JP2711121B2 - 血液サンプルを採集し貯蔵する単一使用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 特に医療化学テストおよび分析を意図して血液サンプ
ルを採集するための種々の装置が知られており、また用
いられている。最も基本的な従来のそのような装置は、
標準の注射器で静脈の血液を採集して、次に血液をテス
トチューブまたは他の適当な容器に移すものである。

環境によるサンプルの汚染の防止およびサンプルによ
る作業者の汚染の防止に対する希望が、そのような起こ
りうる汚染をなくすための装置の開発を行わせてきた。

最少の危険で作業者によって操作される観点から評価
されている公知の装置は吸引式採集チューブである。こ
のチューブは、一端が閉じられてその口にハーメチック
ゴムの蓋が設けられたガラスまたはプラスチック製のチ
ューブから成る。高い真空（長時間続く）がチューブ内
に発生され、必要に応じて、少量の化学物質がチューブ
内に置かれる。これらの化学物質は、例えば血液の凝固
を防止し、または細胞成分からの血清の分離を加速する
ように血液サンプルに対して希望するように作用するも
のである。

吸引式チューブは２先端皮下注射針と組み合わせて用
いられる。１つの先端は患者に静脈注射を行うのに用い
られ、他の先端は吸引式チューブのストッパに挿入さ
れ、ストッパを穿孔して血液をチューブ内に流し込むこ
とを行う。

血液サンプルが採集され、注射針が静脈およびストッ
パから外された後に、生物学上のサンプルは、サンプル
の輸送、遠心力等に関して“安全”であるようにバック
のハーメチック性が与えられた状態でチューブ内に貯蔵
される。

この装置は血液サンプルの採集およびストッパ付容器
の取り扱いに関しては完全に満足いくものであるが、作
業者がチューブ内のサンプルに近ずくためにストッパを
除去しなければならないとき、不便な点が現れる。スト
ッパの除去は、例えばチューブが分析すべき血液の測定
量をチューブにから取り出すように自動または半自動の
機械に置くとき、必要である。

ストッパなしでは、チューブの口が直径と等しい寸法
を有すると、何らかの取り扱いの間違いは内容物を漏出
させ、作業者を感染の危険にさらす。

本発明は、作業者が特別な注意なしでサンプル容器を
取り扱い、または不注意に取り扱う場合でさえも、サン
プルによる環境に対する起こりうる汚染またはその逆の
汚染をある程度まで実質的に減少させることにより、吸
引式チューブおよび穿孔可能なキャップを用いる血液採
集装置が有していた前述の問題をなくすことである。

この目的のために、本発明は、血液を採集し貯蔵する
単一使用装置において、一端において閉じられかつ他端
において注射針の第１の先端によって穿孔される気密ス
トッパを持つ堅いチューブを有し、注射針の第２の先端
は静脈注射のために用いられるように構成されており、
前記チューブ内で、チューブの内壁に対してシールする
ように、薄い厚みのダイヤフラムが安定位置に配置さ
れ、注射針の第１先端がストッパを穿孔後ダイヤフラム
を通るように構成されていることを特徴とする装置を提
供するものである。

次に、図面を参照して本発明を説明する。

第１図を参照すると、この第１図は、ゴムまたはエラ
ストマーまたは他の適当な材料から作られたストッパ11
によって閉じられたテストチューブ10から成る血液サン
プルを採集し貯蔵する装置を示す。ストッパ11はハーメ
チックシールを与えるようにテストチューブ10の口に嵌
入できなければならずかつ注射針12の先端の１つによっ
て穿孔できるものでなければならない。なお、先端は参
照番号13で示されている。注射針12の他の先端14は、血
液サンプルを採集するのに用いられる通常の技術によっ
て静脈注射に適したものでなければならない。第１図
は、また、グリップ部分15を示しており、グリップ部分
15はチューブ10の外壁上を摺動でき、ストッパ11を正し
く穿孔するようにグリップ部分に固定した注射針12を案
内すると共に、静脈注射のためのグリップとして働くも
のである。

今まで述べてきたことは当業者にとって周知のもので
あり、装置の作動の方法も同様である。要約すると、チ
ューブ10はかなりの高真空の状態でストッパ11によって
閉じられる。ハーメチック性の結果として、真空が数年
のオーダーのかなり長い期間の間持続する。チューブ10
から分離後、注射針12が静脈注射に用いられ、その後、
容器がストッパ11を通って押圧される注射針の先端13近
くにもたらされ、装置が第１図に示す形状をとるように
なる。チューブ10の真空は血液の希望の量がチューブに
入ることを可能にする。注射針の先端13は、ストッパ11
を穿孔する前に前記先端13から血液が漏洩することを防
止するために、ストッパ11に前記先端の挿入によって破
壊される仮プロテクタを支持できる。

本発明によると、ストッパ11の下方で、薄いダイヤフ
ラム16がチューブ状容器10に締りばめされている。も
し、薄い厚みの結果として、このダイヤフラムは横方向
の歪みに対して低い抵抗を有し、このダイヤフラムは、
好ましくは、多少直径方向に延ばされた周囲補強縁部17
を有し、縁部17が本発明の目的でもある満足のいくシー
ルおよびダイヤフラムの満足のいく位置安定性を得るの
に充分なだけ、チューブ10の内壁に対する締りばめに対
して必要な抵抗を与える。ダイヤフラムはチューブが受
ける通常の応力、特に遠心力によって変位してはならな
い。チューブ10内のダイヤフラム16の縦方向の位置はス
トッパから最少の距離であるべきである。その１つの理
由はチューブの有効な容積の実質的な減少を防止するた
めである。注射針の先端13はストッパ11を穿孔した後ダ
イヤフラム16を貫通するように充分長くなければならな
い。

本発明によってダイヤフラム16が嵌合された装置を採
用することによって、ストッパ11を取り除いた後でも、
チューブ10がダイヤフラム16自体で閉じられたままであ
り、ダイヤフラムは、ダイヤフラムを通った注射針12に
よって生じた小さい針穴を中央に有するかもしれない
が、たとえ通常の注意なしでチューブが扱われたとして
も、チューブ内に含まれる血液の漏出を有効に防止す
る。

内容物が安全であるこれらの状態の下で、チューブ10
は漏洩の実質的な危険なしに取り扱うことができ、血液
サンプル処理装置内に置かれることができる。

ダイヤフラムの薄い厚みのために、ダイヤフラムは、
分析用に送られる血液の量を計量的に取り出す自動装置
または半自動装置で用いられる注射針で穿孔されること
ができる。

ストッパ11の形状は、本発明によって与えられるダイ
ヤフラムに適するように、そのようなストッパの従来の
形状に対して変更できる。

第２図は、ダイヤフラム16に接近してまたは接触する
ように突出するチャンネル形状構造体を形成する内部延
長部20が設けられたストッパ11を示す。

ストッパ11およびダイヤフラム16の間の空間はこのよ
うに実質的に減少され、さらに、注射針の先端13がダイ
ヤフラムの中央に向かって延長部20で案内されるよう
に、注射針の整合が改良されている。この構造は、注射
針の整合がグリップ15の形状を有する第１図に示すタイ
プの他のガイド要素によっては保証されないときには、
特に有効である。

チューブ10の内部にダイヤフラム16を正確に位置決め
することは、チューブ10の内壁にシート（座部）を形成
することによって容易になされうる。第３図は、チュー
ブ10の内壁に形成した２つの環状突起21および22を示
し、これらの環状突起の間にダイヤフラム16の周囲縁部
17が挿入される。正確な位置決めは、もちろん、ダイヤ
フラムの縁部17が配置され、例えばチューブの遠心力の
ような通常の応力によって変位されないように、そこに
堅くロックされるような任意の種類の環状のシートによ
って得られる。

特に、第３図は、その中心に小さい予め形成した針穴
18を持つダイヤフラム16を示す。本発明の装置の特定の
形状にかかわらず採用できるこの針穴は、血液のサンプ
ルを保持するダイヤフラムによって境界が決められたチ
ューブの領域と、ダイヤフラム16およびストッパ11の間
のチューブの領域との間に圧力差が生じるのを阻止する
ように働く。

針穴によって与えられる連通は、ストッパ11が取り外
されるとき、チューブの前述の２つの領域の間で生じる
可能性のある過渡的な圧力差を阻止する。その理由は、
取り外しのとき、ストッパが上昇中に過渡的な負圧が生
じるようなピストンと同様にストッパが作用するからで
ある。

針穴18は注射針の先端13がダイヤフラムを通るのを容
易にし、ダイヤフラムが裂けるのを制限している。さら
に、この針穴は、また、針状の狭いゲージチューブ（分
析のためにチューブから血液を計量的に取り出す分析装
置で用いられる）がチューブ10の内部に用意に通させる
ことができる。

その機能を有利に達成するために、針穴18は例えば１
ミリメートルの半分のオーダーのようなかなり小さな直
径を有する。したがって、針穴の存在は、ストッパ11の
除去後、サンプルおよび環境の両方の汚染に対する容器
の安全性を実質的に損なうものではない。

取り扱いがより安全であり、かつ生物学上の流体の不
注意な漏出の危険性を著しく減少させることに加えて、
本発明のチューブ内に配置されたダイヤフラムは環境に
よる汚染から前記流体を保護する。したがって、このよ
うな汚染の可能性が著しく減少され、また、ストッパ11
の除去後、分析のために送られるべきサンプルの量を取
り出すためにチューブが待期しているときの生物学上の
流体に含まれる水の蒸発のような大気との相互作用が防
止されまたは実質的に減少される。この蒸発は、容器チ
ューブが調節した温度環境で低くない温度に維持されて
いるとき、かなりのものになるかもしれない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置の縦断面図である。 第２図は、変形実施例を示す、第１図と同様な部分断面
図である。 第３図は、さらに他の実施例の本発明の装置の部分を構
成するハーメチック容器の部分断面図である。 10……チューブ、 11……ストッパ、 12……注射針、 13……先端、 14……他の先端、 15……グリップ部分、 16……ダイヤフラム、 17……縁部、 18……針穴。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】血液サンプルを採集し貯蔵する単一使用装
   置であって、一端において閉じられかつ他端において気
   密ストッパー11を有する堅いチューブ10を有し、上記気
   密ストッパー11は上記チューブ10から取り外し可能であ
   って、グリップ部分15が上記堅いチューブ10の上に取り
   付けられ、上記気密ストッパー11は上記グリップ部分15
   に取り付けられた注射針12の第１の先端13によって穿孔
   可能であって、 上記注射針12の第２の先端14は静脈穿刺のために使用さ
   れ、 薄いダイヤフラム16が気密ストッパー11からの所定の距
   離をおいた位置の上記チューブ10内に配置され、上記チ
   ューブ10の内壁に対し密閉関係をなし、上記チューブ10
   内壁に対し付勢された剛直な縁部17を有し、該ダイヤフ
   ラム16の中心に予め形成した小孔18を有し、上記ダイヤ
   フラム16によって分割された上記チューブ10の領域を連
   通させ、 上記注射針12の第１の先端13は上記気密ストッパー11を
   突き通した後に上記ダイヤフラム16を通過するように構
   成され、 固定手段が上記ダイヤフラム16を上記チューブ10内で滑
   動することを防ぐために設けられていることを特徴とす
   る血液サンプルを採集し貯蔵する単一使用装置。
2. 【請求項２】上記固定手段が、上記チューブ10の内壁に
   対する摩擦によって付勢されたダイヤフラム縁部17であ
   ることを特徴とする請求項１に記載の単一使用装置。
3. 【請求項３】上記チューブ10が、その内壁に近接して環
   状突起21、22を有して上記ダイヤフラム16のダイヤフラ
   ム縁部17を受け入れ、それが上記チューブ10内で滑動す
   ることを防ぐことを特徴とする請求項１に記載の単一使
   用装置。
4. 【請求項４】上記気密ストッパー11が、上記注射針12に
   よって突き通される領域に近接して、上記ダイヤフラム
   16の中心部分にほぼ近接して終端する溝形延長部20を形
   成していることを特徴とする請求項１に記載の単一使用
   装置。