JP2711873B2 - 溶融金属炉用密閉式フード - Google Patents

溶融金属炉用密閉式フード

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JP2711873B2 JP29657088A JP29657088A JP2711873B2 JP 2711873 B2 JP2711873 B2 JP 2711873B2 JP 29657088 A JP29657088 A JP 29657088A JP 29657088 A JP29657088 A JP 29657088A JP 2711873 B2 JP2711873 B2 JP 2711873B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、金属の溶解、精錬または還元などのため
に使用する溶融金属炉のうち、原料の装入や溶融金属の
排出などの際に炉体を移動または傾動する形式の電気
炉、転炉、各種精錬炉または溶融還元炉などにおいて、
発生するガスをガス処理設備などに導くための密閉式フ
ードに関するもので、とくに、上記の溶融金属炉に正確
に密着して炉体およびフード内を密閉するとともに、炉
体およびフード内の圧力が高くなってもフードの浮揚力
を外部に作用させることがない溶融金属炉用密閉式フー
ドに関するものである。
[従来の技術] 一般に、金属の溶解、精錬または還元などのために使
用する溶融金属炉においては、操業の過程でかなりの量
のガスが発生する。発生するガスの種類は、金属炉の操
業内容や金属の種類などによって異なるが、ほとんどの
場合、COやH2などの可燃成分や人体に有害な成分を含む
ので、これをガス処理設備へ導いて、燃料として回収し
たり、あるいは改質したりすることが一般に行われてい
る。
溶融金属炉の炉口上に設けられるフードは、上記のガ
スを溶融金属炉から、ガス処理設備に至るガスタクト中
に導くために、重要な機能を果たすものである。すなわ
ち、人体に有害な成分が外部に漏出することを防止する
ばかりでなく、ガス中の可燃成分が外気中のO2と反応し
て燃焼することを防ぐために、外気の侵入を防止するこ
とも必要である。したがって、溶融金属炉の操業中に
は、炉体とフード間をシールし、これらの内部をできる
だけ完全に密閉することが望ましい。
さらに、上記した溶融金属炉には、原料の装入や溶融
金属の排出などの際に炉体を移動または傾動する形式の
ものが多いが、このような溶融金属炉用のフードとして
は、炉体の移動または傾動の妨げにならないよう、炉体
から離れた位置に退避できる機能が必要である。日本で
生産する鉄鋼の大半を精錬する転炉がこうした傾動式の
溶融金属炉であるほか、各種の金属を溶解・精錬する電
気炉および各種精錬炉、鉱石を溶融状態で還元して鉄や
フェロアロイを製造する溶融還元炉などにも、移動また
は傾動式のものが多い。このような場合、溶融金属炉が
移動または傾動する際にはフードが炉体から退避し、逆
に溶融金属炉が操業位置に戻ったときには、フードがす
ばやくかつ正確に炉体に密着して、炉体およびフード内
を密閉することが求められる。
以上に記した点に加え、最近の溶融金属炉において
は、炉内のガス圧力を大気圧より高めに保って操業する
傾向があるため、フードにはさらに耐圧的な機能が要求
されるようになってきた。これは、炉内のガス圧力を高
くすることにより、外気の侵入をなくしてガス中の可燃
成分の回収率を高める、送風機を用いずにガスを処理設
備などへ導く、ガスの体積を小さくしてガスダクトやガ
ス処理設備を小型化し同時に集塵効率を高める、ガス密
度を高めて冶金反応を促進する、ガス流速を低下させて
溶融金属の泡立ち(フォーミング)を抑制する、溶融金
属中の添加元素の蒸発を抑える、などのメリットが生じ
るからである。こうした炉内の高圧化にともなって、フ
ードには、フード自体の耐圧性のほか、溶融金属炉との
シールがより完全であること、炉内圧力の作用によるフ
ードの浮揚(浮き上がり)を防止することなどが要求さ
れる。
以上に述べた要求を概ね充足するものとして、従来、
第4図のように構成したフードB′を使用していた(た
とえば特公昭62−20255号)。このようなフードB′
は、炉体Aの傾動(または移動)時に炉体Aから退避で
きるよう、建屋の梁33′に懸吊されたシリンダ26′によ
ってスカート2′を昇降する構造をもち、スカート2′
下端のシールリング27′を炉口部53′に押し付けて炉体
Aとスカート2′間をシールするとともに、水封部28′
にシール筒29′を浸漬してスカート2′と主フード1′
間をシールすることによって、炉体A内およびフード
B′内を密閉するようになっている。
[発明が解決しようとする課題] 上記した従来の溶融金属炉用フードについては、つぎ
のような問題点があった。
a)移動または傾動した炉体が操業位置に戻ったとき、
炉口位置のわずかなずれによって、炉体とスカート間が
確実にシールできないことがある。すなわち、炉口位置
を毎回完全に同じ位置に戻すことが難しいにもかかわら
ず、スカートやシールリングにはほとんど可撓性または
伸縮性がないため、炉体とスカート間にすき間ができる
からである。このすき間ができないようにするために
は、炉体を操業位置に戻す際にかなりの時間をかけて、
炉口位置を合わせる必要があり、したがって操業能率が
低下することになる。
b)炉内のガス圧力が大気中よりもわずかに高い(たと
えば0.2kg/cm2G)程度では使用できるが、ガス圧力が
変動して高くなることがある場合や、ガス圧力をより高
めて積極的に前記のメリットを生かそうとする場合に
は、たとえフードを強固に構成してもつぎの問題が生
じ、使用することができない。つまりこのような場合に
は、前記水封部の液体が外側へとび出すほか、ガス圧力
によるフードの浮揚力、すなわち前記シリンダを介して
建屋の梁に作用する上向きの力が過大になるので、建屋
が損壊するおそれがある。たとえば、炉内ガス圧力を0.
8kg/cm2G程度にする場合には、水封部の高さが8m以上
でなければ液体が溢れることになり、また仮に、転炉と
しては標準的な大きさである250トン容量の溶融金属炉
を考えると、炉口径(フード内径)は6.5m程度になるの
で、フードの浮揚力は260トンを超え、通常の工場建屋
では耐えられない数値となる。
[発明の目的] この発明は上記の問題点を解消するためになされたも
ので、移動または傾動のたびに炉口位置がわずかに変位
するような溶融金属炉に、操業時には正確に密着して炉
体およびフード内を密閉するとともに、炉体およびフー
ド内のガス圧力が高くなってもフードの浮揚力を外部に
作用させることがない、溶融金属炉用フードを提供しよ
うとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を解決するためのこの発明の溶融金属炉用
密閉式フードは、溶融金属炉の炉口上に懸架される主フ
ードと、この主フード側部材から吊設されて昇降可能な
スカートとを具備し、このスカートは、シール部材を介
して主フードに摺接する上部フランジ、シール部材を介
して溶融金属炉と締結される下部フランジ、および上部
・下部フランジ間に張設される可撓スリーブ体から形成
し、さらに上部フランジと下部フランジとは離間範囲を
制限して連結したものである。
また請求項2に記載したように、前記スカートを吊設
するとともに前記主フードを固着させるフレームを、溶
融金属炉の炉口上を水平移動可能な台車上に載置すると
よいが、この場合、請求項3のように、前記フレームに
は主フードを固着するとともにスカートの上部フランジ
を吊設させ、このフレームおよび前記台車のうち一方に
は、上下方向の軌道面を有するレールをシムを介装して
配設し、他方には、このレール上を転動するローラを取
付け向き調整可能なブラケットを介して取り付けるのも
よい。
[作用] この発明の溶融金属炉用密閉式フードによれば、溶融
金属炉が移動または傾動する際には前記スカートが炉体
から離れて退避し、炉体が操業位置に戻った際にはスカ
ートが正確に炉体に密着して炉体およびフード内を密閉
するとともに、前記下部フランジを炉体に締結しておけ
ば、炉体およびフード内のガス圧力が高くなっても、フ
ードの浮揚力はこれに締結された炉体以外には作用しな
い。
請求項2に記載した密閉式フードは、スカートを上昇
させた状態で溶融金属炉の炉口上を台車とともに水平に
移動できるので、炉体内部の整備(たとえば耐火物の補
修)の際など、側方への退避および復帰が迅速に行え
る。
また、請求項3に記載の密閉式フードにおいては、主
フードおよびフレームが上部フランジとともに、下部フ
ランジに対して制限された離間範囲内で上下動するが、
この上下動は、前記レールの軌道面をローラが転動する
ことにより案内される。そして、溶融金属炉の炉体が変
形した場合などには、前記シムの厚さを変えてレールの
軌道面をずらしたり、前記ブラケットごとローラの取付
け向きを変更したりすることにより、上記上下動の円滑
性が維持される。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明の実施例に関する上吹き転炉および
フードの縦断面図である。転炉Aは、鉄皮51内に耐火物
52を内張りした溶融金属炉で、炉内に注入した溶銑M
を、ランスCより吹き込まれる酸素によって精錬し、溶
鋼にかえるものである。精錬中は溶銑M中のC(炭素)
が燃焼するので、COを多量に含む高温ガスが炉内より発
生する。また、転炉Aは水平な支持軸(図示せず)を中
心にして傾動(回転)できるように支持されており、精
錬中は正立した状態で本図のように操業されるが、精錬
が終了するとランスCを上昇させ、左側へ傾動されてゲ
ート56を開いた出鋼口55より溶鋼を排出(出鋼)し、そ
ののち、たとえば図の右側へ傾動されてつぎの精錬のた
めの溶銑Mを炉口A2より受け入れる。
フードBは、ガス処理設備に至るガスダクト41が接続
される主フード1と、主フード1に摺接して昇降可能な
スカート2とによって構成している。つまり、このスカ
ート2を下降させ転炉Aの炉口フランジ53側に押し付け
ることによって、転炉AおよびフードB内の空間A1を密
閉して前記発生ガスを漏れなくガスダクト41に導くこと
ができる一方、スカート2を上昇させることによって、
転炉Aの傾動が支障なく行えるようになっている。なお
フードBの構成部材には、炉内ガス圧力に対応する耐圧
性をもたせるだけでなく、主フード1の天板1a、側壁1b
はともに水冷メンブレン構造として、耐熱性をもたせて
いる。また主フード1には、覗き窓12を設けるほか、前
記のランスCが挿通されるランス孔13、溶銑(または溶
鋼)Mの測温・サンプリング用のサブランスDが挿通さ
れるサブランス孔14および精錬用副原料の投入シュート
15をそれぞれ開設し、これら13、14、15の開口部には、
前記の出鋼口55と同様に、空間A1の密閉を保つためのシ
ールゲートやバルブを配備している。
フードBの詳細を第2図に示す。図のようにこの実施
例では、建屋の梁に敷設したレール33上に台車32を載置
し、この台車32の複数のガイドピン32aに一部を遊嵌し
て台車32上に載置されるフーレム31に主フード支持部材
1gを固着させることにより、前記主フード1を懸架させ
ている。前記スカート2は、前記フレーム31にブラケッ
ト26aを介して垂設した複数のシリンダ26によって昇降
可能に吊設する。スカート2は、シリンダ26の先端に係
着されパッキン21aを介して主フード1に摺接する上部
フランジ21、シールパッキン54を挟んで炉口フランジ53
と締結される下部フランジ22、および上部フランジ21・
下部フランジ22間に張設される可撓スリーブ体23によっ
て形成する。さらに、一定の範囲内で伸縮可能な複数の
タイロッド25によって、上部フランジ21と下部フランジ
22とを連結している。以上の構成は、この実施例のフー
ドBに関する大きな特徴である。
また、主フード1は、熱変形などによって前記上部フ
ランジ21との摺接部分が変位しないよう、側壁1bとは別
体の下部側壁1e(水冷)をフレーム31にサポート31aを
介して固着している。側壁1bは熱膨張によって多少伸縮
するが、側壁1bの下端側はパッキン1dを介して下部側壁
1eの内周面に摺接させているので熱応力が生じない。な
お、パッキン1dおよびスリーブ体23の防熱のために、プ
レート1fと耐火壁24とを転炉Aの内側寄りにそれぞれ付
設している。
一方、前記の下部フランジ22には、炉口フランジ53と
の締結用ボルト22aのボルト穴22cを、円周方向に等ピッ
チで多数穿設するほか、炉口フランジ53のテーパ状嵌合
穴53aに対応する、位置決め用の円錐台状突起22dを、下
面の数個所に突設している。ボルト22aは、第3図に示
すように、横長のヘッド部をもち、炉口フランジ53に穿
設された軸直角断面が長穴であるボルト穴53bに挿通し
て90°回したうえ、ナット22bを締め込むことにより、
下部フランジ22と炉口フランジ53とを締結する。後述す
るように、フードBの浮揚力はこの炉口フランジ53(お
よび鉄皮51)、ボルト22a、タイロッド25およびシリン
ダ26などに作用するので、これらはともに十分な強度を
もつよう構成されている。ボルト22aおよびナット22bは
締結装置22eで保持されるが、この締結装置22eは、軸端
に連結されたモータ22fと下部フランジ22上に載設され
たシリンダ(図示せず)とを含むので、ボルト22aとナ
ット22bはこれによって回転および昇降させられる。な
お、下部フランジ22と炉口フランジ53とによって挟まれ
る前記のシールパッキン54としては、たとえばセラミッ
クウールなどを含む耐熱性の弾性体を用い、ここでは炉
口フランジ53の上面に装着している。
以上のように構成したフードBは、つぎのように使用
することができる。
転炉Aが、出鋼または溶銑の注入を終えて操業(精
錬)位置に戻ると、シリンダ26を伸ばし、スカート2を
下降させる。シリンダ26は上部フランジ21を係着してス
カート2全体を下降させるが、下部フランジ22が炉口フ
ランジ53(またはシールパッキン54)に当接したのち
は、シリンダ26の押し下げ力は、スリーブ体23を圧縮
し、これを介して下部フランジ22に伝わる。スリーブ体
23には可撓性(および伸縮性)があるため、下部フラン
ジ22は比較的自由にその位置と角度を変えられ、したが
って正確に炉口フランジ53側に密着することができる。
すなわち、台車32上のフレーム31に懸架されるフードB
の中心が転炉Aの中心より多少ずれていたり、操業位置
に戻った転炉Aが、正確な正立位置(角度)から幾分ず
れていたりする場合にも、突起22dが炉口フランジ53の
嵌合穴53aに誘導されて下部フランジ22が位置決めさ
れ、ボルト穴22cが炉口フランジ53側のボルト穴53bに合
致するとともに、前記押し下げ力によって下部フランジ
22が角度変位し、その下面が均一にシールパッキン54に
密着する。こうしたのち、締結位置22eを用いて、ボル
ト22aをボルト穴53bに挿通してナット22bを締め込み、
下部フランジ22と炉口フランジ53とを締結する。
以上の操作を完了したのち転炉A内で精錬を開始する
と、炉内で発生するガスはフードBより漏れることなく
ガスダクト41へ流入する。すなわち、炉口フランジ53と
スカート2との間はシールパッキン54により、スカート
2と主フード1との間はパッキン21aおよびパッキン1d
によりそれぞれシールされ、他の開口部13、14、15、55
などもシールゲートなどでそれぞれ密閉されているから
である。
ガスダクト41の後流側に誘引送風機などを設けず、逆
にある程度の流路抵抗をもたせておくと、精錬中に転炉
A内の空間A1のガス圧力が上昇するが、これによるフー
ドBの浮揚はつぎのようにして防止される。主フード1
は主フード支持部材1gを介してフレーム31に固着されて
いるので、浮揚力が大きければ、フレーム31がガイドピ
ン32aに沿ってわずかに上昇する。フレーム31が上昇す
るとブラケット26aおよびシリンダ26を介して懸吊され
た上部フランジ21も上昇するが、この上部フランジ21
は、前記のタイロッド25にて下部フランジ22に連結され
ているので、一定の範囲を超えて下部フランジ22から遠
ざかることはなく、したがってスリーブ体23を破損する
こともない。しかも下部フランジ22は、ボルト22aにて
炉口フランジ53に締結されているので上昇することがな
い。つまり、ガス圧力が高い場合には、タイロッド25の
伸縮長さの範囲内で主フード1などが上昇するが、これ
以上はシリンダ26、タイロッド25およびボルト22aの抗
張力、さらに炉口フランジ53などの剛性によって係止さ
れる。このとき、主フード1を含むフードB全体の浮揚
力は炉口フランジ53を介して鉄皮51に作用することにな
るが、鉄皮51には炉内ガス圧力によって同等の下向き力
が生じるので、転炉Aの支持装置(図示せず)には浮揚
防止の手段は全く不要である。なお、ガスダクト41のフ
ードB寄りには可撓管42を介装しているので、主フード
1が前記のようにわずかに上昇しても、これによる変位
および外力を他におよぼすことはない。
転炉Aの精錬が終了した際には、締結装置22eによっ
てボルト22aを炉口フランジ53から取り外し、シリンダ2
6を縮めてスカート2を退避位置まで上昇させれば、転
炉AはフードBに当接せずに傾動できるので、溶鋼を排
出(出鋼)し、さらにつぎの溶銑を受け入れることがで
きる。またスカート2を上昇させ、主フード1とガスダ
クト41との接続部11を分離すれば、フードBは台車32ご
と移動できるので、転炉Aの耐火物52が消耗してこれを
補修または張りかえる場合には、その作業能率を格段に
向上させることができる。
ところで、フレーム31などの上下動を案内するために
は、上記実施例におけるガイドピン32aに代えてつぎの
ような案内手段を配備するのもよい。以下、上下動案内
手段を置き換えた別の実施例について紹介する。
第4図に示すように、まず台車32の一側部に、鉛直な
軌道面を有するレール41を、シム41aを介装したうえボ
ルト41bにて取り付ける。そして、台車32の上端部に側
面視U字状(第5図参照)のブラケット44をボルト44d
で固定し、これの対向する内側部分のそれぞれに、やは
り鉛直軌道面をもつレール42、43をシム42a、43aを介装
したうえボルト42b、43bにて取り付ける。レール41とレ
ール42および43とは、図のように軌道面を互いに直交さ
せている。一方、フレーム31の下面には、レール41に当
接して転動する2つのローラ45を備えたブラケット47
を、ボルト47dにて取り付けるとともに、レール42、43
の間に入り一方に当接して転動するローラ46を備えたブ
ラケット48を、ボルト48dによって取り付ける。そし
て、このローラ46の下面をブラケット44の基端部44aの
上面に当接させて、フレーム31を台車32上に載置する。
上記したレール41、42、43は、それぞれシム41a、42
a、43aの厚さを変える(またはテーパをもたせる)こと
により容易に軌道面位置を調整できるが、ブラケット4
4、47、48については、下記のとおり形成して取付け向
きの調整ができるようにしている。つまり、各基端部44
a、47a、48aには、その取付け面から円柱状に突出して
相手側部材に嵌入する凸部4b、47b、48bを設けるととも
に、ボルト44d、47d、48dを挿通する穴として、第6図
のように凸部47b、48bを中心とした円弧状の長穴47c、4
8cを開設した(ブラケット44の平面視図は省略したが、
ブラケット47、48と同様である)。したがって、ボルト
44d、47d、48dをいったん緩めれば、凸部(47b、48bお
よび図示しないもの)を中心として、ブラケット44、4
7、48の向きを変えることができ、これにともなってロ
ーラ45、46の回転軸の向きも変わることになる。なお、
フレーム31の高さ位置を調整できるよう、ブラケット4
4、47、48の取付け部分にも多少のシムを介装しておく
のがよい。
上記のようにして、台車32上の複数の箇所にレール4
1、42、42を取り付け、これに対応するフレーム31の複
数箇所にローラ45、46を取り付ければ、フードBの浮揚
にともないタイロッド25の伸縮範囲内で上下動するフレ
ーム31は、レール41、42、43の軌道面をローラ45、46が
転動することにより案内される。ころがり(転動)にと
もなう抵抗は、前記実施例におけるガイドピン32aに沿
った摩擦抵抗より小さいので、フレーム31の上下動が滑
らかになる。
また、前記実施例ではガイドピン32aの取付け位置お
よび角度が不変であるのに対し、この例では、レール4
1、42、43の軌道面位置とローラ45、46の回転軸の向き
を上記のようにして変更することができる。したがっ
て、フードBの初期据付けの際、あるいは転炉Aの経年
変形によって炉口フランジ53の位置が変わった場合など
に、台車32上のフレーム31の載置位置(転炉Aの軸心回
りの回転向きを含む)または上下動の角度を調整するこ
とが容易である。こういった調整を行えば、フレーム31
の上下動をつねに円滑に保てるうえ、可撓スリーブ体23
を介して下部フランジ22が炉口フランジ53に対応できる
範囲が広がり、同スリーブ体23を無理に変形させて寿命
を縮めることもなくなる。
なお、上記とは逆にレール41、42、43をフレーム31に
取り付け、ローラ45、46を台車32の側に配設しても、当
然に同じ作用効果がもたらされる。
以上、この発明の溶融金属炉用フードに関する実施例
を紹介したが、本発明に基づいては、たとえばつぎのよ
うに実施することもできる。
イ)空間A1のガス圧力がさほど高くなく、フードBにそ
の自重を超える浮揚力が作用しない場合には、下部フラ
ンジ22と炉口フランジ53とを締結するボルト22a、ナッ
ト22bおよび締結装置22eは必要ない。
ロ)シリンダ26の先端を、上部フランジ21ではなく下部
フランジ22に取り付けてもよい。
ハ)シリンダ26に代えて、巻き上げ式に昇降できるワイ
ヤなどを用いてスカート2を懸吊してもよい。
ニ)タイロッド25は、最大長さが同様に制限される鎖や
ワイヤに置きかえてもよい。
ホ)耐火物52の補修や張り替えを行う際にフードBをす
ばやく水平移動させる必要がなければ、台車32に懸架さ
せなくとも、建屋に浮揚力を作用させない手段、たとえ
ば鎖やワイヤあるいは各種のリンク機構などを用いてフ
ードBを炉上に懸架させてもよい。さらに、 ヘ)上吹き転炉に限らず、底吹き転炉をはじめ、炉体を
移動または傾動する形式の電気炉、各種精錬炉または溶
融還元炉などにも適用することができる。
[発明の効果] 本発明の溶融金属炉用フードによれば、下記の効果が
もたらされる。
1)溶融金属炉の操業時の炉口位置が、炉体を移動また
は傾動するたびにわずかに変位するような場合にも、フ
ードがすばやくかつ正確に炉体に密着してその内部を密
閉するので、炉内より発生するガスを漏出したり、ガス
中に外気を混入させたりすることがない。
2)炉体およびフード内のガス圧力が高くなっても、フ
ードの浮揚力は外部に作用しないので、たとえば工場建
屋などにはこれに対する強度が不要となり、工場を含む
全体の設備費が低減する。
3)操業中に炉体が振動したり、炉内ガス圧力が変動し
たりする場合でも、シール部材など強度の低い部分に衝
撃力または過大な力が作用しないので、フードの耐用寿
命が長い。
また、請求項2のように構成すれば、 4)フード全体を溶融金属炉の炉口上で台車とともに迅
速に水平移動できるので、炉体内部の整備などを能率的
に行える。
さらに請求項3のようにすれば、 5)台車上のフレームの載置位置や向きを調整できるの
で、フードを溶融金属炉の経年変形などに対応させるこ
とができるうえ、可撓スリーブ体の寿命が長く、また金
属炉の操業中にフードとともに一定の範囲で上下動する
フレームの動きも滑らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の実施例である転炉用のフード
を示し、第1図は転炉およびフードの縦断面図、第2図
はフードの詳細を示す縦断面図、第3図は第2図のIII
−III線矢視(底面視)図である。また、第4図〜第6
図はフレームの上下動案内手段を置き換えた別の例を示
し、第4図は正面(一部断面視)図、第5図は第4図の
V−V線断面(側面視)図、第6図は第4図のVI−VI線
断面(底面視)図である。一方、第7図は従来の溶融金
属炉用フードの縦断面図である。 1…主フード、1d…パッキン、2…スカート、21…上部
フランジ、21a…パッキン、22…下部フランジ、23…ス
リーブ体、25…タイロッド、26…シリンダ、31…フレー
ム、32…台車、41,42,43…レール、45,46…ローラ、53
…炉口フランジ、54…シールパッキン、A…転炉、B…
フード、C…ランス、M…溶銑。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属炉の炉口上に懸架される主フード
    と、この主フード側部材から吊設されて昇降可能なスカ
    ートとを具備し、このスカートは、シール部材を介して
    主フードに摺接する上部フランジ、シール部材を介して
    溶融金属炉と締結される下部フランジ、および上部・下
    部フランジ間に張設される可撓スリーブ体から形成し、
    さらに上部フランジと下部フランジとは離間範囲を制限
    して連結したことを特徴とする溶融金属炉用密閉式フー
    ド。
  2. 【請求項2】前記スカートを吊設するとともに前記主フ
    ードを固着させるフレームを、溶融金属炉の炉口上を水
    平移動可能な台車上に載置した請求項1に記載の溶融金
    属炉用密閉式フード。
  3. 【請求項3】前記フレームには主フードを固着するとと
    もにスカートの上部フランジを吊設させ、このフレーム
    および前記台車のうち一方には、上下方向の軌道面を有
    するレールを、シムを介装して配設し、他方には、この
    レール上を転動するローラを、取付け向き調整可能なブ
    ラケットを介して取り付けた請求項2に記載の溶融金属
    炉用密閉式フード。
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