JP2709826B2 - ケーブルの固定方法及びそれに使用する固定具 - Google Patents

ケーブルの固定方法及びそれに使用する固定具

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JP2709826B2
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浩二 楠本
泰史 永棟
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電話線、有線テレビ(CATV)等のケーブル
を吊り線に対して固定する方法及びそれに使用する固定
具に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種のケーブルを吊り線に対して固定する方
法としては、柔軟な組紐やロープ等の紐状物を使用し
て、ケーブルを吊り線に対して縛りつけることにより行
われていた。
第11図に従って従来一般に行われている固定方法を説
明すると、ワイヤー等の吊り線1の下にケーブル2を平
行に敷設し、この吊り線1とケーブル2との間に紐状物
3を図面に示すように8字状に巻回する。次いで、この
紐状物3を吊り線1とケーブル2との間の紐状物3に数
回巻回して締め付ける。日本電信電話株式会社の仕様に
おいては、通常紐状物3を吊り線1とケーブル2とに6
回巻回し、次いでその間の紐状物3に3回巻回して締め
付けるべきこととされており、これを6回巻3回締と称
している。
この方法により固定した部分は第12図に示すような状
態となり、ケーブル2が吊り線1に対して一定の間隔を
保持しつつ強固に固定されるのである。そして、所定の
間隔毎にこのようにしてケーブル2を吊り線1に固定
し、吊り線1に沿ってケーブル2を架4設するのであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この従来の方法によれば、紐状物3を
吊り線1とケーブル2とに8字状に巻回するので、第11
図からも理解できるように、紐状物3を吊り線1及びケ
ーブル2に巻きつける度に紐状物3を吊り線1とケーブ
ル2との間に通さなければならず、また吊り線1とケー
ブル2との間の紐状物3を締め付ける際にも、その紐状
物3を吊り線1とケーブル2との間に通さなければなら
ないので、巻回作業が極めて面倒であり長時間を要する
という欠点があった。
一方、吊り線1とケーブル2とを束ねてこれに紐状物
3を単純にグルグルと巻き付けて固定すれば操作は簡単
であり短時間で行うことができるが、吊り線1とケーブ
ル2との固定が不充分であり、これらが相対的にずれ易
いという問題を有する。
そのため、出願人は、これらの問題点を解消するもの
として、実願昭62−69952号及び実願昭62−174609号に
示されるケーブル固定具を考案した。これらの考案は、
共に吊り線とケーブルとの間に固定具を介装し、固定具
と共に吊り線とケーブルに紐状物を巻き付けて固定する
ものである。しかしながら、かかる固定具はケーブルが
1本の場合にはよいが直列又は並列に複数本ある場合に
は適用することができず、また吊り線とケーブルとの間
隔が異なる場合もあり、それに応じて数種類の固定具を
製作しなければならないという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、ケ
ーブルが複数本であっても作業が簡単であって、しかも
吊り線とケーブルとを強固に固定することのできるケー
ブルの固定方法及びそれに使用する固定具を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明に係るケーブルの
固定方法は、柔軟なベルトで吊り線及びケーブルをまと
めて巻回し、少なくとも前記吊り線とケーブルとの間の
ベルトを、内側壁に突条を突設した雄部材と前記突条と
嵌合する凹部を形成した雌部材とを有する固定手段によ
り、前記突条と凹部との間で屈曲させて挟持固定するこ
とを特徴とする。
また、本発明に係る固定具は、内側壁に突条を突設し
た雄部材と、前記雌部材の突条と嵌合する凹部を形成し
た雌部材を有し、前記雄部材と雌部材の両基端部を連結
すると共に、嵌合した両部材の先端部を固定する係止手
段を設け、前記雄部材と雌部材との間に介在せしめたベ
ルトを屈曲挟持することを特徴とする。
〔実施例〕
実施例について図面を参照して説明する。
第1図、第3図、及び第8図乃至第10図は本発明によ
る固定方法により吊り線にケーブルを固定した状態を示
すもので、本発明に係るケーブルの固定方法は、柔軟な
ベルト10で吊り線1及びケーブル2をまとめて巻回し、
少なくとも前記吊り線1とケーブル2との間のベルト10
を固定手段11により屈曲させて挟持固定するものであ
る。
ベルト10は、合成繊維のフィラメント糸或いは紡績糸
より成る織成ベルトを使用すればよい。また、摩擦係数
を上げて密着性をよくしてすべりにくくするために、ベ
ルトに樹脂を含浸処理してもよく、或いはベルト表面に
樹脂をコーティングしてもよい。ベルト10の長さは所望
に応じて定めればよい。ベルト10の幅は少なくとも20mm
あればずれることなく吊り線1とケーブル2を固定する
ことができる。
第1図に示す固定方法は、先ずケーブル2を吊り線1
に沿わせ、吊り線1とケーブル2とを一まとめにベルト
10で巻回して吊り線1とケーブル2との間のベルト10が
3重となるようにし、次いで固定手段11により吊り線1
とケーブル2との間のベルト10を屈曲させ挟持すること
によりケーブル2を吊り線1に固定するものである。か
かる方法でケーブル2を吊り線1に固定するので、本発
明はどのような径のケーブルにも適用することができ
る。
また、第8図に示すように、ベルト10の両端部がケー
ブル2の下方にくるようにベルト10で吊り線1及びケー
ブル2をまとめて巻回し、固定手段11により吊り線1と
ケーブル2との間、及びケーブル2下方のベルト10を屈
曲させ挟持することによりケーブル2を吊り線1に固定
してもよい。
第3図は吊り線1とケーブル2との間隔が大きい場合
の固定方法を示すもので、この場合は、ベルト10の両端
部がケーブル2の下方にくるようにベルト10で吊り線1
及びケーブル2をまとめて巻回して吊り線1とケーブル
2とを所定の間隔に保ち、固定手段11により吊り線1の
下方、ケーブル2の上方、及びケーブル2の下方のベル
ト10を屈曲させ挟持することによりケーブル2を吊り線
1に固定すればよい。
第9図及び第10図はケーブルが複数本ある場合の固定
方法を示すものである。ケーブルが2本ある場合には、
第9図に示すように、ケーブル2,2を上下に平行に並
べ、ベルト10の両端部が最下部のケーブル2の下方にく
るようにベルト10で吊り線1及びケーブル2,2をまとめ
て巻回すると共に、吊り線1とケーブル2、及びケーブ
ル2,2間を所定の間隔に保ち、固定手段11,11…により吊
り線1とケーブル2との間、ケーブル2,2間、及び最下
部のケーブル2下方のベルト10を屈曲させ挟持すること
によりケーブル2を吊り線1に固定すればよい。
また、3本のケーブルを束ねて固定する場合には、第
10図に示すように、ベルト10の両端部がケーブルの下方
にくるようにベルト10で吊り線1及びケーブル2,2,2を
まとめて巻回し、固定手段11により吊り線1とケーブル
2との間、及びケーブル2下方のベルト10を屈曲させ挟
持することによりケーブル2を吊り線1に固定すればよ
い。
このように本発明によれば、ケーブルの本数に関係な
く適用することができる。
次に、前記方法に使用する固定手段たる固定具につい
て説明する。
本発明に係る固定具は、内側壁に突条を突設した雄部
材と、前記雄部材の突条と嵌合する凹部を形成した雌部
材を有し、前記雄部材と雌部材の両基端部を連結すると
共に、嵌合した両部材の先端部を固定する手段を設けて
ある。
固定具11の長さは、使用するベルト10の幅よりも大き
くなるように定めればよい。また、固定具11の高さは、
固定する係止吊り線1とケーブル2との最小間隔に合わ
せて定めればよい。
第2図は本発明に係る固定具の一実施例を示すもので
あり、この固定具11は、内側壁に長手方向に沿って突条
12を突設した雄部材13と、この雄部材13の突条12と嵌合
する凹溝14を内側壁に穿設した雌部材15を有し、雄部材
13の基端部と雌部材15の基端部とをピン16により回動可
能に軸支してある。前記突条12の頂部には、長手方向に
複数の条溝17,17…を刻設しておくと、ベルト10の固定
が強固になり好ましい。また、雄部材13の先端部外側壁
に膨出部18を形成すると共に、雌部材15の先端部には係
止レバー19を軸支してあり、この係止レバー19の基端部
に形成した湾曲部20が前記膨出部18に係合し、雄部材13
と雌部材15とを嵌合固定するように構成してある。かく
して、雄部材13と雌部材15との間に介在せしめたベルト
10は、突条12により屈曲せしめられ、固定具11により強
固に挟持固定される。
第4図に示した実施例では、雄部材13の内側壁に突条
12を突設してあり、雌部材15は枠形状を呈し、前記雄部
材13の突条12と嵌合する開口21を設けてある。そして、
雄部材13の基端部と雌部材15の基端部は、薄肉状の連結
片22により連結してある。また、雄部材13の内側壁に長
手方向と直交する方向に複数の切欠溝23,23…を刻設す
ると共に、雌部材15の内側壁に長手方向に複数の突起2
4,24…を突設してある。これら切欠溝23,23…と突起24,
24…は互いに嵌合して雄部材13と雌部材15との間に介在
せしめたベルト10を長さ方向だけでなく幅方向にも屈曲
させてより強固に固定するために設けたものであり、切
欠溝を雌部材に突起を雄部材に設けてもよいことは勿論
である。雄部材13の先端部には係止爪25を設けてあり、
この係止爪25が雌部材15の側枠26と係合して、雄部材13
と雌部材15とを嵌合固定するように構成してある。
第5図に示す実施例は、第4図に示した固定具11の係
止手段を変形したものである。この実施例においては、
雄部材13の先端部の上下両端に相対向する向きに係止爪
27,27を設けてあり、雌部材15の先端部に設けた係合突
起28と係合して、雄部材13と雌部材15とを嵌合固定する
ように構成してある。
第6図に示した実施例では、係止手段を雄部材13及び
雌部材15と別体に構成してある。雄部材13の内側壁に突
条12を突設し、雌部材15を枠形状として雄部材13の突条
12と嵌合する開口21を設け、雄部材13の基端部と雌部材
15の基端部を薄肉状の連結片22により連結してあること
は前記第4図に示す実施例と同様である。また、同様に
雄部材13の内側壁に長手方向と直交する方向に複数の切
欠溝23,23…を刻設すると共に、雌部材13の内側壁に長
手方向に複数の突起24,24…を突設してある。そして、
雄部材13の外側壁に長手方向に嵌合溝29を設けてある。
一方、U字状係止具30を備え、第7図に示すように、こ
の係止具30の一方の内側壁には前記嵌合溝29と嵌合する
嵌合突条31を突設してあり、他方の内側壁には雄部材13
の側枠26と係合する係合突起32を突設してある。そし
て、係合突条31を嵌合溝29に嵌合せしめると共に係合突
起32を側枠26と係合せしめるように雄部材13及び雌部材
15に係止具30を套嵌して、雄部材13と雌部材15とを嵌合
固定するようにしたものである。
〔作用〕
本発明に係る固定具は、固定しようとする部位のベル
ト10を挟持して係止手段により固定せしめる。すると、
ベルト10は雄部材13の突条12と雌部材15の凹部により屈
曲されて挟持されるので、強固に固定される。
また、第4図乃至第6図に示す固定具を使用すると、
ベルト10は、雄部材13の突条12と雌部材15の凹部により
長さ方向に屈曲されるだけでなく、突起24,24…と切欠
溝23,23…とにより幅方向にも屈曲されるので、より強
固に固定される。
〔発明の効果〕
本発明は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。
本発明によれば、吊り線及びケーブルを幅を有するベ
ルトにより固定するものであり、巻回操作は1回でよ
く、作業を極めて簡単且つ迅速に行うことができる。
また、ベルトは固定手段たる固定具の雄部材の突条及
び雌部材の凹部により屈曲して挟持されるため、ケーブ
ルは吊り線に確実に固定されずれるおそれがない。
さらに、複数のケーブルを固定する場合でも、吊り線
に簡単に固定することができる。
さらにまた、所望により吊り線とケーブルとの間隔を
自在に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は本発明による吊り線とケーブルとの
固定状態を示す斜視図であり、第2図、第4図乃至第6
図は本発明に係る固定具の斜視図であり、第7図は第6
図A−A線断面図であり、第8図乃至第10図は本発明に
よる固定状態の横断面図である。また、第11図は従来の
吊り線とケーブルとを固定する過程を示す正面図であ
り、第12図は従来の吊り線とケーブルとの固定状態を示
す正面図である。 1……吊り線、2……ケーブル、10……ベルト、11……
固定具、12……突条、13……雄部材、14……凹溝、15…
…雌部材、19……係止レバー、21……開口、25、27……
係止爪、30……係止具。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織成ベルトで吊り線及びケーブルをまとめ
    て巻回し、少なくとも前記吊り線とケーブルとの間のベ
    ルトを、内側壁に突条を突設した雄部材と前記突条と嵌
    合する凹部を形成した雌部材とを有する固定手段によ
    り、前記突条と凹部との間で屈曲させて挟持固定するこ
    とを特徴とするケーブルの固定方法。
  2. 【請求項2】内側壁に突条を突設した雄部材と、前記雄
    部材の突条と嵌合する凹部を形成した雌部材を有し、前
    記雄部材と雌部材の両基端部を連結すると共に、嵌合し
    た両部材の先端部を固定する係止手段を設け、吊り線及
    びケーブルをまとめて巻回したベルトの一部を、前記雄
    部材と雌部材との間に介在せしめて屈曲挟持することを
    特徴とする固定具。
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