続ける為と推定され
る。つまりこの技術は不均一加熱を前提としているが、
高周波を弱めただけでは単に不均一加熱の程度を減少さ
せるだけであり、不均一加熱そのものは存在し続け、従
って強く加熱される部分とあまり加熱されない部分との
温度差は拡大し続けるのである。高周波を弱めることに
よりこの拡大速度を遅くするのである。この点は前記公
報の図3にも同様な現象が描かれてあるので参照された
い。
【0007】他の例としては特開昭52−61274号
公報がある。これは食品温度を検出し、設定温度に到達
したら出力を弱めるものである。同様な例として特開昭
53−75547号公報がある。検出食品温度の設定温
度T1 到達で出力停止、これより若干低いT2 まで低下
したら再投入するものである。しかしこれらも不十分で
ある。つまり明細書に記載されている様に煮込み調理ま
たは75℃程度の肉調理に適用するものであり、両者と
も被調理物の周辺部分が100℃になっても良い調理あ
るいは沸騰により100℃以上に上がらない調理であ
り、中央部と周辺部の温度差を1℃程度に保つ性能は期
待できない。
【0008】また他の例として特開昭52−10765
6号公報(保温時間を設定できる。)、特開昭54−7
641号公報(解凍において食品周囲温度を検出し、5
℃で電波停止、1℃で再投入、5℃から1℃への低下時
間の変化が無くなった時点で終了。)、特開昭59−5
6388号公報(光ファイバーを用いる。)、特願平3
−94012号(断続調理の電波照射時間を3秒とす
る。)等があるが、いずれもそれ単独技術として用いて
もうまく調理できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上述べた様
に、加熱調理を均一加熱で行なう、特に従来不可能とも
考えられていた、60℃程度で温度差および温度精度1
℃程度の加熱調理を、高周波加熱で実現せんとするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明は下記構成とした。
【0011】すなわち、食品加熱する加熱室と、高周
波照射源と、この高周波照射源からの照射を制御する制
御手段と、複数の食品温度測定手段とを有し、前記複数
の食品温度測定手段のうち一つは高周波照射により最も
高温になると予想される付近の温度を、他の一つは最も
低温になると予想される付近の温度を検出し、前記食品
温度測定手段にリミット温度LT1、およびこれより△
t低い温度LT2の二つを設定し、前記複数の食品温度
のうちの一つがLT1に達すれば断続照射を停止し、L
2に低下すれば再投入すると共に、他の食品温度が所
定の温度に達するまで繰り返しLT1およびLT2の制御
を行う構成とした。
【0012】また、食品温度測定手段として光ファイバ
ー式温度測定器を用いる構成とした。
【0013】さらに、リミット温度LT1として、肉類
の蛋白質の熱変性温度である55℃から67℃までの温
度に限定する構成とした。
【0014】また、高周波照射源を上下に設ける構成と
した。
【0015】
【作用】本発明は前記した構成によって、下記作用を有
する。
【0016】すなわち、食品を加熱するための加熱室内
で食品が高周波を断続照射され、その最も強く加熱され
ると予想される部分の温度が測定され、リミット温度L
1に到達すると高周波の照射が停止されるので、この
最も強く加熱されると予想される部分の熱はより温度の
低い部分へ伝達され、高周波照射履歴と食品の熱慣性と
に左右される過渡温度上昇の後に低下し始める。LT2
まで低下すると高周波照射が再開されるので再び温度上
昇が始まる。このLT1 およびLT2 の制御の間、高周
波照射中に強く加熱された部分の熱が、高周波照射停止
中に、より温度の低い部分に流れていき、加熱されにく
い部分の温度が少しずつ上昇する。この部分の温度も測
定され、これが所定(必要最低限)の温度に達した時点
で高周波照射を終了すれば食品の温度は必要最低限以上
LT1 以下の極狭い温度範囲内に納まる。
【0017】また高周波照射を終了しない場合は一定時
間二つの温度の内の高い方に対し、上記LT1 およびL
2 の制御を行うので、高周波強度およびその断続時間
比率を適当に設定し、過渡温度上昇量を最小限に押さえ
らえるので、食品の各部はLT1 からLT2 までの△t
の温度範囲内におさめられる。
【0018】また、食品温度測定手段として、光ファイ
バー式温度測定器を用いるので、温度測定が高周波の影
響を受けにくい。
【0019】さらに、肉類の加熱調理において、リミッ
ト温度LT1として、55℃から67℃までの温度に限
定したので、肉類加熱温度は肉類の分水作用開始温度の
68℃を越えることがない。
【0020】また、高周波照射源を上下両方に設けたの
で、食品は上下両方向より加熱されるので温度のバラツ
キは小さくなる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。特に本実施例では温度制御のきびしい真空調理
の場合について主に説明する。
【0022】図1は本発明の一実施例の高周波加熱調理
器の要部断面図である。加熱室11はステンレス鋼を溶
接して構成された直方体状であり、前面開口を塞ぐドア
12が回動自在に設けられる。加熱室の天面および底面
各々の中央には丸孔が開けられこれを貫通して回転アン
テナ13および14が設けられ、スタタラーモーター1
5および16で支持されるとともに回転される。天面の
アンテナ13のすぐ下にポリプロピレン樹脂製の天板1
7を固定し、底面のアンテナ14のすぐ上には結晶化ガ
ラス製の食品載置台18を固定する。天面および底面の
丸孔を覆う位置に導波管19および20を固定し、各々
の導波管の終端にはマグネトロン21および22を取り
つける。
【0023】ファンモーター上23はマグネトロン21
の下方に設けられこの吹き出し口に接続されたエアーガ
イド24は出口が二つあり、一方はマグネトロン21
に、他方は加熱室11の裏面上部に開けられた小孔群2
5に向けられる。前記天板17のドア側にも小孔群26
が開けられる。加熱室の天面にも小孔群が開けられ(図
示せず)、外箱27の裏面上部に開けられた小孔群28
との間を結ぶ排気ガイド29に結合される。
【0024】食品載置台18の上にはポリプロピレン樹
脂製の簀の子網30を乗せ、その上に食品(図では真空
パックされた牛肉)31が置かれる。加熱室11の側面
には二つの小孔32および33が開けられ、これらと対
応した位置の外箱27にも二つの小孔(図示せず)が開
けられる。これらの小孔を貫通して外箱の外部より温度
測定用の光ファイバー81および82を貫通させ加熱室
内に導き、それらの先端は食品の中央付近と周囲付近に
刺し込まれる。
【0025】外箱底面には小孔群34,裏面にも二つの
マグネトロンの位置に小孔群35および36をそれぞれ
開ける。また底面にはゴム製の足37を四個固定する。
【0026】図2は図1の高周波加熱調理器の回路図で
ある。電源プラグ41の二本の導線はヒューズ42に接
続され、ヒューズの後はノイズフィルター43、続いて
照明ランプ44に接続される。照明ランプには直列にリ
レー45の接点が接続され、そのコイルは制御インター
フェース71に接続される。照明ランプに続いてヒータ
ートランス46の一次側およびこれと直列に挿入された
リレー47に接続される。ヒータートランスと並列にフ
ァンモーター上23、同下48、スタラーモーター上1
5,同下16が接続される。リレー47のコイルは前記
制御インターフェース71に接続される。またヒーター
トランス46の二次側には二つのヒーター巻き線を設
け、マグネトロン21および22の各々のヒーターに接
続される。また同じく二次側にはリップル巻き線49が
設けられ、これは前記制御インターフェース71に接続
される。
【0027】ヒーターリレーの後方は並列に二分割さ
れ、各々にドアスイッチ50および51と、メインリレ
ー52および53に接続される。メインリレー52およ
び53のコイルは同じく制御インターフェース71に接
続される。これらの後方にはショートスイッチ54およ
び55に続き、トライアック56および57を介して高
圧トランス58および59に到達する。高圧トランスの
二次側は進相コンデンサおよびダイオードを介してマグ
ネトロン21および22に接続される。二つのトライア
ックは各々駆動回路60および61を介して制御インタ
ーフェース71に接続される。
【0028】またドア12に連動した動きをするドア信
号スイッチ62も制御インターフェース71に接続され
る。
【0029】コンピューター70はノート型パソコンを
用い、制御インターフェースとの間は多線のケーブル7
2で接続する。またコンピューター70にはRS−23
2−C型のケーブル73によって光ファイバー式温度測
定器80に接続される。光ファイバー式温度測定器80
は市販のLUXTRON社製モデル755を用い、この
温度測定用光ファイバー81よび82を食品に刺し込む
のである。
【0030】図3および図4はパソコンのプログラムの
フローであり、これを用いて本実施例の作用を説明す
る。高周波加熱調理器、パソコン、制御インターフェー
スおよび光ファイバー式温度測定器を電源に接続し、パ
ソコンを起動、プログラムをロードし、スタートする。
まず最初に調理の定数を設定する。リミット温度LT1
は食品の上限温度であり、図1の例の牛肉であれば例え
ば57℃をパソコンに入力する。LT2 はこれよりわず
か△tだけ低い値例えば56℃とする。T1 これよりさ
らに低い、適切な値である。MおよびML はマグネトロ
ンを動作させる時間、NおよびNL は停止させる時間で
ある。
【0031】食品が内部まで加熱された後の保温加熱を
行うか否か、および行う場合はその時間を続いて入力す
る。このときコンピューターのメモリー領域の特定部分
にフラッグ(旗)をたてるが、保温しない場合はKフラ
ッグの値を0とし、保温する場合はKフラッグを1、べ
つに設定するKKフラッグは0とする。また食品内部の
温度差が開きすぎると調理時間が長びくので限度温度差
△tを入力する。この状態で動作開始を待つ。
【0032】動作開始のキーが押されたら、まず新たな
フラッグDUTYの値を1とする。続いて演算を行うた
めのRレジスターへ先に設定されたMの値を入力する。
ついで単位時間が経過したか否かを確認する。図2のリ
ップル巻き線49には電源周波数に同期した微小電圧が
現れるが、これを波形整形し、方形波とし、これの立ち
上がりを検出した時点で例えば1サイクルフラッグとで
も呼ぶフラッグを1とする。単位時間が経過したか否か
の確認とはこのフラッグが1か0かを確認することであ
り、1であればフラッグを0に戻してT方向へ進み、0
であればF方向へ進む。Tは真、Fは偽の意味である。
【0033】単位時間が経過していれば前記Rレジスタ
ーの値から1を減じる。次に温度測定用光ファイバー8
1の検出した温度値TA と、同じく光ファイバー82の
温度TB との差が前記△tより大きいか否かの確認を行
う。大きければ上(図2のトライアック56の意味)を
OFFし、下(トライアック57)もOFFする。なお
メインリレー52,53およびリレー47,45は全て
前記動作開始時点でONする。また二つのドアスイッチ
50および51はドア12が閉じられる時には投入さ
れ、ドア12が開かれている時には開かれるが、この場
合は同じくドア12に連動するドア信号スイッチ62も
開かれているのでこの情報がコンピューターに入力さ
れ、動作開始キーを受け付けないものとする。
【0034】TA とTB との差が小さい場合はTA とT
B とのどちらか一方でも前記設定の温度T1 より高いか
否かの確認を行う。大きければ2(図4に表示)に進
む。小さければDUTYフラッグをチェックする。1な
らば(動作開始直後ならば先程DUTYフラッグを1に
したばかりであるから当然1である。)Rレジスターが
0になっていない事を確認し、上(トライアック56)
と、下(トライアック57)両方をONし、前述の単位
時間経過まで大きく戻る。
【0035】このループを何度も回る間にRレジスター
の値が0になる。その時はDUTYフラッグの値を0に
変えた後にRレジスターに前記Nを入れる。前述したD
UTYフラッグが0の場合はここに来る。当初はレジス
ターが0でないはずであるから、上(トライアック5
6)および下(トライアック57)をOFFし、単位時
間経過確認まで戻る。このループを回る間にRレジスタ
ーが0になるが、この場合は動作開始のすぐ下まで戻
る。
【0036】この二つのループを交互に回り、DUTY
フラッグが1の間は上下マグネトロンともON(ただし
両者の位相は180度異なるものとする。)し、Rレジ
スターのM時間が経過するとDUTYフラッグが0にな
り、今度は両マグネトロンともOFFとなり、Rレジス
ターのN時間が0になるまで続く。この結果M時間0
N、N時間OFFの断続高周波照射が継続する。
【0037】この間に光ファイバーで検出した温度がT
1 に到達すれば図4の左上に描かれた2に進む。ここか
ら先はポイントのみ説明する。
【0038】上下フラッグを設け、1ならば上のマグネ
トロン21を、0ならば下のマグネトロン22を動作さ
せる。Rレジスターとは別にRK レジスターを設け、こ
れに前述した保温時間KTを入れる。KKフラッグが0
の間はこのRK レジスターからの減算を省略する。TA
またはTB がリミット温度LT1 に到達するまでの間は
図4の右上に描かれた3以下のループを回り、上マグネ
トロン21をML 時間0Nした後NL 時間OFFし、上
下フラッグを0に変えて下マグネトロンに移る。ここで
も同様にML 時間0N、NL 時間OFF後再び上下フラ
ッグを1に変え、再度上マグネトロンに戻る。
【0039】TA またはTB どちらか一方がリミット温
度LT1 に到達すると、どちらが到達したのかを判定
し、TA ならばAフラッグを1、そうでなければ0とす
る。マグネトロンは上下とも0FFし、TA とTB とが
等しくなることを待つ。等しくない間はLT2 温度まで
低下する事を待つ。その間、図4下部中央付近に描かれ
た上OFF,下OFF,TA =TB ,A=1,TA <L
2 のちいさなループを回る。LT2 まで温度が低下す
るとこのループを抜け、単位時間経過確認まで戻り、再
度マグネトロンONとなる。
【0040】TA またはTB の一方がこのLT1 とLT
2 との間を上下しているうちに他方の温度が緩やかに上
昇し、両者が一致する。TA =TB 判定で下に抜けると
Kフラッグの確認がある。これが0であれば保温動作を
しない訳であるから終了、つまり全てのリレー、トライ
アックがOFFされ、ブザー(図示してない)をなら
す。
【0041】Kフラッグが1であればKKフラッグを1
に変え、保温時間KTをRK レジスターに入れ、再び単
位時間経過確認まで戻る。今度はKKフラッグが1であ
るからRK レジスターからも減算される。RK レジスタ
ーが0になれば終了である。
【0042】以上述べた様に、使用者が任意に決めたL
1 ,LT2 ,T1 ,M,N,ML,NL ,KT,△t
に基づき、T1 温度までの間はM時間ON、N時間OF
Fの上下マグネトロン同時照射を行い、それ以降はLT
1 までML 時間ON,NL 時間OFFの上下マグネトロ
ン交互照射を行い、続いてLT1 とLT2 との間に温度
を保ちながら他方の温度上昇を待ち、両者の温度がこの
LT1 とLT2 との間で一致したら終了または保温に入
るという動作を行うのである。
【0043】さらに図5により作用の説明を行う。図5
の左半分は従来の湯煎またはスチームオーブンによって
加熱された食品(例えば牛肉)の内部温度分布想像図お
よび時間経過に伴う温度変化図であり、これとの差を強
調する目的のため、右半分は均一加熱特性の悪い高周波
加熱装置に本実施例の制御回路を組み合わせて加熱され
た食品の内部温度分布想像図および時間経過に伴う温度
変化図である。60℃の湯煎またはスチームオーブンに
よって加熱されるとまずA1 に示す様に周囲の極薄い部
分のみが55℃を越え、その後55℃を越える部分は少
しづつ内部に広がり、A2 ,A3 と進む。脂身や筋がな
いと仮定すれば、図に描かれたように上下左右対称な均
一加熱が進んでいると考えられる。中央のバツ印の点を
C,左上のバツ印の点をDとしてC点、D点、の温度の
時間変化を下部に示した。
【0044】細菌は55℃以上で1時間維持すれば繁殖
せず、また牛肉等の場合は周囲5mm程度までに付着し
ていると言われるが、C点の温度がLT2 までに達する
時間が5時間かかったとすると、周囲5mm程は調理直
後から55℃以上になり、細菌繁殖は考慮しないでも良
い。
【0045】これに対し、均一加熱性能のよくない装置
で高周波加熱された場合は、右側のB1 の様になると考
えられる。つまり一部の角のみが強く加熱されるのであ
る。加熱が進んでB2 の状態になっても底部に55℃以
下の部分が存在する。従って前述した従来の高周波均一
加熱技術を用いて、特定の少分量の食品を長時間極微弱
な高周波を照射する事によりほぼ良好な均一分布が得ら
れたとしても、この周囲5mm程度までの細菌繁殖の危
険性があるので真空調理に利用できないのである。
【0046】細菌繁殖防止の観点から考えて周囲は出来
るかぎり早く55℃以上にする必要があり、そのために
温度T1 までは大きな断続出力で加熱し、リミット温度
まではそれより少し弱い断続出力で加熱し、最短時間で
3 の状態まで進ませる手段を本発明が提供するもので
ある。
【0047】参考として食品の中央下部バツ印の点を
E,左上の隅の点をFとし、各々の点に於ける温度変化
をグラフに示した。
【0048】また本実施例では加熱室が直方体であり、
その天面および底面の中央に回転アンテナが設けられて
いるので食品が対称形状であれば前後左右対称そして上
下も対称な加熱パターンが得られるので、B1 よりもA
1 に近いと考えられる。これも高周波加熱を真空調理に
適用するための重要な要素の一つである。
【0049】ただし高周波加熱による真空調理におい
て、高周波照射源そのものの均一加熱性能は重要ではあ
るが必須ではない。図5のB1 の様な極端に不均一な照
射源であっても十分な設計的配慮を施し、食品の種類、
形状、重量を選択すればB1 そしてB2 を短時間で通過
し、B3 の状態にまですることは可能である。図5の右
下のBに示す温度変化のグラフがそれを示しているので
ある。
【0050】しかしながら種々の食品を対象とするには
やはりA1 の様な加熱パターンを有する高周波照射源が
必要となるのである。
【0051】以上本実施例による作用を述べたが、ポイ
ントを整理すると、最も本質的な要素は、 (1)弱い高周波照射を用いるのでは無く、強い高周波
を断続照射する。
【0052】(2)不均一加熱によって生じる高温部お
よび低温部2点の温度を検出する。 (3)高温部の温度がリミットに達したら高周波照射を
停止し、リミットより僅かに低い温度まで低下したら高
周波断続照射を再開する。
【0053】(4)低温部の温度が高温部の温度に一致
したら終了または保温動作に移行する。 の4点である。この内(1)、(2)および(3)は従
来からある技術とも言えるが、これらを真空調理の加熱
に最適になるように組み合わせた事および(4)と組み
合わせた事が新規技術である。
【0054】(4)に於いて二つの温度の一致を取り上
げ、また前述の実施例でも二つの温度が一致するプログ
ラムとしたが、一致は必ずしも必要ではない。つまり食
品の温度を蛋白質の分水温度68℃と、細菌繁殖を心配
しなくて良い温度である55℃との間の、その食品にと
っての最適温度にする事が真空調理の目的であるから、
例えばリミット温度を67℃とし、低温部の温度が55
℃に達した時点で調理終了しても良いわけである。この
場合は前述の実施例のプログラムフローのなかでTA
B をTA ∩TB ≧55に置き換える事で実現できる。
【0055】また温度測定手段としては従来から良く知
られた金属細管内にサーミスターを設けたものがある
が、高周波中に金属を置く事による影響が無視できない
ので、誘電体である光ファイバー式が有利である。
【0056】また食品や調理法によっても異なるが、蛋
白質の適正加熱温度は上述の様に55℃から67℃程度
であるからリミット温度LT1 としてこの範囲の温度を
設定すれば必然的に真空調理ができることになる。
【0057】さらに前述した様に高周波照射源を上下二
つ有する事は真空調理に有利である。
【0058】また実施例では温度測定装置を二つ設けた
が、必ずしも二つに限る必要はなく、多数の温度測定装
置を設ければそれだけ木目細かい制御が可能となる。こ
の場合は最も温度が高いものに対してLT1 およびLT
2 の制御を行い、最も温度が低いものが55℃以上の所
定温度以上に達するか、または最も高温のものに追いつ
くまで制御を続ける訳である。
【0059】
【発明の効果】以上述べた様に本願発明の高周波加熱調
理器によてば、次の効果が得られる。
【0060】(1)当業者、特に調理関係者が不可能と
考えていた高周波による真空低温調理が可能となり、従
来水を加熱するために消費されていた大きなエネルギー
が不要となり、従来水を加熱するために消費されていた
大きなエネルギーが不要となり、コスト低減が計れ、ま
た調理時間の短縮および水を用いない事による作業の改
善等が実現できる。
【0061】(2)食品温度測定手段として光ファイバ
ー式温度測定器を用いたため、高周波の影響を受けるこ
となく、正確な温度測定を行うことが出来る。
【0062】(3)リミット温度LT1として55℃か
ら67℃までの温度を選定することにより、細菌の繁殖
を防ぐことができ、かつ、蛋白質の分水作用開始温度以
下とすることができるため、素材(食品)中の水分が旨
味成分と共に素材より露出するのを防ぐことができる。
したがって、安全でおいしい調理が得られる。
【0063】(4)高周波照射源を上下に設けたので、
食品に高周波が上下より照射され、食品の温度の均一化
がなりやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高周波加熱調理器の要部断
面図
【図2】同高周波加熱調理器の回路図
【図3】同制御用コンピューターのプログラムフローを
示す図
【図4】同制御用コンピューターのプログラムフローを
示す図
【図5】従来例と本発明の制御方法とを比較した食品内
部の温度変化の想像図
【符号の説明】
11 加熱室 13、14 回転アンテナ(高周波照射源) 31 食品 70 コンピューター(制御手段) 81、82 温度測定用光ファイバー(食品温度測定手
段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品加熱する加熱室と、高周波照射源
    と、前記高周波照射源からの照射を制御する制御手段
    と、複数の食品温度測定手段とを有し、前記複数の食品
    温度測定手段のうち一つは高周波照射により最も高温に
    なると予想される付近の温度を、他の一つは最も低温に
    なると予想される付近の温度を検出し、前記食品温度測
    定手段にリミット温度LT1、およびこれより△t低い
    温度LT2の二つを設定し、前記複数の食品温度のうち
    の一つがLT1 に達すれば照射を停止し、LT2に低下
    すれば再投入すると共に、他の食品温度が所定の温度に
    するまで繰り返しLT1およびLT2の制御を行う事を
    特徴とする高周波加熱調理器。
  2. 【請求項2】食品温度測定手段として光ファイバー式温
    度測定器を用いた事を特徴とする請求項1記載の高周波
    加熱調理器。
  3. 【請求項3】リミット温度LT1 として55℃から67
    ℃までの温度に限定した事を特徴とする請求項1記載の
    高周波加熱調理器。
  4. 【請求項4】高周波照射源を上下に設ける事を特徴とす
    る請求項1記載の高周波加熱調理器。
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