JP2710455B2 - 無線通信方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、複数の基地局と複数の移動局からなる無線
通信システムにおける無線通信方式に関するものであ
る。

（従来の技術） 上記無線通信システムは、本社等に設置されたコンピ
ュータと散在する多数のOA端末との間でリアルタイムに
データ伝送を行なう倉庫等の在庫管理システムやポスシ
ステム等に利用されている。

第２図は従来のこの種の無線通信システムであって、
無線周波数の有効利用の観点から複数の無線チャネルを
複数の移動局５−１〜５−ｍで共用するマルチチャネル
アクセス方式を採用し、各移動局５−１〜５−ｍは空き
通信チャネルを用い、基地局４−１〜４−ｎのうち最も
良い無線通信状態が得られる基地局との間でデータ伝送
を行うものであり、このデータ伝送に使用する通信チャ
ネルの決定、基地局の選定は通信制御装置６の管理の下
でシステム共通の無線制御チャネルにより行われてい
た。

次に、上記システムにおいて移動局５−１〜５−ｍか
ら所定の相手にデータを伝送する場合の具体的な通信手
順例を説明する。

（イ）移動局はキャリアセンス機能により現在使用され
ていない通信チャネルを確認する。

（ロ）次いで、移動局は通信したい通信チャネルを決定
し、そのチャネル番号を含む接続要求を制御チャネルを
使用して基地局に送信する。

（ハ）この接続要求した各基地局は、この接続要求に電
界強度情報等を付加して通信制御装置６に送信する。

（ニ）通信制御装置６は基地局から上記接続要求を受信
すると、電界強度情報に基づいて最適の基地局を１局選
定し、接続許可信号を送信する。尚、選定された基地局
以外は通信をクローズ状態にする。

（ホ）接続許可のあった基地局は、制御チャネルを使用
して接続要求を出した移動局に接続許可信号を送信す
る。

（ヘ）この接続許可信号を受信した移動局は、指定した
通信チャネルを使用して上記基地局にデータを送信す
る。尚データは、通信制御装置６を介して所定の相手に
送られる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記無線通信システムにおける通信手
順では、基地局と移動局間で通信を行う通信チャネルを
決定するに当り、まず移動局、基地局から必要情報を通
信制御装置に送り、次いで通信制御装置で最適基地局を
判断し、該当する基地局、移動局に通知しているので、
処理時間が長くなり、迅速にデータ伝送を開始できない
という問題点があった。この問題点は、ハードウェア上
の処理速度の向上だけでは、なかなか解決できにくいも
のであった。

また、移動局が空き通信チャネルを確認する場合、ゾ
ーン構成の位置関係によっては他の移動局が使用してい
る通信チャネルを検出できず、空き通信チャネルと誤っ
て判断する場合があり、上記移動局の通信に妨害を与え
る可能性があるという問題点があった。

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもの
であって、基地局の選定機能とデータ伝送を行うための
通信チャネルの決定機能とを移動局に取り込み、通信チ
ャネルの選定時間を短縮するとともに、通信中の他のシ
ステムに妨害を与えることのない優れた無線通信方式を
提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するため、複数の基地局と複
数の移動局との間で複数の通信チャネルを共用して通信
を行う無線通信方式において、前記各基地局に、他基地
局で使用していない通信チャネルを検出し、検出した通
信チャネルを使用して移動局に対して接続許可信号を一
定周期で送信する手段を備え、前記各移動局に、通信可
能範囲にある各基地局からの前記接続許可信号を受信
し、受信時の各基地局とその通信チャネル及び受信電界
レベルを記憶し、前記各移動局は、通信時に、通信相手
として最適な基地局に対して、その基地局に対応して記
憶している通信チャネルを使用して通信するものであ
る。

（作 用） 各基地局は、キャリアセンスを行うことにより他基地
局で使用していない通信チャネルを調べ、その通信チャ
ネルを使用して移動局に接続許可信号を一定周期で送信
する。

各移動局は移動位置によって通信可能な基地局が変わ
ることがある。そこで、各移動局は前記接続許可信号を
受信し、通信可能な基地局と通信チャネル及び受信電界
レベル等の情報を確認して記憶しておく。

各移動局は、通信を行なう場合、既に記憶している通
信可能な基地局と通信チャネルを読み出し、その基地局
に対し、その通信チャネルで通信を行う。

これにより、各移動局は通信可能な基地局を迅速に決
定し、他移動局の通信に妨害を与えることのない通信チ
ャネルを使用して、即通信を開始することができる。

（実施例） 第１図は本発明の実施例を示す構成図であって、複数
の基地局１−１〜１−ｎ、複数の移動局２−１〜２−m,
通信制御装置３とから構成され、一つの通信エリア、い
わゆる小ゾーンをカバーしている。

各基地局１−１〜１−ｎは、各移動局２−１〜２−ｍ
のうちの複数局と無線回線（通信チャネル）を構成する
ことができる複数の無線装置と、接続される移動局間で
のデータ伝送、通信制御装置３間でのデータの授受、そ
の他所定の通信手順を実行する制御装置とから構成され
ている（いずれも図示せず）。

また、移動局２−１〜２−ｍは各基地局１−１〜１−
ｎと任意のチャネルで無線回線を構成することができる
無線装置と、データ伝送を行う機能を備えたデータ端末
とから構成されている（いずれも図示せず）。

そして、各移動局２−１〜２−ｍは、複数の通信チャ
ネルの中の空き通信チャネルを使用して、最適の基地局
にデータを送信し、該データは通信制御装置３を介して
所定の相手に伝送される。

次に、本実施例の動作を第１図および第３図に基づい
て、基地局、移動局に分けて詳しく説明する。なお、第
３図は基地局、移動局の動作を示すフローチャートであ
る。

まず、各基地局１−１〜１−ｎの動作について説明す
る。基地局は、電源が投入されると自動的にキャリアセ
ンスを開始し（第３図100）、自局周辺で使用されてい
ない空きの通信チャネルを確認する（第３図101）。こ
こで、各基地局は、他基地局の使用通信チャネルを確実
に確認できよう設定されている。各基地局は、次いで、
その空きの通信チャネルを使用して自局ID番号等を含む
接続許可信号を一定時間、通信エリア内の各移動局２−
１〜２−ｍに送信し（第３図102）、各移動局からの応
答を待つ（第３図103）。第１図では、基地局１−１は
無線周波数f₁の通信チャネルを使用して、基地局１−２
は無線周波数f₂の通信チャネルを使用して、基地局１−
ｎは無線周波数f_nを使用して、それぞれ接続許可信号を
各移動局２−１〜２−ｍに送信している場合を示してい
る。各基地局は一定時間以内に移動局から応答がないと
きは上記の通信チャネルを使用して上記接続許可信号を
再送信し、これを応答があるまで繰り返す（第３図102,
103,104）。各基地局はいずれかの移動局から応答があ
ったときは、直ちに上記接続許可信号の送信を停止して
（第３図105）、無線回線（上記通信チャネル）の接続
を確立し（第３図106）、該通信チャネルを介してデー
タ伝送を開始する（第３図107）。データ伝送の終了
後、上記無線回線の接続を解除し（第３図108）、基地
局は空き通信チャネルを探して接続許可信号を送信し、
次の通信に備える。

次に、各移動局２−１〜２−ｍの動作を説明する。各
移動局は、電源が投入されると自動的にキャリアセンス
を開始し（第３図200）、通信エリア内の各基地局１−
１〜１−ｎから送信される接続許可信号を検出する（第
３図201）。そして、検出した接続許可信号ごとに、そ
こに含まれる基地局ID番号と、その接続許可信号を受信
したときの電界強度およびその通信チャネルとをメモリ
内に記憶していく（第３図202）。これにより、各移動
局は自局が通信できる範囲内にあるすべての基地局を直
ちに知ることができる。例えば第１図において、移動局
２−１は基地局１−1,1−２から送信される接続許可信
号を受信できたとすると、その基地局ID番号、その通信
チャネル（又は、無線周波数f₁,f₂）、電界強度等をメ
モリ内に記憶する。各移動局はデータを基地局に送信す
る（第３図203）、先にメモリ内に記憶した各電界強度
を調べ、最もレベルの高い電界強度に該当する基地局の
ID番号、通信チャネルを読み出し、その通信チャネルを
使用して当該基地局から次に送信されてくる接続許可信
号を待つ（第３図204,205）。各基地局は、もし一定時
間経過しても上記の接続許可信号を受信できない場合
は、その次に電界強度の高い基地局を選択し、該当する
通信チャネルで送信される接続許可信号を待つ。以下、
受信できない場合は同様にして順次基地局を変えていく
（第３図205,206,207）。各移動局は該当する基地局か
らの接続許可信号を受信すると、上記通信チャネルを使
用してその基地局にデータ伝送を要求する応答信号を送
信する（第３図208）。これにより上記の基地局は接続
要求信号の送信を停止し、移動局と基地局との間で、上
記通信チャネルによる無線回線の接続が確立され（第３
図209）、移動局と基地局間でデータの伝送が実行され
る（第３図210）。そして、データの伝送が終了する
と、上記無線回線は解放され、他移動局による使用が可
能となる。

（発明の効果） 以上、詳細に説明したように本発明によれば、基地局
においてキャリアセンス手段と接続許可信号送信手段と
を、移動局において複数基地局との通信可能基地局を記
憶する手段をそれぞれ設けたため、移動局か基地局へ通
信を行う場合、通信すべき最適基地局と通信チャネルを
迅速に選定でき、即通信を開始することができる。

また、接続許可信号が受信できない移動局からの送信
がなくなるため、同一通信チャネルを使用した他のシス
テムからの妨害を受けることもなくなる。

さらに、基地局はキャリアセンス手段を持つことから
トラヒックの増加に伴い、基地局を増設しても本システ
ム構成への影響もなく、通信制御装置の負荷も非常に少
なくでき小規模から大規模システムへの拡張も容易に行
えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の構成図、第２図は従来の無線
通信システムの構成図、第３図は基地局、移動局の動作
を示すフローチャートである。 １−１〜１−ｎ……基地局、２−１〜２−ｍ……移動
局、３……通信制御装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の基地局と複数の移動局との間で複数
   の通信チャネルを共用して通信を行う無線通信方式にお
   いて、 前記各基地局に、他基地局で使用していない通信チャネ
   ルを検出し、検出した通信チャネルを使用して移動局に
   対して接続許可信号を一定周期で送信する手段を備え、 前記各移動局に、通信可能範囲にある各基地局からの前
   記接続許可信号を受信し、受信時の各基地局とその通信
   チャネル等の情報を記憶し、 前記各移動局は、通信時に、記憶している基地局に対し
   て、その基地局に対応して記憶している通信チャネルを
   使用して通信を行うことを特徴とする無線通信方式。