JP2710366B2 - ブレーキ摩擦材 - Google Patents

ブレーキ摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、自動車等に使用されるブレーキ摩擦材に
係り、特に、摩耗性能、耐腐食性に優れたブレーキパッ
ドに関するものである。
「従来の技術」 従来、自動車等のブレーキ摩擦材としては、スチール
繊維を基材とするものが多く使用されている。
これらブレーキ摩擦材は、基材としてのスチール繊維
に、潤滑材としての黒鉛、充填材としての硫酸バリウム
等を添加、結合材としてのフェノール樹脂、または縮合
多環芳香族炭化水素からなる樹脂を添加した後、各成分
が均一となるように充分に混合攪拌し、更に、これを圧
縮成形することにより作製されたものである。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、前記ブレーキ摩擦材は、基材にスチール繊
維を使用しているので、制動時に、前記ブレーキ摩擦材
がディスクロータと摺動して高温となった場合に、該ス
チール繊維がディスクロータに焼き付き、その結果、ブ
レーキ摩擦材が激しく摩耗するという不具合が発生して
いた。
また、前記ブレーキ摩擦材をディスクロータと摺動さ
せずに、長期間放置していた場合には、放置中にスチー
ル繊維及びディスクロータに錆が生じるとともに、この
錆が原因となって、これらスチール繊維とディスクロー
タとが固着する等の不具合が発生していた。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、基材がディスクロータに焼き付くことを防止すると
ともに、基材の錆が原因で該基材がディスクロータに固
着することを防止したブレーキ摩擦材の提供を目的とす
る。
「課題を解決するための手段」 上記の目的を達成するために、本発明では、(1)基
材に、黒鉛などの潤滑材、硫酸バリウムなどの充填材、
これらを互いに結合する結合材等を配合して得られるブ
レーキ摩擦材において、前記基材の全部または一部を炭
素繊維によって構成し、かつ、前記結合材を縮合多環芳
香族炭化水素(Condensed Polynueclear Aromatic Hydr
ocardon;COPNA)からなる樹脂(以下、COPNA樹脂と略記
する)とした。ここで、COPNA樹脂とは、例えばピッチ
に代表される縮合多環式芳香族化合物と、架橋剤及び酸
触媒とを反応させて得られる熱可塑性状態を有する中間
生成物を指す。
(2)前記基材に、結合材である縮合多環芳香族炭化水
素で予め被覆した炭素繊維を用いるようにしている。
「作用」 第1の発明によれば、基材に耐熱性の良い炭素繊維を
用いることによって、該基材がディスクロータに焼き付
くこと、錆により固着すること、火花等が発生すること
がなく、また、結合材として、炭素繊維とより構造が類
似し、ぬれ性が良いCOPNA樹脂を用いることによって、
結合材と炭素繊維との結合を強めることができる。
第2の発明によれば、前記基材である炭素繊維に、結
合材である縮合多環芳香族炭化水素を予め被覆しておく
ことにより、結合材と炭素繊維との結合を更に強めるこ
とができる。
「実施例」 本発明に係るブレーキ摩擦材を作製してその効果を確
認した。
まず、その製造工程を以下に示す。
(1)基材として、径が18〔μm〕、長さが10〜25〔m
m〕の炭素繊維、結合材としてピッチを原料としたCOPNA
樹脂、潤滑材として黒鉛、充填材として硫酸バリウム、
その他(例えばシリカアルミナ粉末など)を用意した。
前記基材としての炭素繊維は、クロロホルムに溶解し
たCOPNA樹脂に含浸、混合させた後、これを約70〔℃〕
で高温乾燥したものを使用した。なお、このときのCOPN
A樹脂の被覆厚さは3〔μm〕以下であった。
また、前記結合材として用いたCOPNA樹脂としては、
第1図及び第2図の平均分子構造式に示すコールタール
ピッチ(出発原料)の縮重合体を使用した。
(2)前記(1)の材料を、表1にで示す通りに配合
し、更に、これをヘンシェルミキサにより混合攪拌した
後、常温下、約300〔kgf/cm2〕で加圧、予備成形した。
次いで、この成形物を温度160〔℃〕、500〔kgf/cm2
の圧力で成形硬化させ、その後、常圧にて230〔℃〕で
約3時間、加熱硬化させて所定のブレーキ摩擦材を得
た。
(3)上記のように作製したブレーキ摩擦材の耐摩耗
性を、「乗用車ブレーキ装置ダイナモメータ試験(社団
法人 自動車技術会規格C−406)」に従って試験し、
その結果を表2にまとめた。
また、このブレーキ摩擦材とディスクロータとの固
着力を「ブレーキライニング,パッドの物理的性質試験
(社団法人 自動車技術会規格C−444)」に従って試
験し、これらブレーキ摩擦材とディスクロータとの固着
の原因となる錆付き度合いを、同じく表2にまとめた。
また、前記ブレーキ摩擦材と比較するために、表1
で示すように、基材の種類、基材と結合材との重量%を
変更して、ブレーキ摩擦材〜を作製し、更に、この
ブレーキ摩擦材〜についても、前述したような同様
の試験を行ない、その試験結果を表2にまとめた。
ここで、ブレーキ摩擦材〜の分類について上記表
1を参照して具体的に説明すると、まず、ブレーキ摩擦
材は結合材の種類をCOPNA樹脂に代えてフェノール樹
脂としたものであり、ブレーキ摩擦材は基材を炭素繊
維に代えてスチール繊維としたものであり、また、ブレ
ーキ摩擦材は基材を炭素繊維に代えてスチール繊維と
し、かつ結合材の種類をCOPNA樹脂に代えてフェノール
樹脂としたものである。
(4)上記ブレーキ摩擦材〜の試験結果として示し
た表2について説明すると、基材に炭素繊維を使用した
ブレーキ摩擦材・は共に固着力が0となって防錆効
果があることが確認されるとともに、特に、結合材とし
てCOPNA樹脂を用いた本実施例に係るブレーキ摩擦材
の方が、フェノール樹脂を用いたブレーキ摩擦材より
耐摩耗性に優れていることが確認された。
また、ブレーキ摩擦材とブレーキ摩擦材〜とを
比較して判るように、炭素繊維とCOPNA樹脂とを配合し
たものの方が、スチール繊維またはフェノール樹脂の少
なくとも一方を配合したものより、いずれも耐摩耗性に
優れていることが確認された。
なお、上記実施例では、基材を全て炭素繊維とした
が、これに限定されず、スチール繊維、銅、ステンレス
等の繊維、セラミック繊維、ケブラ等のアラミッド繊維
など、あるいはこれらを組み合わせた繊維を一部混合さ
せても良い。
また、基材として使用される炭素繊維は5〜30重量%
の割合で配合することが望ましい。これは、基材として
使用される炭素繊維の量を5重量%以上とすることによ
り、結果的にディスクロータに固着し易いスチール繊維
等の金属繊維の使用を制限でき、かつ、同炭素繊維の量
を30重量%以下とすることにより、比較的、密度の小さ
い炭素繊維の全体に占める体積率が小となって、ブレー
キ摩擦材の成形を簡易に行うことができるからである。
また、前記結合材としての縮合多環芳香族炭化水素か
らなる樹脂にピッチを原料とするものを用いることが望
ましい。これは、ピッチを原料とした縮合多環芳香族炭
化水素からなる樹脂が、潤滑材である黒鉛により構造が
類似し、ぬれ性が良いことから、基材としての炭素繊維
や潤滑材との良好な接着性を得ることができ、これによ
り、ブレーキ摩擦材とディスクロータとの摺動性能を向
上させて、該ブレーキ摩擦材の摩耗量を低く抑えること
ができるからである。
更に、前記記材として、縮合多環芳香族炭化水素から
なる樹脂で予め被覆した炭素繊維を用いるようにした
が、その作製は、上記工程(1)で示したように、縮合
多環芳香族炭化水素からなる樹脂を溶剤(例えば、クロ
ロホルム)で溶かしたものに炭素繊維を浸した後、溶剤
を揮発させるようにする外、前記炭素繊維を溶剤(例え
ば、メタノール)で湿らせた後、前記樹脂に接触させて
付着させるようにするといった方法が用いられる。
また更に、前記ブレーキ摩擦材に用いる炭素繊維
は、径が18〔μm〕、長さが10〜25〔mm〕のものを使用
したが、径が10〜20〔μm〕、長さが50〔mm〕以下の範
囲であれば、この数値に限定されない。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、基
材に耐熱性の良い炭素繊維を用いることによって、該基
材がディスクロータに焼き付くことが防止されて、耐摩
耗性が低下することが防止される。また、前記炭素繊維
を用いることによって、ブレーキ摩擦材とディスクロー
タとが錆により固着することが防止され、また、火花等
が発生して制動中に発生する樹脂の分解ガスに引火する
ことが防止される。また、結合材として、炭素繊維と構
造が類似するCOPNA樹脂を用いることによって、結合材
と炭素繊維との結合を強めることができ、これによっ
て、制動中に炭素繊維が脱落することが防止され、この
点においても、耐摩耗性の向上が図られる。
第2の発明によれば、前記基材である炭素繊維に、結
合材である縮合多環芳香族炭化水素を予め被覆しておく
ことにより、結合材と炭素繊維との結合を更に強めるこ
とができ、耐摩耗性の一層の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、COPNA樹脂の一例として挙げたピ
ッチ系COPNA樹脂の出発原料を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に、黒鉛などの潤滑剤、硫酸バリウム
    などの充填材、これらを互いに結合する結合材等を配合
    して得られるブレーキ摩擦材において、 前記基材の全部または一部が炭素繊維であり、かつ、前
    記結合材が縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂(COPN
    A樹脂)であることを特徴とするブレーキ摩擦材。
  2. 【請求項2】前記基材に、結合材である縮合多環芳香族
    炭化水素で予め被覆した炭素繊維を用いたことを特徴と
    する請求項1記載のブレーキ摩擦材。
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