JP2709374B2 - 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置 - Google Patents
絶縁ゲイト型電界効果半導体装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
「発明の利用分野」
本発明は、高速動作を行うための絶縁ゲイト型電界効
果半導体装置に関するもので、超LSI、超々LSIに適用さ
せる基礎ディバイス構造を提案するものである。 「従来の技術」 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置(以下IG.FETとい
う)は、一対の不純物領域であるソース領域、ドレイン
領域とその間に設けられたチャネル形成領域とよりな
り、このチャネル形成領域の状態をゲイト電極に印加さ
れた電界により制御するものである。そしてこのチャネ
ル形成領域は単なる1種類の単結晶半導体材料例えばシ
リコン半導体よりなり、このシリコン半導体にP又はN
型の不純物をドープしてスレッシュホールド電圧の制
御、ソース、ドレイン間のパンチスルーの防止を行って
きた。 「発明の解決しようとする問題」 しかし、この技術ではこれまでキャリアが半導体とゲ
イト絶縁膜との界面およびそのごく近接した半導体領域
に集中して流れ、界面散乱に伴いキャリアの移動度も電
子で約300cm2V/sec、ホールで150cm2V/secしかない。 これは界面散乱を用いつつ、少数キャリアをチャネル
形成領域に注入したためである。さらにソース、ドレイ
ン間の短チャネル化に伴い、このチャネル形成領域をN
チャネルIG.FETの場合P型とする。しかもこの程度は短
チャネル化に伴い、益々高濃度化しなければならない。
このため、さらにキャリアの移動度が小さくなってしま
うという二重の欠点があった。 このため、チャネル長を短くしてもソース・ドレイン
間に空乏層がひろがりにくいこと、さらにキャリアを表
面伝導(界面散乱を伴う伝導)からバルク伝導(界面の
散乱を伴わない伝導)にすることが求められていた。本
発明はこれらを改良せんとするものである。 「問題を解決するための手段」 本発明はこれらの問題を解決するため、IG.FETのチャ
ネル形成領域に半導体層−絶縁体(半絶縁体を含む)層
−半導体層・・・の繰り返しの多層構造からなるスーパ
ーラティス(超格子)構造をキャリアの移動方向に沿っ
て面を有すべく積層して設けたものである。 本発明は、 絶縁体層と、半導体層とがそれぞれ5Å〜100Åの厚
さで交互に複数層設けられた多層部からなるチャネル形
成領域と、 当該チャネル形成領域における上記半導体層に沿って
キャリアを移動させるために設けられた一対のソース領
域およびドレイン領域と、 前記チャネル形成領域上にゲイト絶縁物を介して形成
されたゲイト電極と、 を備えており、 上記ソース領域およびドレイン領域の端面は、上記多
層部を構成する層の内部に向かってチャネル形成領域を
挟めるように設けられていることを特徴とする絶縁ゲイ
ト型電界効果半導体装置である。 この場合、半導体層および絶縁体層を光CVD法および
その後の光ビームアニールまたは光エピタキシァル成長
法を用いて形成し、それぞれの層の厚さは5〜100Å好
ましくは10〜30Åとし、それぞれの層におけるエネルギ
バンド巾はそれを挟む層のエネルギバンドの影響を受け
て変形せしめるいわゆる超格子構造を有せしめた。その
結果、エネルギバンド端が変成されているため、層間の
界面と平行に移動するキャリアにとって界面を実質的に
除去できる。例えば、シリコン半導体20Å−窒化珪素
(Si3N4-X0<X<4)20Å−シリコン半導体20Å・・・
と少なくもシリコン半導体を2層以上設けたものであ
る。これを光CVD法を用いて形成し、さらにその後光ビ
ームアニール工程を加えて単結晶化した。他の方法とし
ては光エピタキシァル成長せしめた。 そのため、各半導体のそれぞれに十分均等にキャリア
注入させるべく、各層の端面は各層の界面に垂直または
ゲイト絶縁膜より離れる(内部に至る)に従ってチャネ
ル形成領域を巾狭(よりチャネル長を短くする方向)に
することが好ましい。 「作用」 かかる場合、ソース、ドレイン間の空乏層は特にドレ
イン側の空乏層は極薄の半導体層にのみのびるが、この
半導体が極薄膜であるため、ソース側に同じ電圧を加え
ても、従来より公知の構成に比べてパンチスルーを生じ
にくい。特にキャリアが従来の如く半導体・絶縁体界面
のみを移動するのではなく、複数のWell(エネルギ的に
相対的に低い井戸型エネルギレベル)を移動するため、
そこでのキャリアが界面に押しつけられる程度のゲイト
電界強度が小さい。経過としてみかけ上NチャネルIG.F
ETの場合、本発明の半導体が例えばI型(P-型)であっ
ても、従来公知のP型(P+型)と同じ程度のバンドの曲
りしかしなくなる。その結果、同一ドレイン電圧でもド
レイン空乏層のソースへの到達、即ちパンチスルーの発
生を押さえることができる。加えてキャリアはI型(P-
型)であるため移動度が大きい。加えて半導体−絶縁体
界面近傍のエネルギバンド巾を実質的に大きくするた
め、リークをしにくく、結果としてチャネル形成領域の
周辺部で発生しやすいいわゆるショートチャネルリーク
をも防ぎやすいという他の特徴を有する。以下に実施例
に従い本発明を説明する。 「参考例1」 第1図は本参考例のIG.FETの製造工程を示す縦断面図
である。 第1図(A)において、単結晶半導体として例えばシ
リコン半導体を用いた。この半導体の表面を十分清浄に
した後、光CVD法を用いシリコン半導体層を25Åの厚さ
に形成する。さらに、窒化珪素(Si3N4-X0<X<4)を
それに続き形成する。さらに再びシリコン半導体を形成
する。これを2〜50回繰り返し、超格子構造を作る。こ
の方法はこれまで本発明人により開発されてきた光CVD
装置(hν−1)を用いた。即ち、反応炉内に基板を保
持し、低圧水銀灯(185nm)を用いて、この紫外光で基
板の表面を照射しつつ反応炉内の圧力を10torrに保持し
た。基板の温度は400℃とした。反応性気体としてジシ
ラン(Si2H6)を用いた。そして所定の時間を経て厚さ1
0〜100Å、例えば25Åのシリコン半導体を形成した。そ
の後、マイクロコンピュータにより制御させつつ、この
系にNH3/Si2H6=0.1〜1例えば0.3として同様に光CVD法
によりSi3N4-X(0<X<4)を形成した。この窒化珪
素膜は低級窒化珪素膜である。この窒化珪素膜を同様に
10〜100Å例えば25Åの厚さに形成した。こうして半導
体層および絶縁体層(または半絶縁体層)の形成をn回
繰り返し行い、少なくとも2層の半導体層一般には2〜
50層をマイクロコンピュータにより制御して形成した。 次にこれら全体を水素雰囲気に浸しつつ、レーザ光、
例えば窒素レーザにより光アニールを行った。すると基
板(10)が単結晶のため、半導体層(1−1),(1−
3)・・・は単結晶化される。また窒化珪素である(1
−2),(1−4)・・・は窒素の添加量に従い単結
晶、歪単結晶または非単結晶の構造をとり得る。 第1図(A)はその一例として半導体層(1−1),
(1−3)、絶縁体または半絶縁体層(1−2),(1
−4)を形成し、この積層体を(1)としている。 この後、本参考例においてはマスク(2)を形成し
て、そのパターンの外側を異方性エッチンングをし、少
なくとも多層部(1)の領域を除去した。さらにこの除
去した部分に絶縁物(4)を充填した。この絶縁物はい
わゆるトレンチ構造の形成方法と同様のプロセスに従っ
た。その後マスク(2)を除去し、第1図(B)を得
た。 その後、第1図(C)に示される如く、ゲイト絶縁膜
(5)およびゲイト電極(8)を形成した。ゲイト絶縁
膜は光CVD法の酸化珪素膜(厚さ200Å)とした。ゲイト
電極は多結晶シリコン、WSi2,TiSi2または半導体−金属
多層構造であってもよい。 この後、ソース(6)、ドレイン(7)をイオン注入
法によりその不純物濃度が1017〜1019cm-3となるように
した。この時、このソース・ドレインの端面は積層体
(1)に対し垂直となるべく努めた。この後これら全体
に光CVD法を用いSiH4とO2の反応により0.5μの厚さに酸
化珪素膜を作製した。さらにそれらに対し、ECR(電子
サイクロトロン共鳴)を用いた異方性エッチングを施
し、ゲイト電極の側周辺のみを(9)に示す如く残し他
部をエッチング除去をした。 更に1×1019〜2×1020cm-3の高濃度のイオン注入に
よりコンタクトのオーム接触用およびソース、ドレイン
の低シート抵抗化を行う領域(6′),(7′)を形成
した。 さらにこれらの熱アニールを行い、その後層間絶縁物
(13)を酸化珪素により形成した。さらに電極用穴あけ
を行い、ソース電極・リード(11)、ドレインの電極・
リード(12)を公知のアルミニュームにより形成させ
た。 かくして形成されたIG.FETはチャネル長1μを形成す
る時、チャネル形成領域(20)の半導体がアンドープま
たは第1図(C)にてゲイト絶縁物を形成した後のスレ
ッシュホールド電圧制御用に必要な不純物の添加の程度
であるにもかかわらず、ソース、ドレイン間の電圧が例
えば5Vでパンチスルーを観察しなかった。またC.T.Sah
の式により求めた移動度は750cm2V/secを有しており、
これまではIG.FETが300cm2V/sec程度であるに比べて約
2.5倍の移動度を得ることができた。 このキャリア移動度は超格子の結晶性の向上に伴い、
さらに向上させることができるものと推定される。 さらに第3図は第1図(D)におけるA−A′のエネ
ルギバンド図であり、実線がモホロジ的なエネルギバン
ド図を示す。図の破線図より明らかな如く、キャリア
(ここでは電子)にとって最も安定な領域が多数(1−
3),(1−5)・・・存在し、かつ界面より離れた位
置にエネルギバンド的に最も安定な領域があることがわ
かる。このため第3図(B)に示す如くに電圧を印加さ
れても、キャリアがゲイト絶縁膜との界面のみに集中す
ることを防ぐことができる。 「実施例1」 第2図は本発明の実施例を示す。 図面において第2図(A),(B)に参考例1と同様
に形成した。 更に第2図(C)において、ソース(6),ドレイン
(7)を表面側(ゲイト絶縁物に接する側)を低濃度と
し、他部(ゲイト絶縁膜より離れた内部側)に高濃度領
域を作った。即ち、ソース(6)、ドレイン(7)の最
高濃度領域を界面ではなく内部にすべくP型またはN型
を付与する不純物のイオン注入を行った。するとソー
ス、ドレイン間の距離(チャネル長)はゲイト絶縁膜と
の界面に近ずくに従って長くなり、内部により短い層を
存在させることができる。その結果、キャリアはゲイト
絶縁膜の界面より離れた内部の半導体層をより通過やす
くなり、より表面散乱の影響をさけることができ得る。 更に参考例1と同様の工程を経て、第2図(B)の縦
断面図を得た。 この図面において、キャリア移動度850cm2V/secを得
た。この結果はこれまでのいわゆるショートチャネルI
G.FETではみられない大きな値である。 「実施例2」 この実施例は第1図または第2図において第2図
(A)の超格子の作製方法に関し光エピタキシァル成長
方法を用いたものである。 即ち、参考例1と同様の装置を用いた。基板温度は50
0℃、圧力10torrとし、反応性気体はSi2H6に加えてH2Si
F2を同じ程度注入した。加えて水素をSi2H6の20倍の量
導入した。その他は参考例1と同様である。すると半導
体層をエピタキシァル成長をさせることが可能となっ
た。 「効果」 本発明によりこれまで単に可能性のみが論じられてき
た超格子を具体的に単結晶シリコンIG.FETに適用した。
その結果十分大なる工業的効果即ちショートチャネル化
を伴うドレイン電圧低下の防止、キャリア移動度の向上
に伴う高速化を達成した。 さらにこの場合、チャネル形成領域に意図的に不純物
をドープしていないため、同一基板に形成したC/MOS即
ち同一工程で作られた超格子層をPチャネルIG.FETとN
チャネルIG.FETに適用することが可能となった。 本発明は、単結晶シリコン半導体の層と窒化珪素の層
との多層構造とした。しかし窒化珪素の替わりに酸化珪
素(SiO2-X0<X<2)または炭化珪素(SixC1-X0<X
<1)を用いてもよい。 さらに本発明は積層的にSOI(絶縁膜上の半導体単結
晶化)プロセスを用いている。その結果、三次元素子構
成に適用することができる。また薄膜トランジスタに対
しても適用することができる。
果半導体装置に関するもので、超LSI、超々LSIに適用さ
せる基礎ディバイス構造を提案するものである。 「従来の技術」 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置(以下IG.FETとい
う)は、一対の不純物領域であるソース領域、ドレイン
領域とその間に設けられたチャネル形成領域とよりな
り、このチャネル形成領域の状態をゲイト電極に印加さ
れた電界により制御するものである。そしてこのチャネ
ル形成領域は単なる1種類の単結晶半導体材料例えばシ
リコン半導体よりなり、このシリコン半導体にP又はN
型の不純物をドープしてスレッシュホールド電圧の制
御、ソース、ドレイン間のパンチスルーの防止を行って
きた。 「発明の解決しようとする問題」 しかし、この技術ではこれまでキャリアが半導体とゲ
イト絶縁膜との界面およびそのごく近接した半導体領域
に集中して流れ、界面散乱に伴いキャリアの移動度も電
子で約300cm2V/sec、ホールで150cm2V/secしかない。 これは界面散乱を用いつつ、少数キャリアをチャネル
形成領域に注入したためである。さらにソース、ドレイ
ン間の短チャネル化に伴い、このチャネル形成領域をN
チャネルIG.FETの場合P型とする。しかもこの程度は短
チャネル化に伴い、益々高濃度化しなければならない。
このため、さらにキャリアの移動度が小さくなってしま
うという二重の欠点があった。 このため、チャネル長を短くしてもソース・ドレイン
間に空乏層がひろがりにくいこと、さらにキャリアを表
面伝導(界面散乱を伴う伝導)からバルク伝導(界面の
散乱を伴わない伝導)にすることが求められていた。本
発明はこれらを改良せんとするものである。 「問題を解決するための手段」 本発明はこれらの問題を解決するため、IG.FETのチャ
ネル形成領域に半導体層−絶縁体(半絶縁体を含む)層
−半導体層・・・の繰り返しの多層構造からなるスーパ
ーラティス(超格子)構造をキャリアの移動方向に沿っ
て面を有すべく積層して設けたものである。 本発明は、 絶縁体層と、半導体層とがそれぞれ5Å〜100Åの厚
さで交互に複数層設けられた多層部からなるチャネル形
成領域と、 当該チャネル形成領域における上記半導体層に沿って
キャリアを移動させるために設けられた一対のソース領
域およびドレイン領域と、 前記チャネル形成領域上にゲイト絶縁物を介して形成
されたゲイト電極と、 を備えており、 上記ソース領域およびドレイン領域の端面は、上記多
層部を構成する層の内部に向かってチャネル形成領域を
挟めるように設けられていることを特徴とする絶縁ゲイ
ト型電界効果半導体装置である。 この場合、半導体層および絶縁体層を光CVD法および
その後の光ビームアニールまたは光エピタキシァル成長
法を用いて形成し、それぞれの層の厚さは5〜100Å好
ましくは10〜30Åとし、それぞれの層におけるエネルギ
バンド巾はそれを挟む層のエネルギバンドの影響を受け
て変形せしめるいわゆる超格子構造を有せしめた。その
結果、エネルギバンド端が変成されているため、層間の
界面と平行に移動するキャリアにとって界面を実質的に
除去できる。例えば、シリコン半導体20Å−窒化珪素
(Si3N4-X0<X<4)20Å−シリコン半導体20Å・・・
と少なくもシリコン半導体を2層以上設けたものであ
る。これを光CVD法を用いて形成し、さらにその後光ビ
ームアニール工程を加えて単結晶化した。他の方法とし
ては光エピタキシァル成長せしめた。 そのため、各半導体のそれぞれに十分均等にキャリア
注入させるべく、各層の端面は各層の界面に垂直または
ゲイト絶縁膜より離れる(内部に至る)に従ってチャネ
ル形成領域を巾狭(よりチャネル長を短くする方向)に
することが好ましい。 「作用」 かかる場合、ソース、ドレイン間の空乏層は特にドレ
イン側の空乏層は極薄の半導体層にのみのびるが、この
半導体が極薄膜であるため、ソース側に同じ電圧を加え
ても、従来より公知の構成に比べてパンチスルーを生じ
にくい。特にキャリアが従来の如く半導体・絶縁体界面
のみを移動するのではなく、複数のWell(エネルギ的に
相対的に低い井戸型エネルギレベル)を移動するため、
そこでのキャリアが界面に押しつけられる程度のゲイト
電界強度が小さい。経過としてみかけ上NチャネルIG.F
ETの場合、本発明の半導体が例えばI型(P-型)であっ
ても、従来公知のP型(P+型)と同じ程度のバンドの曲
りしかしなくなる。その結果、同一ドレイン電圧でもド
レイン空乏層のソースへの到達、即ちパンチスルーの発
生を押さえることができる。加えてキャリアはI型(P-
型)であるため移動度が大きい。加えて半導体−絶縁体
界面近傍のエネルギバンド巾を実質的に大きくするた
め、リークをしにくく、結果としてチャネル形成領域の
周辺部で発生しやすいいわゆるショートチャネルリーク
をも防ぎやすいという他の特徴を有する。以下に実施例
に従い本発明を説明する。 「参考例1」 第1図は本参考例のIG.FETの製造工程を示す縦断面図
である。 第1図(A)において、単結晶半導体として例えばシ
リコン半導体を用いた。この半導体の表面を十分清浄に
した後、光CVD法を用いシリコン半導体層を25Åの厚さ
に形成する。さらに、窒化珪素(Si3N4-X0<X<4)を
それに続き形成する。さらに再びシリコン半導体を形成
する。これを2〜50回繰り返し、超格子構造を作る。こ
の方法はこれまで本発明人により開発されてきた光CVD
装置(hν−1)を用いた。即ち、反応炉内に基板を保
持し、低圧水銀灯(185nm)を用いて、この紫外光で基
板の表面を照射しつつ反応炉内の圧力を10torrに保持し
た。基板の温度は400℃とした。反応性気体としてジシ
ラン(Si2H6)を用いた。そして所定の時間を経て厚さ1
0〜100Å、例えば25Åのシリコン半導体を形成した。そ
の後、マイクロコンピュータにより制御させつつ、この
系にNH3/Si2H6=0.1〜1例えば0.3として同様に光CVD法
によりSi3N4-X(0<X<4)を形成した。この窒化珪
素膜は低級窒化珪素膜である。この窒化珪素膜を同様に
10〜100Å例えば25Åの厚さに形成した。こうして半導
体層および絶縁体層(または半絶縁体層)の形成をn回
繰り返し行い、少なくとも2層の半導体層一般には2〜
50層をマイクロコンピュータにより制御して形成した。 次にこれら全体を水素雰囲気に浸しつつ、レーザ光、
例えば窒素レーザにより光アニールを行った。すると基
板(10)が単結晶のため、半導体層(1−1),(1−
3)・・・は単結晶化される。また窒化珪素である(1
−2),(1−4)・・・は窒素の添加量に従い単結
晶、歪単結晶または非単結晶の構造をとり得る。 第1図(A)はその一例として半導体層(1−1),
(1−3)、絶縁体または半絶縁体層(1−2),(1
−4)を形成し、この積層体を(1)としている。 この後、本参考例においてはマスク(2)を形成し
て、そのパターンの外側を異方性エッチンングをし、少
なくとも多層部(1)の領域を除去した。さらにこの除
去した部分に絶縁物(4)を充填した。この絶縁物はい
わゆるトレンチ構造の形成方法と同様のプロセスに従っ
た。その後マスク(2)を除去し、第1図(B)を得
た。 その後、第1図(C)に示される如く、ゲイト絶縁膜
(5)およびゲイト電極(8)を形成した。ゲイト絶縁
膜は光CVD法の酸化珪素膜(厚さ200Å)とした。ゲイト
電極は多結晶シリコン、WSi2,TiSi2または半導体−金属
多層構造であってもよい。 この後、ソース(6)、ドレイン(7)をイオン注入
法によりその不純物濃度が1017〜1019cm-3となるように
した。この時、このソース・ドレインの端面は積層体
(1)に対し垂直となるべく努めた。この後これら全体
に光CVD法を用いSiH4とO2の反応により0.5μの厚さに酸
化珪素膜を作製した。さらにそれらに対し、ECR(電子
サイクロトロン共鳴)を用いた異方性エッチングを施
し、ゲイト電極の側周辺のみを(9)に示す如く残し他
部をエッチング除去をした。 更に1×1019〜2×1020cm-3の高濃度のイオン注入に
よりコンタクトのオーム接触用およびソース、ドレイン
の低シート抵抗化を行う領域(6′),(7′)を形成
した。 さらにこれらの熱アニールを行い、その後層間絶縁物
(13)を酸化珪素により形成した。さらに電極用穴あけ
を行い、ソース電極・リード(11)、ドレインの電極・
リード(12)を公知のアルミニュームにより形成させ
た。 かくして形成されたIG.FETはチャネル長1μを形成す
る時、チャネル形成領域(20)の半導体がアンドープま
たは第1図(C)にてゲイト絶縁物を形成した後のスレ
ッシュホールド電圧制御用に必要な不純物の添加の程度
であるにもかかわらず、ソース、ドレイン間の電圧が例
えば5Vでパンチスルーを観察しなかった。またC.T.Sah
の式により求めた移動度は750cm2V/secを有しており、
これまではIG.FETが300cm2V/sec程度であるに比べて約
2.5倍の移動度を得ることができた。 このキャリア移動度は超格子の結晶性の向上に伴い、
さらに向上させることができるものと推定される。 さらに第3図は第1図(D)におけるA−A′のエネ
ルギバンド図であり、実線がモホロジ的なエネルギバン
ド図を示す。図の破線図より明らかな如く、キャリア
(ここでは電子)にとって最も安定な領域が多数(1−
3),(1−5)・・・存在し、かつ界面より離れた位
置にエネルギバンド的に最も安定な領域があることがわ
かる。このため第3図(B)に示す如くに電圧を印加さ
れても、キャリアがゲイト絶縁膜との界面のみに集中す
ることを防ぐことができる。 「実施例1」 第2図は本発明の実施例を示す。 図面において第2図(A),(B)に参考例1と同様
に形成した。 更に第2図(C)において、ソース(6),ドレイン
(7)を表面側(ゲイト絶縁物に接する側)を低濃度と
し、他部(ゲイト絶縁膜より離れた内部側)に高濃度領
域を作った。即ち、ソース(6)、ドレイン(7)の最
高濃度領域を界面ではなく内部にすべくP型またはN型
を付与する不純物のイオン注入を行った。するとソー
ス、ドレイン間の距離(チャネル長)はゲイト絶縁膜と
の界面に近ずくに従って長くなり、内部により短い層を
存在させることができる。その結果、キャリアはゲイト
絶縁膜の界面より離れた内部の半導体層をより通過やす
くなり、より表面散乱の影響をさけることができ得る。 更に参考例1と同様の工程を経て、第2図(B)の縦
断面図を得た。 この図面において、キャリア移動度850cm2V/secを得
た。この結果はこれまでのいわゆるショートチャネルI
G.FETではみられない大きな値である。 「実施例2」 この実施例は第1図または第2図において第2図
(A)の超格子の作製方法に関し光エピタキシァル成長
方法を用いたものである。 即ち、参考例1と同様の装置を用いた。基板温度は50
0℃、圧力10torrとし、反応性気体はSi2H6に加えてH2Si
F2を同じ程度注入した。加えて水素をSi2H6の20倍の量
導入した。その他は参考例1と同様である。すると半導
体層をエピタキシァル成長をさせることが可能となっ
た。 「効果」 本発明によりこれまで単に可能性のみが論じられてき
た超格子を具体的に単結晶シリコンIG.FETに適用した。
その結果十分大なる工業的効果即ちショートチャネル化
を伴うドレイン電圧低下の防止、キャリア移動度の向上
に伴う高速化を達成した。 さらにこの場合、チャネル形成領域に意図的に不純物
をドープしていないため、同一基板に形成したC/MOS即
ち同一工程で作られた超格子層をPチャネルIG.FETとN
チャネルIG.FETに適用することが可能となった。 本発明は、単結晶シリコン半導体の層と窒化珪素の層
との多層構造とした。しかし窒化珪素の替わりに酸化珪
素(SiO2-X0<X<2)または炭化珪素(SixC1-X0<X
<1)を用いてもよい。 さらに本発明は積層的にSOI(絶縁膜上の半導体単結
晶化)プロセスを用いている。その結果、三次元素子構
成に適用することができる。また薄膜トランジスタに対
しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例の製造工程を示す縦断面図である。
第2図は実施例の製造工程を示す縦断面図である。
第3図は本発明の超格子構造を示す一例である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.絶縁体層と、半導体層とがそれぞれ5Å〜100Åの
厚さで交互に複数層設けられた多層部からなるチャネル
形成領域と、 当該チャネル形成領域における上記半導体層に沿ってキ
ャリアを移動させるために設けられた一対のソース領域
およびドレイン領域と、 前記チャネル形成領域上にゲイト絶縁物を介して形成さ
れたゲイト電極と、 を備えており、 上記ソース領域およびドレイン領域の端面は、上記多層
部を構成する層の内部に向かってチャネル形成領域を挟
めるように設けられていることを特徴とする絶縁ゲイト
型電界効果半導体装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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