JP2711864B2 - 糊付機等の熱風乾燥装置 - Google Patents

糊付機等の熱風乾燥装置

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JP2711864B2 JP63230742A JP23074288A JP2711864B2 JP 2711864 B2 JP2711864 B2 JP 2711864B2 JP 63230742 A JP63230742 A JP 63230742A JP 23074288 A JP23074288 A JP 23074288A JP 2711864 B2 JP2711864 B2 JP 2711864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、繊維工場において使用する糊付機等にお
いて、湿潤糸の走行速度が変更されても、乾燥室の内部
温度を速やかに所定の設定温度に制御することができる
糊付機等の熱風乾燥装置に関する。
従来技術 糊付機等には、走行する湿潤糸を効率よく連続的に乾
燥するために、熱風乾燥装置が広く使用されている。
かかる熱風乾燥装置として最も典型的なものは、湿潤
糸Yが通過走行する箱形の乾燥室1に熱風吹込口1aと熱
風排出口1bとを設け(第4図)、循環ダクト2を介して
熱風吹込口1aと熱風排出口1bとを連結した上、循環ダク
ト2上に熱源2aとファン2bとを配設する、いわゆる循環
式熱風乾燥装置である。ただし、熱風吹込口1a、熱風排
出口1bには、それぞれ吸気ファン3a、排気ファン4aを有
する外気取入ダクト3、排出ダクト4が併設されてお
り、熱源2aは、調節弁5aを介し、図示しない加熱蒸気源
に接続されている。なお、調節弁5aは、温度制御器5の
操作端となっており、温度制御器5は、乾燥室1の内部
温度Tを検出する温度検出器5bを検出端として作動す
る。
一般に、湿潤糸Yの走行速度vは、停止状態と、定常
の高速走行状態との他に、糸切れ処理作業等のための低
速走行状態をとるのが普通であり、乾燥室1の内部温度
Tは、それぞれの状態に対応して、所定の温度に設定す
る必要がある。すなわち、内部温度Tは、停止時や低速
時において、糸の材質等によって決まる限界温度より十
分低い温度とする一方、高速運転時において、湿潤糸Y
に所定の乾燥度が得られるように糸の限界温度より高い
温度とすることが好ましく、このような高い温度雰囲気
を通過しても、湿潤糸Yは、水分の蒸発潜熱のために温
度上昇が少なく、有害な変質を生じることがない。
そこで、温度制御器5の設定器5cには、高速運転時、
低速運転時にそれぞれ閉となるリレー接点H、Sが入力
されており、リレー接点H、Sを介して設定温度TH、
TSを切換え選択する一方、機械停止時には、ファン2b
を停止させるとともに吸気ファン3a、排気ファン4aを運
転することにより、乾燥室1の内部温度Tを急速に下降
させるようになっている。ただし、排気ファン4aは、湿
潤糸Yの乾燥により高湿となった空気の一部を外部に排
出するために、機械運転中にも運転される。
発明が解決しようとする課題 かかる従来技術によるときは、熱源2aの応答性が悪い
ために、機械の定常状態においてはよいとしても、機械
の過渡状態において、必ずしも良好な制御特性を実現す
ることができないという問題があった。すなわち、停止
中の機械を起動して低速運転状態に移行するに際し、フ
ァン2bを起動すると、そのときの熱源2aは、停止時間が
短い場合、先きの高速運転の際に必要な高温を実現する
ために大量の熱量が残留しており、したがって、乾燥室
1の内部温度Tは、低速う点時の設定温度TSが選択さ
れているにも拘らず、糸の限界温度を越えて、高速運転
時における設定温度THに近い値にまで一時的に上昇し
てしまうおそれがある。また、逆に停止時間が長い場
合、熱源2aが十分冷えているために、低速運転時の設定
温度TSが選択されても、内部温度Tが設定温度TSにま
で上昇するのに過大な時間を要する。さらに、低速運転
時から高速運転時に移行する際には、一般に、機械の加
速時間に合わせて内部温度Tを滑らかに上昇させること
が好ましいが、このときの追随特性も不十分である。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に
鑑み、熱源とファンとの間に調節ダンパ付きの外気取入
口を設け、調節ダンパの開度、ファンの回転数をそれぞ
れ適切に制御することによって、機械の過渡状態におい
ても、乾燥室の内部温度を所定の設定温度に適確に追随
制御し得る糊付機等の熱風乾燥装置を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためこの発明の構成は、熱風吹
込口と熱風排出口とを備え、湿潤糸を通過走行させる乾
燥室と、乾燥室の熱風排出口と熱風吹込口とを連結する
循環ダクトとを備えてなり、循環ダクトには、熱風排出
口からの空気を加熱する熱源と、熱源からの加熱空気に
外気を混入する調節ダンパ付きの外気取入口と、加熱空
気と外気とを混合した熱風を熱風吹込口に送風するファ
ンとを配設し、調節ダンパは、乾燥室の内部温度が湿潤
糸の走行速度に対応する設定温度となるように開度制御
する一方、ファンは、調節ダンパの開度が大きくなるに
従って回転数が減少するように回転数制御することをそ
の要旨とする。
なお、調節ダンパは、湿潤糸の走行速度を示す速度信
号を入力して設定温度を出力する関数発生器付きの温度
制御器を介して開度制御することができる。
また、熱源は、高速運転時における所要熱量と同等の
放熱熱量を有するようにしてもよい。
作 用 かかる発明の構成によるときは、ファンにより、熱風
吹込口を介して乾燥室に送り込まれる熱風は、熱源から
の加熱空気と外気取入口からの外気との混合空気とな
り、このときの両者の混合割合は、外気取入口に付設す
る調節ダンパの開度によって決定され、これにより、乾
燥室の内部温度が決定される。一方、調節ダンパの応答
性は、簡単に十分速くすることができるので、乾燥室の
内部温度は、機械の運転状態に対応して、所定の設定温
度に適確に制御することが可能である。なお、ファン
は、調節ダンパの開度に応じて回転数を減少させること
により、乾燥室内に吹き込まれる熱風の量が過大になる
ことを防止する。熱風の量が過大になると、ファンの消
費電力が増大するだけでなく、乾燥室内に生じる風速が
大きくなり、走行中の湿潤糸の整列状態が乱されるおそ
れがあるからである。
また、調節ダンパは、湿潤糸の走行速度を入力して設
定温度を出力する関数発生器付きの温度制御器を介して
開度制御することにより、湿潤糸の走行速度に最適な内
部温度を簡単に実現することができる。
熱源放熱熱量を高速運転時における所要熱量と同等に
設定すれば、熱源からの加熱空気の温度を高速運転時に
おける設定温度にほぼ等しく、高速運転時における調節
ダンパの開度を全閉または全閉に近く保つことができる
ので、熱源のエネルギ効率を最も高くすることができ
る。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
糊付機等の熱風乾燥装置は、乾燥室1と、循環ダクト
2と、熱源2aと、調節ダンパ2d付きの外気取入口2cと、
ファン2bとを主要部材としてなる(第1図)。
乾燥室1は、湿潤糸Yを通過走行させるための開口1
y、1yと、熱風吹込口1a、熱風排出口1bとを有する箱形
の容器であって熱風排出口1bには、排気ファン4a、調節
ダンパ4bを有する排出ダクト4が併設されている。
循環ダクト2は、熱風排出口1b、熱風吹込口1aを連結
する通風路を形成している。循環ダクト2の途中には、
熱源2aと、調節ダンパ2d付きの外気取入口2cと、ファン
2bとがこの順に配設されている。
熱源2aは、熱交換器であり、温度制御器5の操作端と
なっている調節弁5aを介し、図示しない加熱蒸気源に接
続されている。温度制御器5には、熱源2aの加熱温度を
検出する温度検出器5d、熱源2aの加熱蒸気の蒸気圧Pを
検出する圧力センサ5eと、温度設定器5fとが接続されて
いる。ただし、蒸気圧Pは、温度制御器5のマイナルー
プを形成するためのフィードバック信号として使用され
るものとする。また、一般に、飽和蒸気の蒸気圧と温度
との間には一定の関係があるので、調節弁5aは、蒸気圧
Pを調節する減圧調節弁を使用することも可能である。
調節ダンパ2dは、操作モータMによって開度制御され
ており、操作モータMは、乾燥室1の内部温度Tを制御
する温度制御器10の操作端となっている。すなわち、温
度制御器10は、関数発生器11、加え合せ点12、制御増幅
器13を縦続してなり、関数発生器11には、図示しない検
出装置によって検出する湿潤糸Yの走行速度vを示す速
度信号Svが入力されている。また、加え合せ点12の減算
端子には、乾燥室1の内部温度Tを検出する温度検出器
10aの出力が接続され、制御増幅器13の出力は、操作モ
ータMに接続されている。
一般に、熱源2aによって加熱される加熱空気の量Q1、
熱源2aの出口における加熱空気の温度T1、外気取入口2c
を介して取り入れられる外気の量Q2、その温度T2とする
と、これらを混合して得られる熱風の量Q、温度Tは、 Q=Q1+Q2 T=(T1Q1+T2Q2)/Q =(T1Q1+T2Q2)/(Q1+Q2) として表わすことができる。ここで、外気の量Q2は、調
節ダンパ2dの開度によって任意に調節することができる
から、熱風の温度T、すなわち乾燥室1の内部温度T
は、調節ダンパ2dの開度を設定することにより、任意に
調節することができる。ただし、熱源2aは、十分に大き
な放熱熱量を有するものとする。
機械が停止しているとき(第2図の時刻t=t1以
前)、ファン2bは停止しており、温度制御器10も作動を
停止しているので、乾燥室1の熱風吹込口1aには熱風が
吹き込まれない。ただし、このとき、調節ダンパ2dの開
度θは、前回の機械停止時における制御結果として、全
開または全開に近い開度θ=θ1となっている。また、
熱源2aは、温度制御器5により、高速運転時における湿
潤糸Yの乾燥に必要な温度T1≒TH(ただし、THは、高
速運転時における乾燥室1の内部温度tの設定温度)に
昇温されており、しかも、その放熱熱量は、高速運転時
における所要熱量を供給するに十分な容量に設定されて
いるものとする。
時刻t=t1において機械を起動すると、機械は、ま
ず、湿潤糸Yの走行速度v=vsの低速運転状態とな
る。このとき、温度制御器10には、速度信号Svが入力さ
れるので、関数発生器11は、設定温度Toとして、To=T
S<Ty(ただし、Tyは、糸の限界温度)を出力する。一
方、機械起動と同時に、温度制御器10が作動を開始し、
ファン2bも起動されるので、乾燥室1の内部温度Tは、
T=TSとなるように調節ダンパ2dの開度θが設定され
る。なお、このときの開度θは、設定温度To=TSが低
いために、全開または全開に近い開度θ=θ1のままに
留まることが多い。
時刻t=t2において、機械は、低速運転から高速運転
への移行を開始する。したがって、温度制御器10の設定
温度Toも、湿潤糸Yの走行速度vの上昇とともに上昇
し、糸の限界温度Tyを超えて高速運転時における設定温
度To=THへ移行する。このときの設定温度Toの変化の
態様は、関数発生器11の入出力特性によって決まり、た
とえば、走行速度vの上昇勾配に合わせて直線的として
もよい。
このようにして設定温度Toが上昇すると、これに対し
て、調節ダンパ2dは、その開度θを徐々に減少するよう
に制御され、したがって、乾燥室1の内部温度Tは、常
にT=Toを維持するように設定温度Toの変化に追随す
る。そこで、調節ダンパ2dが全閉となっても高速運転時
の設定温度To=THが達成できないときは(第2図の時
刻t=t3)、温度制御器5が、熱源2aの放熱量を増大さ
せるために熱源2aの加熱蒸気の蒸気圧Pを増加させる方
向に働く。このようにして、湿潤糸Yの走行速度v=vH
となって機械の高速運転が達成され、乾燥室1の内部温
度TがT=To=THとなれば(同図の時刻t=t4)、以
後、機械は、高速運転による定常運転を続行する。
時刻t=t5において機械の停止指令が発生すると、機
械は急速に停止される。このときは、湿潤糸Yの走行速
度vの低下とともに温度制御器10の設定温度Toも低下す
るので、調節ダンパ2dは、これに追随するようにして急
速に全開または全開に近い開度θ=θ1に開かれる。た
だし、温度制御器10は、機械停止後(時刻t=t6)、し
ばらくの間、設定温度To=TSに保持した上、ファン2b
を停止するとともに、制御系の作動を停止するものとす
る(時刻t=t7)。
このように、機械停止後においてもしばらくの間設定
温度To=TSに保つのは、乾燥室1内の構造物を冷却す
るためであり、また、ファン2bが停止した後において、
十分に冷却されていない構造物からの放射熱により湿潤
糸Yの温度が過大に上昇することを防止するためでもあ
る。さらには、次回の起動時において、乾燥室1の内部
温度Tを速やかにT=TSにするためでもある。一般
に、TS<Tyであるので、かかる温度制御を行なって
も、湿潤糸Yへの悪影響はない。なお、かかる制御特性
は、vH≫vs≒0であるから、温度制御器10の関数発生
器11の入出力特性をたとえば第3図のような折線特性と
することにより、容易に実現することができる。
つづいて、時刻t=t8において機械を再起動するとき
は、前述と全く同様にして、乾燥室1の内部温度Tの昇
温制御を実現する。
排気ファン4aは、乾燥室1内を走行する湿潤糸Yの乾
燥によって生じた湿潤空気の一部を外部に排出すること
が主要な目的である。そこで、排気ファン4aは、ファン
2bとともに起動停止し、出口側の調節ダンパ4bを介して
適当な流路抵抗を与えることにより、通過風量を手動制
御すれば足りる。
以上の説明において、熱源2aの放熱熱量は、高速運転
時における所要熱量と同等に設定することができる。こ
のとき、熱源2aからの加熱空気の温度T1=THに一定制
御することにより、低速運転時において必要な外気の量
Q2を最少にするとともに、高速運転時における調節ダン
パ2dの開度θを全閉にし、熱源2aにおけるエネルギ効率
を最大にすることができる。
また、ファン2bは、調節ダンパ2dの開度θが大きくな
るに従って、その回転数が減少するように回転数制御し
てもよい。一般に、調節ダンパ2dの開度θが大きくなれ
ば、ファン2bの吸気抵抗が小さくなり、乾燥室1内に吹
き込まれる熱風の量Qが増加する傾向があるが、ファン
2bの回転数を減少させることにより、この傾向を有効に
消去し、熱風の量Qを一定に保つことができる。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、循環ダクト
上に配設する熱源とファンとの間に調節ダンパ付きの外
気取入口を形成し、調節ダンパを開度制御するとともに
ファンを回転数制御することによって、応答性の悪い熱
源の加熱温度を一定とし、応答性に優れる調節ダンパを
温度制御器の操作端として使用することができるので、
機械の再起動時や、低速運転から高速運転に移行すると
き等の過渡状態においても、乾燥室の内部温度が極端に
高くなったり、設定温度に対する追随性を不足したりす
ることがない上、ファンによって乾燥室内に吹き込まれ
る熱風の量が過大になることもなく、良好な品質の糊付
糸を安定に生産することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は実施例を示し、第1図は全体構成
説明図、第2図は動作説明線図、第3図は関数発生器の
入出力特性線図である。 第4図は従来例を示す第1図相当図である。 Y……湿潤糸 v……走行速度 T……内部温度 To……設定温度 Sv……速度信号 1……乾燥室 1a……熱風吹込口 1b……熱風排出口 2……循環ダクト 2a……熱源 2b……ファン 2c……外気取入口 2d……調節ダンパ 10……温度制御器 11……関数発生器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱風吹込口と熱風排出口とを備え、湿潤糸
    を通過走行させる乾燥室と、前記熱風排出口と熱風吹込
    口とを連結する循環ダクトとを備えてなり、該循環ダク
    トには、前記熱風排出口からの空気を加熱する熱源と、
    該熱源からの加熱空気に外気を混入する調節ダンパ付き
    の外気取入口と、加熱空気と外気とを混合した熱風を前
    記熱風吹込口に送風するファンとを配設し、前記調節ダ
    ンパは、前記乾燥室の内部温度が湿潤糸の走行速度に対
    応する設定温度となるように開度制御する一方、前記フ
    ァンは、前記調節ダンパの開度が大きくなるに従って回
    転数が減少するように回転数制御することを特徴とする
    糊付機等の熱風乾燥装置。
  2. 【請求項2】前記調節ダンパは、湿潤糸の走行速度を示
    す速度信号を入力して設定温度を出力する関数発生器付
    きの温度制御器を介して開度制御することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の糊付機等の熱風乾燥装置。
  3. 【請求項3】前記熱源は、高速運転時における所要熱量
    と同等の放熱熱量を有することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の糊付機等の熱風乾燥装
    置。
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