JP2709560B2 - Frp面板ハニカムサンドイッチ構造材の製造方法 - Google Patents

Frp面板ハニカムサンドイッチ構造材の製造方法

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JP2709560B2
JP2709560B2 JP5088148A JP8814893A JP2709560B2 JP 2709560 B2 JP2709560 B2 JP 2709560B2 JP 5088148 A JP5088148 A JP 5088148A JP 8814893 A JP8814893 A JP 8814893A JP 2709560 B2 JP2709560 B2 JP 2709560B2
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honeycomb
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康宏 伊藤
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機及び宇宙機器の
構造材料に用いるFRP面板ハニカムサンドイッチ構造
材を製造する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりFRPを面板とするハニカムサ
ンドイッチ構造材は、航空機及び宇宙機器の構造材料と
して、軽量,耐衝撃性,圧縮強度,引張強度,剪断強度
に優れているとして適用が進められている。
【0003】このFRPを面板とするハニカムサンドイ
ッチ構造材の製造方法は、ハニカムコアを上下両面から
接着剤シートを介して又は直接FRP面板用プリプレグ
積層体で挾んで加熱接着成形するものである。
【0004】ところで、この製造方法に於いては、プリ
プレグ積層体,接着剤シート,ハニカムコアから吸湿水
分及びプリプレグ樹脂中の揮発成分,接着剤シート中の
揮発成分等のガス分が発生する。このガス分は、接着等
のために必要な加熱により膨張してハニカムコアのセル
内の圧力を増大させる。この圧力増大は、無数にあるハ
ニカムコアのセルに於いて必ずしも均一に起らないで、
隣接セルと圧力差を持つことがある。このような圧力差
は、ハニカムサンドイッチ構造材が大型化すればする程
発生頻度が高くなる。このハニカムコアの隣接セル同士
の圧力差によってセルの壁が膨張するように変形し、つ
いにはハニカムノードを破壊することがある。このよう
な不具合は、前記ハニカムサンドイッチ構造材が大型化
する程発生頻度が高い。従来、大型のハニカムサンドイ
ッチ構造材の成形が無かったため、前記ハニカムコア破
壊の不具合が無く、このような問題が判らなかった(先
行技術文献として、例えば特開平3−99833号公報
がある。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ハニ
カムコア中の圧力自体を高くしないように増圧するガス
分を逃がすことで隣接するセル同士の圧力差発生を抑制
し、これによってセルの壁が膨張変形せず、ハニカムノ
ードが破壊されないFRP面板ハニカムサンドイッチ構
造材を作ることのできる方法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のFRP面板ハニカムサンドイッチ構造材の製
造方法の1つは、FRPを面板とするハニカムサンドイ
ッチ構造材を製造するに於いて、一方のFRP面板用プ
リプレグ積層体にピンホールをあけ、このFRP面板用
プリプレグ積層体と他方のピンホールをあけない面板用
材料とにより ニカムコアを挾んで加熱接着成形し、こ
の加熱接着成形により発生するガス分を前記ピンホール
から外部へ逃がして、ハニカムコアの隣接セル同士の間
に圧力差を発生させないようにした後、前記ピンホール
を樹脂等にて埋めて封塞することを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明のFRP面板ハニカムサンドイッチ
構造材の製造方法の他の1つは、FRPを面板とするハ
ニカムサンドイッチ構造材を製造するに於いて、一方の
FRP面板用プリプレグ積層体とハニカムコアとの間、
或いはハニカムコア同士の接着層に沿って、若しくはハ
ニカムコア同士の接着層内に、中空繊維を挾み込んで、
その一端をハニカムセル内に開口し、他端を前記ハニカ
ムサンドイッチ構造材の外部に配した上、他方の面板用
材料とによりハニカムコアを挾んで加熱接着成形し、こ
の加熱接着成形により発生するガス分を前記中空繊維の
他端開口から外部へ逃がして、ハニカムコアの隣接セル
同士の間に圧力差を発生させないようにした後、前記中
空繊維の他端開口を樹脂等にて埋めて封塞することを特
徴とするものである。
【0008】
【作用】上記のように本発明のFRP面板ハニカムサン
ドイッチ構造材の製造方法では一方のFRP面板用プ
リプレグ積層体にピンホールをあけ、このFRP面板用
プリプレグ積層体と他方のピンホールをあけない面板用
材料とによりハニカムコアを挾んで加熱接着成形した
り、一方のFRP面板用プリプレグ積層体とハニカムコ
アとの間、或いはハニカムコア同士の接着層に沿って、
若しくはハニカムコア同士の接着層内に、中空繊維を挾
み込んで、その一端をハニカムセル内に開口し、他端を
外部に配した上、他方の面板用材料とによりハニカムコ
アを挾んで加熱接着成形したりするのでFRP面板用
プリプレグ積層体,接着剤,ハニカムコアから吸湿水分
の蒸気及びFRP面板用プリプレグ積層体,接着剤の揮
発成分等のガス分が発生して加熱により膨張し、ハニカ
ムコアのセル内で圧力増大しても、その圧力増大分は接
着境界面を伝い、ピンホールから外部へ逃げたり、中空
繊維を通って外部へ逃げる。これによって前記ハニカム
コアのセル内で発生する圧力増大自体が抑制され、隣接
するセル同士に大きな圧力差を残すことがなくなる。従
って、FRP面板ハニカムサンドイッチ構造材の製造
時、ハニカムコアのセルの壁が膨張変形せず、ハニカム
ノードが破壊されることがない。
【0009】
【実施例】本発明のFRP面板ハニカムサンドイッチ構
造材の製造方法の1つの一実施例を図によって説明する
と、図1,図2に示す航空機の機体外殻構造材料として
用いるFRPを面板とするハニカムサンドイッチ構造材
1を製造するに於いて、先ず、内面側のプリプレグ積層
体よりなるFRP面板用材料2にピンホール3をあけ、
次に、このFRP面板用材料2と他方のピンホールをあ
けないプリプレグ積層体よりなるFRP面板用材料(プ
リプレグ積層体以外の面板用材料の場合もある)4とに
より接着剤シート5を介在してハニカムコア6を挾んで
加熱接着成形した。前記ピンホール3は、本例の場合ハ
ニカムコア6の厚さが他の部分より厚く、成形用の加熱
による温度上昇が最も遅くなる部分に設けられ、本例の
場合3個一定間隔に穿設されている。そしてこれらピン
ホール3の位置は、図3に示すようにハニカムコア6と
ハニカムコア6の突き合わせ接着(スプライスと言う)
する接着層7の付近又はこれに沿った位置のハニカムコ
ア6のセル8に開口されている。
【0010】上記の加熱接着成形において、プリプレグ
積層体よりなるFRP面板用材料2,4が未硬化状態で
加熱接着するため発生する揮発成分接着剤シート5の
加熱により発生する揮発成分、さらにFRP面板用材料
2,4、接着剤シート5,ハニカムコア6から発生する
吸湿水分の蒸気等のガス分が加熱により膨張し、ハニ
カムコア6のセル8内で圧力増大しても、その圧力増大
分は接着剤シート5の内面等を伝い、ハニカムコア6の
厚さの厚い部分のセル8に順次追いやられ、最終的にピ
ンホール3から外部へ逃げる。従って、隣接するセル8
同士に圧力差が生ぜず、セル8の壁が膨張変形せず、ハ
ニカムノードが破壊されることがない。こうしてハニカ
ムコアの隣接セル同士の間に圧力差が発生させないよう
にした後、仕上げ工程として、前記ピンホール3を樹脂
等を埋めて封塞し、FRP面板ハ ニカムサンドイッチ構
造材を製造する。
【0011】次に本発明のFRP面板ハニカムサンドイ
ッチ構造材の製造方法の他の1つの実施例を図によって
説明すると、図4,図5に示す航空機の機体外殻構造材
料として用いるFRPを面板とするハニカムサンドイッ
チ構造材1を製造するに於いて、内面側のプリプレグ積
層体よりなるFRP面板用材料2とハニカムコア6との
間に中空ガラス繊維9を挾み込んで、その一端をハニカ
ムコア6のセル8内に開口し、他端を外部に配すると共
に、外面側のプリプレグ積層体よりなるFRP面板用材
料(プリプレグ積層体以外の面板用材料の場合もある)
4とにより接着剤シート5を介在してハニカムコア6を
挾んで加熱接着成形した。前記中空ガラス繊維9は、本
例の場合ハニカムコア6の厚さが他の部分より厚く、成
形用の加熱による温度上昇が最も遅くなる部分に向けて
設けられ、本例の場合3本その一端を一定間隔にセル8
内に開口し、他端をハニカムサンドイッチ構造材の側端
に於ける内外のFRP面板用材料2,4の間から外部へ
導出して開口している。尚、これらの中空ガラス繊維9
は、図6に示すようにハニカムコア6とハニカムコア6
の突き合わせ接着(スプライスと言う)するスプライス
接着層7に沿わせるように挿入する場合もあり、またス
プライス接着層7内に挾み込む場合もある。
【0012】上記の加熱接着成形において、プリプレグ
積層体よりなるFRP面板用材料2,4が未硬化の状態
で加熱接着するために発生する揮発成分接着剤シート
5の加熱により発生する揮発成分、さらにFRP面板用
材料2,4、接着剤シート5、ハニカムコア6から発生
する吸湿水分の蒸気等のガス分が加熱により膨張し、
ハニカムコア6のセル8内で圧力増大しても、その圧力
増大分は接着剤シート5の内面等を伝い、ハニカムコア
6の厚さの厚い部分のセル8に順次追いやられ、最終的
に中空ガラス繊維9を通って外部へ逃げる。従って、隣
接するセル8同士に圧力差が生ぜず、セル8の壁が膨張
変形せず、ハニカムノードが破壊されることがない。
うしてハニカムコアの隣接セル同士の間に圧力差が発生
させないようにした後、仕上げ工程として、前記中空ガ
ラス繊維9の外部開口端を樹脂等で埋めて封塞し、FR
P面板ハニカムサンドイッチ構造材を製造する。
【0013】尚、上記実施例ではピンホール3や中空ガ
ラス繊維9をハニカムコア6の厚さが他の部分よりも厚
く、成形用の加熱による温度上昇が最も遅くなる部分の
セルに開口して設けているが、FRP面板ハニカムサン
ドイッチ構造材の中央部或いは生産前の試作試験で調査
した高圧化する部分に位置するセルに開口して設ける場
合もある。
【0014】また、ピンホール3の個数や中空ガラス繊
維9の本数は、製造するFRP面板ハニカムサンドイッ
チ構造材の大きさによって決めるもので、小さい場合は
1個のピンホール3、1本の中空ガラス繊維9でも十分
ガス抜き効果があり、大型の場合は数を多くする。
【0015】
【発明の効果】以上の通り本発明のFRP面板ハニカム
サンドイッチ構造材の製造方法によれば、加熱接着成形
時、FRP面板用プリプレグ積層体,接着剤,ハニカム
コアから発生した吸湿水分の蒸気,FRP面板用プリプ
レグ積層体,接着剤から発生した揮発成分等のガス分が
膨張し、ハニカムコアのセル内で圧力増大しても、その
圧力増大分は接着境界面を伝い、ピンホールから外部へ
逃げたり、中空繊維を通って外部へ逃げるので、ハニカ
ムセルの圧力増大自体が抑制され、隣接するセル同士に
圧力差が生ぜず、セルの壁が膨張変形せず、ハニカムノ
ードが破壊されることがない。従って、その後、仕上げ
工程として、ピンホールや中空繊維の外部開口端を樹脂
等で封塞して製造した大型のFRP面板ハニカムサンド
イッチ構造材は、外観良好,軽量高強度,高剛性が保た
れ、航空機及び宇宙機器用として、きわめて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRP面板ハニカムサンドイッチ構造
材の製造方法の1つの一実施例に於いて、加熱接着成形
した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】図2のB矢視部分破断平面図である。
【図4】本発明のFRP面板ハニカムサンドイッチ構造
材の製造方法の他の1つの一実施例に於いて、加熱接着
成形した状態を示す斜視図である。
【図5】図4のC−C線断面矢視図である。
【図6】図5のD矢視部分破断平面図である。
【符号の説明】
1 FRP面板ハニカムサンドイッチ構造材 2 FRP面板材料(プリプレグ積層体) 3 ピンホール 4 面板用材料 5 接着剤シート 6 ハニカムコア 7 接着層 8 ハニカムコアのセル 9 中空ガラス繊維

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FRPを面板とするハニカムサンドイッ
    チ構造材を製造するに於いて、一方のFRP面板用プリ
    プレグ積層体にピンホールをあけ、このFRP面板用プ
    リプレグ積層体と他方のピンホールをあけない面板用材
    料とによりハニカムコアを挾んで加熱接着成形し、この
    加熱接着成形により発生するガス分を前記ピンホールか
    ら外部へ逃がして、ハニカムコアの隣接セル同士の間に
    圧力差を発生させないようにした後、前記ピンホールを
    樹脂等にて埋めて封塞することを特徴とするFRP面板
    ハニカムサンドイッチ構造材の製造方法。
  2. 【請求項2】 FRPを面板とするハニカムサンドイッ
    チ構造材を製造するに於いて、一方のFRP面板用プリ
    プレグ積層体とハニカムコアとの間、或いはハニカムコ
    ア同士の接着層に沿って、若しくはハニカムコア同士の
    接着層内に、中空繊維を挾み込んで、その一端をハニカ
    ムセル内に開口し、他端を前記ハニカムサンドイッチ構
    造材の外部に配した上、他方の面板用材料とによりハニ
    カムコアを挾んで加熱接着成形し、この加熱接着成形に
    より発生するガス分を前記中空繊維の他端開口から外部
    へ逃がして、ハニカムコアの隣接セル同士の間に圧力差
    を発生させないようにした後、前記中空繊維の他端開口
    を樹脂等にて埋めて封塞することを特徴とするFRP面
    板ハニカムサンドイッチ構造材の製造方法。
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