JPH05248465A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents

ブレーキ摩擦材

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Publication number
JPH05248465A
JPH05248465A JP12228492A JP12228492A JPH05248465A JP H05248465 A JPH05248465 A JP H05248465A JP 12228492 A JP12228492 A JP 12228492A JP 12228492 A JP12228492 A JP 12228492A JP H05248465 A JPH05248465 A JP H05248465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake friction
copna
friction material
disc rotor
base material
Prior art date
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Pending
Application number
JP12228492A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Miyake
信吾 三宅
Yoshiki Takei
喜樹 武井
Yoshio Senoo
良夫 妹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材に、従来より使用されているスチール繊
維、炭素繊維ではない全く新しい材料を選択し、これに
よって相手材であるディスクロータの対する攻撃性を低
減させ、同時にせん断強度、耐摩耗性の大幅向上を図っ
たブレーキ摩擦材の提供を目的とする。 【構成】 基材にCOPNA繊維を用いることによって
ディスクロータへの攻撃性を抑え、これによってディス
クロータが傷つくこと、更にディスクロータとの摺動時
に鳴きが発生することを防止する。COPNA繊維は、
ディスクロータとの摺動時において外力を受けて引っ張
られると、その表面に凹凸が形成される特性があり、こ
れによりCOPNA繊維と結合材との結合性、密着性が
高まって、せん断強度、耐摩耗性を向上させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等に使用されるブ
レーキ摩擦材に係り、特にせん断強度等の機械的強度及
び耐摩耗性に優れ、かつディスクロータ攻撃性をも低減
させたブレーキパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等のブレーキ摩擦材として
は、スチール繊維やアスベスト、炭素繊維などを基材と
するものが多く使用されている。これらブレーキ摩擦材
は、例えば、基材としてのスチール繊維に、潤滑材とし
ての黒鉛、充填材としての硫酸バリウム、結合材として
のフェノール樹脂を添加した後、これら各成分が均一と
なるように充分に混合撹拌し、更にこれを圧縮成形する
ことにより作製されたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なブレーキ摩擦材では、例えば基材にスチール繊維を使
用した場合に、該ブレーキ摩擦材と摺動する、相手材で
あるディスクロータに対する攻撃性が高くなり、これに
より該ブレーキ摩擦材とディスクロータとの摺動時に、
異音である鳴きが発生する恐れがあった。また、炭素繊
維を基材にしたものでは、結合材であるフェノール樹脂
との密着性が良好でなく、せん断強度等の機械的強度、
及び耐摩耗性が低下するといった問題があった。このた
め、結合材にフェノール樹脂を採用する場合には、密着
性を良くするため炭素繊維に、結合材であるフェノール
樹脂を予め被覆する等の処理を行う必要があった。
【0004】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、基材に、従来より使用されているスチー
ル繊維、炭素繊維ではない全く新しい材料を選択し、こ
れによって相手材であるディスクロータの対する攻撃性
を低減させて、鳴きの発生を防止するとともに、せん断
強度等の機械的強度、及び耐摩耗性の大幅向上を図った
ブレーキ摩擦材の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、第1の発明では、基材に、結合材、潤滑材、充填材
等が配合されてなるブレーキ摩擦材において、前記基材
に縮合多環芳香族炭化水素からなる繊維(以下COPN
A繊維という)を用いるようにしている。
【0006】第2の発明では、前記結合材に、縮合多環
芳香族炭化水素からなる樹脂(以下COPNA樹脂とい
う)を用いるようにしている。
【0007】
【作用】本発明によれば、基材にCOPNA繊維を用い
ることによってディスクロータへの攻撃性を抑え、これ
によってディスクロータが傷つくことが防止され、更に
ディスクロータとの摺動時に鳴きが発生することも防止
される。また、基材として用いた前記COPNA繊維
は、ディスクロータとの摺動時において外力を受けて引
っ張られると、その表面に凹凸が形成される特性があ
り、これによりCOPNA繊維と結合材との結合性、密
着性が高まる。また、結合材に基材と同じ成分であるC
OPNA樹脂を用いることにより、該結合材と、基材で
あるCOPNA繊維とを良好に結合させることができ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図3を参照
して説明する。まず、本発明のブレーキ摩擦材は、基材
としてのCOPNA繊維に、結合材、潤滑材、充填材等
を添加した後、これら各成分が均一となるように充分に
混合撹拌し、更にこれを圧縮成形、加熱、硬化すること
により作製されたものである。なお、前記結合材として
はCOPNA樹脂またはフェノール樹脂が使用され、前
記潤滑材としては黒鉛が、前記充填材としては硫酸バリ
ウムがそれぞれ使用される。
【0009】次に、上記基材であるCOPNA繊維を得
るための工程と、このCOPNA樹脂を用いてブレーキ
摩擦材を得るための工程とについて説明する。原料であ
る縮合多環芳香族化合物、PXG(パラキシレングリコ
ール)、酸触媒の混合物を100℃以上に加熱すると、
該混合物は最初は水のような低粘度の液体であるが、反
応が進むにつれて次第に粘度が大きくなり、1時間前後
で攪拌機が廻らない程度になる。この段階で加熱を止め
て室温まで冷却すると、光沢のある硬い固体(COPN
A樹脂)になる。加熱の程度によって、60℃から10
0℃程度の軟化点を持つ。硬化途中のこの段階の樹脂を
「Bステージ樹脂」と呼んでいる。Bステージ樹脂を溶
融紡糸し、得られたBステージ樹脂繊維を室温で95パ
ーセント以上の濃硫酸中に数分間浸潰し、水洗乾燥する
ことによって硬化繊維であるCOPNA繊維が得られ
る。なお、前記COPNA繊維は、長さが0.1〜10
mm 、径が1〜100μm、曲げ強さが300kg/
cm2 以上のものを用いることが好ましい。また、縮合
多環芳香族化合物としては、図2に示される、例えば石
油またはコールタールより得られるピッチを原料とし
た、AまたはBまたはCのような性状のものが使用され
る。
【0010】そして、このようにして得られた基材とし
てのCOPNA繊維を100重量部、結合材としてのフ
ェノール樹脂を100重量部、その他の成分として30
0重量部を配合し(例えば、潤滑材としての黒鉛、充填
材としての硫酸バリウムなど)、これらをレーディゲミ
キサにて混合攪拌した後、常温で約300kgf/cm
2 で加圧して予備成形し、さらに加熱プレスにより約1
60℃の温度にて約500kgf/cm2 で加圧して成
形硬化させ、その後に熱処理して完全に硬化させること
により、ブレーキ摩擦材(1)(第1の発明に係るブレ
ーキ摩擦材)を得た。
【0011】また、結合材として前記フェノール樹脂に
代えて、COPNA樹脂を用い、上記ブレーキ摩擦材
(1)を作製したときと同じ条件でブレーキ摩擦材
(2)を作製した。すなわち、基材としてのCOPNA
繊維を100重量部、結合材としてのCOPNA樹脂を
100重量部、その他の成分として、300重量部を配
合し(例えば、潤滑材として黒鉛、充填材として硫酸バ
リウムなどを使用)、これらを混合攪拌した後、常温で
約300kgf/cm2 で加圧して予備成形し、さらに
加熱プレスにより約180℃の温度で加圧して成形硬化
させ、その後に熱処理して完全に硬化させることによ
り、ブレーキ摩擦材(2)(第2の発明に係るブレーキ
摩擦材)を得た。
【0012】次に、上記ブレーキ摩擦材と比較するため
のブレーキ摩擦材(3)(4)を、本発明のブレーキ摩
擦材(1)(2)と同様の製法により以下のように作製
した。すなわち、基材としての炭素繊維を100重量
部、結合材としてのフェノール樹脂を100重量部、そ
の他の成分として300重量部を配合し(その他の成分
は、上述した本発明に係るブレーキ摩擦材(1)(2)
と同じ成分とする)、これらをレーディゲミキサにより
混合した後、常温にて約300kgf/cm2 で加圧し
て予備成形し、さらに加熱プレスにより、約160℃の
温度にて加圧して成形硬化させ、その後に熱処理して完
全に硬化させることにより、図1の表に示す比較例とし
てのブレーキ摩擦材(3)を得た。
【0013】また、基材としてのスチール繊維を300
重量部、結合材としてのフェノール樹脂を100重量
部、その他の成分を300重量部を配合し(その他の成
分は、上述した本発明に係るブレーキ摩擦材と同じ成分
とする)、上記ブレーキ摩擦材(1)〜(3)と同様の
製法で、比較例としてのブレーキ摩擦材(4)を得た。
【0014】そして、以上のようにして得た本発明に係
るブレーキ摩擦材(1)(2)、及び比較例としてのブ
レーキ摩擦材(3)(4)のブレーキ摩擦材のせん断強
度をJAS0.Cー444(社団法人 自動車技術会規
格) に従って試験した。また、これらブレーキ摩擦材
の耐摩耗性、及びディスクロータ攻撃性をJAS0.C
ー406(社団法人 自動車技術会規格)に従って試験
し、その結果を図1に示す。そして、図1の表を参照し
て判るように、基材にCOPNA繊維を用いた本発明に
係わるブレーキ摩擦材(1)及び(2)は、基材に炭素
繊維を用いた比較例のブレーキ摩擦材(3)、及び基材
にスチール繊維を用いた比較例のブレーキ摩擦材(4)
と比べて、せん断強度が高く、過酷な状況で使用した場
合であっても良好にブレーキ力を発揮することが確認さ
れた。また、これらブレーキ摩擦材(1)及び(2)に
おいて、特に、基材にCOPNA繊維を用い、かつ結合
材にCOPNA樹脂を用いたブレーキ摩擦材(2)で
は、ブレーキ摩擦材(1)に対しても高いせん断強度を
有し、ブレーキ摩擦材(1)より更に過酷な状況で使用
した場合であっても良好にブレーキ力を発揮することが
確認された。
【0015】また、耐摩耗試験後の摩耗量を比べると、
本発明に係わるブレーキ摩擦材(1)(2)は、比較例
のブレーキ摩擦材(3)(4)と比較して小さい値であ
る、すなわち高い耐摩耗性を有することが確認された。
また、耐摩耗試験後のディスクロータの表面粗さを比較
すると、本発明に係わるブレーキ摩擦材(1)(2)で
は、特に、基材としてのスチール繊維を使用したブレー
キ摩擦材(4)と比較して、ディスクロータの表面粗さ
が小さい、すなわちロータ攻撃性が低く、本発明に係わ
るブレーキ摩擦材(1)(2)を長期に亙り使用して
も、ディスクロータを傷つけず、良好なブレーキ力が得
られることが確認された。
【0016】また、この耐摩耗試験時において、ディス
クロータとの摺動時に生じる特異な音である、いわゆる
鳴きをも測定したが、ブレーキ摩擦材(1)(2)で
は、ブレーキ摩擦材(4)と比較して鳴きが少なく、鳴
き性能に対しても良好な結果が得られることが確認され
た。なお、本実施例に示すブレーキ摩擦材では、基材の
全てをCOPNA繊維としたが、これに限定されず、基
材の一部をCOPNA繊維とし、残りを他の成分(例え
ばスチール繊維、アスベスト、炭素繊維)としても良
い。
【0017】以下、本発明に係わるブレーキ摩擦材
(1)(2)が、比較例のブレーキ摩擦材(3)(4)
と比較して、せん断強度及び耐摩耗性が優れている理由
について考察する。図3はブレーキ摩擦材(1)(2)
の基材に用いたCOPNA繊維(ピッチ系のCOPNA
繊維)の単体を、引張試験を行った後の外観を示すもの
であるが、表面にボイドのような凹凸が形成されてい
る。なお、このような表面の凹凸は、COPNA繊維の
引張った際の変形時において形成されるものであり、こ
れにより、このようなCOPNA繊維が基材として混入
されているブレーキ摩擦材(1)(2)では、ディスク
ロータとの摺動時において外力が加わると、COPNA
繊維の表面に形成された凹凸により、該COPNA繊維
と結合材との結合性、密着性が高まり、その結果、これ
らブレーキ摩擦材(1)(2)のせん断強度、耐摩耗性
が向上するものと考えられる。また特に、図1で示すよ
うに、本発明に係わるブレーキ摩擦材(2)のせん断強
度、耐摩耗性が、ブレーキ摩擦材(1)と比較して優れ
た値となったのは、ブレーキ摩擦材(2)の結合材にC
OPNA樹脂を使用したためであり、これにより、該結
合材と基材であるCOPNA繊維との結合性が向上した
ものと考察される。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
係わるブレーキ摩擦材によれば、基材にCOPNA繊維
を用いることによってディスクロータへの攻撃性を抑
え、これによってディスクロータが傷つくことが防止さ
れ、更にディスクロータとの摺動時に鳴きが発生するこ
とが防止される。また、基材として用いた前記COPN
A繊維は、ディスクロータとの摺動時において外力を受
けて引っ張られると、その表面に凹凸が形成される特性
があり、これによりCOPNA繊維と結合材との結合
性、密着性が高まって、せん断強度及び耐摩耗性を向上
させることができる効果が得られる。また、結合材に基
材と同じ成分であるCOPNA樹脂を用いることによ
り、該結合材と、基材であるCOPNA繊維とを良好に
結合させることができ、この点においても、せん断強
度、耐摩耗性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ摩擦材と、本発明のブレ
ーキ摩擦材に比較されるブレーキ摩擦材とを試験した結
果を示す表である。
【図2】COPNA繊維の原料となる縮合多環芳香族化
合物の具体例な性状を示す表である。
【図3】COPNA繊維(ピッチ系のCOPNA繊維)
の単体を、引張試験を行った後の外観図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、結合材、潤滑材、充填材等が配
    合されてなるブレーキ摩擦材において、前記基材に縮合
    多環芳香族炭化水素からなる繊維を用いたことを特徴と
    するブレーキ摩擦材。
  2. 【請求項2】 前記結合材に、縮合多環芳香族炭化水素
    からなる樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載の
    ブレーキ摩擦材。
JP12228492A 1991-05-22 1992-05-14 ブレーキ摩擦材 Pending JPH05248465A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-117687 1991-05-22
JP11768791 1991-05-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05248465A true JPH05248465A (ja) 1993-09-24

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ID=14717812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12228492A Pending JPH05248465A (ja) 1991-05-22 1992-05-14 ブレーキ摩擦材

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JP (1) JPH05248465A (ja)

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020528