JP2707849B2 - ポリフェニレンスルフィド組成物の製造方法 - Google Patents
ポリフェニレンスルフィド組成物の製造方法Info
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- JP2707849B2 JP2707849B2 JP3020790A JP2079091A JP2707849B2 JP 2707849 B2 JP2707849 B2 JP 2707849B2 JP 3020790 A JP3020790 A JP 3020790A JP 2079091 A JP2079091 A JP 2079091A JP 2707849 B2 JP2707849 B2 JP 2707849B2
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- polyphenylene sulfide
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- sulfide
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンスルフ
ィドの製造工程中に、シリカおよび/またはアルミナの
微粒子を均一に分散、混合する方法に関するものであ
り、その結果この重合体から得られる成形品の電気特
性、機械特性ならびに表面特性の改良を可能とするもの
である。
ィドの製造工程中に、シリカおよび/またはアルミナの
微粒子を均一に分散、混合する方法に関するものであ
り、その結果この重合体から得られる成形品の電気特
性、機械特性ならびに表面特性の改良を可能とするもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィドは、その耐熱
性、耐薬品性の優れた特性を生かし多くの産業分野に用
途が広がりつつある。特に無機系の充てん剤を混合した
射出、押出し成形さらにはフィルム、繊維への応用が行
なわれている。これらの応用には重合体単独で使用され
ることはむしろ少なく、成形物品の表面改質や機械特性
改良のため種々の無機系添加剤や充てん剤が使用されて
いる(例えば、特公昭49−38689号、51−77
05号、53−13391号、特開昭54−16275
2号等およびほとんどのポリフェニレンスルフィド関連
の出願特許には、重合体は無機系添加剤あるいは充てん
剤を混合され使用できるとの記載がある)。
性、耐薬品性の優れた特性を生かし多くの産業分野に用
途が広がりつつある。特に無機系の充てん剤を混合した
射出、押出し成形さらにはフィルム、繊維への応用が行
なわれている。これらの応用には重合体単独で使用され
ることはむしろ少なく、成形物品の表面改質や機械特性
改良のため種々の無機系添加剤や充てん剤が使用されて
いる(例えば、特公昭49−38689号、51−77
05号、53−13391号、特開昭54−16275
2号等およびほとんどのポリフェニレンスルフィド関連
の出願特許には、重合体は無機系添加剤あるいは充てん
剤を混合され使用できるとの記載がある)。
【0003】しかしながら、これらの公知の方法は一度
用意された重合体と無機化合物を単に混合に溶融成形時
に混練、分散させる方法に限られており、微粒子状の均
一分散を行なうことは困難であり、巨大凝集物による成
形品の欠陥が生じ易く、特にフィルム、繊維等の表面設
計には満足のいく方法とはいえなかった。
用意された重合体と無機化合物を単に混合に溶融成形時
に混練、分散させる方法に限られており、微粒子状の均
一分散を行なうことは困難であり、巨大凝集物による成
形品の欠陥が生じ易く、特にフィルム、繊維等の表面設
計には満足のいく方法とはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニ
レンスルフィドが溶液にある状態において、シリカおよ
び/またはアルミナ水溶液を混合させてこれら無機化合
物を重合体中に均一に分散、混合することにより、巨大
凝集物生成の低減、不均一分散を減少させ、成形時にお
ける成形品の表面およびその内部の分布の不均一性を低
減させるための方法を提供するものである。
レンスルフィドが溶液にある状態において、シリカおよ
び/またはアルミナ水溶液を混合させてこれら無機化合
物を重合体中に均一に分散、混合することにより、巨大
凝集物生成の低減、不均一分散を減少させ、成形時にお
ける成形品の表面およびその内部の分布の不均一性を低
減させるための方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記均一
分散を達成するために、鋭意検討の結果次のごとき製造
法を完成したのである。つまり、(1) 芳香族ポリハロ
ゲン化合物と硫黄源とを極性溶媒中で反応させて、ポリ
フェニレンスルフィドを製造する方法において、SiO
2 および/またはAl2 O3 を主成分とする水溶性化合
物の水溶液を添加し、重合体中にSiおよび/またはA
lとして0.002〜1.5重合%を含有せしめること
を特徴とするポリフェニレンスルフィド組成物の製法、
(2) ケイ酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸ナト
リウム水溶液を使用する前記(1) の態様及び(3) 硫化
ナトリウム水溶液と有機極性溶媒と混合し脱水し、次い
で芳香族ポリハロゲン化合物を反応させてポリフェニレ
ンスルフィドを製造するに際し、前記脱水前又は脱水後
にケイ酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸ナトリウ
ムを添加することを特徴とするポリフェニレンスルフィ
ド組成物の製造方法である。
分散を達成するために、鋭意検討の結果次のごとき製造
法を完成したのである。つまり、(1) 芳香族ポリハロ
ゲン化合物と硫黄源とを極性溶媒中で反応させて、ポリ
フェニレンスルフィドを製造する方法において、SiO
2 および/またはAl2 O3 を主成分とする水溶性化合
物の水溶液を添加し、重合体中にSiおよび/またはA
lとして0.002〜1.5重合%を含有せしめること
を特徴とするポリフェニレンスルフィド組成物の製法、
(2) ケイ酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸ナト
リウム水溶液を使用する前記(1) の態様及び(3) 硫化
ナトリウム水溶液と有機極性溶媒と混合し脱水し、次い
で芳香族ポリハロゲン化合物を反応させてポリフェニレ
ンスルフィドを製造するに際し、前記脱水前又は脱水後
にケイ酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸ナトリウ
ムを添加することを特徴とするポリフェニレンスルフィ
ド組成物の製造方法である。
【0006】SiO2 および/またはAl2 O3 を主成
分とする無機化合物中の水溶性のものとしては、アルカ
リ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、タルクお
よびカオリンあるいは雲母のごとき無機酸化物をアルカ
リ金属水酸化物に溶解させた溶液を用いることができる
が、特に均一な水溶液を調整するためには、アルカリ金
属のケイ酸塩およびアルミン酸塩が好ましく、これら
は、各々Na2 SiO3 あるいはNa2 Al2 O4 等の
一般式で表わすことができる。また、シリカあるいはア
ルミナが水中にコロイド状に分散した溶液も使用可能で
はあるが、ケイ酸塩、アルミン酸塩の方が好ましい。
分とする無機化合物中の水溶性のものとしては、アルカ
リ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩、タルクお
よびカオリンあるいは雲母のごとき無機酸化物をアルカ
リ金属水酸化物に溶解させた溶液を用いることができる
が、特に均一な水溶液を調整するためには、アルカリ金
属のケイ酸塩およびアルミン酸塩が好ましく、これら
は、各々Na2 SiO3 あるいはNa2 Al2 O4 等の
一般式で表わすことができる。また、シリカあるいはア
ルミナが水中にコロイド状に分散した溶液も使用可能で
はあるが、ケイ酸塩、アルミン酸塩の方が好ましい。
【0007】一方、ポリフェニレンスルフィドは、公知
の方法により製造することができる。つまり、芳香族ポ
リハロゲン化物と硫化アルカリを有機極性溶媒中で20
0〜350℃の範囲に所定時間加熱して得られるもので
ある。ここで芳香族ポリハロゲン化物としては、p−ジ
クロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、1,2,3−
トリクロルベンゼン、2,6−ジクロルナフタレン、
4,4′−ジハロビフェニール、4,4′−ジクロルジ
フェニルスルホン、4,4′−ジクロルジフェニルケト
ンまたはこれらのアルキル、フェニル置換基が挙げられ
るがp−またはm−ジクロルベンゼン単位を少なくとも
70モル%以上含む化合物を使用することが好ましい。
すなわち、ポリフェニレンスルフィドとしてその構成単
位の70%以上をフェニレンスルフィド単位にすること
により、その優れた特性を保持しつつ、本発明が目的と
する改質を達成することができるのである。
の方法により製造することができる。つまり、芳香族ポ
リハロゲン化物と硫化アルカリを有機極性溶媒中で20
0〜350℃の範囲に所定時間加熱して得られるもので
ある。ここで芳香族ポリハロゲン化物としては、p−ジ
クロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、1,2,3−
トリクロルベンゼン、2,6−ジクロルナフタレン、
4,4′−ジハロビフェニール、4,4′−ジクロルジ
フェニルスルホン、4,4′−ジクロルジフェニルケト
ンまたはこれらのアルキル、フェニル置換基が挙げられ
るがp−またはm−ジクロルベンゼン単位を少なくとも
70モル%以上含む化合物を使用することが好ましい。
すなわち、ポリフェニレンスルフィドとしてその構成単
位の70%以上をフェニレンスルフィド単位にすること
により、その優れた特性を保持しつつ、本発明が目的と
する改質を達成することができるのである。
【0008】他方、硫化アルカリとしては、硫化ナトリ
ウム、硫化カリウム、硫化リチウム等があるが、これら
は、さらに前駆体の水硫化アルカリと水酸化アルカリの
混合物からまたは硫化水素と水酸化アルカリから調整し
て使用することも可能である。有機極性溶媒としては、
例えばN−アルキルラクタム、N−アルキル尿素等が使
用されるが、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチ
ルイミダゾリジノンが好ましく使用できる。硫化アルカ
リは、一般に水溶液あるいは含水結晶の状態で使用さ
れ、芳香族ポリハロゲン化合物と反応させる前に所定量
の水を除去すべく、蒸留操作が行なわれる。
ウム、硫化カリウム、硫化リチウム等があるが、これら
は、さらに前駆体の水硫化アルカリと水酸化アルカリの
混合物からまたは硫化水素と水酸化アルカリから調整し
て使用することも可能である。有機極性溶媒としては、
例えばN−アルキルラクタム、N−アルキル尿素等が使
用されるが、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチ
ルイミダゾリジノンが好ましく使用できる。硫化アルカ
リは、一般に水溶液あるいは含水結晶の状態で使用さ
れ、芳香族ポリハロゲン化合物と反応させる前に所定量
の水を除去すべく、蒸留操作が行なわれる。
【0009】重合体の重合度を向上させる方法として
は、例えば特公昭52−12240号公報に見られるよ
うな有機カルボン酸塩を使用したり、ハロゲン化リチウ
ム等の重合助剤を用いることができる。さらに溶融粘度
を上昇させる方法としては、重合時にトリクロルベンゼ
ンのごとき3官能以上の単量体を用いたり、重合体を空
気中で加熱して分枝、架橋構造を導入する方法も実施す
ることができる。
は、例えば特公昭52−12240号公報に見られるよ
うな有機カルボン酸塩を使用したり、ハロゲン化リチウ
ム等の重合助剤を用いることができる。さらに溶融粘度
を上昇させる方法としては、重合時にトリクロルベンゼ
ンのごとき3官能以上の単量体を用いたり、重合体を空
気中で加熱して分枝、架橋構造を導入する方法も実施す
ることができる。
【0010】本発明における水溶性化合物溶液の添加
は、重合装置から重合体を分離する前に行なうものであ
るが、重合に先立つ脱水蒸留前に硫化アルカリ等ととも
に系内へ添加したり、あるいは脱水工程終了後に添加す
ることができる。重合系は一般に高圧状態であり、この
ような系内へは高圧ポンプを用いて水溶液を圧入するこ
とができる。
は、重合装置から重合体を分離する前に行なうものであ
るが、重合に先立つ脱水蒸留前に硫化アルカリ等ととも
に系内へ添加したり、あるいは脱水工程終了後に添加す
ることができる。重合系は一般に高圧状態であり、この
ような系内へは高圧ポンプを用いて水溶液を圧入するこ
とができる。
【0011】添加されたSiO2 および/またはAl2
O3 を主成分とする物質は、重合体と均一に溶液状態か
ら混合され、微少に凝集し重合体中に均一に分散される
ものと考えられ、重合体が粒状または粉末状に回収され
るに際しその内部に含有せしめられるものである。ここ
で重合体は、系の徐冷による顆粒状の回収あるいは溶媒
の急速な蒸発除去による粉末状の回収のいずれによって
も行なわれ、本発明は、これらの回収法に限定されるも
のではない。
O3 を主成分とする物質は、重合体と均一に溶液状態か
ら混合され、微少に凝集し重合体中に均一に分散される
ものと考えられ、重合体が粒状または粉末状に回収され
るに際しその内部に含有せしめられるものである。ここ
で重合体は、系の徐冷による顆粒状の回収あるいは溶媒
の急速な蒸発除去による粉末状の回収のいずれによって
も行なわれ、本発明は、これらの回収法に限定されるも
のではない。
【0012】本発明による無機化合物水溶液の添加量と
しては、最終重合体中にSiおよび/またはAlとして
0.002〜1.5重量%、好ましくは0.005〜1
重量%になるべくその量を選ぶことができるが、水溶液
中の固形分濃度としては、1〜50%、好ましくは5〜
20%が適当である。希薄溶液では重合体中へ混入され
る割合が少なく、また濃厚溶液では容器壁への付着によ
る凝集物生成等の不都合が生じ易い。また重合体中のこ
れら成分量として0.05%未満であるとその効果が少
なく、1.5%を超すような量であると巨大凝集物の生
成などにより均一分散を得ることが困難になってくる。
さらに水溶液を添加混合する際には、系は、撹拌状態で
あることが好ましく、重合体を回収するまでは撹拌を継
続することが望まれる。
しては、最終重合体中にSiおよび/またはAlとして
0.002〜1.5重量%、好ましくは0.005〜1
重量%になるべくその量を選ぶことができるが、水溶液
中の固形分濃度としては、1〜50%、好ましくは5〜
20%が適当である。希薄溶液では重合体中へ混入され
る割合が少なく、また濃厚溶液では容器壁への付着によ
る凝集物生成等の不都合が生じ易い。また重合体中のこ
れら成分量として0.05%未満であるとその効果が少
なく、1.5%を超すような量であると巨大凝集物の生
成などにより均一分散を得ることが困難になってくる。
さらに水溶液を添加混合する際には、系は、撹拌状態で
あることが好ましく、重合体を回収するまでは撹拌を継
続することが望まれる。
【0013】
【作用および発明の効果】本発明は、上に述べたとお
り、SiO2 および/またはAl2 O3 を主成分とする
無機化合物が重合体と溶液状態で混合されたことによる
均一、微少粒子としての分散、混合により、次のような
効果を生じるものである。
り、SiO2 および/またはAl2 O3 を主成分とする
無機化合物が重合体と溶液状態で混合されたことによる
均一、微少粒子としての分散、混合により、次のような
効果を生じるものである。
【0014】(1) SiO2および/またはAl2O
3成分が原料中に含有される鉄、ニッケル等の成分を捕
捉するためか、成形品の耐電圧に代表される電気特性が
改良される。 (2) 他の充てん剤を配合されたポリフェニレンスル
フィド成形品を作製すると、重合体と充てん剤の親和性
を該成分が増加させるためか、成形品の機械特性が向上
する。 (3) 微少な粒子であるため成形品表面に微少な凹凸
を付与でき、摩擦係数の低下を行なうことができる。
3成分が原料中に含有される鉄、ニッケル等の成分を捕
捉するためか、成形品の耐電圧に代表される電気特性が
改良される。 (2) 他の充てん剤を配合されたポリフェニレンスル
フィド成形品を作製すると、重合体と充てん剤の親和性
を該成分が増加させるためか、成形品の機械特性が向上
する。 (3) 微少な粒子であるため成形品表面に微少な凹凸
を付与でき、摩擦係数の低下を行なうことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例をあげ、比較例と対比
させながら更に説明する。
させながら更に説明する。
【0016】実施例1、比較例1 50リットルのSUS316製オートクレーブ中へ7
0.00グラムモルのカセイソーダ(47.90%)と
70.00グラムモルの水硫化ソーダ(47.00%)
を仕込み、50℃以下にて窒素気流下30分間撹拌し、
硫化ソーダ水溶液を調整した。この系に200.0グラ
ムモルのNメチルピロリドンを21グラムモルの無水安
息香酸ナトリウムとともに添加し210℃まで加熱する
ことによりN−メチルピロリドン170グラムを含む留
出液7100グラムを回収した。系を160℃まで冷却
後69.5グラムモルのp−ジクロルベンゼンを15グ
ラムモルのN−メチルピロリドンとともに添加し、内温
を約1.0℃/分の速度で260℃まで加熱し、その後
4時間保持した後150℃まで1.0℃/分で降温した
後、内容物を水中に抜き出し、80℃の水にて6回洗浄
をくり返した後、120℃にて真空乾燥し顆粒状の白色
ポリマ6.5kgを得た。一方、同一処方での重合を、
固形分としてNa2 SiO3 160グラムを含有する水
ガラス水溶液890グラムを脱水後にp−ジクロルベン
ゼン添加後加圧添加することにより行なった。同様に
6.8kgのポリマを得た。
0.00グラムモルのカセイソーダ(47.90%)と
70.00グラムモルの水硫化ソーダ(47.00%)
を仕込み、50℃以下にて窒素気流下30分間撹拌し、
硫化ソーダ水溶液を調整した。この系に200.0グラ
ムモルのNメチルピロリドンを21グラムモルの無水安
息香酸ナトリウムとともに添加し210℃まで加熱する
ことによりN−メチルピロリドン170グラムを含む留
出液7100グラムを回収した。系を160℃まで冷却
後69.5グラムモルのp−ジクロルベンゼンを15グ
ラムモルのN−メチルピロリドンとともに添加し、内温
を約1.0℃/分の速度で260℃まで加熱し、その後
4時間保持した後150℃まで1.0℃/分で降温した
後、内容物を水中に抜き出し、80℃の水にて6回洗浄
をくり返した後、120℃にて真空乾燥し顆粒状の白色
ポリマ6.5kgを得た。一方、同一処方での重合を、
固形分としてNa2 SiO3 160グラムを含有する水
ガラス水溶液890グラムを脱水後にp−ジクロルベン
ゼン添加後加圧添加することにより行なった。同様に
6.8kgのポリマを得た。
【0017】ポリマのメルトフローレート(MF)は、
東洋精機製作所製メルトインデクサーを用い315.6
℃に於て5kg荷重下に測定した。ポリマ中の鉄分、S
i分はポリマを灰化後炭酸ナトリウムと溶融しICP発
光分光分析法にて含有量を測定した。成形品は、ポリマ
に対し67重量部の13μm径チョップドガラス繊維
(日本電気硝子社製)をブレンド後320℃にてペレッ
ト化し、金型温度150℃、射出温度310℃にて引張
り試験片(4.0mm厚)を作製し試料とした。表1に
その結果を示す。
東洋精機製作所製メルトインデクサーを用い315.6
℃に於て5kg荷重下に測定した。ポリマ中の鉄分、S
i分はポリマを灰化後炭酸ナトリウムと溶融しICP発
光分光分析法にて含有量を測定した。成形品は、ポリマ
に対し67重量部の13μm径チョップドガラス繊維
(日本電気硝子社製)をブレンド後320℃にてペレッ
ト化し、金型温度150℃、射出温度310℃にて引張
り試験片(4.0mm厚)を作製し試料とした。表1に
その結果を示す。
【0018】
【表1】
【0019】なお二軸延伸フィルムは、ポリマを320
℃にて溶融プレス後急冷し非晶フィルムとした後(約2
50μm厚み)、T.M.Long社製のフィルムスト
ッチャーにて90℃で3.3倍同時二軸延伸し、定長下
240℃にて熱固定して作製した。動マサツ係数は、フ
ィルム間でのマサツ係数を測定し、耐電圧は25mm径
の電極を使用し、絶縁破壊が生じる最大電圧を測定し
た。表1から本発明によって得られるポリマは、表面特
性、機械特性、電気特性に優れたものであることがわか
る。また、フィルムの顕微鏡観察により、実施例1で得
られたものは、平均20〜60μm径に均一に分散した
粒子が観察される。
℃にて溶融プレス後急冷し非晶フィルムとした後(約2
50μm厚み)、T.M.Long社製のフィルムスト
ッチャーにて90℃で3.3倍同時二軸延伸し、定長下
240℃にて熱固定して作製した。動マサツ係数は、フ
ィルム間でのマサツ係数を測定し、耐電圧は25mm径
の電極を使用し、絶縁破壊が生じる最大電圧を測定し
た。表1から本発明によって得られるポリマは、表面特
性、機械特性、電気特性に優れたものであることがわか
る。また、フィルムの顕微鏡観察により、実施例1で得
られたものは、平均20〜60μm径に均一に分散した
粒子が観察される。
【0020】実施例2、3、比較例2 実施例1と同様な重合操作を1リットルのチタン製重合
容器を用い、70分の1の規模で行なった。ここで実施
例2としては水ガラス水溶液を、実施例3としてはアル
ミン酸ナトリウム水溶液をカセイソーダとともに脱水前
に系内に添加して重合を行なった。添加量は水ガラスは
Na2 SiO3 固形分として3.0グラム、アルミン酸
ナトリウムはNaAlO2 固形分として2.5グラムで
あった。表2に分析および評価結果を示すが、二軸延伸
フィルムの作製および耐電圧評価は実施例1中に記載の
方法と同様である。
容器を用い、70分の1の規模で行なった。ここで実施
例2としては水ガラス水溶液を、実施例3としてはアル
ミン酸ナトリウム水溶液をカセイソーダとともに脱水前
に系内に添加して重合を行なった。添加量は水ガラスは
Na2 SiO3 固形分として3.0グラム、アルミン酸
ナトリウムはNaAlO2 固形分として2.5グラムで
あった。表2に分析および評価結果を示すが、二軸延伸
フィルムの作製および耐電圧評価は実施例1中に記載の
方法と同様である。
【0021】
【表2】
【0022】
Claims (2)
- 【請求項1】 芳香族ポリハロゲン化合物と硫黄源とを
有機極性溶媒中で反応させてポリフェニレンスルフィド
を製造するに際し、SiO2および/またはAl2O3
を主成分とする水溶性化合物の水溶液を添加し、製造さ
れる重合体に対してSiおよび/またはAlとして0.
002〜1.5重量%含有せしめることを特徴とするポ
リフェニレンスルフィド組成物の製造方法。 - 【請求項2】 硫化ナトリウム水溶液を有機極性溶媒と
混合し脱水し、次いで芳香族ポリハロゲンを反応させて
ポリフェニレンスルフィドを製造するに際し、前記脱水
前又は脱水後にケイ酸ナトリウムおよび/またはアルミ
ン酸ナトリウムの水溶液を添加することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィド組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3020790A JP2707849B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | ポリフェニレンスルフィド組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3020790A JP2707849B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | ポリフェニレンスルフィド組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551456A JPH0551456A (ja) | 1993-03-02 |
JP2707849B2 true JP2707849B2 (ja) | 1998-02-04 |
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ID=12036882
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3020790A Expired - Fee Related JP2707849B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | ポリフェニレンスルフィド組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707849B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026804A (ja) * | 2001-07-19 | 2003-01-29 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
-
1991
- 1991-02-14 JP JP3020790A patent/JP2707849B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0551456A (ja) | 1993-03-02 |
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