JP2711275B2 - 経穴探査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は皮膚インピーダンスの違いを利用して経穴の
位置を調べる経穴探査装置に関するものであり、更に詳
しくは、簡易操作により短時間で微小な経穴の位置を正
確に見つけ出すことのできる経穴探査装置に関するもの
である。

［従来の技術］ 生体において所謂「つぼ」と称される経穴において、
皮膚インピーダンス（皮膚抵抗）が低下することは従来
より知られており、経穴において皮膚インピーダンスが
低下するのは、当該部分において導電性のある交感神経
が集中しているためであるが、この性質を利用して電気
的に経穴の位置を調べるようにした装置が既に開発さ
れ、実用にも供されている。

従来のこの種の装置は、棒状の電極よりなる不関導子
と針状の電極（針状電極）よりなる関導子とを備えてお
り、不関導子の電極を手のひら等で握り、関導子の針状
電極を腕等の皮膚表面に接触させ、両電極間に電圧を印
加して両電極間に流れる電流より皮膚インピーダンスを
測定し、メータ等の表示を見ながら関導子の針状電極の
位置を変えて皮膚インピーダンスが低下する点、即ち経
穴を見つけるようにして使用するものであった。

［発明が解決しようとする課題］ 然しながら、従来の装置は、上述したように単一の針
状電極を皮膚に接触させ、皮膚インピーダンスが低下す
る点を見つけるものであり、昔ながらの勘にたよる方法
に比べて科学的に正確に経穴の位置を発見できる利点は
あるものの、一般に経穴は非常に小さく、また経穴の位
置には個人差があるため、経穴を見つけるまでに多くの
試行を繰り返さなければならず、経穴探査に時間がかか
ると共に、操作が煩雑であるという欠点があった。

又、針状電極を所定時間（数秒〜数十秒）以上に亙っ
て皮膚に接触させておくと皮膚破壊が生じ、導通電流が
急激に増加して皮膚インピーダンスが正確に測定できな
くなってしまうため、測定を手早く行わなければなら
ず、一般の利用者には操作が難しいという欠点もあった
のである。

本発明は上記の点に鑑み提案されたものであり、その
目的とするところは、簡易操作により短時間で微小な経
穴の位置を正確に見つけ出すことのできる経穴探査装置
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本発明が採用した主たる
構成は、操作者が把持し得る程度の径をした握り部と、
該握り部の上端に直交して配設された横棒部とよりなる
略Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔をもって配置さ
れた複数の針状電極よりなり、経穴を取り囲むことがで
きる径に形成された針状電極束を、前記横棒部の一端に
おいて配設してなる関導子と、単一の電極よりなる不関
導子と、前記関導子および不関導子と接続されて信号処
理を行う回路部と、該回路部における前記信号処理の結
果を表示する表示部とを備え、前記関導子の針状電極束
の各針状電極を順次選択して前記不関導子の電極との間
の皮膚インピーダンスを測定し、当該皮膚インピーダン
スの測定結果に基づき経穴の位置やその状態を、前記表
示部において表示するようにしたことを特徴とするか、
又は、操作者が把持し得る程度の径をした握り部と、該
握り部の上端に直交して配設された横棒部とよりなる略
Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔をもって配置され
た複数の針状電極よりなり、経穴を取り囲むことができ
る径に形成された針状電極束を、前記横棒部の一端にお
いて配設してなる関導子と、単一の電極よりなる不関導
子と、前記関導子および不関導子と接続されて信号処理
を行う回路部と、適宜の電気的刺激を与える電気刺激発
生部とを備え、前記関導子の針状電極束の各針状電極を
順次選択して前記不関導子の電極との間の皮膚インピー
ダンスを測定することにより、経穴の位置に対応乃至は
略対応する針状電極を決定し、当該針状電極に対し電気
刺激発生部からの電気刺激を印加するようにしたことを
特徴とするか、或いは、操作者が把持し得る程度の径を
した握り部と、該握り部の上端に直交して配設された横
棒部とよりなる略Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔
をもって配置された複数の針状電極よりなり、経穴を取
り囲むことができる径に形成された針状電極束を、前記
横棒部の一端において配設してなる関導子と、単一の電
極よりなる不関導子と、前記関導子および不関導子と接
続されて信号処理を行う回路部と、該回路部における前
記信号処理の結果を表示する表示部と、適宜の電気的刺
激を与える電気刺激発生部とを備え、前記関導子の針状
電極束の各針状電極を順次選択して前記不関導子の電極
との間の皮膚インピーダンスを測定し、当該皮膚インピ
ーダンスの測定結果に基づき経穴の位置やその状態を、
前記表示部において表示すると共に、当該経穴の位置に
対応乃至は略対応する針状電極対し電気刺激発生部から
の電気刺激を印加するようにしたことを特徴とするもの
である。

［作用］ 本発明の経穴探査装置にあっては、関導子の針状電極
束の複数の針状電極を順次選択し、手のひら等に握られ
た不関導子との間の皮膚インピーダンスを測定し、適宜
の信号処理を行って経穴の位置を表示する。

又、本発明の経穴探査装置にあっては、探査された経
穴の位置に対応乃至は略対応する針状電極に対し、電気
刺激発生部からの電気刺激を印加することにより、必要
に応じ探査された経穴を電気的に刺激することもでき
る。

［実施例］ 以下、図面に沿って本発明の実施例について詳細に説
明する。

第１図は本発明の経穴探査装置の一実施例を示す外観
斜視図である。

第１図において、１は測定に伴って移動する関導子を
構成するための本体であり、該本体１は、操作者が把持
し得る程度の径をした握り部1Aと、該握り部の上端に直
交して配設された横棒部1Bとより略Ｔ字状に形成されて
いて、前記横棒部1Bの一端面には所定の微小間隔をもっ
て配置された複数の針状電極３よりなる針状電極束２が
設けられている。尚、針状電極の長さ等に特段の制限は
ないが、これが集合した針状電極束は、微小な経穴を取
り囲むことができる径に形成されている必要がある。

又、本体１の握り部1Aには、測定結果を表示する液晶
表示素子のような表示部４と、測定の開始等を指示する
ために操作するスイッチ５とが設けられている。

一方、７は測定に際し手のひら等により握られる移動
しない不関導子であり、該不関導子７は棒状の電極８か
らなり、本体１のジャック６と係合するプラグ10および
コード９を介して本体１内部の電気回路と接続されるよ
うになっている。尚、この実施例では、不関導子７は本
体１から取外し自在となっているが、本発明はこのよう
に限定されるものではない。

第２図は電気的回路構成の例を示すブロック図であ
り、第１図と対応する部分には同一符号を付してある。

第２図において、不関導子７の電極８には定電圧発生
部12より所定の電圧が印加されるようになっており、本
体１の針状電極束２の各針状電極３は、電極セレクタ11
により一定時間毎に所定の順序で選択され、前置アンプ
13に接続されるようになっている。尚、電極セレクタ11
は後述する制御部15から発せられる電極選択信号により
制御されるものである。又、前置アンプ13は定電圧発生
部12とも接続されており、皮膚インピーダンスを介して
現れた微小な電気信号を後続の処理に適するレベルまで
増幅するものである。

次いで、前置アンプ13の出力はA/D変換部14に入力さ
れ、デジタル信号に変換された信号がCPU等よりなる制
御部15に入力されるようになっている。尚、A/D変換部1
4におけるサンプリングのタイミングは制御部15から出
力されるA/D変換信号によって制御されるようになって
いる。

制御部15は各部の制御および信号処理を行うものであ
り、本体１の針状電極束２の各針状電極３を一定時間単
位でスキャンして得られた各針状電極３と不関導子７の
電極８との間の皮膚インピーダンスに対応した信号に基
づき、いずれの針状電極３が経穴上に位置しているかを
判別し、表示部４に結果を表示するようになっている。
具体的には、ｎ個の針状電極３の検出値の平均値および
最大値、最小値等を算出、記憶し、皮膚インピーダンス
が所定の値より小さくなる場合に経穴であると判断し、
該当する針状電極３の番号および測定値等を表示するよ
うになっている。又、制御部15は、皮膚インピーダンス
が通常より小さく、治療を必要とするような状態であれ
ば、その旨を併せて通報する機能も有している。

又、５は測定の開始等を指示するスイッチ、16は測定
結果を外部のパーソナルコンピュータ等に与えてより詳
細な解析（例えば良導絡理論による解析等）を行う場合
等のための外部出力端子、17は各回路部に電源を供給す
るための電源部である。

尚、上記の回路部は制御部15のワンチップ化および周
辺回路のHIC化等の技術により充分に小型化が可能であ
り、第１図に示した本体１の握り部等の本体内に内蔵が
可能である。

而して、この実施例の経穴探査装置を使用するにあた
っては、不関導子７の電極８を手のひら等で握り、関導
子としての本体１の針状電極束２を腕等の皮膚表面に接
触させる。このとき、単に任意の場所に接触させるとい
うのではなく、経穴が存在すると思われる範囲を針状電
極３の接触面がカバーするように接触させると、その範
囲内に経穴が存在すればいずれかの針状電極３が経穴に
対応することになり、電極セレクタ11により針状電極束
２の各針状電極３が順次選択されて行く過程で、皮膚イ
ンピーダンスの大きさから該当する針状電極３を特定す
ることができる。そして、その針状電極３の番号および
測定値等を表示部４で表示することにより経穴の位置を
ユーザに知らせることができるのである。

尚、経穴の位置に対応する針状電極３がわかっても本
体１を皮膚から離してしまうとその位置がわからなくな
ってしまう場合があるが、そのような場合は針状電極３
の先端に例えば導電性のマーキング塗料等を予め塗布し
ておき、皮膚上にマークを残すようにすればよい。

次に、第３図は本発明の別例に使用する電気的回路構
成の実施例を示すブロック図であり、電気刺激部18を設
けた点が第２図と異なる。

即ち、この例では経穴を発見した後に本体１を皮膚か
ら離さず、そのままの状態で経穴に対応する針状電極３
に電気信号を与え、治療を行えるようにしたものであ
る。

つまり、経穴の位置に対応する針状電極３が発見でき
た場合、その針状電極３の位置を制御部15により記憶し
ておき、電気刺激を与える旨の操作がされた場合に該当
する針状電極３を電極セレクタ11で選択し、電気刺激部
18から電気信号を与えるものである。

尚、第３図に示すように、経穴を発見した場合にそれ
を表示すると共に、経穴の位置を対応する針状電極３を
制御部15により記憶しておき、当該針状電極３を介して
電気刺激を与えるようにしてもよいことは勿論である。

［発明の効果］ 以上のように、本発明の経穴探査装置にあっては、所
定の微小間隔をもって配置された複数の針状電極よりな
る針状電極束を有した関導子と、単一の電極よりなる不
関導子と、前記関導子および不関導子と接続されて信号
処理を行う回路部とを備え、前記関導子の針状電極束の
各針状電極を順次選択して前記不関導子の電極との間の
皮膚インピーダンスを測定し、経穴の位置を表示するよ
うにしているため、関導子の針状電極束を経穴が存在す
ると思われる場所に接触するのみで針状電極束の接触面
積内に存在する微小な経穴を自動的に発見することがで
き、簡易操作により短時間で経穴の位置を正確に見つけ
出すことができる効果がある。又、皮膚への通電時間は
所定値以内に管理されるため、皮膚破壊が生じることが
なく、測定値の精度も大幅に向上させることができる。

又、本発明の経穴探査装置にあっては、上記に加え、
適宜の電気的刺激を与える電気刺激発生部を備え、前記
関導子の針状電極束の各針状電極を順次選択して前記不
関導子の電極との間の皮膚インピーダンスを測定し、当
該皮膚インピーダンスの測定結果に基づき経穴の位置や
その状態を表示すると共に、必要に応じ、当該経穴の位
置に対応乃至は略対応する針状電極に対し電気刺激発生
部からの電気刺激を印加するようにしたから、本発明装
置を皮膚から離すことなく経穴に対し電気的刺激を与え
ることもできる。

更に本発明の経穴探査装置にあっては、関導子を構成
するための本体１を、操作者が把持し得る程度の径をし
た握り部1Aと、該握り部の上端に直交して配設された横
棒部1Bとより略Ｔ字状に形成しているので、単独で本発
明装置を操作する場合に操作者自身では探査し得ない背
中等に存在する経穴をも探査の対象とすることができる
ばかりか、全体的に小型で、従って片手で操作をするこ
とが可能であり、加えて、回路部及び表示部を本体１の
握り部1Aに配設した場合は、測定位置と当該位置におけ
る皮膚インピーダンスとを、使用者が同時に確認しなが
ら操作を進めることができ、しかも、片手でも持ち運び
が可能なコンパクトなものとなるという効果をもたらす
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の経穴探査装置の一実施例を示す斜視
図、第２図は電気的回路構成の例を示すブロック図、第
３図は電気的回路構成の他の例を示すブロック図であ
る。 １……関導子、２……針状電極束、３……針状電極、４
……表示部、５……スイッチ、６……ジャック、７……
不関導子、８……電極、９……コード、10……プラグ、
11……電極セレクタ、12……定電圧発生部、13……前置
アンプ、14……A/D変換部、15……制御部、16……外部
出力端子、17……電源部、18……電気刺激部。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】操作者が把持し得る程度の径をした握り部
   と、該握り部の上端に直交して配設された横棒部とより
   なる略Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔をもって配
   置された複数の針状電極よりなり、経穴を取り囲むこと
   ができる径に形成された針状電極束を、前記横棒部の一
   端において配設してなる関導子と、単一の電極よりなる
   不関導子と、前記関導子および不関導子と接続されて信
   号処理を行う回路部と、該回路部における前記信号処理
   の結果を表示する表示部とを備え、前記関導子の針状電
   極束の各針状電極を順次選択して前記不関導子の電極と
   の間の皮膚インピーダンスを測定し、当該皮膚インピー
   ダンスの測定結果に基づき経穴の位置やその状態を、前
   記表示部において表示するようにしたことを特徴とする
   経穴探査装置。
2. 【請求項２】操作者が把持し得る程度の径をした握り部
   と、該握り部の上端に直交して配設された横棒部とより
   なる略Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔をもって配
   置された複数の針状電極よりなり、経穴を取り囲むこと
   ができる径に形成された針状電極束を、前記横棒部の一
   端において配設してなる関導子と、単一の電極よりなる
   不関導子と、前記関導子および不関導子と接続されて信
   号処理を行う回路部と、適宜の電気的刺激を与える電気
   刺激発生部とを備え、前記関導子の針状電極束の各針状
   電極を順次選択して前記不関導子の電極との間の皮膚イ
   ンピーダンスを測定することにより、経穴の位置に対応
   乃至は略対応する針状電極を決定し、当該針状電極に対
   し電気刺激発生部からの電気刺激を印加するようにした
   ことを特徴とする経穴探査装置。
3. 【請求項３】操作者が把持し得る程度の径をした握り部
   と、該握り部の上端に直交して配設された横棒部とより
   なる略Ｔ字状の本体に対し、所定の微小間隔をもって配
   置された複数の針状電極よりなり、経穴を取り囲むこと
   ができる径に形成された針状電極束を、前記横棒部の一
   端において配設してなる関導子と、単一の電極よりなる
   不関導子と、前記関導子および不関導子と接続されて信
   号処理を行う回路部と、該回路部における前記信号処理
   の結果を表示する表示部と、適宜の電気的刺激を与える
   電気刺激発生部とを備え、前記関導子の針状電極束の各
   針状電極を順次選択して前記不関導子の電極との間の皮
   膚インピーダンスを測定し、当該皮膚インピーダンスの
   測定結果に基づき経穴の位置やその状態を、前記表示部
   において表示すると共に、当該経穴の位置に対応乃至は
   略対応する針状電極対し電気刺激発生部からの電気刺激
   を印加するようにしたことを特徴とする経穴探査装置。
4. 【請求項４】回路部及び表示部を略Ｔ字状の本体の握り
   部に配設してなる請求項１乃至３のいずれかに記載の経
   穴探査装置。