JP2707620B2 - 耐熱性電極の形成方法 - Google Patents
耐熱性電極の形成方法Info
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- JP2707620B2 JP2707620B2 JP19945388A JP19945388A JP2707620B2 JP 2707620 B2 JP2707620 B2 JP 2707620B2 JP 19945388 A JP19945388 A JP 19945388A JP 19945388 A JP19945388 A JP 19945388A JP 2707620 B2 JP2707620 B2 JP 2707620B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性電極の形成方法に関する。更に詳し
くは、鉄−錫系の廉価な耐熱性電極の形成方法に関す
る。
くは、鉄−錫系の廉価な耐熱性電極の形成方法に関す
る。
〔従来の技術〕および〔発明が解決しようとする課題〕 電極材料としては、従来から一般的にAu、Ag、Pt、N
i、Ti、Cr、Cu、Fe、Sn、Znあるいはこれらの合金など
が用いられている。これらの電極材料中、Au、Ag、Ptは
高価なため汎用には使用することができず、一方、Cu、
Sn、Feなどは廉価であることから一般的に多く使用され
ているものの、これらの廉価な材料は300℃以上では徐
々に酸化されるため、それに伴って電気的特性が変化す
るのを避けることができない。
i、Ti、Cr、Cu、Fe、Sn、Znあるいはこれらの合金など
が用いられている。これらの電極材料中、Au、Ag、Ptは
高価なため汎用には使用することができず、一方、Cu、
Sn、Feなどは廉価であることから一般的に多く使用され
ているものの、これらの廉価な材料は300℃以上では徐
々に酸化されるため、それに伴って電気的特性が変化す
るのを避けることができない。
本発明の目的は、廉価な鉄−錫系電極材料を用い、40
0℃以上の高温でも安定な耐熱性電極の形成方法を提供
することにある。
0℃以上の高温でも安定な耐熱性電極の形成方法を提供
することにある。
かかる本発明の目的は、有機鉄化合物および有機錫化
合物の混合モノマーガスを用い、これに電力密度0.34W/
cm2以上の高周波を印加し、鉄約90〜20元素%および錫
約10〜80元素%のプラズマ重合膜を基質上に形成させて
耐熱性電極となすことにより達成される。
合物の混合モノマーガスを用い、これに電力密度0.34W/
cm2以上の高周波を印加し、鉄約90〜20元素%および錫
約10〜80元素%のプラズマ重合膜を基質上に形成させて
耐熱性電極となすことにより達成される。
混合モノマーガスの一方の成分である有機鉄化合物と
しては、例えば鉄ペンタカルボニルなどが用いられ、ま
た他方の成分である有機錫化合物としては、例えばテト
ラメチル錫、テトラエチル錫、テトラ−n−ブチル錫、
ジブチル錫ジアセテートなどが用いられる。
しては、例えば鉄ペンタカルボニルなどが用いられ、ま
た他方の成分である有機錫化合物としては、例えばテト
ラメチル錫、テトラエチル錫、テトラ−n−ブチル錫、
ジブチル錫ジアセテートなどが用いられる。
これらの混合モノマーガスは、形成されるプラズマ重
合膜中に鉄が約90〜20元素%、また錫が約10〜30元素%
の割合で含有されるように用いられる。鉄の含有割合が
これより多くなると、その耐熱性は低下して鉄のみと同
等のレベルに落ち、一方鉄がこれより少ない割合になる
と、錫のみと同等つまり酸化錫と同じ特性しか示さない
ようになる。なお、形成されたプラズマ重合膜中の鉄お
よび錫の定量は、ESCA(X線光電子分光分析)により行
われる。
合膜中に鉄が約90〜20元素%、また錫が約10〜30元素%
の割合で含有されるように用いられる。鉄の含有割合が
これより多くなると、その耐熱性は低下して鉄のみと同
等のレベルに落ち、一方鉄がこれより少ない割合になる
と、錫のみと同等つまり酸化錫と同じ特性しか示さない
ようになる。なお、形成されたプラズマ重合膜中の鉄お
よび錫の定量は、ESCA(X線光電子分光分析)により行
われる。
かかる混合モノマーガスを用いてのプラズマ重合膜の
形成は、先の本出願人による提案(特開昭63-62877号公
報)の如く、有機錫化合物のプラズマ重合膜の形成に必
要な0.34W/cm2以上、一般には0.34〜2.0W/cm2の電力密
度を有する高周波電力によって行われる。この際の混合
モノマーガス流量は約10〜500cc/分であり、また放電圧
力は10-3〜101Torrのオーダーである。
形成は、先の本出願人による提案(特開昭63-62877号公
報)の如く、有機錫化合物のプラズマ重合膜の形成に必
要な0.34W/cm2以上、一般には0.34〜2.0W/cm2の電力密
度を有する高周波電力によって行われる。この際の混合
モノマーガス流量は約10〜500cc/分であり、また放電圧
力は10-3〜101Torrのオーダーである。
このようにして、例えばアルミナ、ガラス、ステンレ
ススチール、プラスチックなどの各種基質上に、種々の
元素比を有するプラズマ重合膜を形成させることがで
き、この鉄−錫プラズマ重合膜は耐熱性電極として用い
られる。
ススチール、プラスチックなどの各種基質上に、種々の
元素比を有するプラズマ重合膜を形成させることがで
き、この鉄−錫プラズマ重合膜は耐熱性電極として用い
られる。
本発明方法によって形成される耐熱性電極は400℃迄
安定であり、従来耐熱性が必要とされるために金や白金
の電極が用いられていた用途に、これらの高価な材料に
代って用いることができる。
安定であり、従来耐熱性が必要とされるために金や白金
の電極が用いられていた用途に、これらの高価な材料に
代って用いることができる。
このようにすぐれた耐熱性が発揮される原因について
検討したところ、プラズマ重合膜に酸化鉄のバリヤ層が
形成されていることがX線光電子分光分析により確認さ
れた。つまり、膜表面に形成された酸化鉄により、膜内
部への酸素の供給が遮断され、内部の鉄および錫がその
ままの状態で保存されているため、抵抗率が一定に保た
れるものと考えられる。
検討したところ、プラズマ重合膜に酸化鉄のバリヤ層が
形成されていることがX線光電子分光分析により確認さ
れた。つまり、膜表面に形成された酸化鉄により、膜内
部への酸素の供給が遮断され、内部の鉄および錫がその
ままの状態で保存されているため、抵抗率が一定に保た
れるものと考えられる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 テトラメチル錫流量100cc/分、鉄ペンタカルボニル流
量100cc/分、放電圧力8×10-2Torr、放電電力100W(0.
57W/cm2)、放電時間5分間の条件下で、13.56MHzの高
周波放電によるプラズマ重合を行ない、ガラス基質上に
膜厚1μmのプラズマ重合膜を形成させた。形成された
プラズマ重合膜は、鉄と錫とが1:1の元素比を有してい
た。
量100cc/分、放電圧力8×10-2Torr、放電電力100W(0.
57W/cm2)、放電時間5分間の条件下で、13.56MHzの高
周波放電によるプラズマ重合を行ない、ガラス基質上に
膜厚1μmのプラズマ重合膜を形成させた。形成された
プラズマ重合膜は、鉄と錫とが1:1の元素比を有してい
た。
この鉄−錫プラズマ重合膜を基質に付したまま恒温槽
に入れ、250℃になったところでその温度に30分間保持
し、それを取り出して室温下で抵抗率を測定し、その後
再び恒温槽に戻して温度を上げ、400℃および500℃に加
熱したものについて、同様に室温下で抵抗率を測定し
た。
に入れ、250℃になったところでその温度に30分間保持
し、それを取り出して室温下で抵抗率を測定し、その後
再び恒温槽に戻して温度を上げ、400℃および500℃に加
熱したものについて、同様に室温下で抵抗率を測定し
た。
比較例 実施例1に準じ、鉄ペンタカルボニルのみを用い、鉄
プラズマ重合膜を基質上に形成させた。
プラズマ重合膜を基質上に形成させた。
この鉄プラズマ重合膜について、それぞれ250℃およ
び300℃に加熱したものの抵抗率を室温下で測定した。
び300℃に加熱したものの抵抗率を室温下で測定した。
以上の実施例1および比較例での測定結果は、第1図
のグラフに示され、この結果から次のようなことがいえ
る。
のグラフに示され、この結果から次のようなことがいえ
る。
比較例(鉄プラズマ重合膜)の場合には、加熱温度の
上昇と共に徐々に抵抗率が上り、300℃以上では抵抗率
がかなり大きな値となり、酸化の進んでいることが分
る。これに対し、実施例1(鉄−錫プラズマ重合膜)の
場合には、400℃迄の加熱では抵抗率に殆んど変化がな
く、外見上も加熱前と同様に金属光沢を示していた。そ
して、500℃に迄加熱すると、始めて高い抵抗率を示し
た。従って、この薄膜電極の耐熱性は、400℃であると
いえる。
上昇と共に徐々に抵抗率が上り、300℃以上では抵抗率
がかなり大きな値となり、酸化の進んでいることが分
る。これに対し、実施例1(鉄−錫プラズマ重合膜)の
場合には、400℃迄の加熱では抵抗率に殆んど変化がな
く、外見上も加熱前と同様に金属光沢を示していた。そ
して、500℃に迄加熱すると、始めて高い抵抗率を示し
た。従って、この薄膜電極の耐熱性は、400℃であると
いえる。
実施例2 実施例1において、テトラメチル錫流量100cc/分に対
し鉄ペンタカルボニルの流量を200cc/分に変更すると、
鉄と錫との元素比が2:1のプラズマ重合膜が得られた。
し鉄ペンタカルボニルの流量を200cc/分に変更すると、
鉄と錫との元素比が2:1のプラズマ重合膜が得られた。
この鉄−錫プラズマ重合膜について、同様にして耐熱
性を調べると、400℃迄一定の抵抗率を示した。更に、4
00℃の雰囲気中に100時間放置しても、抵抗率に変化が
みられず、その耐熱安定性の点でも良好なことが確認さ
れた。
性を調べると、400℃迄一定の抵抗率を示した。更に、4
00℃の雰囲気中に100時間放置しても、抵抗率に変化が
みられず、その耐熱安定性の点でも良好なことが確認さ
れた。
図面は、実施例1および比較例でそれぞれ形成されたプ
ラズマ重合膜の耐熱性を示すグラフである。
ラズマ重合膜の耐熱性を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】有機鉄化合物および有機錫化合物の混合モ
ノマーガスを用い、これに電力密度0.34W/cm2以上の高
周波を印加し、鉄90〜20元素%および錫10〜80元素%の
プラズマ重合膜を基質上に形成させることを特徴とする
耐熱性電極の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19945388A JP2707620B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 耐熱性電極の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19945388A JP2707620B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 耐熱性電極の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0250965A JPH0250965A (ja) | 1990-02-20 |
JP2707620B2 true JP2707620B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=16408066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19945388A Expired - Fee Related JP2707620B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 耐熱性電極の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707620B2 (ja) |
-
1988
- 1988-08-10 JP JP19945388A patent/JP2707620B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0250965A (ja) | 1990-02-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |