JP2708624B2 - 電動送風機 - Google Patents

電動送風機

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電動送風機に係り、特に、家庭用電気掃除機
に用いられる小型の電動送風機に好適なものである。
〔従来の技術〕
従来の電動送風機では特開昭59−74396号公報に示さ
れるように、遠心型送風機の一種でデイフユーザベー
ン,リターンガイドベーン等の構成は、大型の送風機・
圧縮機等に用いるものと似ているが、電気掃除機の電動
送風機では製作の簡便さからデイフユーザベーン・リタ
ーンガイドベーンはプラスチツクの成型品が用いられて
いることが多い。デイフユーザとリターンガイドのベー
ンを固定する仕切板は羽根車外周で羽根車側に突出し、
その先端には丸みが設けられることが多い。また、仕切
板を厚肉にして曲率半径を大きくしているものもある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、仕切板を一様板厚で構成したとき
には、デイフユーザからリターンガイドに流れが180度
転向するときに、流れが仕切板から剥離し易くなり、局
部的に流速が増加し、流体損失が増加するとともに、騒
音が発生しやすい。また、仕切板を厚肉にして、流れの
剥離を押さえようとする構成では、仕切板とデイフユー
ザベーンとリターンガイドベーンをプラスチツクで成型
しようとすると、厚肉部での硬化時間が長くなり、場所
ごとに硬化する時間が変化してしまう。このため、変形
が生じやすく、また、製作時間が長くなつてしまう。ま
た、掃除機用の電動送風機では羽根車の回転数と羽根数
の積の周波数の騒音が発生することが多い。例えば、回
転数が五百rpsで羽根数が六枚のものでは、三千,六
千,九千,一万二百Hzといつた周波数の騒音が発生しや
すい。
本発明の目的は、ディフューザベーンとリターンガイ
ドベーンとを有する仕切板において、その外周端部での
流れの剥離が低減可能な形状を、成型時の変形を抑制し
て実現することによって、流体損失の低減を図った電動
送風機を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、電動機と、この電動機によって回転駆動
される羽根車と、一方の面にディフューザベーンと他方
の面にリターンガイドベーンとを有する仕切板とを備
え、この仕切板を、前記ディフューザベーンを有する側
の面が前記羽根車の側に向くように、前記羽根車と前記
電動機の間に設けた電動送風機において、前記仕切板の
外周部に内周側よりも板厚を厚くした厚肉部を形成し、
この厚肉に形成した外周部端面を前記仕切板の厚み方向
に曲率を持つように形成するとともに、前記厚肉部のリ
ターンガイドベーンを有する側の面に凹部を形成するこ
とによって達成される。
〔作用〕
仕切板の外周部に厚肉部を形成し、仕切板の外周端面
をその厚み方向に曲率を持つように形成することによっ
て、ディフューザ側からリターンガイド側への流れの剥
離を低減することができ、流体損失を低減することがで
きる。
このとき、仕切板に形成した厚肉部のリターンガイド
側の面に凹部を形成することにより、この厚肉部の厚み
を内周側の厚みに近づけることができるので、成型時の
変形を低減できる。
〔実施例〕
従来使用されている電気掃除機を第3図に基づいて説
明する。本体ケース1はプラスチツク等で作られ上部に
取手部2を一体に形成し、左右二つ割りとなつている。
また、本体ケース1に対し着脱自在な集塵ケース3が接
続する。集塵ケース3の前部の吸込口4から吸入された
ごみはフイルタ5,6,7によつて分離され、集塵ケース3
内に蓄えられる。本体ケース1の内部はコードリール室
8,排気室9、および電動送風機10が収納される電動室11
に分けられている。電動送風機10は防振ゴム12および13
によつて支持されている。排気室9内には吸音材14が貼
付けされており、排気の整流と消音の作用を兼ね、排気
口15が形成されている。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は家庭用電気掃除機に用いられている電動送風機
を示すもので、16はフアンケーシングでその中央部に吸
込み口が開口している。また、吸込み口の後方では複数
のベーンをもつた遠心型羽根車17が電動機28によつて駆
動される。羽根車17の外周には羽根車17より吐出された
気流を減速し、圧力回復を行うベーン付きデイフユーザ
が設けられている。デイフユーザは複数のデイフユーザ
ベーン18とフアンケーシング16と仕切板21とで構成され
ている。デイフユーザは、羽根車17の吐出気流を減速
し、圧力回復を行うものである。デイフユーザから吐出
した気流は仕切板21とフアンケーシング16とで間の空間
を通つて、180度方向転換し、リターンガイドベーン19
の間の空間へと流入する。仕切板21は外周側に丸みがつ
いていて、そのリターンガイドベーン19の側で凹面状を
なすように構成されている。リターンガイドベーン19と
仕切板21とエンドブラケツト27とで形成される空間がリ
ターンガイドであり、ここでは、気流の旋回成分の除去
と減速を行う。リターンガイドを出た気流は電動機28に
流入し、内部のロータ24とステータ22とを冷却した後に
外部に排出される。第2図は仕切板21を電動機28の方向
から見たものである。仕切板21には八枚のリターンガイ
ドベーン19が一体に形成され、外周側には半径3mmの丸
みが設けられ、その内周側に凹面部をもち、その凹面部
は仕切板21の平面部と同一平面をなすような高さの隔壁
25によつて、リターンガイドベーン19の間で三分割され
ている。この隔壁25は板厚2mmで、長さは15mmで高さは4
mmである。
本発明では、デイフユーザからリターンガイドに至る
間に180゜方向転換するにもかかわらず、仕切板21から
の流れの剥離が防止されるので、曲がり損失が著しく低
減される。第4図に従来型と本発明の性能比較を示す。
横軸に風量を、縦軸に圧力を示すが、全風量域にわたつ
て圧力が従来型に比べて高くなつている。効率では約1
%の改善になる。また、仕切板21はリターンガイドベー
ン19,隔壁25,丸み部26とともに約2mmとほぼ一様な板厚
で構成されているので、溶融したプラスチツクが一様に
流れ易く、また、射出後の硬化時間も各部分でほぼ同一
とすることができ、製作時間が増加することもなく、ま
た、変形も生じにくい。隔壁25は凹面部の部分の補強を
するもので、凹面部の長さは15mmで約六千Hzを中心とす
る減音量が最大となる膨張型消音器として作動する。膨
張比は1.5であり、その効果は約3dBである。
第5図に本発明の他の実施例を示す。仕切板21にはそ
の外周側に丸み部26が設けてある。仕切板21と一体に隔
壁25をその高さが丸み部と平滑に結ばれるように形成し
ている。この隔壁25は仕切板21の平面部より高く形成さ
れている。本構成では丸み部の曲率半径を大きく構成で
きるために、曲り損失の低減効果が大きいだけでなく、
拡大収縮の量を小さくできるので、拡大収縮に伴う流体
損失の低減に効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、仕切板の外周部に厚肉部を形成し、
仕切板の外周端面をその厚み方向に曲率を持つように形
成したことにより、ディフューザ側からリターンガイド
側への流れの剥離を低減することができ、流体損失を低
減することができる。さらに、仕切板に形成した厚肉部
のリターンガイド側の面に凹部を形成することにより、
この厚肉部の厚みを内周側の厚みに近づけることができ
るので、成型時の変形を低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の電動送風機の部分断面
図、第2図は、第1図の電動送風機の仕切板の平面図、
第3図は電気掃除機の断面図、第4図は圧力と風量との
関係を示す線図、第5図は本発明の電動送風機の断面図
である。 17……羽根車、18……デイフユーザベーン、19……リタ
ーンガイドベーン、21……仕切板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−212399(JP,A) 特開 昭63−285298(JP,A) 実開 昭56−212399(JP,U) 実開 昭63−168299(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機と、この電動機によって回転駆動さ
    れる羽根車と、一方の面にディフューザベーンと他方の
    面にリターンガイドベーンとを有する仕切板とを備え、
    この仕切板を、前記ディフューザベーンを有する側の面
    が前記羽根車の側に向くように、前記羽根車と前記電動
    機の間に設けた電動送風機において、 前記仕切板の外周部に内周側よりも板厚を厚くした厚肉
    部を形成し、この厚肉に形成した外周部端面を前記仕切
    板の厚み方向に曲率を持つように形成するとともに、前
    記厚肉部のリターンガイドベーンを有する側の面に凹部
    を形成したことを特徴とする電動送風機。
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