JP2708065B2 - 鋼帯ストラップによるスポット溶接締結方法 - Google Patents

鋼帯ストラップによるスポット溶接締結方法

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JP2708065B2
JP2708065B2 JP1093975A JP9397589A JP2708065B2 JP 2708065 B2 JP2708065 B2 JP 2708065B2 JP 1093975 A JP1093975 A JP 1093975A JP 9397589 A JP9397589 A JP 9397589A JP 2708065 B2 JP2708065 B2 JP 2708065B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼のストリップコイル、管棒群、重積板等
の被結束物のまわりに鋼帯ストラップを1回余り巻廻し
引締め、引締状態でその重り合い部分をスポット溶接結
合して、緊縛状態に締結する方法の改良に関する。
(従来の技術) 鋼帯ストラップのスポット溶接結合による被結束物締
結方法としては従来各種の提案があるが、先願にかかる
特開昭63−203511号は最も改良された代表的1例であ
る。この方法は、第4および5図に示すように、鋼帯ス
トラップ(a)をエヤーモーター駆動正逆送ヘッド(図
示せず)から正方向(F)に送出して角形あるいは円形
等の被結束物(b)のまわりに1回余り巻廻して先導部
を溶接ヘンドのグリッパー(c)でグリップし、重り合
い部分の下方にバックバー(d)上に支持した下敷電極
板(e)を挿入し、逆の引戻し引締の方向(T)に引戻
して被結束物のまわりに取付かせ、さらに強い張力で引
締め、その状態で上方からスポット電極(f)を重り合
い部分の第1位置(g)に降下させて押付け通電して第
1スポット溶接を行い、カッター(h)を降下させてス
トラップ後続部を連接部から切離し、スポット電極をピ
ボット移動させ第2位置(i)に降下させ押付け通電し
て第2スポット溶接を行って結束を完結するようになっ
ている。その後バックバー(d)、下敷電極板(e)を
横方向に引抜けば、引締め張力のかかっている締結スト
ラップはその隙間を詰め尚残る残留張力で締結状態を維
持する。
この方法は、鋼帯ストラップの2点スポット溶接結合
を1つのスポット電極のピボット移動により順次に行う
ことを可能としたものである点で、2電極2点溶接の方
法に較べて多くの利点を持つ。すなわち溶接電源は小容
量で済み、同時溶接点間の整合のための手段を構ずる必
要なく高効率の溶接結果が得られ、またスポット電極の
加圧力は小さくて済み、溶接点間ピッチは制約を受けず
に小さくでき、これは相俟って下敷電極板支持バックバ
ー(d)の強度の必要を減じ小寸法化を可能とするの
で、バックバー引抜後の張力の低下を少く残留張力を大
きくして、強力な締結を可能にする。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、従来技術の上記方法にも問題が残っており、
第1スポット溶接後に締結ストラップ後続部を連接部か
ら切離したときには、第1スポット溶接だけで結束する
状態となるので、巻掛けストラップの大きさ締結張力が
上廻って第1スポット溶接が外れる可能性がある。
従来技術の装置では、この第1スポット溶接の破損の
問題を避けるには、鋼帯ストラップの正逆送ヘッドの駆
動源のエヤーモータへの圧力空気を減圧弁等で減圧する
等して引締張力を低下させて運転し、この状態で第1ス
ポット溶接を行うようにしなければならない。この場
合、締結ストラップの残留応力も小さくなり、建材、弾
性材のような被結束物は充分に集束して結束できず、適
用範囲が制約を受けるという問題が生ずる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、従来技術の前記方法の問題点に解決を与え
るためになされたものであって、溶接ヘッドの巻掛け鋼
帯ストラップ先導部をグリップする後側グリッパーと反
対側にトップ側グリッパーを設けて、巻掛け鋼帯ストラ
ップの引戻し引締め状態で第1スポット溶接を行い、次
にトップ側グリッパーによりその側をグリップした状態
で巻掛け引締の鋼帯ストリップの後続部を連接部から切
離しスポット電極のピボットにより第2スポット溶接を
行うようにする。
これらの諸手段を総合して本発明の鋼帯ストラップに
よるスポット溶接締結方法は、構成としては、鋼帯スト
ラップを被結束物のまわりに1回余り巻廻し引締め、鋼
帯ストラップの先導部と後続部とが重なり合う部分にお
いて下敷電極板と降下スポット電極との間で加圧し通電
しスポット溶接して締結する方法において、巻掛けスト
ラップの先導部を溶接ヘッド後側のグリッパーによりグ
リップし後続部を引戻し張力をかけて引締めた状態にお
いて後側グリッパーから遠い位置で第1スポット溶接を
行い、溶接ヘッド前側のトップ側グリッパーによりグリ
ップした状態で後続部を連接部から切離し、切離されて
無張力の後続部をスポット電極に移動させて後側グリッ
パーに近い位置で第2スポット溶接することを特徴とす
る。
(作用) 以下、本発明方法の作用を数値例を援用して具体的に
説明する。
鋼帯ストラップは厚さ0.7〜0.9mm、幅19、25あるいは
32mm、抗張力100あるいは70kg/mm2の程度で、幅32mmで
は2T程度の強度あがる。
ストラップ正逆送ヘッドはその程度の引締め張力を発
揮できる容量のものとし、被結束物のまわりに巻掛け、
後側グリッパーで2T程度の力量でグリップし最大2T程度
の張力で引締めこの状態で第1スポット溶接を行うが、
1スポット溶接の結合強度は1T程度である。本発明では
トップ側グリッパーで1T程度の力量でグリップし、第1
スポット溶接とともに2Tの力量で巻締めストラップの張
力に対して抵抗させる。こうして鋼帯ストップの後続部
を連接部から切離し自由となった後続部に第2スポット
溶接を行う。
こうして最大の巻締め張力にも常時充分に対抗して締
結し、小寸法化されたバックバーの引抜きによる最小限
の隙間を詰めても大きい残留張力による強い緊縛力で締
結することができる。その結果、従来技術の前記方法の
問題点は解決され、他の諸特長がすべて受継がれること
になる。
(実施例) 以下、本発明方法を実施例によりさらに具体的に説明
する。第1図は本発明方法の実施に使用する締結装置の
溶接ヘッドの構成を示す縦断側面図、第2図はそれを立
体的に示すための斜視図、第3図(イ)〜(リ)は本発
明方法実施例の作業順序を示す略示縦断側面図である。
この溶接ヘッドは、第1図および第2図に示すよう
に、下敷電極板(1)付のバックバー(2)、スポット
電極(3)、後側グリッパー(4)、カッター(5)お
よびトップ側グリッパー(6)が所定の関係位置に配置
されて、本発明方法により各個に操作される。(7)は
鋼帯ストラップを示し、被結束物は図示省略されてい
る。
本発明方法を実施するには、先ず第3図(イ)に示す
ように、鋼帯ストラップ(7)を正逆送ヘッドから正方
向に送出して、溶接ヘッドのカッター(5)の刃間隔、
既に挿入されている下敷電極板(1)上、およびトップ
側グリッパー(6)の顎間を通して被結束物のまわりを
一巡し、その先導部(7a)が後側グリッパー(4)の顎
間および下敷電極板(1)上を経て後続部(7b)の下方
に重り合い、すなわち1回余巻廻された状態とする。
次に、第3図(ロ)では、鋼帯ストラップの先導部
(7a)を後側グリッパー(4)により強力にグリップす
る。
第3図(ハ)では、鋼帯ストラップ(7)をその後続
部(7b)を逆方向に引戻して被結束物のまわりに取付か
せさらに強力な張力を加えて引締め、この状態で後側グ
リッパーから遠い位置でスポット電極(3)を降下させ
押付け下敷電極板(1)との間に通電して巻締鋼帯スト
ラップの重り合い部分をスポット溶接して第1スポット
溶接部(8)を形成する。
第3図(ニ)ではトップ側グリッパーにより鋼帯スト
ラップの重り合い部分をグリップする。このグリップ力
は切離し後に巻締めストラップに残る張力から第1スポ
ット溶接部(8)の結合強度を差引いた力量でよい。
第3図(ホ)では、カッター(5)を降下させて鋼帯
ストラップの後続部(7b)を連続部(7C)から切離し、
スポット電極(3)をピボットさせて後側グリッパー
(4)に近い位置に移動させる。
第3図(ヘ)ではこの位置でスポット電極(3)を降
下させ押付け下敷電極板(1)との間に通電して巻締め
鋼帯ストラップの重なり合い部分をスポット溶接して第
2スポット溶接部(9)を形成する。これで本発明方法
による鋼帯ストラップのスポット溶接は完結する。
第3図(ト)では後操作としてトップ側グリッパー
(6)が後退開放し、スポット電極(3)はピボットし
て第1位置に戻る。
第3図(チ)では、下敷電極板(1)、バックバー
(2)を抜出し、後側グリッパー(4)が後退開放し、
正逆送ヘッドも後退する。こうにして締結された被結束
物を締結位置から搬出される。
第3図(リ)では下敷電極板(1)、バックバー
(2)が作用位置に復帰し次回の締結のため待機する。
上記の本発明方法ではトップ側グリッパーを小力量の
ものでよいため、また2スポット溶接部のピッチを小さ
くし、このグリッパーをバックバーに連接した傾斜面と
して形成することにより、バックバーの寸法を大きくす
る必要は殆どなく、従ってバックバーの引抜きによる強
力引締締結ストラップの残留応力の低下も少ない。
(発明の効果) 以上のように本発明方法によると、鋼帯ストラップに
よる被結束物の強力引締めスポット溶接締結の過程にス
ポット溶接部の破断により鋼帯ストラップが外れるとい
うことがなく、2点のスポット溶接を1スポット電極の
ピボットにより行うことができてそれによる利点がすべ
て受け継がれるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に使用する締結装置の溶接ヘ
ッドの縦断側面図、第2図はトップ側グリッパー側から
みたその斜視図、第3図は本発明方法実施の順序を示す
略示縦断側面図で、第3図(イ)はその第1段階の図、
第3図(ロ)は第2段階の図、第3図(ハ)は第3段階
の図、第3図(ニ)は第4段階の図、第3図(ホ)はそ
の第5段階の図、第3図(ヘ)は第6段階の図、第3図
(ト)は第7段階の図、第3図(チ)は第8段階の図、
第3図(リ)は第9段階の図、第4図は従来技術の方法
の実施要領の説明用図、第5図はその溶接ヘッド部の構
成を示す拡大縦断側面図である。 (1)……下敷電極板、(2)……バックバー、(3)
……スポット電極、(4)……後側グリッパー、(5)
……カッター、(6)……トップ側グリッパー、(7)
……鋼帯ストラップ、(7a)……先導部、(7b)……後
続部、(7c)……連接部、(8)……第1スポット溶接
部、(9)……第2スポット溶接部、(a)……鋼帯ス
トラップ、(b)……被結束物、(c)……グリッパ
ー、(d)……バックバー、(e)……下敷電極板、
(f)……スポット電極、(g)……第1位置、(h)
……カッター、(i)……第2位置、(F)……送り出
し方向、(T)……引戻し引締め方向。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼帯ストラップを被結束物のまわりに1回
    余り巻廻し引締め、鋼帯ストラップの先導部と後続部と
    が重り合う部分において下敷電極板と降下スポット電極
    との間で加圧し通電しスポット溶接して締結する方法に
    おいて、巻掛けストラップの先導部を溶接ヘッド後側の
    グリッパーによりグリップし後続部を引戻し張力をかけ
    て引締めた状態において後側グリッパーから遠い位置で
    第1スポット溶接を行い、溶接ヘッド前側のトップ側グ
    リッパーによりグリップした状態で後続部を連接部から
    切離し、切離されて無張力の後続部をスポット電極を移
    動させて後側グリッパーに近い位置で第2スポット溶接
    することを特徴とする鋼帯ストラップによるスポット溶
    接締結方法。
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